JP6311353B2 - 超硬工具およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、超硬工具およびその製造方法に関し、より詳しくは、車輪および車軸製品の加工、高合金油井管のビレット加工、ネジの切削加工、高合金特殊管の切削加工等に用いられる超硬工具およびその製造方法に関する。
従来、超硬工具およびその製造方法に関するものとして、例えば、特許文献1および2に開示されたものが存在している。
特開2003−025114号公報(特許文献1)には、タングステンカーバイドを主成分とする基材と、この基材上に形成される保護膜とを備える酸化アルミニウム被覆工具が開示されている。この保護膜は、TiNとTiCNとTiAlCOとからなる下層膜と、下層膜上に形成される酸化アルミニウム被膜と、酸化アルミニウム被膜上に形成されるTiN層とを有する。この酸化アルミニウム被膜は、CVD法により形成される。
特開2003−025114号公報 特開2007−260806号公報
特許文献1および2のように、Alなどの金属酸化膜は、高硬度、高潤滑性、および耐摩耗性に優れる。このため、Alなどの金属酸化膜を備える超硬工具は、工具寿命が長い。しかしながら、この金属酸化膜は、高絶縁性であるため、 高電導性の成膜源を用いるDCスパッタ法やアークイオンプレーティング法といった物理蒸着法(PVD法)を適用しにくいという問題がある。
また、高周波電源を印加させるRFスパッタ法でもAlなどの金属酸化膜を形成することができる。しかしながら、RFスパッタ法でAlなどの金属酸化膜を形成すると、成膜に長時間を要する。このため、数μmの厚さを有する超硬工具の成膜法として、RFスパッタ法は切削工具の量産に適さない。
さらに、化学蒸着法(CVD法)によりAlなどの金属酸化膜を形成することもできる。しかしながら、化学蒸着法で形成する場合、約1,000℃に至る高温の環境が必要となる。このため、基材に与える機械的ストレスや熱収縮による積層界面の不整合が危惧される。
本発明の目的は、工具寿命を短くすることなく、容易に製造可能な超硬工具およびその製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態による超硬工具の製造方法は、超硬合金からなる基材上に、金属窒化物、金属炭化物、および金属炭窒化物からなる群から選択される1種からなる下地膜を形成する工程と、下地膜上に、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種からなる金属膜を形成する工程と、超硬工具の使用中に、大気中かつ高温で金属膜を酸化させて金属酸化膜を生成する工程と、を備える。
この実施の形態によれば、工具寿命を短くすることなく、超硬工具を容易に製造することができる。
本発明の一実施形態による超硬工具は、超硬合金で形成される基材と、基材上に形成され、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物からなる群から選択される1種からなる下地膜と、下地膜上に形成され、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種または2種からなる金属膜と、を備える。
この実施の形態による超硬工具が大気中かつ高温で使用されると、金属膜は酸化され、金属酸化膜が生成される。その結果、工具寿命を短くすることなく、超硬工具を容易に製造することができる。
本発明によれば、工具寿命を短くすることなく、容易に製造可能な超硬工具およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態による超硬工具の構成を示す断面図である。 図1に示される超硬工具を製造するためのアークイオンプレーティング装置を示す概略図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
図1を参照して、超硬工具1は、基材2と、下地膜31と、金属膜32とを備える。
基材2は、超硬合金からなる。より具体的には、基材2は、タングステンカーバイド(WC)を主成分とし、コバルト(Co)を焼結助剤として添加した超硬合金からなる。また、使用目的に応じて、超硬工具の材料特性を向上させるため、炭化チタン(TiC)や炭化タンタル(TaC)などが添加される。
基材2のビッカース硬度は、荷重1kgfで1,800〜2,000であるものが好ましい。また、基材2の表面粗さは、0.50以下のものが好ましい。
下地膜31および金属膜32は、物理蒸着法により形成される。本発明の実施形態では、物理蒸着法として、DCスパッタ法またはアークイオンプレーティング法(AIP法)が適している。
下地膜31は、基材2上に形成される。下地膜31は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物からなる群から選択される1種からなる。より具体的には、金属窒化物としては、TiAlN、TiN、CrN、TiSiN、TiAlCrN、TiAlCrSiNからなる群から選択される1種からなる。金属炭化物としては、TiC、SiCからなる群から選択される1種からなる。金属炭窒化物としては、TiCNからなる。
下地膜31は、好ましくは、2.0〜4.0μmの厚さを有する。下地膜31の厚さが4.0μmよりも厚くなると、過度の剪断応力が工具表面に負荷された場合、超硬基材界面における密着力が強度限界を超え、下地膜31が剥離する。また、下地膜31の厚さが2.0μmよりも薄くなると、切削工具等に供した場合、不可避の摩耗進行に伴い、工具寿命が十分に担保され難くなる。下地膜31の厚さの上限は、好ましくは3.7μm、さらに好ましくは3.5μmである。下地膜31の厚さの下限は、好ましくは2.5μm、さらに好ましくは3.0μmである。
金属膜32は、下地膜31上に形成される。下地膜31上に金属膜32を形成することによって、下地膜31と金属膜32との界面に共有結合が生じやすくなる。このため、後述する超硬工具1を切削工具あるいは摺動工具部品として使用したとき、金属膜32が下地膜31から剥がれにくくなる。金属膜32は、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種からなる。
金属膜32は、好ましくは、0.5〜1.5μmの厚さを有する。金属膜32の厚さが2.0μmよりも厚くなると、後述する超硬工具1を切削工具あるいは摺動工具として使用したときに、金属膜32の酸化が膜全体に及ばず、十分な高硬度が担保できない。また、金属膜32の厚さが0.5μmよりも薄くなると、後述する超硬工具1を切削工具あるいは摺動工具として使用したときに、金属膜32が酸化される前に下地膜31から剥がれやすくなる。金属膜32の厚さの上限は、好ましくは1.5μm、さらに好ましくは1.0μmである。金属膜32の厚さの下限は、好ましくは0.5μm、さらに好ましくは0.8μmである。
[製造方法]
以下、超硬工具1の製造方法の一例を説明する。
基材2として、タングステンカーバイド(WC)を主成分とし、コバルト(Co)を焼結助剤として添加した超硬合金を準備する。
下地膜31および金属膜32は、図2に示すアークイオンプレーティング装置4により形成される。アークイオンプレーティング法は、真空中において、複数の成膜源(ターゲット)をカソード(陰極)とし、カソードとアノード(陽極)との間で真空アーク放電を発生させ、各ターゲット表面から金属材料を蒸発、イオン化させ、負のバイアス電圧を印加した基材2上に金属イオンを堆積させることにより、薄膜を形成する方法である。
図2に示すように、アークイオンプレーティング装置4は、成膜炉401と、バイアス電源402と、アーク電源403a〜403cと、アース404a〜404dと、を備える。
成膜炉401は、複数の成膜源411〜413と、窒素ガスを流入させる流入口441と、炉内の窒素ガスを排気させる排気口442と、を含む。流入口441から流入される窒素ガスは、流量4.0Paで一定である。
基材2は、成膜炉401内に設置され、バイアス電源402と電気的に接続される。また、バイアス電源402は、アース404dと電気的に接続される。
複数の成膜源は、例えば、Alからなる成膜源411と、Tiからなる成膜源412と、Zrからなる成膜源413と、を含む。
成膜源411は、アーク電源403aと電気的に接続される。また、成膜炉401およびアーク電源403aは、アース404aと電気的に接続される。
成膜源412は、アーク電源403bと電気的に接続される。また、成膜炉401およびアーク電源403bは、アース404bと電気的に接続される。
成膜源413は、アーク電源403cと電気的に接続される。また、成膜炉401およびアーク電源403cは、アース404cと電気的に接続される。
まず、基材2上に下地膜31を形成する。具体的には、以下のような工程による。
成膜炉401内を真空にする。次に、成膜源411をカソード、成膜炉401をアノードとし、アーク電源403aおよび403bにより、成膜源411および412と成膜炉401との間に真空アーク放電を発生させる。このとき、成膜源411および412の表面は励起される。すなわち、励起された成膜源411および412の表面から金属材料(例えば、AlおよびTi)が蒸発し、イオン化される。
イオン化された金属材料は、負のバイアス電圧を印加された基材2上に堆積する。このとき、成膜源411および412から励起された金属イオン(例えば、AlイオンおよびTiイオン)と流入口441から成膜炉401内に導入された窒素ガスとが共有結合する。これにより、基材2上に金属窒化膜(例えば、TiAlN)が形成される。
次に、下地膜31上に金属膜32を形成する。具体的には、以下のような工程による。
成膜炉401内を真空にする。次に、成膜源411をカソード、成膜炉401をアノードとし、アーク電源403aにより、成膜源411と成膜炉401との間に真空アーク放電を発生させる。このとき、成膜源411の表面は励起される。すなわち、励起された成膜源411の表面から金属材料(例えば、Al)が蒸発し、イオン化される。イオン化された金属材料は、負のバイアス電圧を印加された下地膜31上に堆積する。これにより、室温で下地膜31上に金属膜32(例えば、Al)が形成される。
以上により、超硬工具1の製造が完了する。
次に、超硬工具1を大気中で切削工具あるいは摺動工具として使用する。より具体的には、超硬工具1を大気中で使用すると、切削時あるいは摺動時の発熱により、下地膜31および金属膜32は450〜800℃以上の高温に達する。このとき、金属膜32は酸化される。その結果、表層に金属酸化膜(例えば、Al)が生成される。
以下、本発明の実施形態による超硬工具1の効果を説明する。
Al、Ti、およびZrは、標準電極電位が比較的小さいため、酸化されやすい。特に、Alは、金属自己拡散係数が高く、大気中における酸素の内向拡散性との相乗効果を奏するため、Alを形成しやすい。さらに、Al、Ti、およびZrは、導電性が高く、物理蒸着法による装置内の金属ターゲットに使用しやすい。
このため、下地膜31上に、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種からなる金属膜32を形成した後に、大気中かつ高温で金属膜32を酸化させることにより、金属酸化膜(Al、TiO、ZrO)を生成させることができる。この金属酸化膜は、高硬度、高潤滑性、および耐摩耗性に優れる。しかも、この超硬工具1は、金属膜32を物理蒸着法により形成できるため、容易に製造することができる。また、成膜に化学蒸着法を用いる必要がないため、基材に与える機械的ストレスや熱収縮による積層界面の不整合を低減することができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態による超硬工具1では、基材2上に下地膜31を形成したが、この実施形態に限らず、基材2に最下層膜を形成し、その最下層膜上に下地膜31を形成してもよい。最下層膜は、好ましくは、金属窒化物、金属炭化物、および金属炭窒化物からなる群から選択される1種からなる。
上記実施形態による超硬工具1では、下地膜31上に、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種からなる金属膜32を形成したが、この実施形態に限らず、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される2種からなる金属膜を形成してもよい。この金属膜としては、AlTi合金、AlZr合金、TiZr合金がある。このときに生成される金属酸化膜は、Al、TiO、およびZrOからなる群から選択される2種からなる。さらに、下地膜31上に、Al、Ti、およびZrの3種からなる金属膜を形成してもよい。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態およびその変形例のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、各実施形態およびその変形例は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
表1に示す化学組成の超硬工具として、試料番号1〜12のサンプルを作製した。試料番号1〜12のサンプルに対し、下地膜および金属膜の機械的強度(ナノ硬度H、ナノヤング率E)および工具性能(切削抵抗、工具寿命)に関する評価試験を行った。
Figure 0006311353
表1を参照して、試料番号1〜6は本発明の実施例であり、試料番号7〜12は比較例である。
試料番号1〜12のサンプルは、タングステンカーバイド(WC)を主成分とし、コバルト(Co)を焼結助剤として添加した超硬合金からなる基材を用いた。この基材は、ビッカース硬度がHv1.0表記で1,960であり、かつ、表面粗さがRa表記で0.30である。
試料番号1〜12のサンプルでは、アークイオンプレーティング法により、基材上に下地膜を形成した。さらに、試料番号1〜10のサンプルでは、アークイオンプレーティング法により、下地膜上に金属膜を形成した。
下地膜および金属膜を形成した後、試料番号1〜12の各々を切削工具として使用した。切削工具として使用したときに、金属膜が酸化されたことを走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)による化学分析手法にて確認した。
[ナノ硬度およびナノヤング率の評価試験]
ナノインデンターを用いて、各試料番号のサンプルにおけるナノ硬度H(単位;GPa)およびナノヤング率E(単位;GPa)を評価した。より具体的には、三角錐の形状を有するダイアモンド製バーコビッチ型の圧子を使用し、連続剛性方式(周波数;45Hz、振幅;2nm)により、圧子を下地膜および金属膜の深さ1.0μmまで押し込む形式とした。測定条件は、室温で、表層の表面から深さ0.5μmの範囲とした。ナノ硬度の判定基準は、H≧30GPaを満たすこととした。ナノヤング率の判定基準は、E≧500GPaを満たすこととした。
[切削抵抗の評価試験]
下地膜および金属膜を形成した後、試料番号1〜12の各々を切削工具として使用し、それぞれの切削抵抗を評価した。切削の際、被削鋼材として、S70C規格相当のフルパーライト鋼材(Hv;230−250,寸法;径80mm×長250mm)を用いた。切削条件は、周速;100m/分,送り;1.0mm/r,切込量;1mm、切削長;20mmとした。この切削条件下で、3方向分力を測定し、合力を計算した。切削抵抗の判定基準は、切削抵抗(合力)≦3000Nを満たすこととした。
[工具寿命の評価試験]
径30mm×厚10mmの円形チップ超硬切削工具を使用し、試料番号1〜12の工具寿命を評価した。切削を繰り返し、切削工具の表面に異常を確認した時点で、工具寿命を判定した。表1の工具寿命は、切削処理を行った回数を示す。工具寿命の判定基準は、工具寿命≧30回を満たすこととした。
[試験結果]
表1に示すように、試料番号1および2のサンプルは、機械的強度および工具性能の判定基準を全て満たした。また、金属膜の表層にAl膜が生成されたことを化学分析手法によって確認できた。切削時の発熱により、金属膜の表層が酸化され、Al膜が生成されたと考えられる。特に、試料番号1および2のサンプルでは、高硬度のAl膜が生成されたため、ナノ硬度およびナノヤング率の値が試料番号3〜6のサンプルよりも高くなった。
試料番号3および4のサンプルについても、機械的強度および工具性能の判定基準を全て満たした。また、金属膜の表層にTiO膜が生成されたことを化学分析手法によって確認できた。切削時の発熱により、金属膜の表層が酸化され、TiO膜が生成されたと考えられる。
試料番号5および6のサンプルについても、機械的強度および工具性能の判定基準を全て満たした。また、金属膜の表層にZrO膜が生成されたことを化学分析手法によって確認できた。切削時の発熱により、金属膜の表層が酸化され、ZrO膜が生成されたと考えられる。
一方、試料番号7および8のサンプルでは、切削工具として使用すると、TiAlN膜およびCr膜が不安定となってしまった。これは、Crの標準電極電位がAl、Ti、およびZrの標準電極電位よりも大きいため、切削時の発熱により、Crが十分に生成されなかったことによると推測される。その結果、試料番号7および8のサンプルについては、いずれの評価試験も実施できなかった。
試料番号9および10のサンプルでは、切削工具として使用したことにより、金属膜の表層にMgO膜が生成されたことを化学分析手法によって確認した。しかしながら、試料番号9および10のサンプルは、ナノ硬度、切削抵抗、および工具寿命について判定基準を満たさなかった。特に、試料番号9および10のサンプルは、本発明の実施例と比較して、切削抵抗が高く、工具寿命が短かった。このため、試料番号9および10のTiAlN膜およびMgO膜は、基材から早期に剥がれてしまった。
試料番号11のサンプルは、基材上にTiAlN膜を形成したが、TiAlN膜上に金属膜を形成しなかった。すなわち、試料番号11のサンプルは、1層のTiAlN膜を有するのみである。このため、試料番号11のサンプルでは、金属酸化物を備える本発明の実施例と比較して、全ての試験結果が劣っていた。その結果、試料番号11のサンプルを切削工具として使用すると、TiAlN膜が早期に摩耗してしまった。
試料番号12のサンプルは、基材上にCrN膜を形成したが、CrN膜上に金属膜を形成しなかった。すなわち、試料番号11のサンプルは、1層のCrN膜を有するのみである。このため、試料番号11のサンプルでは、金属酸化物を備える本発明の実施例と比較して、工具寿命が短かった。その結果、試料番号12のサンプルを切削工具として使用すると、CrN膜が早期に摩耗してしまった。
本発明は、工具寿命を短くすることなく、容易に製造可能な超硬工具およびその製造方法として産業上の利用が可能である。
1:超硬工具
2:基材
31:下地膜
32:金属膜

Claims (2)

  1. 超硬工具の製造方法であって、
    超硬合金からなる基材上に、金属窒化物、金属炭化物、および金属炭窒化物からなる群から選択される1種からなる厚さ2.0〜4.0μmの下地膜を形成する工程と、
    前記下地膜上に、Al、Ti、およびZrからなる群から選択される1種または2種からなる厚さ0.5〜1.5μmの金属膜を形成する工程と、
    前記超硬工具の使用中に、大気中かつ高温で前記金属膜を酸化させて金属酸化膜を生成する工程と、を備える、超硬工具の製造方法。
  2. 請求項1に記載の超硬工具の製造方法であって、
    前記金属酸化膜は、Al、TiO、およびZrOからなる群から選択される1種または2種からなる、超硬工具の製造方法。
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