JP6310626B1 - 耐擦過摩耗性及び耐スナッグ性に優れた伸縮性織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、耐スナッグ性及び耐擦過摩耗性に優れ、高引裂強力及び柔らかな風合を有する織物を提供することにある。【解決手段】本発明に係る織物は、経方向及び緯方向が、それぞれ、総繊度が50〜800dtexである柄糸と総繊度が50〜800dtexである地糸を有する織物であって、経方向及び緯方向の少なくとも一方の柄糸が、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維及び総繊度33〜156dtexの弾性繊維を含有し、且つ、前記高強力繊維の含有率が70〜95%である高強力糸であり、経方向及び緯方向のうち、前記高強力糸が含まれる方向と同一方向の地糸は、合成繊維及び弾性繊維を含む伸縮性合繊糸であり、下記(i)〜(iii)を満たす。(i)高強力繊維のカバリング係数が10000〜21000である。(ii)(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比が0.4〜2.0である。(iii)(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比が0.8〜4.0である。【選択図】図3

Description

本発明は、耐擦過摩耗性及び耐スナッグ性に優れた伸縮性織物に関する。
快適なスポーツウェアやアウトドアウェアには、高引裂強力、耐擦過性、軽量性、伸縮性等が求められる。一般に、伸縮性と高引裂強力を備える織物には、芯糸に弾性糸、鞘糸にポリアミド繊維のようなマルチフィラメント糸をカバリングした複合糸が使用される。
例えば、特許文献1には、こうした弾性糸とマルチフィラメント糸との複合糸を改良した発明として、芯糸に弾性繊維を用い、鞘糸に耐熱高機能フィラメント糸を用いてなる被覆糸で構成されていることを特徴とする伸縮性及び機械的強度に優れた防護衣料が開示されている。
また特許文献2には、芯糸にスパンデックス繊維、鞘糸に合成繊維を用いた撚係数6500から12000のシングルカバリング糸をタテ糸およびヨコ糸に用いた織物において、タテおよびヨコ方向の伸長率がそれぞれ50%以上であることを特徴とする高伸度のストレッチ織物が開示されている。
特開2003−193314号公報 特開2010−138496号公報
昨今では、スポーツウェアやアウトドアウェア用の織物に対し、高伸縮性や高引裂強力だけでなく、擦過に対する高い耐性が求められるようになってきた。しかしながら、特許文献1〜2に示される生地では、伸縮性は良好なものの、耐スナッグ性が不十分であった。また、例えば、岩のような鋭利な物体との間で強い擦過が生じた場合に、特許文献1〜2の生地は容易に破壊されてしまうため、耐擦過摩耗性は到底満足できるものではなかった。
こうした状況下、本発明の課題は、耐スナッグ性及び耐擦過摩耗性に優れ、高引裂強力及び柔らかな風合を有する織物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、(i)高強力繊維のカバリング係数、(ii)(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比、及び(iii)(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比を、それぞれ適切にコントロールすることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明に係る織物は、以下の点に要旨を有する。
[1] 経方向及び緯方向が、それぞれ、総繊度が50〜800dtexである柄糸と総繊度が50〜800dtexである地糸を有する織物であって、
経方向及び緯方向の少なくとも一方の柄糸が、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維及び総繊度33〜156dtexの弾性繊維を含有し、且つ、前記高強力繊維の含有率が70〜95%である高強力糸であり、
経方向及び緯方向のうち、前記高強力糸が含まれる方向と同一方向の地糸は、合成繊維及び弾性繊維を含む伸縮性合繊糸であり、
下記(i)〜(iii)を満たす織物。
(i)高強力繊維のカバリング係数が10000〜21000である。
(ii)(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比が0.4〜2.0である。
(iii)(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比が0.8〜4.0である。
[2] 前記高強力糸が、前記弾性繊維を芯部とし、前記高強力繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸である[1]に記載の織物。
[3] 前記高強力繊維が撚糸である[2]に記載の織物。
[4] 前記高強力繊維の撚係数が1000〜8000である[3]に記載の織物。
[5] 前記高強力繊維の撚方向と、前記カバリング糸における高強力繊維のカバリング方向が同じである[3]または[4]に記載の織物。
[6] 前記高強力繊維がポリエチレン繊維である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の織物。
[7] 前記伸縮性合繊糸が、前記弾性繊維を芯部とし、前記合成繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸または前記合成繊維と前記弾性繊維をエア交絡した後に施撚した複合糸である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の織物。
[8] 前記合成繊維がナイロン6繊維またはナイロン66繊維である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の織物。
[9] 前記合成繊維が、捲縮糸である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の織物。
[10] 格子状織柄のサイズが、経方向及び緯方向それぞれにおいて、10mm以下である[1]〜[9]のいずれか1項に記載の織物。
[11] JIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級が4級以上であり、
JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力が40〜150Nであり、
JIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率が12〜60%である[1]〜[10]のいずれか1項に記載の織物。
[12] 耐擦過摩耗性が3級以上である[1]〜[11]のいずれか1項に記載の織物。
[13] [1]〜[12]のいずれか1項に記載の織物を含む繊維製品。
本発明によれば、耐スナッグ性及び耐擦過摩耗性に優れ、高引裂強力及び柔らかな風合を有する織物が提供される。
カバリング係数が不適切な高強力糸の緊張状態を示す写真である。 カバリング係数が不適切な高強力糸の弛緩状態を示す写真である。 図1−1に示す糸を使用した織物の耐スナッグ性評価後の写真である。 図1−1に示す糸を使用した織物の耐擦過摩耗性評価後の写真である。 カバリング係数が適切な高強力糸の緊張状態を示す写真である。 カバリング係数が適切な高強力糸の弛緩状態を示す写真である。 格子状織柄のサイズを示す説明図である。 実施例8で採用したドビー織の組織図である。 ループ状欠点の説明図である。
本発明に係る織物は、経方向及び緯方向が、それぞれ、総繊度が50〜800dtexである柄糸と総繊度が50〜800dtexである地糸を有する織物であって、
経方向及び緯方向の少なくとも一方の柄糸が、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維及び総繊度33〜156dtexの弾性繊維を含有し、且つ、前記高強力繊維の含有率が70〜95%である高強力糸であり、
経方向及び緯方向のうち、前記高強力糸が含まれる方向と同一方向の地糸は、合成繊維及び弾性繊維を含む伸縮性合繊糸であり、
下記(i)〜(iii)を満たす点に特徴を有する。
(i)高強力繊維のカバリング係数が10000〜21000である。
(ii)(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比が0.4〜2.0である。
(iii)(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比が0.8〜4.0である。
要件(i)に関し、本明細書において、高強力繊維のカバリング係数とは、前記高強力繊維の巻き回数(カバリング数)と、前記高強力繊維の総繊度から導かれる、前記弾性繊維に対する被覆の度合いを客観的に評価する指標である。柄糸として使用される高強力糸は、伸縮性が悪い高強力繊維と、伸縮性に優れた弾性繊維を含む。そのため、カバリング係数が不足すると、高強力糸を、図1−1に示す緊張状態から、力を解放して図1−2に示す弛緩状態にすると、伸縮性が良好な弾性繊維に高強力繊維が十分に追従できず、弾性繊維と高強力繊維が分離してしまい、高強力繊維の拘束が解かれていた。このような糸を使用して織物を作成すると、拘束が解かれた高強力繊維が切れやすく、毛羽立ちの問題を生じていた(図1−3、図1−4参照)。
そこで本発明では、高強力繊維のカバリング係数を従来よりも高くすることで、前記問題を解決するに至った。図2−1及び図2−2に示すように、カバリング係数が適切であれば、弛緩状態であっても高強力繊維の拘束が保たれ、擦過が抑制される。前記カバリング係数の具体的な求め方は実施例の欄に詳述するが、高強力繊維のカバリング係数は、10000〜21000であり、より好ましくは11000〜20500、更に好ましくは11500〜20000である。カバリング係数が前記範囲を下回ると、擦過で毛羽立ちが発生しやすく、織物の耐擦過摩耗性・耐スナッグ性(以下、これらの特性を単に「耐擦過性」と称する場合がある)の悪化に繋がる虞がある。一方、カバリング係数が前記範囲を上回ると、弾性繊維への拘束力が強過ぎて高強力糸が棒状になり、伸縮性を有する製品を提供し難くなるため好ましくない。また上限を上回ると、拘束力が強過ぎて高強力糸が細くなる傾向にある。そのため、織物が粗い密度となり透けやすくなったり、透けを抑制するために生機密度を上げると織物の風合が硬くなったり、伸縮性が悪くなったりする虞がある。
要件(ii)に関し、織物中、(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比は0.4〜2.0であり、より好ましくは0.5〜1.5であり、更に好ましくは0.6〜1.2である。織物をできるだけ平坦にし、摩擦抵抗の少ない構造にすることが耐擦過性等の観点からは望ましい。そのため、繊度比が上限を上回ると、柄糸が太すぎて柄糸に摩擦力が集中するため、柄糸の損傷により毛羽立ちしやすい織物となるため好ましくない。また繊度比が下限を下回ると、地糸が太すぎて目付の重い織物となるか、細い柄糸を使用しているため高価な織物となっている可能性があり、好ましくない。
要件(iii)に関し、(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比は0.8〜4.0であり、より好ましくは1.0〜3.5であり、更に好ましくは1.5〜3.0である。高強力糸中、高強力繊維のカバリング係数が従来に比して増えたことにより、弾性繊維の拘束力が高まり弾性繊維の伸縮性が低下した。しかしながら、柄糸中の弾性繊維の総繊度をやや太めにしておくことで上記課題を解決することが可能となった。繊度比が下限を下回ると、高強力糸の伸縮性が悪化し、柄糸が織物表面に浮き出て擦過され易くなるため好ましくない。また上限を超えると、高強力糸と伸縮性合繊糸の繊度比が大きくなり、凹凸の大きな織物に仕上がるため、要件(ii)の観点から耐擦過性が悪化する虞があるため好ましくない。
なお(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比は、経方向に含まれる高強力糸と伸縮性合繊糸、或いは、緯方向に含まれる高強力糸と伸縮性合繊糸を用いて算出することとする。
以下、各構成について詳述する。
1.柄糸
本明細書において「柄糸」とは、より具体的には、地糸よりも織物における占有面積が低い糸であって、経方向及び緯方向のそれぞれの地糸に一定間隔ごとに打ち込まれる織柄を強調する糸をいう。本発明では特に、引裂強力に優れた織物を提供する目的から、高強力繊維が使用される。しかしながら、前記高強力繊維は難染色性であるため、織物の均一な染色が難しい。そこで本発明ではこの特性を利用して、前記柄糸は高強力繊維を含むことが望ましい。柄糸が高強力繊維を含んでいれば、織物を染色した後も柄糸だけ染まらず、織柄を強調することができるためである。経及び緯方向で、柄糸を地糸に一定間隔ごとに打ち込むことにより、織物には格子状織柄が形成される。
柄糸の総繊度は、50〜800dtex、より好ましくは80〜600dtex、更に好ましくは100〜500dtexである。前記範囲内であれば、軽量で生産性の良い織物が得られる。なお本明細書において、総繊度の評価に際しては、撚り縮み率は含まれないこととする。
<高強力糸>
本発明において、経方向及び緯方向の少なくとも一方の柄糸は、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維及び総繊度33〜156dtexの弾性繊維を含有し、且つ、前記高強力繊維の含有率が70〜95%である高強力糸である。前記高強力糸は、伸縮性を出したい方向を考慮して、織物の経方向、緯方向、または経方向及び緯方向の両方に含まれる。
高強力繊維の引張強度は、好ましくは13cN/dtex以上、より好ましくは16cN/dtex以上、更に好ましくは20cN/dtex以上であり、好ましくは40cN/dtex以下、より好ましくは38cN/dtex以下、更に好ましくは35cN/dtex以下である。引張強度が前記範囲に満たないと、織物の引裂強力が低下するため好ましくない。高強力繊維の引張強度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
高強力繊維としては、東洋紡社製「イザナス(登録商標)」、「ツヌーガ(登録商標)」に代表される高強力ポリエチレン繊維;帝人社製「テクノーラ(登録商標)」、東レ・デュポン社製「ケブラー(登録商標)」に代表されるパラ系アラミド繊維;クラレ社製「ベクトラン(登録商標)」に代表される高強力ポリアリレート繊維;東洋紡社製「ザイロン(登録商標)」に代表されるポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維;クラレ社製「クラロン(登録商標)KII」に代表されるポリビニルアルコール系繊維;等が例示される。高強力繊維としては、軽量な高強力ポリエチレン繊維が好ましい。
高強力繊維の切断伸度は特に限定されないが、好ましくは0.1〜7.5%、より好ましくは0.5〜7.0%、更に好ましくは1.0〜6.4%である。切断伸度を前記範囲に調整することで、引裂強力の高い織物が提供されるため好ましい。高強力繊維の切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
高強力繊維は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよい。高強力糸を高強度としながら、糸のしなやかさも付与するため、高強力繊維はマルチフィラメントが好ましい。
高強力繊維の総繊度は、好ましくは20〜700dtex、より好ましくは50〜550dtex、更に好ましくは90〜440dtexである。総繊度が前記範囲内であれば、安価で軽量性に富み、且つ、糸切れを抑制できるため、耐擦過性に優れた織物が提供される。
また高強力繊維の単糸繊度は、好ましくは0.3〜3.0dtex、より好ましくは0.5〜2.5dtex、更に好ましくは0.8〜2.0dtexである。単糸繊度が前記範囲内であれば、柔らかな風合を有し、毛羽立ちの少ない織物が得られる。
高強力繊維は、原着糸であってもよい。原着糸とは、紡糸前の原液の段階で顔料や染料などの着色剤を混合することにより、着色された原糸である。高強力繊維の色は特に限定されず、黒色、紺色等、用途に応じて適宜調整される。着色剤を含む高強力繊維としては、5重量%以下(好ましくは0.01重量%以上)の顔料を含む原着糸が好ましい。
高強力繊維は、生糸または捲縮糸のいずれでもよく、伸縮性を高める観点からは、捲縮糸、とりわけ仮撚加工糸が好ましい。一方、捲縮糸(特に仮撚加工糸)は、捲縮加工による強度低下や毛羽立ちの問題を有する場合があるため、高強力繊維の強度特性を活かす観点からは、高強力繊維は生糸(非捲縮糸)が好ましい。
高強力繊維は、無撚糸或いは撚糸のいずれでもよいが、少ないカバリング係数でも耐擦過性を高めることができ、更にはカバリング係数を減らすことにより弾性繊維が持つ伸縮性が損なわれず、伸縮性に富む織物が得られるなどの利点から、高強力繊維は好ましくは撚糸である。
高強力繊維が撚糸の場合、高強力繊維の撚係数は、好ましくは1000〜8000、より好ましくは1500〜7000、更に好ましくは2000〜6000である。前記範囲内であれば、高強力繊維の集束性を高めつつ、被覆性の良い高強力糸となり、耐擦過性が良好となる。高強力繊維の撚係数の求め方は実施例の欄に詳述する。また高強力繊維の加撚方向は、S方向またはZ方向のいずれでもよい。
高強力糸中、高強力繊維の含有率は、繊度比(高強力繊維の総繊度/高強力糸の総繊度)で、70〜98%、より好ましくは75〜96%、更に好ましくは78〜95%である。高強力繊維の含有率が前記範囲内であれば、品位、堅牢度、耐擦過性が良好で、安価で引裂強力に優れた織物が得られる。
一方、高強力糸には弾性繊維が含まれる。弾性繊維の存在により、織物に伸縮性を付与することが可能となる。ここで弾性繊維とは、一般的な繊維よりも弾性が高い繊維をいい、具体的には、切断伸度が400〜850%(より好ましくは750%以下)の合繊フィラメントが好ましい。前記弾性繊維の引張強度は、好ましくは0.7〜1.3cN/dtex(より好ましくは0.8〜1.2cN/dtex)であり、200%伸張時の回復率は好ましくは80%以上である。
なお、弾性繊維の引張強度及び切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。さらに、200%伸張時の回復率はJIS L 1013 8.5.1:2010に準じて定速伸長形で200%伸張後、伸張時と等速で戻し、応力が0になった伸張率Aを求め、(200−A)×100/200で算出する。
弾性繊維を構成する繊維は特に限定されず、ポリウレタン繊維、ポリエーテル系ポリウレタン繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維(PTT)、ポリエステル及び/又はナイロン繊維による各種コンジュゲート繊維等が例示されるが、十分な伸縮性と回復性を付与し易いことから、ポリウレタン繊維が好ましい。前記ポリウレタン繊維は、用途に応じて、抗菌防臭剤、紫外線吸収剤・反射剤、吸湿発熱剤等を含んでいてもよい。また、弾性繊維は、高強力繊維との分離を軽減するために、熱融着性であってもよい。熱融着性弾性繊維としては、例えば、日清紡テキスタイル社製「モビロン(登録商標)R−L」等が挙げられる。
弾性繊維は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよい。弾性繊維の総繊度は、33〜156dtex、より好ましくは44〜156dtex、更に好ましくは44〜120dtexである。前記範囲を超えると、伸縮性が強すぎて、弾性繊維が織物表面に露出しやすくなり、紫外線劣化を招く虞がある。前記範囲を下回ると、織物の伸縮性が不十分となる。
高強力糸中、前記弾性繊維の含有率は、繊度比(前記弾性繊維の総繊度/高強力糸の総繊度)で、好ましくは5〜60%、より好ましくは8〜60%である。前記弾性繊維の含有率が前記範囲内であれば、芯部と鞘部の分離を抑制でき、耐擦過性に優れた織物が得られる。
高強力糸における高強力繊維と弾性繊維の含有量は、繊度比(高強力繊維の総繊度:弾性繊維の総繊度)で、好ましくは50:50〜99:1、より好ましくは60:40〜95:5、更に好ましくは65:35〜90:10である。高強力繊維と弾性繊維の含有率が前記範囲内にあれば、伸縮性と高強度を有する織物が提供される。
高強力糸は、実質的に、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維と、総繊度33〜156dtexの弾性繊維から構成されていることが好ましい。前記高強力繊維及び前記弾性繊維の混率は、高強力糸100重量%中、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは99重量%以上である。
高強力糸は、例えば、前記弾性繊維を芯部とし、前記高強力繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸;前記高強力繊維と前記弾性繊維とから構成される合撚糸;前記高強力繊維と前記弾性繊維とから構成されるエア交絡糸;等が好ましく、耐擦過性が良好であることから、カバリング糸がより望ましい。
高強力糸がカバリング糸のとき、高強力糸は、シングルカバリング糸(SCY)またはダブルカバリング糸(DCY)のいずれでもよいが、織物表面の凹凸を減らし、耐擦過性を向上させるため、シングルカバリング糸が望ましい。特にDCYでは、前記弾性繊維に直接巻き付く高強力繊維(以降、「内側高強力繊維」と称す)と、前記内側高強力繊維によって被覆されている前記弾性繊維の周囲に更に巻きつけられる高強力繊維(以降、「外側高強力繊維」と称す)の繊度比またはカバリング係数比を、適宜調整するとよい。
例えば、内側高強力繊維と外側高強力繊維の総繊度比(内側高強力繊維/外側高強力繊維)は、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、更に好ましくは0.95〜1.05である。前記範囲内であれば、カバリング糸表面の凹凸を少なくでき、耐擦過性に優れた織物が提供される。
また、内側高強力繊維と外側高強力繊維のカバリング係数比(内側高強力繊維/外側高強力繊維)は、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、更に好ましくは0.95〜1.05である。前記範囲内であれば、カバリング糸表面の凹凸を少なくでき、耐擦過性に優れた織物が提供される。
高強力繊維が撚糸のとき、高強力繊維の撚方向と、カバリング糸における高強力繊維のカバリング方向は、同じでも逆でもよい。同じであると、高強力繊維の集束性がより高まり、織物の耐擦過性が向上するため好ましい。
なお、「高強力繊維の撚方向と、カバリング糸における高強力繊維のカバリング方向が同じ」とは、例えば、撚方向が「S」のとき、カバリング方向が「S」であることを意味し、「高強力繊維の撚方向と、カバリング糸における高強力繊維のカバリング方向が逆」とは、例えば、撚方向が「S」のとき、カバリング方向が「Z」であることを意味する。
前記高強力糸は、カバリング機、撚糸機(例えば、ダブルツイスター機)等により製造できる。高強力糸がカバリング糸の場合は、例えば、カバリング機を用い、ドラフトゾーンで弾性繊維をドラフトしながら供給し、中空スピンドルの真中に前記弾性繊維を通し、前記中空スピンドルに設置された高強力繊維が巻かれたボビンを回転させることによって、弾性繊維の周囲に高強力繊維を巻きつけるとよい。弾性繊維のドラフト率は特に限定されず、好ましくは2.0〜4.0倍、より好ましくは2.2〜3.5倍である。前記範囲内であれば、伸長後の回復性のよい糸が得られる。またドラフトゾーンでは、エプロンローラの使用も可能である。
製造された高強力糸には、必要に応じて、スナール抑制のためのエージング、真空スチームセット(例えば、60〜70℃で20〜40分間)等が施されてもよい。
<高強力糸以外の柄糸>
本発明では織物の柄糸として、高強力糸が含まれている限り、高強力糸を除く任意の合成繊維糸が使用できる。高強力糸を除く合成繊維糸としては、生糸も使用できるが、耐擦過性の観点から、撚糸、カバリング糸、交絡糸等のように、集束された糸が好ましい。前記糸を構成する素材は特に限定されないものの、前記糸は、織物の引裂強力を向上させる観点から前述した高強力繊維を含むことが望ましい。
2.地糸
本明細書において「地糸」とは、より具体的には、経方向及び緯方向のそれぞれにおいて、織物の地を構成する糸をいう。一つの格子状織柄(具体的には一つの完全組織)における(柄糸の本数)/(地糸の本数)で表される比は、経方向及び緯方向それぞれで、好ましくは1:1〜1:60、より好ましくは1:3〜1:20である。柄糸の比率が増えると織物が高価になるため、前記範囲内であれば、比較的安価で十分な引裂強力を有する織物となる。
地糸の総繊度は、50〜800dtex、より好ましくは80〜600dtex、更に好ましくは100〜500dtexである。前記範囲を超えると、軽量の織物が得られにくくなるため好ましくない。
<伸縮性合繊糸>
織物の伸縮性を高めるため、本発明において経方向及び緯方向のうち、前記高強力糸が含まれる方向と同一方向の地糸は、合成繊維及び弾性繊維を含む伸縮性合繊糸である。柄糸の高強力糸と、地糸の伸縮性合繊糸の方向を揃えることで、織物の伸縮性をより向上させることができる。また伸縮性合繊糸が合成繊維を含むことで、強度が向上する。
伸縮性合繊糸に含まれる弾性繊維は、例えば、切断伸度が400%以上850%以下(より好ましくは750%以下)の合繊フィラメントが好ましい。前記弾性繊維の引張強度は、好ましくは0.7〜1.3cN/dtex(より好ましくは0.8〜1.2cN/dtex)であり、200%伸張時の回復率は好ましくは80%以上である。弾性繊維を構成する繊維は、前記高強力糸に含まれる弾性繊維と同様のものが例示され、十分な伸縮性と回復性を付与し易いことから、ポリウレタン繊維が好ましい。
伸縮性合繊糸における弾性繊維は、モノフィラメントまたはマルチフィラメントのいずれでもよい。
前記弾性繊維の総繊度は、33〜156dtex、より好ましくは44〜156dtex、更に好ましくは44〜120dtexである。前記範囲を超えると、伸縮性が強すぎて、弾性繊維が織物表面に露出しやすくなり、紫外線劣化を招く虞がある。前記範囲を下回ると、織物の伸縮性が不十分となる。
伸縮性合繊糸中、前記弾性繊維の含有率は、繊度比(前記弾性繊維の総繊度/前記伸縮性合繊糸の総繊度)で、好ましくは5〜45%、より好ましくは8〜40%である。前記範囲内であれば、伸縮性に優れた織物が得られる。
伸縮性合繊糸に含まれる合成繊維は、好ましくはマルチフィラメントである。前記合成繊維としては、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維;等が好ましく、これらの繊維は1種又は2種以上を組み合わせて用いられ、中でも、染色が容易で、耐摩耗性が得られやすいポリアミド繊維が好ましく、より好ましくはナイロン6繊維またはナイロン66繊維である。特に、高強力繊維として高強力ポリエチレン繊維を選択する場合には、染色加工で温度制約がある場合があることから、ナイロン6繊維または常圧カチオン可染ポリエステル繊維が好ましい。
前記ポリアミド繊維を構成する樹脂の相対粘度は、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは2.7〜4.2、更に好ましくは2.9〜4.0である。
前記合成繊維は、用途に応じて、顔料(カーボン等)や染料などの着色剤、抗菌防臭剤、紫外線吸収剤・反射剤、蓄熱剤等を含んでいてもよい。
前記合成繊維の断面形状は、丸断面または異型断面のいずれでもよい。異型断面としては、三角形などの多角形断面;Y字、十字、六葉、八葉等の多葉断面;等が例示される。また、合成繊維は中実、中空のいずれでもよい。
前記合成繊維の単糸繊度は、好ましくは2.8〜11dtex、より好ましくは3.0〜10.5dtex、更に好ましくは4.5〜10dtexである。また合成繊維の総繊度は、好ましくは20〜500dtex、より好ましくは100〜300dtexである。前記範囲内であれば、耐擦過性に優れ、ソフトな風合を有する織物となる。
合成繊維は、生糸または捲縮糸のいずれでもよく、伸縮性を高める観点からは、捲縮糸、とりわけ仮撚加工糸が好ましい。仮撚加工の方式は特に限定されず、フリクションタイプ、PINタイプ等、一般的な方法が採用できる。また仮撚加工に供する繊維は、POY(Partially Oriented Yarn)、FDY(Fully Draw Yarn)など、用途に応じて適宜選択するとよい。
前記合成繊維の伸縮復元率は、例えば、好ましくは10〜40%、より好ましくは12〜37%、更に好ましくは15〜35%である。なお合成繊維の伸縮復元率は、例えば、JIS L 1013 8.12:2010に基づき測定される。
合成繊維の引張強度は、好ましくは3.7〜6.5cN/dtex、より好ましくは4.0〜6.0cN/dtexである。前記範囲内であれば、単糸切れを防止でき、耐擦過性が良好な織物が得られる。合成繊維の引張強度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
合成繊維の切断伸度は、好ましくは20〜38%、より好ましくは23〜32%である。前記範囲内であれば、毛羽の少ない、耐擦過性が良好な織物が得られる。合成繊維の切断伸度は、例えば、JIS L 1013 8.5.1:2010に基づき測定される。
合成繊維は、高強力繊維と同様、無撚糸或いは撚糸のいずれでもよいが、少ないカバリング係数でも耐擦過性を高めることができ、更にはカバリング係数を減らすことにより弾性繊維が持つ伸縮性が損なわれず、伸縮性に富む織物が得られるなどの利点から、合成繊維は好ましくは撚糸である。
合成繊維が撚糸の場合、合成繊維の撚係数は、好ましくは1000〜12000、より好ましくは1500〜7500、更に好ましくは2000〜6000である。前記範囲内であれば、合成繊維の集束性を高めつつ、被覆性の良い伸縮性合繊糸となり、耐擦過性が良好となる。また合成繊維の加撚方向は、S方向またはZ方向のいずれでもよい。
伸縮性合繊糸は、例えば、前記弾性繊維を芯部とし、前記合成繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸;前記合成繊維と前記弾性繊維とから構成される合撚糸;前記合成繊維と前記弾性繊維とから構成されるエア交絡糸;等が好ましく、耐擦過性が良好であることから、カバリング糸または前記合成繊維と前記弾性繊維をエア交絡した後に施撚した複合糸がより好ましい。
合成繊維のカバリング係数は、好ましくは10000〜21000であり、より好ましくは11000〜20500、更に好ましくは11500〜20000である。前記範囲内であれば、弾性繊維を拘束しすぎないため、伸縮性に優れた織物となり、また弾性繊維を合成繊維で十分に被覆できるため、耐擦過性に優れた織物となる。前記カバリング係数の具体的な求め方は実施例の欄に詳述する。
伸縮性合繊糸がカバリング糸のとき、伸縮性合繊糸は、シングルカバリング糸(SCY)またはダブルカバリング糸(DCY)のいずれでもよいが、織物表面の凹凸を減らし、耐擦過性を向上させるため、シングルカバリング糸が望ましい。
合成繊維が撚糸のとき、合成繊維の撚方向と、カバリング糸における合成繊維のカバリング方向は、同じでも逆でもよい。同じであると、合成繊維の集束性がより高まり、織物の耐擦過性が向上するため好ましい。
なお前記同様、「合成繊維の撚方向と、カバリング糸における合成繊維のカバリング方向が同じ」とは、例えば、撚方向が「S」のとき、カバリング方向が「S」であることを意味し、「合成繊維の撚方向と、カバリング糸における合成繊維のカバリング方向が逆」とは、例えば、撚方向が「S」のとき、カバリング方向が「Z」であることを意味する。
またエア交絡の交絡度は、好ましくは5〜120ヶ/m、より好ましくは15〜105ヶ/m、更に好ましくは25〜95ヶ/mである。
前記伸縮性合繊糸は、カバリング機、撚糸機(例えば、ダブルツイスター機)等により製造できる。
伸縮性合繊糸がカバリング糸の場合は、例えば、カバリング機を用い、ドラフトゾーンで弾性繊維をドラフトしながら供給し、中空スピンドルの真中に前記弾性繊維を通し、前記中空スピンドルに設置された合成繊維が巻かれたボビンを回転させることによって、弾性繊維の周囲に合成繊維を巻きつけて製造するとよい。
また伸縮性合繊糸は、例えば、合成繊維とドラフトした弾性繊維を引き揃えて公知のインターレーサに供給し、高圧エアにて前記合成繊維と前記弾性繊維をエア交絡した後、撚糸機等で施撚して製造することもできる。
いずれの方法においても弾性繊維のドラフト率は特に限定されず、好ましくは2.0〜4.0倍、より好ましくは2.2〜3.5倍である。前記範囲内であれば、伸長後の回復生のよい糸が得られる。またドラフトゾーンでは、エプロンローラの使用も可能である。
製造された伸縮性合繊糸には、必要に応じて、スナール抑制のためのエージング、真空スチームセット(例えば、60〜70℃で20〜40分間)等が施されてもよい。
<伸縮性合繊糸以外の地糸>
本発明では地糸として、伸縮性合繊糸だけでなく、伸縮性合繊糸を除く任意の糸が使用できる。伸縮性合繊糸としては、生糸も使用できるが、耐擦過性の観点から、撚糸、カバリング糸、交絡糸等のように、集束された糸が好ましい。前記糸を構成する素材は特に限定されないものの、前記糸は、織物の引裂強力を向上させる観点から前述した合成繊維を含むことが望ましい。
3.織物
本発明に係る織物は、高強力糸及び伸縮性合繊糸が含まれる方向に応じて、緯伸び織物、経伸び織物、または2WAY織物となる。
織組織は、特に限定されず、平織、ドビー織、パナマ織、綾織、変化綾織、繻子織など、要求されるデザイン等に応じて適宜選択するとよく、耐擦過性の観点からは、平坦な生地外観を呈する平織が好ましく、伸縮性の観点からはドビー織が好ましい。また織物は二重組織であってもよい。
織機としては、エアジェット織機、レピア織機等、用途に応じて適宜選択するとよい。また、一重ビームとするか、二重ビームとするかは、用途に応じて適宜選択できる。また、整経時、経糸をそのまま製織ビームに巻き取ってもよく、糊付又はワキシングして巻き取ってもよい。
織物中、高強力繊維の比率は3〜50%が好ましく、より好ましくは6〜30%であり、更に好ましくは7〜20%である。前記範囲内であれば、十分な引裂強力が得られるため好ましい。
織物中、弾性繊維の比率は4〜25%が好ましく、より好ましくは5〜20%であり、更に好ましくは7〜15%である。前記範囲内であれば、伸縮性及び耐擦過性に優れた織物となるため好ましい。
織物の目付は、好ましくは70〜500g/m2、より好ましくは80〜450g/m2、更に好ましくは100〜400g/m2である。前記範囲内であれば、軽量で且つ耐擦過性に優れた織物となる。
織物のカバーファクター(CF)は、好ましくは1800〜2800、より好ましくは1900〜2700、更に好ましくは2000〜2600である。前記範囲内であれば、着用感が良く、軽量で且つ耐擦過性に優れた織物となる。
また格子状織柄(具体的には一つの完全組織)のサイズは、経方向及び緯方向それぞれにおいて、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは5mm以下であり、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上である。前記範囲内であれば、地糸と柄糸のバランスがよく、引裂強力に優れた織物となる。格子状織柄のサイズとは、例えば、図3に示すL1及びL2の長さをいう。
織物の仕上密度は、経方向及び緯方向のそれぞれにおいて、好ましくは60〜160本/2.54cm、より好ましくは70〜150本/2.54cmである。
製造された織物は、用途に応じて染色してもよい。染色工程において、使用される染色機は特に限定されるものではないが、例えば、ジッカー染色機、液流染色機、ビーム染色機等が好ましく用いられる。染料は合成繊維の素材に合わせて適宜選択するとよい。
織物には、仕上げ加工として、柔軟処理、帯電防止処理、撥水処理、ウレタン樹脂によるコーティング加工やラミネート加工等を、単独でまたは組み合わせて行うとよい。前記撥水剤としては、シリコン系撥水剤、フッ素系撥水剤、パラフィン系撥水剤等が好ましく例示され、織物の平滑性が得られ易く、織物の耐擦過性が向上しやすいことからシリコン系撥水剤がより好ましい。
本発明に係る織物は、耐スナッグ性が良好であり、例えば、織物のJIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級は、好ましくは4級以上であり、織物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。級数が上がる程、岩、枝、ファスナー等による引っ掛けに対し耐性が上がる。なお、耐スナッグ性の評価方法は、実施例の欄に詳述する。
また織物の耐擦過摩耗性は、好ましくは3級以上、より好ましくは4級以上であり、織物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。耐擦過摩耗性の評価は、前記耐スナッグ性の評価よりも厳しいが、本発明によれば、岩のような鋭利な物体との繰り返しの擦過があっても損傷が小さく、これまでにない実用的な織物が提供される。
また織物のJIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力は、好ましくは40〜150N、より好ましくは50〜140N、更に好ましくは55〜130Nであり、織物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。織物の引裂強力が前記範囲内であれば、例えば、岩のような鋭利な物体との強い擦過により、製品が破れることがなく好ましい。
更に本発明に係る織物は伸縮性に優れ、例えば、織物のJIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率は、好ましくは12〜60%、より好ましくは15〜55%であり、更に好ましくは18〜50%である。伸び率が前記範囲内であれば、織物を衣料用に用いた場合でも、身体の動きが阻害されることがない。本発明では、織物の経方向または緯方向のいずれか一方、もしくはこの両方が前記範囲を満たすことが望ましい。
4.用途
本発明は、更に前記織物を含む繊維製品も包含する。本発明に係る織物は引裂強力に優れるため、繊維製品としては高引裂強力が要求される用途、例えば、スポーツウェア、アウトドアウェア(シャツ、パンツ)、ジャケット、雨衣、防護用作業着等の衣料;手袋;靴;鞄;等に好ましく適用される。また本発明に係る織物は、耐擦過性に優れるため、スキーやスノーボードのエッジから脚を守るスキー用パンツ、レッグプロテクター;転倒時の手・腕・脚の擦過から保護するサイクリングウェア;岩場で擦過から保護する登山用パンツ、登山靴;磯で貝殻が付着した岩場を移動したり、岩場に座ったりするため、岩場での引っ掻きから保護する釣り用の雨衣;等、高い耐擦過性が要求される用途に特に好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<1.カバリング数>
JIS L 1095 C.10.4 もろより糸:2010 に準ず。
<2.カバリング係数>
カバリング係数は、
カバリング係数={カバリング数(t/m)}×{総繊度(dtex)}1/2
に基づき算出する。
なお、DCY糸の場合は、外側に巻きつけられる繊維のカバリング数と総繊度を用いて算出する。
<3.撚数>
JIS L 1095 9.15.1 JIS法 A法:2010に準ず。
<4.撚係数>
撚係数は、
撚係数={撚数(t/m)}×{総繊度(dtex)}1/2
に基づき算出する。
<5.カバーファクター(CF)>
織物のカバーファクターは、経方向及び緯方向それぞれのカバーファクターの総和であり、各方向のカバーファクターは下記式により算出される。
・経方向のCF
=経方向の柄糸の本数(本/2.54cm)×{前記柄糸の総繊度(dtex)}1/2+経方向の地糸の本数(本/2.54cm)×{前記地糸の総繊度(dtex)}1/2
・緯方向のCF
=緯方向の柄糸の本数(本/2.54cm)×{前記柄糸の総繊度(dtex)}1/2+緯方向の地糸の本数(本/2.54cm)×{前記地糸の総繊度(dtex)}1/2
<6.引張強度>
JIS L 1013 8.5.1:2010に準ず。
<7.切断伸度>
JIS L 1013 8.5.1:2010に準ず。
<8.伸縮復元率>
JIS L 1013 8.12:2010に準ず。
<9.交絡度>
JIS L 1013 8.15:2010に準ず。
<10.繊維の混率>
単位面積当たりの織物の重量を測定した後、経糸(柄糸、地糸)と緯糸(柄糸、地糸)を全部解き、各糸を解撚分離して素材別に合計重量を測定した。その後、素材別の合計重量を織物の重量で除し、100分率に換算することにより各繊維の混率を求めた。
<11.耐擦過摩耗性>
JIS L 0849 9.2:2010に示される摩擦試験機II形(学振形)を使用し、摩擦用白綿布に変えて、研磨布(理研コランダム社製「AA−40」)を用いて、荷重4.9N、摩耗回数10回で試験を行った。試験後の状態を、下記表に基づき評価した。経及び緯を各n=3で測定し、最も悪い試料の成績を採用する。
<12.耐スナッグ性>
JIS L 1058 D−3法;2011に準ず。操作時間は5時間である。試験後の評価は、「耐擦過摩耗性」の評価で使用した表に基づく。但し、経緯別に級判定する。
<13.引裂強力>
JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法):2010に準ず。
<14.伸縮性>
JIS L 1096 8.16B法(定荷重法):2010に準ず(荷重;1.4N、時間;1分間、測定方向;緯方向)。
<15.風合>
風合は、5人が下記5段階評価に基づいて判定を行い、5人の平均値で評価する。
5:とてもソフト、4:ややソフト、3:ソフト、2:やや硬い、1:とても硬い。
<16.品位>
ループ状欠点は、長さ50mの織物を速度5m/分の検反機上で検査し、1.5mm以上の長さを有するループ状欠点(図5のY参照)の個数(1m2あたり)を評価した。
3:0.1個以下、2:0.1個超0.2個以下、1:0.2個超
透けは、検反機上で織物を停止させ、織物の下に白又は黒の台紙を敷き、3人が下記3段階評価に基づいて判定を行う。
3:全く透けない、2:やや透ける、1:よく透ける
<17.総合評価>
織物の総合評価は、以下の基準に基づいて行った。
「合格」;耐擦過摩耗性が経緯3級以上、耐スナッグ性が経緯4級以上、引裂強力が経緯40N以上、風合が3級以上の全てを満たす織物を合格とした。
「不合格」;耐擦過摩耗性が経緯3級以上、耐スナッグ性が経緯4級以上、引裂強力が経緯40N以上、風合が3級以上の要件のうち、1つでも満たさない織物は不合格とした。
実施例及び比較例で使用した糸を表2にまとめる。なお、ナイロン6捲縮糸は、いずれも、丸断面、レジンRV:3.0、フリクション仮撚糸である。
実施例1
<糸の作製>
経方向・緯方向で使用される柄糸及び地糸は、以下の方法で作製した。
柄糸(1)(3);芯部をドラフト率3.0倍でドラフトされたポリウレタン繊維とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン繊維の周囲に、予めダブルツイスターで施撚したS方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維を、S方向に1600t/mとなるように巻きつけて、シングルカバリング糸(SCY)を得た。
地糸(2)(4);芯部をドラフト率3.0倍でドラフトされたポリウレタン繊維とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン繊維の周囲に、仮撚時の加撚方向がZ方向であり、予めダブルツイスターで施撚したZ方向に300t/mの撚りを有するナイロン6捲縮糸を、Z方向に1600t/mとなるように巻きつけて、シングルカバリング糸(SCY)を得た。
<織物の作製>
表に示す密度・柄サイズとなるように、二重ビームのエアジェット織機と上記糸を用いて平組織の織物を製織した。得られた生機を、ピンテンターで120℃30秒のセットを施した後、83℃の浴中、拡布状で連続精練した後、シリンダー乾燥し、ピンテンターで120℃30秒の中間セットを施した。液流染色機で酸性染料(黒色)を用い、98℃40分間の染色加工を行った。染色加工後の生機を脱水乾燥後、ピンテンターで120℃30秒のセットを行った後、シリコン系撥水剤含有溶液に浸漬させ、マングルで絞った後、120℃で40秒間のキュアセットを行い、織物を得た。
実施例2〜3、比較例1〜2
柄糸及び地糸のカバリング数を変更すること以外は、実施例1と同様にして織物を得た。比較例1では、カバリング係数が十分でないため、耐擦過性が悪くなった。比較例2では、カバリング係数が適正値を超えているため、硬い風合の織物となった。またSCY糸中のポリウレタン繊維が鞘糸で強く拘束されて伸縮力が弱くなり、染色加工時の収縮が不十分となったことで密度の粗い透けを有する織物となった。比較例3では、高強力繊維が使用されていないため、織物の引裂強力が不十分であった。
比較例3
柄糸(1)(3)における高強力ポリエチレン繊維を表に示すナイロン6捲縮糸に変更し、その他は表に示す条件により実施例1と同様にして織物を得た。
実施例4
柄糸及び鞘糸の鞘部に施撚をしなかったこと以外は実施例1と同様にして織物を得た。
実施例5〜6、比較例4〜5
柄糸及び地糸のカバリング数を変更すること以外は、実施例4と同様にして織物を得た。比較例4では、カバリング係数が十分でないため、耐擦過性が悪くなった。比較例5では、カバリング係数が適正値を超えているため、硬い風合の織物となり、また比較例2と同様に、SCY糸の伸縮力が弱くなり、染色加工時の収縮が不十分となったことで密度の粗い透けを有する織物となった。
実施例7
柄糸(1)(3)として、芯部をドラフト率3.0倍でドラフトされたポリウレタン繊維とし、カバリング機を用い、該ポリウレタン繊維の周囲に、予めダブルツイスターで施撚したS方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維(110dtex/96f)を、S方向に1000t/mとなるように巻きつけ、更にその周囲にZ方向に300t/mの撚りを有する高強力ポリエチレン繊維(110dtex/96f)をZ方向に1000t/mとなるように巻きつけて得られるダブルカバリング糸(DCY)を用いた。これ以外は、実施例1と同様にして織物を得た。
実施例8
柄糸(1)(3)における高強力ポリエチレン繊維を黒原着の高強力ポリエチレン繊維に変更し、地糸(2)(4)として、ドラフト率3.0倍でドラフトされたポリウレタン糸と、仮撚時の加撚方向がZ方向であるナイロン6捲縮糸をエア交絡(交絡度84ヶ/m)した後、ダブルツイスター機でZ方向に850t/m施撚した糸(IL+DT)を用いた。また織物を図4に示すドビー織とした。図4中、それぞれ、a:地糸(2)、B:柄糸(1)、c:地糸(4)、D:柄糸(3)を表す。これら以外は実施例1と同様にして織物を得た。
実施例9、比較例6
地糸(2)(4)におけるナイロン6捲縮糸の総繊度を変更し、その他は表に示す条件により実施例1と同様にして織物を得た。比較例6では、(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比が適正値を超えているため、織物の凹凸が大きくなり、耐擦過性が悪化した。
比較例7
柄糸(1)(3)におけるポリウレタン繊維の総繊度を変更し、その他は表に示す条件により実施例1と同様にして織物を得た。比較例7では(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比が適正値を下回っているため、高強力糸の伸縮性が悪化し、柄糸が織物表面に浮き出て容易に擦過されてしまった。また高強力糸の加工収縮性が悪化し、密度が粗くなった上、総繊度が細いため特に柄糸箇所で透けが生じた。
実施例10
地糸(2)(4)として、ドラフト率3.0倍でドラフトされたポリウレタン繊維と、仮撚時の加撚方向がZ方向であるナイロン6捲縮糸をエア交絡(交絡度36ヶ/m)した後、ダブルツイスター機でZ方向に1000t/m施撚した糸(IL+DT)を用いたこと以外は、表に示す条件で実施例1と同様に織物を得た。
実施例11
経の柄糸(1)として、ダブルツイスター機を用いて高強力ポリエチレン繊維をS方向に1000t/mで施撚した撚糸(DT)を用い、経の地糸(2)として、ダブルツイスター機を用いてナイロン6捲縮糸をZ方向に1000t/mで施撚した撚糸(DT)を用いたこと以外は、表に示す条件で実施例1と同様に織物を得た。
1:格子状織柄の経方向のサイズ、L2:格子状織柄の緯方向のサイズ
a:地糸(2)、B:柄糸(1)、c:地糸(4)、D:柄糸(3)
Y:ループ状欠点

Claims (13)

  1. 経方向及び緯方向が、それぞれ、総繊度が50〜800dtexである柄糸と総繊度が50〜800dtexである地糸を有する織物であって、
    経方向及び緯方向の少なくとも一方の柄糸が、引張強度10cN/dtex以上の高強力繊維及び総繊度33〜156dtexの弾性繊維を含有し、且つ、前記高強力繊維の含有率が70〜95%である高強力糸であり、
    経方向及び緯方向のうち、前記高強力糸が含まれる方向と同一方向の地糸は、合成繊維及び弾性繊維を含む伸縮性合繊糸であり、
    下記(i)〜(iii)を満たす織物。
    (i)高強力繊維のカバリング係数が10000〜21000である。
    (ii)(柄糸の最大総繊度)/(地糸の最小総繊度)で表される繊度比が0.4〜2.0である。
    (iii)(高強力糸中の弾性繊維の総繊度)/(伸縮性合繊糸中の弾性繊維の総繊度)で表される繊度比が0.8〜4.0である。
  2. 前記高強力糸が、前記弾性繊維を芯部とし、前記高強力繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸である請求項1に記載の織物。
  3. 前記高強力繊維が撚糸である請求項2に記載の織物。
  4. 前記高強力繊維の撚係数が1000〜8000である請求項3に記載の織物。
  5. 前記高強力繊維の撚方向と、前記カバリング糸における高強力繊維のカバリング方向が同じである請求項3または4に記載の織物。
  6. 前記高強力繊維がポリエチレン繊維である請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物。
  7. 前記伸縮性合繊糸が、前記弾性繊維を芯部とし、前記合成繊維を鞘部とする、芯鞘構造のカバリング糸または前記合成繊維と前記弾性繊維をエア交絡した後に施撚した複合糸である請求項1〜6のいずれか1項に記載の織物。
  8. 前記合成繊維がナイロン6繊維またはナイロン66繊維である請求項1〜7のいずれか1項に記載の織物。
  9. 前記合成繊維が、捲縮糸である請求項1〜8のいずれか1項に記載の織物。
  10. 格子状織柄のサイズが、経方向及び緯方向それぞれにおいて、10mm以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の織物。
  11. JIS L 1058 D−3法に基づき測定されるスナッグの等級が4級以上であり、
    JIS L 1096 8.17D法(ペンジュラム法)に基づく引裂強力が40〜150Nであり、
    JIS L 1096 8.16B法(定荷重法)に基づく伸び率が12〜60%である請求項1〜10のいずれか1項に記載の織物。
  12. 耐擦過摩耗性が3級以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の織物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の織物を含む繊維製品。
JP2018010382A 2018-01-25 2018-01-25 耐擦過摩耗性及び耐スナッグ性に優れた伸縮性織物 Active JP6310626B1 (ja)

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