JP6310660B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載され、熱交換器によって温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
従来から、車両に搭載される車両用空調装置は、送風機によって内気・外気を空気通路を内部に有した空調ケースへと取り込み、冷却手段であるエバポレータにより冷却された空気と、加熱手段であるヒータコアにより加熱された空気とを前記空調ケース内で所望の混合比率で混合した後、前記空調ケースに設けられた複数の吹出口から送風ダクトを通じて車室内へと送風することで前記車室内の温度及び湿度の調整を行っている。
例えば、上述したような車両用空調装置では、特許文献1に開示されるように、送風機を空調ケースの略中央部に配置したフルセンター式の構造を有したものが知られている。この車両用空調装置では、エバポレータ等の収納されたユニットケースと、前記ユニットケースの側部に連結され内外気を選択的に取り込む内外気切替ユニットとを備え、前記内外気切替ユニットの切替用ダンパを駆動させるための駆動用リンクがケーシングの外側に設けられている。そして、乗員が車室内において操作部を操作することで、ケーブルを介して駆動用リンクが作動し、それに伴って、切替用ダンパが回動して内気・外気のいずれか一方を取り込み可能な状態へと切り替えられる。
特開2004−249905号公報
しかしながら、上述した車両用空調装置では、切替用ダンパを駆動させるための駆動用リンクがケーシングの幅方向外側に設けられているため、車両幅方向の中央近傍に設けられた操作部と前記駆動用リンクとの距離が離れてしまい、それに伴って、ケーブルの長さが長くなってしまうと共に、該ケーブルが近接して配置された他の部材と干渉しやすくなるという問題が生じる。また、駆動用リンクがケーシングの幅方向外側に配置されることで、車両用空調装置の幅寸法が大型化してしまう。
さらに、上述したケーブルの他部材との干渉や長さの問題を解決するために、駆動用リンクを内外気切替ユニットにおけるケーシングの内側に設けることが考えられるが、前記ケーシングと対向するユニットケースとの間の空間は、車両用空調装置の幅寸法を抑制するために狭くなっており、前記駆動用リンクを設ける場合に、作業者が空間に手を挿入して該駆動用リンクへケーブルを接続する等の組み付け作業を行うことが難しい。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、車両に搭載する際の自由度を増加させると共に、リンク部材の組付性を向上させることが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、内気・外気を切り替えて取り込む内外気切替ユニットと、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ユニットとを備え、空調ユニットの幅方向略中央に送風機が配置された車両用空調装置において、
内外気切替ユニットと空調ユニットとが車両幅方向に離間して配置されると共に、内外気切替ユニットと空調ユニットとを接続して互いに連通させる通路部を有し、
内外気切替ユニットにおける空調ユニット側に、内外気切替ユニット内に取り込む外気・内気を切り替える切替ダンパを駆動するための第1リンク部材が設けられ
内外気切替ユニットにおける空調ユニットに臨む側面は、空調ユニット側に向かって徐々に縮径し、通路部と連通する傾斜部と、空調ユニットと略平行に形成された平面部とを有し、平面部に第1リンク部材が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、内気・外気を切り替えて取り込む内外気切替ユニットと、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ユニットとを有し、空調ケースの幅方向略中央に送風機の設けられた車両用空調装置において、内外気切替ユニットと空調ユニットとを車両幅方向に離間して配置し、通路部によって互いに接続することで連通させると共に、内外気切替ユニットの空調ユニット側に、外気・内気を切り替える切替ダンパを駆動するための第1リンク部材を設けている。
従って、空調ユニットと内外気切替ユニットとが通路部で接続された状態で、両者の間に空間が形成されているため、空間を利用して作業者が第1リンク部材を内外気切替ユニットに対して容易に組み付けることができる。また、第1リンク部材を内外気切替ユニットの空調ユニット側に配置することで、送風機が内外気切替ユニットに設けられたセミセンター式の車両用空調装置と略同一位置とすることができるため、セミセンター式からフルセンター式の車両用空調装置へと変更する場合にも、第1リンク部材に接続されるケーブルの長さが大きく変わることがなく、容易に対応することが可能となる。その結果、車両用空調装置を車両に搭載する際のレイアウトの自由度を増加させることができる。
さらに、第1リンク部材が傾斜部に対して突出することがなく、車両の幅方向において傾斜部の端部との間に好適に収納されるため、第1リンク部材が回動する際、他の部材に干渉することが防止され常に円滑に作動させることができる。
さらにまた、通路部の長さを、内外気切替ユニットの幅寸法よりも短く設定することにより、車両用空調装置の幅方向への大型化を抑制することができる。
またさらに、切替ダンパに対して車両後方となる位置に送風機を配置すると共に、通路部の延在方向と直交する方向に延在したケーブルを第1リンク部材に接続することにより、内外気切替ユニットと空調ユニットとの間で、通路部に隠れる位置にケーブルを配置できるため、ケーブルが他の部材と干渉してしまうことを好適に防止することができる。
また、空調ユニットと内外気切替ユニットとの間に、空調ユニットを構成し冷風と温風との混合状態を制御するエアミックスダンパを切り替える第2リンク部材と第1リンク部材を設けることにより、例えば、車両用空調装置の組み付け作業を行う際に、作業者が様々な部位で組み付け作業を行う必要がなく、第1及び第2リンク部材を空調ユニットと内外気切替ユニットとの間の空間内で効率的に組み付けることが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、空調ユニットと内外気切替ユニットとが所定間隔離間した状態で通路部によって接続されているため、両者の間の空間を利用して作業者が第1リンク部材を内外気切替ユニットに対して容易に組み付けることができる。また、第1リンク部材を内外気切替ユニットの空調ユニット側に配置することで、送風機が内外気切替ユニットに設けられたセミセンター式の車両用空調装置と略同一位置とすることができ、セミセンター式からフルセンター式の車両用空調装置へと変更する場合にも容易に対応することが可能となるため、車両に搭載する際のレイアウトの自由度を増加させることができる。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の全体正面図である。 図1の車両用空調装置における内外気切替ユニットの外観斜視図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 図1のIV−IV線に沿った断面図である。
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。なお、車両用空調装置10は、図3及び図4に示される左側(矢印A方向)が車両の前方側、すなわち、エンジンルーム側となり、右側(矢印B方向)が該車両の後方側、すなわち、車室内側となるように搭載されるため、以下、矢印A方向を車両前方とし、矢印B方向を車両後方として説明する。
この車両用空調装置10は、図1〜図4に示されるように、空気の各通路12(図4参照)を構成する空調ケース14と、前記空調ケース14の側部に連結され、外気・内気を取り込む内外気切替ユニット16と、前記空調ケース14の内部に配設される送風機18と、前記空気を冷却するエバポレータ20と、該空気を加熱するヒータコア22と、前記各通路12内を流通する空気の流れを切り換えるダンパ機構24とを含む。
空調ケース14は、例えば、略対称形状の第1及び第2分割ケース26、28から構成され、前記第1及び第2分割ケース26、28は車両の幅方向(図1中、矢印C方向)に分割可能に設けられている。この空調ケース14の上方には、乗員の顔近傍に送風を行うベント送風口30と、車両のフロントウィンドウ近傍に送風を行うデフロスタ送風口32とが隣接して開口している。
この空調ケース14の内部には、図4に示されるように、車両用空調装置10を車両に搭載した際に車両後方側(矢印B方向)となる位置に送風機18が収納され、該送風機18の下方にエバポレータ20が収納されると共に、前記エバポレータ20に対して車両前方側(矢印A方向)となる位置にヒータコア22が収納される。
また、第1分割ケース26の側面には、内外気切替ユニット16側(図1中、矢印C1方向)に向かって開口した吸入口34(図3参照)が形成され、前記内外気切替ユニット16が接続されることで該内外気切替ユニット16と前記空調ケース14の内部とが連通している。
一方、空調ケース14の外部には、図1に示されるように、内外気切替ユニット16に臨む第1分割ケース26の側面に、後述するダンパ機構24を駆動するためのアクチュエータ36及びリンク機構38が設けられている。
内外気切替ユニット16は、図1〜図3に示されるように、外気を取り込む外気導入口40及び内気を取り込む内気導入口42を有したケーシング44と、前記外気導入口40と前記内気導入口42の開口状態を切り替える切替ダンパ46と、前記ケーシング44の内部に設けられるフィルタ48とを含む。
ケーシング44は、例えば、車両の幅方向(矢印C方向)に分割可能な第1及び第2分割ケーシング部50、52からなり、前記第1分割ケーシング部50は、その一端部が閉塞され他端部が開口して形成され、その他端部に第2分割ケーシング部52が接続されることで閉塞される。
第2分割ケーシング部52は、開口した一端部が第1分割ケーシング部50に接続され、他端部側には、幅方向(図1中、矢印C方向)と略直交した平面部54と、該平面部54に対して幅方向(矢印C2方向)に膨出して先端に向かって徐々に縮径する傾斜部56と、前記傾斜部56の端部に形成された円筒状の通路部58とを有する。この平面部54は、第2分割ケーシング部52において車両前方側(矢印A方向)に設けられ、傾斜部56及び通路部58は、前記平面部54に対して車両後方側(矢印B方向)に設けられ、前記通路部58は略一定の直径で軸方向に沿った所定長さで形成される。
この通路部58の軸方向に沿った長さL1は、図1に示されるように、第1分割ケーシング部50の側面から第2分割ケーシング部52の平面部54までの幅方向に沿った長さL2に対して短く設定される。
すなわち、第2分割ケーシング部52は、その幅方向に沿った一端部から他端部近傍までが第1分割ケーシング部50と略同一断面形状で形成され、他端部側の一部において縮径している。
そして、通路部58の端部が、空調ケース14の第1分割ケース26の吸入口34に接続されることで、前記通路部58を通じて内外気切替ユニット16におけるケーシング44の内部と空調ケース14の内部とが連通した状態となる。
また、図3に示されるように、ケーシング44の上方には、第1分割ケーシング部50と第2分割ケーシング部52とに跨るように外気導入口40が開口し、車両のエンジンルーム内まで延在した図示しない吸入ダクトが接続される。一方、内気導入口42は、外気導入口40と略直交し、且つ、第1分割ケーシング部50と第2分割ケーシング部52とに跨るように車両前方側(矢印A方向)に開口して形成される。
切替ダンパ46は、例えば、断面扇形状に形成され、その開口端部にダンパシャフト60が挿通され、該ダンパシャフト60は、幅方向に沿って延在し、その両端部がそれぞれ第1及び第2分割ケーシング部50、52に対して回動自在に設けられる。また、ダンパシャフト60は、第2分割ケーシング部52の側面から突出した端部に第1リンクアーム62が接続されている。これにより、第1リンクアーム62とダンパシャフト60を含む切替ダンパ46とが一体的に回転する。この第1リンクアーム62は、第2分割ケーシング部52において平面部54に設けられ、一端部にダンパシャフト60が接続され、他端部側には第1リンクアーム62の長手方向に沿った第1リンク溝64が所定長さで形成される。そして、第1リンク溝64には、第2分割ケーシング部52の側面に回動自在に設けられたリンクプレート(第1リンク部材)66の第1ピン部68が挿入される。
リンクプレート66は、例えば、断面略菱型状に形成され、その略中央部が第2分割ケーシング部52の平面部54に回転自在に支持され、一端部側に第1ピン部68が設けられ、他端部側には第1ピン部68と略平行な第2ピン部70が形成される。なお、第1ピン部68と第2ピン部70とは、車両幅方向(矢印C方向)においてそれぞれ反対方向となるように突出している。
そして、第2ピン部70には、空調ケース14と内外気切替ユニット16との間に挿通されたコントロールケーブル(ケーブル)72の一端部が接続されている。
コントロールケーブル72は、例えば、所定長さを有したワイヤ等からなり、図3に示されるように、一端部から他端部に向かって車両後方側(矢印B方向)へと延在し、ケーシング44の後方に設けられたガイド部(図示せず)によって略直交方向にガイドされた後、図1に示されるように車両幅方向に沿って空調ケース14側(矢印C2方向)へと延在している。そして、コントロールケーブル72の他端部が、車両に搭載された空調操作ユニット74に接続され、該空調操作ユニット74の操作部を乗員が操作することで、コントロールケーブル72が引張又は押し出され、一端部が車両の前後方向(図3中、矢印A、B方向)に移動することでリンクプレート66が中央部を中心として所定角度だけ回動する。これにより、リンクプレート66の回動に伴って、第1リンクアーム62と共に切替ダンパ46が回動し、開口端部とは反対側に形成された壁部によって外気導入口40及び内気導入口42のいずれか一方が選択的に閉塞される。
フィルタ48は、例えば、第1及び第2分割ケーシング部50、52に跨るように下方に開口したフィルタ挿入口から内部へと挿入され、外気導入口40及び内気導入口42に臨む位置に配置される。
送風機18は、例えば、図1及び図4に示されるように、複数のフィンを有した回転ファン76と、該回転ファン76を回転駆動する駆動源78とを有した遠心式ファンである。そして、送風機18は、回転ファン76及び駆動源78の軸線が第1及び第2分割ケース26、28における車両の幅方向(矢印C方向)に延在するように略水平に配置されると共に、第1分割ケース26と第2分割ケース28とに跨るように配置される。また、送風機18は、回転ファン76が内外気切替ユニット16側(矢印C1方向)となり、且つ、吸入口34に臨むように一直線状に設けられる。
すなわち、この車両用空調装置10は、空調ケース14の幅方向略中央に送風機18が設けられたフルセンター式のHVAC(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)である。
そして、図示しないコントローラからの制御信号に基づき駆動源78が回転駆動することで、回転ファン76が一体的に回転し、それに伴って、内外気切替ユニット16における内気導入口42又は外気導入口40から空気が取り込まれ、吸入口34を通じて前記回転ファン76の一端側から中心へと吸い込まれた後、空調ケース14内に形成された通路12へと送出される。
エバポレータ20は、図4に示されるように、例えば、第1分割ケース26及び第2分割ケース28に跨るように送風機18の下方に設けられ、該空調ケース14の高さ方向に対して所定角度だけ傾斜するように配置される。そして、エバポレータ20には、図示しない複数のチューブを通じて冷媒が循環されており、前記チューブの間に設けられたフィンに空気が通過することで、該空気と前記冷媒との熱交換がなされ、冷却された空気がエバポレータ20の下流側へと供給される。
ヒータコア22は、例えば、第1分割ケース26及び第2分割ケース28の内部においてエバポレータ20より車両前方側(矢印A方向)となる下流側に設けられ、該エバポレータ20と同様に、該空調ケース14の高さ方向(矢印D方向)に対して所定角度だけ傾斜し、且つ、略平行に配置される。そして、ヒータコア22には、図示しない複数のチューブを通じて温水が循環されており、前記チューブの間に設けられたフィンに空気が通過することで、該空気と前記温水との熱交換がなされ、加熱された空気がヒータコア22の下流側へと供給される。
ダンパ機構24は、図4に示されるように、エバポレータ20とヒータコア22との間に設けられるエアミックスダンパ80と、ベント送風口30及びデフロスタ送風口32の送風状態を切り替える第1切替ダンパ82と、デフロスタ送風口32及びフット送風口83の送風状態を切り替える第2切替ダンパ84とを有する。
エアミックスダンパ80は、例えば、湾曲したプレート状に形成され、空調ケース14の幅方向(矢印C方向)に沿って設けられ、その両側部が前記空調ケース14の内壁面に設けられたガイド手段(図示せず)に沿って案内される。そして、エアミックスダンパ80の内壁面には、該エアミックスダンパ80のスライド方向に沿ってラックギア86が設けられ、空調ケース14に軸支されたシャフト88のピニオンギア90が噛合される。
このシャフト88は、第1分割ケース26の側面に対して外部へと突出し、該側面の外側に設けられリンク機構38を構成する第2リンクアーム(第2リンク部材)92に係合される(図1参照)。この第2リンクアーム92は、第1分割ケース26に対して回動自在に設けられ、アクチュエータ36の駆動作用下に回転することで、シャフト88が所定角度だけ回動し、それに伴って、エアミックスダンパ80がガイド手段に沿ってスライド変位する。そして、空調ケース14内においてエアミックスダンパ80が移動することで、エバポレータ20によって冷却された空気(冷風)と、ヒータコア22によって加熱された空気(温風)との混合比率を調整して下流側へと送風する。
第1切替ダンパ82は、ベント送風口30とデフロスタ送風口32との間に設けられ、その軸部94が第1分割ケース26の側壁と第2分割ケース28の側壁にそれぞれ回動自在に支持される。そして、第1切替ダンパ82は、図示しないアクチュエータの駆動作用下に軸部94を中心として所定角度だけ回動することで、エバポレータ20の下流側とベント送風口30及びデフロスタ送風口32との連通状態を切り替えている。
第2切替ダンパ84は、断面扇形状に形成され軸部96が第1分割ケース26の側壁と第2分割ケース28の側壁に対してそれぞれ軸支され、図示しないアクチュエータの駆動作用下に前記軸部96を中心として所定角度だけ回動することで、フット送風口83の連通状態を切り替えている。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、図示しない乗員が、車両用空調装置10の搭載された車両の車室内に配置された空調操作ユニット74の操作レバーを操作することで、該操作レバーの操作に応じてアクチュエータ36が駆動し、それに伴って、第2リンクアーム92を介してシャフト88が所定角度だけ回転することで、エアミックスダンパ80が図示しないガイド手段による案内作用下に車両前方側又は後方側へと所定距離だけスライド変位する。
また、車室内に送風される空気を、内気又は外気のいずれか一方に選択する場合には、空調操作ユニット74において、上述した操作レバーとは別の操作レバーを操作することで、コントロールケーブル72が引張又は押し出され、その一端部に接続されたリンクプレート66が回動することで第1リンクアーム62を介して切替ダンパ46が回動し、外気導入口40及び内気導入口42のいずれか一方が開口した状態となる。
同時に、図示しないコントローラからの制御信号に基づき、送風機18の駆動源78が回転駆動し回転ファン76が回転する。これにより、図3に示される内外気切替ユニット16の内気導入口42又は外気導入口40のいずれか一方を通じて空気がケーシング44内へと吸い込まれ、フィルタ48を通過して塵埃等が除去された後に、吸入口34を通じて第1及び第2分割ケース26、28へと取り込まれ、回転ファン76の一端側から中心に吸い込まれて外周側へと送出される。
この送風機18から送出された空気は、図4に示されるように、下流に形成された通路12を通じて下方へと流通し、エバポレータ20を通過することで冷却された後、ヒータコア22を通過した空気と混合されることで所望の温度へと調温され、ベント送風口30又はデフロスタ送風口32を通じて車室内へと送風される。
以上のように、本実施の形態では、空調ケース14の幅方向略中央に送風機18の設けられたフルセンター式の車両用空調装置10において、前記空調ケース14と内外気切替ユニット16とを車両の幅方向(矢印C方向)に所定間隔離間して配置し、該内外気切替ユニット16の第2分割ケーシング部52と前記空調ケース14の第1分割ケース26とを通路部58で互いに接続している。そして、空調ケース14と内外気切替ユニット16との間に形成された空間S(図1参照)に臨むように、内外気切替ユニット16の切替ダンパ46を駆動させる第1リンクアーム62、リンクプレート66を設けている。
従って、空調ケース14と内外気切替ユニット16とが通路部58を介して連結された状態で、前記内外気切替ユニット16に装着されたリンクプレート66にコントロールケーブル72を接続する際、空間Sに作業者が好適に手を挿入して組み付け作業を行うことが可能となる。
また、例えば、車両用空調装置の搭載される同一の車種において、送風機が内外気切替ユニット側に設けられたセミセンター式の車両用空調装置を、上述したフルセンター式の車両用空調装置10へと変更する場合でも、共に内外気切替ユニット16のリンクプレート66が幅方向内側に設けられているため、コントロールケーブル72の長さが略同一となり、該コントロールケーブル72を共用して容易に車両用空調装置の変更に対応することができる。
また、内外気切替ユニット16における他端部には、空調ケース14側(矢印C2方向)に向かって徐々に縮径する傾斜部56と、前記空調ユニットと略平行な平面部54とを有し、前記平面部54に第1リンクアーム62及びリンクプレート66を設けることにより、幅方向において前記傾斜部56の端部から空調ケース14側へと第1リンクアーム62等が突出してしまうことがなく好適に収納されるため、前記第1リンクアーム62及びリンクプレート66が回動する際に他の部材に干渉することが防止され、常に円滑に作動させることが可能となる。
さらに、内外気切替ユニット16と空調ケース14との間に設けられる通路部58の長さL1を、前記内外気切替ユニット16の幅方向(矢印C方向)に沿った長さL2より短く形成しているため、車両用空調装置10が幅方向(矢印C方向)に大型化してしまうことが抑制される。
さらにまた、内外気切替ユニット16において、切替ダンパ46に対して車両後方側に通路部58を設け、前記通路部58の延在方向(矢印C方向)に対して直交する方向(矢印A、B方向)に延在するようにコントロールケーブル72を設けることで、前記内外気切替ユニット16と前記空調ケース14との間で、前記通路部58に隠れる位置に前記コントロールケーブル72を配置できるため、他の部材との干渉が好適に回避される。
またさらに、内外気切替ユニット16と空調ケース14との間に設けられた空間S内に、前記切替ダンパ46を駆動させる第1リンクアーム62、リンクプレート66を設けると共に、エアミックスダンパ80を駆動させる第2リンクアーム92、アクチュエータ36等を配置することにより、例えば、車両用空調装置10の組み付け時に作業者が様々な部位で組み付け作業を行う必要がなく、同一の空間S内で効率的に作業を行うことが可能となる。
また、従来技術に係る車両用空調装置のように、内外気切替ユニットの外側までコントロールケーブルが取り回されている場合と比較し、該内外気切替ユニット16の内側にリンクプレート66を配置することで、コントロールケーブル72の長さが短くて済むため、製造コストの削減を図ることが可能となる。
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両用空調装置 14…空調ケース
16…内外気切替ユニット 18…送風機
20…エバポレータ 22…ヒータコア
24…ダンパ機構 26…第1分割ケース
28…第2分割ケース 44…ケーシング
46…切替ダンパ 50…第1分割ケーシング部
52…第2分割ケーシング部 54…平面部
56…傾斜部 58…通路部
60…ダンパシャフト 62…第1リンクアーム
66…リンクプレート 72…コントロールケーブル
74…空調操作ユニット 92…第2リンクアーム

Claims (4)

  1. 内気・外気を切り替えて取り込む内外気切替ユニットと、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ユニットとを備え、前記空調ユニットの幅方向略中央に送風機が配置された車両用空調装置において、
    前記内外気切替ユニットと前記空調ユニットとが車両幅方向に離間して配置されると共に、該内外気切替ユニットと前記空調ユニットとを接続して互いに連通させる通路部を有し、
    前記内外気切替ユニットにおける前記空調ユニット側に、該内外気切替ユニット内に取り込む外気・内気を切り替える切替ダンパを駆動するための第1リンク部材が設けられ
    前記内外気切替ユニットにおける前記空調ユニットに臨む側面は、該空調ユニット側に向かって徐々に縮径し、前記通路部と連通する傾斜部と、前記空調ユニットと略平行に形成された平面部とを有し、前記平面部に前記第1リンク部材が設けられることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1記載の車両用空調装置において、
    前記通路部の長さは、前記内外気切替ユニットの幅寸法よりも短く設定されることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用空調装置において、
    前記切替ダンパに対して車両後方となる位置に前記送風機が配置されると共に、前記通路部の延在方向と直交する方向に延在したケーブルが前記第1リンク部材に接続されることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    前記空調ユニットと前記内外気切替ユニットとの間に、該空調ユニットを構成し冷風と温風との混合状態を制御するエアミックスダンパを切り替える第2リンク部材及び前記第1リンク部材が設けられることを特徴とする車両用空調装置。
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