JP3532870B2 - 干渉フィルタ透過波長走査式光度計 - Google Patents

干渉フィルタ透過波長走査式光度計

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定妨害成分を含
有する試料中の測定対象成分を光吸収により測定するた
めの簡便かつ安価な分析装置に関する。さらに詳しく
は、周期的に最大透過波長を走査することが可能な干渉
フィルタを使用することにより、狭い波長範囲での試料
の光透過強度の変化を調べ、これを電気信号として検出
し、その周期から測定対象成分の定量を行うための装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の特定成分の検出や定量を行うた
めに光を利用することは広く行われている。最も簡単な
ものとして、特定成分の吸収波長の単色光を試料に照射
したときに透過してくる単色光の光量の変化を測定する
方法がある。そのための装置として、例えば水質監視用
紫外線吸光光度計が知られている。これは、水中の有機
汚濁物が低圧水銀灯から出る水銀のスペクトル線25
3.7nmの波長の光を吸収することを利用するもの
で、光源、試料セル、受光器、増幅器などで構成されて
いる。単光束方式と呼ばれているこの方式は、光源の光
量に変化があるとその変化がそのまま検出器で検出さ
れ、それによる出力変動は成分の光吸収による変化と区
別がつかず、測定誤差が生じる。
【0003】この単光束方式の欠点を解消するための一
つの手段として複光束方式がある。この方式は光線束を
二つに分け、一方を測定光線束、他方を比較光線束と
し、それぞれの光線束の強さの差又は比をとり、比較光
線束の光量を基準に測定光線束の変化を求めるものであ
る。この方式により、光源の変化の影響を受けない測定
ができる。
【0004】光源の影響を受けないもう一つの方式に二
波長測光方式がある。これは測定試料に波長の異なる二
つの波長の光を交互に透過又は反射させ、それにより生
じる両者の光強度の差又は比から測定試料に含まれる測
定対象成分による吸収の強さを求める方式である。一つ
の波長を測定試料による吸収のない波長に選び、この波
長の光線束の強度を基準に対象成分の吸収波長の光線束
の強度を求めるので、光源の影響を受けない測定ができ
る。
【0005】本発明は二波長測光方式のように単光束で
光源の光量変化の影響を受けない方式を目指しているの
で、この方式の従来技術について図1を用いて詳しく説
明する。図1はフィルタ相関式赤外線分析計を示す図面
であって、赤外線光源101から放射された赤外線12
1は、試料セル102を通過し、透過赤外線122とし
て回転変調器103に向う。試料セル102は円筒形の
筒で、両端面に赤外線透過窓を有し、試料ガスの出入口
が両端面の近くに設けられている。試料ガスには測定対
象ガスが含まれ、透過赤外線122は測定対象ガスによ
る赤外吸収分だけ強度が失われたものとなっている。回
転変調器103は、回転する円盤に測定対象成分ガスの
吸収波長で最大の透過率を持つ測定フィルタ104と試
料ガスに吸収がない波長で最大の透過率を持つ参照フィ
ルタ105が取り付けられ、円盤の回転により周期的に
透過赤外線122と交差する。これにより透過赤外線1
22は変調され、測定フィルタ104を透過、遮光、参
照フィルタ105を透過、遮光という順に、周期的に変
わる変調赤外線123として出ていく。変調赤外線12
3は赤外線集光レンズ107で集光され、検出器108
に入り、電気信号として検出される。検出された電気信
号は前置増幅器110で増幅され、同期整流器111に
入る。一方、回転変調器の回転周期を同期信号検出器1
06で検出し、位相調整器109で同期整流に適した位
相に調整し、同期整流器111に入る。同期整流器11
1では、これらの入力信号から測定対象ガス成分の濃度
に依存する信号を得る。
【0006】ところで気体又は液体の試料には、測定対
象成分と共に多数の成分が共存する場合が多い。これら
共存成分の中には、例えば排煙中の一酸化窒素を測定対
象成分とする場合の水蒸気、水中のグルコースを測定対
象とする場合の食塩を初めとする電解質及び主成分の水
のように測定を妨害する成分が含まれる場合がある。図
2に示すように、これらの測定を妨害する成分の吸収1
52は、測定対象成分の吸収151の最大吸収波長15
3と同じ波長に吸収の極値を持たないが、吸収の裾が重
なっている。吸収の裾は緩やかな変化であるが、その濃
度が高ければ測定に致命的な影響を与える。上述の二波
長測光方式の場合、通常、参照波長154を最大吸収波
長153に近い波長に選ぶが、図2のように吸収の裾に
勾配がある場合には共存成分の影響は避けられないとい
う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、光吸収を利用する分光分析測定において、このよう
な測定対象成分の最大吸収波長に吸収の裾が伸びている
ような妨害成分が共存する試料中の測定対象成分を、妨
害成分による影響を回避して定量することが可能な分析
装置を提供することにある。本発明の他の目的は、非破
壊あるいは人体に対して無侵襲で測定できる、簡単かつ
安価な分析装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、光吸収の波長が測定対象成分の光吸収の最大吸収波
長の近辺に極値を持たないが、その裾が重なっている
定妨害成分を含有する試料中の測定対象成分を光吸収に
より計測するための装置であって、光源と最大透過波
長を周期的に走査させる手段を持つ干渉フィルタと、赤
外線検出器と、ゼロクロスデテクタとからなり、前記
渉フィルタの周期的な走査波長を、前記測定対象成分の
最大吸収波長を中心とし、かつ前記測定妨害成分の光吸
収波長の極値を含まない狭い範囲で走査し、前記光源か
らの光を前記干渉フィルタに透過させ、その前または後
ろに置かれた前記試料に透過または反射させたのち、赤
外線検出器に入れ電気信号として検出し、電気信号の周
期的に変化する成分の信号の全周期及び半周期(各ゼロ
クロス点間の時間)をゼロクロスデテクタにより求め、
全周期に対する半周期の変化量から前記成分を定量する
ようにしたことを特徴とする干渉フィルタ透過波長走査
式光度計が提供される。
【0009】なお、上記干渉フィルタにより最大透過波
長を走査する方法はいくつか知られている。一つは金属
膜と金属膜間のスペーサ層を気体とし、その気体の圧力
を変え、スペーサ層の屈折率を変化させる方法がある。
またスペーサ層の厚さを変える方法も知られている。本
発明においては、干渉フィルタの傾斜角を変える方法が
適している。即ち本発明の最も好ましい実施態様は干渉
フィルタ透過波長走査式光度計において、干渉フィルタ
面の法線と光軸のなす角度が周期的に変わるように回動
させることにより最大透過波長走査を行うことを特徴と
している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の干渉フィルタ透過波長走
査式光度計の構造の1例及びそれを用いた測定対象成分
測定法の原理を添付の図面を用いて以下に説明する。本
発明においては、干渉フィルタを光軸に対し傾斜角を変
えるように単一周波数で回動振動させ、図2の測定対象
成分の最大吸収波長153を中心に短透過波長161と
長透過波長162のような狭い波長の間に干渉フィルタ
を透過する波長の極値を走査させるものである。干渉フ
ィルタが光軸に対し傾斜することにより最大透過波長が
変わることは知られている。図3は、実験により得た干
渉フィルタの法線と光軸の間の傾斜角を15度、20度
及び25度と変えて得た干渉フィルタのスペクトル17
1、172及び173である。それぞれのピークの波長
は、2289nm、2273nm及び2257nmであ
る(尚、図のスペクトルの横軸は、波数リニアで描かれ
ていて、波長に対してはノンリニアである。文中の数値
は、議論の一貫性を保つため、波長に換算してい
る。)。
【0011】傾斜角度が15度のとき、干渉フィルタの
最大透過波長が図2の長透過波長162となり、25度
のときに短透過波長161に来るように、干渉フィルタ
を15度と25度の間を周期的に振動させると、試料を
透過する光の透過率は、高透過率163と低透過率16
4の間を同じ周期で変化する。このため光の強度も変化
し、検出器で検出される電気信号は、図4の測定を妨害
する成分の信号181のように正弦波状に変化する。こ
の場合の信号の方向は、干渉フィルタの角度が25度、
すなわち透過率が高透過率163のときに正側に最高値
を、15度のとき、すなわち透過率が低透過率164の
ときに負側に最低値をとるものとする。
【0012】次に試料中の測定対象成分が増え、それに
伴い測定対象成分の吸収151が増加したとする。この
測定吸収成分の吸収151により、干渉フィルタの角度
が15度と25度の中間付近で透過率が無成分透過率1
65から有成分透過率166へ下がる。これにより図4
の測定を妨害する成分の信号181の最高値と最低値の
中間付近、すなわちゼロクロス点で負側の極値を示す測
定対象成分の信号182が増加される。そのため測定対
象成分の増加後に観測される信号は、測定を妨害する成
分の信号181と測定対象成分の信号182の和として
得られる測定信号183である。ここで求めたい量は、
測定対象成分の増加により生じた測定対象成分の信号1
82の振幅である。
【0013】次に観測される測定信号183から、求め
たい量である測定対象成分の信号182の振幅を得る方
法について述べる。測定を妨害する成分の信号181は
大きい信号で、振幅をAとすると、信号Fは次のように
表される。
【0014】
【数1】F=Asinωt ここでωは角周波数で、周期をTとするとω=2π/T
である。
【0015】測定対象成分の信号182は、測定を妨害
する成分の信号181に比べて非常に小さい信号なの
で、その信号が増加しても測定を妨害する成分の信号1
81は殆ど変わらない。しかしその信号の最高値と最低
値の中間点、すなわちゼロクロス点に着目すると、測定
対象成分の信号182の増加は、増加分の振幅をεとす
ると、測定を妨害する成分の信号181のゼロクロス点
付近の信号を(1/2)εだけ下げる働きをする。ここ
で近似的に測定を妨害する成分の信号181が−(1/
2)εだけ平行移動したものとしてゼロクロス点の時間
移動を求める。まず測定を妨害する成分の信号181の
ゼロクロス点の勾配は、次式のとおり信号Fの微分から
得ることができる。
【数2】dF/dt=Aωcosωt
【0016】この結果、ωt=π及び2πでの勾配は、
それぞれ−Aω=−2πA/T及びAω=2πA/Tと
なる。それぞれの点で−(1/2)εだけ平行移動する
と、信号181がゼロクロス点に達するまでの時間はω
t=πの点でεT/4πAだけ速まり、ωt=2πの点
でεT/4πAだけ遅れる。測定を妨害する成分の信号
181に測定対象成分の信号182を付加された測定信
号183において、延長する半周期T2と短縮する半周
期T1の差は、以上の近似により次のようになる。
【0017】
【数3】T2−T1=εT/πA 周期Tに対する比を求めると、T2−T1/T=ε/π
Aとなり、測定対象成分の信号182の振幅εに比例す
る値になる。全周期と半周期の一方が求まればもう一方
の半周期が求められるので、全周期と一つの半周期を測
定することにより、共存成分や主成分の影響を受けない
で測定対象成分の定量が可能である。
【0018】次に図5により本発明の干渉フィルタ透過
波長走査式光度計の構造を説明する。図5の全体は、斜
視図で示した光学系とブロック線図で示した電子回路系
の二つの部分に大きく分かれている。
【0019】図5において、光源1から発せられた光線
は、短波長光阻止フィルタ2で短波長光部分が阻止さ
れ、長波長部分が透過し、干渉フィルタ3に達する。干
渉フィルタ3は駆動コイル7に固定され、軸4を中心に
回動振動するように組み込まれている。最外周にある駆
動コイル7の両側には、巻線部に磁界を与えるためのS
極5及びN極6が設けられており、駆動コイル7に交流
電流を流すことにより干渉フィルタ3が軸4を中心に回
動振動するようになっている。干渉フィルタ3の法線と
光軸とのなす角が15度と25度の間になるように、初
期角度は20度付近に設定されている。
【0020】干渉フィルタ3の回動振動により、波長が
変調された光線はレンズ8で集光され、石英ロッド9の
端面に入射する。石英ロッド9は光線を試料10の近く
まで導き、もう一方の端面より光線を試料10に向け照
射する。照射された光線は試料10の表面を拡散反射
し、反射光の一部は赤外線検出器11に達する。赤外線
検出器11は、回動している干渉フィルタで変調され、
試料10を拡散反射することにより受けた光量の変化を
電気信号として検出する。ここで検出された電気信号が
電子回路部へ送られる。
【0021】電子回路部には、干渉フィルタ3を回動振
動させる駆動コイル7へ交流電流を供給する発振回路1
2が置かれている。交流電流により発生する回動振動が
信号の発生源となるので、回動振動の安定が測定上きわ
めて重要である。このため駆動コイル7と同じ位置に検
出コイルを置き、回動振動の速度を検出し、回動振動の
エネルギーが一定となるようにフィードバック制御を行
っている。この回動振動の周波数を基本周波数として、
光学系で発生し、赤外線検出器11で検出された電気信
号は前置増幅器13で増幅され、交流増幅器14により
交流成分の信号のみ増幅された後、ゼロクロスデテクタ
15に入る。ゼロクロスデテクタ15は、交流信号が零
になる立上り時及び立下り時に信号を発生させ、マイク
ロプロセッサ16に割りこみをかける働きをする。マイ
クロプロセッサ16は、内蔵のタイマで立上り及び立下
りの瞬間の時間を記憶する。立上りの時間を周期の初め
とすれば、次の立上がりまでの間での時間が全周期で、
立下りまでの時間が半周期として測定される。
【0022】この測定を予め決めた回数繰返した後、全
周期の積算値から半周期の積算値の2倍を減算し、その
値を全周期の積算値で除算する。この値を歪率と定義す
れば、歪率が計測量となる。この歪率と測定対象成分の
濃度(例えば血中のグルコース濃度測定の場合は血糖
値)を校正しておけば、計測量からグルコースの定量値
が求められ、その結果を表示及び送信を行う。マイクロ
プロセッサには、定量結果などを表示する表示器17、
装置を操作するキー18及び結果の送信などを行う通信
ポート19などが付随している。
【0023】
【実施例】本発明を血中のグルコースの定量に適用した
例を示す。
【0024】人間の唇には表皮近くに毛細血管が集まっ
ており、肉眼でも赤く見える。ここの表面の拡散反射を
利用して、干渉フィルタ透過波長走査式光度計による血
中のグルコース濃度の計測を試みた。図6に光学的サン
プリング部を示す。31は石英ロッドで図5の9に相当
する。32はヘッダーで石英ロッドからの光を唇34の
表面に照射し、唇34からの拡散反射光を赤外線検出器
33で受けられるようにそれぞれの位置を決め、固定し
ている。唇34の表面と赤外線検出器33の間の空洞部
分を吸引圧調整器36を附属した吸引ポンプ35で負圧
に引き、唇34の表面とヘッダ32の密着を良くしてい
る。
【0025】図7は、血液の主な成分のスペクトルを示
す図面であって、図7(A)は水のスペクトル、図7(B)は
血液から水分を除いた血糊のスペクトルである。図7
(C)は、グルコースの水溶液から水のスペクトルを差し
引いたグルコースの差スペクトルである。本実施例では
2273nm(41の位置)の波長の透過率の変化を利用
してグルコースの濃度を定量するように設計した。干渉
フィルタの最大透過波長の変化範囲は、2273nmを
中心に、2289nm(42の位置)から2258nm
(43の位置)の間に収まるようにした。
【0026】その他の設計仕様は次の通りである。 [設計仕様] 回動振動の周波数 150Hz 石英ロッド 外径1.5mm×長さ160mm 周期計測用タイマの周波数 8MHz 測定時間 300秒 マイクロプロセッサのクロック 8MHz
【0027】上記の設計仕様に基づき干渉フィルタ透過
波長走査式光度計を試作し、無侵襲で血中のグルコース
濃度の計測を行った。測定時間を10分割し、分割した
時間内の歪率を計算し、それらの中央値6点の平均を一
つの計測値とした。健康な被験者の空腹時の血糖値を市
販の血糖計で測定し89mg/dLを得た。この状態で本発明
の干渉フィルタ透過波長走査式光度計により、被験者の
唇の拡散反射による歪率を5点計測した。次ぎに被験者
が75gのグルコースを溶かしたお湯を飲み、40分後
から70分後までの間に被験者の唇の拡散反射による歪
率を3点計測した。60分後には被験者の血糖値を測定
し308mg/dLを得た。
【0028】グルコースを飲んだ後40分から70分の
間は被験者の血糖値は一定とみなし、データをまとめた
結果を図8に示す。市販の血糖計で得られた血糖値と干
渉フィルタ透過波長走査式光度計で計測された歪率の相
関係数は0.98で、よい相関性が得られた。この結果によ
り本発明の干渉フィルタ透過波長走査式光度計による無
侵襲で血中のグルコース濃度測定が可能であることを証
明できた。
【0029】
【発明の効果】物質の光吸収を利用した計測は、非破壊
あるいは人体に対して無侵襲でできるなど望ましい特徴
を持っている。しかし多くの場合、対象成分の吸収波長
に共存成分の吸収が重なり、一つの波長の光強度を測定
するだけでは難しい。そこで多波長の測定、すなわちス
ペクトロメトリが使われる。これでかなり応用範囲が広
がっているが、装置が大きくなり、また費用もかかる。
このような事情で注目されている割には、汎用的な計測
器としてあまり普及していない。例えば血糖計の日本の
市場では、電極式と比色式だけで、光吸収を利用した製
品はまだ見当たらない。
【0030】本発明は、1成分について簡単な構成でス
ペクトロメトリと同等の性能が得られている。光計測の
良さを生かし、コストパーフォーマンスのよい計測器に
道を開くことができ、産業分野、環境計測分野及び医療
分野に広く貢献することが期待され、その工業的価値は
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の一例として、フィルタ相関式赤外線
分析計を示す図である。
【図2】測定対象成分のスペクトルとその測定を妨害す
る共存成分の関係を示す図面である。
【図3】干渉フィルタを光軸に対して傾斜させて得たス
ペクトルの測定例を示す図面である。
【図4】測定対象成分の信号と妨害する共存成分の信号
の関係を示す図面である。
【図5】本発明の干渉フィルタ透過波長走査式光度計の
構成の一例を示す図面である。
【図6】人間の唇の拡散反射からグルコースの濃度情報
を取り出すための光学的サンプリング部を示す図であ
る。
【図7】本発明の実施例として取り上げた成分のスペク
トルを示す図面である。
【図8】本発明の干渉フィルタ透過波長走査式光度計を
用いて、血中のグルコース濃度を計測した結果を示す図
面である。
【符号の説明】
1 光源 2 短波長光阻止フィルタ 3 干渉フィルタ 4 軸 5 S極 6 N極 7 駆動コイル 8 レンズ 9 石英ロッド 10 試料 11 赤外線検出器 12 発振回路 13 前置増幅器 14 交流増幅器 15 ゼロクロスデテクタ 16 マイクロプロセッサ 17 表示器 18 キー 19 通信ポート 31 石英ロッド 32 ヘッダー 33 赤外線検出器 34 唇 35 吸引ポンプ 36 吸引圧調整器 101 赤外線光源 102 試料セル 103 回転変調器 104 測定フィルタ 105 参照フィルタ 106 同期信号調整器 110 前置増幅器 111 同期整流器 151 測定対象成分の吸収 152 測定妨害成分の吸収 161 短透過波長 162 長透過波長 163 高透過率 164 低透過率 165 無成分透過率 166 有成分透過率 181 測定妨害成分の信号 182 測定対象成分の信号 183 測定信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/51 G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01R 19/04 A61B 5/145 A61B 10/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光吸収の波長が測定対象成分の光吸収の
    最大吸収波長の近辺に極値を持たないが、その裾が重な
    っている測定妨害成分を含有する試料中の測定対象成分
    を光吸収により計測するための装置であって、光源と
    最大透過波長を周期的に走査させる手段を持つ干渉フィ
    ルタと、検出器と、ゼロクロスデテクタとからなり、
    干渉フィルタの周期的な走査波長を、前記測定対象成
    分の最大吸収波長を中心とし、かつ前記測定妨害成分の
    光吸収波長の極値を含まない狭い範囲で走査し、前記光
    源からの光を前記干渉フィルタに透過させ、その前また
    は後ろに置かれた前記試料に透過または反射させたの
    ち、検出器に入れ電気信号として検出し、電気信号の周
    期的に変化する成分の信号の全周期及び半周期(各ゼロ
    クロス点間の時間)をゼロクロスデテクタにより求め、
    全周期に対する半周期の変化量から前記成分を定量する
    ようにしたことを特徴とする干渉フィルタ透過波長走査
    式光度計。
  2. 【請求項2】 干渉フィルタ面の法線と光軸のなす角度
    が周期的に変わるように回動させることにより最大透過
    波長走査を行うことを特徴とする請求項1記載の干渉フ
    ィルタ透過波長走査式光度計。
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