JP6314954B2 - 粉末供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末供給装置に関する。
従来より、成形体を圧縮成形するための成形装置のダイスに設けられたキャビティ内に、粉末を供給するための供給ボックスを備えた粉末供給装置が知られている。特許文献1には、ダイテーブル上に、待機位置からダイのキャビティに対してその下端縁が摺動しながら進退するよう設けられた無底状のフィーダボックス(供給ボックス)と、このフィーダボックスの駆動手段とを備え、待機位置にあるフィーダボックスを駆動手段によりキャビティ上まで前進させることにより、フィーダボックス内の粉末をキャビティ内に落下流動させて充填する粉末供給装置において、フィーダボックス内の粉末が接触する壁部に、フィーダボックス内外に貫通する通気孔を形成することで、粉末の流動性を向上させて、この結果、粉末の充填効率を向上させたものが開示されている。
特開2000−52097号公報
ところで、上記のような粉末供給装置の供給ボックスが、該供給ボックスの側面における反キャビティ側(以下、後側という)から、キャビティ側(以下、前側という)に向かって押し出されて、ダイスの上面に対してスライドしながら移動する際に、供給ボックスの後側が浮き上がって、この結果、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間に隙間が生じて、該隙間から粉末が漏れ出ることがある。
具体的には、供給ボックスがダイス上の待機位置から前側に向かって、ダイスの上面に対してスライドしながら前進するとき、供給ボックスは、前側に向かって押し出される。このとき、供給ボックスの下端面には、供給ボックスを押し出す押出力とは反対向きの摩擦力が発生する。上記押出力は、供給ボックスの下端面から高さ方向に離れた位置に作用するため、上記押出力と上記摩擦力とにより、供給ボックスには回転モーメントが作用する。そして、上記摩擦力が一定の大きさを超えると、上記回転モーメントによって、供給ボックスの後側が浮き上がる。これにより、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間に隙間が生じて、該隙間から粉末が漏れ出てしまう。
また、供給ボックスの後側が浮き上がって、粉末漏れが生じる状態で、該供給ボックスがキャビティ上の供給位置に位置すると、キャビティ内に粉末が供給された後、供給ボックス内の粉末は、供給ボックスの後側に形成された、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間の隙間に流れ込む。これにより、供給ボックスは粉末の上に乗り上がった状態になる。この状態から、供給ボックスが後退すると、キャビティに供給された粉末は、ダイスの上面と同じ高さですり切られずに、ダイスの上面よりも盛り上がった状態になる。このような状態で、粉末を圧縮して成形体を成形すると、成形体の密度がばらつく。成形体の密度がばらつくと、成形体を焼結させた際の、成形体の各部分における膨張率がばらつくため、焼結後の成形体の平面度が悪化して、不良品が発生してしまう。
そこで、供給ボックスの下端面に溝を形成し、該溝内に、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間を全周に亘って封止するシールリングを配置して、該シールリングにより、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間に隙間を生じさせないようにすることが考えられる。
しかしながら、例えば、供給ボックスに対してシールリングを固定する構造や、固定されていなくとも溝の両側側面とシールリングの両側側面とが張り付くような構造など、供給ボックスと共にシールリングが浮き上がるような構成では、ダイスの上面とシールリングとの間に隙間が形成され、該隙間から粉末が漏れてしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされてものであり、その目的とするところは、供給ボックスが浮き上がったとしても、シールリングが浮き上がらないようにして、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間からの粉末漏れを抑制することで、不良品の発生を抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、粉末を収容しかつ下側に開口する収容空間を有し、上側に開口するキャビティを有するダイス上に位置する待機位置と上記キャビティの開口上に位置する供給位置との間を、上記ダイスの上面に対してスライドしながら往復移動して、上記供給位置で上記粉末を上記収容空間の開口から上記キャビティ内に落下させて供給する供給ボックスと、上記供給ボックスを上記待機位置から上記供給位置に向かって進出させ、その後、上記供給ボックスを上記供給位置から上記待機位置に向かって後退させるように、上記供給ボックスにおける反キャビティ側から上記供給ボックスを駆動する駆動手段と、を備えた粉末供給装置を対象として、上記収容空間の周囲における上記供給ボックスの下端面の全周に形成された収容溝に、上下移動可能かつ下側に付勢された状態で収容され、上記ダイスの上面と上記供給ボックスの下端面との間を上記収容空間の周囲全周に亘って封止するシールリングをさらに備え、上記シールリングにおける、上記収容溝内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、上記シールリングの側面が対向する上記収容溝内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなしている、構成とした。
この構成によると、供給ボックスを待機位置から供給位置に移動させるときに、供給ボックスが浮き上がったとしても、シールリングが浮き上がらないため、供給ボックスからの粉末漏れが抑制される。
詳しくは、シールリングにおける、収容溝内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、シールリングの側面が対向する収容溝内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなしているため、収容溝内の側面とシールリングの側面との間に隙間が生じる。供給ボックスが、反キャビティ側(以下、後側という)から押し出されて、供給ボックスの後側が浮き上がるときには、上記隙間がシールリングに対する供給ボックスの回動代となる。すなわち、収容溝内の両側側面と該両側側面とそれぞれ対向するシールリングの両側側面との間に回動代があれば、供給ボックスの後側が浮き上がるときに、該供給ボックスは、上記回動代を利用して、シールリングを動かすことなく供給ボックスのキャビティ側部分を中心にして回動する。これにより、供給ボックスが浮き上がったとしても、シールリングが浮き上がらないため、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間はシールリングによって封止されたままとなり、供給ボックスからの粉末漏れが抑制される。この結果、不良品の発生を抑制することができる。
上記粉末供給装置において、上記シールリングの上下方向の中間部における径方向の厚みが、上記シールリングの上下方向の端部における径方向の厚みよりも厚くなるようなラウンド形状をなしている、ことが望ましい。
すなわち、収容溝内において、収容溝の側面とシールリングとの間に隙間が空いていると、供給ボックスを、キャビティに向かって前進させているときに、粉末が上記隙間に侵入してきて、上記隙間に詰まることがある。上記隙間に粉末が詰まると、供給ボックスの回動代が無くなるため、供給ボックスとともにシールリングが浮き上がるおそれがある。
そこで、シールリングの両側側面を、シールリングの上下方向の中間部における径方向の厚みが、シールリングの上下方向の端部における径方向厚みよりも厚くなるようなラウンド形状をなすように構成することで、粉末が、供給ボックスとシールリングとの間の隙間に詰まるのを防止することができる。これにより、供給ボックスとともにシールリングが浮き上がらないようになり、供給ボックス内からの粉末漏れをより効果的に抑制することができる。
以上、説明したように、本発明の粉末供給装置によれば、収容空間の周囲における供給ボックスの下端面の全周に形成された収容溝に、上下移動可能かつ下側に付勢された状態で収容され、ダイスの上面と供給ボックスの下端面との間を収容空間の周囲全周に亘って封止するシールリングを備え、シールリングにおける、収容溝内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、シールリングの側面が対向する収容溝内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなしているため、収容溝内の側面とシールリングの側面との間に隙間が生じて、該隙間が、シールリングに対する供給ボックスの回動代となる。これにより、供給ボックスは、シールリングを動かすことなく回動することができるため、供給ボックスが浮き上がったとしても、シールリングが浮き上がらない。この結果、供給ボックスからの粉末漏れが抑制されて、不良品の発生を抑制することができる。
成形装置に設けられた本発明の実施形態に係る粉末供給装置の断面図である。 粉末供給装置の断面図である。 粉末供給装置の平面図である。 シールリングにおける前側の部分を、シールリングの径方向に沿って切ったときの断面図である。 シューをプッシュロッドによって押し出した際に、シューが浮き上がった状態を示す図である。 従来の粉末供給装置を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフ及び本実施形態に係る粉末供給装置を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、成形装置1に設けられた本発明の実施形態に係る粉末供給装置10の断面図を示す。本実施形態において、成形装置1は、粉末冶金法など、キャビティ5内に充填された金属からなる粉末Pを加圧して成形体を製造する成形装置であり、粉末供給装置10は、上記キャビティ5内に粉末Pを供給するための装置として用いられている。尚、以下の説明において、粉末供給装置10の供給ボックスとしてのシュー11が移動する方向を前後方向といい、成形装置1のキャビティ5側を前側、反キャビティ5側を後側という。
成形装置1は、貫通孔2aを有するダイス2と、該貫通孔2a内を上下方向に摺動可能な下パンチ3と、下パンチ3と対向するようにダイス2の上方に設けられた上パンチ4と、を備えている。また、ダイス2、下パンチ3及び上パンチ4によって囲まれた空間によって、キャビティ5が形成される。尚、図1では、上パンチ4がダイス2の上方に位置した状態であるため、キャビティ5は、上方が開放された状態となっている。
ダイス2は、成形装置1内において、ダイセット(図示せず)によって支持された部材である。詳しくは後述するが、粉末供給装置10は、ダイス2の上面に対してスライドしながら往復移動して、キャビティ5内に粉末を供給する。
下パンチ3は、上記貫通孔2a内を上下方向に摺動可能に形成された棒状部材である。成形時には、下パンチ3がダイス2の上面よりも下方に移動することにより、貫通孔2aの内周面と下パンチ3の上面とによって、上側が開口した状態のキャビティ5が形成される。
上パンチ4は、棒状部材であって、上下方向に移動可能に構成されている。成形時には、上パンチ4は、下パンチ3と共に、キャビティ5内に供給された粉末Pを加圧して、成形体を圧縮成形させる。
キャビティ5は、本実施形態では、図1に示すように、直方体形状をなしている。キャビティ5は、側面が貫通孔2aの内周面、下面が下パンチ3の上面、上面が上パンチ4の下面によって構成されている。
次に、粉末供給装置10の構成について、図1〜3を参照しながら説明する。
粉末供給装置10は、図2に示すように、キャビティ5内に粉末を供給するためのシュー11と、ダイス2の上面とシュー11の下端面との間を封止するシールリング12と、駆動源(図示せず)によりシュー11を後側から進退可能に駆動するプッシュロッド13とを備えている。
シュー11は、例えば、直方体状に加工された鉄製部材に円状の孔を設けたものである。上記孔は、シュー11の上面から下面まで上下方向に貫通するように形成されており、この孔の部分が、粉末Pを収容するための収容空間11aとなる。上述のように、収容空間11aは、上面から下面まで上下方向に貫通する孔であるため、上側及び下側が共に開口している。詳しくは後述するが、シュー11がダイス2上に位置する待機位置からキャビティ5の開口上に位置する供給位置まで前進(図1で、右側に進む)して、該供給位置で収容空間11aに収容される粉末Pがキャビティ5内に供給される。尚、待機位置は、図1において、実線で示す粉末供給装置10が配置されている位置であり、供給位置は、図1において、仮想線で示す粉末供給装置10配置されている位置である。
シュー11における上記収容空間11aの外周部である壁部11bには、図2に示すように、ボルト収容孔14と、ボルト挿通孔15と、バネ収容部16と、収容溝17とが、上下方向に並んで形成されている。
ボルト収容孔14は、シュー11の上端面が下方に向かって凹陥することにより形成された孔であって、シールリング12と締結するボルト30のボルトヘッド30aが収容される孔である。ボルト挿通孔15は、上記ボルト収容孔14の下面から上記バネ収容部16の上面を通り抜けるように形成された孔であって、上記ボルト30の軸部30bが挿通される。ボルト挿通孔15の径は、軸部30bの径より大きくかつボルトヘッド30aの径よりも小さい径である。バネ収容部16は、ボルト挿通孔15と収容溝17との間に形成された空間であって、シールリング12を下側に付勢するためのバネ31が収容されている。収容溝17は、壁部11bの下端面に形成された溝であり、該壁部11bの下端面を上方に向かって凹陥することにより形成されている。収容溝17内には、シールリング12が収容されている。
また、図3に示すように、ボルト収容孔14、ボルト挿通孔15及びバネ収容部16は、収容空間11aの周方向に沿うように等間隔で形成される一方、収容溝17は、収容空間11aの周方向に沿うように、収容空間11aの周方向全体に亘って形成されている。尚、図3は、ボルト30が挿通された状態を示しているため、ボルト収容孔14のみが見えており、ボルト挿通孔15及びバネ収容部16は、ボルトヘッド30aで隠れて、見えていない。
シールリング12は、例えば、リング状(図3参照)に加工された鉄製部材である。シールリング12は、収容溝17内に収容され、収容空間11aに収容された粉末Pが、ダイス2の上面と壁部11bの下端面との間から、収容空間11aの外に漏れないように、ダイス2の上面と壁部11bの下端面との間を、収容空間11aの周囲全周に亘って封止している。シールリング12の上面は、図2に示すように、バネ31の下端に接続されている。また、シールリング12の下端部には、図2に示すように、ゴムリング18が取り付けられている。該ゴムリング18は、シールリング12の下端に取り付けられた状態で、シールリング12の下端面よりも下方に突出するように構成されており、粉末供給装置10がダイス2上に載置された状態では、ゴムリング18がダイス2の上面と接するようになっている。すなわち、シュー11は、シールリング12を介して、待機位置と供給位置との間を、ダイス2の上面に対してスライドしながら往復移動する。
シールリング12は、シュー11に対して上下移動可能かつ下側に付勢された状態で、収容溝17に収容されている。詳しくは、上述したように、シールリング12の上面には、バネ31の下端が接続されており、シールリング12は該バネ31の付勢力によって下側に付勢されている。これにより、例えば、シュー11の前側の側部がキャビティ5の開口上に位置したときには、シールリング12は、バネ31の付勢力によってシュー11に対して下方向に移動する。一方、シュー11がダイス2の上面に載置された状態では、シールリング12は、ダイス2の上面に押し付けられた状態、換言すると、シールリング12は、ダイス2に押し上げられた状態になる。これにより、シールリング12は、バネ31の付勢力に抗してシュー11に対して上方向に移動した状態となる。
シールリング12がシュー11に対して下方向に移動するときには、シールリング12と接続したボルト30もシュー11に対して下方向に移動する。上述したように、ボルト挿通孔15の径は、ボルトヘッド30aの径よりも小さいため、ボルトヘッド30aがボルト収容孔14の下面と当接するまで移動すると、ボルトヘッド30aは、ボルト収容抗14の下面に引っ掛かって、ボルト収容孔14の下面よりも下方に移動できなくなる。ボルトヘッド30aがボルト収容抗14の下面に引っ掛かると、シールリング12も下方へ移動できなくなる。すなわち、ボルトヘッド30aがボルト収容孔14の下面と当接とき、シールリング12は、シュー11に対して最も下方に移動した状態となる。これにより、例えば、シュー11の前側の側部がキャビティ5の開口上に位置したときであっても、シールリング10は、シュー11から外れないようになっている。
プッシュロッド13は、例えば、棒状の鉄製部材であって、図1及び図2に示すように、一端部が、シュー11の後側の側部における上下方向の中間位置(図1及び図2では上下方向の中央位置)で、シュー11と接続されている。プッシュロッド13の他端側には、油圧シリンダ等の駆動源が配置されている。プッシュロッド13は、シュー11を、待機位置から供給位置に向かって前進及び供給位置から待機位置に向かって後退(図1で、左方向に退く)させるためのものである。詳しくは、プッシュロッド13が駆動源により駆動されることで、シュー11は、待機位置から供給位置に向かって押し出されて前進する一方、供給位置から待機位置に向かって引っ張られて後退する。このことにより、プッシュロッド13と駆動源とは、シュー11における後側からシュー11を駆動する駆動手段を構成する。
次に、成形装置1によって、成形体を製造する際の粉末供給装置10等の動作について説明する。
先ず、初期状態では、下パンチ3は、上面がダイス2の上面と略面一となる状態であり、上パンチ4は、ダイス2の上方に位置している。また、粉末供給装置10は、ダイス2上の待機位置に待機しており、シュー11の収容空間11aには粉末Pが収容されていない。
上記初期状態から、成形装置1が駆動されると、ユーザから入力された条件に従って、下パンチ3が、ダイス2の上面に対して下方向に移動する。これにより、上側が開口した状態のキャビティ5が形成される。
次に、シュー11の収容空間11a内に外部から粉末Pが供給される。このとき、供給される粉末Pの種類や量は、製造したい成形体に応じて、ユーザが任意に定めることができる。
収容空間11a内に粉末Pが供給された後、プッシュロッド13が、駆動源によって駆動されて、シュー11を待機位置からキャビティ5上の供給位置に向かって押す。これにより、シュー11は、収容空間11aに収容された粉末Pと共に、待機位置から供給位置に向かって、ダイス2の上面に対してスライドしながら前進する。
シュー11の前側がキャビティ5の開口上の供給位置に位置すると、粉末Pが、収容空間11aの下側の開口からキャビティ5内に自重によって落下して、該キャビティ5内に供給される。
シュー11を供給位置まで移動させ、キャビティ5内に粉末Pを供給した後、プッシュロッド13は、シュー11を供給位置から待機位置に向かって引っ張る。これにより、シュー11は、キャビティ5から引き離されるように後退する。そして、シュー11全体がキャビティ5から離れると、キャビティ5内への粉末Pの供給が完了する。すなわち、シュー11が、待機位置と供給位置との間を往復移動することによって、キャビティ5内に粉末Pが供給される。
キャビティ5内に粉末Pが供給された後、成形装置1は、上パンチ4を下方に移動させて、粉末Pを圧縮させる。これにより、粉末P同士が互いに金属結合して、成形体が圧縮成形される。尚、圧縮する際の圧力は、成形させる成形体に応じて、ユーザが任意に定めることができる。
そして、押圧後、上パンチ4をダイス2の上方に移動させる。その後、下パンチ3をダイス2の上面に向かって上方向に移動させる。これにより、キャビティ5から成形体が取り出される。尚、取り出された成形体は、周知の焼結炉によって焼結される。
ここで、粉末Pを収容空間11a内に供給した後、シュー11が供給位置に向かってダイス2の上面に対してスライドしながら前進する際には、シールリング12(詳しくはゴムリング18)には、シュー11を押し出す押出力とは反対向きの摩擦力が発生する。上述したように、プッシュロッド13は、シュー11の後側の側部における上下方向の中間位置で、シュー11と接続されているため、上記押出力はシールリング12から高さ方向に離れた位置に作用する。このように、上記押出力と上記摩擦力が作用することにより、シュー11には回転モーメントが作用する。そして、上記摩擦力が一定の大きさを超えると、上記回転モーメントによって、シュー11の後側が浮き上がる。このとき、シュー11と共にシールリング12が浮き上がってしまうと、ダイス2の上面とシールリング12との間に隙間が生じて、該隙間から粉末Pが漏れ出てしまう。
また、シュー11の後側が浮き上がって、粉末漏れが生じる状態で、シュー11が供給位置に位置すると、キャビティ5内に粉末Pが供給された後、収容空間11a内の粉末Pは、シュー11の後側に形成された、ダイス2の上面とシールリング12との間の隙間に流れ込む。これにより、シュー11は、シールリング12ごと粉末Pの上に乗り上がった状態になる。この状態からシュー11が後退すると、キャビティ5に供給された粉末Pは、ダイス2の上面と同じ高さですり切られずに、ダイス2の上面よりも盛り上がった状態になる。このような状態で、粉末Pを圧縮して成形体を成形すると、成形体の密度がばらつく。成形体の密度がばらつくと、成形体を焼結させた際の、成形体の各部分における膨張率がばらつくため、焼結後の成形体の平面度が悪化して、不良品が発生してしまう。
そこで、本実施形態では、シールリング12における、収容溝17内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、シールリング12の側面が対向する収容溝17内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなすように、詳しくは、シールリング12の上下方向の中間部における径方向の厚みが、シールリング12の上下方向の端部における径方向の厚みよりも厚くなるようなラウンド形状をなすように構成することで、シールリング12がシュー11と共に浮き上がってしまうのを防止するようにしている。
すなわち、本実施形態におけるシールリング12は、図4に示すように、シールリング12の径方向の厚みにおいて、上下方向の中央部における厚みが最も厚くなるようになっている。上下方向の中央部から、上方向及び下方向へいくにつれて、径方向の厚みが徐々に薄くなり、上端部及び下端部において、径方向の厚みが最も薄くなるようになっている。このとき、上下方向の中央部における厚みは、シュー11の収容溝17における溝幅(径方向の大きさ)と略同じになるように構成されている。つまり、シールリング12を収容溝17に嵌合させたときには、シールリング12の側面における上下方向の中央部のみが収容溝17内の側面と接するようになっている。
上述のようにシールリング12を構成することによって、シールリング12を収容溝17内に嵌合させたときには、シールリング12の上下方向の中央部よりも上側及び下側において、収容溝17内の側面とシールリング12の側面との間に隙間が生じる。シュー11がプッシュロッド13に押し出されて、シュー11の後側が浮き上がるときには、該隙間がシールリング12に対するシュー11の回動代となる。すなわち、図5に示すように、シュー11の後側が浮き上がるとき、該シュー11は、上記回動代を利用することで、シールリング12を動かすことなくシュー11の前側部分を中心にして回動することができる。これにより、シュー11とともにシールリング12が浮き上がるのを防止することができる。
また、上述したように、シールリング12はシュー11に対して上下方向に移動可能でありかつバネ31によって下方向に付勢されているため、シュー11の後側が浮き上がったとしても、シールリング12は、バネ31の付勢力によって、ダイス2の上面に押し付けられる。すなわち、シュー11の後側が浮き上がったときには、シールリング12は、シュー11に対して下方向に移動することで、ダイス2の上面とシュー11の下端面との間を封止した状態を維持することができる。
さらに、シールリング12の上下方向の中間部における径方向の厚みが、シールリング12の上下方向の端部における径方向の厚みよりも厚くなるようなラウンド形状をなしているため、粉末が、収容溝17内の側面とシールリング12の側面との間の隙間(すなわち、回動代部分)に詰まりにくくなる。これにより、粉末詰まりによって、上記回動代が埋められて、シュー11の後側が浮き上がるときに、シールリング12がシュー11と共に浮き上がるのを防止することができる。
また、シールリング12の側面における上下方向の中央部のみが収容溝17内の側面と接するように構成されているため、シールリング12の側面が収容溝17内の側面から受ける摩擦力が小さくなる。これにより、シュー11が浮き上がったときに、上記摩擦力によってシールリング12がシュー11に連れられて浮き上がるのを防止することができる。また、この構成によって、上述の粉末詰まりがより効果的に防止される。
以上のように、本実施形態に係る粉末供給装置10は、シュー11が浮き上がったとしても、シールリング12は浮き上がらないため、ダイス2の上面とシュー11の下端面との間は、シールリング12及びゴムリング18によって封止された状態が維持され、シュー11からの粉末漏れが抑制される。この結果、圧縮成形された成形体の密度のばらつきが低減され、不良品の発生を抑制することができる。
次に、図6を参照しながら、実際に、本実施形態に係る粉末供給装置10を用いて、成形体を成形した際の効果について説明する。
図6に、従来の粉末供給装置を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフ及び本実施形態に係る粉末供給装置10を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフを示す。図6において、左側のグラフが従来の粉末供給装置を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフであり、右側のグラフが本実施形態に係る粉末供給装置10を用いて製造した成形体の焼結体における平面度を示すグラフである。両グラフは、平面度が小さい方がより平坦である一方、平面度が大きい方がより凸凹していることを表すグラフになっている。また、両グラフに示す破線は、平面度の規格を示す線であり、平面度が破線よりも小さい場合に規格を満たすと判定される。
図6に示す平面度の評価は、従来の粉末供給装置及び本実施形態に係る粉末供給装置10の一方を備えた成形装置によって製造された、厚さ約8mmのリング状の成形体を焼結させたものの平面度を測定することで行っている。ここで、本実施形態に係る粉末供給装置10のシュー11は、従来の粉末供給装置のシューよりも内径(すなわち収容空間の径)が大径のものを用いている。通常、粉末供給装置の構成が同じであれば、内径がより大径のシューの方が、浮き上がった際にダイスとの間に形成される隙間が大きいため、粉末漏れが多くなる。
図6を参照すると、従来の粉末供給装置を用いた場合は、規格を満たすサンプルがあるものの、規格を満たさない不良品も多数あることが分かる。一方、本実施形態に係る粉末供給装置10を用いた場合は、従来の粉末供給装置よりも粉末漏れが多くなるサイズのシューを用いているにもかかわらず、全てのサンプルが規格を満たしていることが分かる。すなわち、本実施形態に係る粉末供給装置10を用いることにより、不良品の発生を抑制することができている。
また、サンプル同士の平面度のばらつきを比較すると、本実施形態に係る粉末供給装置10を用いた場合は、従来の粉末供給装置を用いた場合と比べて、サンプル間の平面度のばらつきが抑えられていることが分かる。すなわち、本実施形態に係る粉末供給装置10を用いることにより、製品の寸法精度を向上させることができている。
したがって、本実施形態では、粉末供給装置10は、収容空間11aの周囲におけるシュー11の下端面の全周に形成された収容溝17に、上下移動可能に収容され、ダイス2の上面とシュー11の下端面との間を全周に亘って封止するシールリング12を備え、シールリング12における、収容溝17内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、シールリング12の側面が対向する収容溝17内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなしている。これにより、収容溝17内の側面とシールリング12の側面との間に隙間が生じ、該隙間が、シュー11が浮き上がるときの回動代となるため、シュー11がプッシュロッド13に側方から押し出されたときに、シュー11が浮き上がったとしても、シールリング12が浮き上がらない。これらの結果、ダイス2の上面とシュー11の下端面との間からの粉末漏れが抑制され、不良品の発生を抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、シールリング12の径方向の厚みは、シールリング12の上下方向の中央部で最大となっていたが、これに限らず、上下方向の中央部よりも上側又は下側で径方向の厚みが最大となるようにしてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、成形体を圧縮成形するための成形装置に設けられる粉末供給装置として有用である。
2 ダイス
5 キャビティ
10 粉末供給装置
11 シュー(供給ボックス)
11a 収容空間
12 シールリング
13 プッシュロッド(駆動手段)
17 収容溝

Claims (2)

  1. 粉末を収容しかつ下側に開口する収容空間を有し、上側に開口するキャビティを有するダイス上に位置する待機位置と上記キャビティの開口上に位置する供給位置との間を、上記ダイスの上面に対してスライドしながら往復移動して、上記供給位置で上記粉末を上記収容空間の開口から上記キャビティ内に落下させて供給する供給ボックスと、
    上記供給ボックスを上記待機位置から上記供給位置に向かって進出させ、その後、上記供給ボックスを上記供給位置から上記待機位置に向かって後退させるように、上記供給ボックスにおける反キャビティ側から上記供給ボックスを駆動する駆動手段と、を備えた粉末供給装置であって、
    上記収容空間の周囲における上記供給ボックスの下端面の全周に形成された収容溝に、上下移動可能かつ下側に付勢された状態で収容され、上記ダイスの上面と上記供給ボックスの下端面との間を上記収容空間の周囲全周に亘って封止するシールリングをさらに備え、
    上記シールリングにおける、上記収容溝内の両側側面とそれぞれ対向する両側側面は、上記シールリングの側面が対向する上記収容溝内の側面に向かって、湾曲状に張り出すようなラウンド形状をなしている
    ことを特徴とする粉末供給装置。
  2. 請求項1に記載の粉末供給装置において、
    上記シールリングの両側側面は、上記シールリングの上下方向の中間部における径方向の厚みが、上記シールリングの上下方向の端部における径方向の厚みよりも厚くなるようなラウンド形状をなしている
    ことを特徴とする粉末供給装置。
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