JP6313084B2 - 導電性ペースト - Google Patents
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Description
かかる導電性ペーストとしては、例えば、導電性粉末と、バインダー成分と、有機溶剤とを含み、導電性粉末として銀粉末と酸化銀粉末とを含有している導電性ペーストが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、この場合、導電性は改善されるものの、導電性粉末自体は密着性がないため、バインダーの配合割合が減少することにより、プリント配線板等への密着性が悪くなるという欠点が生じる。また、導電性粉末は一般に高価であるので、コスト高になるという欠点もある。
(化1)
(化2)
(化3)
また、十分な導電性を得るために必要な導電性粉末の添加量を減らすことができる。これにより、プリント配線板等への密着性を向上させることができるので、少ない全体量で細かい導電回路等を形成することも可能となる。
さらに、コストも低減させることができる。
具体的には、導電性有機化合物が上記式(1)で表される導電性液晶である場合、導電性がより向上する。
その中でも、導電性有機化合物が、上記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むことが好ましい。
さらに、導電性有機化合物が、上記式(2)で表される導電性液晶、上記式(3)で表される導電性液晶及び上記式(4)で表される導電性液晶からなる混合物である場合、導電性が特に向上する。
このとき、導電性金属粉末が球状であると、流動性が優れるので、プリント配線板等に付与しやすい。また、ノズルの目詰まりを抑制できるので、インクジェット等によるノズルからの吹き付けで、プリント配線板の導電回路等を所望の位置に形成することも可能となる。
そして、隣り合う導電性金属粉末同士が、導電性有機化合物を介して連結された構造となっている。
また、導電性金属粉末100質量部に対するバインダーの配合割合は、導電性及び密着性の観点から、10〜50質量部であることが好ましく、12.5〜33.3質量部であることがより好ましい。
本発明に係る導電性ペーストにおいては、プリント配線板等に付与し、加熱乾燥させることで、密着固化される。
このとき、固化された導電性ペーストは、図1に示すように、隣り合う導電性金属粉末1同士が導電性有機化合物2を介して連結されている。
そして、バインダー3がこれらの隙間に充填された状態となっている。
また、十分な導電性を得るために必要な導電性粉末1の添加量を減らすことができる。これにより、プリント配線板等への密着性を向上させることができるので、少ない量で細かい導電回路等を形成することも可能となる。
さらに、コストも低減させることができる。
(導電性金属粉末)
導電性金属粉末は、金属を粉末状にしたものである。
当該金属としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記金属は、何れかの元素を含むものであれば、合金であってもよく、何れかの元素を含むものであれば、水素、酸素、炭素、窒素、硫黄等の金属元素以外の元素を含有していてもよい。
銀又は銅は、汎用性が優れると共に、これらの金属の中でも特に導電性が優れるので、本発明の効果をより発揮することができる。
これらの中でも、形状は、球状であることが好ましい。
この場合、流動性が向上するので、導電性ペーストをノズルから吹き付けて付与する場合、ノズルの目詰まりを抑制できる。したがって、インクジェット等によるノズルからの吹き付けで、プリント配線板の導電回路等を所望の位置に形成することが可能となる。
ここで、最大粒子径とは、導電性金属粉末の重心を通る直線のうち最大になる径である。したがって、導電性金属粉末が球状の場合は、直径に相当する。
導電性有機化合物は、導電性を有する共役系の有機化合物が用いられる。
導電性有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、ペンタセン等の多環式芳香族、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子、後述する導電性液晶等が挙げられる。
これらの中でも、導電性有機化合物は、導電性液晶であることが好ましい。この場合、導電性粉末同士の間に、導電性液晶が規則的に配向することになるので、導電性が極めて向上する。
また、導電性有機化合物は、2種類以上の導電性液晶の混合物であることが好ましい。この場合、導電性がより向上する。
(化5)
「置換基を有していてもよいアルコキシ基」も同様に、アルコキシ基の水素原子が他の置換基に置換されていてもよいことを意味する。かかる置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボニル基、エステル基、スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
また、「アルキル基」及び「アルコキシ基」の炭素数は、1〜18である。
図2は、本発明に係る導電性ペーストにおいて導電性液晶が導電することを説明するための概念図である。
図2に示すように、導電性液晶は、分子が規則的に配向し、エレクトロンリッチ(高電子密度)な部位に、電子が渡されると、隣の分子に次々と電子の受け渡しが行われ、その結果、導電することになる。
その中でも、導電性有機化合物は、上記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むことが好ましく、下記式(2)〜(4)で表される導電性液晶の混合物であることが更に好ましい。この場合、理由は定かではないが、導電性が更に向上する。
なお、上記式(5)で表される化合物、上記式(6)で表される化合物及び上記式(7)で表される化合物の反応方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
バインダーは、樹脂と溶媒とからなるものであり、上述した導電性金属粉末及び導電性有機化合物をプリント配線板等に密着固化させる機能を有する。
かかる樹脂としては、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂であることが好ましい。例えば、樹脂が熱硬化性樹脂である場合、導電性ペーストを加熱することにより、固化させることができ、樹脂が紫外線硬化樹脂である場合、導電性ペーストに紫外線を照射することにより、当該導電性ペーストを固化させることができる。
また、このとき、過酸化物等の熱重合触媒を併用してもよい。
光重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、このとき、光重合開始剤や光増感剤等を併用してもよい。
このように、導電性ペーストを固化すると、隣り合う導電性金属粉末同士を、導電性有機化合物を介して連結させた状態を維持しつつ、均一に分散された状態でプリント配線板等に密着固化させることができる。
ディスコチック構造の導電性液晶としては、例えば、下記式(64)で表される化合物等が挙げられる。なお、これに限定されるものではない。
球状の銀粉末(直径1μm〜3μm、導電性金属粉末)0.4gと、下記式(65)で表される導電性液晶、下記式(66)で表される導電性液晶及び下記式(67)で表される導電性液晶(配合比率1:2:1、以下「混合樹脂」という。)0.05gと、ポリエステル樹脂(熱硬化性樹脂)0.05gと、エチルセロソルブアセテート(溶媒)30μlと、を混合して撹拌することにより、サンプル(導電性ペースト)を得た。
導電性液晶を用いないこと以外は、実施例と同様にして、サンプルを得た。
ガラス板に、横35mm×縦3mmに切り抜いた厚さ0.2mmのシリコンシートを貼り付け、これに実施例及び比較例で得られたサンプルを塗布した。
そして、加熱炉に入れ、窒素雰囲気下、140℃で30分間加熱乾燥することにより、薄膜を得た。
空冷後、ガラス板を取り外し、作製した薄膜の抵抗値(単位ミリオーム)を測定した。
この操作を3回繰り返し行った。
得られた結果を表1に示す。
一方、導電性液晶を含まない比較例のサンプルは、十分な導電性が認められなかった。
このことから、本発明によれば、導電性及び密着性が極めて向上する導電性ペーストを提供できることが確認された。
2・・・導電性有機化合物
3・・・バインダー
Claims (10)
- 導電性金属粉末と、導電性有機化合物と、バインダーと、を含有し、
隣り合う前記導電性金属粉末同士が前記導電性有機化合物を介して連結されており、
前記導電性有機化合物が、導電性液晶である導電性ペースト。 - 前記導電性有機化合物が、2種類以上の導電性液晶の混合物である請求項1記載の導電性ペースト。
- 前記導電性有機化合物が、前記式(1)で表される導電性液晶を2種類以上含むものである請求項3記載の導電性ペースト。
- 前記導電性金属粉末が、銀又は銅の粉末である請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
- 前記導電性金属粉末が球状である請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
- 前記バインダーが熱硬化性樹脂又は紫外線硬化樹脂と、溶媒とからなるものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
- 前記導電性金属粉末100質量部に対する前記導電性有機化合物の配合割合が1〜50質量部であり、
前記導電性金属粉末100質量部に対する前記バインダーの配合割合が10〜50質量部である請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
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