JP6311499B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents
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Description
しかしながら、コロナ放電の際に流れるコロナ電流の大きさは、漏洩電流の大きさに比べて小さい。そのため、特許文献1のスパークプラグにおいては、絶縁碍子に付着したカーボンを焼失させる十分な効果を得ることができない。
上記中心電極における、上記絶縁碍子の内周面と対向する先端部の外周面には、上記絶縁碍子の内周面との隙間が変化する凹凸が、周方向の複数箇所において繰り返し形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある。
中心電極における先端部の外周面に凹凸が形成されていることにより、中心電極における先端部の外周面と絶縁碍子の内周面との隙間は、周方向の複数箇所において繰り返し変化している。そして、内燃機関の燃焼が行われると、絶縁碍子の外周面及び先端面にカーボンが付着していく。このとき、凹凸における凸部と絶縁碍子の先端面に付着したカーボンの表面との隙間が所定の隙間以下になると、凸部における電界集中により絶縁破壊が発生し、この隙間において漏洩電流が流れる。この漏洩電流は、コロナ電流に比べて、数十〜数百倍の大きさになる。
それ故、上記スパークプラグによれば、中心電極の先端部の外周面における凸部と、凸部に対向する絶縁碍子の先端面との間に漏洩電流を発生させて、絶縁碍子の先端面に付着したカーボンを効果的に焼失させることができる。
(実施例)
本例のスパークプラグ1は、図1、図2に示すように、接地電極21が設けられた筒状のハウジング2と、ハウジング2の内周側に挿通された筒状の絶縁碍子3と、絶縁碍子3の内周側に挿通された中心電極4とを備えている。また、中心電極4の先端と接地電極21の先端とが対向する先端側位置においては、火花放電間隙Sが形成されている。図3、図4に示すように、中心電極4における、絶縁碍子3の内周面303と対向する先端部41の外周面401には、絶縁碍子3の内周面303との隙間Uが変化する凹凸42が、周方向Cの複数箇所において繰り返し形成されている。
スパークプラグ1は、内燃機関としてのエンジンにおいて、スパーク用の高電圧を発生させる点火コイルに接続して用いられる。スパークプラグ1の中心電極4の後端部は、点火コイルの高電圧ターミナルに接続され、スパークプラグ1のハウジング2は、エンジンのシリンダヘッドに接続される。
ハウジング2の先端側部分の外周には、シリンダヘッドのプラグホールの端部に設けられたねじ穴に螺合するおねじ部24が形成されている。接地電極21は、ハウジング2の先端部から突出して、中心電極4の先端に先端側から対向するよう屈曲して形成されている。
絶縁碍子3の先端側碍子部31の外周面301は、先端側に向かうに連れて縮径するテーパ状に形成されている。ハウジング2の先端側部分の内周面201は、中心軸線方向Oに平行に形成されている。ハウジング2の先端側部分の内周面201と、絶縁碍子3の先端側碍子部31の外周面301との隙間は、後端側に向かうに連れて狭くなるよう変化している。中心電極4の先端部41の最先端部は、絶縁碍子3の先端側碍子部31の先端から突出している。
また、中心電極4の先端部41における凹凸42は、図4に示すごとく、凸部421と凹部422とが周方向Cに連続して隣接する形状に形成することができ、図7に示すように、凸部421が円周形状の外周面401から部分的に突出する形状に形成することもできる。
以上の結果より、中心電極4の先端部41における凹凸42の凸部421は、周方向Cに等間隔に、10〜60°の角度間隔θで繰り返し形成することが好ましく、10〜45°の角度間隔θで繰り返し形成することがさらに好ましいことが分かった。
以上の結果より、中心電極4の先端部41における凹凸42の中心軸線方向Oの長さLは、0.25〜2mmとすることが好ましく、1〜2mmとすることがさらに好ましいことが分かった。
本例のスパークプラグ1においては、中心電極4における、絶縁碍子3の内周面303と対向する先端部41の外周面401における周方向Cの複数箇所に、凹凸42が繰り返し形成されている。そして、この凹凸42の形成により、漏洩電流を意図的に発生させて、絶縁碍子3に付着したカーボンXを焼失させるようにしている。
中心電極4における先端部41の外周面401に凹凸42が形成されていることにより、中心電極4における先端部41の外周面401と絶縁碍子3の内周面303との隙間Uは、周方向Cの複数箇所において繰り返し変化している。そして、内燃機関の燃焼が行われると、絶縁碍子3の外周面301及び先端面302にカーボンXが付着していく(図3参照)。このとき、凹凸42における凸部421の先端と絶縁碍子3の先端面302に付着したカーボンXとの隙間が所定の隙間以下になると、凸部421における電界集中により絶縁破壊が発生し、この隙間において漏洩電流が流れる。この漏洩電流は、コロナ電流に比べて、数十〜数百倍の大きさになる。
図4に示したように、中心電極4の先端部41における凸部421が三角形状を有している場合には、凸部421の内周側頂点において漏洩電流が発生し、この凸部421の内周側頂点に対向する部分を起点として、カーボンX(図1参照)を焼失させることができる。
また、図6に示したように、中心電極4の先端部41における凸部421が四角形状を有している場合には、凸部421の周方向Cの両側の角部423において漏洩電流が発生し、この凸部421の周方向Cの両側の角部423に対向する部分を起点として、カーボンXを焼失させることができる。
それ故、本例のスパークプラグ1によれば、中心電極4の先端部41の外周面401における凸部421と、凸部421に対向する絶縁碍子3の先端面302との間に漏洩電流を発生させて、絶縁碍子3の先端面302に付着したカーボンXを効果的に焼失させることができる。
2 ハウジング
21 接地電極
3 絶縁碍子
302 先端面
303 内周面
4 中心電極
41 先端部
42 凹凸
Claims (4)
- 接地電極(21)が設けられた筒状のハウジング(2)と、該ハウジング(2)の内周側に挿通された筒状の絶縁碍子(3)と、該絶縁碍子(3)の内周側に挿通された中心電極(4)とを備え、該中心電極(4)の先端と上記接地電極(21)の先端とが対向する先端側位置において火花放電間隙(S)が形成されたスパークプラグ(1)において、
上記中心電極(4)における、上記絶縁碍子(3)の内周面(303)と対向する先端部(41)の外周面(401)には、上記絶縁碍子(3)の内周面(303)との隙間が変化する凹凸(42)が、周方向(C)の複数箇所において繰り返し形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ(1)。 - 上記凹凸(42)における凸部(421)は、上記中心電極(4)の中心軸線方向(O)から見た形状が、三角形状又は四角形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
- 上記凹凸(42)における凸部(421)は、上記周方向(C)に等間隔に、10〜60°の角度間隔(θ)で繰り返し形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
- 上記絶縁碍子(3)の内周面(303)と対向する位置において、上記凹凸(42)が上記中心軸線方向(O)に形成された長さ(L)は、0.25〜2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ(1)。
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