JP6312483B2 - シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置 - Google Patents

シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置 Download PDF

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本発明は、シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置に関する。
不織布(繊維ウェブ含む)や織物あるいは編物などの布帛、あるいは、フィルムや発泡体などのシート状部材が欠点部分(例えば、異物や繊維塊などが存在する部分、皺や亀裂あるいはピンホールなどが存在する部分)を有している場合、後の工程で欠点の補修や欠点の除去を行うことが容易となるよう、例えば特開平8−69941号公報(以降、特許文献1と称することがある)に開示されているように、シート状部材が有する欠点にインクを付与して欠点を明確化することが行われている。
特開平8−69941号公報(特許請求の範囲、0007など)
本発明者らは特許文献1の開示を参照し、シート状部材の望む部分(例えば、欠点が存在する部分)にインクを付与することを検討した。
しかし、インクが乾燥していない状態でシート状部材を、例えばシート状部材を巻き取る工程などの次の工程へ供した場合、インクを付与した部分と接触したシート状部材の他の部分にインクが付着することがあった。そして、前記他の部分にはインクという異物が存在するものとなり、シート状部材に新たな欠点が生じるという問題があった。
本発明者らは上述の問題を解決するため、シート状部材の望む部分にインクを付与したシート状部材を乾燥機へ導きシート状部材へ熱や熱風を作用させることでインクを乾燥させた後、シート状部材を次の工程へ供することを検討した。しかし、乾燥機によりシート状部材全体が加熱されて、例えば厚さや幅長などのシート状部材全体にかかる諸物性が変化する恐れがあった。
そのため、シート状部材の全体にかかる諸物性を変化させることなくシート状部材に付与されたインクを乾燥可能な、シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置が求められた。
本発明は、シート状部材の全体にかかる諸物性を変化させることなくシート状部材に付与されたインクを乾燥可能な、シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置の提供を目的とする。
本発明は、
[1]「熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブ、あるいは、これらの積層体からなるシート状部材の望む部分にインクを付与する工程と、
前記シート状部材における前記インクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させて、
前記インクを乾燥し、かつ前記超音波を作用させた部分にフィルム状および/または凹みからなるマーキングを形成する工程、
を備える、シート状部材の望む部分をマーキングする方法。」
[2]「熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブ、あるいは、これらの積層体からなるシート状部材の望む部分にインクを付与できる、インク付与手段、
前記シート状部材における前記インクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させて、
前記インクを乾燥し、かつ前記超音波を作用させた部分にフィルム状および/または凹みからなるマーキングを形成できる超音波発生装置、
を備える、シート状部材の望む部分をマーキングする装置。」
である。

本願発明者らは検討を続けた結果、超音波は熱や熱風などと異なり直進性を有しているため所望する箇所へ選択的に作用させることが容易であること、ならびに、超音波の作用によってインクを乾燥できることを見出した。

本発明のシート状部材の望む部分をマーキングする方法は、シート状部材のインクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させてインクを乾燥する工程を有している。そのため、シート状部材におけるインクの付与により明確化することを望む部分以外が加熱されるのを抑制して付与されたインクを選択的に乾燥できることから、シート状部材の全体にかかる諸物性を変化させ難い。
また、本発明のシート状部材の望む部分をマーキングする装置は、シート状部材におけるインクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させてインクを乾燥できる超音波発生装置を有している。そのため、シート状部材におけるインクの付与により明確化することを望む部分以外が加熱されるのを抑制して付与されたインクを選択的に乾燥できることから、シート状部材の全体にかかる諸物性を変化させ難い。
本発明でいうシート状部材とはシート状の形状をした部材のことを指し、例えば、不織布(繊維ウェブ含む)や織物あるいは編物などの布帛、フィルムやシート状の発泡体などを使用できる。なお、シート状部材は上述した部材単体以外にも、一種類の部材を複数積層した積層体や複数種類の部材を積層した積層体であってもよい。積層方法として、例えば、各部材をただ重ね合わるだけの方法、各部材の構成繊維同士を例えばニードルパンチ処理や水流絡合処理へ供し積層一体化する方法、部材が熱可塑性樹脂を含んでいる場合には熱可塑性樹脂を融解させることで積層一体化する方法、各部材同士をバインダによって接着し積層一体化する方法などを採用できる。
シート状部材に含まれている成分は適宜選択できるものであり、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など公知の有機ポリマーや、金属あるいはガラスなどの無機成分であることができる。
なお、これらの有機ポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機ポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機ポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。更には、複数の有機ポリマーを混ぜ合わせたものでもよい。
シート状部材に含まれている成分は適宜選択するものであるが、後述する超音波発生装置から発生した超音波によってシート状部材におけるインクが付与された部分を選択的に融解あるいは軟化させることにより、インクが付与された部分を選択的に形状変化させて明確化できるように、シート状部材は熱可塑性樹脂を含んでいるのが好ましい。
布帛を構成する繊維は、例えば、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法)など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
布帛を構成する繊維は一種類あるいは複数種類の樹脂成分から構成されてなるものでも構わず、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維を使用できる。また、布帛は捲縮を発現した潜在捲縮性繊維やクリンプを施した繊維、接着繊維を含んでいてもよい。
布帛を構成する繊維の繊度は適宜調整するが、前記繊度は0.1〜50dtexであるのが好ましく、0.5〜30dtexであるのがより好ましい。また、繊維長も適宜調整するが、前記繊維長は短繊維や長繊維あるいは連続繊維を使用できる。
布帛が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を、織るあるいは編むことで調製できる。
布帛が不織布や繊維ウェブである場合、例えば、カード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせて繊維を絡合させた乾式不織布や乾式繊維ウェブ、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡合させた湿式不織布や湿式繊維ウェブ、直接法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法など)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集してなる不織布や繊維ウェブなどを用いることができる。
そして、不織布や繊維ウェブを構成する繊維同士を絡合および/または一体化するため、例えば、ニードルパンチ処理や水流絡合処理へ供し絡合する方法、繊維同士をバインダで接着によって一体化する方法、あるいは、加熱処理することで不織布や繊維ウェブに含まれている熱可塑性樹脂を融解して繊維同士を一体化する方法などを挙げることができる。なお、加熱処理する方法として、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、ドライヤー装置などの熱風乾燥機により加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して熱可塑性樹脂繊維を融解させる方法などを用いることができる。
シート状部材を構成する部材がフィルムやシート状の発泡体である場合、例えば、融解した状態の有機ポリマーを型に流し込み成型、発泡処理するなど公知の方法で調製できる。
上述したようにシート状部材の種類は適宜選択するものであるが、後述する超音波発生装置から発生した超音波によってシート状部材におけるインクが付与された部分を選択的に融解あるいは軟化させることにより、インクが付与された部分を選択的に形状変化させて明確化できるように、シート状部材は不織布や繊維ウェブを含んでいるのが好ましい。シート状部材が不織布や繊維ウェブを含んでいると、シート状部材におけるインクが付与された部分に超音波を作用させた時に、超音波を作用させた部分が選択的に融解あるいは軟化してフィルム状になり易い、および/または、凹みが生じ易い傾向がある。そのため、シート状部材における超音波の作用を受けていない部分と超音波の作用を受けた部分(フィルム状になっている部分および/または凹みが生じた部分)に構造的な違いが生じるものとなり、インクが付与された部分を明確化し易い。
以上の観点から、シート状部材が熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブ、あるいは、シート状部材が熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブを含んでなる積層体であると、超音波の作用によってインクが付与された部分を明確化し易くできるため好ましい。
なお、シート状部材は内部あるいは表面に粒子状や被膜状の態様で、例えば、有機ポリマー、シリカやアルミナなどの無機成分、プルシアンブルーなどの放射性物質吸着材、顔料、難燃剤、防虫剤、芳香剤、活性炭などの脱臭剤、光触媒などの触媒、界面活性剤などを含んでいてもよい。
シート状部材の目付や厚さなどの諸特性は適宜調整するが、シート状部材の目付は、10〜100g/mであることができ、シート状部材の厚さは、00.1〜30mmであることができる。
なお、本発明では、目付とは広い面積を有する面(主面)の面積1mあたりの質量をいい、厚さとは厚さ測定器(デジマチック標準外側マイクロメータ(MCC−MJ/PJ)1/1000mm(株)ミツトヨ)により計測した、500g荷重時測定値の5点の厚さの算術平均値をいう。
本発明でいうシート状部材の望む部分とは、シート状部材の主面上や前記主面と反対側の主面上におけるインクの付与により明確化することを望む部分であり、例えば、異物や繊維塊などが存在する部分、皺や亀裂あるいはピンホールなどが存在する部分といった欠点の存在する部分であることができる。
本発明で使用するインクは、シート状部材の望む部分を明確化できるようにするため前記部分に付与するものであり、その種類は適宜選択できる。インクの種類として、例えば、油性インクや水性インクなどを例示でき、インクの色は目視による認識のし易さやシート状部材の種類や用途などによって適宜選択する。インクを付与した前記部分を目視以外にも検出器などによって認識できるのであれば、例えば無色のインクや蛍光インク、シート状部材の色と同色あるいは同様の色のインク、金属センサーや磁力センサーなどの各種センサーによって存在が認識可能な成分(例えば、金属や磁性材料など)を含んだインクなどを使用してもよい。
シート状部材の望む部分へインクを付与できるものであればインク付与手段の種類は適宜選択でき、例えば、インクジェットプリンター、スタンプ、スプレー、インクペンなどの筆記用具を用いたインク付与手段などを使用できる。なお、シート状部材の望む部分へ付与するインクの量は適宜調整する。
シート状部材の望む部分へ付与するインクの形状は適宜選択するが、例えば、インクの付与により明確化することを望む部分上に前記部分の大きさよりも小さな模様を付与する、インクの付与により明確化することを望む部分上に前記部分と同じ大きさの模様を付与する、インクの付与により明確化することを望む部分上に前記部分の大きさよりも大きな模様を付与する、インクの付与により明確化することを望む部分を囲む形状の模様を付与するなどの態様とすることができる。なお、本発明では、インクの付与により明確化することを望む部分を囲む形状の模様をシート状部材に付与することも、「シート状部材の望む部分にインクを付与する」概念に含む。
なお模様の種類は適宜選択するが、例えば、直線や二重線などの線状、円状や楕円状、三角形や四角形などの多角形状、アスタリスク状や×状などの記号状などを挙げることができる。また、前述の形状は中抜きの模様であってもよい。
中抜きの模様であると、インクの付与により明確化することを望む部分を囲む形状の模様を付与することができるため、前記部分全体にインクを付与することなく明確化できる。そのため、例えば欠点が存在する部分にインクを付与した後であっても、欠点の種類や形状あるいは大きさを判別し易くでき、欠点の発生原因や発生条件などを分析し易くなり好ましい。
シート状部材におけるインクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させてインクを乾燥できるのであれば、超音波発生装置の種類は適宜選択できるが、例えば、卓上型、架台型、ハンディ型などを使用できる。なお、本発明でいう超音波とは振動数が15kHz以上の音波を指す。
シート状部材におけるインクが付与された部分へ選択的に作用させる超音波の範囲の大きさや強さは、シート状部材全体を加熱することなく選択的にインクを乾燥できるのであれば適宜選択でき、例えば、シート状部材に付与されたインクのみに超音波を作用させる態様、シート状部材に付与されたインクの外周に囲まれた範囲内へ超音波を作用させる態様、シート状部材に付与されたインク全体を覆う大きさの範囲へ超音波を作用させる態様などとすることができる。また、超音波の強さは、例えば、インクを乾燥できる程度の強さとする、あるいは、インクを乾燥できると共にシート状部材におけるインクが付与された部分を選択的に融解あるいは軟化させ形状変化できる程度の強さにすることができる。
特に、シート状部材におけるインクが付与された部分に超音波を作用させることで、インクが付与された部分を選択的に融解あるいは軟化させて前記部分を選択的にフィルム化する、および/または、インクが付与された部分を選択的に融解あるいは軟化させて前記部分に凹みが生じるようにすると、シート状部材における超音波の作用を受けていない部分と超音波の作用を受けた部分(フィルム状になっている部分および/または凹みが生じた部分)に構造的な違いが生じるものとなり、インクが付与された部分を明確化し易い。
本発明のシート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置は、上述した構成以外にも、シート状部材を搬送可能な搬送ロールなどのシート状部材の搬送手段、インク付与手段や超音波発生装置をシート状部材の望む位置に移動可能な移動手段、シート状部材におけるインクの付与により明確化することを望む部分(例えば、欠点が存在する部分)を検出する検出装置、シート状部材を巻取る巻取りロールなどの手段を備えていてもよい。
なお、検出装置はシート状部材の搬送方向におけるインク付与手段の前段階(搬送方向の上流側)に設けるのが好ましく、検出装置により検出されたシート状部材において前記部分が存在する位置情報をインク付与手段の移動手段へ伝え、その位置情報に基づき移動手段によりインク付与手段の移動を行うのが好ましい。また、検出装置により検出されたシート状部材における前記部分が存在する位置情報および/またはインク付与手段によるインクの付与情報(位置やインクを付与した量や形状などの条件)の情報を超音波発生装置の移動手段へ伝え、その付与情報に基づき移動手段によりインク超音波発生装置の移動を行うのが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
(i.シート状部材の準備)
ナイロン繊維(熱可塑性樹脂繊維、繊度:3.3dtex、繊維長:51mm)50質量%とナイロン繊維(熱可塑性樹脂繊維、繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)50質量%を混繊し絡合してなる、乾式不織布(目付:73g/m、厚さ:0.18mm)を用意した。

(ii.シート状部材の望む部分をマーキングする装置の準備)
シート状部材の搬送方向の上流側から下流側に向かい番号の順に以下の構成を備えた、シート状部材の望む部分をマーキングする装置を用意した。
1.搬送ロール
2.欠点検出機、
3.インク付与手段の移動手段:欠点検出機から送られてきたシート状部材に存在する欠点の位置データを受けて、シート状部材の欠点が存在する部分にインク付与手段を移動できる、単軸ロボット、
インク付与手段:インク付与手段の移動手段により移動可能に設けられた、欠点部分に水性インク(色:赤色)を付与できるスタンプ装置
4.超音波発生装置の移動手段:欠点検出機から送られてきたシート状部材に存在する欠点の位置データを受けて、シート状部材の欠点が存在する部分に超音波発生装置を移動できる、単軸ロボット、
超音波発生装置:超音波発生装置の移動手段により移動可能に設けられた、超音波発振機(振動数:21kHz)、
5.搬送ロール、
6.欠点が存在する部分をマーキングした後のシート状部材を巻取る、巻取りロール。

なお、欠点検出機によってシート状部材に欠点の存在が検出された場合には、欠点が存在する部分を囲む円形状の模様が付与されるように、スタンプ装置を用いて水性インク(色:赤色)を付与した。
また、超音波発生装置によってインクの外周に囲まれた範囲内へ、超音波が選択的に作用するように調整した。

(iii.シート状部材の望む部分のマーキング方法)
シート状部材の望む部分をマーキングする装置へ不織布を供し、不織布の主面における欠点が存在する部分にインクを付与した後に超音波によって付与したインクを乾燥することでマーキングを施した後、マーキングを施した不織布を巻取りロールに巻き取った。
(比較例1)
実施例1で使用したシート状部材の望む部分をマーキングする装置から、超音波発生装置の移動手段ならびに超音波発生装置を取り除いた。
このようにして準備した装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、不織布の主面における欠点が存在する部分にインクを付与することでマーキングを施した後、マーキングを施した不織布を巻取りロールに巻き取った。
実施例1で調製した巻取りロールに巻き取られたマーキングを施した不織布の状態を確認したところ、マーキングを施した不織布における欠点が存在する部分以外にはインクは付着していなかった。この理由として、インクが乾燥した後にマーキングを施した不織布の巻き取りが行われたためであると考えられた。
一方、比較例1で調製した巻取りロールに巻き取られたマーキングを施した不織布の状態を確認したところ、マーキングを施した不織布における欠点が存在する部分以外にも、マーキングを施した不織布におけるインクが付与された一方の主面と反対側の主面上にインクが付着していた。この理由として、インクが乾燥する前にマーキングを施した不織布の巻き取りが行われたためであると考えられた。
また、実施例1ではマーキングを施した不織布における超音波を作用させた部分は凹みが生じて形状変化しており、マーキングを施した不織布における超音波を作用させなかった部分の形状と異なっていた。そのため、実施例1のマーキングを施した不織布におけるインクが付与された部分(欠点の存在する部分)は、比較例1のマーキングを施した不織布におけるインクが付与された部分よりも、より明確となっていた。
更に、実施例1では、シート状部材の望む部分をマーキングする装置へ供する前の不織布と前記装置へ供した後のマーキングを施した不織布における、不織布の全体にかかる諸物性は同一であった。そのため、実施例1では超音波をインクが付与された部分へ選択的に作用させたため、不織布の全体にかかる諸物性を変化させることなくインクを乾燥できた。
本発明によれば、シート状部材の全体にかかる諸物性を変化させることなくシート状部材に付与されたインクを乾燥可能な、シート状部材の望む部分をマーキングする方法および装置を提供できる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブ、あるいは、これらの積層体からなるシート状部材の望む部分にインクを付与する工程と、
    前記シート状部材における前記インクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させて、
    前記インクを乾燥し、かつ前記超音波を作用させた部分にフィルム状および/または凹みからなるマーキングを形成する工程、
    を備える、シート状部材の望む部分をマーキングする方法。
  2. 熱可塑性樹脂を含んだ不織布や繊維ウェブ、あるいは、これらの積層体からなるシート状部材の望む部分にインクを付与できる、インク付与手段、
    前記シート状部材における前記インクが付与された部分へ選択的に超音波を作用させて、
    前記インクを乾燥し、かつ前記超音波を作用させた部分にフィルム状および/または凹みからなるマーキングを形成できる超音波発生装置、
    を備える、シート状部材の望む部分をマーキングする装置。
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