JP6311318B2 - 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池に関し、特に、シリコン酸化物粒子を用いた非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池に関する。
近年、石油使用量及び温室効果ガスの削減、エネルギー基盤のさらなる多様化及び高効率化の要望に伴い、繰り返し充放電可能な非水電解質二次電池の1つであるリチウム(Li)イオン二次電池に注目が集まっている。
リチウムイオン二次電池は、特に、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、及び燃料電池車への用途展開が見込まれている。電気自動車においては、航続距離の向上が要求されており、今後、リチウムイオン二次電池に対する高エネルギー密度化が一層要求される。
現状のリチウムイオン二次電池の負極の活物質としては、一般的に黒鉛電極が用いられている。黒鉛の理論容量は、372mAh/gである。
これに対し、近年、黒鉛の理論容量を超える活物質として、SiやSn等が注目されている。Siの理論容量は、4200mAh/gである。Snの理論容量は、990mAh/gである。
しかしながら、Siは、黒鉛の約11倍の容量を持っているために、Liの吸蔵放出に伴う体積変化も大きくなる。具体的には、Liの吸蔵により体積が約4倍増加する。
一方、金属酸化物は、上記SiやSnと比較して体積膨張が小さいため、電極内における活物質の孤立を低減することが可能である。しかしながら、金属酸化物は、充放電容量が小さくなってしまうという問題があった。
特許文献1〜4には、金属酸化物粒子を用いた負極において、充放電容量を向上させることの可能な電池が開示されている。
具体的には、特許文献1には、X値が1.00未満であるSiOからなり、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な電極活物質が開示されている。
また、特許文献1には、上記電極活物質を、X値が2未満であるSiOをフッ酸処理することで製造することが開示されている。
特許文献2には、SiO(0<X<0.8)で表示されるシリコン酸化物を含むシリコン酸化物系負極活物質が開示されている。
また、特許文献2には、シラン化合物をリチウム金属と反応させて、シリコン酸化物前駆体を製造するステップと、シリコン酸化物前駆体を不活性雰囲気下で400ないし1300℃の温度範囲で焼成させるステップと、を含むシリコン酸化物系負極活物質の製造方法が開示されている。
特許文献3には、平均粒径(d50)が0.05〜5μmのSi粒子および複数種の炭素質物質を含み、酸素含有量が5重量%以下であるリチウム二次電池用負極材料が開示されている。
特許文献4には、リチウムと合金を形成する金属からなる金属粒子を含有する金属内包炭素粒子を含有する炭素材料であって、リチウムと合金を形成する金属からなる金属粒子は、表面から厚み方向に10nm内側部分における酸素原子の含有量が10重量%以下とされた炭素材料が開示されている。
特開2002−42809号公報 特開2008−198610号公報 特開2008−112710号公報 特開2011−48992号公報
しかしながら、特許文献1において、X値が2に近いSiOを使用して電極活物質を製造する場合、フッ酸処理では、X値を1未満に低下させることが困難であった。
また、特許文献2に開示された方法は、シリコン酸化物粒子自体の合成工程を含むため、市販のシリコン酸化物を加工する場合と比較して、製造工程が煩雑になってしまう。
また、特許文献3,4に記載の方法を用いた場合、製造工程が煩雑になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、簡便な製造方法により、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を向上させることの可能な非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、該非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質、該非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極、及び該非水電解質二次電池用負極を含む非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法は、SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子と還元剤とを混合させた混合物を、不活性ガス雰囲気下であって、かつ600℃以上1500℃未満の温度で焼成することを特徴とする。
本発明によれば、SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子と還元剤とを混合させた混合物を、不活性ガス雰囲気下であって、かつ600℃以上1500℃未満の温度で焼成することで、シリコン酸化物粒子の表面から100nm未満の深さまでの部分を還元して、非水電解質二次電池用負極活物質の表面側の部分(言い換えれば、シリコン酸化物粒子の表面から100nm未満の深さまでの部分)を構成するシリコン酸化物をSiO(0<X<0.8)にすることが可能となる。これにより、非水電解質二次電池用負極活物質の表面側に位置するOの割合を少なくして、黒鉛よりも理論容量値の高いSiの割合を高めることが可能となる。
焼成温度を600℃未満にすると、シリコン酸化物粒子の表面からシリコン酸化物粒子の中心側に向かう方向への還元反応が十分に行うことができないため、シリコン酸化物粒子の表面から100nm未満の深さまでの部分を構成するシリコン酸化物がSiO (0.8≦X)となり、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を十分に向上させることが困難となる。
焼成温度を1500℃以上にすると、例えば、還元剤としてポリイミド系樹脂を用いた場合、炭化したポリイミド系樹脂とシリコン酸化物粒子とが反応して、炭化珪素(SiC)が生成され、該炭化珪素が非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を低下させてしまう。
よって、混合物を焼成させる温度を600℃以上1500℃未満にすることで、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を十分に向上させることができる。
つまり、本発明によれば、従来技術よりも簡便な方法で、充放電容量が向上した非水電解質二次電池用負極活物質を製造することができる。
また、上記本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、前記還元剤として、ポリイミド系樹脂を用いてもよい。
このように、還元剤としてポリイミド系樹脂を用いることで、簡便にシリコン酸化物粒子の表面のみを還元することができる。
また、上記本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、前記シリコン酸化物粒子の平均粒径が、d50(メジアン径)で0.5μm以上10μm未満であってもよい。
シリコン酸化物粒子の平均粒径が、d50(メジアン径)で0.5μm未満であると、非水電解質二次電池用負極活物質全体に対するSiO(0<X<0.8)の割合が高くなってしまう。
これにより、リチウム(Li)を吸蔵した際の非水電解質二次電池用負極活物質の体積膨張が大きくなるため、非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極のサイクル特性が低下してしまう。
また、シリコン酸化物粒子の平均粒径が、d50(メジアン径)で10μm以上であると、非水電解質二次電池用負極活物質全体において、SiO(0.8≦X<2.0)となる部分が多くなりすぎるため、充放電容量を向上させることができない。
よって、シリコン酸化物粒子の平均粒径を、d50(メジアン径)で0.5μm以上10μm未満とすることで、サイクル特性の低下を抑制した上で、充放電容量を向上させることができる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極活物質は、請求項1ないしのうち、いずれか1項記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質であって、前記非水電解質二次電池用負極活物質は、該非水電解質二次電池用負極活物質の表面から100nm未満の深さまでの部分を構成する第1の部分と、前記第1の部分よりも内側に位置する部分を構成する第2の部分と、を有し、前記第1の部分がSiO(0<X<0.8)で構成され、前記第2の部分がSiO(0.8≦X<2.0)で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、簡便な製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質により、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を向上させることができる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極は、請求項記載の前記非水電解質二次電池用負極活物質を含むことを特徴とする。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極の充放電容量を向上させることができる。
また、上記本発明の一態様に係る非水電解質二次電池用負極において、負極集電体と、前記負極集電体上に積層され、前記非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極活物質層と、を有してもよい。
このように、負極集電体と、負極集電体上に積層され、非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極活物質層と、を有するように、非水電解質二次電池用負極を構成してもよい。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る非水電解質二次電池は、請求項または記載の前記非水電解質二次電池用負極と、前記非水電解質二次電池用負極を収容し、該非水電解質二次電池用負極と電気的に接続される負極ケースと、前記負極ケースと対向配置され、かつ側壁が該負極ケースの側壁に囲まれる正極ケースと、絶縁性を有し、前記負極ケースの側壁と前記正極ケースの側壁との間に配置され、前記負極ケース及び前記正極ケースで区画された空間を気密するガスケットと、前記正極ケースに収容され、一面が前記正極ケースと接触する正極と、前記非水電解質二次電池用負極と前記正極との間に配置され、該非水電解質二次電池用負極と該正極とを電気的に絶縁するセパレータと、前記空間に収容された非水電解液と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、簡便な製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極を有することで、非水電解質二次電池用負極の充放電容量を向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池によれば、簡便な製造方法により、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図である。 非水電解質二次電池用負極活物質層を構成する非水電解質二次電池用負極活物質を拡大した模式的な断面図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の非水電解質二次電池用負極活物質、及び非水電解質二次電池の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図である。図1では、非水電解質二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
図1を参照するに、本実施の形態の非水電解質二次電池10は、コイン形リチウム電池であり、負極ケース11と、非水電解質二次電池用負極13と、正極ケース15と、ガスケット16と、正極18と、セパレータ19と、非水電解液22と、を有する。
負極ケース11は、金属製のケースである。負極ケース11は、円形とされ、一面に非水電解質二次電池用負極13が配置される板状の円形部11−1と、該円形部の外周縁から上方に延在する円筒状の側壁部11−2と、を有する。円形部11−1の外面は、負極の端子として機能する。
非水電解質二次電池用負極13は、負極集電体24と、非水電解質二次電池用負極活物質層25と、を有しており、負極ケース11内に収容されている。負極集電体24は、その一面24aが負極ケース11を構成する円形部11−1の内面と接触するように配置されている。
負極集電体24の形状は、円形の板状とされている。負極集電体24の直径は、負極ケース11の内径よりも小さくなるように構成されている。負極集電体24の外周側面と負極ケース11の側壁部11−2との間には、リング状の空間が形成されている。
負極集電体24としては、例えば、銅箔やステンレス(SUS)箔等を用いることができる。負極集電体24の厚さは、例えば、数μm〜数十μmの範囲内で適宜設定することができる。
非水電解質二次電池用負極活物質層25は、負極集電体24の他面24b上に積層配置されている。つまり、非水電解質二次電池用負極13は、円形部11−1の内面上に、負極集電体24と、非水電解質二次電池用負極活物質層25と、が順次積層された構成とされている。
これにより、非水電解質二次電池用負極活物質層25は、負極集電体24を介して、負極ケース11と電気的に接続されている。非水電解質二次電池用負極活物質層25の直径は、負極集電体24の直径と等しい。
非水電解質二次電池用負極活物質層25と側壁11−2との間には、円筒状の空間が形成されている。
図2は、非水電解質二次電池用負極活物質層を構成する非水電解質二次電池用負極活物質を拡大した模式的な断面図である。
図2において、Cは非水電解質二次電池用負極活物質30の中心(言い換えれば、非水電解質二次電池用負極活物質30を構成する(母材となる)シリコン酸化物粒子29の中心)、Dは非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30a(言い換えれば、シリコン酸化物粒子29の表面29a)を基準としたときの第1の部分31の深さ(以下、「深さD」という)をそれぞれ示している。
なお、図2では、第1及び第2の部分31,32がそれぞれどの部分に対応するかを明確にするため、第1の部分31と第2の部分32との間に実線で境界線を示したが、実際の非水電解質二次電池用負極活物質30には、このような明確な境界線は存在しない。
図1及び図2を参照するに、非水電解質二次電池用負極活物質層25は、非水電解質二次電池用負極活物質30を含んだ構成とされている。
図2を参照するに、非水電解質二次電池用負極活物質30は、シリコン酸化物粒子29を母材として製造されており、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30aから100nm未満の深さDまでの部分を構成する第1の部分31と、第1の部分31よりも内側に位置する部分を構成する第2の部分32と、を有する。
第1の部分31を構成するシリコン酸化物は、SiO(0<X<0.8)で構成されている。第1の部分31を構成するシリコン酸化物がSiO(0.8≦X)になると、充放電容量を向上させることが困難となるため、第1の部分31を構成するシリコン酸化物は、SiO(0<X<0.8)である必要がある。
第2の部分32を構成するシリコン酸化物は、SiO(0.8≦X<2.0)で構成されている。第2の部分32を構成するシリコン酸化物がSiO(0<X<0.8)になると、リチウムの吸蔵時において、非水電解質二次電池用負極活物質30が膨張するため、非水電解質二次電池用負極活物質層25のサイクル特性が低下してしまう。
上記説明したように、本実施の形態における非水電解質二次電池用負極活物質30は、SiO(0.8≦X<2.0)で構成された第2の部分32の外側(言い換えれば、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30a側)に、第2の部分32を構成するSiO(0.8≦X<2.0)よりもOの割合の低いSiO(0<X<0.8)よりなる第1の部分31が配置された構成とされている。
非水電解質二次電池用負極活物質30の平均粒径は、例えば、d50(メジアン径)で0.1〜50μmの範囲内で設定することができる。
本実施の形態の非水電解質二次電池用負極活物質によれば、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30aから100nm未満の深さDまでの区間に配置され、かつSiO(0<X<0.8)で構成された第1の部分31と、第1の部分31よりも内側に位置する部分を構成し、かつSiO(0.8≦X<2.0)で構成された第2の部分32と、を有することで、非水電解質二次電池用負極活物質30の第1の部分31において、黒鉛の理論容量値(372mAh/g)よりも高いSi(4200mAh/g)の割合を高めることが可能となる。
これにより、非水電解質二次電池用負極活物質30の充放電容量を向上させることができる。
また、非水電解質二次電池用負極活物質30の大部分を構成する第2の部分32をSiO(0.8≦X<2.0)で構成することで、リチウム吸蔵時における非水電解質二次電池用負極活物質30の体積膨張を抑制することができる。
なお、上記構成とされた非水電解質二次電池用負極活物質30を含む非水電解質二次電池用負極活物質層25を有する非水電解質二次電池用負極13は、非水電解質二次電池用負極活物質30と同様な効果を得ることができる。
図2に示す深さDの値は、以下の方法により取得することができる。始めに、非水電解質二次電池用負極活物質30をエポキシ樹脂で包埋し、次いで、カーボンを蒸着する。次いで、集束イオンビーム(FIB(Focused Ion Beam))により、エポキシ樹脂を介して、カーボンが蒸着された非水電解質二次電池用負極活物質30を切断して、断面観察用のサンプルを取得する。
その後、エネルギー分散形X線分析装置(EDX(Energy Dispersive X−ray))を用いて、該サンプルの切断面の元素分析を行うことで、第1の部分31の深さDを求めることができる。
非水電解質二次電池用負極活物質層25は、上記説明した非水電解質二次電池用負極活物質30の他に、他の活物質を含んでもよい。該他の活物質としては、例えば、人造黒鉛や天然黒鉛といった黒鉛系活物質やLiと合金可能な金属(例えば、Si,Ge,Sn,Pb,Al,Ag,Zn,Hg,Au等)よりなる金属粒子等を用いることができる。
また、非水電解質二次電池用負極活物質層25は、導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラックや天然黒鉛、人造黒鉛、さらには、酸化チタンや酸化ルテニウム等の金属酸化物、金属ファイバー等を用いることができる。
導電助剤としては、例えば、ストラクチャー構造を呈するカーボンブラックが好ましい。さらに、導電助剤としては、ストラクチャー構造を呈するカーボンブラックのうち、ファーネスブラックやケッチェンブラック、アセチレンブラック(AB)がより好ましい。
なお、導電助剤としては、カーボンブラックとその他の導電剤(例えば、カーボンファイバー)とが混合された導電助剤も好ましい。
上記導電助剤の含有量は、活物質の重量に対して、例えば、1重量%以上90重量%未満であることが好ましい。導電助剤の含有量が活物質の重量に対して、1重量%未満であると、導電性が不足して電極抵抗が増加してしまう。
また、導電助剤の含有量が活物質の重量に対して、90重量%以上であると、活物質量が不足してリチウム吸蔵容量が低下してしまう。
ここでの「活物質の重量」とは、活物質が非水電解質二次電池用負極活物質30のみの場合、非水電解質二次電池用負極活物質30の重量のことをいい、活物質が非水電解質二次電池用負極活物質30の他にも含んでいる場合には、非水電解質二次電池用負極活物質層25を構成するすべての活物質の重量のことをいう。
また、非水電解質二次電池用負極活物質層25は、バインダ樹脂を含んでもよい。バインダ樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂や、スチレンブタジエンゴム、或いはポリイミド樹脂等を用いることができる。
リチウムの吸蔵に起因する体積変化が大きい場合には、結着力の強いバインダ樹脂(例えば、ポリイミド樹脂)が好ましい。
上記バインダ樹脂の含有量は、活物質重量に対して、例えば、5重量%以上40重量%未満であることが好ましい。バインダ樹脂の含有量が活物質重量に対して、5重量%未満であると、十分な結着力を得ることができない。バインダ樹脂の含有量が活物質重量に対して、40重量%以上であると、非水電解質二次電池用負極活物質層25の体積あたりの容量が大きく低下してしまう。
図1を参照するに、正極ケース15は、金属製のケースである。正極ケース15は、円形とされ、一面に正極18が配置される板状の円形部15−1と、側壁部15−2と、を有する。
円形部15−1の直径は、負極ケース11の円形部11−1の直径よりも小さくなるように構成されている。円形部15−1は、その内面(正極18が配置される面)が負極ケース11を構成する円形部11−1の内面と対向するように、円形部11−1の上方に配置されている。円形部15−1の外面は、正極の端子として機能する。
側壁部15−2は、円形部15−1の外周縁から下方に延在している。側壁部15−2は、円筒形状とされた壁である。側壁部15−2は、その下端部が負極ケース11の側壁部11−1と対向するように配置されている。側壁部15−2と側壁部11−2との間には、リング状の隙間が形成されている。
上記構成とされた正極ケース15は、ガスケット16を介して、負極ケース11に固定されている。
ガスケット16は、対向配置された側壁部15−2と側壁部11−2との間を充填するように、負極ケース11の側壁11−2の内面に配置されている。ガスケット16は、負極ケース11と正極ケース15とで区画された空間を気密している。ガスケット16は、端子間での短絡防止や電解液の漏出を防止するための部材である。
ガスケット16としては、公知のガスケットを用いることができる。
正極18は、正極ケース15内に収容されている。正極18は、その一面18aが正極ケース15を構成する円形部15−1の内面と接触するように配置されている。
正極18は、Li金属箔や正極活物質層と、正極集電体(図示せず)と、が積層された積層構造とすることができる。
正極活物質層を構成する正極活物質は、リチウムの吸蔵放出が可能なものであればよく、公知のリチウムイオン二次電池用の正極活物質を用いることができる。
具体的は、正極活物質としては、例えば、リチウム−マンガン複合酸化物(例えば、LiMn)、リチウム−ニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO)、リチウム−コバルト複合酸化物(例えば、LiCoO)、リチウム−鉄複合酸化物(例えば、LiFeO)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn0.5)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2)、リチウム−遷移金属リン酸化合物(例えば、LiFePO)、及びリチウム−遷移金属硫酸化合物(例えば、LiFe(SO)等を用いることができる。
なお、正極活物質として、上記活物質を複数混合させて用いてもよい。
正極活物質層は、導電剤やバインダ樹脂を含んでもよい。正極活物質層に含まれる導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等の公知の材料を用いることができる。
正極活物質層に含まれるバインダ樹脂は、正極活物質と導電剤との混合物を集電体へ密着できれば特に限定されない。このようなバインダ樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等を例示することができる。
正極集電体は、正極ケース15と正極活物質層との間に配置することができる。正極集電体は、特に限定されるものではない。正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の公知の材料よりなる集電体を用いることができる。
セパレータ19は、対向配置された正極18と非水電解質二次電池用負極活物質層25(非水電解質二次電池用負極13の構成要素の1つ)との間に形成された隙間に配置されている。これにより、セパレータ19は、非水電解質二次電池用負極活物質層25と正極18とを電気的に絶縁している。
セパレータ19は、正極ケース15内に収容された板状の部材である。セパレータ19の外周縁は、正極ケース15の側壁部15−2の内面に到達している。
セパレータ19としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製の微孔膜、芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜、不織布、無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート等を用いることができる。
非水電解液22は、負極ケース11と正極ケース15とで区画された空間内を充填するように配置されている。非水電解液22は、溶媒(以下、「溶媒A」という)と、電解質(以下、「電解質B」という)と、を有する。
溶媒Aとしては、例えば、低粘度の鎖状炭酸エステル(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の高誘電率の環状炭酸エステル、γ‐ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ビニレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、スルホランのうちのいずれか1つ、或いは、これらを2つ以上混ぜた混合溶媒を用いることができる。
電解質Bとしては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiI、LiAlClのうちのいずれか1つ、或いは、これらを2つ以上混合させた混合物を用いることができる。
また、電解質Bとしては、LiBF、LiPFのうちの1種または2種以上を混合したリチウム塩が好ましい。
本実施の形態の非水電解質二次電池によれば、非水電解質二次電池用負極活物質30を含む非水電解質二次電池用負極活物質層25を有する非水電解質二次電池用負極13を備えることで、非水電解質二次電池用負極13の充放電容量を向上させることができる。
次に、図2を参照して、本実施の形態の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法について説明する。
非水電解質二次電池用負極活物質30は、SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子29と還元剤(以下、「還元剤E」という)とを混合させた混合物(以下、「混合物F」という)を、非酸化性雰囲気下で焼成することで製造する。
ここでの非酸化性雰囲気とは、例えば、アルゴン雰囲気や窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気、や減圧雰囲気等のことを言う。ここでの減圧雰囲気とは、例えば、大気圧より低い圧力101325Pa以下の雰囲気のことをいう。
混合物Fを焼成させる温度は、例えば、600℃以上1500℃未満にするとよい。焼成温度を600℃未満にすると、シリコン酸化物粒子29の表面29aからシリコン酸化物粒子29の中心C側に向かう方向への還元反応が十分に行うことができない。
これにより、シリコン酸化物粒子29の表面29aから100nm未満の深さまでに位置する第1の部分31を構成するシリコン酸化物がSiO(0.8≦X)となるため、非水電解質二次電池用負極活物質の充放電容量を十分に向上させることが困難となる。
また、焼成温度を1500℃以上にすると、例えば、還元剤Eとしてポリイミド系樹脂を用いた場合、炭化したポリイミド系樹脂とシリコン酸化物粒子29とが反応して、炭化珪素(SiC)が生成され、該炭化珪素が非水電解質二次電池用負極活物質30の充放電容量を低下させてしまう。
よって、混合物Fを焼成させる温度を600℃以上1500℃未満にすることで、非水電解質二次電池用負極活物質30の充放電容量を十分に向上させることができる。
混合物Fを焼成させる温度は、例えば、800℃以上1500℃未満がより好ましい。このように、混合物Fを焼成させる温度を800℃以上1500℃未満とすることで、より確実に表面を還元させることができる。
還元剤Eとしては、例えば、ポリイミド系樹脂を用いることができる。このように、還元剤Eとしてポリイミド系樹脂を用いることで、簡便にシリコン酸化物粒子29の表面のみを還元することができる。
上記ポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸構造時のポリイミド等を用いることができる。また、還元剤Eとしては、例えば、ポリアミド樹脂が好適である。
SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子29と還元剤Eとの混合方法は、乾式法、湿式法のどちらも可能であるが、樹脂を溶解させて、シリコン酸化物粒子29の表面を均一にコーティングすることができるため、湿式法がより好適である。
湿式法を用いる場合の溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、アミド系溶媒を用いるとよい。
また、還元剤Eと混合されるシリコン酸化物粒子29の平均粒径は、例えば、d50(メジアン径)で0.5μm以上10μm未満にするとよい。
シリコン酸化物粒子29の平均粒径が、d50(メジアン径)で0.5μm未満であると、非水電解質二次電池用負極活物質30全体に対してSiO(0<X<0.8)となる部分の割合が高くなってしまう。
これにより、リチウム(Li)を吸蔵した際の非水電解質二次電池用負極活物質30の体積膨張が大きくなり、非水電解質二次電池用負極活物質30を含む非水電解質二次電池用負極13のサイクル特性が低下してしまう。
また、シリコン酸化物粒子29の平均粒径が、d50(メジアン径)で10μm以上であると、非水電解質二次電池用負極活物質30全体において、SiO(0.8≦X<2.0)となる部分が多くなりすぎるため、充放電容量を向上させることができない。
よって、シリコン酸化物粒子29の平均粒径を、d50(メジアン径)で0.5μm以上10μm未満とすることで、サイクル特性の低下を抑制した上で、充放電容量を向上させることができる。
本実施の形態の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法によれば、SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子29と還元剤Eとを混合させた混合物Fを、非酸化性雰囲気下で焼成することで、シリコン酸化物粒子29の表面29aから100nm未満の深さまでの部分を簡便な方法で還元して、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30a側に位置する第1の部分31を構成するシリコン酸化物をSiO(0<X<0.8)にすることが可能となる。
これにより、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面30a側に位置するOの割合を少なくして、理論容量を高めることができる。
つまり、従来技術(例えば、特許文献2〜4)よりも簡便な方法で非水電解質二次電池用負極活物質30を製造できると共に、簡便な方法で製造された非水電解質二次電池用負極活物質30の充放電容量を向上させることができる。
なお、非水電解質二次電池用負極活物質層25は、以下の方法で製造することができる。
始めに、上記方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質30と、導電助剤と、バインダ樹脂と、溶媒と、を混合させることで負極用スラリー(以下、「負極用スラリーG」という)を作製する。
このとき、非水電解質二次電池用負極活物質30以外の負極活物質を加えてもよい。また、上記溶媒としては、バインダ樹脂を溶解可能なものであればよいが、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤、或いは水を用いることができる。
次いで、負極用スラリーGを所定の領域に塗布し、その後、乾燥させることで、非水電解質二次電池用負極活物質層25が製造される。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、下記実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<実施例1の非水電解質二次電池用負極活物質の作製、及び第1の部分の深さDの測定>
実施例1では、下記手法により、図2に示す非水電解質二次電池用負極活物質30を作製した。
始めに、日立化成株式会社製のポリアミドイミド樹脂バインダ溶液(20%溶液、HPC−9000−21)4gに、平均粒径がd50(メジアン径)で6.6μmのシリコン酸化物粒子(株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ社製) 13.5gと、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製)30.0gと、を加え、2時間撹拌することで、混合液を作製した。
次いで、該混合液を減圧ろ過して、ポリアミドイミド樹脂とシリコン酸化物粒子の混合物を得た。その後、該混合物をアルゴン雰囲気下で、800℃で15分焼成し、非水電解質二次電池用負極活物質30を得た。
次いで、得られた非水電解質二次電池用負極活物質30をエポキシ樹脂で包埋し、次いで、カーボンを蒸着した。次いで、集束イオンビーム装置により、エポキシ樹脂を介して、カーボンが蒸着された非水電解質二次電池用負極活物質30を切断して、断面観察用のサンプルを取得した。
次いで、日本電子株式会社製のエネルギー分散形X線分析装置(EDX)を用いて、該サンプルの切断面の元素分析を行った。
このとき、非水電解質二次電池用負極活物質30の表面から100nm未満の深さまでの区間(第1の部分31)において、10か所(10ポイント)の元素分析を行った。
その後、OとSiとで100atmic%になるように、算出された定量値からSiOのXの値を求めたところ、X=0.7であった。
<実施例1の非水電解質二次電池用負極の作製>
次いで、ポリアミドイミド樹脂バインダ溶液4.3gをN−メチル−2−ピロリドン11.9gに分散させ、そこにアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製のHS−100(型番))0.88gと、カーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製のVGCF−H(型番))0.88gと、を加えて、卓上ディスパーで撹拌することで混合液を作製した。このときの撹拌時間は、1時間とした。
次いで、上記混合液に、第1の部分31がSiO(0<X<0.8)で構成された非水電解質二次電池用負極活物質30を4.25g加えた後、ディゾルバーを用いて攪拌後、さらにフィルミックス(プライミクス株式会社製)で5分撹拌し、負極用スラリーを得た。
次いで、2.8mg/cmの目付量になるように、負極集電体24となる厚さ12μmの銅箔上に、上記負極スラリーを塗布した。次いで、負極スラリーが塗布された銅箔を800℃の加熱温度で30分間加熱することで、乾燥させた。
次いで、ハンドプレスを用いて、密度が1.0g/cmとなるように、乾燥させた負極スラリーをプレスすることで、銅箔と、銅箔上に配置され、乾燥させた負極スラリーよりなる非水電解質二次電池用負極活物質層25と、を有する非水電解質二次電池用負極13を製造した。
<実施例1のコインセルの作製>
次いで、実施例1で作製した非水電解質二次電池用負極13を用いて、図1に示す構造体と同様な構成とされた2032型コインセルを作製した。
このとき、実施例1の非水電解質二次電池用負極13は、直径15mmの円形に加工して用いた。
正極18としては、直径16mm、厚さ300μmのリチウム箔を用いた。セパレータ19としては、セルガード社製の型番2200を用いた。
非水電解液22としては、体積比でエチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DMC)=3:7となる混合溶液に、LiPFを1mol/Lとなるように加えたものを使用した。
(実施例2)
実施例1で行ったあるアルゴン雰囲気下での焼成条件を異ならせたこと以外は、実施例1と同様な手法により、実施例2のコインセルを作製した。
実施例2では、焼成温度を1000℃、焼成時間を10分として、焼成処理を行った。
(比較例1)
実施例1で行ったあるアルゴン雰囲気下での焼成条件を異ならせたこと以外は、実施例1と同様な手法により、比較例1のコインセルを作製した。
比較例1では、焼成温度を500℃、焼成時間を15分として、焼成処理を行った。
(比較例2)
比較例2では、ポリアミドイミド樹脂バインダ溶液と平均粒径がd50(メジアン径)で6.6μmのシリコン酸化物粒子とを混合させないで、かつ、アルゴン雰囲気下での焼成処理を行わないこと以外は、実施例1と同様な手法により、比較例2のコインセルを作製した。
(比較例3)
比較例3では、ポリアミドイミド樹脂バインダ溶液と平均粒径がd50(メジアン径)で6.6μmのシリコン酸化物粒子とを混合させないで、言い換えれば、ポリアミドイミド樹脂バインダ溶液を用いないこと以外は実施例1と同様な手法により、比較例3のコインセルを作製した。
(実施例1,2のコインセル、及び比較例1〜3のコインセルの充放電評価試験)
次いで、実施例1,2のコインセル、及び比較例1〜3のコインセルを用いて、コインセルの充放電の評価試験を行った。
具体的には、0.05Cの定電流充電及び−0.05Cの定電流放電と、0.1Cの定電流充電及び−0.1Cの定電流放電と、0.2Cの定電流充電及び−0.2Cの定電流放電と、を続けて行った後、0.2Cの定電流充電及び−1.0Cの定電流放電で放電容量の確認とサイクル試験(60サイクル)を行った。また、充放電は、0.01〜1.5Vで行った。
この結果を表1に示す。また、表1には、実施例1,2、及び比較例1〜3の非水電解質二次電池用負極活物質層の製造条件の一部を示す。
表1において、初期放電容量とは、満充電後の初回の放電時の容量のことをいう。
Figure 0006311318
(実施例1,2のコインセル、及び比較例1〜3のコインセルの充放電評価試験結果)
実施例1,2の非水電解質二次電池用負極活物質30の第1の部分31では、SiOのXの値が0.6〜0.7まで低下し、実施例1,2のコインセルでは、焼成処理を実施していない比較例2のコインセルよりも初期放電容量が向上した。
比較例3のコインセルは、比較例2のコインセルよりも初期放電容量が向上したが、焼成後の第1の部分31を構成するSiOのXの値が1.0であり、実施例1,2よりも初期放電容量が低い結果となった。
一方、焼成温度として500℃を用いた比較例1では、焼成後の第1の部分のSiOのXの値が焼成前よりも低下したが、コインセルの初期放電容量は、比較例2と同程度であり、初期放電容量は向上しなかった。
60サイクル後の充放電評価結果から、放電容量の序列は初期放電容量と同様であり、実施例1,2の非水電解質二次電池用負極のサイクル特性は、良好であった。
本発明は、高エネルギー密度が要求される電気自動車等の駆動用蓄電池に適用可能である。
10…非水電解質二次電池、11…負極ケース、11−1,15−1…円形部、11−2,15−2…側壁部、13…非水電解質二次電池用負極、15…正極ケース、16…ガスケット、18…正極、18a,24a一面、19…セパレータ、22…非水電解液、24…負極集電体、24b…他面、25…非水電解質二次電池用負極活物質層、29…シリコン酸化物粒子、29a,30a…表面、30…非水電解質二次電池用負極活物質、31…第1の部分、32…第2の部分、C…中心、D…深さ

Claims (7)

  1. SiO(0.8≦X<2.0)とされたシリコン酸化物粒子と還元剤とを混合させた混合物を、不活性ガス雰囲気下であって、かつ600℃以上1500℃未満の温度で焼成することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  2. 前記還元剤として、ポリイミド系樹脂を用いることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  3. 前記シリコン酸化物粒子の平均粒径が、d50(メジアン径)で0.5μm以上10μm未満であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  4. 請求項1ないしのうち、いずれか1項記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極活物質であって、
    前記非水電解質二次電池用負極活物質は、該非水電解質二次電池用負極活物質の表面から100nm未満の深さまでの部分を構成する第1の部分と、前記第1の部分よりも内側に位置する部分を構成する第2の部分と、
    を有し、
    前記第1の部分がSiO(0<X<0.8)で構成され、
    前記第2の部分がSiO(0.8≦X<2.0)で構成されていることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
  5. 請求項記載の前記非水電解質二次電池用負極活物質を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  6. 負極集電体と、
    前記負極集電体上に積層され、前記非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極活物質層と、
    を有することを特徴とする請求項記載の非水電解質二次電池用負極。
  7. 請求項または記載の前記非水電解質二次電池用負極と、
    前記非水電解質二次電池用負極を収容し、該非水電解質二次電池用負極と電気的に接続される負極ケースと、
    前記負極ケースと対向配置され、かつ側壁が該負極ケースの側壁に囲まれる正極ケースと、
    絶縁性を有し、前記負極ケースの側壁と前記正極ケースの側壁との間に配置され、前記負極ケース及び前記正極ケースで区画された空間を気密するガスケットと、
    前記正極ケースに収容され、一面が前記正極ケースと接触する正極と、
    前記非水電解質二次電池用負極と前記正極との間に配置され、該非水電解質二次電池用負極と該正極とを電気的に絶縁するセパレータと、
    前記空間に収容された非水電解液と、
    を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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