JP6310249B2 - 波長走査式分析装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波長走査式分析装置に関し、測定妨害成分を含む試料中の測定対象成分を光吸収により測定する技術に関する。
従来から、測定妨害成分を含む試料中の測定対象成分、例えば測定妨害成分としての水や電解質を含む試料中のグルコースを測定する場合等において、光吸収を利用する分光分析測定が知られている。
特許文献1には、光吸収の波長が測定対象成分の光吸収の最大吸収波長の近辺に極値を持たないが、その裾が重なっている測定妨害成分を含有する試料中の測定対象成分を光吸収により計測するための装置であって、光源と、最大透過波長を周期的に走査させる手段を持つ干渉フィルタと、検出器と、ゼロクロスデテクタとからなり、前記干渉フィルタの周期的な走査波長を、前記測定対象成分の最大吸収波長を中心とし、かつ前記測定妨害成分の光吸収波長の極値を含まない狭い範囲で走査し、前記光源からの光を前記干渉フィルタに透過させ、その前または後ろに置かれた前記試料に透過または反射させたのち、検出器に入れ電気信号として検出し、電気信号の周期的に変化する成分の信号の全周期及び半周期(各ゼロクロス点間の時間)をゼロクロスデテクタにより求め、全周期に対する半周期の変化量から前記成分を定量するようにした干渉フィルタ透過波長走査式光度計が開示されている。
特許第3532870号
上記の従来技術は、電気信号のゼロクロス点間の時間が測定対象成分の濃度と相関関係にあることを利用して測定対象成分を定量するものであるが、例えば水を含む試料中のグルコースを測定する場合において、水の吸収が小さいスペクトル領域ではグルコースの吸収も小さいため測定することは困難であり、逆に、グルコースの吸収がある領域では水の吸収も大きいのでグルコースのスペクトル成分が水のスペクトル成分に埋もれやすいため同様に測定が困難であり、測定妨害成分を確実に排除することが困難である問題がある。
本発明の目的は、測定妨害成分の影響を確実に排除し、もって測定対象成分の測定精度を向上させることができる分析装置及び方法を提供することにある。
本発明は、試料中の測定対象成分を光吸収により計測する波長走査式分析装置であって、光を所定の走査周波数で走査して分析光として試料に照射する走査手段と、前記試料を透過ないし反射した光を受光して信号に変換する光検出手段と、前記光検出手段からの信号をフーリエ変換して前記走査周波数の高調波成分を演算し、演算して得られた高調波成分のうち特定の高調波成分の強度に基づき前記試料中に含有される前記測定対象成分を定量する処理手段とを備え、走査帯域及び前記特定の高調波成分は、前記試料中の前記測定対象成分及び前記試料中の測定妨害成分に応じて設定され、前記高調波成分のうち特定の高調波成分は、前記測定対象成分のスペクトルにおける走査帯域内の極値の数に応じて設定されることを特徴とする。
本発明において、特定の走査帯域における測定対象成分の吸収スペクトルは、同じ走査帯域における測定妨害成分の吸収スペクトルと異なる形状を有し、高調波成分のうち特定の高調波成分の強度は測定対象成分に強く影響を受ける一方、測定妨害成分の影響をほとんど受けない。そこで、信号をフーリエ変換して得られる高調波成分のうち、特定の高調波成分、例えば走査周波数の2倍波成分あるいは3倍波成分等の強度を用いることで、測定妨害成分の影響が排除される。より特定的には、測定妨害成分の高調波成分と異なる特定の高調波成分を用いることで、測定妨害成分と測定対象成分とを明確に識別し得る。
また、本発明の他の実施形態では、前記処理手段は、前記信号をフーリエ変換して高調波成分を演算するフーリエ変換部と、前記高調波成分のうち特定の高調波成分の強度と前記測定対象成分の濃度との対応関係を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記対応関係を用いて、前記フーリエ変換部で演算された高調波成分のうち特定の高調波成分に対応する前記測定対象成分の濃度を算出する濃度計算部とを備えることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記分析光は近赤外光または赤外光であることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記試料は水溶液であることを特徴とする。水溶液は、血液を含んでも良い。
また、本発明は、試料中の測定対象成分を光吸収により計測する波長走査式分析方法であって、光を所定の走査周波数で走査して分析光として試料に照射する走査ステップと、前記試料を透過ないし反射した光を受光して信号に変換する光検出ステップと、前記光検出ステップにより得られた信号をフーリエ変換して前記走査周波数の高調波成分を演算し、演算して得られた高調波成分のうち特定の高調波成分の強度に基づき前記試料中に含有される前記測定対象成分を定量する処理ステップとを備え、走査帯域及び前記特定の高調波成分は、前記試料中の前記測定対象成分及び前記試料中の測定妨害成分に応じて設定され、前記高調波成分のうち特定の高調波成分は、前記測定対象成分のスペクトルにおける走査帯域内の極値の数に応じて設定されることを特徴とする。本発明に係る波長走査式分析装置及び方法において、測定対象成分は特に限定されないが、例示すると、グルコース、尿素、乳酸、アスコルビン酸等である。
本発明によれば、測定妨害成分の影響を確実に排除し、測定対象成分を高精度に定量できる。
電気信号の波形と走査周波数及び高調波成分との関係を示す図である。 吸収スペクトルの形状と高調波成分との関係を示す説明図である。 グルコース及び水の吸収スペクトル図である。 実施形態の構成ブロック図である。 実施形態の光学系の斜視図である。 干渉フィルタの角度と波長との関係を示すグラフ図である。 グルコース及び水の吸収スペクトル図である。 試料のグルコース濃度と3倍波の強度との関係を示すグラフ図である。 グルコース濃度及び尿素濃度と3倍高調波成分に基づくグルコース測定値との関係を示すグラフ図である。 種々の成分の吸収スペクトル図である。 尿素の吸収スペクトル図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
<基本原理>
まず、本実施形態の基本原理について説明する。
図1(a)に、既述した従来技術のように、光源からの光を干渉フィルタに透過させ、干渉フィルタの周期的な走査波長として、測定対象成分の最大吸収波長を中心とし、かつ測定妨害成分の光吸収波長の極値を含まない狭い範囲で走査し、干渉フィルタの後ろに置かれた試料に透過させたのち、検出器に入れ電気信号として検出し、電気信号の周期的に変化する成分の信号を取り出した場合の電気信号波形を示す。図において、波形100は水の信号波形であり、波形200はグルコースの信号波形である。検出器では、これら2つの信号が合成した信号波形として検出され、図1(b)に示す信号波形となる。図において、破線は水の信号波形であり、実線は図1(a)に示す2つの信号波形を合成した信号波形であり、検出器で検出される信号波形である。
従来においては、この実線で示す信号波形のひずみ、すなわちゼロクロス点間の時間がグルコース濃度と相関があることに着目してゼロクロス点間の時間を測定することでグルコースを定量しているが、信号波形のひずみは種々の影響を受けるため正確にこれを測定することは困難である。
そこで、本実施形態では、実線で示す信号波形のゼロクロス点間の時間に着目するのではなく、信号波形を高速フーリエ変換(FFT)し、信号波形の高調波成分(2倍波、3倍波、4倍波、・・・)に着目し、高調波成分の強度がグルコース濃度と相関があることに着目し、高調波成分の強度を測定することでグルコース濃度を定量するものである。
図1(c)に、図1(b)の信号波形を高速フーリエ変換して得られるスペクトルを示す。走査周波数、2倍波、3倍波において強度が極大となるが、本実施形態ではこれらの極値に着目する。走査周波数の強度(1倍波の強度)が測定妨害成分の影響を受けていても、3倍波の強度が測定妨害成分の影響をほとんど受けていない場合、この3倍波の強度に着目してグルコース濃度を定量する。
図2に、試料の吸収スペクトルの形状と、走査の1周期(=1走査)で得られる電気信号との対応関係を示す。左側に示すスペクトル形状をもつ物質を図のように波長走査した場合、透過ないし反射した光の強度(=光検出器からの信号)はそれぞれ右側に示す波形のようになる。物質のスペクトルの極値の数が、信号の波の数に反映し、信号を高速フーリエ変換したときに異なった高調波成分として検出される。0極値の場合は走査周波数に対応し、1極値の場合は走査周波数の2倍波に対応し、2極値の場合は走査周波数の3倍波に対応し、3極値の場合は走査周波数の4倍波に対応する。一般に、極値の数がn個(n=0,1,2,3、・・・)の場合は走査周波数の(n+1)倍波に対応するといえる。
走査帯域において、吸収スペクトルが単調減少または単調増加のスペクトルである場合、得られる電気信号には極値はなく、これが走査周波数に対応するものとすると、高調波成分は相対的に小さい。
走査帯域において、吸収スペクトルが1つの極値を有するスペクトルである場合、高調波成分のうち2倍波成分が相対的に大きくなり、2倍波成分の強度をグルコースの特徴的な強度としてグルコース濃度を高精度に定量し得る。
走査帯域において、吸収スペクトルが2つの極値を有するスペクトルである場合、高調波成分のうち3倍波成分が相対的に大きくなり、3倍波成分の強度をグルコースの特徴的な強度としてグルコース濃度を高精度に定量し得る。
走査帯域において、吸収スペクトルが3つの極値を有するスペクトルである場合、高調波成分のうち4倍波成分が相対的に大きくなり、4倍波成分の強度をグルコース特徴的な強度としてグルコース濃度を高精度に定量し得る。
このようにグルコースの吸収スペクトルの波形に応じて、高速フーリエ変換したときの2倍波、3倍波、4倍波・・・の高調波成分のうち特徴的な高調波成分が定まり、この特徴的な高調波成分の強度からグルコースを定量し得る。言い換えれば、グルコースを測定対象成分として測定する際に、測定妨害成分である水その他の成分に対してその吸収スペクトルの波形が大きく異なる波形となる走査帯域を選択し、そのスペクトルに応じた高調波成分を選択してその強度を測定することで、測定妨害成分である水その他の影響を確実に排除しつつグルコース濃度を測定し得ることになる。例えば、走査帯域として、その走査帯域で水のスペクトルは単調減少し、他方、グルコースのスペクトルが1つの極値を有するような場合、走査して得られた電気信号を高速フーリエ変換して2倍波成分を測定し、2倍波成分の強度からグルコース濃度を定量できる。また、走査帯域として、その走査帯域で水のスペクトルは単調減少し、他方、グルコースのスペクトルが2つの極値を有するような場合、走査して得られた電気信号を高速フーリエ変換して3倍波成分を測定し、3倍波成分の強度からグルコース濃度を定量できる。ここで、走査帯域として、その走査帯域で水のスペクトルは1つの極値を有し、他方、グルコースのスペクトルが2つの極値を有するような場合においても、走査1周期で得られた電気信号を高速フーリエ変換して3倍波成分を測定し、3倍波成分の強度からグルコース濃度を定量できる。特定の高調波成分に着目することで、測定妨害物質である水のスペクトルが単調に減少していなくてもグルコース濃度を高精度に定量できる点に留意されたい。
従来のように、得られた電気信号のゼロクロス点間の時間を求める方法では、単調減少スペクトル(極値が0)と他の極値を有するスペクトルを区別するだけの情報しか得られないところ、本実施形態では、
極値が0と極値が1
極値が0と極値が2
極値が0と極値が3
極値が1と極値が2
極値が1と極値が3
極値が2と極値が3
等のスペクトルを区別することができる。このことは、例えば測定妨害物質の極値が0だけでなく、測定妨害物質の極値が1であったとしても、極値が2、あるいは極値が3のスペクトルを用いて測定妨害成分の影響を排除しつつ測定対象成分を定量できることを意味する。本実施形態の分析装置は、単に走査して得られる電気信号の高調波成分を用いて定量するのではなく、測定妨害成分と測定対象成分の組み合わせに応じて着目すべき高調波成分を特定し、特定した高調波成分の強度を用いて定量するものである。従って、測定対象成分が同じであっても、測定妨害成分が変われば着目すべき特徴の高調波成分も変化する。
このように、本実施形態では、グルコース等の測定対象成分の吸収スペクトルと水等の測定妨害成分の吸収スペクトルの波形が顕著に相違するような帯域を走査帯域として設定し、かつ、その帯域における測定対象成分のスペクトルに応じた高速フーリエ変換の高調波成分の強度を用いて測定妨害成分の影響を排除しつつ測定対象成分の濃度を定量するものである。従って、どの走査帯域を設定するか、及びどの高調波成分を用いるかは、測定妨害成分及び測定対象成分の吸収スペクトルの相対的な波形の相違に応じて決定される。
図3に、水及びグルコースの吸収スペクトルを示す。図において、Aで示す帯域では水の吸収スペクトルは単調に増加する波形であるのに対し、グルコースの吸収スペクトルは1つの極値を有するような波形である。従って、Aで示す帯域を走査帯域として設定し、かつ、走査して得られる電気信号を高速フーリエ変換して高調波成分のうち2倍波成分の強度を測定すれば、2倍波成分をほとんど有しない水の影響を排除してグルコースを定量できる。また、Bで示す帯域では水の吸収スペクトルは単調に増加する波形であるのに対し、グルコースの吸収スペクトルは3つの極値を有するような波形である。従って、Bで示す帯域を走査帯域として設定し、かつ、走査して得られる電気信号を高速フーリエ変換して高調波成分のうち4倍波成分の強度を測定すれば、4倍波成分をほとんど有しない水の影響を排除してグルコースを定量できる。
なお、水以外の測定妨害物質がAで示す帯域においてグルコースと同様に1つの極値を有するような場合、Aで示す帯域ではなくBで示す帯域を走査帯域として設定し、4倍波成分の強度を測定すればよい。本実施形態では、任意の高調波成分を用いることができるため、測定妨害物質の吸収スペクトルに応じて適応的に走査帯域を設定することができる。このことは、たとえ測定妨害成分の種類が相対的に多くても、測定対象成分を定量するために走査帯域を設定する際の選択肢が多いことを意味し、測定対象成分の定量化を容易化し得ることを意味する。
<具体的構成>
次に、本実施形態における波長走査式分析装置の具体的な構成について説明する。
図4に、波長走査式分析装置の構成ブロック図を示す。波長走査式分析装置は、白熱電球10、干渉フィルタ12、ステッピングモータ14、モータドライバ16、試料液を入れるための光学セル18、光検出器20、処理装置22及び表示部30を含んで構成される。
白熱電球10は、分析光を干渉フィルタ12に向けて照射する。
干渉フィルタ12は、走査手段として機能し、分析光の光軸に対して傾斜角が変化するように回転振動され、その最大透過波長がシフトする。干渉フィルタ12はステッピングモータ14及びモータドライバ16により回転軸を中心として往復回転駆動される。走査周波数は、例えば5Hzに設定される。
試料液を入れるための光学セル18は、分析光の光軸上に配置される。試料液には、測定対象成分及び測定妨害成分が含まれる。測定対象成分は、例えば血糖値を測定するための血中グルコースである。
光検出器20は、分析光の光軸上であって光学セル18の後ろに配置され、光学セル18を透過した光を受光し、電気信号に変換して処理装置22に出力する。光検出器20は、例えば4秒間透過光を検出する。
処理装置22は、コンピュータ等で構成され、AD変換部24と、高速フーリエ変換(FFT)部26と、濃度計算部28及びメモリ29を含む。
AD変換部24は、光検出器20からの電気信号(アナログ電気信号)を所定のサンプリング周波数でデジタル信号に変換して高速フーリエ変換部26に出力する。AD変換部24は、例えば10kHzでサンプリングし、40000点のデジタルデータを出力する。
高速フーリエ変換部26は、デジタル信号をフーリエ変換して濃度計算部28に出力する。
濃度計算部28は、高速フーリエ変換で得られた特定の高調波成分の強度から測定対象成分の濃度を算出して表示部30に出力する。濃度計算部28は、予め特定の高調波成分の強度と測定対象成分の濃度との相関関係をテーブルあるいは関数としてメモリ29に記憶しており、該メモリ29を参照することで、高速フーリエ変換部26で得られた特定の高調波成分の強度に対応する測定対象成分、例えばグルコース濃度を算出する。濃度計算部28は、例えば高調波成分のうち3倍波成分(走査周波数5Hzの場合における15Hz)の強度を用いて濃度計算する。
図5に、波長走査式分析装置の光学系斜視図を示す。光源10、集光レンズ11、干渉フィルタ12、光学セル18、集光レンズ19及び光検出器20は光軸上に配置される。光源10からの光は集光レンズ11を介して干渉フィルタ12に入射する。
干渉フィルタ12は、ステッピングモータ14(図5では不図示)により軸を中心に所定の周波数で往復回転するように駆動される。干渉フィルタ12は、バンドパスフィルタであり、ピーク透過波長を中心として一定の波長帯域の光のみを透過するとともに、その回転駆動によりピーク透過波長がシフトする。干渉フィルタ12の回転駆動により最大透過波長が順次シフトした光は光学セル18に照射され、光学セル18を透過して集光レンズ19により集光されて光検出器20に入射する。
光検出器20は、入射した光を電気信号に変換して処理装置22に出力する。
図6に、干渉フィルタ12の回転角度と干渉フィルタ12を透過する光の波長との関係を示す。図において、横軸は波長、縦軸は透過率(%)である。角度は、干渉フィルタ12の法線と光軸とのなす角度を示す。従って、角度=0°は、光軸に対して干渉フィルタ12の面が垂直(光軸と干渉フィルタ12の法線が平行)であることを示す。図に示すように、角度が0°、5°、10°、・・・、40°、45°と変化するに従い、干渉フィルタ12を透過する光のピーク透過波長は短波長側に順次シフトしていく。従って、干渉フィルタ12を所定角度範囲で往復回転する、例えば25°から35°まで一定の方向に回転し、その後、35°から25°まで逆方向に回転することで、1周期分の走査が行われる。
干渉フィルタ12をどの範囲で回転させるか、つまりどの帯域を走査帯域として設定するかは、既述したように、測定妨害成分及び測定対象成分の吸収スペクトルの相対的な波形の相違に応じて決定される。
また、処理装置22の濃度計算部28は、高速フーリエ変換部26で算出された高調波成分のうち、どの高調波成分を用いて濃度計算するかを、測定妨害成分及び測定対象成分の吸収スペクトルの相対的な波形の相違に応じて決定する。すなわち、図2に示すように、走査帯域において測定対象成分が1極値の吸収スペクトルを示す場合には高調波成分のうち2倍波成分、2極値の吸収スペクトルを示す場合には高調波成分のうち3倍波成分、3極値の吸収スペクトルを示す場合には高調波成分のうち4倍波成分を用いて濃度計算する。この意味で、干渉フィルタ12の角度範囲と、濃度計算部28において濃度計算に用いる高調波成分は互いに連動しており、言い換えれば、処理装置22は、測定妨害成分と測定対象成分に応じて、干渉フィルタ12の角度範囲と濃度計算部28における濃度計算とを連動して制御する。
図7に、測定対象成分としてグルコース、測定妨害成分として水とした場合の走査帯域の一例を示す。図中、Cで示す帯域が走査帯域であり、この走査帯域において水の吸収スペクトルは単調変化するのに対し、グルコースの吸収スペクトルは2つの極値を示す。従って、処理装置22の濃度計算部28は、高速フーリエ変換して得られる高調波成分のうち、3倍波成分の強度を用いてグルコースの濃度を計算する。
図8に、走査周波数を5Hz駆動とし、高調波成分のうちの3倍波成分の強度と試料のグルコース濃度との関係を示す。図において、横軸はグルコース濃度(mg/dL)、縦軸は3倍波の強度を示す。
図に示すように、試料のグルコース濃度が増大するほど3倍波の強度は小さくなり、グルコース濃度と3倍波の強度は負の相関を有し、3倍波強度はグルコース濃度に対してほぼ反比例する。従って、濃度計算部28は、図8に示す対応関係を予めテーブルとして、あるいは相関関係を関数としてメモリに記憶しておき、測定して得られた3倍波の強度とテーブルあるいは関数を用いて、測定して得られた3倍波の強度に対応するグルコース濃度を定量することができる。
なお、本実施形態では、測定対象成分としてグルコース、測定妨害成分として水を例示したが、測定妨害成分としては水以外にも存在し得るが、測定対象成分と測定妨害成分の吸収スペクトルが顕著に相違するように走査帯域及び高調波成分を選択することで、水以外の測定妨害成分の影響も確実に排除し得る。
図9には、測定妨害成分として、尿素が含まれる場合のグルコース濃度の測定結果を示す。図9(a)は、試料液としてグルコース水溶液とし、尿素濃度が0mg/dLの場合の試料のグルコース濃度と測定値との関係を示す。測定値は、濃度計算部28で3倍波の強度を用いて定量した値である。実際のグルコース濃度と測定値とはよく一致していることがわかる。
他方、図9(b)は、試料液として尿素水溶液とし、グルコース濃度が0mg/dLの場合の試料の尿素濃度と測定値との関係を示す。測定値は、同様に濃度計算部28で3倍波の強度を用いて定量した値である。試料の尿素濃度に依存せず、測定値はほぼ正確に0mg/dLを示している。すなわち、尿素の濃度によらず、つまり尿素の影響を受けずに、グルコース濃度を高精度に測定できる。
以上、本発明の実施形態について、グルコース濃度を定量する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の物質を測定対象成分として用いることができる。測定対象物としては、グルコースの他に、尿素、乳酸、アスコルビン酸等がある。
図10に、グルコース、尿素、乳酸、及びアスコルビン酸の近赤外吸収スペクトルを示す。図において、グラフaはグルコース、グラフbは尿素、グラフcは乳酸、グラフdはアスコルビン酸の吸収スペクトルである。グルコースについては上述した通りであるが、尿素については、図のグラフbに示すように、波4600(cm−1)近傍において2つのピークを有する。
図11に、グラフbの尿素の吸収スペクトルの波数4600(cm−1)近傍の拡大図を示す。尿素の吸収スペクトルは、波数4640=波長2155nmと、波数4550=波長2200nmにピークを有する。従って、図11に示す帯域を走査帯域とすることで、図2に示すパターンのうち、3極値の透過スペクトルのパターンが出現することになり、他方、水の吸収スペクトルは当該走査帯域において図3に示すように単調変化ないし1つの極値を有するスペクトルであるから、高調波成分のうち4倍波成分の強度を測定することで測定妨害成分の影響を排除しつつ尿素の濃度を高精度に定量し得る。
乳酸及びアスコルビン酸についても同様であり、図10の吸収スペクトルから、乳酸については例えば波数4400(cm−1)近傍を走査帯域として高調波成分のうち4倍波成分の強度を測定し、アスコルビン酸については例えば波数4400(cm−1)近傍を走査帯域として高調波成分のうち2倍波成分ないし3倍波成分の強度を測定して濃度を定量し得る。
本実施形態において、走査手段として干渉フィルタ12を用いて光の最大透過波長をシフトさせているが、必ずしも干渉フィルタ12に限定されるものではなく、波長を走査し得る任意の光学機器、例えば分光器や波長可変レーザを用いることもできる。また、使用する光についても、赤外、近赤外、可視光、紫外のいずれも用いることができる。
また、本実施形態において、干渉フィルタ12を往復回転させているが、一般的に波長走査は必ずしも往復である必要はなく一方向の走査で電気信号を検出してもよい。
さらに、本実施形態では、試料液を透過した光を光検出器20で検出して電気信号を得ているが、試料液を反射した光を光検出器20で検出して電気信号を得てもよい。要するに、測定対象成分及び測定妨害成分の吸収スペクトルが反映されたスペクトルの電気信号を得ればよい。
また、本実施形態において、フーリエ変換として、高速フーリエ変換(FFT)を用いる場合を例に説明したが、これに限るものではなく、その他のフーリエ変換を用いても良い。
10 光源(白熱電球)、12 干渉フィルタ、14 ステッピングモータ、16 モータドライバ、18 光学セル、20 光検出器、22 処理装置、24 AD変換部、26 高速フーリエ変換(FFT)部、28 濃度計算部、29 メモリ、30 表示部。

Claims (6)

  1. 試料中の測定対象成分を光吸収により計測する波長走査式分析装置であって、
    光を所定の走査周波数で走査して分析光として試料に照射する走査手段と、
    前記試料を透過ないし反射した光を受光して信号に変換する光検出手段と、
    前記光検出手段からの信号をフーリエ変換して前記走査周波数の高調波成分を演算し、演算して得られた高調波成分のうち特定の高調波成分の強度に基づき前記試料中に含有される前記測定対象成分を定量する処理手段と、
    を備え、走査帯域及び前記特定の高調波成分は、前記試料中の前記測定対象成分及び前記試料中の測定妨害成分に応じて設定され、前記高調波成分のうち特定の高調波成分は、前記測定対象成分のスペクトルにおける走査帯域内の極値の数に応じて設定されることを特徴とする波長走査式分析装置。
  2. 前記処理手段は、
    前記信号をフーリエ変換して高調波成分を演算するフーリエ変換部と、
    前記高調波成分のうち特定の高調波成分の強度と前記測定対象成分の濃度との対応関係を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記対応関係を用いて、前記フーリエ変換部で演算された高調波成分のうち特定の高調波成分に対応する前記測定対象成分の濃度を算出する濃度計算部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の波長走査式分析装置。
  3. 前記分析光は、近赤外光または赤外光であることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の波長走査式分析装置。
  4. 前記試料は、水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長走査式分析装置。
  5. 前記高調波成分のうち特定の高調波成分は、前記測定対象成分のスペクトルにおける走査帯域内の極値の数がn個(n=0,1,2,3,・・・)のときに(n+1)倍波であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長走査式分析装置。
  6. 試料中の測定対象成分を光吸収により計測する波長走査式分析方法であって、
    光を所定の走査周波数で走査して分析光として試料に照射する走査ステップと、
    前記試料を透過ないし反射した光を受光して信号に変換する光検出ステップと、
    前記光検出ステップにより得られた信号をフーリエ変換して前記走査周波数の高調波成分を演算し、演算して得られた高調波成分のうち特定の高調波成分の強度に基づき前記試料中に含有される前記測定対象成分を定量する処理ステップと、
    を備え、走査帯域及び前記特定の高調波成分は、前記試料中の前記測定対象成分及び前記試料中の測定妨害成分に応じて設定され、前記高調波成分のうち特定の高調波成分は、前記測定対象成分のスペクトルにおける走査帯域内の極値の数に応じて設定されることを特徴とする波長走査式分析方法。
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