[本願発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る局側装置は、端末装置を収容する宅側装置が接続された受動的光ネットワークを終端する第1の光回線ユニットと、第2の光回線ユニットと、第2の光回線ユニットが受動的光ネットワークを終端するように第1の光回線ユニットから前記第2の光回線ユニットへの切換を実行する切換部とを備える。第1の光回線ユニットは、端末装置からの要求に応じたマルチキャストフレームを端末装置に配信するマルチキャスト状態を記憶しておいて、マルチキャスト状態に基づいて、宅側装置がマルチキャストフレームを通すように宅側装置を設定する。第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換に応じてマルチキャスト状態に移行する。
この構成によれば、冗長構成を有する局側装置により、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。局側装置は、切換部により、受動的光ネットワークを終端する回線ユニットを第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへと切換えることができる。すなわち局側装置は、冗長構成を有する。切換前には第1の光回線ユニットはマルチキャスト状態にある。したがって端末装置には、第1の光回線ユニットからマルチキャストフレームが送信される。第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換により、第2の光回線ユニットがマルチキャスト状態に移行する。したがって、局側装置では、マルチキャスト状態を継続させることができる。これにより端末装置は、マルチキャストフレームの受信を継続することができるため、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
「第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換に応じて」との記載は、第2の光回線ユニットがマルチキャスト状態に移行するための原因あるいは、きっかけを説明するものである。したがって、上記記載は特定のタイミングを限定するものではない。第2の光回線ユニットがマルチキャスト状態に移行するタイミングは、以下の3つのタイミングのいずれでよい。第1のタイミングは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換が予測されるタイミングである。第2のタイミングは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換中のタイミングである。第3のタイミングは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換の後のタイミングである。
第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態への移行を制御するための構成は特に限定されない。たとえば第2の光回線ユニット自身がその制御を実行してもよい。また、第1の光回線ユニットが第2の光回線ユニットをマルチキャスト状態へと移行させてもよい。あるいは、第1の光回線ユニットおよび第2の光回線ユニットとは別に、第2の光回線ユニットをマルチキャスト状態へと移行させるための制御回路を、局側装置の内部あるいは局側装置の外部に設けてもよい。
第1の光回線ユニットがマルチキャスト状態を記憶するための方法は特に限定されるものではない。たとえば、第1の光回線ユニットに関する情報、パラメータを記憶しておいてもよい。あるいは、第1の光回線ユニットがマルチキャスト状態に一旦設定されると、第1の光回線ユニットがその状態を継続するのでもよい。
第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態は、第1の光回線ユニットのマルチキャスト状態と同一であるように限定されるものではない。たとえば第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態は、端末装置側の変更に応じて、第1の光回線ユニットのマルチキャスト状態から更新された状態であってもよい。
(2)好ましくは、第1の光回線ユニットは、マルチキャスト状態に関する情報を記憶する。第2の光回線ユニットは、前記情報のうちの少なくとも一部の情報を第1の光回線ユニットから取得する。
この構成によれば、第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットのマルチキャスト状態を引き継ぐことができる。したがって、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換後においても、局側装置では、マルチキャスト状態を継続させることができる。これによりマルチキャストフレームの円滑な提供を実現することができる。
なお、第2の光回線ユニットは、マルチキャスト状態に関する情報の少なくとも一部の情報を第1の光回線ユニットから取得する。したがって、第2の光回線ユニットは、マルチキャスト状態に関するすべての情報を第1の光回線ユニットから取得してもよい。この場合には、第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットと同一のマルチキャスト状態を実現することができる。
第2の光回線ユニットが第1の光回線ユニットから情報を取得するための方法は特に限定されない。たとえば第1の光回線ユニットが第2の光回線ユニットに対して情報を送信してもよい。あるいは第2の光回線ユニットが第1の光回線ユニットにアクセスして第1の光回線ユニットに記憶される情報を読み出してもよい。あるいは第1または第2の光回線ユニットが、第1の光回線ユニットの保持する情報を複製し、その複製された情報を第2の光回線ユニットが取得してもよい。
(3)好ましくは、第1の光回線ユニットまたは第2の光回線ユニットは、端末装置に、マルチキャスト状態に関する現在の状態を問合わせる。第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットから取得した情報の少なくとも一部と、現在の状態に関する端末装置からの応答との差分に基づいて、マルチキャスト状態を設定する。
この構成によれば、端末装置の状態の変更を第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映させることができる。たとえば、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換の間に、端末装置の状態が変更される可能性がある(たとえば視聴チャネルの切換など)。したがって、第2の光回線ユニットが第1の光回線ユニットのマルチキャスト状態を引き継いだ場合に、第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態が端末装置の現在の状態と整合しない可能性が生じうる。このような場合には、端末装置がマルチキャストフレーム(たとえば映像データ)を受信できない可能性がある。上記構成によれば、第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態を端末装置の現在の状態と整合させることができる。
(4)好ましくは、第1の光回線ユニットまたは第2の光回線ユニットは、端末装置に、マルチキャスト状態に関する現在の状態を問合わせる。第2の光回線ユニットは、端末装置からの現在の状態に関する応答に基づいて、マルチキャスト状態を設定する。
この構成によれば、端末装置の状態の変更を第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映させることができる。したがって第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態を端末装置の現在の状態と整合させることができる。
上記構成によれば、第1の光回線ユニットからマルチキャストに関する情報を取得するように限定されない。第2の光回線ユニットは、端末装置からの現在の状態に関する応答のみに基づいて、マルチキャスト状態を設定してもよい。あるいは、第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットから取得した情報と、現在の状態に関する端末装置からの応答との差分に基づいて、マルチキャスト状態を一旦設定し、その後、端末装置に、現在の状態を再度問合わせてもよい。第2の光回線ユニットは、その問合わせに対する端末装置からの回答に基づいてマルチキャスト状態を再設定してもよい。
(5)好ましくは、第1の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換に先立って、受動的光ネットワークの上り帯域に関する帯域割り当てを停止する。第2の光回線ユニットは、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換の後に、受動的光ネットワークの上り帯域に関する動的帯域割り当てを再開する。
この構成によれば、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換中に端末装置の状態が変更された場合に、端末装置の状態の変更が第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映されない可能性を小さくすることができる。端末装置が、端末装置の現在の状態を局側装置に送信した場合、第1の光回線ユニットが端末装置からの情報を受信する可能性がある。第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換によって、端末装置からの情報が第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映されない可能性が考えられる。第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換の間には、受動的光ネットワークの上り帯域の割当てが停止される。このため、端末装置からの情報は宅側装置に一旦蓄積されて、上り帯域の割当ての再開後に局側装置に送られる。したがって、端末装置からの情報を第2の光回線ユニットに届けることができる。これにより、端末装置の状態の変更を第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映させることができる。
(6)本発明の一実施形態に係るPONシステムは、局側装置と、端末装置を収容する宅側装置と、局側装置と宅側装置とを接続する受動的光ネットワークとを備える。局側装置は、受動的光ネットワークを終端するための第1の光回線ユニットと、第1の光回線ユニットの冗長切換のための第2の光回線ユニットとを含む。局側装置は、端末装置からの要求に応じたマルチキャストフレームを端末装置に配信するマルチキャスト状態を記憶する。局側装置は、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの冗長切換の場合に、第2の光回線ユニットをマルチキャスト状態に移行させるとともに、宅側装置がマルチキャストフレームを通すように宅側装置を設定する。
この実施形態によれば、冗長構成を有する局側装置により、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
(7)本発明の一実施形態に係る局側装置の制御方法は、端末装置を収容する宅側装置と受動的光ネットワークを介して接続され、第1の光回線ユニットと第2の光回線ユニットとを備える局側装置の制御方法である。制御方法は、第1の光回線ユニットにおいて端末装置からの要求に応じたマルチキャストフレームを端末装置に配信するマルチキャスト状態を停止するステップと、受動的光ネットワークを終端する光回線ユニットを、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットと切換えるステップと、第2の光回線ユニットにマルチキャスト状態を設定するステップと、宅側装置がマルチキャストフレームを通すように、第2の光回線ユニットによって宅側装置を設定するステップとを備える。
この実施形態によれば、冗長構成を有する局側装置により、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係るPONシステムの概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、PONシステム301は、イーサネット(登録商標)ベースのPON(EPON)として実現される。PONシステム301は、局側装置(OLT)1aと、光ファイバであるN本のPON回線1〜N(3−1〜3−N)と、N個の光カプラ4−1〜4−Nと、複数の宅側装置(ONU)2と、ONU2に接続される端末装置5とを備える。なお、Nは1以上の整数である(以下も同様)。
OLT1aは、N本のPON回線1〜Nに接続されて、このN本のPON回線を終端する。PON回線(受動的光ネットワーク)1〜Nは、光カプラ4−1〜4−Nにそれぞれ接続されている。各PON回線は、対応の光カプラを介して複数のONU2に接続されている。
各ONU2には、少なくとも1つの端末装置5が接続される。すなわち各ONU2は、端末装置5を収容する。なお、たとえばハブ(HUB)を介して、複数の端末装置5を1つのONU2に接続することも可能である。
この実施の形態において、複数のONU2の中には、映像を視聴可能な端末装置5が接続された、少なくとも1つのONU2が含まれる。当該端末装置5は、視聴チャネルを選択する(切換える)ことができる。このような端末装置5の種類は特に限定されるものではない。
OLT1aは、上位ネットワーク6に接続される。上位ネットワーク6は、ルータ7および映像配信サーバ8を含む。OLT1aは、マルチキャスト通信を用いて、映像配信サーバ8からの映像データを、その映像の視聴を要求する少なくとも1つの端末装置5に配信する。映像データは、マルチキャストフレームの形態で端末装置5に配信される。
ルータ7は、映像配信サーバ8からマルチキャストフレームを受信すると、そのマルチキャストフレームをOLT1aに送信する。ルータ7は、必要に応じてマルチキャストフレームを複製してもよい。OLT1aは、上位ネットワーク6からのマルチキャストフレームをPON回線3−1〜3−Nに送信する。各PON回線に設けられた光カプラはOLT1aからの下り光信号を分割する。したがって光カプラにおいて、マルチキャストフレームの複数のコピーが作成されて、複数のマルチキャストフレームの各々が対応のONUのポートに送られる。各ONU2におけるマルチキャストフレームの処理については後に詳細に説明する。
次にOLT1aの構成について説明する。OLT1aは、光スイッチ11aと、光回線ユニット(OSU)1〜N+1(12−1〜12−N+1)と、集線部13aと、制御部14とを含む。
OLT1aは、N:1の冗長構成を有している。すなわち、N+1個のOSU12のうち、OSU1〜Nが運用系(現用)OSUであり、OSU N+1が待機系(予備)OSUである。OSU1〜Nの各々は、対応のPON回線を終端する。OSU N+1は、OSU1〜Nの各々と代替可能なように構成されている。たとえばOSU1〜N+1は、互いに同一の構成を備えている。なお、OLT1aは、2個以上の待機系OSUを含んでいてもよい。
光スイッチ11aは、制御部14からの指示に従い、N+1個のOSU1〜N+1(12−1〜12−N+1)と、N本のPON回線1〜N(3−1〜3−N)との間の通信経路を切換える。より具体的には、ある運用系OSU(たとえ OSU 1)が終端していたPON回線(たとえばPON回線1)をOSU N+1が終端するように、光スイッチ11aは、その運用系OSUから待機系OSUへの切換を実行する。
なお、光スイッチ11aは、運用系OSUから待機系OSUへの切換のみを実行するように限定されるものではない。光スイッチ11aは、さらに、待機系OSUから運用系OSUへの切換を実行してもよい。たとえば、ある運用系OSUに故障が生じた場合には、光スイッチ11aによって、その運用系OSUから待機系OSUへの切換が実行される。故障した運用系OSUが新品のOSUに交換される。この場合には、光スイッチ11aによって、待機系OSUから、新しい運用系OSUへと切換えることができる。
集線部13aは、たとえば、上位ネットワークから受信したマルチキャストフレームを適切なOSUに振り分ける。制御部14は、OLT1aの全体を制御する。
以上のように、この実施の形態では、2つのOSUの間で切換を実現することができる。切換元のOSU、すなわち第1のOSUは、端末装置5からの要求に応じたマルチキャストフレームを端末装置5に配信するマルチキャスト状態を記憶する。さらに第1のOSUは、ONU2がマルチキャストフレームを通すようにONU2を設定する。一方、切換先のOSU、すなわち第2のOSUは、第1のOSUから第2のOSUへの切換に応じてマルチキャスト状態に移行する。これにより、冗長構成を有する局側装置において、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
図2は、図1に示した光スイッチ11aの構成例を示す図である。図2を参照して、PON側のN本の光ファイバと、OSU側のN本の光ファイバとが対向して配置されている。以下、これらのN組の光ファイバを、運用系光ファイバとも呼ぶ。
OSU側の各光ファイバの端面近くにコリメートレンズ23−1〜23−Nが配置される。PON回線側の各光ファイバの端面近くにコリメートレンズ24−1〜24−Nが配置されている。通常状態では対向している光ファイバ間で光空間伝送が行なわれる。N組の運用系光ファイバの光軸は、同一平面上で平行となるように配置される。
可動ミラー22は、アクチュエータ21によって駆動されて、N本の光ファイバ3−1〜3−Nの光軸と直交する軸上を移動する。可動ミラー22は、運用系光ファイバの光軸と可動ミラー22の移動軸との交点、および待機系光ファイバの端面付近のうちのいずれかに位置する。アクチュエータ21は、制御部14からの制御信号に従い、可動ミラー22を上記の位置のいずれかに移動させる。制御部14からの制御信号は、OSU冗長切換えの有無および待機系OSUと接続するPON回線の番号を示す。アクチュエータ21はこの制御信号に基づいて可動ミラー22を移動させる。
可動ミラー22は、運用系光ファイバの光軸に対して45°だけ傾いており、PON回線側の光ファイバからの光線を、可動ミラー22の移動軸方向に反射する。可動ミラー22で反射された光線は、コリメートレンズ23−N+1を介して予備系光ファイバ3−N+1に入射される。
予備系光ファイバ3−N+1からの光線は可動ミラー22で反射されて、可動ミラー22の位置に対応するPON回線側の光ファイバに入射される。したがって、可動ミラー22の位置に対応するPON回線側の光ファイバと、予備系光ファイバ3−N+1との間で光空間伝送を行なうことができる。
可動ミラー22が移動する際には、たとえば可動ミラー22はz方向(図2において紙面の表から裏への方向)に一旦移動し、次にx方向に移動する。このような移動によって、切換えに無関係な光ファイバ対間の光空間伝送に影響が生じないようにすることができる。
図3は、図1に示すOLT1aに含まれる光回線ユニット(OSU)の構成例を示すブロック図である。図3を参照して、OSU12は、集線IF(Interface)部31と、制御IF部32と、受信処理部33と、送信処理部34と、PON送受信部35と、ローカル制御部36と、上りフレームを蓄積するFIFO1(37)と、下りフレームを蓄積するFIFO2(38)とを含む。
PON送受信部35は、光スイッチ11aと1本の光ファイバで接続されて、この光ファイバ上で双方向通信を行なう。PON送受信部35は、特定の波長、たとえば1310nm帯の上り光信号を光ファイバから受信する。PON送受信部35は、その光信号を電気信号に変換して、受信処理部33にその電気信号を出力する。一方、PON送受信部35は、送信処理部34から出力された電気信号を別波長、たとえば1490nm帯の下り光信号に変換する。PON送受信部35は、その光信号を光ファイバに送信する。
受信処理部33は、PON送受信部35から受けた電気信号からフレームを再構成するとともに、フレームの種別に応じて制御IF部32、ローカル制御部36またはFIFO1(37)にフレームを振り分ける。たとえば受信処理部33は、ユーザフレームをFIFO1(37)に出力し、ループバック試験などの特殊な制御フレームをローカル制御部36に出力し、その他一般の制御フレームを制御IF部32に出力する。
集線IF部31は、FIFO1(37)に蓄積された上りフレームを集線部13aに送るとともに、集線部13aから受けた下りフレームをFIFO2(38)に蓄積する。このとき、集線IF部31は、集線部13aの信号形式と内部信号形式との変換を行なう。
FIFO2(38)、制御IF部32またはローカル制御部36が送信すべきフレーム/メッセージを有する場合、送信処理部34は、優先順位に従ってそのフレーム/メッセージを受け取り、フレームを組み立ててPON送受信部35に出力する。
制御IF部32は、受信処理部33から受けた制御メッセージを制御部14に出力するとともに、制御部14から受けた制御メッセージを送信処理部34に出力する。このとき、制御IF部32は、制御部14の信号形式と内部信号形式との変換を行なう。
上記構成によれば、OSU12をマルチキャスト状態に設定するための設定部を、たとえば、制御IF部32およびローカル制御部36の少なくとも1つによって実現することができる。また、OSU12をマルチキャスト状態に設定するために必要な情報を、たとえば、制御IF部32およびローカル制御部36の少なくとも1つに記憶させることができる。
また、切換先のOSU(すなわち第2のOSU)をマルチキャスト状態に設定するための設定部は、そのOSUの内部にあるように限定されるものではない。たとえば、切換元のOSU(すなわち第1のOSU)の設定部(たとえば、制御IF部32およびローカル制御部36)が切換先のOSUをマルチキャスト状態に設定してもよい。また、OSU12をマルチキャスト状態に設定するための設定部は、たとえば図1に示す制御部14によって実現されてもよい。あるいはOSU12をマルチキャスト状態に設定するための設定部は、たとえばOLT1aの外部に設けられてもよい。
なお、他の実施形態においても、図1〜図3に示された構成を採用することができる。したがって、以下に説明する実施の形態においては、OLTおよびPONシステムの構成について説明を繰り返さない。
図4は、本発明の一実施形態に係るPONシステムによる、マルチキャストフレームの配信方法を説明するためのシーケンス図である。図4を参照して、上位ネットワーク6(映像配信サーバ8およびルータ7)からOLT1aに、ある視聴チャネルのコンテンツがマルチキャストフレームの形態で送信される。OLT1aは、マルチキャストフレームにブロードキャストLLID(Logical Link ID)を付与して、当該マルチキャストフレームをPON回線へ転送する。マルチキャストフレームにブロードキャストLLIDが付されているので、そのマルチキャストフレームはすべてのONU2へと送られる(S101)。
ONU2の配下の端末装置5が当該チャンネルを視聴していない場合は、当該ONU2がそのマルチキャストフレームを通さないように、OLT1aによって、そのMAC(Media Access Control)アドレスフィルタが設定されている。したがって、当該マルチキャストフレームはONU2の受信端において廃棄される。
端末装置5は、マルチキャストフレームの視聴要求を表すメッセージ(Report)をONU2に送信する。Reportメッセージの送信プロトコルは、たとえばIPv4(Internet Protocol version 4)の場合はIGMP(Internet Group Management Protocol)であり、IPv6(Internet Protocol version 6)の場合はMLD(Multicast Listener Discovery)である。
ONU2は、端末装置5からReportメッセージを受信すると、そのReportメッセージに自己のLLIDを付与する。ONU2は、そのReportメッセージをOLT1aに転送する(S102)。
Reportメッセージは、グループアドレスを含む。このグループアドレスは、映像配信サーバ8が提供するコンテンツの識別に用いられるものであり、視聴チャネルに相当する。
OLT1aの内部において、Reportメッセージは、ONU2に接続されたPON回線を終端する光回線ユニットに送られる。光回線ユニットは、各ONUの配下の端末装置において視聴されるチャネルの情報、チャネルとグループアドレスとを対応付けるテーブル、および、グループアドレスと宛先MACアドレスとを対応付けるテーブルを記憶する。上記のように、これらの情報を、たとえば図3に示す制御IF部32あるいはローカル制御部36に記憶することができる。
図5は、OLT1aに記憶される、端末装置の視聴チャネルに関する情報の例を説明した図である。図5を参照して、#1,#2は、各ONUを識別するための識別子であり、たとえばLLIDである。ただしLLIDそのものを識別子として用いるよう限定されず、#1,#2は、LLIDと対応付けられた識別子でもよい。この識別子をキーにして、ONUの配下の端末装置が、各チャネル(CHX,CHY,・・・)を視聴するかどうかがOLT1a(光回線ユニット)で管理されている。CHX,CHY,・・・は、それぞれチャネルX,Y,・・・を表す。
図6は、OLT1aに記憶される、チャネルとグループアドレスとを対応付けるテーブルの例を説明した図である。図6を参照して、チャネル(CHX,CHY,・・・)とグループアドレス(GX,GY,・・・)とは一意に対応付けられている。
図7は、OLT1aに記憶される、グループアドレスと宛先MACアドレスとを対応付けるテーブルの例を説明した図である。図7を参照して、#1,#2は、ONU2の識別子である(図5と同様)。この識別子をキーにして、マルチキャストのグループアドレス(GX,GY,・・・)と、そのグループアドレスに対応付けられた宛先MACアドレスがOLT1a(光回線ユニット)で管理されている。
図4に戻り、OLT1aにおいて、光回線ユニットは、Reportメッセージに含まれるグループアドレスとLLIDとを読み取る。さらに光回線ユニットは、そのLLIDおよびグループアドレスと、図6に示すテーブルとを用いて、図5に示すテーブルを更新する。たとえば、識別子#1に対応するONU2においてチャネルX(CHX)が視聴されるようにテーブルが更新される。光回線ユニットは、LLIDおよびグループアドレスと、図7に示すテーブルとを用いて、宛先MACアドレスを導出する。このようにして光回線ユニットのマルチキャスト状態が設定されるとともに、そのマルチキャスト状態が光回線ユニットに記憶される。
光回線ユニットは、さらに、LLIDによって特定されたONU2に対して、MACフィルタの設定を行なう。具体的には、光回線ユニットは、導出された宛先MACアドレスが付与されたマルチキャストフレームを通すように、そのONU2に通知する。この通知には、たとえば拡張OAM(Operation, Administration, and Maintenance)フレームを用いることができる(S103)。光回線ユニットからのONU2への通知は、光回線ユニットによるONU2の設定に相当する。
ONU2は、OLT1a(光回線ユニット)からの通知(たとえば拡張OAMフレーム)を受信して、その通知によって指定された宛先MACアドレスが付与されたマルチキャストフレームを通すように、フィルタリング機能を設定する。フィルタリング機能の設定後、ONU2は、フィルタリング機能の設定が完了したことをOLT1aに通知する(S104)。
以後、OLT1aは、上位ネットワーク6からマルチキャストフレームを受信すると、ブロードキャストLLIDをマルチキャストフレームに付与して、各ONU2に、そのマルチキャストフレームを送信する。そのマルチキャストフレームが、ONU2に予め設定された宛先MACアドレスと関連付けられたデータである場合には、各ONU2は、フィルタリング機能により、そのマルチキャストフレームを端末装置に転送する(S105)。
この方式によれば、マルチキャストフレームにブロードキャストLLIDが付与されているため、すべてのONUにマルチキャストフレームが送られる。当該データを必要なONUのみがそのデータを下位ネットワークに送信する。この方式によれば、受信が必要なONUの数だけデータを複製する方式に比べて、PON回線における帯域を効率化することができる。
さらに、マルチキャスト用の制御フレームの処理という、負荷の比較的高い処理がOLT1aで一括して実行される。したがって、ONU2に含まれるLSI(Large Scale Integrated circuit)あるいはCPU(Central Processing Unit)に、より高い性能を要求しなくてもよい。これにより、たとえばより集積度の低いLSIあるいはCPUをONU2に用いることができるので、ONU2のコストの点でのメリットをもたらしうる。
図4に示された方式では、OLT1aは、端末装置5からのReportメッセージ(視聴要求)によって、その端末装置5が選択する視聴チャネルを認識する。さらにOLT1aは、ONU2に対して、端末装置5の視聴要求に応じたMACアドレスフィルタリング機能を設定する。したがって、端末装置5において、要求したチャネルの映像を視聴するためには、OLT1aが認識する、端末装置5の状態(チャネルの選択)と、その端末装置5に接続されたONU2の状態(宛先MACアドレスの設定)とが一致していることが必要である。
この実施の形態によれば、OLT1aは、冗長構成を有する。たとえば運用系の光回線ユニットの故障あるいはメンテナンスなどの理由によって、当該運用系光回線ユニットを停止させなければならない場合、当該運用系光回線ユニットから予備系光回線ユニットへと切換られる。これにより、その運用系OSUが停止した後も、OLT1aとONU2との間の通信を継続することができる。
上記のような冗長切換の場合に、この実施の形態では、切換先の光回線ユニットがマルチキャスト状態へと移行する。具体的には切換先の光回線ユニットの設定によって、切換先の光回線ユニットがマルチキャスト状態へと移行する。これにより光回線ユニットの切換の前後において、マルチキャストフレームの送信を継続することができる。
一実施形態では、切換先の光回線ユニットに対して、マルチキャスト状態を設定するために、切換元の光回線ユニットの情報が切換先の光回線ユニットに引き継がれる。切換元の光回線ユニットの情報を切換先の光回線ユニットに引き継ぐために、ある時点において、切換先の光回線ユニットの状態を切換元の光回線ユニットの状態(マルチキャスト状態)に同期させる。このために、一実施形態では、切換元の光回線ユニットの処理(マルチキャストに関する処理)を一旦停止させる。その後に、切換先の光回線ユニットが、切換元の光回線ユニットの記憶する情報の少なくとも一部を、切換元の光回線ユニットから取得する。なお、切換先の光回線ユニットは、マルチキャスト状態に関するすべての情報を切換元の光回線ユニットから取得してもよい。
図8は、本発明の一実施形態に従う、冗長構成を有する光回線ユニットの切換および、切換先の光回線ユニットの設定を説明するためのシーケンス図である。図8を参照して、まず切換先の光回線ユニット(光回線ユニット(1))がマルチキャスト処理を含むPON回線のネットワーク運用を行なっている。光回線ユニット(1)は、第1の光回線ユニットを示し、たとえば運用系OSUである。
次に、ステップS1において、光回線ユニット(1)は、マルチキャスト制御処理を停止する。したがって光回線ユニット(1)は、マルチキャスト制御に関する状態の更新を停止する。言い換えると光回線ユニット(1)は、マルチキャスト状態を停止する。
続いて、ステップS2において、光回線ユニット(1)は、マルチキャスト制御に関する最後の状態および設定パラメータなどの情報を、光回線ユニット(2)に送信する。たとえば図5〜図7に示されるテーブルが光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)に送信される。基本的には、光回線ユニット(1)のマルチキャスト状態に関するすべての情報が、光回線ユニット(2)へと送信される。光回線ユニット(2)は、第2の光回線ユニットを示し、たとえば予備系OSUである。
光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)への情報の送信は、第2の光回線ユニットが、マルチキャスト状態に関するすべての情報を第1の光回線ユニットから取得することに相当する。光回線ユニット(1)の情報を取得する方法は特に限定されない。たとえば光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)にアクセスして光回線ユニット(1)に記憶される情報を読み出してもよい。あるいは、光回線ユニット(1)または光回線ユニット(2)が、光回線ユニット(1)の保持する情報を複製し、その複製された情報を光回線ユニット(2)が取得してもよい。
ステップS3において、光回線ユニット(2)は、起動を開始するための準備(情報および/または状態の反映)を行なう。この処理は、光回線ユニット(2)のマルチキャスト状態の設定に対応する。したがって、マルチキャスト制御処理に関して、光回線ユニット(2)の状態は、光回線ユニット(1)の最後の状態に一致する。言い換えると、光回線ユニット(2)の状態は、光回線ユニット(1)の状態と同期する。
ステップS4において、光スイッチ11a(図1を参照)により、PON回線を終端すべき光回線ユニットが、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)へと切り換えられる。次に、光回線ユニット(2)がPON回線の運用を開始する。以後、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)によるマルチキャスト制御処理と同じ処理を実行する。すなわち光回線ユニット(2)の状態は、マルチキャスト状態へと移行する。その後、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)と同様に、端末装置5において要求が発生した場合には、その要求に応じて、上述したチャネルの変更等の処理を実行する。
図8に示す実施形態では、ステップS1の処理が開始されてからステップS4の処理が終わるまでの間には、端末装置5においてチャネルは変更されない。光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)の状態を引き継ぐことで光回線ユニット(2)のマルチキャスト制御処理を継続することができる。
以上のように、第1の実施形態によれば、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)への切換に応じてマルチキャスト状態に移行する。これにより冗長構成を有する局側装置において、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
<第2の実施形態>
図8に示されるように、光回線ユニット(1)がマルチキャスト制御処理を停止してから、光回線ユニット(1)と光回線ユニット(2)との間でのマルチキャストの運用切換が完了するまでには、ある程度の時間が必要である。したがって、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)への切換中に端末装置の状態が変更される可能性が考えられる。
図9は、図8に示した光回線ユニットの切換シーケンスの途中で端末装置の状態が変更された場合に生じうる課題点を説明したシーケンス図である。図9を参照して、ステップS1〜S4の処理は、図8に示したステップS1〜S4の処理と同様であるので以後の説明は繰り返さない。ステップS2の処理、すなわち、光回線ユニット(1)と光回線ユニット(2)との間で状態を同期した後に、端末装置5が視聴チャンネルをXからYに変更する(ステップS5)。
この場合、端末装置5からONU2を介して、チャネルの変更を示すReportメッセージがOLT1aに送信される。運用切換前にReportメッセージが端末装置5から送られるため、光回線ユニット(1)がReportメッセージを受ける。しかしながら、光回線ユニット(1)はマルチキャスト制御処理を既に停止しているため、光回線ユニット(1)はReportメッセージを処理しない。
このため、光回線ユニット(2)の状態を光回線ユニット(1)の状態に同期させた時点での端末装置5の状態が、光回線ユニット(2)に認識されている。すなわち、光回線ユニット(2)は、端末装置5がチャネルXを選択しているという状態を認識している。
しかしながら光回線ユニット(2)が認識する端末装置5の状態は、端末装置5の実際の状態と異なる。したがって、チャネルYの映像データ(マルチキャストフレーム)がONU2でブロックされる(S6)。
端末装置5におけるチャネルの切換えと、OLT1aにおける光回線ユニットの切換とは、互いに独立した事象である。このため図9に示されるように、両方の事象が同じタイミングで発生することが起こり得る。一方で、映像配信サービス(マルチキャストサービス)の提供の点では、端末装置5から視聴要求が発生した場合には、端末装置5において適切なタイミングで映像が切換わることが望ましい。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る光回線ユニットの切換方法を説明するためのシーケンス図である。図10を参照して、端末装置5において、最初にチャネルXが選択されている。ONU2のフィルタリング機能は、チャネルXの映像データ(マルチキャストフレーム)を通す一方で、チャネルYの映像データをブロックするように、OLT1aによって設定されている。
S11〜S13に示される処理は、図8あるいは図9に示すシーケンスにおけるS1〜S3の処理と実質的に同じである。最初に、光回線ユニット(1)がマルチキャスト処理を含むPON回線のネットワーク運用を行なっている。ステップS11において、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)への切換のために、光回線ユニット(1)は、マルチキャスト制御処理を停止する。ステップS11により、光回線ユニット(1)は、マルチキャスト状態を停止する。
ステップS12において、光回線ユニット(1)は、光回線ユニット(1)のマルチキャスト制御に関する最後の状態および設定パラメータなどの情報を、光回線ユニット(2)に送信する(S12)。基本的には、光回線ユニット(1)のマルチキャスト状態に関するすべての情報が、光回線ユニット(2)へと送信される。
ステップS13において、光回線ユニット(2)は、起動を開始するための準備(情報および/または状態の反映)を行なう。マルチキャスト制御処理に関して、光回線ユニット(2)の状態は、光回線ユニット(1)の最後の状態に一致する。言い換えると、光回線ユニット(2)の状態は、光回線ユニット(1)の状態と同期する。
ステップS15において、端末装置5は、視聴チャネルをチャネルXからチャネルYに切り替えるとともに、視聴チャネルの変更を示すReportメッセージを送信する。このReportメッセージは、チャネルXを視聴しないことを示すメッセージ(BLOCK)およびチャネルYを視聴することを示すメッセージ(ALLOW)を含む。
Reportメッセージは、光回線ユニット(1)に届けられる。光回線ユニット(1)は既にマルチキャスト制御処理を停止している。このために、Reportメッセージは、光回線ユニット(1)に留まる。なお、Reportメッセージは光回線ユニット(1)において廃棄されてもよい。
ステップS14において、光スイッチ11aにより、PON回線を終端すべき光回線ユニットが光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)へと切換えられる。これにより運用切換が完了する。ステップS16において、光回線ユニット(2)は、General Queryメッセージを送信する。General Queryメッセージの送信は、端末装置5に対して、端末装置5の現在の状態を問合わせることに相当する。
ONU2は、OLT1aからGeneral Queryメッセージを受けると、そのGeneral QueryメッセージをONU2の配下の端末装置5に送る。端末装置5は、General Queryメッセージに応答してReportメッセージを、ONU2を経由してOLT1aに送信する(ステップS17)。
なお、ONU2の配下の端末装置5が複数のチャネルを選択してもよい。この場合には、Reportメッセージに、複数の選択されたチャネル(たとえばチャネルXおよびチャネルZ)の情報を含めることができる。理解を容易にするため、図10では、端末装置5が1つのチャネルを選択する形態が示される(以下に説明する実施の形態においても同様)。
General Queryメッセージへの応答のためのReportメッセージは、端末装置5で現在視聴されているチャネルのみの情報を含む。光回線ユニット(1)から取得したマルチキャスト状態に関する情報の少なくとも一部と、端末装置5からのReportメッセージとの差分に基づいて、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(2)のマルチキャスト状態を設定する。具体的には、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)から取得したチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)と、Reportメッセージにより端末装置5から受け取ったチャネル設定の情報とを比較する。次に、光回線ユニット(2)は、これら2つの情報の差分を生成する(ステップS18)。光回線ユニット(2)は、差分の生成のために、光回線ユニット(1)から取得した情報の少なくとも一部を用いればよく、光回線ユニット(1)から取得した情報のすべてを用いるように限定されるものではない。
2つの情報の差分とは、光回線ユニット(1)から引き継いだチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)に対する、Reportメッセージにより端末装置5から受け取ったチャネル設定の情報との不一致分である。この不一致分に相当する、Reportメッセージに含まれる情報が、ONU2の宛先MACアドレス(フィルタリング機能)を新しく設定するための情報に相当する。この不一致分と、光回線ユニット(1)から引き継いだチャネル設定の情報とに基づいて光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(2)のマルチキャスト状態を設定する。
ステップS19において、光回線ユニット(2)は、その不一致分の差分情報に基づいて、ONU2に対して宛先MACアドレスを設定する。光回線ユニット(2)は、ONU2がチャネルXの映像データを通さない(ブロックする)一方で、チャネルYの映像データを通すように、ONU2のフィルタリング機能を設定する。したがって、端末装置5において、チャネルYの映像データを視聴することが可能になる。
図11は、切換先の光回線ユニットにおけるマルチキャスト状態の設定を説明するための図である。図11に示すテーブルは、最初に、図10に示されたステップS12の処理(光回線ユニット(1)と光回線ユニット(2)との同期)によって、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)へと引き継がれる。したがって図11に示すテーブルの当初(設定前)の内容は、図5に示すテーブルの内容と同じとなる。つまり、チャネルX(CHX)およびチャネルZ(CHZ)が視聴されるように設定されている。
General Queryメッセージへの応答のために端末装置5からReportメッセージが送られる。テーブルでは、このReportメッセージの内容とテーブルの当初の内容との差分(不一致分)に相当する項目のみが光回線ユニット(2)によって更新される。したがって、更新後(設定後)のテーブルにおいて、チャネルY(CHY)およびチャネルZ(CHZ)が視聴されるように設定され、チャネルX(CHX)は視聴されないよう設定されている。
図12は、切換先の光回線ユニットによるONUの設定処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、図10に示されたS17〜S19の処理の1つの具体例であり、たとえばGeneral Queryメッセージの送信後に開始される。
図12を参照して、ステップS17において、光回線ユニット(2)は、Reportメッセージを受信する。ステップS18は、ステップS181,S182を含む。ステップS181において、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)から引き継いだチャネルの設定(図5に示すテーブル)と、Reportメッセージによって示されるチャネルの設定とを比較する。
ステップS182において、光回線ユニット(2)は、両方の設定に不一致分が発生しているかどうかを判定する。両方の設定が一致している場合(ステップS182においてNO)、処理はメインルーチンに戻される。したがってONU2のフィルタリングの設定は光回線ユニットの切換前後で変わらない。一方、両方の設定に不一致分が発生している場合(ステップS182においてYES)、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、光回線ユニット(2)は、Reportメッセージに基づいてONUのフィルタ(MACアドレス)を設定する。ステップS19の処理により、OLT1aと端末装置5との間でのチャネル設定の不一致が解消する。
以上のように、第2の実施形態では、端末装置の状態の変更を第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映させることができる。光回線ユニットの切換の間に端末装置の状態が変更された場合にも、光回線ユニットの切換後に、OLTが認識する端末装置の状態と、その端末装置の実際の状態とを整合させることができる。したがって、端末装置5において、映像が切換わらないままになるという問題が生じる確率を小さくできる。これにより、マルチキャストサービスの円滑な提供を実現することができる。
さらに第2の実施形態によれば、第2の光回線ユニットは、運用切換の終了後に、チャネル設定の不一致分、すなわちチャネル設定の差分に基づいてONU2のフィルタリング機能を設定する。これにより、第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態の設定およびONUのフィルタリング機能の設定に要する時間を短くすることができる。
<第3の実施形態>
図13は、本発明の第3の実施形態に係る光回線ユニットの切換方法を説明するためのシーケンス図である。図10および図13を参照して、第3の実施形態では、ステップS11の処理が省略される。すなわち、切換元の光回線ユニット(光回線ユニット(1))は、S14における運用切換まで、マルチキャスト制御処理を継続することができる。
さらに、第3の実施形態では、ステップS12の処理に代えてステップS22の処理が実行される。ステップS22において光回線ユニット(1)は、設定パラメータなどの情報(たとえば図6および図7に示すテーブル)を、切換先の光回線ユニット(光回線ユニット(2))へと送信する。第3の実施形態は、切換元の光回線ユニットと切換先の光回線ユニットとの間での状態同期が省略される点において、第2の実施形態と異なる。すなわち、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)の記憶する情報のうちの一部の情報を、光回線ユニット(1)から取得する。
第3の実施形態では、たとえば、図5に示すテーブルの内容は、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)には引き継がれない。したがって光回線ユニット(2)において、図5に示すテーブルで管理された各チャネルは、初期状態において、すべて「視聴しない」となっている。
ステップS14において、光スイッチ11aにより、PON回線を終端すべき光回線ユニットが光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)へと切換えられる。これにより運用切換が完了する。運用切換の後、光回線ユニット(2)がGeneral Queryメッセージを端末装置5に送信する(S16)。ステップS17において、端末装置5は、General Queryメッセージに応答して、ReportメッセージをOLT1aに送信する。
第3の実施形態では、ステップS18の処理に代えてステップS28の処理が実行される。光回線ユニット(2)は、端末装置5からのReportメッセージに基づいて、図5に示すテーブルを更新する。これによって、光回線ユニット(2)によって管理されるチャネルの視聴状態が更新されて、チャネルYが視聴されるように設定される。この設定は、光回線ユニット(2)におけるマルチキャスト状態の設定に相当する。
ステップS19において、光回線ユニット(2)は、ステップS28での設定に基づいてONU2に対して宛先MACアドレスを設定する。これにより、チャネルYの映像データがONU2を通される。
図10に示される場合と同様に、ステップS15において、端末装置5は、視聴チャネルをチャネルXからチャネルYに切換えるとともに、視聴チャネルの変更を示すReportメッセージを送信する。可能であれば、運用切換(S14)の前に、Reportメッセージに基づいて光回線ユニット(1)がONU2に対して宛先MACアドレスを設定する。しかしながら、光回線ユニット(1)がONU2に対して宛先MACアドレスを設定できなくても、ステップS28において、光回線ユニット(2)は、端末装置5からのReportメッセージに基づいて、全チャネルを更新する(図5に示すテーブルの内容をすべて更新する)。したがって、第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様に、光回線ユニットの切換後において、OLT1aの認識する端末装置5の状態と、端末装置5の実際の状態とを整合させることができる。
さらに第3の実施形態によれば、切換元の光回線ユニットと切換先の光回線ユニットとの間での状態の同期が行なわれない。したがって、光回線ユニットの切換に要する時間を短縮できる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態では、第2の実施形態と第3の実施形態とが組合わされる。図14は、本発明の第4の実施形態に係る光回線ユニットの切換方法を説明するためのシーケンス図である。図14を参照して、光回線ユニット(1)から光回線ユニット(2)への切換準備中に端末装置5からReportメッセージが送信された場合、光回線ユニット(1)は、一旦、そのReportメッセージを受信する。光回線ユニット(1)は、Reportメッセージを光回線ユニット(2)に転送する。
ステップS18において、光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)から引き継いだチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)と、Reportメッセージにより端末装置5から受け取ったチャネル設定の情報とを比較する。光回線ユニット(2)は、これら2つの情報の差分を生成して、その差分に基づいて、光回線ユニット(2)に記憶される情報(代表的には、図5に示すテーブル)を更新する。
運用切換(S14)の後、光回線ユニット(2)は、General Queryメッセージを端末装置5に送信する(S16)。ステップS17において、端末装置5は、General Queryメッセージに応答して、ReportメッセージをOLT1aに送信する。ステップS28において、光回線ユニット(2)は、端末装置5からのReportメッセージに基づいて、図5に示すテーブルの全内容を更新する。ステップS19において、光回線ユニット(2)は、ステップS28での設定に基づいてONU2に対して宛先MACアドレスを設定する。
第4の実施形態によれば、第2あるいは第3の実施形態よりも、光回線ユニット(2)に記憶されるマルチキャスト状態に関する情報を更新する頻度が多い。したがって、光回線ユニットの切換後において、OLT1aの認識する端末装置5の状態と、端末装置5の実際の状態とが整合しない確率をより小さくすることができる。
<第5の実施形態>
図15は、本発明の第5の実施形態に係る光回線ユニットの切換方法を説明するためのシーケンス図である。図10および図15を参照して、第5の実施形態では、第2の実施の形態に係る処理にステップS10およびステップS20の処理が追加される。すなわち、ステップS10において、光回線ユニット(1)は、上り帯域の割り当てのための処理であるDBA(Dynamic Bandwidth Allocation)を停止する。DBAの停止以後、各ONUには、上りデータを送信するための上り帯域が割り当てられない。
第2の実施形態と同様に、ステップS11からS14の処理が実行される。ステップS15において、端末装置5は、視聴チャネルをチャネルXからチャネルYに切り替えるとともに、視聴チャネルの変更を示すReportメッセージを送信する。ONU2に上り帯域が割り当てられていないため、ONU2はこのReportメッセージをOLT1aに送信することができない。したがってReportメッセージはONU2において一旦蓄積される。
運用切換(S14)後に光回線ユニット(2)は、DBAを開始する(S20)。すなわち、OLT1aは、各ONUに対して上り帯域を割り当てる。DBAは公知の手順に従って実行可能であるので、詳細な説明を繰り返さずに概要を説明する。各ONU2が必要とする要求帯域をもとに、OLT1aは各ONU2に割り当てる帯域を算出する。その算出結果に基づいて、OLT1aは各ONU2へ上り帯域を動的に割り当てる。
DBAの開始により、ONU2に蓄積されていたReportメッセージは、OLT1a(光回線ユニット(2))へと送信される(S17)。光回線ユニット(2)は、このReportメッセージに従って、内部のテーブル(図5参照)におけるチャネルの設定を更新する。光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)から引き継いだチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)と、Reportメッセージにより端末装置5から受け取ったチャネル設定の情報とを比較して、これら2つの情報の差分を生成する(S18)。この処理は、第2の実施の形態に係る処理と同様である。したがって端末装置5において、チャネルXが視聴されない一方、チャネルYが視聴されるようにテーブルが更新される。これにより光回線ユニット(2)のマルチキャスト状態が設定される。光回線ユニット(2)は、この設定に従って、ONU2の宛先MACアドレスを設定する(S19)。
第5の実施形態によれば、DBAを停止している間に光回線ユニットの切換が行なわれる。したがって、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換中に端末装置の状態が変更された場合に、端末装置の状態の変更が第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映されない可能性を小さくすることができる。第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換の間には、受動的光ネットワークの上り帯域の割当てが停止される。このため、端末装置5からの情報はONU2に一旦蓄積されて、上り帯域の割当ての再開後にOLT1aに送られる。したがって、端末装置5からの情報を第2の光回線ユニットに届けることができる。これにより、端末装置5の状態の変更を第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映させることができる。
したがって、第5の実施形態によれば、第1〜第4の実施形態と同様に、光回線ユニットの切換後において、OLT1aの認識する端末装置5の状態と、端末装置5の実際の状態とを整合させることができる。
<第6の実施形態>
第6の実施形態では、第3の実施形態の処理に、DBAの停止およびDBAの開始が追加される。第6の実施形態では、切換元の光回線ユニットまたは切換先の光回線ユニットがGeneral Queryメッセージを送信する。
図16は、本発明の第6の実施形態に係る光回線ユニットの1つの切換方法を説明するためのシーケンス図である。図15および図16を参照して、光回線ユニット(1)は、設定パラメータなどの情報(たとえば図6および図7に示すテーブル)を、切換先の光回線ユニット(光回線ユニット(2))へと送信する(S22)。すなわち光回線ユニット(2)は、光回線ユニット(1)の記憶する情報のうちの一部の情報を、光回線ユニット(1)から取得する。
ステップS15Aにおいて、端末装置5は、視聴チャネルをチャネルXからチャネルYに切り替えるとともに、視聴チャネルの変更を示すReportメッセージを送信する。ステップS10においてDBAが停止されているため、ONU2に上り帯域が割り当てられていない。このため、ReportメッセージはONU2において一旦蓄積される。
運用切換(S14)に先立って、光回線ユニット(1)は、General Queryメッセージを端末装置5に送信する(S16)。端末装置5は、General Queryメッセージに応答して、チャネルYを視聴することのみを示すReportメッセージを送信する(S15B)。このReportメッセージもONU2において一旦保持される。
運用切換(S14)の後にDBAが再開される(S20)。ONU2に保持された2つのReportメッセージが、順次送信される。ONU2は、Reportメッセージを蓄積可能なキュー(図示せず)を備える。したがって、2つのReportメッセージの送信順は、それら2つのReportメッセージがONU2に到着した順と同じである。したがって、ONU2からは、まず、チャネルXを視聴せず、チャネルYを視聴することを示すReportメッセージが送信される(S17A)。次に、ONU2からは、チャネルYを視聴することのみを示すReportメッセージが送信される(S17B)。
一実施形態では、ステップS17Aにおいて、光回線ユニット(2)は、1番目のReportメッセージを受信して、そのReportメッセージに基づいて全チャネルを更新する(S28)。この処理は第3の実施形態と同様である。さらに、ステップS17Bにおいて、光回線ユニット(2)は2番目のReportメッセージを受信して、光回線ユニット(2)の内部のチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)と、Reportメッセージとの差分を生成する(S18)。光回線ユニット(2)は、その差分に基づいて、ONU2に対して宛先MACアドレスを設定する(S19)。
なお、光回線ユニット(2)は、2つのReportメッセージを比較して、それらのReportメッセージに基づいて光回線ユニット(2)の内部のチャネル設定の情報を更新するとともにONU2に対して宛先MACアドレスを設定することもできる。2つのReportメッセージは、いずれも、視聴チャネルがチャネルYであることを示している。したがって端末装置5において、チャネルYの映像データを視聴することが可能になる。
図17は、本発明の第6の実施形態に係る光回線ユニットの別の切換方法を説明するためのシーケンス図である。図17に示すシーケンスでは、DBA開始(S20)の後に、光回線ユニット(2)がGeneral Queryメッセージを送信する(S16)。
DBAの停止中に端末装置5がチャネルを切換えるとともに視聴チャネルの変更を示すReportメッセージを送信した場合、そのReportメッセージは、DBAが開始されるまでONU2に保持される(S15A)。DBAの開始後に、ReportメッセージがONU2から送信されて、光回線ユニット(2)は、そのReportメッセージを受ける(S15C)。このReportメッセージは、チャネルXを視聴しない一方でチャネルYを視聴することを示す。光回線ユニット(2)は、このReportメッセージに基づいて全チャネルを更新する(S28)。
さらに、端末装置5は、General Queryメッセージへの応答のためのReportメッセージをOLT1a(光回線ユニット(2))に送信する。このReportメッセージはチャネルYを視聴することのみを示す。光回線ユニット(2)はこのReportメッセージに基づいて、光回線ユニット(2)の内部のチャネル設定の情報(図5〜図7に示されるテーブルなど)と、Reportメッセージとの差分を生成する(ステップS18)。光回線ユニット(2)は、その差分に基づいて、ONU2に対して宛先MACアドレスを設定する(S19)。
図16に示す処理と同様に、光回線ユニット(2)は、上記の2つのReportメッセージに従って、ONU2の宛先MACアドレスを設定してもよい。図17に示す実施形態においても、2つのReportメッセージは、いずれも視聴チャネルがチャネルYであることを示している。したがって端末装置5において、チャネルYの映像データを視聴することが可能になる。
なお、2つのReportメッセージが光回線ユニット(2)に到着する時間間隔によっては、光回線ユニット(2)がReportメッセージを受けるごとにONU2の宛先MACアドレスを設定することも起こり得る。この場合にも、端末装置5において、チャネルYの映像データを視聴することが可能になる。
以上のように、第6の実施形態によれば、第1〜第5の実施形態と同様に、光回線ユニットの切換後において、OLT1aの認識する端末装置5の状態と、端末装置5の実際の状態とを整合させることができる。また、第5の実施の形態と同様に、第1の光回線ユニットから第2の光回線ユニットへの切換中に端末装置の状態が変更された場合に、端末装置の状態の変更が第2の光回線ユニットのマルチキャスト状態に反映されない可能性を小さくすることができる。
なお、図16および図17に示された形態では、光回線ユニット(1)と光回線ユニット(2)との間での状態の同期が行なわれない。ただし、第1の実施の形態等と同じく、光回線ユニット(1)と光回線ユニット(2)との間で状態の同期を行なってもよい。その場合、ステップS18の処理とステップS28の処理との順序を入れ替えることもできる。
また、繰り返すように、第2〜第6の実施形態に係る処理は、光回線ユニットの切換時に端末装置5においてチャネルが切換えられた場合に対処するための処理である。したがって光回線ユニットの切換時に端末装置5がチャネルを切換えない場合にも、第2〜第6の実施形態に係る処理を実行することができる。
また、DBAの停止および開始は、この発明の実施形態に適用可能である。したがって、DBAの停止および開始が第5および第6の実施形態にのみ適用可能と限定されるものではない。OLT1aの内部において光回線ユニットの切換えを行なう際に、ONU(あるいは端末装置)からの上りフレームがOLT1aに入力することを防ぐことが求められる場合があり得る。
このような場合には、DBAの停止および開始を適用できる。したがって、たとえば図18に示すように、第1の実施形態に係る光回線ユニットの切換シーケンス(図8を参照)に、DBAの停止(S10)およびDBAの開始(S20)を追加した光回線ユニットの切換シーケンスも、この発明の実施形態に含めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。