JP3538374B2 - 時刻供給システム及び時刻供給装置 - Google Patents

時刻供給システム及び時刻供給装置

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JP3538374B2 JP2000275558A JP2000275558A JP3538374B2 JP 3538374 B2 JP3538374 B2 JP 3538374B2 JP 2000275558 A JP2000275558 A JP 2000275558A JP 2000275558 A JP2000275558 A JP 2000275558A JP 3538374 B2 JP3538374 B2 JP 3538374B2
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雅巳 木原
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークから
基準となる時刻を受け、その時刻によりスケジュール管
理を行うようなアプリケーションに適用することを目的
に、信頼性の高い、安定な基準時刻を供給することを可
能にする時刻供給システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】ネットワークを使用して時刻を供給する
場合、時刻の基準となる秒信号と、時分秒などの時刻情
報の両方を、ネットワークを利用してマスタとなる時刻
供給装置からスレーブとなる時刻供給装置に転送する。
【０００３】時刻情報が転送される伝送路が故障すると
時刻が停止してしまうが、これを防ぐために、従来技術
では、供給を受ける側の装置に独自に時刻を発生する回
路を設けて、時刻情報が途絶えた場合には独立に時刻を
発生することで時刻を維持している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、独自に時刻を発生する回路によって短時
間であれば時刻を維持できるが、長時間の亘り時刻の供
給が途絶えた場合には、徐々に時刻精度が劣化してゆく
という問題点があった。
【０００５】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、時刻の供給が長時間途絶えた場合であっても、正
確な時刻の発生を維持し、時刻同期を可能とする時刻同
期システム及び時刻供給装置を提供することを目的とす
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、時刻マスタに同期した基準時刻を供給する時刻供給
システムであって、前記時刻供給システムは時刻供給装
置と周波数供給装置とを有し、前記時刻供給装置は、前
記周波数供給装置から基準周波数を受信し、その基準周
波数に基づき時刻を発生する手段と、その時刻を時刻マ
スタからの基準時刻を基にして補正し、時刻マスタに同
期した基準時刻を発生する手段とを有し、前記時刻供給
装置は、前記時刻マスタからの基準時刻が異常な場合に
は、正常時の補正値に基づき前記時刻を補正する。
【０００７】基準時刻情報と基準周波数を、時刻供給装
置に別々に供給するので、基準時刻情報が途絶えても、
基準周波数の供給は受けられるので、これをもとに時刻
を発生することが可能となる。
【０００８】請求項２に記載の発明は、請求項１の記載
において、前記周波数供給装置は、周波数マスタに同期
した基準周波数を発生する手段を有するようにする。
【０００９】本発明によれば、周波数供給装置から安定
した基準周波数を供給することができる。
【００１０】請求項３に記載の発明は、請求項２の記載
において、前記周波数マスタからの基準周波数が異常な
場合には、前記周波数供給装置は正常時の基準周波数を
維持する。
【００１１】本発明によれば、基準周波数の供給が途絶
えた場合でも、維持された基準周波数によって時刻を発
生することができる。
【００１２】請求項４に記載の発明は、時刻マスタに同
期した基準時刻を供給する時刻供給システムであって、
基準時刻を維持する時刻マスタと、時刻マスタに同期し
た基準時刻を発生する時刻スレーブと、時刻マスタと時
刻スレーブとの間で時刻情報を転送する時刻用伝送路
と、基準周波数を維持する周波数マスタと、周波数マス
タに同期する周波数スレーブと、周波数マスタと周波数
スレーブとの間で周波数情報を転送する周波数用伝送路
とを有し、前記時刻スレーブは、前記周波数スレーブか
ら基準周波数を受けて時刻を発生する手段と、その時刻
を前記時刻マスタからの基準時刻を基にして補正する手
段とを有し、前記時刻マスタからの基準時刻が異常な場
合には、正常時の補正値に基づき前記時刻を補正する。
【００１３】本発明によっても、上記と同様の作用効果
を奏する。
【００１４】請求項５に記載の発明は、時刻マスタに同
期した基準時刻を供給する時刻供給装置であって、周波
数供給装置から基準周波数を受信し、その基準周波数に
基づき時刻を発生する手段と、その時刻を時刻マスタか
らの基準時刻を基にして補正し、時刻マスタに同期した
基準時刻を発生する手段とを有し、前記時刻マスタから
の基準時刻が異常な場合には、正常時の補正値に基づき
前記時刻を補正する。
【００１５】
【００１６】
【００１７】
【発明の実施の形態】図１に本発明の一実施例における
時刻同期システムの構成図を示す。
【００１８】同図に示すように、伝送局１にある時刻マ
スタ３（マスタとして機能する時刻供給装置を時刻マス
タと称する）と、伝送局５にある時刻スレーブ７（スレ
ーブとして機能する時刻供給装置を時刻スレーブと称す
る）は、時刻用伝送路９で接続され、時刻マスタ３が発
生する基準時刻が時刻スレーブ７に転送される。
【００１９】上記と同様に、周波数マスタ１１（マスタ
として機能する周波数供給装置を周波数マスタと称す
る）と周波数スレーブ１３（スレーブとして機能する周
波数供給装置を周波数スレーブと称する）は、周波数用
伝送路１５で接続され、周波数マスタ１１が発生する基
準周波数が周波数スレーブ１３に転送される。
【００２０】本発明においては、時刻スレーブ７は、周
波数スレーブ１３で同期・再生された基準周波数を受
け、基準１秒信号を発生する。なお、前述した基準時刻
とは基準１秒信号等の基準信号を含む情報をいう。基準
１秒信号は、時刻マスタ３からの時刻情報で補正され
る。これにより時刻スレーブ７からは、補正され時刻マ
スタ３に同期した基準１秒信号と、時刻マスタ３から転
送された時刻情報が出力される。なお、ある伝送局にお
いて、時刻スレーブと周波数スレーブとを合わせて時刻
供給システムと称する。又は、時刻マスタと周波数マス
タとをこれに含めて時刻供給システムと称してもよい。
【００２１】上記のように、時刻スレーブは、周波数ス
レーブから基準周波数を供給されるので、時刻マスタ３
からの基準１秒信号が途絶えた場合であっても、その基
準周波数に基づき、基準１秒信号を生成し、出力するこ
とができる。
【００２２】次に、各装置の詳細について説明する。
【００２３】図２に、時刻マスタ３と時刻スレーブ７を
有する時刻転送システムの構成を示す。このシステムに
より時刻が転送される。
【００２４】時刻マスタ３は、時刻情報と基準１秒信号
を出力するマスタ時計１７、信号の送受信を行う伝送端
局装置１９、時刻差を測定する時刻差測定器２１を有す
る。
【００２５】時刻スレーブ７は、基準周波数と時刻差が
入力され時刻情報と基準１秒信号を出力するスレーブ時
計２３、信号の送受信を行う伝送端局装置２５、時刻差
を測定する時刻差測定器２７を有する。次に動作を説明
する。
【００２６】マスタ時計１７からの基準１秒信号は２系
統出力される。片方の基準１秒信号は、送信基準１秒信
号として、伝送端局装置１９の送信部２９により、時刻
スレーブ７に転送される。もうひとつの基準１秒信号は
時刻差測定器２１に入力される。
【００２７】時刻スレーブ７においては、スレーブ時計
２３の２系統の出力が、伝送端局装置２５と時刻差測定
器２７に入力される。
【００２８】時刻マスタ３における時刻差測定器２１で
は、時刻スレーブからの受信基準１秒信号と時刻マスタ
３の送信基準１秒信号との時刻差が測定され時刻差デー
タＴ１が得られる。また、時刻スレーブ７における時刻
差測定器２７では、時刻マスタ３からの受信基準１秒信
号と時刻スレーブ７の送信基準１秒信号との時刻差が測
定され時刻差データＴ２が得られる。このＴ１は時刻マ
スタ３から時刻スレーブ７に送信され、時刻スレーブ７
ではＴ１とＴ２を用いて時刻を補正する。その詳細を次
に説明する。
【００２９】図３に秒信号間の時間関係を示す。上述の
ように、Ｔ１は、マスタ時計１７からの送信基準１秒信
号（１ＰＰＳ−ＭＳ）と、スレーブ時計２３からの受信
基準１秒信号（１ＰＰＳ−ＳＲ）との時刻差であり、Ｔ
２は、スレーブ時計２３からの送信基準１秒信号（１Ｐ
ＰＳ−ＳＳ）と、マスタ時計１７からの受信基準１秒信
号（１ＰＰＳ−ＭＲ）との時刻差である。
【００３０】図３に示すように、時刻マスタ３から時刻
スレーブ７までの伝送遅延時間はｔ１、逆方向の遅延時
間はｔ２で示される。ｔｌとｔ２が等しい場合、（Ｔ１
−Ｔ２）／２（図３におけるΔ）はマスタ時計とスレー
ブ時計の時刻差を表す。
【００３１】時刻マスタ３で計測されたＴ１は、伝送端
局装置間の通信機能により、時刻マスタ３から時刻スレ
ーブ７に転送され、時刻差測定器２７において上記の演
算が行われる。これにより、時刻スレーブ７での時刻差
測定器２７は、マスタ時計とスレーブ時計の時刻差デー
タを出力することができる。この時刻差データにより、
スレーブ時計２３は時刻を補正することができる。な
お、補正は例えば定期的に行うようにすることができ
る。
【００３２】次に、周波数転送について説明する。
【００３３】図４に、周波数転送システムの構成を示
す。周波数マスタ１１は、基準周波数を発生するマスタ
発振器３３と伝送端局装置３５を有する。また、周波数
スレーブ１３は、スレーブ発信器３７と伝送端局装置３
９を有する。
【００３４】周波数マスタ１１内のマスタ発振器３３で
発生される基準周波数は、伝送端局装置３５の送信部４
１により、周波数スレーブ１３内の受信部４３へ転送さ
れ、さらにスレーブ発振器３７に入力される。スレーブ
発振器３７は、位相同期発振器４５により構成され、入
力された基準周波数に位相同期する。スレーブ発振器出
力は、周波数スレーブ出力の基準周波数となる。
【００３５】図５に、スレーブ発振器３７を構成する位
相同期発振器４５の構成を示す。位相同期発振器４５
は、ディジタル位相比較器４７、信号異常検出回路４
９、ディジタルフィルタ５１、ディジタル制御発振器５
３を有する。また、ディジタルフィルタ５１はディジタ
ル値保持プロセス５５を有する。
【００３６】このようなディジタル型の位相同期回路に
より、周波数スレーブで発生される基準周波数は、周波
数マスタ１１からの基準周波数に異常が発生しても一定
期間周波数を維持することができる。すなわち、周波数
マスタからの基準周波数に異常が発生した場合、信号異
常検出回路４９は、ディジタル値保持プロセス５５を起
動し、ディジタル制御発振器５３の制御を停止し、その
直前の値を保持する。これにより、ディジタル制御発振
器５３の自走時周波数安定度に応じた基準周波数精度が
維持される。
【００３７】図６に、スレーブ時計２３の構成を示す。
スレーブ時計２３は、分周回路５７、カウンタ回路５
９、時刻情報訂正回路６１を有する。分周回路５７は、
周波数スレーブ１３からの基準周波数を受け、１秒信号
を発生する。カウンタ回路５９は、分周回路５７から１
秒信号を受け、時刻差測定器２７から送られるマスタ時
計１７とスレーブ時計２３の時刻差データ（上記のＴ１
とＴ２）をもとに、この１秒信号を補正し、マスタ時計
１７に同期した基準１秒信号を出力する。時刻情報訂正
回路６１は、時刻差測定器２７から送られる時刻情報
を、カウンタ回路５９での１秒信号の補正に合わせて訂
正し、時刻情報を出力する。
【００３８】本発明は、上記の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能であ
る。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば、時刻情報と基準周波数
（クロック）を、別々に供給するので、伝送路が故障し
て時刻情報が途絶えても、別途基準周波数が供給される
こととなり、長時間に亘りこの基準周波数を基にして正
確な基準時刻を発生することができ、この基準時刻を基
にして通信網における装置間の時刻同期を維持すること
が可能となる。
【００４０】すなわち、時刻同期システムにおいて、時
刻マスタ３からの基準時刻が、時刻用伝送路９の故障な
どで途絶えた場合、時刻スレーブ７は基準時刻を受けら
れなくなる。このような場合でも、周波数スレーブ１３
からの基準周波数により１秒信号は発生できるので、時
刻スレーブ７は、故障発生直前の補正値を保持すること
で、基準１秒信号、時刻情報ともに出力し続けることが
できる。
【００４１】更に、周波数用伝送路１５が故障で、基準
周波数が途絶えた場合にも、周波数スレーブの周波数維
持機能により、基準周波数が維持される。周波数スレー
ブ１３内のディジタル制御発振器５３としては、ルビジ
ウム原子発振器が使用可能であり、その場合、周波数は
５×１０−１１／月以内に保持される。
【００４２】従って、この状態で基準１秒信号が出力さ
れても、故障直前の時刻、周波数が正確であれば、１ケ
月間１ナノ秒以内の誤差に時刻を維持することは十分に
可能である。
【００４３】このように、本発明による時刻同期システ
ムは、地理的に離れた場所の間で、信頼性の高い時刻同
期を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例における時刻同期システムの
構成図である。
【図２】時刻転送システムの構成図である。
【図３】秒信号間の時間関係を示す図である。
【図４】周波数転送システムの構成図である。
【図５】位相同発振器の構成図である。
【図６】スレーブ時計の構成図である。
【符号の説明】
１、５ 伝送局 ３ 時刻マスタ ７ 時刻スレーブ ９ 時刻用伝送路 １１ 周波数マスタ １３ 周波数スレーブ １５ 周波数用伝送路 １７ マスタ時計 １９、２５、３５、３７ 伝送端局装置 ２１、２７ 時刻差測定器 ２３ スレーブ時計 ３３ マスタ発振器 ３７ スレーブ発振器 ４５ 位相同期発振器 ４７ ディジタル位相比較器 ４９ 信号検出回路 ５１ ディジタルフィルタ ５３ ディジタル制御発振器 ５５ ディジタル値保持プロセス ５７ 分周回路 ５９ カウンタ回路 ６１ 時刻情報訂正回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 太一 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーション ズ株式会社内 (72)発明者 丸山 秀一 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーション ズ株式会社内 (72)発明者 木原 雅巳 東京都千代田区大手町二丁目３番１号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 ▲芦▼ 賢浩 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社日立製作所 通信事業部内 (72)発明者 外山 貴章 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社日立製作所 通信事業部内 (56)参考文献 特開 平５−216557（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−134062（ＪＰ，Ａ) 特開2001−221874（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−134779（ＪＰ，Ａ) 特開2002−71854（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H04L 7/00 G04G 5/00 G04G 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 時刻マスタに同期した基準時刻を供給す
    る時刻供給システムであって、前記時刻供給システムは 時刻供給装置と周波数供給装置
    とを有し、前記 時刻供給装置は、 前記周波数供給装置から基準周波数を受信し、その基準
    周波数に基づき時刻を発生する手段と、 その時刻を時刻マスタからの基準時刻を基にして補正
    し、時刻マスタに同期した基準時刻を発生する手段とを
    有し、 前記時刻供給装置は、前記時刻マスタからの基準時刻が
    異常な場合には、正常時の補正値に基づき前記時刻を補
    正する ことを特徴とする時刻供給システム。
  2. 【請求項２】 前記周波数供給装置は、 周波数マスタに同期した基準周波数を発生する手段を有
    する請求項１に記載の時刻供給システム。
  3. 【請求項３】 前記周波数マスタからの基準周波数が異
    常な場合には、前記周波数供給装置は正常時の基準周波
    数を維持する請求項２に記載の時刻供給システム。
  4. 【請求項４】 時刻マスタに同期した基準時刻を供給す
    る時刻供給システムであって、 基準時刻を維持する時刻マスタと、 時刻マスタに同期した基準時刻を発生する時刻スレーブ
    と、 時刻マスタと時刻スレーブとの間で時刻情報を転送する
    時刻用伝送路と、 基準周波数を維持する周波数マスタと、 周波数マスタに同期する周波数スレーブと、 周波数マスタと周波数スレーブとの間で周波数情報を転
    送する周波数用伝送路とを有し、 前記時刻スレーブは、前記周波数スレーブから基準周波
    数を受けて時刻を発生する手段と、その時刻を前記時刻
    マスタからの基準時刻を基にして補正する手段とを有
    し、前記時刻マスタからの基準時刻が異常な場合には、
    正常時の補正値に基づき前記時刻を補正することを特徴
    とする時刻供給システム。
  5. 【請求項５】 時刻マスタに同期した基準時刻を供給す
    る時刻供給装置であって、 周波数供給装置から基準周波数を受信し、その基準周波
    数に基づき時刻を発生する手段と、 その時刻を時刻マスタからの基準時刻を基にして補正
    し、時刻マスタに同期した基準時刻を発生する手段とを
    有し、 前記時刻マスタからの基準時刻が異常な場合には、正常
    時の補正値に基づき前記時刻を補正する ことを特徴とす
    る時刻供給装置。
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