JP6311218B2 - センサ装置、ターゲット応答推定方法、及びセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム - Google Patents
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Description
この他の一つの例を、図7乃至図8に基づいて説明する。
今回の例に基づき、アナログ信号圧縮部106の入力の復調信号が、重み付けし足し込む処理を経て、圧縮信号として出力される過程を数式で表すと下記となる。尚、圧縮信号及び重み付け器61の重み付け係数を、それぞれyl (l=1, …,4) 、wl,i (l=1,…,4、 i=1, …,8)とする。
尚、l1ノルム最小化問題は下記の式で表され、この式を内点法やシンプレックス法(非特許文献3参照)で解く。
この内、特許文献1はレーダ装置に関する発明であり、又、特許文献2は電波到来方向推定装置に関する発明であり、両者は何れも受信信号の方位の推定を意図したものとなっている。
課題1.復調器105での信号対雑音電力比(SNRと呼ぶ)が低い場合、線形計画信号復元部112での信号復元処理で、ターゲット応答の推定精度が悪い。
課題2.線形計画信号復元部12の処理負荷が高い(信号処理に時間がかかる)という不都合がある。
一般に、レーダ等のセンサ装置では、復調器105でのSNR(SN比)は0〔dB 〕以下で、パルス圧縮処理により信号処理利得を得てSNR(SN比)を向上させる。
即ち、従来の圧縮センシングは、l1ノルム最小化問題を解くために線形計画法が用いられ、内点法やシンプレックス法などの繰返し処理を伴う負荷の高いアルゴリズムが使用されることに起因する。この内、内点法,シンプレックス法については、下記の論文にその内容が開示されている。
筆者 N.Karmarkar :刊行物の題名「A new polynomial-time algorithm for linear programming」頁373 −395 、combinatorica 4(発行年月日 1984 年8月)。
本発明は、上述した関連技術の有する不都合を改善することで、復調信号のS/N比が低い状況下においても信号復元でのターゲット応答(応答時間)を確実に推定し得ると共に信号復元の処理負荷の軽減を図ったセンサ装置、ターゲット応答推定方法、及びセンサ装置用ターゲット応答推定プログラムを提供することを、その目的とする。
前記ターゲット応答推定部が、前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮部と、この圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲットの応答時間を推定するMUSIC法信号復元部とを備えている。
更に、このセンサ装置では、上記したMUSIC法信号復元部が、その内容を実行して具体的に当該信号復元を成し得るように構成されている。
このターゲット応答の推定に際しては、前記復調された受信信号を前記ターゲット応答推定部の受信信号圧縮部が圧縮処理すると共に、この圧縮処理された受信信号に対して、前記ターゲット応答推定部のMUSIC法信号復元部がMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定処理する構成とし、
前記ターゲット応答時間の推定処理に際しては、相関行列算出処理部により算出された相関行列に基づいて固有値展開算出処理部が固有値及び固有ベクトルを算出し、この算出された相関行列の固有値と予め設定した閾値とを比較し当該閾値より小さい固有値に対応する固有ベクトルを、雑音固有ベクトル判定処理部が雑音固有ベクトルとして判定し、続いて、この雑音固有ベクトルおよび送受信各信号に係る圧縮信号当に基づいてMUSICスペクトラム算出処理部がMUSICスペクトラムを算出し、
この算出されたMUSICスペクトラムから、ターゲット応答推定部が予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出し、これに基づいて、上記したターゲットからの応答時間を推定するようにする、という構成を採っている。
前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮処理機能、及びこの圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲットからの応答時間を推定するMUSIC法信号復元処理機能、を設け、
これらの各処理機能を具体的に特定すると共にそれらを前記ターゲット応答推定部が備えているコンピュータに実現させるようにする、という構成を採っている。
ここで、前述した図7に開示した関連技術と同一の構成部材については、同一の符号を用いるものとする。
図1において、本発明にかかるセンサ装置1は、任意の送信用信号を生成し出力する信号発生器101と、この送信用信号を変調し送信信号を生成して外部に向けて送信する変調送信部1Aと、前記送信信号の反射波若しくはこれと同等に到来波が入力された場合にこれを捕捉して受信し復調する信号受信復調部1Bと、この復調された受信信号rを所定の圧縮センシング技術を用いて信号処理をし目標物であるターゲットの応答を推定するターゲット応答推定部4とを備えている。
又、信号受信復調部1Bは、外部空間を介して到来する前記到来波を受信する受信素子(アンテナ)104と、この受信した到来波(受信信号)を復調する復調部105とにより構成されている。
この図2において、MUSIC信号復元部8は、アラログ信号圧縮部106及びA/D変換器107を順次介して入力される受信処理された圧縮信号yから相関行列Rを算出し出力する相関行列算出処理部81と、入力される相関行列Rの固有値,固有ベクトル(U,λ)を算出し出力する固有値展開算出処理部82と、予め設定しておいた閾値より小さい固有値に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルUnoise として出力する雑音固有ベクトル判定処理部83とを備えている。
まず、このMUSIC法の技術は、アンテナ素子で受信される測定信号からアンテナアレーに到達した多重の波面のパラメータを決定する実験的且つ理論的な技術である。そして、任意の雑音/干渉環境における任意の位置任意の方向特性(利得,位相,極性)にてアンテナ測定を行い、信号数,電波の到来方向,波形強度及び相関関数,極性,雑音/干渉の強度のについて偏りにない推定を行うことをその内容とする。
かかる内容については、下記の論文にその内容が開示されている。
and signal parameter estimation 」頁 276−280 、IEEE Transactions on Antennas and Propagation :発行年月日 1986 年3月。
この場合、MUSIC(Multiple Signal Classification)法は、上記したように、複数のアンテナ素子から得られる受信信号に基づき算出される相関行列を固有値展開して得られる固有値、固有ベクトルからMUSICスペクトラムを導出し、到来方向を推定する手法である。
次に、上記第1実施形態の構成内容を具体的に説明する。
ここで、上述した信号発生器101、変調器102、送信素子103、受信素子104、復調器105、アナログ信号圧縮部106、及びA/D変換器107までの、ディジタルの圧縮信号ベクトルyを得るまでの処理は、前述した関連技術における動作処理と同一に構成され同一に機能するようになっている。
例えば、ターゲット応答で非ゼロ成分がx1 とx4 であったとした場合、下式のようにa1 とa4 の成分が圧縮信号に含まれる(実際の処理では、ターゲット応答の非ゼロ成分がどこかは分からないが、動作を理解するため、ひとまず記述した)。
まず、前述した相関行列算出処理部81は、A/D変換器107から出力される圧縮信号ベクトルyが入力し、これに基づいて下式の相関行列Rを算出し出力する。
今回の例に基づくと、相関行列Rと固有値λl (l=1,…, 4λ1 > λ2 > λ3 > λ4 )、固有ベクトルul (l=1, …,4) は下記に示す式7の関係がある。
このとき、閾値以上の固有値λ1 とλ2 に対応する固有ベクトルを、信号固有ベクトルUsignalとし、閾値より小さい固有値λ3 とλ4 に対応する固有ベクトルを、雑音固有ベクトルUnoise とすると、下式8として表すことができる。
以上から、ターゲット応答の非ゼロ成分に対応する観測行列Aの列ベクトルa1 , a4 と雑音固有ベクトルは直交関係にあるといえる。
これにより、ターゲットからの応答を推定し特定することができる。
次に、上記第1実施形態におけるセンサ装置の動作(ターゲット応答の推定動作)の基本形な内容を、図3乃至図4を参照して説明する。
まず、A/D変換器107から送り込まれる圧縮信号yに基づいて、相関行列算出処理部81が相関行列を算出し(図4:ステップS201,S202/相関行列算出処理工程)、続いて、この算出された相関行列に基づいて、固有値展開算出処理部82が固有値及び固有ベクトルを算出する(図4:ステップS203/固有値展開算出処理工程)。
まず、前記信号受信復調部1Bが捕捉し受信した受信信号を、アナログ信号圧縮部106が複数のアナログ信号に分配し且つ並列に異なる重み付けをしてそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力する(アナログ信号圧縮工程)。
続いて、このアナログ信号圧縮部106から出力される圧縮信号を、A/D変換器107がデジタル信号に変換する構成とした。
この場合、当該プログラムについては、非一時的な記録媒体、例えばDVD、CD、フラッシュメモリ、などに記録されてもよい。この場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータに読み出され実行される。
MUSIC信号復元部8において、式9の分母の演算処理は、観測行列の列ベクトルと雑音固有ベクトルの相関処理で、雑音固有ベクトルと直交性が高い(無相関である)列ベクトルが選択された場合、分母の値は0に近づき、f i は高いピーク値を得る。ここで、一般に雑音固有ベクトルと信号固有ベクトルには下式の関係がある。
式10を式9に代入すると、分母の演算処理は観測行列の列ベクトルと信号固有ベクトルの相関処理で、信号固有ベクトルと相関が高い列ベクトルが選択された場合、分母の値が0に近づき、f i は高いピーク値を得ることになる。
本第1の実施形態の構成要素の数量は下記のように拡張可能である。
拡張1:受信信号の時間幅は8サンプリング相当の時間間隔としているがNサンプリング(Nは任意の正の整数)に拡張可能である。
拡張2:送信信号の時間幅は3サンプリング相当の時間間隔としているがKサンプリング(Kは任の正の整数でN>Kの関係)に拡張可能である。
拡張3:図2のアナログ信号圧縮部3の構成では、重み付けパターンが4つしかないが、Mパターン(Mは任意の正の整数でN>Mの関係)に拡張可能である。
また、上記第1の実施形態では、下記のように置換してもよい。
置換1:図3に開示した雑音固有ベクトル判定処理部83においては、固有値の大きさから雑音固有ベクトルを判定しているが、目標数がq個(qは任意の正の整数)と推定できる別の手法、例えば、下記論文に開示されたAIC(Akaike Information Crite rion)法、或いは、MDL(Minimum Description Length)法を利用し、固有値が大きい順からq+1個からN個に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルとして出力する構成とすることもできる。
MDL(Minimum Description Length)法の論文/筆者 M.Wax, T.Kailath:刊行物の題名「Detection of signals by information theoretic criteria」頁 387-392、IEEE Radar Conference :発行年月日 1985 年4月
これにより、Unoise よりもUsignalのほうが構成する固有ベクトルが少ない場合、演算処理時間を更に短縮することができる。
更に、本第1の実施形態にあっては、図1に開示した送信素子103と受信素子104とを一体的に装備してもよい。尚、この場合、具体的な動作に際しては送信回路と受信回路とを切り替え接続するアクセレータを装備することが前提である。
次に、本発明にかかるセンサ装置の第2の実施形態を、図5を参照して説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
送信信号がチャープ信号やPN信号等の時間領域で無相関となる信号を用いた場合、復調信号に重み付けし累積和をとる処理は不要とすることが可能となる。これにより、アナログ回路の規模を小さくすることができる。
次に、本発明にかかるセンサ装置の第3の実施形態を、図6を参照して説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
その他の構成およびその動作は前述した第1実施形態と同一となっている。
上記各実施形態の新規な技術的内容をまとめると、以下のようになる。尚、この内容は、本発明の範囲をこれに限定するものでない。
任意の送信用信号を生成し出力する信号発生器と、この送信用信号を変調し送信信号を生成して外部に向けて送信する変調送信部と、前記送信信号の反射波を捕捉し受信し復調する信号受信復調部と、この復調された受信信号を所定の圧縮センシング技術を用いて信号処理をし目標物であるターゲット応答を推定するターゲット応答推定部とを有し、
前記ターゲット応答推定部を、
前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮部と、この圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定するMUSIC法信号復元部とを含む構成としたことを特徴としたセンサ装置。
付記1に記載のセンサ装置において、
前記MUSIC法信号復元部を、
入力される圧縮信号から相関行列を算出する相関行列算出処理部と、算出された相関行列の固有値及び固有ベクトルを算出する固有値展開算出処理部と、予め設定した閾値と比較し当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルとして判定する雑音固有ベクトル判定処理部と、入力される雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号,及び当該圧縮信号生成用重み付け係数からMUSICスペクトラムを算出するMUSICスペクトラム算出処理部と、この算出されたMUSICスペクトラムから予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲット応答時間を推定処理するターゲット応答推定処理部とを含んで構成したことを特徴とするセンサ装置。
付記1に記載のセンサ装置において、
前記受信信号圧縮部を、
前記信号受信復調部で受信し復調した受信信号を複数のアナログ信号に並列に分配した後に異なる重み付けをしてそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力するアナログ信号圧縮部と、このアナログ信号圧縮部から出力される圧縮信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。
付記1に記載のセンサ装置において、
前記受信信号圧縮部を、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号から高周波成分を除去しアナログ信号の帯域を削減するローパスフィルタと、このローパスフィルタを通過した受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。
付記1に記載のセンサ装置において、
前記受信信号圧縮部を、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号をA/D変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換されてなるデジタル受信信号に重み付けしその累積総和を算出し圧縮信号として出力するデジタル信号圧縮部とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。
生成される送信用信号をセンサ装置の変調送信部が変調し外部に向けて送信し(変調送信工程)、この送信した前記送信信号の反射波をセンサ装置の信号受信復調部が捕捉し受信して復調し(信号受信復調工程)、この復調された受信信号をセンサ装置のターゲット応答推定部が所定の信号処理をして目標物であるターゲットからの応答を推定する(ターゲット応答推定工程)ようにし、
前記ターゲット応答時間を推定する工程にあっては、
前記復調された受信信号を、前記ターゲット応答推定部の受信信号圧縮部が圧縮処理し(受信信号圧縮処理工程)、
この圧縮処理された受信信号に対して、前記ターゲット応答推定部のMUSIC法信号復元部がMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定処理するようにしたこと(MUSIC法信号復元工程/応答特定処理工程)を特徴とするターゲット応答推定方法。
付記6に記載のターゲット応答推定方法において、
前記ターゲット応答を推定する工程(MUSIC法信号復元工程/応答推定処理工程)を、
前記A/D変換器から送り込まれる圧縮信号に基づいて、相関行列算出処理部が相関行列を算出し(相関行列算出処理工程)、
算出された相関行列に基づいて、固有値展開算出処理部が固有値及び固有ベクトルを算出し(固有値展開算出処理工程)、
予め設定した閾値と比較し当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを、雑音固有ベクトル判定処理部が雑音固有ベクトルとして判定し(雑音固有ベクトル判定処理工程)、
入力される雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号,及び当該圧縮信号生成用重み付け係数に基づいて、MUSICスペクトラム算出処理部がMUSICスペクトラムを算出し(MUSICスペクトラム算出処理工程)、
この算出されたMUSICスペクトラムから、ターゲット応答推定処理部が予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲット応答時間を推定する(ターゲット応答推定処理工程)構成としたことを特徴とするターゲット応答推定方法。
付記6に記載のターゲット応答推定方法において、
前記受信信号を圧縮処理する工程を、
前記信号受信復調部で受信した受信信号を、アナログ信号圧縮部が複数のアナログ信号に分配し且つ並列に異なる重み付けをしてそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力し(アナログ信号圧縮工程)、
次に、このアナログ信号圧縮部から出力される圧縮信号を、A/D変換器がデジタル信号に変換する構成としたことを特徴とするターゲット応答推定方法。
付記6に記載のターゲット応答推定方法において、
前記受信信号を圧縮処理する工程を、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号から、ローパスフィルタが高周波成分を除去しアナログ信号の帯域を削減し、
次に、このローパスフィルタを通過した受信信号を、A/D変換器がデジタル信号に変換する構成としたことを特徴とするターゲット応答推定方法。
付記6に記載のターゲット応答推定方法において、
前記受信信号を圧縮処理する工程を、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号を、A/D変換器がA/D変換し、
次に、この変換されてなるデジタル受信信号に、デジタル信号圧縮部が重み付けしその累積総和を算出し圧縮信号として出力する構成としたことを特徴とするターゲット応答推定方法。
任意の送信用信号を生成し出力する信号発生器と、この送信用信号を変調し送信信号を生成して外部に向けて送信する変調送信部と、前記送信信号の反射波を捕捉し受信し復調する信号受信復調部と、この復調された受信信号を所定の圧縮センシング技術を用いて信号処理をして目標物であるターゲットからの応答を推定するターゲット応答推定部とを備えて成るセンサ装置にあって、
前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮処理機能、
及びこの圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定するMUSIC法信号復元処理機能、
を設け、これらの各処理機能を前記ターゲット応答推定部が備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
付記11に記載のセンサ装置用ターゲット応答推定プログラムにおいて、
前記MUSIC法信号復元処理機能を、
前記受信信号圧縮処理機能で圧縮処理された圧縮信号から相関行列を算出する相関行列算出処理機能、
この算出された相関行列についてその固有値及び固有ベクトルを算出する固有値展開算出処理機能、
予め設定した閾値と比較し当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルとして判定する雑音固有ベクトル判定処理機能、
入力される前記雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号,及び当該圧縮信号生成用重み付け係数からMUSICスペクトラムを算出するMUSICスペクトラム算出処理機能、
および当該算出されたMUSICスペクトラムから予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲットからの応答時間を推定するターゲット応答推定処理機能、
を設け、これらの各処理機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
付記11に記載のセンサ装置用ターゲット応答推定プログラムにおいて、
前記受信信号圧縮処理機能を、
前記信号受信復調部で受信し復調した受信信号を複数のアナログ信号に並列に分配した後に異なる重み付けをしてそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力するアナログ信号圧縮機能、
およびこのアナログ信号圧縮機能で 処理された圧縮信号をデジタル信号に変換するA/D変換処理機能、により構成し、
これらの各処理機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
付記11に記載のセンサ装置用ターゲット応答推定プログラムにおいて、
前記受信信号圧縮処理機能を、
前記信号受信復調部で受信した受信信号から高周波成分を除去しアナログ信号の帯域を削減するローパスフィルタ機能、
及びこのローパスフィルタ機能により高周波領域が除去され全体的に圧縮された状態の受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換機能、により構成し、
これらの各機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
付記11に記載のセンサ装置用ターゲット応答推定プログラムにおいて、
前記受信信号圧縮処理機能を、
前記信号受信復調部で受信した受信信号をA/D変換するA/D変換処理機能、
及びこのA/D変換されてなるデジタル受信信号に重み付けしその累積総和を算出し圧縮信号として出力するデジタル信号圧縮処理機能、により構成し、
これらの各処理機能を前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
4 ターゲット応答推定部
4A 受信信号圧縮部
8 MUSIC信号復元部
9 ローパスフィルタ
10,107 A/D変換器
11 デジタル信号圧縮部
81 相関行列算出処理部
82 固有値展開算出処理部
83 雑音固有ベクトル判定処理部
84 MUSIC スペクトラム算出処理部
85 ターゲット応答推定処理部
101 信号発生器
102 変調器
103 送信素子
104 受信素子
105 復調器
106 アナログ信号圧縮部
Claims (6)
- 任意の送信用信号を出力する信号発生器と、この出力された送信用信号を変調し送信信号として外部に向けて送信するアンテナを備えた変調送信部と、前記送信信号の反射波をアンテナを介して受信し復調する信号受信復調部と、この復調された受信信号を所定の圧縮センシング技術により信号処理をし目標物であるターゲットからの応答を推定するターゲット応答推定部とを備えたセンサ装置において、
前記ターゲット応答推定部を、前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮部と、この圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定するMUSIC法信号復元部とを含む構成とし、
前記MUSIC法信号復元部を、
前記圧縮処理された受信信号から相関行列を算出する相関行列算出処理部と、算出された相関行列の固有値及び固有ベクトルを算出する固有値展開算出処理部と、
この算出された相関行列の前記固有値と予め設定した閾値とを比較し、当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルとして判定する雑音固有ベクトル判定処理部と、
前記雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号,及び当該圧縮信号生成用重み付け係数からMUSICスペクトラムを算出するMUSICスペクトラム算出処理部と、
この算出されたMUSICスペクトラムから予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲット応答時間を推定処理するターゲット応答時間推定処理部とを備えた構成とし、
前記受信信号圧縮部を、
前記信号受信復調部で受信し復調した受信信号を複数のアナログ信号に並列に分配した後に異なる重み付けをし且つそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力するアナログ信号圧縮部と、このアナログ信号圧縮部から出力される圧縮信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1に記載のセンサ装置において、
前記受信信号圧縮部を、
前記アナログ信号圧縮部と前記A/D変換器とを含む構成に代えて、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号から高周波成分を除去しアナログ信号の帯域を削減するローパスフィルタと、このローパスフィルタを通過した受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1に記載のセンサ装置において、
前記受信信号圧縮部を、
前記アナログ信号圧縮部と前記A/D変換器とを含む構成に代えて、
前記信号受信復調部を介して受信した受信信号をA/D変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換されてなるデジタル受信信号に重み付けをしてその累積総和を算出し圧縮信号として出力するデジタル信号圧縮部とを含む構成としたことを特徴とするセンサ装置。 - 生成される送信用信号をセンサ装置の変調送信部が変調し送信信号としてアンテナを介して外部に向けて送信し、この送信信号の反射波を前記センサ装置の信号受信復調部がアンテナを介して受信して復調し、この復調された受信信号を前記センサ装置のターゲット応答推定部が所定の信号処理をすると共に目標物であるターゲットからの応答(以下、ターゲット応答という)を推定するターゲット応答推定方法であって、
前記ターゲット応答を推定するに際しては、
前記復調された受信信号を、前記ターゲット応答推定部の受信信号圧縮部が圧縮処理し、
この圧縮処理された受信信号に対して、前記ターゲット応答推定部のMUSIC法信号復元部がMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定処理する構成とし、
前記ターゲット応答時間の推定処理に際しては、
前記受信信号圧縮部から送り込まれる圧縮処理された受信信号に基づいて、相関行列算出処理部が相関行列を算出し、
この算出された相関行列に基づいて、固有値展開算出処理部が固有値及び固有ベクトルを算出し、
この算出された相関行列の前記固有値と予め設定した閾値とを比較すると共に、当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを、雑音固有ベクトル判定処理部が雑音固有ベクトルとして判定し、
入力される前記雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号、及び当該圧縮信号生成用重み付け係数に基づいて、MUSICスペクトラム算出処理部が、MUSICスペクトラムを算出し、
この算出されたMUSICスペクトラムから、ターゲット応答時間推定処理部が予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲットからの応答時間を推定する構成としたことを特徴とするターゲット応答推定方法。 - 請求項4に記載のターゲット応答推定方法において、
前記受信信号を圧縮処理するに際しては、
前記信号受信復調部で受信した受信信号を、アナログ信号圧縮部が複数のアナログ信号に分配し且つ並列に異なる重み付けをしてそれぞれ時間領域で累積和をとって圧縮信号として出力し、
次に、このアナログ信号圧縮部から出力される圧縮信号を、A/D変換器がデジタル信号に変換処理するようにしたことを特徴とするターゲット応答推定方法。 - 任意の送信用信号を出力する信号発生器と、この出力された送信用信号を変調し送信信号として外部に向けて送信するアンテナを備えた変調送信部と、前記送信信号の反射波をアンテナを介して受信し復調する信号受信復調部と、この復調された受信信号を所定の圧縮センシング技術を用いて信号処理をして目標物であるターゲットからの応答を推定するターゲット応答推定部とを備えて成るセンサ装置にあって、
前記受信信号を圧縮処理する受信信号圧縮処理機能、およびこの圧縮処理された受信信号に対してMUSIC法に基づいて信号復元を行いターゲット応答時間を推定するMUSIC法信号復元処理機能、を設けると共に、
前記MUSIC法信号復元処理機能を、
前記受信信号圧縮処理機能で圧縮処理された圧縮信号から相関行列を算出する相関行列算出処理機能、
この算出された相関行列についてその固有値及び固有ベクトルを算出する固有値展開算出処理機能、
予め設定した閾値と比較し当該閾値より小さい前記固有値に対応する固有ベクトルを雑音固有ベクトルとして判定する雑音固有ベクトル判定処理機能、
入力される前記雑音固有ベクトル,送信信号,受信信号にかかる圧縮信号,及び当該圧縮信号生成用重み付け係数からMUSICスペクトラムを算出するMUSICスペクトラム算出処理機能、
および当該算出されたMUSICスペクトラムから予め設定した所定の閾値より高いピーク値を抽出してターゲット応答時間を推定するターゲット応答推定処理機能、
を備えた構成とし、
これらの各処理機能を前記ターゲット応答推定部が備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするセンサ装置用ターゲット応答推定プログラム。
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