JP6312015B2 - 虫滑落フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、虫の忌避等に用いられる虫滑落フィルムの製造方法に関する。
害虫の侵入や付着を防止するためのフィルム等が提案されている。
(1)特定の害虫忌避剤を塗布したフィルムであって、これを配置した特定空間への害虫の侵入を阻止する害虫忌避フィルム(特許文献1)。
(2)フィルムの表面に特定の害虫忌避剤を含む接着剤層を設けたテープであって、害虫の侵入経路に貼り付けて建物内への害虫の侵入を阻止する害虫忌避テープ(特許文献2)。
(3)害虫忌避剤を含む熱可塑性樹脂層を積層したフィルムであって、土壌を這ってくる害虫を忌避する農業用マルチフィルム(特許文献3)。
(4)害虫忌避剤を含む印刷インキからなる印刷模様層を有するフィルムからなる穀類用包装袋(特許文献4)。
(5)特定の害虫忌避剤を保持した担体を透過性フィルムで被覆した害虫忌避材であって、害虫の侵入するおそれのある場所に貼り付けて害虫を忌避する害虫忌避材(特許文献5)。
(6)害虫忌避剤を保持した中間層の両面にフィルムを積層した照明器具カバー材であって、害虫の誘引を阻害し、害虫の付着による汚れを防止する照明器具カバー材(特許文献6)。
しかし、(1)〜(6)のフィルム等は、いずれも害虫忌避剤によって害虫を忌避するものであるため、害虫忌避剤がすべて揮散してしまうと、害虫の忌避効果がなくなる。そのため、害虫の忌避効果を長期間にわたって維持できるものではない。
特許第3235911号公報 特開平05−049379号公報 特開平09−248069号公報 特開2004−250009号公報 特開2004−346052号公報 特開2007−122978号公報
本発明は、長期間にわたって虫の侵入や付着を抑えることができる虫滑落性フィルムを提供する。
本発明の虫滑落フィルムの製造方法は、複数の凸部からなる凹凸構造を少なくとも一方の表面に有し、前記凸部間の平均間隔が、400nm以下である虫滑落フィルム製造する方法であって、陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して前記複数の凸部からなる凹凸構造を形成することを特徴とする。
本発明の虫滑落性フィルムは、長期間にわたって虫の侵入や付着を抑えることができる。
本発明の虫滑落性フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の虫滑落性フィルムの製造装置の一例を示す構成図である。 陽極酸化アルミナを表面に有するモールドの製造工程を示す断面図である。 虫の滑落試験の様子を示す斜視図である。
本明細書における「虫」には、昆虫類全般の他、節足動物門の多足類、クモ類、甲殻類等も含まれる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびまたはメタクリレートを意味する。
本明細書において、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
<虫滑落性フィルム>
本発明の虫滑落フィルムは、虫滑落性フィルムからなる。虫滑落性フィルムとは、フィルムの表面を水平方向に対して傾斜させた際、またはフィルムの表面を水平方向に対して垂直にした際に、虫がフィルムの表面から落下する、または虫がフィルムの表面に侵入できなくなる特性を有するフィルムである。
図1は、本発明の虫滑落性フィルムの一例を示す断面図である。虫滑落性フィルム10は、基材フィルム12と、基材フィルム12の表面に形成された、複数の凸部14からなる凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層16とを有する。
(基材フィルム)
基材フィルム12の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ガラス等が挙げられる。基材は、フィルムに限定されず、シート、射出成形品等であってもよい。
(硬化樹脂層)
硬化樹脂層16は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、複数の凸部14からなる凹凸構造を表面に有する。
凹凸構造の形成方法は、特に限定されず、例えば直接成形体に形成する方法、凹凸構造を有するモールドから転写する方法等が挙げられる。転写法の場合、凹凸構造は、後述する陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成されたものであることが好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された凹凸構造は、低コストで形成でき、かつ大面積化が可能である。
凸部14間の平均間隔Pは、虫滑落効果が高くなる点から、10μm以下であり、1000nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して凸部14を形成した場合、細孔間隔を大きくするには電圧を高くする必要があり、工業的には製造しづらくなることから、凸部14間の平均間隔Pは、200nm以下が特に好ましい。
凸部14間の平均間隔Pは、凸部14の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。
凸部14間の平均間隔Pは、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部14間の間隔(凸部14の中心から隣接する凸部14の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部14の高さHは、虫滑落性が高くなる点から、10〜1000nmが好ましく、50〜500nmがより好ましく、110〜300nmが特に好ましい。凸部14の高さHが10nm以上であれば、虫滑落効果が高くなる。凸部14の高さHが500nm以下であれば、凸部14の耐擦傷性が良好となる。
凸部14の高さHは、電子顕微鏡観察によって、凸部14の最頂部と、凸部14間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部14のアスペクト比(H/P)は、虫滑落性が高くなる点から、0.05〜100が好ましく、0.25〜5がより好ましく、0.5〜3が特に好ましい、凸部14のアスペクト比が0.05以上であれば、虫滑落効果が高くなる。凸部14のアスペクト比が5以下であれば、凸部14の耐擦傷性が良好となる。
凸部14の形状としては、略円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。
<虫滑落性フィルムの製造方法>
虫滑落性フィルム10は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
複数の細孔(図示略)を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールド20の表面と、モールド20の回転に同期してモールド20の表面に沿って移動する帯状の基材フィルム12の表面との間に、タンク22から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24を供給する。
モールド20と、空気圧シリンダ26によってニップ圧が調整されたニップロール28との間で、基材フィルム12および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24を、基材フィルム12とモールド20との間に均一に行き渡らせると同時に、モールド20の細孔内に充填する。
モールド20と基材フィルム12との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24が挟まれた状態で、モールド20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置30を用い、基材フィルム12側から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物24を硬化させることによって、モールド20の表面の複数の細孔が転写された、複数の凸部(図示略)からなる凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層16を形成する。
剥離ロール32により、硬化樹脂層16が表面に形成された基材フィルム12を剥離することによって、虫滑落性フィルム10を得る。
活性エネルギー線照射装置30としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フュージョンUV等が好ましい。積算光量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
(モールド)
モールド20は、特に限定されず、リソグラフィ法やレーザー加工によって凹凸構造を設けたモールド、陽極酸化アルミナを表面に有するモールド等が挙げられるが、安価に大面積化することを考えると、陽極酸化アルミナを表面に有するモールドが好ましい。陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、複数の細孔を表面に有する。
陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、例えば、下記工程(a)〜(f)を経て製造できる。細孔の配列の規則性はやや低下するが、工程(a)、(b)を行わず、工程(c)から行ったり、工程(a)のみを行ったり、工程(a)、(b)、(f)を行わず、工程(c)、(d)を行ったりしてもよい。
(a)アルミニウム基材を電解液中、陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)前記工程(d)と工程(e)を繰り返し行う工程。
工程(a):
図3に示すように、アルミニウム基材34を陽極酸化すると、細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等が挙げられる。
工程(b):
図3に示すように、酸化皮膜38を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点40にすることで細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
工程(c):
図3に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材34を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(d):
図3に示すように、細孔36の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
工程(e):
図3に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔36がさらに形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(f):
図3に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔36を有する陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))が形成されたモールド20が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂層16との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シラン化合物をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔36の形状としては、略円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。
細孔36間の平均間隔は、10μm以下であり、1000nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、200nm以下が特に好ましい。細孔36間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。
細孔36の深さは、10〜1000nmが好ましく、50〜500nmがより好ましく、110〜300nmが特に好ましい。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
11 Si(OR12 ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
21O[Si(OR23)(OR24)O]22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
虫滑落性の点からは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物は疎水性であっても親水性であっても効果は得られる。
(疎水性材料)
凹凸構造の表面に、撥水性(具体的には水の接触角が90°以上であること)が求められる場合には、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF−X ・・・(3)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シラン化合物、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(4)の化合物が特に好ましい。
CH=C(R41)C(O)O−(CH−(CF−X ・・・(4)。
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
フッ素含有シラン化合物としては、フルオロアルキル基置換シラン化合物が好ましく、下記式(5)の化合物が特に好ましい。
(R51 SiY ・・・(5)。
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
51は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R51としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Yは、水酸基または加水分解性基を表す。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
52C(O)Oとしては、CHC(O)O、CC(O)O等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体が好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR61− ・・・(6)。
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。R61としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基は、同一のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよい。2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)の配列は、ブロックであってもよく、ランダムであってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、X−22−1602(信越化学工業社製)等のシリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(親水性材料)
凹凸構造の表面に、親水性(具体的には水の接触角が25°以下であること)が求められる場合には、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物、ウレタンアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL220、EBECRYL1290、EBECRYL1290K、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、KRM8200)、ポリエーテルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL81)、変性エポキシアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL3416)、ポリエステルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL450、EBECRYL657、EBECRYL800、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL845、EBECRYL846、EBECRYL1870)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートとしては、アロニックスM−240、アロニックスM260(東亞合成社製)、NKエステルAT−20E、NKエステルATM−35E(新中村化学社製)等の長鎖ポリエチレングリコールを有する多官能アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
単官能モノマーとしては、親水性単官能モノマーが好ましい。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、基材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
単官能モノマーは、1種または2種以上を(共)重合した低重合度の重合体として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に配合してもよい。低重合度の重合体としては、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート類と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートとの40/60共重合オリゴマー(MRCユニテック社製、MGポリマー)等が挙げられる。
(使用方法)
虫滑落性フィルム10は、農業関連の現場で広範に利用されることが予想される。特に、微細な凹凸構造を表面に有するフィルムの有用性として、高い光透過性(特に、光合成に必要な光の波長域をほぼ100%透過する)、Self−cleaning効果、そして虫が付着できないということが示されているので、温室の表面素材として用いられる可能性が高い。また、リボン状のものを作製すれば、各苗木の足元に結ぶだけで、害虫付着防止として用いることが可能である。さらに、貯穀倉庫等の建物または貯穀場所自体をフィルムで覆うことで、貯穀害虫や衛生害虫の侵入を防止することができる。これらは、農薬を用いない害虫制御技術として有用である。
一方、農業害虫だけでなく、文化財保全施設、医療工場、食糧工場、飲食店等の虫の侵入が問題となる施設や、衛生害虫および不快害虫が問題となる一般家屋においても利用され得る。本フィルムは、外壁材や内壁材としても利用価値があり、徘徊性の虫が入らない工場や家を実現することも可能である。また、飛翔性の昆虫を壁に付着させないものとして利用できる。家屋内においては、衣装収納ケースの壁面に用いて、衣装を虫害から守ることができる。ベッドの脚材として用いて、就寝時の虫の徘徊による被害を軽減できる等、衛生害虫の被害を軽減できる。
また、食品、医療薬品等、害虫が侵入するとすべての商品を回収しなくてはならないものに対しての包装材等に用いれば、虫の混入を大幅に軽減できることになり、メーカーの損失を減少させることができる。
虫滑落性フィルム10は、例えば、下記のような具体的用途に使用することができる。
・農業用ハウス、建物等において虫の侵入経路となる場所に、虫滑落性フィルム10を、フィルムの表面を水平方向に対して傾斜またはフィルムの表面を水平方向に対して垂直にした状態で、設置する。
・虫滑落性フィルム10を農業用マルチフィルムそのもの、または他の基材と積層した積層体を農業用マルチフィルムとして用いる。
・虫滑落性フィルム10を袋状にし、包装袋として用いる。
・虫滑落性フィルム10を照明器具カバー材の表面に貼り付ける。
・虫滑落性フィルム10を、屋外に設置された画像表示等の各種表示装置(液晶テレビ等)の表示画面、前面板等の表面に貼り付ける。
・虫滑落性フィルム10を、屋外に設置された自動販売機の商品ディスプレイの保護板の前面板等の表面に貼り付ける。
・捕虫器における虫の入り口に、虫滑落性フィルム10を貼り付け、捕虫器内に誘引された虫が捕虫器の外に逃げ出さないようにする。
・虫滑落性フィルム10を昆虫用飼育ケースの内壁として用いる。
・虫滑落性フィルム10を、コンビニエンスストア等のガラス面や屋外に設置されたショウウィンドウのガラス面に貼り付ける。
・虫滑落性フィルム10を円柱の内側および外側に作り、アリ等の徘徊性害虫の巣穴を中心として設置する。徘徊性害虫は、出巣できず餌を確保できなくなり、巣内の虫を全滅させることができる。
・虫滑落性フィルム10を、研究用プラスチックシャーレの壁材として使用し、徘徊性昆虫の実験時にシャーレの蓋をあけたまま観察等を実施できるようにする。
・虫滑落性フィルム10を透明包装材として作製し、食品のパッケージ、薬品のパッケージ素材として用いる。
(作用効果)
以上説明した虫滑落性フィルム10にあっては、平均間隔が10μm以下の複数の凸部14からなる凹凸構造を表面に有するため、フィルムの表面を水平方向に対して傾斜させた際、またはフィルムの表面を水平方向に対して垂直にした際に、虫(ただし、一部の虫を除く。)がフィルムの表面から落下する、または虫(ただし、一部の虫を除く。)がフィルムの表面に侵入できなくなる。そのため、長期間にわたって虫(ただし、一部の虫を除く。)の侵入や付着を抑えることができ、有効な虫忌避材として用いることができる。
虫滑落性フィルム10が虫滑落効果を発揮するメカニズムの詳細はいまのところ不明であるが、平均間隔が10μm以下という狭いピッチで凸部14が表面に形成されているため、虫とフィルムとの接触面積が小さくなり、虫滑落効果が発揮されるものと考えられる。
(他の形態)
なお、本発明の虫滑落性フィルムは、図示例の虫滑落性フィルム10に限定はされない。
例えば、凹凸構造は、図示例においては、硬化樹脂層16の表面に形成されているが、硬化樹脂層16を設けることなく基材フィルム12の表面に直接形成されていてもよい。ただし、ロール状のモールド20を用いて効率よく凹凸構造を形成できる点から、硬化樹脂層16の表面に凹凸構造が形成されていることが好ましい。
また、凸部の形状は、図示例のような凸部10(突起)に限定されず、一定方向に延びる凸条であっても構わない。
また、虫滑落性フィルムは、上述した製造方法で得られたものに限定はされず、公知の方法(ナノインプリント、切削加工、エッチング、樹脂の相分離、湿式製膜の過程過で結露し整列する水滴の自己組織化を用いる方法等)によって基材フィルムの表面に凹凸構造を形成することによって製造されたものであってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(陽極酸化アルミナの細孔)
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔間の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
(硬化樹脂層の凸部)
硬化樹脂層の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部間の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
(虫の滑落試験)
虫の滑落試験は、図4に示すような、モータ(図示略)に接続して回転自在とされた丸棒42に、板44が固定された試験器具を用いて行った。
表面を水平にした板44の上側表面に虫滑落性フィルム10を、凹凸構造側が上側表面となるように貼着し、虫滑落性フィルム10の上に試験対象の虫を置き、丸棒42をゆっくりと回転させることによって板44を180°反転させた。この際、虫が虫滑落性フィルム10から落下するか否かを観察した。同様の試験を合計で5回繰り返し、虫が虫滑落性フィルム10から落下した回数を計測した。
また、実験用シャーレの内壁に、虫滑落性フィルム10を垂直に貼着し、虫が壁面を登って逃げ出すことができるかを観察した。
(モールドaの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔160nm、深さ250nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの調製)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の45質量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)の45質量部、
ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−1602)の10質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184)の3質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.2質量部
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
(虫滑落性フィルムXの製造)
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを塗布し、この上に厚さ100μmのアクリルフィルム(三菱レイヨン社製、HBK003)を被せた。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cmでフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、円錐台形状の複数の凸部からなる凹凸構造を表面に有する厚さ10μmの硬化樹脂層が表面に形成された虫滑落性フィルムXを得た。
凸部間の平均間隔は160nmであり、凸部の高さは240nmであり、凸部の底部の幅は160nmであった。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bの調製)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の70質量部、
ポリエチレングリコールジアクリレート(東亜合成化学社製、アロニックスM260)の20質量部、
ヒドロキシエチルアクリレートの3質量部、
メチルアクリレートの7質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184)の1.0質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.1質量部
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを得た。
(虫滑落性フィルムYの製造)
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを塗布した以外は、虫滑落性フィルムXと同様にして虫滑落性フィルムYを得た。
凸部間の平均間隔は160nmであり、凸部の高さは240nmであり、凸部の底部の幅は160nmであった。
(モールドbの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔100nm、深さ150nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドbを得た。
モールドbを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
(虫滑落性フィルムxの製造)
モールドbを用いて、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)フィルム(三菱樹脂社製、WE97A)を用い、図2に示す装置を用いた以外は、虫滑落性フィルムXと同様の方法で虫滑落性フィルムxを得た。凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは150nmであり、凸部の底部の幅は100nmであった。
(虫滑落性フィルムyの製造)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、虫滑落性フィルムxと同様の方法で虫滑落性フィルムyを得た。凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは150nmであり、凸部の底部の幅は100nmであった。
〔例1〕
(虫の滑落試験)
虫滑落性フィルムxおよび虫滑落性フィルムy、ならびに凹凸構造を表面に有さない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化物を表面に有するアクリル樹脂フィルムおよび凹凸構造を表面に有さない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bの硬化物を表面に有するアクリル樹脂について、表1に示す虫の滑落試験を行った。結果を表1に示す。ヒロヘリアオイガラとミカンキイロアザミウマでは、虫滑落性フィルムでも他のフィルムでも滑落しなかった。ヒロヘリアオイガラは特殊な接着装置を備えている可能性が高く、またミカンキイロアザミウマはごく微小昆虫であるために、フィルムがもつ静電気によって付着している可能性が高い。これらは特殊な虫で一般的な害虫駆除には影響しない。
Figure 0006312015
〔例2〕
(虫の滑落試験)
虫滑落性フィルムX、虫滑落性フィルムY、プリズムシート1(三菱レイヨン社製、M165HSC1、凸部間の平均間隔は18μm、平均高さ13.3μm)、プリズムシート1の裏側のマット面(PMMA微粒子/アクリル系バインダー樹脂、Ra0.35〜0.5μm、Rz2.0〜3.0μm)、プリズムシート2(三菱レイヨン社製、M168ysc1、凸部間の平均間隔は18μm、平均高さ13.3μm)、プリズムシート3(三菱レイヨン社製、M168ykc3−LN、凸部間の平均間隔は50μm、平均高さ37.1μm)、アンチグレア板(三菱レイヨン社製G7、Sm92μm、Ra0.15μm、Rz0.57μm)について、ユリクビナガハムシの滑落試験を行った。結果を表2に示す。また、垂直面に対して自由登攀できるどうかの実験を行った。プラスチックシャーレの壁材として上記のフィルムを張り、虫を傷つけないように筆の先に虫を乗せてプラスチックシャーレの底に誘導した。コウチュウ目のユビクビナガハムシに加え、ナナホシテントウ、ハチ目のアミメアリ、テラニシシリアゲアリの4種を実験に用いた。これら誘導した昆虫すべてプラスチックシャーレの底を自由に動けるが、壁材として虫滑落性フィルムが張られた部分を登攀できるものはいなかった。また、コントロール実験としてこの壁材の部分を虫滑落性フィルムと同じ素材で凸凹構造のないフィルムで構成し、虫を傷つけないように筆の先に虫を乗せてプラスチックシャーレの底に誘導すると、上記4種の昆虫はそのフィルムを自由に登攀し、シャーレの外に逃げ出すことができた。
これらの結果は、昆虫の脚がもつ接着構造が、虫滑落性フィルムに対してまったく効果を及ぼすことができず、登攀不能であることを表している。昆虫の自重で登攀不能であることは、表1に示した回転装置による落下実験と同じで、垂直面に近い角度に置かれた虫滑落性フィルムは、虫の登攀、内部への侵入等を防ぐことに有効に働くことを示している。多くの昆虫観察した結果、表2と同等の結果が得られた。
Figure 0006312015
本発明の虫滑落性フィルムは、害虫の侵入や付着を防止する害虫忌避材として有用である。
10 虫滑落性フィルム
14 凸部
36 細孔
38 酸化皮膜(陽極酸化アルミナ)
P 平均間隔

Claims (1)

  1. 複数の凸部からなる凹凸構造を少なくとも一方の表面に有し、前記凸部間の平均間隔が、400nm以下である虫滑落フィルムを製造する方法であって、陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して前記複数の凸部からなる凹凸構造を形成する、虫滑落フィルムの製造方法。
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