JP2003343364A - エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

エンジンの蒸発燃料処理装置

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JP2003343364A
JP2003343364A JP2002156850A JP2002156850A JP2003343364A JP 2003343364 A JP2003343364 A JP 2003343364A JP 2002156850 A JP2002156850 A JP 2002156850A JP 2002156850 A JP2002156850 A JP 2002156850A JP 2003343364 A JP2003343364 A JP 2003343364A
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duty
duty frequency
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JP2002156850A
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Keitaro Esumi
圭太郎 江角
Toshiyuki Yamaguchi
俊行 山口
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定のデューティ周波数でパージ弁をデュー
ティ制御するように構成されたエンジンの蒸発燃料処理
装置において、デューティ周波数を小さくすることによ
るパージ制御等の応答性の悪化の軽減、及び、パージ弁
の初期交差や経年劣化等によるパージ過多状態の発生防
止及びこれによる空燃比制御性の悪化防止を図ることが
できるエンジンの蒸発燃料処理装置を提供することを課
題とする。 【解決手段】 ECU30は、目標パージ量に基づいて
パージコントロールバルブをデューティ周波数10Hz
でデューテイ制御し、目標パージ量が、予め設定された
比較的小さな所定の値より小さな値に設定されている場
合に、実パージ量が上記所定の値よりも大きいか否かを
フィードバック補正係数CFbの絶対値が25%より大
きいか否かにより判定し、大きいと判定したときはデュ
ーティ周波数を6Hzにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクで発生
した蒸発燃料をエンジンの所定運転時に吸気系へパージ
するように構成された蒸発燃料処理装置に関し、エンジ
ンの蒸発燃料処理装置におけるパージ制御の技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】自動車などのエンジンにおいては、燃料
供給系統で発生した蒸発燃料が大気中に放出されること
による大気汚染を防止するために、例えば燃料タンク内
で発生した蒸発燃料を、一旦キャニスタに吸着させた
後、エンジンの運転時に運転状態に応じてキャニスタか
ら吸気通路内にパージ(放出)させることがある。その
場合に、パージ量は、例えば、エンジンの運転状態に応
じて設定された目標パージ量に基づいて、所定のデュー
ティ周波数でパージ弁の開時間をデューティ制御するこ
とによって制御される。なお、ここで、パージ量とは、
例えば、キャニスタから吸気通路内に供給する蒸発燃料
を含んだ空気量を言い、また、デューティ制御とは、1
ON−OFF周期におけるON時間あるいはOFF時間
の比率の変更制御を言う。なお、ON時に弁が開く場合
は、ON時間を長くするほど(デューティ比を大きくす
るほど)開時間が長くなり、OFF時にパージ弁が開く
場合は、OFF時間の比率を長くするほど(デューティ
比を小さくするほど)開時間が長くなる。以後の説明に
おいては、ON時に弁が開く場合で説明する一方、自動
車用のエンジンにおいては、例えば運転状態に応じた出
力特性の達成や排気エミッションの改善等を目的とし
て、実空燃比が目標空燃比となるように空燃比のフィー
ドバック制御が行われることがある。その場合に、図8
(a)に示すように、パージ弁は、一般に、ON信号を
受けてから実際に開状態となるまで、あるいは、OFF
信号を受けてから実際に閉状態となるまでに、それぞれ
時間to、tdだけ応答遅れを生じる。この応答遅れ時
間to、tdは、ON信号を受けてから実際に開状態と
なるまでの方が一般に大きいため、実際の開時間ta′
は、応答遅れがないとしたときの理論開時間ta(ON
信号の継続時間と等しい)と比較して短くなる。そし
て、この応答遅れ時間to、tdはデューティ比(ta
/Ta)によらずほぼ一定であるから、デューティ比
(ta/Ta)を小さくして理論開時間taを短くして
いくと、該理論開時間taに占める上記応答遅れ時間t
o、tdの比率が増大して応答遅れの影響が無視できな
くなる。言い換えれば、デューティ比を小さくしていく
と、実際の開時間ta′が理論開時間taよりもかなり
小さくなり、この結果、実際のパージ量が上記理論開時
間taから算出される理論パージ量より小さくなって、
上記空燃比のフィードバック制御に悪影響を及ぼす。
【0003】この問題に対しては、例えば、特開平7−
166975号公報に開示の技術を用いることが考えら
れる。すなわち、デューティ比が所定値未満の領域で
は、図8(b)に示すように、所定値以上の領域と比較
して大きなデューティ周期Tb(例えば図の場合であれ
ば2Ta)に変更する(デューティ周波数を小さくす
る)ことにより、1回あたりの理論開時間をtb(例え
ば図の場合であれば2ta)に長くして、該理論開時間
tbに占める上記応答遅れ時間to、tdの比率を減少
させ、これにより、理論パージ量と実際のパージ量との
乖離幅を減少させ、空燃比制御性を向上させるのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の技術の場合、前述のようにデューティ比が所
定値未満の領域では一律にデューティ周波数が小さくさ
れるから、デューティ比が所定値以上の領域と比較し
て、パージ制御や空燃比制御等の応答性が悪化する。
【0005】一方、図9に示すように、パージ弁等の弁
類は、デューティ比がある値Daより小さな領域におい
ては、正確には、開時間(ON時間)が小さな領域にお
いては、例えば流体の特性の影響が大きくなってデュー
ティ比と流量(パージ量)とのリニアリティが失われ、
使用に適さないから、結果として制御可能な最小流量
は、デューティ比がDaのときの値Qaに定まることと
なる。
【0006】また、パージ弁等の弁類は、一般に初期公
差や例えば経年変化による流量の誤差を有している。例
えば、上記所定のデューティ比Daのときの初期交差
が、設計値Qaに対して上側+α、下側−βである場
合、パージ弁が実際に流す流量は、Qa+αからQa−
βの間にばらつくこととなる。そして、下側(Qa−β
側)にばらついていた場合、目標パージ量に対して実パ
ージ量(流量)が不足することとなるが、デューティ比
を所定値Daより大きな値に設定することにより、この
流量不足を解消することができる。一方、上側(Qa+
α側)にばらついていた場合、前述のリニアリティ等の
問題により、デューティ比を上記所定値Daより小さな
値に設定することができないから、パージ量が多い状態
が継続し、空燃比制御に悪影響を及ぼす。
【0007】そこで、本発明は、所定のデューティ周波
数でパージ弁をデューティ制御するように構成されたエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、デューティ周波数
を小さくすることによるパージ制御等の応答性の悪化の
軽減、及び、パージ弁の初期交差や経年劣化等によるパ
ージ過多状態の発生防止及びこれによる空燃比制御性の
悪化防止を図ることができるエンジンの蒸発燃料処理装
置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の発明は、燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着す
るキャニスタとエンジンの吸気系とを接続する接続通路
に備えられ、デューティ制御されるパージ弁と、エンジ
ンの運転状態に応じて設定された目標パージ量に基づい
て上記パージ弁を所定のデューティ周波数でデューテイ
制御するパージ制御手段とが備えられたエンジンの蒸発
燃料処理装置であって、目標パージ量が、予め設定され
た比較的小さな所定の値より小さな値に設定されている
場合に、実パージ量が上記所定の値よりも大きいか否か
を判定するパージ量判定手段と、該判定手段によって実
パージ量が上記所定の値よりも大きいと判定されたとき
は、上記所定のデューティ周波数を小さくするデューテ
ィ周波数変更手段とが備えられていることを特徴とす
る。
【0009】この発明によれば、目標パージ量が、予め
設定された比較的小さな所定の値より小さな値に設定さ
れている場合、例えば、デューティ比が、小さな値(O
N時にパージ弁が開く場合。OFF時にパージ弁が開く
場合は大きな値と読み替えればよい。以後の説明におい
てはON時にパージ弁が開く場合で説明する)に設定さ
れている場合において、常にデューティ周波数を小さく
するのでなく、実パージ量が上記所定の値より大きいと
判定されたときに、すなわち、実パージ量が過多状態に
なる虞があるときにのみ、デューティ周波数を小さくす
るから、これによるパージ制御等の応答性悪化が軽減さ
れる。
【0010】また、実パージ量が過多状態になる虞がな
いので、実空燃比が目標空燃比となるように空燃比制御
を行う空燃比制御手段が備えられている場合、その空燃
比の制御に悪影響を及ぼすのが防止される。
【0011】しかも、前述したように、デューティ周波
数を小さくすれば、より小さなデューティ比でも応答遅
れ等の問題が軽減されるから、換言すれば、リニアリテ
ィを有する領域がより小さな流量にまで広がるから、上
記所定の値以下のパージ量の場合にも精度よくパージ量
の制御が可能となる。
【0012】例えば、図1に示すように、デューティ周
波数がFaHzのときは、リニアリティを有する領域の
最小流量はQfaであるが、デューティ周波数がFaH
zより小さいFbHzのときは、Qfbに低下すること
となる。そして、上記所定の値として、例えば上記最小
流量Qfaを設定すれば、初期公差や経年劣化等により
パージ弁の流量にばらつきがあって実パージ量が最小流
量Qfaより大きくなっても、その旨がパージ量判定手
段によって判定され、所定のデューティ周波数がFaか
らこれより小さなFbに変更されるから、最小流量Qf
aより小さな流量にも制御可能となり、この結果、パー
ジ過多状態の発生が防止され、空燃比制御性の悪化が防
止される。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、エンジンの空燃比が目標空燃比
となるように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃
比制御手段が備えられ、パージ量判定手段は、該フィー
ドバック制御の制御量が所定の制御量より大きいか否か
を判定することにより実パージ量が所定の値よりも大き
いか否かを判定することを特徴とする。
【0014】この発明によれば、パージ量判定手段の構
成が具体化される。すなわち、実パージ量が所定の値よ
り大きいか否かの判定を、空燃比制御手段によるフィー
ドバック制御の制御量が所定の制御量より大きいか否か
で判定するようにしたから、判定を精度よく行え、ま
た、新たに検出のための機材等を設ける必要がない。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の発明において、エンジンの吸気
量を検出する吸気量検出手段が備えられており、かつ、
デューティ周波数変更手段によってデューティ周波数が
小さくされている場合において、上記吸気量検出手段に
よって検出された吸気量に関する値が所定値以上になっ
たときは、当該デューティ周波数を元の値に向けて大き
くするデューティ周波数復帰手段と、デューティ周波数
が小さくされていない場合において、上記吸気量検出手
段によって検出された吸気量に関する値が所定値以上で
あるときは、デューティ周波数変更手段がデューティ周
波数を小さくすることを禁止するデューティ周波数変更
禁止手段との少なくとも一方が備えられていることを特
徴とする。
【0016】この発明によれば、デューティ周波数変更
手段によってデューティ周波数が小さくされている場合
でも、吸気量に関する値が所定値以上になったとき、例
えば運転者によってアクセルが踏み込まれたときは、デ
ューティ周波数を元の値に向けて大きくするから、制御
応答性の低い状態が解消され、運転状態変化に迅速に対
応できるようになる。
【0017】あるいは、またはそれと共に、デューティ
周波数変更手段によってデューティ周波数が小さくされ
ている場合に、吸気量に関する値が所定値以上であると
き、例えば運転者によってアクセルが踏み込まれている
ときは、制御応答性の良い状態が要求されているときで
あるから、デューティ周波数を小さくするのを禁止し
て、制御応答性の良い状態を維持するようにするのであ
る。
【0018】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載の発明において、アイドル状態
を検出するアイドル状態検出手段が備えられており、か
つ、デューティ周波数変更手段によってデューティ周波
数が小さくされている場合において、上記アイドル状態
検出手段によってアイドル状態でないことが検出された
ときは、当該デューティ周波数を元の値に向けて大きく
するデューティ周波数復帰手段と、デューティ周波数が
小さくされていない場合において、上記アイドル状態検
出手段によってアイドル状態でないことが検出されてい
るときは、デューティ周波数変更手段がデューティ周波
数を小さくすることを禁止するデューティ周波数変更禁
止手段との少なくとも一方が備えられていることを特徴
とする。
【0019】この発明によれば、請求項3に記載の発明
同様、デューティ周波数変更手段によってデューティ周
波数が小さくされている場合でも、例えば運転者によっ
てアクセルが踏み込まれてアイドル状態でなくなったと
きは、デューティ周波数を元の値に向けて大きくするか
ら、制御応答性の低い状態が解消され、運転状態変化に
迅速に対応できるようになる。
【0020】あるいは、またはそれと共に、デューティ
周波数変更手段によってデューティ周波数が小さくされ
ている場合に、アイドル状態でないことが検出されてい
るときは、運転者によってアクセルが踏み込まれてお
り、制御応答性が要求されているときであるから、デュ
ーティ周波数を小さくするのを禁止して、制御応答性の
良い状態を維持するようにするのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】図2に示すように、エンジン1は吸、排気
弁2,3を介してそれぞれ燃焼室4に通じる吸気通路5
及び排気通路6を有する。吸気通路5には上流側からエ
アクリーナ7と、燃焼室4への吸入空気量を検出するエ
アフローセンサ8と、吸入空気量ないしエンジン出力を
調整するスロットルバルブ9とが配備されていると共
に、燃焼室4に燃料を噴射供給する燃料噴射弁10が、
上記スロットルバルブ9の下流に設けられたサージタン
ク11の下流側に設置されている。一方、上記排気通路
6には、三元触媒式の触媒コンバータ12が設置されて
いると共に、該触媒コンバータ12の上流側には排気ガ
ス中の残存酸素濃度を検出することにより燃焼室4内の
混合気の空燃比を検出するO2センサ13が設置されて
いる。
【0023】そして、このエンジン1には、上記燃料噴
射弁10に燃料を供給する燃料供給システムが備えられ
ている。この燃料供給システムは、燃料を貯留する燃料
タンク14と、該タンク14内に設置された燃料ポンプ
15と、該ポンプ15から吐出された燃料を燃料噴射弁
10に導く燃料供給通路16と、燃料噴射弁10で噴射
されなかった余分な燃料を回収する燃料回収通路17と
を有する。この燃料回収通路17には燃料噴射圧力を調
整するプレッシャレギュレータ18が設置されている。
このプレッシャレギュレータ18は、上記吸気通路5に
おけるサージタンク11から負圧通路19を介して吸気
負圧を導入することにより、該負圧に応じて上記燃料噴
射弁10からの燃料噴射圧力を調整する。
【0024】また、上記燃料タンク14の上部には、該
タンク14内で蒸発した蒸発燃料を収集してキャニスタ
20に導く蒸発燃料収集通路21が接続されている。そ
して、該キャニスタ20に上流端側が接続されたパージ
通路22が、通電時に開弁するパージコントロールバル
ブ23を介して吸気通路5における上記サージタンク1
1に接続されている。なお、上記キャニスタ20の下部
に接続された大気開放通路24は、チェックバルブ25
を介して上記サージタンク11へと導かれている。この
チェックバルブ25は、サージタンク11が負圧状態の
ときに上記大気開放通路24を遮断するように構成され
ている。これにより、上記蒸発燃料収集通路21を介し
てキャニスタ20に導かれた蒸発燃料が、該キャニスタ
20に内蔵された活性炭に一旦吸着された上で、上記パ
ージコントロールバルブ23が開弁しているときに上記
パージ通路22を介して吸気通路5に供給される。
【0025】ここで、パージコントロールバルブ23
は、図3にデューティ比―流量特性を示すように、デュ
ーティ周波数を変更すると、デューティ比―流量特性が
変化する特性を有する。ここで、デューティ周波数と
は、デューティ制御における1ON−OFF周期の逆数
を意味する。また、あるデューティ比(10Hzの場
合、D10。6Hzの場合、D6)以下では、特性のリ
ニアリティが失われるため、リニアリティを有する領域
内で使用される。例えば、デューティ周波数を10Hz
から6Hzに小さくすると、良好な流量制御を行うのに
好適なリニアリティを有するエリアが低流量側に拡大
し、そのときの流量はQp2からQp1に小さくなる。
なお、デューティ周波数が8Hzのときのラインは、こ
のバルブ23のデューティ比―流量特性を説明するため
の参考であり、本制御では直接用いられない。
【0026】さらに、このエンジン1には電子制御式の
コントロールユニット(以下、ECUという)30が備
えられている。このECU30は、上記エアフローセン
サ8からの吸入空気量信号と、スロットルバルブ9の全
閉状態を検出するアイドルスイッチ31からのアイドル
信号と、O2センサ13からの空燃比信号とを入力し
て、これらの信号に基づいて燃料噴射弁10からの燃料
噴射制御を行う。
【0027】また、ECU30は、エンジンの運転状態
に応じて目標パージ量を設定し、該目標パージ量に基づ
いて上記パージコントロールバルブ23を所定のデュー
ティ周波数でデューティ制御する。そして、ECU30
は、目標パージ量が、予め設定された比較的小さな所定
の値より小さな値に設定されている場合に、実パージ量
が上記所定の値よりも大きいか否かを判定し、実パージ
量が上記所定の値よりも大きいと判定したときは、上記
所定のデューティ周波数を小さくする。
【0028】すなわち、ECU30は、目標パージ量に
基づいて上記パージコントロールバルブ23を所定のデ
ューティ周波数10Hzでデューテイ制御し、目標パー
ジ量が、予め設定された比較的小さな所定の値Qp2よ
り小さな値に設定されている場合に、実パージ量が上記
所定の値Qp2よりも大きいか否かを判定し、実パージ
量が上記所定の値Qp2よりも大きいと判定したとき
は、上記デューティ周波数を10Hzから6Hzに小さ
くする。ここで、実パージ量が上記所定の値Qp2より
も大きいか否かの判定は、後述する空燃比制御のフィー
ドバック補正値の絶対値|Cfb|が、所定の値より大
きいか否かの判定により行われる。
【0029】また、ECU30は、デューティ周波数が
10Hzから6Hzに小さくされている場合において、
エアフローセンサ8で検出された吸気量に関する値が所
定値Qp2以上になったときは、当該デューティ周波数
を6Hzから元の値10Hzに向けて大きくし、デュー
ティ周波数が10Hzのまま小さくされていない場合に
おいて、エアフローセンサ8で検出された吸気量に関す
る値が所定値Qp2以上であるときは、デューティ周波
数を10Hzから6Hzに小さくするのを禁止する。
【0030】また、ECU30は、デューティ周波数が
10Hzから6Hzに小さくされている場合において、
アイドルスイッチ31でスロットルバルブが全閉状態で
ないこと、すなわちアイドル状態でないことが検出され
たときは、当該デューティ周波数を6Hzから元の値1
0Hzに向けて大きくし、デューティ周波数が10Hz
のまま小さくされていない場合において、アイドルスイ
ッチ31でアイドル状態でないことが検出されていると
きは、デューティ周波数を10Hzから6Hzに小さく
するのを禁止する。
【0031】次に、このECU30による制御につい
て、図4〜図6のフローチャートを用いてさらに詳しく
説明する。
【0032】まず、ステップS1では、エアフローセン
サ8からの信号fを流量qaとして入力処理した上で、
ステップS2で、パージ率rpを演算する。
【0033】ここで、このパージ率rpの演算は、サブ
ルーチンとして構成されており、図5に示すフローチャ
ートに従って行われる。すなわち、ステップS21で
は、O2センサからの信号を入力処理した上で、ステッ
プS22で、空燃比フィードバック補正値Cfb(以
下、「空燃比F/B補正値Cfb」という)を演算す
る。
【0034】次に、ステップS23では、空燃比F/B
補正値Cfbの絶対値|Cfb|が25%より大きいか
否かを判定し、大きくないとき(NO)は、ステップS
24でさらに、空燃比F/B補正値Cfbの絶対値|C
fb|が20%より小さいか否かを判定する。すなわ
ち、これらのステップS23〜S24では、空燃比F/
B補正値Cfbの絶対値|Cfb|が25%より大きい
か、あるいは20%より小さいか、あるいは20%〜2
5%の間にあるかを判定することにより、空燃比を目標
の値に維持する上でパージ率rpを増減する必要がある
か否かを決定している。ここで、この空燃比F/B補正
値Cfbの絶対値|Cfb|は、O2センサで検出され
たO2濃度が小さいほど、すなわち空燃比(A/F)が
小さいほど大きな値となる。
【0035】すなわち、ステップS23で絶対値|Cf
b|が25%より大きいと判定されたとき(YESのと
き)は、目標の値より空燃比が小さく混合気中の燃料が
過剰なので、ステップS24で、パージ率rpを減量す
る。また、ステップS24で絶対値|Cfb|が20%
より小さいと判定されたとき(YESのとき)は、目標
の値より空燃比が大きく混合気中の燃料が不足している
ので、ステップS26で、パージ率rpを増量する。そ
の場合、目標パージ率rpを増量し過ぎるのを防止する
ために、ステップS27で、ステップS26で算出され
た値と、エンジン運転状態に基づいて算出された値との
うち、小さい方の値をパージ率rpとして採用する。一
方、このステップS24で絶対値|Cfb|が20%よ
り大きいと判定されたとき(YESのとき)、すなわち
絶対値|Cfb|が20%〜25%にあるときは、空燃
比が目標の範囲内にあるのでパージ率rpの増減量は行
わない。以上で、パージ率rpの演算を終了し、次に、
図4のステップS3以後の処理を行う。
【0036】すなわち、ステップS3では、目標パージ
質量流量gpを演算する。ここで、このgpは、上記パ
ージ率rpに上記流量qaを乗算することにより求めら
れる。次いで、ステップS4では、目標パージ体積流量
qpを演算する。ここで、このqpは、上記質量流量g
pに所定の密度係数を乗算することにより求められる。
【0037】次に、ステップS5では、上記パージコン
トロールバルブ23が、前述したように設計値の上側に
ある値以上の誤差を有し、実パージ量が目標パージ量以
上となってしまうバルブであるか否かを判定する。以
後、この判定を、上限バルブ判定あるいは上限判定とい
う。なお、この上限バルブ判定は、サブルチーチンとし
て構成されており、図6のフローチャートに従って行わ
れる。
【0038】すなわち、ステップS31では、アイドル
スイッチ31によってスロットル全閉状態が検出された
か否かを判定し、スロットル全閉状態であるとき(YE
Sのとき)は、ステップS32に進む。
【0039】ステップS32では、前述した空燃比F/
B補正値Cfbの絶対値|Cfb|が25%より大きい
か否かを判定する。すなわち、このステップS32で
は、前述のように混合気中の燃料が過剰か否かを判定し
ており、大きいとき(YESのとき)は、ステップS3
3に進む。
【0040】ステップS33では、前述の流量qaが所
定値Qa1より大きいか否かを判定し、大きいとき(Y
ESのとき)は、ステップS33に進む。ここで、この
所定値Qa1はアイドル状態における標準的な吸入空気
量であり、このステップS33では、通常通り吸気され
ているか否かを判定している。
【0041】そして、ステップS34では、前述の目標
パージ体積流量qpが所定値Qp3より小さいか否かを
判定し、小さいとき(YESのとき)は、ステップS3
5に進む。ここで、この所定値Qp3は、図3に示すよ
うに、デューティ周波数が10Hzの場合にパージコン
トロールバルブ23が実現可能な最小のパージ量Qp2
より若干大きな値に設定されている。すなわち、このス
テップS34では、目標パージ体積流量qpが、デュー
ティ周波数が10Hzの場合にパージコントロールバル
ブ23が実現可能な最小のパージ量Qp2に設定されて
いるか否か、言い換えればデューティ比が前述の実現可
能最小デューティ比D10に設定されているか否かを判
定しているのである。
【0042】そして、ステップS35では、現在のデュ
ーティ周波数が10Hzか否かを、上限判定フラグXm
axが上限判定中でないことを意味する「0」であるか
否かにより判定し、デューティ周波数が10Hzである
とき(YESのとき)は、ステップS36で、上限判定
を行って、上限判定フラグXmaxに上限判定中である
ことを意味する「1」を設定し、さらに、ステップS3
7で、パージ禁止タイマに所定時間CnとしてT1をセ
ットする。
【0043】ここで、上限判定ステップS31〜S35
の判定を行った結果、ステップS36で上限判定される
条件をまとめると、ステップS31でアイドル状態であ
ることが判定され、ステップS32で空燃比が小さいこ
とが判定され、ステップS33で通常の流量が確保され
ていることが判定され、ステップS34でデューティ比
が実現可能最小デューティ比に設定されていることが判
定され、ステップS35でデューティ周波数が10Hz
であることが判定されたときに、上限判定されることと
なる。さらにまとめて言うと、アイドル状態においてデ
ューティ周波数が10Hzで駆動されている場合に、実
現可能最小デューティ比でパージコントロールバルブ2
3がデューティ制御されて最低流量になるように設定さ
れているにもかかわらず理論最低流量よりも多くの流量
が流れて空燃比が小さくなっている場合に、上限バルブ
であると上限判定が行われることとなる。
【0044】一方、ステップS35で、デューティ周波
数が10Hzでないと判定されたとき(NOのとき)
は、デューティ周波数6Hzでも流量が絞り切れず、空
燃比F/B補正値が25%以上になっているということ
だから、パージを禁止するために、ステップS38で、
パージ禁止フラグXnに、パージ禁止を意味する「1」
を設定する。なお、パージ禁止フラグXnが「0」は、
パージを禁止しないことを意味する。
【0045】また、ステップS31〜S34の判定にお
いて、いずれか1つでもNOのときは、パージコントロ
ールバルブ23が上限バルブでないと判定し、ステップ
S39で、上限判定フラグXmaxを「0」にリセット
すると共に、ステップS40で、パージ禁止判定フラグ
Xnを「0」にリセットする。
【0046】以上で、図6のフローチャートによる上限
判定を終了し、次に、図4のステップS6以後の処理を
行う。
【0047】すなわち、ステップS6では、パージ禁止
条件が成立しているか否かを、パージ禁止フラグXnが
「1」と、パージ禁止タイマがCn>0であることとの
少なくとも一方の条件が成立しているか否かにより判定
し、いずれか一方でも成立してパージ禁止条件が成立し
たとき(YESのとき)は、ステップS10で、デュー
ティ駆動時間tpを0に設定し、パージコントロールバ
ルブ23を閉弁状態としてパージを禁止する。ここで、
このデューティ駆動時間tpをデューティ周期(デュー
ティ周波数の逆数)で除算したものが、デューティ比と
なる。
【0048】一方、ステップS6でパージ禁止条件非成
立のとき(NOのとき)は、ステップS7で、現在、上
限判定されているか否かを、上限判定フラグXmaxが
「1」であるか否かにより判定し、上限判定中のとき
(YESのとき)は、ステップS8の判定を行い、上限
判定中でないとき(NOのとき)は、ステップS11の
判定を行う。
【0049】すなわち、上限判定中のときは、ステップ
S8で、目標パージ体積流量qpが図3に示す前述の所
定値Qp1より大きいか否かを判定し、大きいとき(Y
ESのとき)は、ステップS9で、デューティ周波数を
6Hzに設定すると共に、駆動時間tpを上記目標パー
ジ体積流量qpに基づいて算出される値に設定する。一
方、大きくないときは、周波数6Hzのときにおける最
小の駆動デューティD6でも、目標パージ体積流量qp
を実現することができないから、ステップS10で駆動
時間tpを「0」に設定し、パージを禁止する。
【0050】そして、ステップS7で上限判定中でない
と判定されたとき(NOのとき)は、ステップS11
で、ステップS8同様、目標パージ体積流量qpが図3
に示す前述の所定値Qp2より大きいか否かを判定し、
大きいとき(YESのとき)は、ステップS12で、デ
ューティ周波数を10Hzに設定すると共に、駆動時間
tpを上記目標パージ体積流量qpに基づいて算出され
る値に設定する。一方、大きくないときは、周波数10
Hzのときにおける最小駆動デューティ比でも、目標パ
ージ体積流量を実現することができないから、ステップ
S10で駆動時間tpを「0」に設定し、パージを禁止
する。
【0051】次に、図7のタイムチャートを用いて、E
CU30によるパージ制御の一例を説明する。なお、こ
の最初の時点では、アクセルが踏み込まれておらず、ア
イドルスイッチがOFFの状態で、かつエアコンがON
の状態である。
【0052】まず、時刻t1に、パージ指令が出て、ス
テップS2で、パージ率rpが、O2センサからの信号
等に基づいて演算される。なお、このときの駆動デュー
ティ周波数は10Hzである。また、この演算されたr
pに基づいて、ステップS3、ステップS4で、目標パ
ージ質量流量gp、目標パージ体積流量qpが算出され
た後、ステップS5の上限判定が行われる。
【0053】この時点では、図7に示すように、空燃比
F/B補正値の絶対値|Cfb|が25%以下であるの
で、ステップS32の判定が成立せず、ステップS39
で上限判定フラグXmaxが0にリセットされ、ステッ
プS40でパージ禁止条件フラグXnが0にリセットさ
れる。すなわち、ステップS6でパージ禁止条件成立と
も判定されず、また、ステップS7で上限判定中とも判
定されない。
【0054】そして、ステップS11では、目標パージ
体積流量qpが前述の所定値Qp2より大きいから、ス
テップS12で駆動デューティ周波数が10Hzに設定
されると共に、駆動時間tpが上記目標パージ体積流量
qpに基づいて算出され、パージコントロールバルブ2
3が、この周波数10Hz、駆動時間tpで駆動され、
蒸発燃料がエンジンの吸気系にパージされる。
【0055】このパージの開始後、すなわちt1以後、
徐々に空燃比が小さくなり、これを補正するために空燃
比F/B補正値の絶対値|Cfb|が大きくなりつつあ
る。これは、実パージ量が目標パージ体積流量qpより
も大きいため、徐々に混合気がリッチになっていること
を意味する。そこで、これを補正しようとして、パージ
率rpを徐々に低下させると共に、デューティ比を徐々
に低下させて、デューティ周波数10Hzにおいての最
小流量Qp2になるようにデューティ比を最小値D10
に制御する。しかし、それにもかかわらず、上記傾向に
変化がない。すなわち、実パージ量が目標パージ量Qp
2以上であり、流量を制御できないのである。
【0056】しかしながら、これを放置しておくと、空
燃比制御に悪影響を及ぼす。そこで、本実施の形態で
は、前述のように、ステップS5で上限判定を行い、前
述のステップS31,S33〜S35の条件を満足して
いるときに、ステップ32で、空燃比F/B補正値の絶
対値が25%より大きくなったときには、ステップS3
6で、上限判定を行って、上限判定フラグXmaxに
「1」を設定すると共に、ステップS40でパージ禁止
タイマにCn=T1をセットし、上限バルブであると判
定するのである。そして、時刻t2から時刻t3までの
所定時間T1の間、ステップS6でNOと判定されてス
テップS10で駆動時間tpが0に設定され、パージが
禁止される。
【0057】そして、パージ禁止タイマがCn=0とな
っとときに、すなわち、時刻t3に、ステップS7で、
上限判定中であることが上限判定フラグXmaxが
「1」であることにより判定され、ステップS9でデュ
ーティ周波数が6Hzに設定されると共に、駆動時間t
pが上記目標パージ体積流量qpに基づいて算出され、
パージコントロールバルブ23が、この周波数6Hz、
駆動時間tpで駆動され、蒸発燃料がエンジンの吸気系
にパージされる。そして、この結果、パージ量がデュー
ティ周波数10Hzのときと比較して減少したことによ
り、t4までの間しばらくは空燃比F/B補正係数が増
加するが25%以上とならずに収束することとなる。
【0058】次に、時刻t8以後を先に説明する。ここ
で、時刻t8は、アクセルが踏み込まれたことによりア
イドル状態でなくなったときであるから、ステップS3
1でNOと判定され、ステップS39で上限判定フラグ
Xmaxがリセットされると共に、ステップ40で、パ
ージ禁止条件フラグXnがリセットされた上で、フロー
チャートには図示しないが、パージ禁止タイマにCn=
T2がセットされることとなる。この結果、時刻t8か
ら時刻t9までの所定時間T2の間、ステップS6でY
ESと判定され、ステップS10で駆動時間tpが0に
設定され、パージが禁止される。なお、上記時刻t8に
は、吸入空気量も増加するから、ステップS31の判定
に代えて、吸入空気量が所定値以上に増加したか否かに
より判定するようにしてもよい。もちろん、この判定を
追加してもよい。
【0059】そして、パージ禁止タイマがCn=0とな
っとときに、すなわち、時刻t9に、ステップS7で、
上限判定中でないことが、上限判定フラグXmaxが
「0」であることにより判定され、ステップS9でデュ
ーティ周波数が10Hzに設定されると共に、駆動時間
tpが上記目標パージ体積流量qpに基づいて算出さ
れ、パージコントロールバルブ23が、この周波数10
Hz、駆動時間tpで駆動され、蒸発燃料がエンジンの
吸気系にパージされる。
【0060】次に、時刻t4から時刻t8までの間の制
御は、上記以外の、例えばエアコンの作動状態変化等に
伴うパージ制御の一例を示している。また、この時刻以
後、パージ率及びパージ制御の学習補正値Cevlに基
づいてパージコントロールバルブ23の駆動デューティ
が制御される。ここで、この学習補正値Cevlは、空
燃比フィードバック制御を行うときの1つのパラメータ
であり、蒸発燃料濃度等を学習した結果に基づき算出さ
れるものである。そして、時刻t3以後、吸入空気量q
p等の運転状態の変化によりパージ率rpが変化し、ま
た、これに伴って、学習補正値Cevlが変化してい
る。
【0061】ここで、時刻t5からt7の間、パージ率
rpが相対的に高い値を維持しているのは、時刻t5
に、エアコンがOFFとされて吸入空気量qaが減少し
たことによる。そして、この結果、ステップS32でY
ESと判定され、ステップS8でNOと判定されて、時
刻t6に駆動デューティtpが0にされ、パージが禁止
される。ここで、学習補正値Cevlが0でなくなった
ときには、ステップS32において空燃比F/B補正値
と学習補正値との和の絶対値|Cfb+Cevl|が2
5%以上かどうかにより判定が行われるようにされてお
り、この結果、ステップS32でYESと判定されるこ
ととなる。
【0062】そして、時刻t7には、エアコンがONと
され、再度吸入空気量qaが増加した結果、ステップS
8の判定でYESとなり、パージが再開される。
【0063】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、目標パージ量が、予め設定された比較的小さな所
定の値より小さな値に設定されている場合、例えば、デ
ューティ比が、小さな値に設定されている場合におい
て、常にデューティ周波数を小さくするのでなく、実パ
ージ量が上記所定の値より大きいと判定されたときに、
すなわち、実パージ量が過多状態になる虞があるときに
のみ、デューティ周波数を小さくするから、これによる
パージ制御等の応答性悪化が軽減される。
【0064】また、実パージ量が過多状態になる虞がな
いので、実空燃比が目標空燃比となるように空燃比制御
が行われるような場合でも、空燃比の制御に悪影響を及
ぼすのが防止される。
【0065】しかも、前述したように、デューティ周波
数を小さくすれば、より小さなデューティ比でも応答遅
れ等の問題が軽減されるから、換言すれば、リニアリテ
ィを有する領域がより小さな流量にまで広がるから、上
記所定の値以下のパージ量の場合にも精度よくパージ量
の制御が可能となる。
【0066】また、初期公差や経年劣化等によりパージ
弁の流量にばらつきがあって実パージ量が所定値Qp2
より大きくなっても、その旨が判定され、所定のデュー
ティ周波数が10Hzから6Hzに小さくされるから、
Qp2より小さな流量にも制御可能となり、この結果、
パージ過多状態の発生が防止され、空燃比制御性の悪化
が防止される。
【0067】また、実パージ量が所定の値より大きいか
否かの判定を、空燃比制御におけるフィードバック制御
の制御量(前述の空燃比F/B補正値の絶対値|Cfb
|)が所定の制御量(25%)より大きいか否かで判定
するようにしたから、判定を精度よく行え、また、新た
に検出のための機材等を設ける必要がない。
【0068】また、デューティ周波数が小さくされてい
る場合でも、吸気量に関する値が所定値以上になったと
き、例えば運転者によってアクセルが踏み込まれたとき
は、デューティ周波数を元の値に向けて大きくするか
ら、制御応答性の低い状態が解消され、運転状態変化に
迅速に対応できるようになる。
【0069】また、デューティ周波数が小さくされてい
る場合に、吸気量に関する値が所定値以上であるとき、
例えば運転者によってアクセルが踏み込まれているとき
は、制御応答性の良い状態が要求されているときである
から、デューティ周波数を小さくするのを禁止して、制
御応答性の良い状態を維持することができる。
【0070】同様に、デューティ周波数が小さくされて
いる場合でも、例えば運転者によってアクセルが踏み込
まれてアイドル状態でなくなったときは、デューティ周
波数を元の値に向けて大きくするから、制御応答性の低
い状態が解消され、運転状態変化に迅速に対応できるよ
うになる。
【0071】また、デューティ周波数が小さくされてい
る場合に、アイドル状態でないことが検出されていると
きは、運転者によってアクセルが踏み込まれており、制
御応答性が要求されているときであるから、デューティ
周波数を小さくするのを禁止して、制御応答性の良い状
態を維持することができる。
【0072】なお、上記実施の形態においては、ON時
に弁が開くタイプのバルブの場合で、説明したが、OF
F時に弁が開くタイプのバルブの場合でも、いうまでも
なく適用可能である。その場合、デューティ比が小さい
ときほど流量が多くなる。
【0073】また、上記実施の形態において、ステップ
S23,S24,S32等で空燃比F/B補正値Cfb
の絶対値等と比較する値として25%、20%という値
を挙げたが、好ましい値の一例でありこれに限定される
ものではない。
【0074】また、デューティ周波数として、10Hz
と6Hzとを切換えるようにしたが、同様に好ましい値
の一例でありこれに限定されるものではない。
【0075】また、本実施の形態では、デューティ周波
数復帰手段と、デューティ周波数変更禁止手段との両方
を備えたが、いずれか一方とすることも可能である。
【0076】また、このパージ制御における周波数の変
更方法は、2つの周波数を切換えてパージ制御を行うも
のに広く適用可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エンジ
ンの運転状態に応じて設定された目標パージ量に基づい
て上記パージ弁を所定のデューティ周波数でデューテイ
制御するように構成されたエンジンの蒸発燃料処理装置
において、目標パージ量が、予め設定された比較的小さ
な所定の値より小さな値に設定されている場合に、実パ
ージ量が上記所定の値よりも大きいか否かを判定し、実
パージ量が上記所定の値よりも大きいと判定したとき
は、上記所定のデューティ周波数を小さくするうにした
から、デューティ周波数を小さくすることによるパージ
制御等の応答性の悪化の軽減、及び、パージ弁の初期交
差や経年劣化等によるパージ過多状態の発生防止及びこ
れによる空燃比制御性の悪化防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パージ弁をデューティ制御したときの流量特
性の一例を説明する図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るエンジンの蒸発燃
料処理装置の構成図である。
【図3】 パージコントロールバルブをデューティ制御
したときの流量特性の一例を示す図である。
【図4】 同じく蒸発燃料処理装置によるパージ制御の
一例を示すフローチャートである。
【図5】 図2のフローチャートにおけるステップS2
のパージ率演算の一例を示すフローチャートである。
【図6】 図2のフローチャートにおけるステップS5
の上限判定の一例を示すフローチャートである。
【図7】 蒸発燃料処理装置によるパージ制御の一例を
示すタイムチャートである。
【図8】 従来技術を説明する図である。
【図9】 従来技術におけるパージ弁の初期公差等によ
る誤差を説明する図である。
【符号の説明】
1 エンジン 8 エアフローセンサ(吸気量検出手段) 14 燃料タンク 20 キャニスタ 22 パージ通路(接続通路) 23 パージコントロールバルブ(パージ弁) 30 エンジンコントロールユニット(パージ制御
手段、パージ量判定手段、デューティ周波数変更手段、
空燃比制御手段、フィードバック制御量判定手段、デュ
ーティ周波数復帰手段、デューティ周波数変更禁止手
段) 31 アイドルスイッチ(アイドル状態検出手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 3G044 BA08 CA06 EA19 EA23 EA32 EA40 EA47 FA08 FA27 FA28 FA30 FA37 3G084 BA27 CA03 DA12 EA11 EB11 FA07 FA10 FA29 3G301 HA14 JA04 KA07 LA00 MA01 NA08 ND01 ND41 PA01Z PA14Z PD03A PD03Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内に発生した蒸発燃料を吸着
    するキャニスタとエンジンの吸気系とを接続する接続通
    路に備えられ、デューティ制御されるパージ弁と、エン
    ジンの運転状態に応じて設定された目標パージ量に基づ
    いて上記パージ弁を所定のデューティ周波数でデューテ
    イ制御するパージ制御手段とが備えられたエンジンの蒸
    発燃料処理装置であって、目標パージ量が、予め設定さ
    れた比較的小さな所定の値より小さな値に設定されてい
    る場合に、実パージ量が上記所定の値よりも大きいか否
    かを判定するパージ量判定手段と、該判定手段によって
    実パージ量が上記所定の値よりも大きいと判定されたと
    きは、上記所定のデューティ周波数を小さくするデュー
    ティ周波数変更手段とが備えられていることを特徴とす
    るエンジンの蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの空燃比が目標空燃比となるよ
    うに燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御手
    段が備えられ、パージ量判定手段は、該フィードバック
    制御の制御量が所定の制御量より大きいか否かを判定す
    ることにより実パージ量が所定の値よりも大きいか否か
    を判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン
    の蒸発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの吸気量を検出する吸気量検出
    手段が備えられており、かつ、デューティ周波数変更手
    段によってデューティ周波数が小さくされている場合に
    おいて、上記吸気量検出手段によって検出された吸気量
    に関する値が所定値以上になったときは、当該デューテ
    ィ周波数を元の値に向けて大きくするデューティ周波数
    復帰手段と、デューティ周波数が小さくされていない場
    合において、上記吸気量検出手段によって検出された吸
    気量に関する値が所定値以上であるときは、デューティ
    周波数変更手段がデューティ周波数を小さくすることを
    禁止するデューティ周波数変更禁止手段との少なくとも
    一方が備えられていることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のエンジンの蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 アイドル状態を検出するアイドル状態検
    出手段が備えられており、かつ、デューティ周波数変更
    手段によってデューティ周波数が小さくされている場合
    において、上記アイドル状態検出手段によってアイドル
    状態でないことが検出されたときは、当該デューティ周
    波数を元の値に向けて大きくするデューティ周波数復帰
    手段と、デューティ周波数が小さくされていない場合に
    おいて、上記アイドル状態検出手段によってアイドル状
    態でないことが検出されているときは、デューティ周波
    数変更手段がデューティ周波数を小さくすることを禁止
    するデューティ周波数変更禁止手段との少なくとも一方
    が備えられていることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のエンジンの蒸発燃料処理装置。
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