JP6312551B2 - バウンダリーマイクロホンおよびバウンダリーマイクロホン用アダプタ - Google Patents
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Description
このバウンダリーマイクロホンは会議の席などにおいては机上面に配置して使用され、またテレビ等のスタジオなどにおいては主に床面に配置して使用される。
この場合、マイクロホンはバウンダリープレートに接近して配置されるので、マイクロホンには直接音とバウンダリープレートによる反射音が到来する。しかしながら直接音とバウンダリープレートによる反射音との時間差(位相差)は殆どなく、これにより明瞭度の高い音声信号を得ることができる。
したがって、音源がバウンダリーマイクロホンの集音軸から外れている時には、良好な音質で集音することが困難になる。
したがって、このバウンダリーマイクロホンを例えば会議の席などで利用した場合、机上に置かれたバウンダリーマイクロホンに向かった話者が、着席した状態と立ち上がった状態とでは、周波数応答特性が大きく異なる問題が発生する。
すなわち、図5A〜図5Cはバウンダリーマイクロホンとして利用される単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホンユニット1の外観構成を示したものであり、それぞれマイクロホンユニット1の正面図、側面図、背面図を示している。
そして、前記回路基板4には、このマイクロホンユニット単体における後部音響端子となる複数の開口5が施されている。
また、集音軸Dの仰角がさらに大きく鉛直方向に向かって設定される場合には、後部音響端子側の空間はバウンダリープレート21との間でさらに狭められることになる。
この場合、マイクロホンユニットの集音軸がたとえ変更されても、ユニット装着部材はその中空部が軸芯として回動されるので、前記マイクロホンユニットの後部音響端子に連通する中空部の姿勢ならびに形態は変化しない。
それ故、マイクロホンユニットの集音軸をたとえ変化させても、指向周波数応答特性に影響を与えることのないバウンダリーマイクロホンおよびバウンダリーマイクロホン用アダプタを実現することができる。
図1および図2A〜図2Cには、バウンダリーマイクロホンを構成する円筒体状のユニット装着部材11と、これに装着された単一指向性マイクロホンユニット1の形態が示されている。
なお、この実施の形態において用いられる単一指向性マイクロホンユニット1は、図5A〜図5Cに基づいてすでに説明した単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホンユニット1が利用されており、したがってその詳細な説明は省略する。
このユニット装着凹部12は、ユニット装着部材11の周側面から、その軸芯部分の中空部13に達する円形状の貫通孔として形成されている。そして、貫通孔の底部にはユニット装着凹部12に挿入される前記マイクロホンユニット1の後端部が係止されるユニット位置決め用の当接部14(図2C参照)が備えられている。
このくり抜き部13aは、ユニット装着凹部12に装着された状態のマイクロホンユニット1の後部音響端子となる前記した複数の開口5が、前記当接部14によって閉塞されるのを避けるために形成されている。
そして、マイクロホンユニット1の後部音響端子としての前記した回路基板4に形成された開口5が、ユニット装着部材11の前記中空部13を介して当該中空部13の両外側に連通した状態になされる。
そして、バウンダリープレート21上に載置されたユニット装着部材11は、当該ユニット装着部材11の軸芯上において回動可能に取付けられる。これにより、ユニット装着部材11に搭載されたマイクロホンユニット1は、その集音軸Dがバウンダリープレート21の上面と平行となる仰角が0度の状態から、鉛直方向の90度となる矢印θで示す範囲で可変することができる。
この支持具は、ユニット装着部材11の軸方向の両側から、ユニット装着部材11の周側面に沿って配置される一対のリング状の支持枠部材31と、この支持枠部材31をバウンダリープレート21上に固定するための一対のベースプレート32とにより構成されている。
そして、例えば図4に示すようにユニット装着部材11の側面の一部にロッド状のハンドル33を取付けることで、ユニット装着部材11を軸回転させることができ、ユニット装着部材11に取付けられたマイクロホンユニット1における集音軸Dの仰角θを、容易に調整することができる。
したがって、マイクロホンユニット1の集音軸Dを変更しても、マイクロホンユニット1の後部音響端子とバウンダリープレート21との位置関係は変化がなく、これによりマイクロホンユニット1の指向性の変化を大幅に抑えることができる。
また、図7Cおよび図8Cは、集音軸Dの仰角θを30度に設定した場合において、符号A,B,Cは音源に対して0度、30度および210度の場合の特性を示している。
また、図7Eおよび図8Eは、集音軸Dの仰角θを60度に設定した場合において、符号A,B,Cは音源に対して0度、60度および240度の場合の特性を示している。
さらに、図7Gおよび図8Gは、集音軸Dの仰角θを90度に設定した場合において、符号A,B,Cは音源に対して0度、90度および270度の場合の特性を示している。
また、図7Eにおける音源に対する60度(特性B)と240度(特性C)のレベル差は、約19dBであり、図7Gにおける音源に対する90度(特性B)と270度(特性C)のレベル差は、約21dBである。
これは、この発明に係るバウンダリーハイクロホンによると、集音軸Dを種々変更しても、指向特性に殆ど変化が見られないことを示すものとなる。
2 ユニットケース
3 開口(前部音響端子)
4 回路基板
5 開口(後部音響端子)
11 ユニット装着部材
12 ユニット装着凹部
13 中空部
13a くり抜き部
14 当接部
21 バウンダリープレート
25 バウンダリーマイクロホン
31 支持枠部材
32 ベースプレート
33 ハンドル
Claims (5)
- 単一指向性マイクロホンユニットと、周側面に前記単一指向性マイクロホンユニットを装着するユニット装着凹部を備えた円筒体状のユニット装着部材と、前記ユニット装着部材の中空部の軸芯をプレート上面に対して平行に配置すると共に、前記ユニット装着部材を前記軸芯上において回動可能に取付けたバウンダリープレートとを備えたバウンダリーマイクロホンであって、
前記ユニット装着部材に装着された前記単一指向性マイクロホンユニットは、前部音響端子がユニット装着部材の周側面の外側に向かって配置されて、集音軸がユニット装着部材の中空部の軸芯と交差し、後部音響端子が前記ユニット装着部材の前記中空部を介して当該中空部の両外側に連通していることを特徴とするバウンダリーマイクロホン。 - 前記ユニット装着部材に形成されたユニット装着凹部は、ユニット装着部材の前記周側面から前記中空部の軸芯に向かって形成された貫通孔と、前記ユニット装着凹部に挿入される前記マイクロホンユニットの後端部に係止するユニット位置決め用の当接部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載されたバウンダリーマイクロホン。
- 前記円筒体状のユニット装着部材は、当該ユニット装着部材の前記周側面に沿って配置される支持枠部材によって、前記バウンダリープレート上に回動可能に取付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたバウンダリーマイクロホン。
- 周側面に単一指向性マイクロホンユニットを装着可能なユニット装着凹部を備えた円筒体状のユニット装着部材と、前記ユニット装着部材の中空部の軸芯をプレート上面に平行に配置すると共に、前記ユニット装着部材を前記軸芯上において回動可能に取付けたバウンダリープレートとを備えたバウンダリーマイクロホン用アダプタであって、
前記ユニット装着部材のユニット装着凹部を利用して、単一指向性マイクロホンユニットを装着することにより、前部音響端子がユニット装着部材の周側面の外側に向かって形成されて、集音軸がユニット装着部材の中空部の軸芯と交差し、後部音響端子が前記ユニット装着部材の前記中空部を介して当該中空部の両外側に連通した状態になされることを特徴とするバウンダリーマイクロホン用アダプタ。 - 前記ユニット装着部材に形成されたユニット装着凹部は、ユニット装着部材の前記周側面から前記中空部の軸芯に向かって形成された貫通孔と、前記ユニット装着凹部に挿入される前記マイクロホンユニットの後端部に係止するユニット位置決め用の当接部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載されたバウンダリーマイクロホン用アダプタ。
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