JP5815155B2 - 中継装置、中継方法および中継プログラム - Google Patents
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Description
FAで製品の加工精度を向上させるためには、各機器が動作するタイミングの精度が高い方が良い。
以下に、各機器の動作タイミングを制御する従来技術について説明する。
(1)各機器はネットワークに接続する。
(2)マスタと呼ばれる機器は、ネットワークを介して他の機器(以下、スレーブ)に時刻を通知する。
(3)マスタの時刻を受信した各スレーブは時計の時刻をマスタの時刻に合わせる。
(4)マスタは、動作指令と実行時刻とをネットワークを介して各スレーブに通知する。
(5)各スレーブは、実行時刻になったときに動作指令に従って動作する。
以上により、各機器の動作タイミングが制御される。
従来技術(非特許文献1参照)における時刻同期方法について、図11に基づいて説明する。
以下の説明において、マスタおよびスレーブは中継装置を介してフレームを通信する。
ここで、中継装置がフレームを中継する処理に要する時間を中継時間Tdとし、通信ケーブルがフレームの伝搬に要する時間を伝搬時間Tpとする。
また、図中の「Tm」にマスタの時刻の具体例を示し、図中の「Ts」にスレーブの時刻の具体例を示す。
スレーブは、Syncフレームに含まれるマスタの時刻Tm1に基づいて、スレーブの時刻Ts1を時刻Ts2に修正する。時刻Ts2は以下の式(a)で表すことができる。
ここで、スレーブがDelay_Reqフレームを送信したときのスレーブの時刻を「Ts3」とし、マスタの時刻を「Tm3」とする。
例えば、図中の「Tm」「Ts」に示す時刻の場合、マスタの時刻Tm5とスレーブの時刻Ts5とが共に「390」になる。
例えば、従来の時刻同期方法(PTP)では、マスタの時刻とスレーブの時刻とが図12に示すようにずれてしまう。
つまり、Delay_Reqフレームの遅延時間は「Td+ΔTd+Tp」である。
この場合、スレーブの時刻Ts5(=400)は、マスタの時刻Tm5(=390)に対して「10(=20/2)」だけ進んだ時刻になってしまう。
例えば、フレームの中継時間Tdは、図13に示すようにフレームの送信タイミングが衝突するときに「Td+ΔTd」に変動してしまう。
この場合、中継装置は、フレームFを送信し終わるまで、Delay_Reqフレームをマスタに送信することができない。
そのため、Delay_Reqフレームの中継時間は、フレームFを送信し終わるまでの時間ΔTdだけ長くなり、「Td+ΔTd」に変動する。
第一の通信装置と第二の通信装置との時刻を同期させるために通信される同期フレームを、前記第一の通信装置から受信するフレーム受信部と、
前記フレーム受信部によって受信された前記同期フレームを記憶するバッファ部と、
前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信されたときから経過した経過時間を計測する経過時間計測部と、
前記経過時間計測部によって計測された前記経過時間が、前記同期フレームの送信を遅らせるための定遅延時間に達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間判定部によって前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されたときに、前記バッファ部に記憶された前記同期フレームを前記第二の通信装置に送信するフレーム送信部とを備える。
同期フレームの中継に要する中継時間が変動しないようにする形態について説明する。
実施の形態1における通信システム100の構成について、図1に基づいて説明する。
通信システム100は、マスタ装置110とスレーブ装置120と中継装置200とを備える。
以下、時刻を同期させるために通信される通信フレーム101を「同期フレーム」といい、同期フレーム以外のフレームを「通常フレーム」という。
実施の形態1における中継装置200の構成について、図2に基づいて説明する。
バッファ部220は、通信フレーム101を一時的に記憶する構成である。
フレーム送信部230は、通信フレーム101をネットワーク109に送信する構成である。
フレーム生成部240は、通信フレーム101(通常フレーム)を生成する構成である。
通信フレーム101が同期フレームである場合、フレーム判定部250は、通信フレーム101が同期フレームであることを通知するための同期信号251を、バッファ部220と定時間遅延部260とに出力する。
定時間遅延部260は、定遅延時間271が経過するまで間、定遅延時間271の経過待ちであることを通知するための定時間遅延信号261を、バッファ部220に出力する。
定時間遅延部260は、定遅延時間271が経過したときに、定遅延時間271が経過したことを通知するための遅延終了信号262を、バッファ部220に出力する。
定遅延時間271は、フレーム送信部230が通信フレーム101を送信し始めてから送信し終わるまでに要する最長の送信時間以上の時間である。
実施の形態1における中継装置200のフレーム中継処理について、図3に基づいて説明する。
S110の後、処理はS111に進む。
バッファ部220は、フレーム受信部210から出力された通信フレーム101を通信バッファに記憶する。
例えば、バッファ部220は、通信フレーム101と、通信フレーム101の種類を示すフレーム種類フラグとを対応付けて記憶する。このとき、フレーム種類フラグの初期値は通常フレームを意味するフラグ値にする。
S111の後、処理はS120に進む。
例えば、通信フレーム101は、同期フレームと通常フレームとのいずれの種類であるかを示すフレーム種類フラグをフレームヘッダに有する。そして、フレーム判定部250は、通信フレーム101のフレームヘッダを参照し、フレームヘッダに設定されているフレーム種類フラグのフラグ値に基づいて通信フレーム101の種類を判定する。但し、フレーム判定部250は、その他の方法によって通信フレーム101の種類を判定しても構わない。
通信フレーム101が同期フレームである場合、処理はS121に進む。
通信フレーム101が通常フレームである場合、処理はS140に進む。
フレーム判定部250から同期信号251が出力された場合、バッファ部220は、S111で記憶した通信フレーム101を同期フレームとして保持する。
例えば、バッファ部220は、通信フレーム101(同期フレーム)とフレーム種類フラグとを対応付けて記憶すると共に、同期フレームを意味するフラグ値をフレーム種類フラグに設定する。
S121の後、処理はS130に進む。
そして、定時間遅延部260は、単位経過時間(例えば、0.1秒)が経過する毎に、経過時間が定遅延時間271に達したか否かを判定する。
また、定時間遅延部260は、経過時間が定遅延時間271に達するまでの間、バッファ部220に定時間遅延信号261を出力し続ける。
但し、定時間遅延部260は、カウント数をゼロからカウントアップし、カウント数が定遅延カウント値になるまでバッファ部220に定時間遅延信号261を出力し続けても構わない。また、定時間遅延部260は、その他の方法で経過時間を計測しても構わない。
S131の後、処理はS140に進む。
S140の後、処理はS150に進む。
S150の後、フレーム中継処理は終了する。
フレーム判定部250から通常信号が出力された場合、バッファ部220は、S111で記憶した通信フレーム101を通常フレームとして保持する。
例えば、バッファ部220は、通信フレーム101(通常フレーム)とフレーム種類フラグとを対応付けて記憶すると共に、通常フレームを意味するフラグ値をフレーム種類フラグに設定する。
実施の形態1におけるバッファ部220のフレーム出力処理(S140)について、図4に基づいて説明する。
定時間遅延部260から定時間遅延信号261が出力されている場合、処理は移行しない。
定時間遅延部260から遅延終了信号262が出力された場合、処理はS144に進む。
定時間遅延部260から定時間遅延信号261と遅延終了信号262とのいずれの信号も出力されていない場合、処理はS142に進む。
例えば、バッファ部220は、通常フレームを意味するフラグ値と共に記憶している通信フレーム101が有るか否かを判定する。
通常フレームを記憶している場合、処理はS143に進む。
通常フレームを記憶していない場合、処理はS141に戻る。
S143の後、処理はS141に戻る。
つまり、バッファ部220は、同期フレームの他に通常フレームを記憶している場合であっても、通常フレームではなく同期フレームを優先してフレーム送信部230に出力する。
例えば、同期フレームを意味するフラグ値と共に記憶している通信フレーム101が同期フレームである。
S144の後、処理はS141に戻る。
実施の形態1におけるバッファ部220の動作について、図5に基づいて説明する。
(2)定時間遅延部260から定時間遅延信号261が出力されている間、バッファ部220は、通常フレームと同期フレームとのいずれの通信フレーム101もフレーム送信部230に出力しない。
(3)定時間遅延部260から遅延終了信号262が出力されたとき、バッファ部220は、同期フレームをフレーム送信部230に出力する。
実施の形態1におけるフレーム中継方法の概要について、図6に基づいて説明する。
この場合、定遅延時間Tcは、フレーム送信部230が最大フレームを送信し始めてから送信し終わるまでに要する送信時間以上の時間である。
つまり、同期フレームFsが受信されたときから定遅延時間Tcが経過するときまでに、通信フレームFcの送信は終了する。
例えば、非特許文献1に記載の時刻同期方法(PTP:Precision Time Protocol)を適用した場合、マスタ装置110およびスレーブ装置120は、以下のように同期する。
スレーブ装置120は、Syncフレームに含まれるマスタ装置110の時刻Tm1に基づいて、スレーブ装置120の時刻Ts1を時刻Ts2に修正する。時刻Ts2は以下の式(A)で表すことができる。
ここで、スレーブ装置120がDelay_Reqフレームを送信したときのスレーブ装置120の時刻を「Ts3」とし、マスタ装置110の時刻を「Tm3」とする。
例えば、図中の「Tm」「Ts」に示す時刻の場合、マスタ装置110の時刻Tm5とスレーブ装置120の時刻Ts5とが共に「390」になる。
図8において、中継装置200(コンピュータの一例)は、CPU901(Central Processing Unit)を備えている。CPU901は、バス902を介してROM903、RAM904、通信ボード905などのハードウェアデバイスと接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
ROM903およびRAM904はバッファまたは記憶装置の一例である。
フローチャートなどに基づいて説明する実施の形態の処理はハードウェア(例えば、CPU901)を用いて実行される。
中継装置200は、同期フレームを受信したときから定遅延時間271が経過するときまで同期フレームおよび通常フレームを送信せず、定遅延時間271が経過したときに同期フレームを送信する。つまり、中継装置200は、同期フレームの中継に要する中継時間を一定の時間(定遅延時間271)に保ち、同期フレームに対する中継時間の変動を防ぐことができる。そして、マスタ装置110およびスレーブ装置120は、中継装置200を介して同期フレームを通信することにより、互いの時刻を正確に同期させることができる。
前記中継装置は、フレーム受信部(210)と、バッファ部(220)と、経過時間計測部(260)と、経過時間判定部(260)と、フレーム送信部(230)とを備える。
前記フレーム受信部は、第一の通信装置(110)と第二の通信装置(120)との時刻を同期させるために通信される同期フレームを、前記第一の通信装置から受信する(S110)。
前記バッファ部は、前記フレーム受信部によって受信された前記同期フレームを記憶する(S111)。
前記経過時間計測部は、前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信されたときから経過した経過時間を計測する(S130)。
前記経過時間判定部は、前記経過時間計測部によって計測された前記経過時間が、前記同期フレームの送信を遅らせるための定遅延時間(271)に達したか否かを判定する(S130)。
前記フレーム送信部は、前記経過時間判定部によって前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されたときに、前記バッファ部に記憶された前記同期フレームを前記第二の通信装置に送信する(S144、S150)。
前記フレーム受信部は、前記通常フレームを受信する(S110)。
前記バッファ部は、前記フレーム受信部によって受信された前記通常フレームを記憶する(S111)。
前記フレーム送信部は、前記バッファ部に記憶された前記通常フレームの送信を開始する(S143、S150)。
前記フレーム送信部は、前記通常フレームの送信中に前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信された場合、前記同期フレームが受信されたときから経過した前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定される前に、前記通常フレームの送信を完了する(S150)。
前記フレーム送信部は、前記フレーム受信部によって新たな通常フレームが受信された場合、前記経過時間計測部によって前記経過時間が計測されている間、前記新たな通常フレームの送信を開始しない(S141で「定時間遅延信号」の場合)。
定遅延時間271を変更できるようにする形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項については実施の形態1と同様である。
実施の形態2における中継装置200の構成について、図9に基づいて説明する。
例えば、管理者は、中継装置200を設置するネットワーク109の種類に応じて定遅延時間271を決定し、決定した定遅延時間271を定遅延時間設定部280に入力する。そして、定遅延時間設定部280は、入力された定遅延時間271を定遅延時間記憶部270に記憶する。
例えば、定遅延時間設定部280は、図10に示すように、「ネットワーク」と「定遅延時間」とを対応付ける定遅延時間テーブル281(候補時間記憶部の一例)を記憶してもよい。
この場合、管理者は、中継装置200を設置するネットワーク109(またはネットワーク109の種類)を識別するネットワーク識別子を定遅延時間設定部280に入力する。
そして、定遅延時間設定部280は、入力されたネットワーク識別子に対応付けられた定遅延時間271を定遅延時間テーブル281から取得し、取得した定遅延時間271を定遅延時間記憶部270に記憶する。
中継装置200は、ネットワーク109の種類に応じて、同期フレームの定遅延時間271を変更することができる。
中継装置は、入力される入力時間を前記定遅延時間(271)として前記定遅延時間記憶部(270)に記憶させる定遅延時間設定部(280)を備える。
候補時間記憶部は、ネットワーク(109)を識別するネットワーク識別子(例えば、Na)と、前記定遅延時間の候補である候補時間(例えば、Tc(Na))とを対応付けて記憶する。
定遅延時間設定部は、入力されるネットワーク識別子と同じネットワーク識別子に対応付けられた候補時間を前記候補時間記憶部から取得し、取得した前記候補時間を前記定遅延時間として前記定遅延時間記憶部(270)に記憶させる。
Claims (6)
- 第一の通信装置と第二の通信装置との時刻を同期させるために通信される同期フレームを、前記第一の通信装置から受信するフレーム受信部と、
前記フレーム受信部によって受信された前記同期フレームを記憶するバッファ部と、
前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信されたときから経過した経過時間を計測する経過時間計測部と、
前記経過時間計測部によって計測された前記経過時間が、前記同期フレームの送信を遅らせるための定遅延時間に達したか否かを判定する経過時間判定部と、
前記経過時間判定部によって前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されたときに、前記バッファ部に記憶された前記同期フレームを前記第二の通信装置に送信するフレーム送信部と、
前記同期フレーム以外のフレームである通常フレームの送信に要する時間以上の時間として予め定められた前記定遅延時間を記憶する定遅延時間記憶部と、
ネットワークを識別するネットワーク識別子と、前記定遅延時間の候補である候補時間とを対応付けて記憶する候補時間記憶部と、
入力されるネットワーク識別子と同じネットワーク識別子に対応付けられた候補時間を前記候補時間記憶部から取得し、取得した前記候補時間を前記定遅延時間として前記定遅延時間記憶部に記憶させる定遅延時間設定部と
を備えることを特徴とする中継装置。 - 前記フレーム受信部は、前記通常フレームを受信し、
前記バッファ部は、前記フレーム受信部によって受信された前記通常フレームを記憶し、
前記フレーム送信部は、前記バッファ部に記憶された前記通常フレームの送信を開始し、
前記フレーム送信部は、前記通常フレームの送信中に前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信された場合、前記同期フレームが受信されたときから経過した前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定される前に、前記通常フレームの送信を完了することを特徴とする請求項1記載の中継装置。 - 前記経過時間計測部は、前記同期フレームが受信されたときから前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されるときまで、前記経過時間を計測し、
前記フレーム送信部は、前記フレーム受信部によって新たな通常フレームが受信された場合、前記経過時間計測部によって前記経過時間が計測されている間、前記新たな通常フレームの送信を開始しない
ことを特徴とする請求項2記載の中継装置。 - 前記フレーム送信部は、前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されたときに前記同期フレームを送信し、前記同期フレームを送信した後に前記新たな通常フレームを送信する
ことを特徴とする請求項3記載の中継装置。 - 中継装置を用いる中継方法であって、
フレーム受信部が、第一の通信装置と第二の通信装置との時刻を同期させるために通信される同期フレームを、前記第一の通信装置から受信し、
バッファ部が、前記同期フレームを記憶し、
経過時間計測部が、前記フレーム受信部によって前記同期フレームが受信されたときから経過した経過時間を計測し、
経過時間判定部が、前記経過時間が、前記同期フレームの送信を遅らせるための定遅延時間に達したか否かを判定し、
フレーム送信部が、前記経過時間判定部によって前記経過時間が前記定遅延時間に達したと判定されたときに、前記バッファ部に記憶された前記同期フレームを前記第二の通信装置に送信し、
定遅延時間記憶部が、前記同期フレーム以外のフレームである通常フレームの送信に要する時間以上の時間として予め定められた前記定遅延時間を記憶し、
候補時間記憶部が、ネットワークを識別するネットワーク識別子と、前記定遅延時間の候補である候補時間とを対応付けて記憶し、
定遅延時間設定部が、入力されるネットワーク識別子と同じネットワーク識別子に対応付けられた候補時間を前記候補時間記憶部から取得し、取得した前記候補時間を前記定遅延時間として前記定遅延時間記憶部に記憶させる
ことを特徴とする中継方法。 - 請求項1から請求項4いずれかに記載の中継装置としてコンピュータを機能させる中継プログラム。
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