JP4678046B2 - 通信装置、通信システム、遅延時間の測定時間設定方法、遅延時間算出方法およびプログラム - Google Patents

通信装置、通信システム、遅延時間の測定時間設定方法、遅延時間算出方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、通信システム内で他の通信装置との間で動作の同期化を行う通信装置、通信システム、伝送路における遅延時間の測定時間設定方法、伝送路の遅延時間算出方法およびプログラムに関する。
近年、様々な通信機能を具備する通信装置が開発されている。その通信装置は、当該通信装置と接続された他の通信装置との間にて様々なデータの送受信を行う。
これらデータを送受信する通信装置間においては、1つの通信装置(以下、送信装置と称する)からデータが送信された時刻と、当該データが他の通信装置(以下、受信装置と称する)にて受信された時刻とに差分が生じる。これは、送信されたデータに伝送路上で生じる固定的な伝送遅延による遅延時間や、ネットワークの使用状況等に応じた流動的な負荷遅延による遅延時間によるものである。
ここで、受信装置におけるデータの受信タイミングが規定されている場合、送信装置から受信装置へデータを送信する際に、これらの遅延時間を考慮して送信する必要がある。例えば、送信装置から、複数の受信装置へあるデータを送信し、当該データを複数の受信装置それぞれにて同時に受信させたい場合、送信装置と複数の受信装置それぞれとの間における遅延時間を考慮する必要がある。この場合、各受信装置との間の各遅延時間に応じて、それぞれの受信装置へデータを送信するタイミングを送信装置にて調整する。
図8は、一般的な通信システムの一形態を示す図である。
図8に示した通信システムは、複数の通信装置1001−1〜1001−4がネットワーク1002を介して互いに接続されて構成されている。
通信装置1001−1〜1001−4は、ネットワーク1002と接続されており、ネットワーク1002を介して互いにデータを送受信できる通信機能を具備する装置である。
図8に示すような通信システムにおいて、例えば、通信装置1001−1と通信装置1001−2〜1001−4との間のデータのそれぞれの遅延時間が互いに異なる場合、通信装置1001−2〜1001−4が同時にデータを受信するように通信装置1001−1からデータを送信するのであれば、通信装置1001−1から送信装置1001−2〜1001−4それぞれへ当該データを送信する各送信タイミングを決定する必要がある。
図9は、図8に示した通信システムにおいて、通信装置1001−1から通信装置1001−2〜1001−4へデータを送信するタイミングを示す図である。ここでは、通信装置1001−1と通信装置1001−2との間のデータの遅延時間が100msであり、また、通信装置1001−1と通信装置1001−3との間のデータの遅延時間が400msであり、また、通信装置1001−1と通信装置1001−4との間のデータの遅延時間が500msである場合を例に挙げて説明する。なお図9に示したタイミング図は、通信装置1001−1から送信されたデータが通信装置1001−2〜1001−4にて同時に受信される場合を示しているタイミング図である。
まず、遅延時間が最も大きな500msである通信装置1001−4へ通信装置1001−1からデータが送信される。
その100ms後、遅延時間が次に大きな400msである通信装置1001−3へ通信装置1001−1からデータが送信される。
さらにその300ms後、遅延時間が最も小さな100msである通信装置1001−2へ通信装置1001−1からデータが送信される。
通信装置1001−4では、通信装置1001−1から通信装置1001−4へデータが送信されてから500ms後にデータが受信される。
また、通信装置1001−3では、通信装置1001−1から通信装置1001−3へデータが送信されてから400ms後にデータが受信される。
また、通信装置1001−2では、通信装置1001−1から通信装置1001−2へデータが送信されてから100ms後にデータが受信される。
つまり、それぞれの遅延時間に応じた送信タイミングでデータが通信装置1001−2〜1001−4それぞれへ送信されるため、通信装置1001−2〜1001−4にて同時にデータが受信される。
このように、通信装置1001−2〜1001−4が同時にデータを受信するように通信装置1001−1からデータを送信する場合は、それぞれのデータの遅延時間が重要な要素となる。
このような遅延時間は、上述したように、固定的な伝送遅延による固定遅延時間と、ネットワークの使用状況等に応じた流動的な負荷遅延による可変遅延時間とがある。それらが合計された時間が、遅延時間となる。
固定遅延時間については、通信装置1001−1〜1001−4の互いの間の距離や伝送媒体によって固定的に決まるものである。
一方、可変遅延時間については、ネットワークの使用状況等に応じて流動的に変化するため、その平均値を遅延時間とすることが多い(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、上述した遅延時間の計算方法について説明する。
図10は、送信装置から受信装置へ遅延時間を測定するための測定パケットデータが送信された際のタイミング図である。ここでは、送信装置をTime Master(PTP Server)とし、受信装置をTime Slave(PTP Client)とする。
送信装置内で動作するアプリケーションから時刻t0で送信された測定パケットデータが時刻t1でPHYレイヤから受信装置へ送信される。このとき、送信装置から受信装置へ送信される測定パケットデータに時刻t0を示す情報が付加される。また、PHYレイヤから測定パケットデータが送信された時刻t1がアプリケーションへ通知され、アプリケーションにて送信装置の内部遅延時間Aが計算される。
A=(t1−t0
そして、計算された遅延時間「A」が受信装置へ送信される。
また、送信装置から送信されてきた測定パケットデータが時刻t2で受信装置のPHYレイヤにて受信される。そして、時刻t2でPHYレイヤにて受信された測定パケットデータがアプリケーションにて時刻t3で受信される。また、PHYレイヤにて測定パケットデータが受信された時刻t2がPHYレイヤからアプリケーションへ通知される。
ここで、受信装置のアプリケーションにて、送信装置から受信装置への測定パケットデータ送信の遅延時間Cの計算が行われる。
C=t3−t0
その後、受信装置のアプリケーションにて、送信装置から受信装置への測定パケットデータ送信の補正遅延時間Bの計算が行われる。
B=C−A−(t3−t2
ここで補正遅延時間とは、送信装置から送信された測定パケットデータが受信装置にて受信されるまでの時間であり、送信装置や受信装置の外的要因による遅延時間である。
また、同様にして送信装置のアプリケーションにて、受信装置から送信装置への測定パケットデータ送信の補正遅延時間Dの計算が行われる。
このように計算された補正遅延時間BおよびDにより、送信装置と受信装置との間における測定パケットデータの遅延時間が計算される。
実際に遅延時間を計算する際に、上述した計算が所定の時間(回数)行われ、その計算によって得られた値の平均値を算出することにより、その平均値を遅延時間としている。
特開2003−283374号公報
しかしながら、遅延時間の平均値を計算する際に、所定の時間にて測定した遅延時間がある程度安定しているものであれば良いが、伝送路の状態(トラヒックの変動)等によって遅延時間が不安定な(ばらつきの大きな)場合は、その精度が低くなってしまう。
そのため、精度を上げようとすると、その分、測定しなければならない時間が増えてしまい、平均遅延時間を計算するサンプル時間を収集する時間がかかってしまうという問題点がある。
図11は、遅延時間が安定している場合の遅延時間の時間的変化を示すグラフである。
図11に示すように、遅延時間が安定している場合には、時間に対して遅延時間がほぼ一定である。それにより、遅延時間を測定するための測定パケットを送信するタイミングによって遅延時間が互いに大きく異なることはない。
図12は、図11に示したような遅延時間が安定している場合の遅延時間とその発生頻度との関係を示すグラフである。
図12に示すように、遅延時間が安定している場合には、測定された遅延時間がある時間に集中しているプロファイルが得られる。
図13は、遅延時間にばらつきがある場合の遅延時間の時間的変化を示すグラフである。
図13に示すように、遅延時間にばらつきがある場合には、時間に対して遅延時間が一定ではない。それにより、遅延時間を測定するための測定パケットを送信するタイミングによって遅延時間が互いに大きく異なってしまう。
図14は、遅延時間にばらつきがある場合の遅延時間とその発生頻度との関係を示すグラフである。
図14に示すように、遅延時間にばらつきがある場合には、測定された遅延時間が分散したプロファイルが得られる。この分散した遅延時間の平均値を精度を落とすことなく算出するには、遅延時間が安定している場合よりも長い時間、遅延時間を測定しなければならない。
本発明は、上述した課題を解決する通信装置、通信システム、伝送路における遅延時間の測定時間設定方法、伝送路の遅延時間算出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
伝送路においてあらかじめ測定した遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記測定時間を取得するために測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第2のプロファイルと、前記記憶部に記憶されている前記第1のプロファイルとが同じプロファイルである場合、該第1のプロファイルと対応付けられた測定時間を前記記憶部から取得する測定時間取得部と、
前記伝送路の遅延時間を測定する遅延時間計算部と、
前記遅延時間計算部が測定した遅延時間の前記測定時間における平均値を計算する平均値計算部とを有する。
また、伝送路における遅延時間の測定時間設定方法であって、
前記伝送路においてあらかじめ測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間と、を対応付けたパターンを複数記憶する処理と、
前記伝送路上にデータを送信する際に、前記伝送路において測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係から第2のプロファイルを生成する処理と、
該第2のプロファイルを、前記複数のパターンの中の前記第1のプロファイルと比較する処理と、
前記第2のプロファイルと一致する前記第1のプロファイルが存在する場合、該第1のプロファイルと対応付けられていた前記測定時間を、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間に設定する処理とを有する。
また、通信装置に実行させるプログラムであって、
伝送路においてあらかじめ測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間と、を対応付けたパターンを複数記憶する手順と、
前記伝送路上にデータを送信する際に、前記伝送路において測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係から第2のプロファイルを生成する手順と、
該第2のプロファイルを、前記複数のパターンの中の前記第1のプロファイルと比較する手順と、
前記第2のプロファイルと一致する前記第1のプロファイルが存在する場合、該第1のプロファイルと対応付けられていた前記測定時間を、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間に設定する手順とをコンピュータに実行させる。
以上説明したように本発明においては、伝送路においてあらかじめ測定した遅延時間と遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、伝送路の遅延時間を測定するための測定時間とを対応付けて記憶部に記憶し、測定時間を取得するためのフェーズにおいて測定された遅延時間と遅延時間の発生頻度との関係を示す第2のプロファイルと、記憶部に記憶されている第1のプロファイルとが同じプロファイルである場合、第1のプロファイルと対応付けられた測定時間を記憶部から取得し、伝送路の遅延時間を測定し、測定した遅延時間の測定時間における平均値を計算する構成としたため、同期化を行うために必要な遅延時間の測定時間を短縮することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の通信装置が接続された通信システムの実施の一形態を示す図である。
本形態は図1に示すように、通信装置101−1〜101−n(nは自然数)がネットワーク102を介して互いに接続されているものである。
通信装置101−1〜101−nは、通信機能を有する情報処理装置である。通信端末101−1〜101−nは、一般的な通信機能を有するサーバやPC(Personal Computer)であっても良い。
ネットワーク102は、通信装置101−1〜101−nを互いに接続する一般的な通信ネットワークであり、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)技術を用いたネットワークであっても良い。
図2は、図1に示した通信装置101−1の内部構成の一例を示す図である。
図1に示した通信装置101−1には図2に示すように、パケット送信部110と、パケット受信部111と、タイマ112と、遅延時間計算部113と、サンプル収集部114と、比較部115と、記憶部116と、プロファイル取得部117と、測定時間取得部118と、平均値計算部119とが設けられている。
パケット送信部110は、ネットワーク102を介して通信装置101−2〜101−nへデータパケット(以下、パケットと称する)を送信する。パケット送信部110が送信するパケットには、通信装置101−1〜101−nが互いに通信を制御するための情報が含まれるパケットや、一般的な通信パケットや、通信装置101−1〜101−n間の伝搬遅延時間(以下、遅延時間と称する)を測定するためのパケット(以下、遅延時間測定パケットと称する)等が存在する。
パケット受信部111は、通信装置101−2〜101−nから通信装置101−1宛てに送信されたパケットをネットワーク102を介して受信する。
タイマ112は、一般的な時間を計る時計を含み、パケット送信部110へ遅延時間測定パケットの送信を指示する。また、タイマ112は、パケット送信部110へ遅延時間の測定時間を決定するための遅延時間プロファイルを取得する目的で送信されるパケット(以下、プロファイル取得用パケットと称する)の送信を指示する。また、タイマ112は、パケット送信部110が遅延時間測定パケットを送信した時刻(以下、遅延時間測定パケット送信時刻と称する)またはプロファイル取得用パケットを送信した時刻(以下、プロファイル取得用パケット送信時刻と称する)と、パケット受信部111が遅延時間測定パケットを受信した時刻(以下、遅延時間測定パケット受信時刻と称する)またはプロファイル取得用パケットを受信した時刻(以下、プロファイル取得用パケット受信時刻と称する)を遅延時間計算部113へ出力する。
遅延時間計算部113は、タイマ112から出力されてきた遅延時間測定パケット送信時刻と遅延時間測定パケット受信時刻とに基づいて、遅延時間を計算(測定)する。また、遅延時間計算部113は、タイマ112から出力されてきたプロファイル取得用パケット送信時刻とプロファイル取得用パケット受信時刻とに基づいて、遅延時間プロファイルを取得するためのプロファイル取得用遅延時間を計算する。この遅延時間、プロファイル取得用遅延時間の計算方法は、図10を用いて背景技術で説明したものと同じである。
サンプル収集部114は、遅延時間計算部113で計算された遅延時間およびプロファイル取得用遅延時間を収集する。遅延時間のサンプルを収集する時間は、測定時間取得部118から出力されてきた時間である。また、プロファイル取得用遅延時間のサンプルを収集する時間は、プロファイル取得フェーズ時間として、あらかじめ設定された時間である。また、サンプル収集部114は、収集した遅延時間を平均値計算部119へ出力する。また、サンプル収集部114は、収集したプロファイル取得用遅延時間を比較部115へ出力する。
比較部115は、サンプル収集部114から出力されてきたプロファイル取得用遅延時間に基づいて遅延時間プロファイルを生成し、生成した遅延時間プロファイル(第2のプロファイル)とプロファイル取得部117から出力されてきたプロファイル(第1のプロファイル)とを比較する。そして比較部115は、比較した結果を測定時間取得部118へ出力する。
記憶部116は、遅延時間とその発生頻度との関係を示すプロファイルと、遅延時間を測定する測定時間とを対応付けて記憶する。また、記憶部116は、当該プロファイルの複数のパターンを記憶する。
図3は、図2に示した記憶部116に記憶されている、遅延時間とその発生頻度との関係を示すプロファイルと、遅延時間を測定する測定時間との対応付けの一例を示す図である。
図2に示した記憶部116には図3に示すように、プロファイルと測定時間とが対応付けられて記憶されている。このプロファイルと測定時間との関係は、事前に測定されたデータに基づいてあらかじめ設定されているものである。例えば、プロファイルaと測定時間Aとが対応付けられている。これは、プロファイルaの遅延時間とその発生頻度との関係を有する伝送路においては、当該伝送路における遅延時間を測定する測定時間はAであることを示している。また、プロファイルbと測定時間Bとが対応付けられている。これは、プロファイルbの遅延時間とその発生頻度との関係を有する伝送路においては、当該伝送路における遅延時間を測定する測定時間はBであることを示している。また、プロファイルcと測定時間Cとが対応付けられている。これは、プロファイルcの遅延時間とその発生頻度との関係を有する伝送路においては、当該伝送路における遅延時間を測定する測定時間はCであることを示している。また、プロファイルdと測定時間Dとが対応付けられている。これは、プロファイルdの遅延時間とその発生頻度との関係を有する伝送路においては、当該伝送路における遅延時間を測定する測定時間はDであることを示している。また、プロファイルeと測定時間Eとが対応付けられている。これは、プロファイルeの遅延時間とその発生頻度との関係を有する伝送路においては、当該伝送路における遅延時間を測定する測定時間はEであることを示している。
この測定時間は、プロファイルのような遅延時間の分布を有する伝送路において、平均値を計算するために必要な測定時間であり、事前の計算・実験等によりあらかじめ定められているものである。つまり、この測定時間についてのみ遅延時間を測定し、平均値を計算すれば、その伝送路の遅延時間が得られるものである。
図4は、図2に示した記憶部116に記憶されているプロファイルの複数のパターンの一例を示す図である。
図2に示した記憶部116には図4に示すように、プロファイルの複数のパターンが記憶されている。図4に示した例においては、プロファイルa〜プロファイルeの5つのパターンのプロファイルが記憶されている。
また、プロファイル取得部117は、記憶部116からプロファイルを読み出す(取得する)。プロファイル取得部117は、取得したプロファイルを比較部115へ出力する。
測定時間取得部118は、比較部115から出力されてきた比較結果に基づいて、記憶部116から測定時間を読み出す(取得する)。具体的には、測定時間取得部118は、比較部115にて生成された遅延時間プロファイルと同じプロファイルに対応付けられた測定時間を記憶部116から取得する。そして、測定時間取得部118は、取得した測定時間を平均値計算部119へ出力する。
平均値計算部119は、サンプル収集部114から出力された遅延時間と測定時間取得部118から出力された測定時間とに基づいて、遅延時間の平均値を計算する。
なお、図2には図1に示した通信装置101−1の構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。また、通信装置101−2〜101−nにて通信装置101−1と同様に遅延時間の測定を行う場合は、通信装置101−2〜101−nは図2に示した通信装置101−1の内部構成と同じ構成を有する。
以下に、上述した形態における遅延時間測定方法について説明する。まずは、遅延時間を測定する測定時間の取得方法について説明する。このフェーズをプロファイル取得フェーズとし、その時間をプロファイル取得フェーズ時間とする。プロファイル取得フェーズ時間は、遅延時間プロファイルと記憶部116に記憶されているプロファイルとが同一であるかどうかを判断することが可能な最短の時間であり、タイマ112にあらかじめ設定されている。
図5は、本形態における遅延時間を測定する測定時間の取得(設定)方法を説明するためのフローチャートである。
まず、タイマ112からパケット送信部110へプロファイル取得用パケットの送信が指示され、パケット送信部110からプロファイル取得用パケットが送信される(ステップS1)。この送信先は、遅延時間を測定する対象の伝送路に接続された通信装置である。また、プロファイル取得用パケットは、送信先にて受信した際に受信したパケットがプロファイル取得用パケットであることが認識できるものであれば良く、パケットの構成についてはここでは特に規定しない。また、パケット送信部110からプロファイル取得用パケットが送信された時刻(プロファイル取得用パケット送信時刻)が、遅延時間計算部113に保持される。
その後、パケット受信部111にてプロファイル取得用パケットが受信されると(ステップS2)、プロファイル取得用パケットがパケット受信部111にて受信された時刻(プロファイル取得用パケット受信時刻)が遅延時間計算部113に保持される。このとき、受信されるプロファイル取得用パケットは、ステップS1にてパケット送信部110から送信されたパケットに対して送信先から送信されてきたパケットであることが認識できるものであれば良く、ここでは特に規定しない。例えば、ステップS1にてパケット送信部110から送信されたパケットと同じ(パケットヘッダ内の宛先や送信元の情報は異なる)ものであっても良い。
すると、遅延時間計算部113にて、保持されているプロファイル取得用パケット送信時刻とプロファイル取得用パケット受信時刻とに基づいて、プロファイル取得用遅延時間が計算される(ステップS3)。このプロファイル取得用遅延時間の計算方法は、上述したように、図10を用いて背景技術で説明したものと同じである。
計算されたプロファイル取得用遅延時間は、遅延時間計算部113からサンプル収集部114へ出力され、サンプル値として収集される(ステップS4)。
また、タイマ112にてプロファイル取得フェーズ時間がタイムアウトしたかどうかが判断される(ステップS5)。このタイムアウトの判断は、最初にプロファイル取得用パケットがパケット送信部110から送信された時刻からプロファイル取得フェーズ時間が経過したかどうかを判断することによる。
タイマ112にてプロファイル取得フェーズ時間がタイムアウトしていないと判断された場合、さらにタイマ112からパケット送信部110へプロファイル取得用パケットの送信が指示され、パケット送信部110からプロファイル取得用パケットが送信される。
一方、タイマ112にてプロファイル取得フェーズ時間がタイムアウトしたと判断された場合、サンプル収集部114にて収集されたプロファイル取得用遅延時間が、比較部115へ出力される。
すると、比較部115にて、サンプル収集部114から出力されてきたプロファイル取得用遅延時間に基づいて遅延時間プロファイルが生成される。その遅延時間プロファイルは、プロファイル取得用遅延時間とその発生頻度との関係を示すものである。
比較部115にて遅延時間プロファイルが生成されると、プロファイル取得部117によって記憶部116からプロファイルが読み出され(取得され)、取得されたプロファイルがプロファイル取得部117から比較部115へ出力される。そして、比較部115にて、遅延時間プロファイルとプロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルとが比較される(ステップS6)。プロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルが図4に示すように複数存在する場合は、それぞれのプロファイルと遅延時間プロファイルとが比較される。この比較は、遅延時間プロファイルの少なくとも一部と、プロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルの少なくとも一部とを比較することにより、遅延時間プロファイルとプロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルとが同じであるかどうかを判断するものである。つまり、遅延時間プロファイルの少なくとも一部と、プロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルの少なくとも一部とが一致した場合、遅延時間プロファイルとプロファイル取得部117から出力されてきたプロファイルとが同じであると判断する(見なす)ものである。
遅延時間プロファイルと同じプロファイルが存在すると判断された場合、その旨が比較部115から測定時間取得部118へ出力される。そして、遅延時間プロファイルと同じであると判断されたプロファイルと対応付けられた測定時間が、測定時間取得部118によって、記憶部116から読み出される(取得される)(ステップS7)。
すると、測定時間取得部118にて取得された測定時間が、タイマ112にセットされる(ステップS8)。
一方、遅延時間プロファイルと同じプロファイルが存在しないと判断された場合、その旨が比較部115から測定時間取得部118へ出力される。そして、測定時間取得部118によって、あらかじめ設定された初期値の測定時間がタイマ112にセットされる。
ここで、測定時間について説明する。
図6は、遅延時間を測定する測定時間を示す図である。
測定時間は図6に示すように、時間に対して変化する遅延時間を測定する時間である。この測定時間が、プロファイル取得フェーズにて測定・生成された遅延時間プロファイルに応じて変化する(限定される)。
次に、上述したようにタイマ112にセットされた測定時間における遅延時間測定方法について説明する。
図7は、本形態における遅延時間測定方法を説明するためのフローチャートである。
まず、タイマ112からパケット送信部110へ遅延時間測定パケットの送信が指示され、パケット送信部110から遅延時間測定パケットが送信される(ステップS11)。この送信先は、遅延時間を測定する対象の伝送路に接続された通信装置である。また、遅延時間測定パケットは、送信先にて受信した際に受信したパケットが遅延時間測定パケットであることが認識できるものであれば良く、パケットの構成についてはここでは特に規定しない。また、パケット送信部110から遅延時間測定パケットが送信された時刻(遅延時間測定パケット送信時刻)が、遅延時間計算部113に保持される。
その後、パケット受信部111にて遅延時間測定パケットが受信されると(ステップS12)、遅延時間測定パケットがパケット受信部111にて受信された時刻(遅延時間測定パケット受信時刻)が遅延時間計算部113に保持される。このとき、受信される遅延時間測定パケットは、ステップS11にてパケット送信部110から送信されたパケットに対して送信先から送信されてきたパケットであることが認識できるものであれば良く、ここでは特に規定しない。例えば、ステップS11にてパケット送信部110から送信されたパケットと同じ(パケットヘッダ内の宛先や送信元の情報は異なる)ものであっても良い。
すると、遅延時間計算部113にて、保持されている遅延時間測定パケット送信時刻と遅延時間測定パケット受信時刻とに基づいて、遅延時間が計算される(ステップS13)。この遅延時間の計算方法は、上述したように、図10を用いて背景技術で説明したものと同じである。
計算された遅延時間は、遅延時間計算部113からサンプル収集部114へ出力され、サンプル値として収集される(ステップS14)。
また、タイマ112にて測定時間がタイムアウトしたかどうかが判断される(ステップS15)。このタイムアウトの判断は、最初に遅延時間測定パケットがパケット送信部110から送信された時刻から測定時間が経過したかどうかを判断することによる。また、この測定時間は、図5のステップS8にて説明したタイマ112にセットされた時間である。
タイマ112にて測定時間がタイムアウトしていないと判断された場合、さらにタイマ112からパケット送信部110へ遅延時間測定パケットの送信が指示され、パケット送信部110から遅延時間測定パケットが送信される。
一方、タイマ112にて測定時間がタイムアウトしたと判断された場合、サンプル収集部114にて収集された遅延時間が、平均値計算部119へ出力される。
そして、サンプル収集部114から出力された遅延時間について、平均値計算部119にて、測定時間における平均遅延時間(平均値)が計算される(ステップS16)。
また、測定時間が初期値として測定された場合は、測定された遅延時間に基づいた遅延プロファイルが記憶部116に記憶される。
なお、上述した通信装置101−1の処理は、目的に応じて作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したプログラムを通信装置101−1にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを通信装置101−1に読み込ませ、実行するものであっても良い。通信装置101−1にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、通信装置101−1に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、通信装置101−1内のCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
このように、遅延時間の分布(プロファイル)を測定し、当該プロファイルに応じた測定時間における遅延時間の平均値を計算することにより、無駄な測定時間を省くことが可能となる。その結果、送信元と送信先との同期化を行うために必要な遅延時間を測定する測定時間を短縮することができる。
本発明の通信装置が接続された通信システムの実施の一形態を示す図である。 図1に示した通信装置の内部構成の一例を示す図である。 図2に示した記憶部に記憶されている、遅延時間とその発生頻度との関係を示すプロファイルと、遅延時間を測定する測定時間との対応付けの一例を示す図である。 図2に示した記憶部に記憶されているプロファイルの複数のパターンの一例を示す図である。 本形態における遅延時間を測定する測定時間の取得方法を説明するためのフローチャートである。 遅延時間を測定する測定時間を示す図である。 本形態における遅延時間測定方法を説明するためのフローチャートである。 一般的な通信システムの一形態を示す図である。 図8に示した通信システムにおいて、通信装置からデータを送信するタイミングを示す図である。 送信装置から受信装置へ遅延時間を測定するための測定パケットデータが送信された際のタイミング図である。 遅延時間が安定している場合の遅延時間の時間的変化を示すグラフである。 図11に示したような遅延時間が安定している場合の遅延時間とその発生頻度との関係を示すグラフである。 遅延時間にばらつきがある場合の遅延時間の時間的変化を示すグラフである。 遅延時間にばらつきがある場合の遅延時間とその発生頻度との関係を示すグラフである。
符号の説明
101−1〜101−n 通信装置
102 ネットワーク
110 パケット送信部
111 パケット受信部
112 タイマ
113 遅延時間計算部
114 サンプル収集部
115 比較部
116 記憶部
117 プロファイル取得部
118 測定時間取得部
119 平均値計算部

Claims (17)

  1. 伝送路においてあらかじめ測定した遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
    前記測定時間を取得するために測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第2のプロファイルと、前記記憶部に記憶されている前記第1のプロファイルとが同じプロファイルである場合、該第1のプロファイルと対応付けられた測定時間を前記記憶部から取得する測定時間取得部と、
    前記伝送路の遅延時間を測定する遅延時間計算部と、
    前記遅延時間計算部が測定した遅延時間の前記測定時間における平均値を計算する平均値計算部とを有する通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記第1のプロファイルと前記第2のプロファイルとを比較する比較部をさらに有することを特徴とする通信装置。
  3. 請求項2に記載の通信装置において、
    前記比較部は、前記第1のプロファイルの少なくとも一部と、前記第2のプロファイルの少なくとも一部とを比較し、
    前記測定時間取得部は、前記比較部が比較した前記第1のプロファイルの少なくとも一部と前記第2のプロファイルの少なくとも一部とが同じである場合、該第1のプロファイルと対応付けられた測定時間を前記記憶部から取得することを特徴とする通信装置。
  4. 請求項2に記載の通信装置において、
    前記遅延時間を測定するための遅延時間測定パケットを送信するパケット送信部と、
    前記遅延時間を測定するためのタイマとをさらに有し、
    前記タイマは、前記測定時間取得部が取得した測定時間にて前記パケット送信部に遅延時間測定パケットの送信を指示することを特徴とする通信装置。
  5. 請求項2に記載の通信装置において、
    前記比較部は、前記測定時間を取得するためのフェーズにおいて測定された遅延時間に基づいて、前記第2のプロファイルを生成することを特徴とする通信装置。
  6. 請求項2に記載の通信装置において、
    前記記憶部から前記第1のプロファイルを取得するプロファイル取得部をさらに有し、
    前記比較部は、前記第2のプロファイルと前記プロファイル取得部が取得した第1のプロファイルとを比較することを特徴とする通信装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置において、
    WiMAXネットワークと接続されることを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置と、
    該通信装置と接続されるネットワークとから構成される通信システム。
  9. 請求項8に記載の通信システムにおいて、
    前記ネットワークがWiMAXネットワークであることを特徴とする通信システム。
  10. 伝送路における遅延時間の測定時間設定方法であって、
    前記伝送路においてあらかじめ測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間と、を対応付けたパターンを複数記憶する処理と、
    前記伝送路上にデータを送信する際に、前記伝送路において測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係から第2のプロファイルを生成する処理と、
    該第2のプロファイルを、前記複数のパターンの中の前記第1のプロファイルと比較する処理と、
    前記第2のプロファイルと一致する前記第1のプロファイルが存在する場合、該第1のプロファイルと対応付けられていた前記測定時間を、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間に設定する処理とを有する遅延時間の測定時間設定方法。
  11. 請求項10に記載の遅延時間の測定時間設定方法において、
    前記比較する処理は、前記第1のプロファイルの少なくとも一部と、前記第2のプロファイルの少なくとも一部とを比較し、
    前記設定する処理は、比較された前記第1のプロファイルの少なくとも一部と前記第2のプロファイルの少なくとも一部とが同じである場合、それらが一致していると見なすことを特徴とする遅延時間の測定時間設定方法。
  12. 伝送路の遅延時間を算出する遅延時間算出方法であって、
    請求項10または請求項11に記載の遅延時間の測定時間設定方法に基づいて設定された測定時間において、前記伝送路の遅延時間を測定する処理と、
    測定された前記遅延時間の平均値を計算する処理と、
    該遅延時間の平均値を、前記伝送路の遅延時間にする処理とを有することを特徴とする伝送路の遅延時間算出方法。
  13. 請求項12に記載の伝送路の遅延時間算出方法において、
    前記遅延時間を測定するための遅延時間測定パケットを、前記測定時間にて送信する処理をさらに有することを特徴とする伝送路の遅延時間算出方法。
  14. 伝送路においてあらかじめ測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係を示す第1のプロファイルと、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間と、を対応付けたパターンを複数記憶する手順と、
    前記伝送路上にデータを送信する際に、前記伝送路において測定された遅延時間と該遅延時間の発生頻度との関係から第2のプロファイルを生成する手順と、
    該第2のプロファイルを、前記複数のパターンの中の前記第1のプロファイルと比較する手順と、
    前記第2のプロファイルと一致する前記第1のプロファイルが存在する場合、該第1のプロファイルと対応付けられていた前記測定時間を、前記伝送路の遅延時間を測定するための測定時間に設定する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムにおいて、
    前記比較する手順は、前記第1のプロファイルの少なくとも一部と、前記第2のプロファイルの少なくとも一部とを比較し、
    前記設定する手順は、比較された前記第1のプロファイルの少なくとも一部と前記第2のプロファイルの少なくとも一部とが同じである場合、それらが一致していると見なすことを実行させることを特徴とするプログラム。
  16. 請求項14または請求項15にプログラムによって設定された測定時間において、前記伝送路の遅延時間を測定する手順と、
    測定された前記遅延時間の平均値を計算する手順と、
    該遅延時間の平均値を、前記伝送路の遅延時間にする手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムにおいて、
    前記遅延時間を測定するための遅延時間測定パケットを、前記測定時間にて送信する手順をさらに実行させることを特徴とするプログラム。
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