JP6313084B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペーストに関し、更に詳しくは、導電性及び密着性が極めて向上する導電性ペーストに関する。
従来、プリント配線板の導電回路の形成等に、導電性ペーストが用いられている。
かかる導電性ペーストとしては、例えば、導電性粉末と、バインダー成分と、有機溶剤とを含み、導電性粉末として銀粉末と酸化銀粉末とを含有している導電性ペーストが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、上記導電性ペーストを含む従来の導電性ペーストにおいては、導電性が十分とはいえない。これは、導電性粉末同士の接触面積が小さいためと考えられる。
これに対し、導電性粉末同士の接触面積を増加させるため、導電性粉末の配合割合を増加させる試みがなされている。
ところが、この場合、導電性は改善されるものの、導電性粉末自体は密着性がないため、バインダーの配合割合が減少することにより、プリント配線板等への密着性が悪くなるという欠点が生じる。また、導電性粉末は一般に高価であるので、コスト高になるという欠点もある。
近年、このような導電性ペーストにおいて、導電性粉末の粒子径、導電性粉末とバインダーとの配合割合、バインダーを構成する熱可塑性樹脂の融点やガラス転移温度、硬化時の温度等の最適な条件を研究した報告が数多くなされている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2007−207604号公報 特開2009−123607号公報 特開2012−18783号公報 特開2013−196936号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の導電性ペーストは、導電性及び密着性が向上するものの、導電性及び密着性が十分に優れるとは到底いえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、導電性及び密着性が極めて向上する導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、導電性を有する有機化合物(以下「導電性有機化合物」という。)を更に加え、隣り合う導電性金属粉末同士を、当該導電性有機化合物を介して連結させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーと、を含有し、隣り合う導電性金属粉末同士が導電性有機化合物を介して連結されており、導電性有機化合物が、導電性液晶である導電性ペーストに存する。
本発明は、()導電性有機化合物が、2種類以上の導電性液晶の混合物である上記(1)記載の導電性ペーストに存する
本発明は、()導電性有機化合物が、下記式(1)で表される導電性液晶であり、下記式(1)中、R,R,R,R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又はシアノ基であり、nは0〜3の整数である上記()に記載の導電性ペーストに存する。
(化1)
Figure 0006313084
本発明は、()導電性有機化合物が、上記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むものである上記()記載の導電性ペーストに存する。
本発明は、()導電性有機化合物が、下記式(2)で表される導電性液晶、下記式(3)で表される導電性液晶及び下記式(4)で表される導電性液晶からなる混合物であり、下記式(2)、下記式(3)及び下記式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又はシアノ基である上記(2)に記載の導電性ペーストに存する。
(化2)
Figure 0006313084
本発明は、()混合物が、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物及び下記式(7)で表される化合物を混合して反応させることにより同時に得られたものであり、下記式(7)中、Xは、脱離基である上記()記載の導電性ペーストに存する。
(化3)
Figure 0006313084
本発明は、()導電性金属粉末が、銀又は銅の粉末である上記(1)〜()のいずれか1つに記載の導電性ペーストに存する。
本発明は、()導電性金属粉末が球状である上記(1)〜()のいずれか1つに記載の導電性ペーストに存する。
本発明は、()バインダーが熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂と、溶媒とからなるものである上記(1)〜()のいずれか1つに記載の導電性ペーストに存する。
本発明は、(10)導電性金属粉末100質量部に対する導電性有機化合物の配合割合が1〜50質量部であり、導電性金属粉末100質量部に対するバインダーの配合割合が10〜50質量部である上記(1)〜()のいずれか1つに記載の導電性ペーストに存する。
本発明の導電性ペーストによれば、導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーと、を含有し、隣り合う導電性金属粉末同士を、導電性有機化合物を介して連結させることにより、導電性粉末同士の直接の接触面積が小さくても、導電性有機化合物が、隣り合う導電性粉末同士間の導電を担保するので、導電性を極めて向上させることができる。
また、十分な導電性を得るために必要な導電性粉末の添加量を減らすことができる。これにより、プリント配線板等への密着性を向上させることができるので、少ない全体量で細かい導電回路等を形成することも可能となる。
さらに、コストも低減させることができる。
本発明の導電性ペーストにおいては、導電性有機化合物が導電性液晶である場合、導電性粉末同士の間に、導電性液晶が規則的に配向することになるので、導電性が極めて向上する。
具体的には、導電性有機化合物が上記式(1)で表される導電性液晶である場合、導電性がより向上する。
また、導電性有機化合物が、導電性液晶を複数種類含むものであると、導電性が更に向上する。
その中でも、導電性有機化合物が、上記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むことが好ましい。
さらに、導電性有機化合物が、上記式(2)で表される導電性液晶、上記式(3)で表される導電性液晶及び上記式(4)で表される導電性液晶からなる混合物である場合、導電性が特に向上する。
ここで、当該混合物が、上記式(7)で表される化合物、上記式(8)で表される化合物及び上記式(9)で表される化合物を混合して反応させることにより同時に得られたものであると、比較的簡単に合成することができ、且つ得られた混合物の状態で利用できるので、極めて有用である。
本発明の導電性ペーストにおいては、導電性金属粉末が、銀又は銅の粉末である場合、これら自体の導電性が優れるので、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
このとき、導電性金属粉末が球状であると、流動性が優れるので、プリント配線板等に付与しやすい。また、ノズルの目詰まりを抑制できるので、インクジェット等によるノズルからの吹き付けで、プリント配線板の導電回路等を所望の位置に形成することも可能となる。
本発明の導電性ペーストにおいては、バインダーが熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂と、溶媒とからなものである場合、比較的容易に硬化させることができる。
本発明の導電性ペーストにおいては、導電性金属粉末に対する導電性有機化合物及びバインダーの配合割合が上記範囲内であると、導電性が確実に向上する。
図1は、本発明に係る導電性ペーストが密着固化された状態を拡大して示す概略図である。 図2は、本発明に係る導電性ペーストにおいて導電性液晶が導電することを説明するための概念図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーとを含有する。
そして、隣り合う導電性金属粉末同士が、導電性有機化合物を介して連結された構造となっている。
本発明の導電性ペーストは、取り扱い性の観点から、25℃における粘度が10〜200000mPa・sであることが好ましく、1000〜100000mPa・sであることがより好ましい。かかる粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計により測定することができる。なお、導電性ペーストをインクジェット等によるノズルからの吹き付けで付与する場合は、本発明の導電性ペーストを溶媒等で更に希釈して用いればよい。
本発明の導電性ペーストは、取り扱い性の観点から、チキソ比(25℃における剪断速度10s−1での粘度/25℃における剪断速度100s−1での粘度)が1.0〜4.0であることが好ましく、1.5〜3.5であることがより好ましい。
本発明の導電性ペーストにおいて、導電性金属粉末100質量部に対する導電性有機化合物の配合割合は、導電性及び密着性の観点から、1〜50質量部であることが好ましく、12.5〜50質量部であることがより好ましい。
また、導電性金属粉末100質量部に対するバインダーの配合割合は、導電性及び密着性の観点から、10〜50質量部であることが好ましく、12.5〜33.3質量部であることがより好ましい。
図1は、本発明に係る導電性ペーストが密着固化された状態を拡大して示す概略図である。なお、図1に示す導電性金属粉末は、一例として、球状のものを示したまでである。
本発明に係る導電性ペーストにおいては、プリント配線板等に付与し、加熱乾燥させることで、密着固化される。
このとき、固化された導電性ペーストは、図1に示すように、隣り合う導電性金属粉末1同士が導電性有機化合物2を介して連結されている。
そして、バインダー3がこれらの隙間に充填された状態となっている。
このように、上記導電性ペーストにおいては、導電性粉末1同士の直接の接触面積が小さくても、導電性有機化合物2が、隣り合う導電性粉末1同士間の導電性を担保するので、導電性を極めて向上させることができる。
また、十分な導電性を得るために必要な導電性粉末1の添加量を減らすことができる。これにより、プリント配線板等への密着性を向上させることができるので、少ない量で細かい導電回路等を形成することも可能となる。
さらに、コストも低減させることができる。
以下、各成分について、更に詳細に説明する。
(導電性金属粉末)
導電性金属粉末は、金属を粉末状にしたものである。
当該金属としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記金属は、何れかの元素を含むものであれば、合金であってもよく、何れかの元素を含むものであれば、水素、酸素、炭素、窒素、硫黄等の金属元素以外の元素を含有していてもよい。
これらの中でも、導電性金属粉末は、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タングステン、白金又は金の粉末であることが好ましく、銀又は銅の粉末であることがより好ましい。
銀又は銅は、汎用性が優れると共に、これらの金属の中でも特に導電性が優れるので、本発明の効果をより発揮することができる。
導電性金属粉末の形状は、特に限定されない。例えば、顆粒状、ペレット状、フレーク状、球状、針状、スティック状、円盤状等が挙げられる。
これらの中でも、形状は、球状であることが好ましい。
この場合、流動性が向上するので、導電性ペーストをノズルから吹き付けて付与する場合、ノズルの目詰まりを抑制できる。したがって、インクジェット等によるノズルからの吹き付けで、プリント配線板の導電回路等を所望の位置に形成することが可能となる。
このとき、導電性金属粉末の最大粒子径は、特に限定されないが、例えば、1nm〜100μmであることが好ましく、0.1μm〜10μmであることがより好ましく、1μm〜3μmであることが更に好ましい。
ここで、最大粒子径とは、導電性金属粉末の重心を通る直線のうち最大になる径である。したがって、導電性金属粉末が球状の場合は、直径に相当する。
導電性金属粉末の比表面積は、3〜20m/gであることが好ましい。この場合、導電性が向上する。なお、比表面積は、公知のBET法により測定することができる。
(導電性有機化合物)
導電性有機化合物は、導電性を有する共役系の有機化合物が用いられる。
導電性有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、ペンタセン等の多環式芳香族、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子、後述する導電性液晶等が挙げられる。
これらの中でも、導電性有機化合物は、導電性液晶であることが好ましい。この場合、導電性粉末同士の間に、導電性液晶が規則的に配向することになるので、導電性が極めて向上する。
また、導電性有機化合物は、2種類以上の導電性液晶の混合物であることが好ましい。この場合、導電性がより向上する。
導電性液晶としては、下記式(8)〜(11)で表される化合物が挙げられる。
(化4)
Figure 0006313084
上記式(8)〜(11)中、A及びA’は、それぞれ独立に、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、多環芳香族等の共役系を有する環であり、Bは、下記式(12)〜(16)のいずれかに示す官能基であり、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、n1〜n4は、それぞれ独立に、0〜10の整数である。なお、上記環は、置換基を有していてもよい。
(化5)
Figure 0006313084
これらの中でも、導電性液晶としては、下記式(1)及び下記式(17)〜(63)で表される化合物等が挙げられる。
(化6)
(化6−1)
Figure 0006313084











(化6−2)
Figure 0006313084




(化6−3)
Figure 0006313084






(化6−4)
Figure 0006313084







(化6−5)
Figure 0006313084


(化6−6)
Figure 0006313084
上記式(1)及び(17)〜(63)中、R,R,R,R,R,R,R11,R12,R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、R13及びR14は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であり、n、m1〜m4、m8及びm9は、それぞれ独立に、0〜10の整数であり、m5〜m7は、それぞれ独立に、1〜10の整数である。
ここで、本明細書において、「置換基を有していてもよいアルキル基」とは、アルキル基の水素原子が他の置換基に置換されていてもよいことを意味する。かかる置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボニル基、エステル基、スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアルコキシ基」も同様に、アルコキシ基の水素原子が他の置換基に置換されていてもよいことを意味する。かかる置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボニル基、エステル基、スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
また、「アルキル基」及び「アルコキシ基」の炭素数は、1〜18である。
これらの中でも、導電性有機化合物は、スメクチック構造の導電性液晶であることが好ましい。
図2は、本発明に係る導電性ペーストにおいて導電性液晶が導電することを説明するための概念図である。
図2に示すように、導電性液晶は、分子が規則的に配向し、エレクトロンリッチ(高電子密度)な部位に、電子が渡されると、隣の分子に次々と電子の受け渡しが行われ、その結果、導電することになる。
本発明の導電性ペーストにおいては、隣り合う導電性金属粉末同士が導電性液晶を介して連結されているので、接触する導電性金属粉末同士の導電に加え、接触しない導電性粉末同士であっても、導電性液晶が介在することによって、図2に示すように導電することになるので、導電性が極めて向上することになる。
導電性液晶の中でも、上記式(1)で表される導電性液晶であることが更に好ましい。この場合、理由は定かではないが、導電性がより向上する。
その中でも、導電性有機化合物は、上記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むことが好ましく、下記式(2)〜(4)で表される導電性液晶の混合物であることが更に好ましい。この場合、理由は定かではないが、導電性が更に向上する。
(化7)
Figure 0006313084
上記式(2)〜(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基である。
また、かかる混合物は、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物及び下記式(7)で表される化合物を混合して反応させることにより同時に得られたものであることが好ましい。この場合、比較的簡単に合成することができるので、利用し易い。
(化8)
Figure 0006313084
上記式(9)中、Xは、ハロゲン原子、トシル基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基等の公知の脱離基である。
なお、上記式(5)で表される化合物、上記式(6)で表される化合物及び上記式(7)で表される化合物の反応方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
(バインダー)
バインダーは、樹脂と溶媒とからなるものであり、上述した導電性金属粉末及び導電性有機化合物をプリント配線板等に密着固化させる機能を有する。
かかる樹脂としては、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂であることが好ましい。例えば、樹脂が熱硬化性樹脂である場合、導電性ペーストを加熱することにより、固化させることができ、樹脂が紫外線硬化樹脂である場合、導電性ペーストに紫外線を照射することにより、当該導電性ペーストを固化させることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などの各種変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、アルキドフェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート、セルロース・アセテート・プロピオネート等の変性セルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、このとき、過酸化物等の熱重合触媒を併用してもよい。
紫外線硬化樹脂としては、光重合性モノマーが用いられる。すなわち、光重合性モノマーが重合することにより、紫外線硬化樹脂となる。
光重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、このとき、光重合開始剤や光増感剤等を併用してもよい。
溶媒は、上述した導電性金属粉末、導電性有機化合物、樹脂を混合する機能を有する。なお、溶媒は、導電性ペーストをプリント配線板等に密着固化させる際に揮発除去される。
かかる溶媒としては、不活性であれば特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、デカン、オクタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジヒドロターピニルアセテート、イソボニルアセテート、イソボニルプロキネート、イソボニルブチレート、イソボニルイソブチレート、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオール、ブチルカルビトール等のアルコール類、当該高級アルコールとカルボン酸とのエステル類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態に係る導電性ペーストは、導電性金属粉末、導電性有機化合物及びバインダーを撹拌混合することにより得られる。
なお、得られた導電性ペーストは、プリント配線板等に付与した後、100℃以上で加熱処理することにより、導電性有機化合物が導電性液晶である場合は、これが液晶化し、バインダー中の樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、これが硬化する。
このように、導電性ペーストを固化すると、隣り合う導電性金属粉末同士を、導電性有機化合物を介して連結させた状態を維持しつつ、均一に分散された状態でプリント配線板等に密着固化させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の導電性ペーストは、導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーと、を含有しているが、他にも必要に応じて添加剤が添加されていてもよい。
本発明の導電性ペーストにおいて、導電性金属として、上述した金属を例示しているが、それら以外にもカーボンを用いることができる。
本発明の導電性ペーストにおいて、導電性有機化合物は、スメクチック構造の導電性液晶であることが好ましいと述べているが、ディスコチック構造の導電性液晶も採用可能である。
ディスコチック構造の導電性液晶としては、例えば、下記式(64)で表される化合物等が挙げられる。なお、これに限定されるものではない。
(化9)
Figure 0006313084
上記式(64)中、R15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基である。
本発明の導電性ペーストにおいては、バインダーに含まれる樹脂の一例として、紫外線硬化樹脂を挙げているが、これに限定されず、電子線等の他のエネルギー線により硬化される樹脂であってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
球状の銀粉末(直径1μm〜3μm、導電性金属粉末)0.4gと、下記式(65)で表される導電性液晶、下記式(66)で表される導電性液晶及び下記式(67)で表される導電性液晶(配合比率1:2:1、以下「混合樹脂」という。)0.05gと、ポリエステル樹脂(熱硬化性樹脂)0.05gと、エチルセロソルブアセテート(溶媒)30μlと、を混合して撹拌することにより、サンプル(導電性ペースト)を得た。
(化10)
Figure 0006313084
(比較例)
導電性液晶を用いないこと以外は、実施例と同様にして、サンプルを得た。
(評価方法)
ガラス板に、横35mm×縦3mmに切り抜いた厚さ0.2mmのシリコンシートを貼り付け、これに実施例及び比較例で得られたサンプルを塗布した。
そして、加熱炉に入れ、窒素雰囲気下、140℃で30分間加熱乾燥することにより、薄膜を得た。
空冷後、ガラス板を取り外し、作製した薄膜の抵抗値(単位ミリオーム)を測定した。
この操作を3回繰り返し行った。
得られた結果を表1に示す。
(表1)
Figure 0006313084
表1に示した結果から明らかなように、実施例のサンプル(導電性ペースト)によれば、導電性が極めて向上することがわかった。
一方、導電性液晶を含まない比較例のサンプルは、十分な導電性が認められなかった。
このことから、本発明によれば、導電性及び密着性が極めて向上する導電性ペーストを提供できることが確認された。
本発明の導電性ペーストは、例えば、プリント配線板の導電回路の形成等に好適に用いられる。本発明の導電性ペーストによれば、導電性及び密着性が極めて向上する。
1・・・導電性金属粉末
2・・・導電性有機化合物
3・・・バインダー

Claims (10)

  1. 導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーと、を含有し、
    隣り合う前記導電性金属粉末同士が前記導電性有機化合物を介して連結されており、
    前記導電性有機化合物が、導電性液晶である導電性ペースト。
  2. 前記導電性有機化合物が、2種類以上の導電性液晶の混合物である請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 前記導電性有機化合物が、下記式(1)で表される導電性液晶であり、
    下記式(1)中、R,R,R,R,R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又はシアノ基であり、nは0〜3の整数である請求項記載の導電性ペースト。
    (化1)
    Figure 0006313084
  4. 前記導電性有機化合物が、前記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むものである請求項記載の導電性ペースト。
  5. 前記導電性有機化合物が、下記式(2)で表される導電性液晶、下記式(3)で表される導電性液晶及び下記式(4)で表される導電性液晶からなる混合物であり、
    下記式(2)、下記式(3)及び下記式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又はシアノ基である請求項記載の導電性ペースト。
    (化
    Figure 0006313084
  6. 前記混合物が、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物及び下記式(7)で表される化合物を混合して反応させることにより同時に得られたものであり、 下記式(7)中、Xは、脱離基である請求項記載の導電性ペースト。
    (化3)
    Figure 0006313084
  7. 前記導電性金属粉末が、銀又は銅の粉末である請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記導電性金属粉末が球状である請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  9. 前記バインダーが熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂と、溶媒とからなるものである請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  10. 前記導電性金属粉末100質量部に対する前記導電性有機化合物の配合割合が1〜50質量部であり、
    前記導電性金属粉末100質量部に対する前記バインダーの配合割合が10〜50質量部である請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
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