JP6315057B2 - エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気筒が形成されたエンジン本体と、エンジン本体に吸気を導入する吸気通路と、燃料を貯留する燃料タンクと、前記気筒または前記吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁とを有するエンジンの蒸発燃料処理装置に関する。
従来より、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸気通路を介してエンジン本体内に導入して燃焼させ、これにより蒸発燃料が大気中に放出されるのを抑制することが行われている。具体的には、吸気通路と燃料タンクとを連通する通路と、これを開閉するバルブとを設けて、エンジン本体の運転条件等に応じてこのバルブを開閉し、燃料タンクから吸気通路を介してエンジン本体に蒸発燃料を供給するように構成されている。
例えば、特許文献1には、吸気通路と燃料タンクとを連通するパージ配管と、これを開閉するパージ制御弁とを有し、パージ制御弁がその開閉が所定のデューティー比で駆動されるバルブであるエンジンが開示されている。このエンジンでは、パージ配管を流れるガス、すなわち、蒸発燃料を含むパージガスの流量が高いときにはパージ制御弁を低周波数で駆動し、パージガスの流量が低いときにはパージ制御弁を高周波数で駆動されるようになっている。
特許3666460号公報
ここで、蒸発燃料の大気中への放出をより確実に抑制するには、蒸発燃料を含むパージガスをエンジン本体側に導入することが可能な運転条件になった際に、より早期にこの導入を開始させて、この運転条件下でより多くの蒸発燃料をエンジン本体側に導入することが望ましい。
しかしながら、パージバルブに所定の周波数で指令信号を出力するよう構成されたエンジンにおいてこの指令信号の出力周波数が大きい場合には、開弁開始すべき指令が出されてから、パージバルブがこの開弁開始信号を受け取って実際に開弁を開始するまでの時間が長くなってしまい、パージバルブの開弁期間が短くなり十分な蒸発燃料をエンジン本体側に導入できないという問題がある。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、パージバルブをより早期に開弁開始させて、蒸発燃料の大気中への放出をより確実に抑制できるエンジンの蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、エンジン本体と、エンジン本体に吸気を導入する吸気通路と、燃料を貯留する燃料タンクと、エンジン本体に燃料を噴射する燃料噴射弁とを有するエンジンの蒸発燃料処理装置であって、前記燃料タンクと前記吸気通路とを連通して、前記燃料タンクで発生した蒸発燃料を含むパージガスを前記吸気通路に導入するパージ通路と、前記パージ通路を開閉可能なパージバルブと、前記パージバルブに所定の出力周波数で指令信号を出力して当該パージバルブを制御するパージバルブ制御手段とを備え、前記パージバルブ制御手段は、前記パージバルブが閉弁しているときは、前記指令信号の出力周波数を前記パージバルブの開弁時よりも高めることを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装置を提供する(請求項1)。
本発明によれば、開弁開始信号をより早期にパージバルブに出力してこれを早期に開弁させることができる。そのため、パージバルブの開弁期間をより長く確保して、より多くの蒸発燃料をエンジン本体内にて燃焼処理することができ、燃料タンク内の蒸発燃料の大気中への漏えいを確実に抑制することができる。
ここで、開弁開始信号をより早期にパージバルブに出力する構成として、パージバルブへの指令信号の出力周波数を常に高くしておくことが考えられるが、この構成では、パージバルブが過剰に開閉を繰り返してパージガスおよびエンジン本体に導入される空気の変動が過大になるおそれがあるという問題や、前記指令信号を出力するパージバルブ制御手段を駆動するための電気負荷が大きくなるという問題が生じる。これに対して、本発明によれば、電気負荷の増大等の問題を生じさせることなく、多くの蒸発燃料をエンジン本体側に導入して蒸発燃料の大気中への放出をより確実に抑制することができる。
前記構成において、前記パージ制御手段は、前記パージバルブの開度を所定の演算周波数で算出する開度演算部と、当該開度算出部で算出された開度に対応する指令信号を前記パージバルブに出力する出力部とを含み、前記出力部は、前記パージバルブが閉弁しているときは、前記指令信号の出力周波数を前記開度演算部の前記演算周波数と同じ周波数にするのが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、開度算出部においてパージバルブの開弁開始が決定された直後にパージバルブを開弁させることができ、パージバルブの開弁期間をより確実に長くすることができる。
前記構成において、前記パージバルブは、その開閉が前記指令信号の出力周波数でデューティー駆動されるバルブであり、前記パージ制御手段は、前記パージバルブが開弁しているときは、前記指令信号の出力周波数をエンジンの運転条件に応じて設定するのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、前記のように、パージバルブをより早期に開弁させて蒸発燃料の大気中への放出を抑制しながら、エンジンの運転条件に応じてパージバルブを適切に開閉させてエンジン本体にパージガスを適切に導入することができる。
以上説明したように、本発明のエンジンの蒸発燃料処理装置によれば、パージバルブをより早期に開弁開始させて、蒸発燃料の大気中への放出を確実に抑制することができる。
本発明の実施形態にかかるエンジンの蒸発燃料処理装置が適用されたエンジンシステムの概略図である。 エンジンシステムの制御系を示したブロック図である。 パージバルブ出力部の駆動タイミングとパージバルブの開閉タイミングとの関係を示し他図である。 パージバルブの制御手順を示したフローチャートである。 目標パージ質量流量の算出手順の前半部分を示したフローチャートである。 目標パージ質量流量の算出手順の後半部分を示したフローチャートである。 インジェクタの制御手順を示したフローチャートである。 スロットルの制御手順を示したフローチャートである。 噴射パルス幅と噴射量との関係を示した図である。 本実施形態に係る各パラメータの時間変化を示した図である。 比較例に係る各パラメータの時間変化を示した図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるエンジンの蒸発燃料処理装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。当実施形態のエンジンシステムは、4ストロークのエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気(吸気)を導入するための吸気通路30と、エンジン本体1から外部に排気を排出するための排気通路35と、燃料を貯留する燃料タンク41と、燃料タンク41内で発生した蒸発燃料をエンジン本体1に導入するためのパージシステム40とを備えている。このエンジンシステムは車両に設けられて、エンジン本体1は車両の駆動源として用いられる。エンジン本体1は、例えば、図1の紙面に直交する方向に並ぶ4つの気筒2を有する4気筒エンジンであり、主としてガソリンを燃料とするガソリンエンジンである。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン11とを有している。ピストン11の上方には燃焼室5が形成されている。
ピストン11はコネクティングロッドを介してクランク軸15と連結されており、ピストン11の往復運動に応じて、クランク軸15は中心軸回りに回転する。シリンダブロック3には、クランク軸15の回転数をエンジンの回転数として検出する回転数センサSN1が設けられている。
シリンダヘッド4には、インジェクタ12と、インジェクタ12から噴射された燃料と空気との混合気に対し火花放電による点火を行う点火プラグ13とが、各気筒2につきそれぞれ1組ずつ設けられている。
インジェクタ12は、燃料の噴射口となる複数の噴孔を先端部に有しており、各気筒2の燃焼室5をその吸気側の側方から臨むように設けられている。インジェクタ12には、内側に燃料を貯留する燃料レール14が接続されている。燃料レール14は、配管(不図示)を介して燃料タンク41に接続されており、燃料レール14には、燃料タンク41から圧送された燃料が貯留されている。インジェクタ12は、この燃料レール14に貯留されている燃料の供給を受けて燃料を気筒2内に噴射する。
燃料レール14には、燃料レール14に貯留されている燃料の圧力すなわちインジェクタ12が噴射する燃料の圧力である燃圧を検出するための燃圧センサSN5が設けられている。
点火プラグ13は、火花を放電するための電極を先端部に有しており、各気筒2の燃焼室5を上方から臨むように設けられている。
シリンダヘッド4には、吸気通路30から供給される空気を各気筒2の燃焼室5に導入するための吸気ポート6と、吸気ポート6を開閉する吸気弁8と、各気筒2の燃焼室5で生成された排気を排気通路35に導出するための排気ポート7と、排気ポート7を開閉する排気弁9とが設けられている。
吸気通路30は、単一の吸気管33と、この吸気管33と各気筒2の吸気ポート6とを個別に連結する複数の(4本の)独立吸気通路31(図1の紙面に直交する方向に並んでいる)とで構成されている。吸気管33の下流端部には所定容積のサージタンク32が設けられており、サージタンク32から各吸気ポート6にそれぞれ独立吸気通路31が延びている。
吸気管33のうちサージタンク32よりも上流側の部分には、吸気管33の通路を開閉可能なスロットルバルブ34が設けられている。
吸気管33のうちスロットルバルブ34よりも上流側の部分には、この部分を通ってエンジン本体1に吸入される空気(吸気)の流量を検出するためのエアフローセンサSN2が設けられている。また、サージタンク32には、サージタンク32内の圧力すなわち吸気管33のうちスロットルバルブ34よりも下流側の部分の圧力を検出するための吸気圧センサSN3が設けられている。
排気通路35は、各気筒2の排気ポート7と連通する4本の独立排気通路36と、各独立排気通路36の下流端部が1箇所に集合した部分から下流側に延びる1本の排気管38とを有している。当実施形態では、排気順序(排気行程が実施される順序)が連続しない2つの気筒2の独立排気通路36が1本の通路に集合するとともに、排気順序が連続しない2つの気筒2の独立排気通路36が1本の通路に集合し、その後、これら2本の通路が排気管38に集約されている。排気管38には、三元触媒等の触媒が内蔵された触媒装置90が設けられている。
また、排気通路35には、排気ひいては燃焼室5内の空気と燃料の混合気の空燃比(空気と燃料の比率)を検出するためのA/FセンサSN4が設けられている。
パージシステム40は、燃料タンク41内で蒸発した蒸発燃料を脱着可能に吸着するキャニスタ42と、キャニスタ42に空気を導入するパージエア管49と、キャニスタ42と吸気管33とを連結するパージ管(パージ通路)43とを備えている。パージ管43は、吸気管33のうちスロットルバルブ34とサージタンク32との間の部分に接続されている。
キャニスタ42に吸着された蒸発燃料は、パージエア管49から導入された空気によってキャニスタ42から脱着される。キャニスタ42から脱着した蒸発燃料は空気とともにパージ管43を通って吸気管23に導入される。以下、このパージ管43を流通する蒸発燃料と空気とからなるガスをパージガスという。また、このパージガスに含まれる蒸発燃料をパージ燃料という。
パージ管43には、パージ管43を開閉するパージバルブ45が設けられている。パージバルブ45は、DUTYコントロールバルブであり、開閉を繰り返して、1回の開弁期間と閉弁期間とを合わせた単位期間に対する開弁期間の割合であるDUTY比が変更されることでその開度が変更されるようになっている。パージバルブ45は、電磁式バルブであり、DUTY比は、1回の通電期間と1回の非通電期間とを合わせた単位期間に対する通電期間の割合である。パージバルブ45は、DUTY比が0%で全閉となり、100%で全開となる。
以下、パージバルブ45を開弁してパージガスを吸気管33ひいては各気筒2に導入することを、パージを実行するという。
(2)制御系
図2を用いて、エンジンシステムの制御系について説明する。当実施形態のエンジンシステムは、車両に搭載されたPCM(パワートレイン制御モジュール)100によって制御される。PCM100は、CPU、ROM、RAM、I/F等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明にかかるパージバルブ制御手段に相当するものである。
PCM100には、各種センサからの情報が入力される。例えば、PCM100は、回転数センサSN1、エアフローセンサSN2、吸気圧センサSN3、A/FセンサSN4、燃圧センサSN5と電気的に接続されており、これらのセンサからの入力信号を受け付ける。また、車両には、運転者により操作されるアクセルペダル(不図示)の開度を検出するアクセル開度センサSN6や車速を検出する車速センサSN7等が設けられており、これらのセンサによる検出信号もPCM100に入力される。PCM100は、各センサ(SN1〜SN7等)からの入力信号に基づいて種々の演算等を実行して、インジェクタ12、パージバルブ45(パージバルブ45を駆動するアクチュエータ)、スロットルバルブ34(スロットルバルブ34を駆動するアクチュエータ)等に指令信号を出力してこれらを制御する。
PCM100は、機能的要素として、インジェクタ制御部102、パージバルブ制御部(開度演算部)104、スロットルバルブ制御部106を有する。インジェクタ制御部102は、インジェクタ12に関する演算を行い、インジェクタ12から気筒2に噴射させる燃料量である噴射量等を算出する。パージバルブ制御部104は、パージバルブ45に関する演算を行い、パージバルブ45のDUTY比の指令値(以下、適宜、パージバルブ指令DUTY比という)を算出する。スロットルバルブ34は、スロットルバルブ34に関する演算を行い、スロットルバルブ34の開度の指令値を算出する。
また、PCM100は、インジェクタ制御部102で算出された噴射量等に対応する指令信号をインジェクタ12に出力するインジェクタ出力部112、パージバルブ制御部104で算出されたパージバルブ指令DUTY比に対応する指令信号をパージバルブ45に出力するパージバルブ出力部(出力部)114、スロットルバルブ制御部106で算出されたスロットルバルブ34の開度の指令値をスロットルバルブ34に出力するスロットルバルブ出力部116を有する。
各制御部102、104、106はそれぞれ所定の周波数で駆動して演算を行い、各出力部112、114、116は、所定の周波数で駆動してこれら制御部102、104、106からの指令信号を受け付け、かつ、各部に信号を出力する。
本実施形態では、パージバルブ出力部114の駆動周波数(パージバルブ指令DUTY比をパージバルブ制御部104に読みにいく周波数およびパージバルブ45に信号を出力する出力周波数)と、パージバルブ45の開閉周波数とは同じ周波数に設定されている。従って、図3に示すように、パージバルブ45は、パージバルブ出力部114の駆動周期Tにパージバルブ指令DUTY比を掛けた時間であるON時間開弁され、パージバルブ出力部114の駆動周期TからこのON時間を減じた時間閉弁されるとともに、パージバルブ出力部114の駆動周期T毎にその開閉が繰り返される。
各制御部102、104、106の演算手順について次に説明する。
(パージバルブの制御手順)
図4および図5を用いてパージバルブ45の制御手順について説明する。
図4に示すように、PCM100は、まず、各センサSN1〜SN7等の検出値を読み込む。
次に、ステップS2にて、PCM100は、スロットル限界流量を算出する。
スロットル限界流量は、スロットルバルブ34を最小開度としたときにスロットルバルブ34を通過する空気の質量流量であるスロットル通過空気流量である。最小開度は、スロットルバルブ34がその開度変更によってスロットル通過空気流量を適正に変更することができる開度のうちの最も小さい開度である。すなわち、スロットル通過空気流量は基本的にはスロットルバルブ34の開度変更によって変更することができるが、スロットルバルブ34の開度を全閉付近の非常に小さい開度にした場合には、スロットルバルブ34の開度変更を行ってもスロットル通過空気流量は0に近い所定値以下となってほとんど変化しなくなり、前記最小開度は、このスロットル通過空気流量が所定値以下となる開度である。スロットル開度は、予め設定されており、例えば、全開開度の0.5%に設定されている。また、スロットル限界流量は、予め実験等によって設定されている。例えば、PCM100は、エンジン回転数とスロットル限界流量のテーブルを記憶しており、現在のエンジン回転数に対応する値をこのテーブルから抽出する。
次に、ステップS3にて、PCM100は、目標吸気量を算出する。目標吸気量は、エンジン本体1に供給すべき(詳細には、各気筒2にそれぞれ供給すべき)空気の質量流量である。PCM100は、アクセル開度と車速等に基づいてエンジン本体1に要求されているトルクである要求トルクを算出するとともに、この要求トルクを実現するために必要な気筒2の充填効率を算出し、算出した充填効率とエンジン回転数等とに基づいて目標吸気量を算出する。
次に、ステップS4にて、PCM100は、エンジン本体の運転状態に基づいてシリンダ要求燃料量(基準目標燃料量)Qcylを算出する。シリンダ要求燃料量Qcylは、エンジン本体1に供給すべき(詳細には、各気筒2にそれぞれ供給すべき)燃料の総量である。PCM100は、前記のように算出した充填効率とエンジン回転数等とに基づいてシリンダ要求燃料量Qcylを算出する。
次に、ステップS5にて、PCM100は、パージを実行する運転条件であるパージ実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、燃料カットがなされている場合には、パージ実行条件が成立していないと判定される。
ステップS5の判定がNOであってパージ実行条件が成立していない場合は、PCM100は、パージを停止するべくステップS6に進み、エンジン本体1(各気筒2)に導入するパージガスの体積流量の目標値である目標パージ体積流量を0に設定し、ステップS11に進む。
一方、ステップS5の判定がYESであってパージ実行条件が成立している場合は、PCM100は、ステップS6に進む。
ステップS6では、PCM100は、最小噴射量Qinj_minを設定する。最小噴射量Qinj_minは、インジェクタ12のリニアリティ特性が確保されるインジェクタ12の噴射量の最小値である。具体的には、燃圧が一定の条件下において、インジェクタ12の噴射量は、基本的に、その指令値に比例して増減する。しかしながら、横軸を噴射パルス幅すなわち噴射量の指令値に対応する噴射期間、縦軸を実際の噴射量とした図9に示すように、噴射量が所定量未満の領域A1では噴射量と噴射パルス幅とは比例せず、噴射量が所定量以上の領域A2ではじめて噴射量と噴射パルス幅とが比例するようになっており、前記最小噴射量Qinj_minは、この所定量である。
ここで、最小噴射量Qinj_minは、燃圧によって変化する。そこで、ステップS5において、燃圧に基づいて最小噴射量Qinj_minを設定する。本実施形態では、PCM100には、実験等で予め求められた燃圧と最小噴射量Qinj_minとの関係がテーブルで記憶されており、PCM100は、このテーブルから現在の燃圧に対応する値を最小噴射量Qinj_minとして抽出する。
次に、ステップS8において、目標最大パージ燃料量Qpurge_maxを算出する。この目標最大パージ燃料量Qpurge_maxは、インジェクタ12のリニアリティ特性を確保し、かつ、エンジン本体1の出力トルクを要求トルクにした状態で、エンジン本体1(各気筒2)に供給することができるパージ燃料量の最大値であり、シリンダ要求燃料量Qcylから最小噴射量Qinj_minを差し引くことで算出される。
次に、ステップS9において、この目標最大パージ燃料量Qpurge_maxに基づいて、目標パージ質量流量を算出する。
図5は、この目標パージ質量流量の算出手順を示したフローチャートである。
図5に示すように、PCM100は、まず、目標最大パージ燃料量Qpurge_max等に基づいて目標最大インマニ当量比を算出する。インマニ当量比は、吸気管33のガスの当量比(詳細には、吸気管33のガスのうち気筒2に導入される直前のガスの当量比)であり、目標最大インマニ当量比は、目標最大パージ燃料量Qpurge_max分のパージ燃料を吸気管33に導入したときに実現されると推定されるインマニ当量比である。
具体的には、PCM100は、目標最大パージ燃料量Qpurge_maxとパージガスの燃料濃度(以下、パージガス濃度という)とから、目標最大パージ燃料量Qpurge_max分のパージ燃料を吸気管33に導入するために必要なパージガスの質量流量を算出し、このパージガスの質量流量とエアフローセンサSN2で検出された空気の質量流量(以下、新気量という)とを合わせたガス量と、目標最大パージ燃料量Qpurge_maxとから、目標最大インマニ当量比を算出する。パージガス濃度の算出手順については後述する。
本実施形態では、目標最大インマニ当量比に向けてインマニ当量比を増加していくように構成されており、ステップS22〜S24において、各時刻のインマニ当量比の目標値である暫定目標インマニ当量比(i)を、目標最大インマニ当量比に向けて基準増加量ずつ漸増させていく。
具体的には、ステップS22にて、暫定目標インマニ当量比(i)を、先に算出された暫定目標インマニ当量比である暫定目標インマニ当量比(i−1)に基準増加量を加えることで算出する。暫定目標インマニ当量比の初期値は0であり、基準増加量は、予め設定された値である。なお、本実施形態では、暫定目標インマニ当量比は、車両の停止に伴って初期化される(0に戻される)ようになっており、車両走行中は、燃料カット等に伴ってパージが停止されても維持される。
次に、ステップS23にて、暫定目標インマニ当量比(i)が目標最大インマニ当量比以上であるか否かを判定する。そして、この判定がYESの場合は、ステップS24にて暫定目標インマニ当量比(i)を目標最大インマニ当量比に設定してステップS25に進む。一方、ステップS23の判定がNOの場合は、ステップS24を実施せずにそのままステップS25に進む。
ここで、後述するように、本実施形態では、暫定目標インマニ当量比(i)が実現されるようにパージバルブ45を制御する。そのため、基本的には、インマニ当量比は暫定目標インマニ当量比(i)となるが、例えば、パージガス濃度の実値が推定値よりも低い等の理由で十分なパージ燃料を吸気管33に導入することができない場合には、暫定目標インマニ当量比(i)が現在のインマニ当量比(推定値)と大きく乖離してしまい暫定目標インマニ当量比(i)が過大になってしまう。そこで、本実施形態では、前記乖離量が大きい場合には、暫定目標インマニ当量比(i)を実際のインマニ当量比に近づけるように補正する。
具体的には、ステップS25において、暫定目標インマニ当量比(i)と現在のインマニ当量比との差が予め設定された基準ずれ量未満であるか否かを判定する。なお、現在のインマニ当量比は、A/Fセンサの検出値や、吸気量、吸気圧等に基づいて、別途推定される。
そして、ステップS25の判定がNOであって暫定目標インマニ当量比(i)と現在のインマニ当量比との差が大きい場合には、ステップS26に進み、暫定目標インマニ当量比(i)を補正する。具体的には、暫定目標インマニ当量比(i)を、現在のインマニ当量比に近づけるように補正する。その後、ステップS27に進む。
一方、ステップS25の判定がYESであって、暫定目標インマニ当量比(i)と現在のインマニ当量比との差が大きい場合には、ステップS26を実施せずそのままステップS27に進む。
ステップS27では、算出された暫定目標インマニ当量比(i)に基づいて暫定目標パージ質量流量を算出する。暫定目標パージ質量流量は、暫定目標インマニ当量比(i)を実現するために必要なパージガスの質量流量であり、暫定目標インマニ当量比(i)と新気量とパージガス濃度とに基づいて算出される。
次に、ステップS28にて、ステップS27で算出した暫定目標パージ質量流量を一時進み補正して、パージバルブ45付近でのパージガスの質量流量の目標値を決定する。
すなわち、前記のように、暫定目標インマニ当量比(i)は、吸気管33のガスのうち気筒2に導入される直前のガスの当量比の目標値であり、パージガスがパージバルブ45付近から気筒2に到達するまでには遅れがある。そこで、本実施形態では、この遅れを一次遅れとして扱い、暫定目標インマニ当量比(i)に基づいて算出された暫定目標パージ質量流量を一次進み補正して、パージバルブ45付近で実現すべきパージ質量流量の目標値である暫定目標パージ質量流量を算出する。
ステップS28の次は、図6に示すステップS29に進む。
ステップS29では、ステップS3で算出した目標吸気量からステップS2で算出したスロットル限界流量を差し引き、差し引いた値を上限パージ量として設定する。
次に、ステップS30にて、ステップS28で算出した暫定目標パージ質量流量が上限パージ量以下であるか否かを判定する。
ステップS30の判定がNOであって、暫定目標パージ質量流量が上限パージ量より大きい場合は、ステップS31に進み、目標パージ質量流量を上限パージ量に設定する。
一方、ステップS30の判定がYESの場合は、ステップS32に進み、目標パージ質量流量をステップS28で設定した暫定目標パージ質量流量に設定する。
このようにして、本実施形態では、上限パージ量、すなわち、目標吸気量からスロットル限界流量を差し引いた量を超えない範囲で、目標パージ質量流量が設定されるとともに、この範囲内で、気筒2内に導入されるパージ燃料の量が目標最大パージ燃料量Qpurge_maxに向けて漸増するように目標パージ質量流量が設定される。
図4に戻り、目標パージ質量流量が設定された後は、ステップS10に進む。
ステップS10では、パージガスの温度および圧力に基づいて、目標パージ質量流量を体積流量に換算して目標パージ体積流量を算出する。なお、本実施形態では、パージガスの温度および圧力は大気の温度および圧力を用いている。
ステップS10の後はステップS11に進み、目標パージ体積流量に基づいてパージバルブ指令DUTY比を算出する。
本実施形態では、パージバルブ45の前後差圧を算出し、この差圧と目標パージ体積流量とに基づいてパージバルブ指令DUTY比を決定する。
詳細には、パージ管43の圧力損失を算出して、大気圧からこの圧力損失を差し引いた値をパージ管43のパージバルブ45よりも上流側の圧力とし、吸気圧センサSN3で検出された吸気圧をパージバルブ45よりも下流側の圧力として、パージバルブ45の前後差圧を算出する。また、この差圧とパージ体積流量とパージバルブのDUTY比との関係は、予め実験等によりマップで設定されてPCM100に記憶されており、PCM100は、このマップから、算出したパージバルブ45の前後差圧と、目標パージ体積流量とに対応するDUTY比を抽出してパージバルブ指令DUTY比に決定する。
なお、前記のように、ステップS5の判定がNOであってステップS6に進み目標パージ体積流量が0に設定された場合は、パージバルブ指令DUTY比は0%となる。
ステップS11の次はステップS12に進み、パージバルブ指令DUTY比が0%以下であるか否かを判定する。
ステップS12の判定がNOであってパージバルブ指令DUTY比が0%より大きい場合、すなわち、パージバルブ45が開弁される場合(開弁が継続される場合も含む)は、ステップS13に進む。
ステップS13では、パージバルブ出力部114の駆動周波数ひいてはパージバルブ45の開閉周波数をエンジン回転数等に基づいて設定する。本実施形態では、エンジン回転数が高い方が、パージバルブ出力部114の駆動周波数が高周波となるように設定するとともに、パージガス濃度が高い方がパージバルブ出力部114の駆動周波数が高周波数となるように設定する。
具体的には、本実施形態では、エンジン回転数が予め設定された第1回転数以下の時には、パージバルブ出力部114の駆動周波数を第1周波数とし、エンジン回転数が第1回転数より大きく且つ第2回転数(>第1回転数)以下の時には、この駆動周波数を第1周波数よりも高い第2周波数にし、エンジン回転数が第2回転数より大きい時には、この駆動周波数を第2周波数よりも高い第3周波数にする。また、第1周波数、第2周波数、第3周波数は、例えば、それぞれ、5Hz、10Hz、15Hzに設定されている。
一方、ステップS12の判定がYESであってパージバルブ指令DUTY比が0%以下の場合、すなわち、パージバルブ45が閉弁される場合(閉弁が継続される場合も含む)は、ステップS14に進む。
ステップS14では、パージバルブ出力部114の駆動周波数をエンジン回転数によらず最大周波数に設定する。この最大周波数は、ステップS13にて設定される周波数、すなわち、パージバルブ45が開弁しているときに設定されるパージバルブ出力部114の駆動周波数よりも高い周波数であり、予め設定されている。
本実施形態では、この最大周波数は、パージバルブ制御部104の駆動周波数すなわち演算周波数に設定されている。すなわち、パージバルブ制御部104の駆動周波数は、パージバルブ45が開弁しているときのパージバルブ出力部114の駆動周波数よりも高くなるように設定されており、パージバルブ45が閉弁しているときは、パージバルブ出力114の駆動周波数はこのパージバルブ制御部104の駆動周波数に設定される。パージバルブ制御部104の駆動周波数は、例えば、100Hzである。
このように、本実施形態では、パージバルブ45が閉弁しているときは、パージバルブ出力部114の駆動周波数が最大周波数とされて、パージバルブ出力部114は最も短い周期でパージバルブ制御部104に信号を読みにいき且つ最も短い周期でパージバルブ45に信号を出力する。
ステップS13またはステップS14の後は、ステップS15に進む。ステップS15では、ステップS13またはステップS14で設定された駆動周波数で、ステップS11で設定されたパージバルブ指令DUTY比の信号がパージバルブ45に出力される。
(インジェクタの制御手順)
次に、図7を用いて、インジェクタ12の噴射量(インジェクタ12の噴射量の指令値である指令噴射量)の算出手順について説明する。
PCM100は、まず、ステップS41にて、ステップS4で算出されたシリンダ要求燃料量Qcylと、ステップS11で設定されたパージバルブ指令DUTY比等を読み込む。
次に、ステップS42にて、現在のパージ体積流量である実パージ体積流量であって、エンジン本体1に導入されているパージガスの体積流量を推定する。
具体的には、現在のパージバルブ45のDUTY比と、ステップS11の演算過程で算出されたパージバルブ45の前後差圧とに基づいて、基本となるパージガスの体積流量を算出した後、これを、パージバルブ45に供給されている電圧、パージバルブ45の駆動周波数(パージバルブ出力部114の駆動周波数)およびパージバルブ45周辺の温度で補正してパージガスの流量を推定する。
次に、ステップS43にて、ステップS42で算出した実パージ体積流量を質量流量に換算して実パージ質量流量を算出する。
次に、ステップS44にて、エンジン本体1に現在導入されているパージ燃料の量である実パージ燃料量Qpurge_rを推定する。具体的には、ステップS43で算出した実パージ質量流量とパージガス濃度とに基づいて実パージ燃料量Qpurge_rを算出する。
次に、ステップS45にて、シリンダ要求燃料量Qcylから実パージ燃料量Qpurge_rを差し引いた値を基本噴射量として算出する。
次に、ステップS46にて、この基本噴射量をA/F_フィードバック補正して指令噴射量を算出する。すなわち、本実施形態では、A/FセンサSN4で検出された実際の排気通路35内のガスの空燃比が、予め設定された目標値となるように、インジェクタ12の噴射量を補正するようになっており、この補正量で基本噴射量を補正する。
ステップS46の後はステップS47に進み、ステップS46で算出した指令噴射量をインジェクタ12に噴射させる。
このように、本実施形態では、インジェクタ12の噴射量が、基本的に、シリンダ要求燃料量Qcylから実パージ燃料量Qpurge_rすなわちエンジン本体1に導入されるパージ燃料の量を減じた量に設定される。
(パージ濃度の推定手順)
次に、パージガス濃度の推定手順について説明する。
本実施形態では、パージが実行されている所定の運転条件において、A/FセンサSN4で検出された排気通路35内のガスの空燃比に基づいてパージガス濃度を推定する。具体的には、予め設定された排気通路35の空燃比の目標値と、A/FセンサSN4で検出された実際の空燃比とのずれが、パージ燃料がエンジン本体1に供給されることによって生じたとして、このずれ量とパージガスの流量とに基づいてパージガス濃度を推定する。本実施形態では、前記所定の運転条件において、前記ずれ量の平均値と、パージガスの流量の平均値とを算出し、これらの値を用いてパージガス濃度を推定する。なお、パージガスの流量は、パージバルブ45の前後差圧と、パージバルブ45の開度とに基づいて算出する。
(スロットルバルブの制御手順)
次に、図8を用いて、スロットルバルブ34の開度の目標値であるスロットル目標開度の算出手順について説明する。
PCM100は、まず、ステップS51にて、ステップS2で算出された目標吸気量、および、ステップS31またはS32で設定された目標パージ質量流量を読み込む。
次に、ステップS52にて、目標吸気量から目標パージ質量流量を差し引いて、スロットルバルブ34を通過する空気の目標値であるスロットル目標吸気量を算出する。
次に、ステップS53にて、スロットル目標吸気量に基づいてスロットル目標開度を算出する。本実施形態では、エンジン回転数とスロットルバルブ34の開度とスロットルバルブ34を通過する空気量との関係が予め実験等で求められてマップでPCM100に記憶されており、PCM100は、このマップから、現在のエンジン回転数と、ステップS52で算出したスロットル目標吸気量とに対応する開度を抽出してスロットル目標開度に設定する。
そして、ステップS54にて、スロットルバルブ34の開度をスロットル目標開度に変更する。
ここで、前記のように、本実施形態では、目標パージ質量流量ひいては吸気管32に導入されるパージガスの量が、上限パージ量すなわち目標吸気量からスロットル限界流量を差し引いた量を超えないように制御される。そのため、スロットル通過空気流量は、スロットル限界流量以上に制御され、スロットルバルブ34の開度は最小開度以上に制御される。
(3)作用等
以上のように、本実施形態では、パージバルブ45が閉弁しているときは、パージバルブ出力部114の駆動周波数が最大周波数とされて、パージバルブ出力部114は、パージバルブ45が開弁しているときよりも短い周期でパージバルブ制御部104に信号を読みにいくとともにより短い周期でパージバルブ45に信号を出力する。
そのため、パージバルブ45をより早期に開弁開始させることができ、パージを実行できる限られた運転条件(パージ実行条件が成立する運転条件)において、パージバルブ45の開弁期間をより長くすることができ、燃料タンク41内の蒸発燃料をより多くエンジン本体1に導入して燃焼処理することができる。従って、この蒸発燃料の大気中への漏えいを確実に抑制することができる。
特に、本実施形態では、パージバルブ45が閉弁しているときのパージバルブ出力部114の駆動周波数が、パージバルブ制御部104の駆動周波数と同じに設定されている。そのため、パージバルブ制御部104にて開弁を開始させることが決定された直後(パージバルブ指令DUTY比が0より大きくなった直後)に、パージバルブ45の開弁を開始させることができる。
図10および図11を用いて具体的に説明する。これら図10、図11は、それぞれ、上から順に、パージバルブ制御部104の駆動タイミング、パージバルブ制御部104で算出されたパージバルブ指令DUTY比、パージバルブ出力部114の駆動タイミング、パージバルブ45の実際の駆動DUTY比の時間変化を示した図であり、図10は本実施形態に係る図であってパージバルブ45の閉弁時においてパージバルブ出力部114の駆動周波数をパージバルブ制御部104の駆動周波数と同じにした場合の図、図11は、比較例であって、パージバルブ出力部114の駆動周波数をパージバルブ制御部104の駆動周波数よりも低い周波数としたとき図である。
図11に示すように、パージバルブ出力部114の駆動周波数が低い場合には、時刻t1にてパージバルブ制御部104がパージバルブ指令DUTY比を0より大きい値に設定してパージバルブ45の開弁を決定しても、パージバルブ出力部114はパージバルブ制御部104にその結果をすぐには読みに行かず、時刻t1から所定期間dT10が経過した時刻t12にて初めて前記結果を読みに行きパージバルブ45に出力する。そのため、パージバルブ制御部104にてパージバルブ45の開弁が決定されてから、パージバルブ45が実際に開弁を開始するまで(実際の駆動DUTY比が0より大きくなるまで)の間に長い遅れ時間dT10が生じてしまい、パージバルブ45の開弁期間を長く確保することができなくなる。
これに対して、図10に示すように、本実施形態では、パージバルブ出力部114の駆動周波数を高く、特に、パージバルブ制御部104の駆動周波数と同じに設定しているため、時刻t1にて、パージバルブ制御部104がパージバルブ指令DUTY比を0より大きい値に設定してパージバルブ45の開弁を決定すると、その直後(時刻t2)にて、パージバルブ出力部114がこの結果を読みに行きパージバルブ45に開弁信号を付与する。従って、パージバルブ45の開弁が決定されてから、パージバルブ45が実際に開弁を開始するまでの間の遅れ時間dT1を短くして、パージバルブ45の開弁を早期に開始させることができる。
特に、パージバルブ出力部114とパージバルブ制御部104とが同じタイミングで駆動するように、これらを同期させて駆動すればパージバルブ45をより一層早期に開弁開始させることができる。
ここで、パージバルブ45をより早期に開弁させる構成として、パージバルブ出力部114の駆動周波数を、パージバルブ45の開度によらず常に高くしておくことが考えられるが、このようにした場合には、パージバルブ45がこの高い周波数で開閉を繰り返すことになり、エンジン本体に導入されるパージガスひいてはエンジン本体1に導入される空気および燃料の変動が過大になるという問題や、パージバルブ45を駆動するアクチュエータに係る電気不可が大きくなるという問題が生じる。これに対して、本実施形態では、前記のように、パージバルブ45の閉弁時にのみ、パージバルブ出力部114の駆動周波数を高めているため、前記問題の発生を回避しつつ、パージバルブ45を早期に開弁させることができる。
また、前記実施形態では、パージバルブ45の開弁時において、パージバルブ出力部114の駆動周波数を、エンジン回転数が高い方が高周波となるように、かつ、パージガス濃度が高い方が高周波数となるように設定している。そのため、気筒2内にパージガスをより適切に導入することができる。
具体的には、前記のように、パージバルブ45は開閉を繰り返すように構成されたDUTYコントロールバルブであるため、吸気通路30内においてパージガスはこの開閉周波数に対応する周波数で脈動する。そのため、エンジン回転数が高く、吸気バルブ8の開弁期間すなわち1燃焼サイクルについてパージガスを気筒2内に導入することができる期間が短い場合に、パージバルブ出力部114の駆動周波数ひいてはパージバルブ45の開閉周波数および前記脈動の周波数を低くすると、吸気バルブ8の開弁期間中に気筒2内に導入されるパージガスの量の変動が大きくなってしまう。また、パージガス濃度が高い場合には、前記脈動に伴い吸気通路30内におけるパージ燃料の変動量が大きくなりやすい。そのため、この場合に、パージバルブ出力部114の駆動周波数ひいては前記脈動の周波数を低くすると、気筒2内に導入されるパージ燃料の変動量が大きくなってしまう。
従って、前記のように、パージバルブ45の開弁時のパージバルブ出力部114の駆動周波数を、エンジン回転数が高い方が高周波となるように、かつ、パージガス濃度が高い方が高周波数となるように設定すれば、気筒2内に導入されるパージガスの量およびパージ燃料の量の変動を小さく抑えて、気筒2内にパージガスをより適切に導入することができる。
(4)変形例
前記実施形態では、パージバルブ45の閉弁時において、パージバルブ出力部114の駆動周波数をパージバルブ制御部104の駆動周波数と同じ周波数にした場合について説明したが、パージバルブ出力部114の駆動周波数は、パージバルブ45の閉弁時の方が、開弁時よりも大きくなるように設定されればよい。ただし、これら駆動周波数を同じ周波数にすれば、より早期にパージバルブ45の開弁を開始させることができる。
また、パージバルブ45が開弁している場合において、パージバルブ出力部114の駆動周波数およびパージバルブ45の開閉周波数を、エンジン回転数およびパージガス濃度に基づいて設定した場合について説明したが、これらの一方に基づいて設定してもよい。また、エンジン回転数およびパージガス濃度に代えて、パージバルブ指令DUTY比に応じてこれら周波数を変更してもよい。また、エンジン回転数と、パージガス濃度と、パージバルブ指令DUTY比のいずれか2つ、または全てに基づいてこれら周波数を設定してもよい。例えば、パージバルブ45のDUTY比が小さくリニアリティ特性が確保されない場合(指令DUTY比とパージバルブ45を通過するパージガスの流量との関係が比例しない場合)の方が、他の場合よりも、パージバルブ出力部114の駆動周波数およびパージバルブ45の開閉周波数が低くなるように設定してもよい。
また、前記実施形態では、エンジン本体1に導入されるパージ燃料の量が目標最大パージ燃料量Qpurge_maxとなるように、また、インジェクタ12の噴射量が、最小噴射量Qinj_minとなるようにパージバルブ45およびインジェクタ12が制御される場合について説明したが、エンジン本体1に導入されるパージ燃料の量が目標最大パージ燃料量Qpurge_max以外の目標値になるように、また、インジェクタ12の噴射量が最小噴射量Qinj_min以外の目標値になるようにパージバルブ45およびインジェクタ12が制御されてもよい。ただし、前記実施形態のようにすれば、前記のように、インジェクタ12によりエンジン本体1に供給される燃料量の制御性を確保しながら、多量のパージ燃料を短時間にエンジン本体1に導入して燃焼処理することができる。
また、前記実施形態では、パージの実行中において、エンジン本体1に導入されるパージ燃料の量を目標最大パージ燃料量Qpurge_maxに向けて漸増し、かつ、インジェクタ12の噴射量を最小噴射量Qinj_minに向けて漸減する場合について説明したが、パージ実行条件の成立に伴って、これらの量をそれぞれ目標最大パージ燃料量Qpurge_max、最小噴射量Qinj_minに変更してもよい。ただし、前記実施形態のようにすれば、エンジン本体1に導入されるパージ燃料の量の急変に伴ってエンジントルクが急変するのをより確実に抑制することができる。
また、前記実施形態では、インジェクタ12が気筒2内に直接燃料を噴射する場合について説明したが、インジェクタ12が吸気通路30内に燃料を噴射するように構成してもよい。
1 エンジン本体
30 吸気通路
41 燃料タンク
42 キャニスタ
43 パージ管(パージ通路)
45 パージバルブ
100 PCM(パージバルブ制御手段)
104 パージバルブ制御部(開度演算部)
114 パージバルブ出力部(出力部)

Claims (3)

  1. 気筒が形成されたエンジン本体と、エンジン本体に吸気を導入する吸気通路と、燃料を貯留する燃料タンクと、前記気筒または前記吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁とを有するエンジンの蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を脱着可能に吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタと前記吸気通路とを連通して、前記キャニスタから脱着された蒸発燃料を含むパージガスを前記吸気通路に導入するパージ通路と、
    前記パージ通路を開閉可能なパージバルブと、
    前記パージバルブに所定の出力周波数で指令信号を出力して当該パージバルブを制御するパージバルブ制御手段とを備え、
    前記パージバルブ制御手段は、前記パージバルブが閉弁しているときは、前記指令信号の出力周波数を前記パージバルブの開弁時よりも高めることを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの蒸発燃料処理装置において、
    前記パージ制御手段は、前記パージバルブの開度を所定の演算周波数で算出する開度演算部と、当該開度算出部で算出された開度に対応する指令信号を前記パージバルブに出力する出力部とを含み、
    前記出力部は、前記パージバルブが閉弁しているときは、前記指令信号の出力周波数を前記開度演算部の前記演算周波数と同じ周波数にすることを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの蒸発燃料処理装置において、
    前記パージバルブは、その開閉が前記指令信号の出力周波数でデューティー駆動されるバルブであり、
    前記パージ制御手段は、前記パージバルブが開弁しているときは、前記指令信号の出力周波数をエンジンの運転条件に応じて設定することを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装置。
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