JP6312588B2 - 通信機器の時刻同期システム - Google Patents

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本発明は、通信機器間の時刻同期を行うシステムに関し、特にクロックドメイン境界を時刻同期用の通信データが通過することで生じる同期誤差を補正する機能を有する時刻同期システムに関する。
従来、通信機器間の時刻同期を行う方法として、以下に説明する方法が一般的に利用されている。この時刻同期手法では、基準時刻を持つマスター機器から、マスター機器に対して時刻同期を行うスレーブ機器への通信(以降下りの通信)の遅延時間と、スレーブ機器からマスター機器への通信(以降上りの通信)の遅延時間が等しいと仮定し、マスター機器スレーブ機器間で時刻同期用のデータをやり取りすることでマスター機器スレーブ機器間の通信遅延時間を求め、通信遅延時間を元にスレーブ機器の時刻をマスター機器の時刻に同期させる。
上記時刻同期処理について、図10のタイミングチャートを用いて説明する。
図10において、T1m,T2m,T3m,T4m,T5mはマスター機器の時計で測定した時刻、T2S,T3s,T5s,T6sは同期前のスレーブ機器の時計で測定した時刻、δはマスター機器とスレーブ機器の間の通信遅延時間である。
最初に手順1では、マスター機器が、マスター機器とスレーブ機器の間の通信遅延時間を測定する。まず、マスター機器がスレーブ機器に対して通信データの送信を開始し、その際の時刻T1mを記録する。スレーブ機器は、該通信データを受信した時刻T2sを記録する。
次にスレーブ機器がマスター機器に対して通信データを送信する。この時スレーブ機器は、該通信データの送信を開始した時刻T3sと、記録しておいたT2sを該通信データに含めてマスター機器に送信する。マスター機器は、該通信データを受信した時刻T4mを記録する。以上によって、T1m,T4m,T2s,T3sの時刻を取得したマスター機器は、以下の計算によって片道の通信遅延時間δを計算する。
次に、手順2では、マスター機器がスレーブ機器に対して、手順1で求めた通信遅延時間δの値を送信する。
最後に、手順3では、スレーブ機器が、マスター機器に対する時刻同期を行う。まずマスター機器がスレーブ機器に対して通信データを送信する。この時マスター機器は、該通信データの送信を開始した時刻T5mを、該通信データに含めてスレーブ機器に送信する。スレーブ機器は、該通信データを受信した時刻T6sを記録する。スレーブ機器は、以上によって取得したT5m,T6s及び、手順2で取得したδの値を元に、以下の数2式を用いた計算によってマスター機器との時計のずれを計算し、時計のずれが0になるように自らの時刻の補正を行う。
以上の手順により、スレーブ機器は、マスター機器の時刻に自らの時刻を同期させることができる。しかしながら、上記の方法では、マスター機器、スレーブ機器間の通信遅延時間が時間と共に変動する場合や、通信遅延時間が非対称だった場合、つまり下りの通信遅延時間と上りの通信遅延時間が等しくなかった場合に誤差が生じる。
一方で、特許文献1には、通信路上の中継機器内で発生する遅延時間を中継機器内のカウンタで測定し、同期時刻の補正を行う技術が開示されている。この時刻同期手法を用いることで、中継機器内を通信データが通過する際の所要時間が変動した場合についても、正確な時刻同期を行うことが可能となる。
特開2010−062729号公報
しかしながら、特許文献1に開示される手法では、中継機器内部のカウンタを用いて時間を測定するため、カウンタを動作させるクロック信号の周期で測定値が丸められ、その際に生じた丸め誤差が同期時刻の誤差となって現れる。一般的に、クロックドメイン境界で生じる遅延時間はクロック信号の周期の倍数にはならないので、通信路にクロックドメイン境界を含む場合、上記の方法では正確な時刻同期を行うことが出来ない。
なお、クロックドメインとは、ある特定のクロックで駆動される回路領域のことであり、クロックドメイン境界とは、あるクロックドメインと別のクロックドメインの間でデータをやり取りする際の境界の回路である。
クロックドメイン境界をデータが通過する際に生じる遅延時間について、図11を用いて説明する。図に示すように、通信データがクロックドメインAからクロックドメインBに移動する時、クロックAの立ち上がりからクロックBの立ち上がりまでの時間差が遅延時間として現れる。クロックAとクロックBが互いに非同期である場合、この遅延時間は0からクロックBの周期までの任意の値を取りうる。このようにクロックドメイン境界における遅延時間は通信遅延時間の変動の原因となるため、時刻同期精度の低下を引き起こすという問題があった。
そこで本発明の目的は、通信機器間の時刻同期を行うシステムであり、クロックドメイン境界を時刻同期用の通信データが通過することで生じる同期誤差を補正する機能を有するシステムを提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記通信路を経由して前記マスター機器から前記スレーブ機器へ時刻同期のための通信データを送信し、前記スレーブ機器において前記時刻同期のための通信データを受信した時刻を基に前記スレーブ機器の時刻を決定する通信機器の時刻同期システムにおいて、前記スレーブ機器は、前記時刻同期のための通信データが該スレーブ機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、該測定した該第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行う時刻補正手段と、を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システムである。
本願の請求項2に係る発明は、前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を更に備え、該中継機器は、前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、該測定した該第2位相差を前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、前記スレーブ機器の時刻補正手段は前記中継機器から送信された前記第2位相差と、スレーブ機器が測定した前記第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の通信機器の時刻同期システムである。
本願の請求項3に係る発明は、時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記マスター機器が前記通信路を経由して前記スレーブ機器との間を往復する通信遅延時間測定のための通信データを送信し、前記マスター機器は該通信データの往復に所要した時間を基に、通信遅延時間を決定し、前記マスター機器と前記スレーブ機器との間の時刻同期を行う際に該通信遅延時間の値を用いて時刻の補正を行う機能を有する時刻同期システムにおいて、前記スレーブ機器は、前記通信遅延時間測定のための通信データが該スレーブ機器のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、該測定した該第1位相差を前記マスター機器に送信する送信手段と、を備え、前記マスター機器は、前記通信遅延時間測定のための通信データが該マスター機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第3位相差を測定する第3位相差測定手段と、前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差と前記マスター機器が測定した前記第3位相差により通信遅延時間の補正を行う補正手段と、を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システムである。
本願の請求項4に係る発明は、前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を備え、該中継機器は、前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、該測定した該第2位相差を前記マスター機器および前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、前記マスター機器は、前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差および前記中継機器が送信した前記第2位相差と、前記マスター機器が測定した前記第3位相差により、通信遅延時間の補正を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の通信機器の時刻同期システムである。
本願の請求項5に係る発明は、クロックデータリカバリ回路をクロックドメイン境界のインタフェースとして持ち、該クロックデータリカバリ回路が出力するリカバリクロックの位相情報を用いて、上記通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の差を測定する、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の通信機器の時刻同期システムである。
本発明により、通信機器間の時刻同期を行うシステムにおいて、クロックドメイン境界を時刻同期用の通信データが通過することで生じる同期誤差を補正することが可能となり、時刻同期精度の向上を図ることができる。
クロックドメイン境界を含む通信路の構成例である。 本発明の第1の実施形態における時刻同期システムの機能ブロック図とタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態における時刻同期システムの機能ブロック図と通信データの例である。 本発明の第2の実施形態におけるタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態における事項同期システムの処理手順を説明する図である。 本発明の第3の実施形態におけるタイミングチャートである。 クロックデータリカバリ回路の各クロックの位相差を示す図である。 本発明の第4の実施形態における時刻同期システムを構成する機器の概略ブロック図である。 本発明の第4の実施形態におけるタイミングチャートである。 従来技術における時刻同期処理のタイミングチャートである。 クロックドメイン境界において生じる通信遅延時間について説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。最初に、本発明の技術的概要を説明する。
本発明では、通信遅延時間の時間変動や非対称性の原因の一つである、クロックドメイン境界を時刻同期用の通信データが通過する際に生じる遅延時間を補正することで、通信機器間の同期精度を向上させる方法を提案する。
一般に、通信システムを構築する際に、通信に用いる機材の種類や品質(ケーブルの規格や長さなど)をそろえることにより、通信遅延時間の時間変動や非対称性をある程度抑えることができる。しかしながら、クロックドメイン境界を通信データが通過する際に生じる遅延時間については、このような方法で抑えることは困難である。
クロックドメイン境界をデータが通過するときの遅延時間は、データが境界を通過する時刻における、移動元クロックドメインと移動先クロックドメインのクロックの位相差の値に依存する。ここで、移動元クロックドメインと移動先クロックドメインのクロックが非同期だった場合、この位相差は時間と共に変化する。そのため、通信路に存在するクロックドメイン境界は、通信遅延時間の時間変動の原因となる。また、通信遅延時間が時間と共に変動する場合、その変動が通信遅延時間の非対称性の要因となる。
そこで本発明では、このクロックドメイン境界が原因で生じる通信遅延時間の時間変動を補正する機能を有する、通信機器間の時刻同期システムを提案する。
図1は、クロックドメイン境界を含む通信路の例である。図1の通信路では、マスター機器10の処理部11から、スレーブ機器20の処理部21に、中継機器30を介して通信データを送信する場合について考える。今、各機器の処理部は個別のクロック信号で動作しており、各送信部は同じ機器の処理部と同じクロック信号で動作しているとする。また、各受信部は、受信したデータに同期して動作しているとする。
この時、同じ機器内の受信部と処理部は異なるクロック信号で動作することになるので、この間がクロックドメイン境界となる。図1の例では、中継機器30の受信部32と処理部31の間、そしてスレーブ機器20の受信部22と処理部21の間が、クロックドメイン境界となる。このように、一般的に通信路は1つ以上のクロックドメイン境界を含む。なお、スレーブ機器20からマスター機器10への返信においても、同様のクロックドメイン境界は存在している。
<第1の実施形態>
図2は本発明の一実施形態における時刻同期システムの機能ブロック図と、当該システムの動作時における通信データと処理部クロックのタイミングチャートを表している。図において、スレーブ機器20の受信部22(デシリアライザ)は、マスター機器10からスレーブ機器20に送信される通信データと同期して動作しており、スレーブ機器20の処理部21は、受信部22とは非同期に、クロックジェネレータ24によって生成されるクロックに同期して動作しているとする。また、マスター機器10とスレーブ機器20はシリアルの通信路で接続されているものとする。
図における処理の流れを以下に説明する。まず、マスター機器10が時刻同期用の通信データをスレーブ機器20に送信する。シリアルの時刻同期用通信データを受信したスレーブ機器20は、受信部22内でシリアルのデータを8ビットのパラレルのデータに変換し、処理部21にこのデータを渡す。この時、受信部22は、処理部21に渡す通信データと、処理部21のクロック信号の位相差αを求め、求めた位相差αの値を通信データと共に処理部21に渡す。
受信部22から時刻同期用通信データを受け取った処理部21は、同期用フリップフロップ25(FF)によって、受け取った通信データを処理部21のクロックに同期させ、同期後の通信データと位相差αの値を用いて、マスター機器10の時刻にスレーブ機器20の時刻を同期させる。ここで、位相差αの値は、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の値と等しいため、αを用いることで、クロックドメイン境界で発生する遅延時間を補正した同期が可能となる。なお、時刻同期用通信データの内容、および時刻同期の具体的な方法については、図3、図4で説明する。
<第2の実施形態>
図3は本発明の時刻同期システムにおいて、マスター機器10とスレーブ機器20の通信を中継機器30、中継機器40を介して行った場合の実施形態を示している。図3では、時刻同期を行うマスター機器10とスレーブ機器20が、中継機器30、中継機器40を介して接続されており、中継機器30、中継機器40、スレーブ機器20それぞれの、受信部と処理部との間にクロックドメイン境界が存在する場合について考える。
図4は本実施形態のタイミングチャートである。なお、図3、及び図4を用いて説明する手順は、図10の従来例の手順3に対応するものである。図3および図4において、T1mはマスター機器10の時計で測定した時刻、T1s,T2sは同期前のスレーブ機器20の時計で測定した時刻である。Toは同期前のマスター機器10とスレーブ機器20の時計のずれ、δ1は下り方向の通信遅延時間、δは下り方向の通信遅延時間のうち、クロックドメイン境界で発生する遅延時間を差し引いた値である。また、α1、α2、α3は、それぞれクロックドメイン境界1、2、3で発生する遅延時間(各クロックドメイン境界におけるそれぞれのクロックドメイン間の位相差)である。ここで、通信遅延時間δについては、スレーブ機器がすでにその値を求めているとする。
以下に、時刻同期の手順について説明する。まず、時刻T1mにマスター機器10が中継機器30に対して時刻同期用の通信データの送信を開始する。マスター機器10は、この通信データにT1mの値を付加して送信する。該通信データを受信した中継機器30は、受信したデータを中継機器40に送信するが、このとき中継機器30内のクロックドメイン境界1を該通信データが通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメイン境界のクロック信号の位相の位相差を求め、該位相差を遅延時間α1として該通信データに追加して送信する。
該通信データを受信した中継機器40は、同様に受信したデータをスレーブ機器に送信するが、このときクロックドメイン境界2で生じた遅延時間α2を上記と同様に測定し、該通信データに含まれる遅延時間の値に加算して送信する。該通信データを受信したスレーブ機器20は、受信部から処理部に該通信データを渡し、処理部内で時刻同期の処理を行う。このときスレーブ機器20は、受信部22と処理部21の間のクロックドメイン境界3を通過する際に生じた遅延時間α3を上記と同様に測定し、これを該通信データに含まれる遅延時間の値に加算する。また、処理部21では、処理部21に該通信データが渡された時刻T2sを記録する。
以上より、スレーブ機器20の処理部21は、マスター機器10が通信を開始した時刻T1m、クロックドメイン境界で生じた遅延時間の合計値α1+α2+α3、およびスレーブ機器20の処理部21が該通信データを受け取った時刻T2sの値を得たため、これらの値を用いて以下に示す数3式を用いた計算により、マスター機器10とスレーブ機器20の間の時刻のずれToを計算する。そして、得られたToの値を用いて、自身の時刻の値の補正を行う。
以上の手順により、時刻同期用通信データ送信時の遅延時間の変動を補正した時刻同期が可能となる。但し、上記では、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間δがすでに得られているとしたが、従来の方法では変動を含む通信遅延時間の値を求めることしか出来ない。そのため、従来の方法で求めた通信遅延時間を用いて、上記の方法で時刻同期を行った場合、通信遅延時間に含まれる変動の量が誤差として現れる。そこで、以下で述べる実施の形態では、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間を求める方法を提案する。
なお、上記の手順で各機器は、クロックドメイン境界で生じた遅延時間の値を時刻同期用データに追加してスレーブ機器20の処理部21に送信しているが、時刻同期用データとは別に遅延時間の値を送信することも可能である。また各機器は、遅延時間の値をスレーブ機器20の処理部21に送信する際に、上流の機器から送られてきた遅延時間の値に合算して送っているが、合算せず個別に送信することも可能である。
<第3の実施形態>
図5は本発明において、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間を求める時刻同期システムの実施形態を示している。本実施の形態では、時刻同期を行うマスター機器10とスレーブ機器20が、中継機器30、中継機器40を介して接続されており、中継機器30、中継機器40、マスター機器10、スレーブ機器20の、受信部と処理部の間にクロックドメイン境界が存在する場合について考える。なお、以下の説明では中継機器を含んだ実施例に基づいて説明しているが、中継機器の処理を除いた場合においても同様の処理によりクロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた通信遅延時間を求めることができる。
図6は本実施形態のタイミングチャートである。なお、図5、及び図6の手順は、図10の従来例の手順1、手順2に相当する処理になる。図5および図6において、T1m,T4mはマスター機器10の時計で測定した時刻、T1s,T2s,T3s,T4sは同期前のスレーブ機器20の時計で測定した時刻である。Toは同期前のマスター機器10とスレーブ機器20の時計のずれ、δ1は下り方向の通信遅延時間、δ2は上り方向の通信遅延時間である。また、δは片道の通信遅延時間のうち、クロックドメイン境界で発生する遅延時間を差し引いた値である。ここでは、上りと下りにおける通信遅延時間の非対称性はクロックドメイン境界において生じる遅延時間によってのみ発生するものとし、δは上り、下り両方で等しいと仮定する。
以下に、図5の手順1〜3について説明する。手順1ではマスター機器10からスレーブ機器20の処理部21に対して通信遅延時間測定用通信データの送信を行う。まず、時刻T1mにマスター機器10が中継機器30に対して通信遅延時間測定用の通信データの送信を開始する。ここで、マスター機器10は、通信を開始した時刻T1mを記録する。該通信データを受信した中継機器30は、受信したデータを中継機器40に送信するが、このとき中継機器30内のクロックドメイン境界1を該通信データが通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の位相差を求め、該位相差を遅延時間α1として該通信データに追加して送信する。
該通信データを受信した中継機器40は、同様に受信したデータをスレーブ機器20に送信するが、このときクロックドメイン境界2で生じた遅延時間α2を上記と同様に測定し、該通信データに含まれる遅延時間の値に加算して送信する。該通信データを受信したスレーブ機器20は、受信部22から処理部21に該通信データを渡す。このときスレーブ機器20は、受信部22と処理部21の間のクロックドメイン境界3を通過する際に生じた遅延時間α3を上記と同様に測定し、これを該通信データに含まれる遅延時間の値に加算する。また処理部21では、処理部21に該通信データが渡された時刻T2sを記録する。
次に、手順2ではスレーブ機器20からマスター機器10の処理部11に対して通信遅延時間測定用通信データの送信を行う。ここでスレーブ機器20は、手順1で取得した遅延時間α1+α2+α3の値、T2sの値、およびスレーブ機器20が該データの送信を開始した時刻T3sを含めて送信する。ここでは手順1と同様に、該通信データがクロックドメイン境界を通過した際に、そのクロックドメイン境界を含む機器が通過時の遅延時間を上記と同様に測定し、該通信データに含まれる通信遅延時間の値にその遅延時間の値を加算して送信する。また、マスター機器10の受信部12は、該通信データを受け取った時刻T4mを記録する。
以上の手順により、マスター機器の処理部11は、マスター機器10、スレーブ機器20が通信を開始した時刻T1m,T3s、クロックドメイン境界で生じた遅延時間の合計値α=α1+α2+α3、β=β1+β2+β3、マスター機器10の処理部11、スレーブ機器20の処理部21が通信データを受け取った時刻T4m,T2sの値を得たため、これらの値を用いて以下の数4式を用いた計算によりマスター機器10とスレーブ機器20の間の通信遅延時間δを計算する。
以上により、スレーブ機器20は、クロックドメイン境界で発生する遅延時間の変動を取り除いた、ばらつきのない通信遅延時間の値を取得することが出来る。
最期に手順3では、マスター機器10はスレーブ機器20に対して、上記で計算したδの値を送信し、スレーブ機器20は受信したδの値を用いて、第2の実施形態と同様の方法で時刻同期を行う。
<第4の実施形態>
本実施の形態では、位相補間方式のクロックデータリカバリ回路(以下、CDR回路)を用いてクロックドメイン間の遅延時間の測定を行う方法を示す。
CDR回路とは、クロックが重畳されたシリアルデータ信号からクロックを分離し、リカバリクロックとして出力する回路のことである。また、位相補間方式はCDR回路を構成する方法の一つであり、CDR回路に入力されたリファレンスクロックを元に多相クロックを生成し、多相クロックの中から入力データのエッジ位置に対して最適なクロックを選択し、リカバリクロックとして出力する。位相補間方式のCDR回路では、多相クロックの中からどのクロックがリカバリクロックとして選択されたかを示すクロック選択信号を利用することが出来るため、このクロック選択信号を用いてリファレンスクロックとリカバリクロックの位相差を求めることが出来る。
図7を用いて、リファレンスクロックとリカバリクロックの位相差について説明する。本実施の形態では、多相クロックとリファレンスクロックの周期は等しくTであり、多相クロックは#0〜#n−1のn相であるとしている。このとき、多相クロック#kとリファレンスクロックの位相差はT×k/nで求めることが出来る。クロック選択信号を用いることでリファレンスクロックとして選択された多相クロックの番目は分かるので、上記の計算によりリファレンスクロックとリカバリクロックの位相差を求めることが出来る。
図8は、本実施の形態におけるCDR回路27を備えたスレーブ機器20の概略ブロック図である。なお、以下では本実施の形態についてスレーブ機器20の構成により説明するが、同様の構成をマスター機器、中継機器に組み込むことも可能である。
図8に示すスレーブ機器20では、シリアル伝送の受信データをCDR回路27に入力し、得られたリカバリクロックを用いて受信部22で受信データを処理する。その後、リファレンスクロックで動作する処理部21にデータが渡される。この図において、クロックドメイン境界は、受信データが受信部22に入力される部分と、受信部22から出力されたデータが処理部21に入力される部分の2箇所になる。
図9に、これらのクロックドメイン境界で発生する遅延時間を示す。この図の、遅延時間α1については、CDR回路27が受信データのエッジに対するリカバリクロックのエッジを調整するため一定の既知の値になると考えられる。遅延時間α2は、リファレンスクロックとリカバリクロックの位相差と同じ値なので、CDR回路27が出力するクロック選択信号を元に上記の方法で計算することが出来る。このように、位相補間方式のCDR回路が出力するクロック選択信号を用いて、シリアル伝送の受信部におけるクロックドメイン間の遅延時間を求めることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施することができる。
10 マスター機器
11 処理部
12 受信部
13 送信部
20 スレーブ機器
21 処理部
22 受信部
24 クロックジェネレータ
25 同期用フリップフロップ
26 時刻同期処理部
27 CDR回路
30,40 中継機器
31,41 処理部
32,42 受信部
33,43 送信部

Claims (5)

  1. 時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記通信路を経由して前記マスター機器から前記スレーブ機器へ時刻同期のための通信データを送信し、前記スレーブ機器において前記時刻同期のための通信データを受信した時刻を基に前記スレーブ機器の時刻を決定する通信機器の時刻同期システムにおいて、
    前記スレーブ機器は、
    前記時刻同期のための通信データが該スレーブ機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、
    該測定した該第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行なう時刻補正手段と、
    を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システム。
  2. 前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を更に備え、
    該中継機器は、
    前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、
    該測定した該第2位相差を前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、
    前記スレーブ機器の時刻補正手段は前記中継機器から送信された前記第2位相差と、スレーブ機器が測定した前記第1位相差により前記スレーブ機器の時刻の補正を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信機器の時刻同期システム。
  3. 時刻の基準となるマスター機器と、前記時刻に自らの時刻を同期させるスレーブ機器とを通信路で接続し、前記マスター機器が前記通信路を経由して前記スレーブ機器との間を往復する通信遅延時間測定のための通信データを送信し、前記マスター機器は該通信データの往復に所要した時間を基に、通信遅延時間を決定し、前記マスター機器と前記スレーブ機器との間の時刻同期を行う際に該通信遅延時間の値を用いて時刻の補正を行う機能を有する時刻同期システムにおいて、
    前記スレーブ機器は、
    前記通信遅延時間測定のための通信データが該スレーブ機器のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第1位相差を測定する第1位相差測定手段と、
    該測定した該第1位相差を前記マスター機器に送信する送信手段と、を備え、
    前記マスター機器は、
    前記通信遅延時間測定のための通信データが該マスター機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第3位相差を測定する第3位相差測定手段と、
    前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差と前記マスター機器が測定した前記第3位相差により通信遅延時間の補正を行う補正手段と、
    を有することを特徴とする通信機器の時刻同期システム。
  4. 前記マスター機器と前記スレーブ機器との間に中継機器を備え、
    該中継機器は、
    前記時刻同期のための通信データが該中継機器内のクロックドメイン境界を通過する際に、該通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の第2位相差を測定する第2位相差測定手段と、
    該測定した該第2位相差を前記マスター機器および前記スレーブ機器に送信する送信手段と、を備え、
    前記マスター機器は、前記スレーブ機器が送信した前記第1位相差および前記中継機器が送信した前記第2位相差と、前記マスター機器が測定した前記第3位相差により、通信遅延時間の補正を行う、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信機器の時刻同期システム。
  5. クロックデータリカバリ回路をクロックドメイン境界のインタフェースとして持ち、該クロックデータリカバリ回路が出力するリカバリクロックの位相情報を用いて、上記通信データの位相と移動先クロックドメインのクロック信号の位相の差を測定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の通信機器の時刻同期システム。
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