JP6312588B2 - 通信機器の時刻同期システム - Google Patents
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Description
図10において、T1m,T2m,T3m,T4m,T5mはマスター機器の時計で測定した時刻、T2S,T3s,T5s,T6sは同期前のスレーブ機器の時計で測定した時刻、δはマスター機器とスレーブ機器の間の通信遅延時間である。
最後に、手順3では、スレーブ機器が、マスター機器に対する時刻同期を行う。まずマスター機器がスレーブ機器に対して通信データを送信する。この時マスター機器は、該通信データの送信を開始した時刻T5mを、該通信データに含めてスレーブ機器に送信する。スレーブ機器は、該通信データを受信した時刻T6sを記録する。スレーブ機器は、以上によって取得したT5m,T6s及び、手順2で取得したδの値を元に、以下の数2式を用いた計算によってマスター機器との時計のずれを計算し、時計のずれが0になるように自らの時刻の補正を行う。
なお、クロックドメインとは、ある特定のクロックで駆動される回路領域のことであり、クロックドメイン境界とは、あるクロックドメインと別のクロックドメインの間でデータをやり取りする際の境界の回路である。
本発明では、通信遅延時間の時間変動や非対称性の原因の一つである、クロックドメイン境界を時刻同期用の通信データが通過する際に生じる遅延時間を補正することで、通信機器間の同期精度を向上させる方法を提案する。
図1は、クロックドメイン境界を含む通信路の例である。図1の通信路では、マスター機器10の処理部11から、スレーブ機器20の処理部21に、中継機器30を介して通信データを送信する場合について考える。今、各機器の処理部は個別のクロック信号で動作しており、各送信部は同じ機器の処理部と同じクロック信号で動作しているとする。また、各受信部は、受信したデータに同期して動作しているとする。
図2は本発明の一実施形態における時刻同期システムの機能ブロック図と、当該システムの動作時における通信データと処理部クロックのタイミングチャートを表している。図において、スレーブ機器20の受信部22(デシリアライザ)は、マスター機器10からスレーブ機器20に送信される通信データと同期して動作しており、スレーブ機器20の処理部21は、受信部22とは非同期に、クロックジェネレータ24によって生成されるクロックに同期して動作しているとする。また、マスター機器10とスレーブ機器20はシリアルの通信路で接続されているものとする。
図3は本発明の時刻同期システムにおいて、マスター機器10とスレーブ機器20の通信を中継機器30、中継機器40を介して行った場合の実施形態を示している。図3では、時刻同期を行うマスター機器10とスレーブ機器20が、中継機器30、中継機器40を介して接続されており、中継機器30、中継機器40、スレーブ機器20それぞれの、受信部と処理部との間にクロックドメイン境界が存在する場合について考える。
図5は本発明において、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間を求める時刻同期システムの実施形態を示している。本実施の形態では、時刻同期を行うマスター機器10とスレーブ機器20が、中継機器30、中継機器40を介して接続されており、中継機器30、中継機器40、マスター機器10、スレーブ機器20の、受信部と処理部の間にクロックドメイン境界が存在する場合について考える。なお、以下の説明では中継機器を含んだ実施例に基づいて説明しているが、中継機器の処理を除いた場合においても同様の処理によりクロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間を求めることができる。
最期に手順3では、マスター機器10はスレーブ機器20に対して、上記で計算したδの値を送信し、スレーブ機器20は受信したδの値を用いて、第2の実施形態と同様の方法で時刻同期を行う。
本実施の形態では、位相補間方式のクロックデータリカバリ回路(以下、CDR回路)を用いてクロックドメイン間の遅延時間の測定を行う方法を示す。
CDR回路とは、クロックが重畳されたシリアルデータ信号からクロックを分離し、リカバリクロックとして出力する回路のことである。また、位相補間方式はCDR回路を構成する方法の一つであり、CDR回路に入力されたリファレンスクロックを元に多相クロックを生成し、多相クロックの中から入力データのエッジ位置に対して最適なクロックを選択し、リカバリクロックとして出力する。位相補間方式のCDR回路では、多相クロックの中からどのクロックがリカバリクロックとして選択されたかを示すクロック選択信号を利用することが出来るため、このクロック選択信号を用いてリファレンスクロックとリカバリクロックの位相差を求めることが出来る。
図8に示すスレーブ機器20では、シリアル伝送の受信データをCDR回路27に入力し、得られたリカバリクロックを用いて受信部22で受信データを処理する。その後、リファレンスクロックで動作する処理部21にデータが渡される。この図において、クロックドメイン境界は、受信データが受信部22に入力される部分と、受信部22から出力されたデータが処理部21に入力される部分の2箇所になる。
11 処理部
12 受信部
13 送信部
20 スレーブ機器
21 処理部
22 受信部
24 クロックジェネレータ
25 同期用フリップフロップ
26 時刻同期処理部
27 CDR回路
30,40 中継機器
31,41 処理部
32,42 受信部
33,43 送信部
Claims (5)
- 時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記通信路を経由して前記マスター機器から前記スレーブ機器へ時刻同期のための通信データを送信し、前記スレーブ機器において前記時刻同期のための通信データを受信した時刻を基に前記スレーブ機器の時刻を決定する通信機器の時刻同期システムにおいて、
前記スレーブ機器は、
前記時刻同期のための通信データが該スレーブ機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、
該測定した該第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行なう時刻補正手段と、
を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システム。 - 前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を更に備え、
該中継機器は、
前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、
該測定した該第2位相差を前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、
前記スレーブ機器の時刻補正手段は前記中継機器から送信された前記第2位相差と、スレーブ機器が測定した前記第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信機器の時刻同期システム。 - 時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記マスター機器が前記通信路を経由して前記スレーブ機器との間を往復する通信遅延時間測定のための通信データを送信し、前記マスター機器は該通信データの往復に所要した時間を基に、通信遅延時間を決定し、前記マスター機器と前記スレーブ機器との間の時刻同期を行う際に該通信遅延時間の値を用いて時刻の補正を行う機能を有する時刻同期システムにおいて、
前記スレーブ機器は、
前記通信遅延時間測定のための通信データが該スレーブ機器のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、
該測定した該第1位相差を前記マスター機器に送信する送信手段と、を備え、
前記マスター機器は、
前記通信遅延時間測定のための通信データが該マスター機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第3位相差を測定する第3位相差測定手段と、
前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差と前記マスター機器が測定した前記第3位相差により通信遅延時間の補正を行う補正手段と、
を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システム。 - 前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を備え、
該中継機器は、
前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、
該測定した該第2位相差を前記マスター機器および前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、
前記マスター機器は、前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差および前記中継機器が送信した前記第2位相差と、前記マスター機器が測定した前記第3位相差により、通信遅延時間の補正を行う、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信機器の時刻同期システム。 - クロックデータリカバリ回路をクロックドメイン境界のインタフェースとして持ち、該クロックデータリカバリ回路が出力するリカバリクロックの位相情報を用いて、上記通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の差を測定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の通信機器の時刻同期システム。
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JP2014257492A JP6312588B2 (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 通信機器の時刻同期システム |
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JP2014257492A Active JP6312588B2 (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 通信機器の時刻同期システム |
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