JP6310027B2 - はんだ付け用フラックス組成物、太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法 - Google Patents

はんだ付け用フラックス組成物、太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、はんだ付け用フラックス組成物、太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法に関する。
はんだ付けによる接合については、電子基板と電子部品との接合などに広く利用されている。そして、例えば太陽電池モジュールにおいても、太陽電池セル上のバスバー電極とタブ線とをはんだ付けにより接合している。ここで、はんだ付けの際にはフラックス組成物を使用するが、従来は特許文献1に記載のようなロジン系フラックス組成物が使用されていた。
特開平8−243787号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなロジン系フラックス組成物を用いて太陽電池モジュールを作製した場合、はんだ付け後の残さが太陽電池セル上に残り、金属腐食や、太陽光の変換効率や、後工程で樹脂封止後の膨れといった問題が生ずる場合がある。一方で、単純に固形分(ロジン系樹脂、活性剤、添加剤など)の配合量を減らして残さ量を少なくする方法では、はんだ付け性が低下し、はんだ接合強度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、はんだ付け後の残さが極めて少ないにも拘わらず、はんだ付け性に優れ、かつ金属腐食を十分に抑制できるはんだ付け用フラックス組成物、並びに、それを用いた太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなはんだ付け用フラックス組成物、太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、ロジンを含有しないはんだ付け用フラックス組成物であって、前記フラックス組成物は、(A)溶剤と、(B)活性剤とを含有し、前記(A)成分は、(A1)沸点が120℃以上320℃以下のグリコール系溶剤またはテルペン系溶剤、(A2)炭素数2〜8のジカルボン酸と炭素数1〜8のアルコールからなるジカルボン酸エステル、および(A3)アルコール系溶剤を含有し、前記(B)成分は、炭素数2〜6のジカルボン酸であり、前記(A3)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、75質量%以上95質量%以下であり、
前記(B)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上3質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(A1)成分の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(A2)成分の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(A1)成分が、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、前記はんだ付け用フラックス組成物を用いて作製されることを特徴とするものである。
本発明の電子基板は、前記はんだ付け用フラックス組成物を用いて作製されることを特徴とするものである。
なお、本発明のはんだ付け用フラックス組成物が、はんだ付け後の残さが極めて少ないにも拘わらず、はんだ付け性に優れ、かつ金属腐食を十分に抑制できる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、フラックス残さの主要因であるロジンを含有していないため、はんだ付け後の残さを極めて少なくできる。一方で、ロジンを含有していないために、通常はロジンが担っている作用(はんだ表面の再酸化を抑制することや、熱媒体として活性剤の熱劣化を抑制すること)を他の成分で補うことが必要となる。これに対し、(B)成分と(A1)成分および(A2)成分とを組み合わせて用いた場合、はんだ表面の再酸化を抑制でき、(B)成分である活性剤の熱劣化を抑制できる。そして、(A1)成分および(A2)成分は、はんだ付け時には大気中に揮発するために、設備のメンテナンス性を損なうことがない。さらに、(B)成分の配合量は、金属腐食を抑制できるような範囲としている。以上のようなメカニズムにより、本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、はんだ付け後の残さが極めて少ないにも拘わらず、はんだ付け性に優れ、かつ金属腐食を十分に抑制できるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、はんだ付け後の残さが極めて少ないにも拘わらず、はんだ付け性に優れ、かつ金属腐食を十分に抑制できるはんだ付け用フラックス組成物、並びに、それを用いた太陽電池モジュールの製造方法および電子基板の製造方法を提供できる。
太陽電池モジュールの作製方法の一例を示す説明図である。
[はんだ付け用フラックス組成物]
まず、本発明のはんだ付け用フラックス組成物について説明する。本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、以下説明する(A)溶剤および(B)活性剤を含有するものである。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)溶剤は、以下説明する(A1)成分、(A2)成分および(A3)成分を含有するものである。
前記(A1)成分は、1013hPaにおける沸点が120℃以上320℃以下(好ましくは、240℃以上320℃以下)のグリコール系溶剤またはテルペン系溶剤であり、市販品を入手可能である。このような(A1)成分であれば、活性剤の熱劣化の抑制に寄与できる。
前記(A1)成分としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(124℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(295℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(271℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(259℃)、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(272℃)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(245℃)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(283℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(256℃)、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル(302℃)、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(242℃)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(274℃)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(243℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(255℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(275℃)およびイソボルニルシクロヘキサノール(310〜318℃)などが挙げられる。これらの中でも、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、イソボルニルシクロヘキサノールが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、括弧内に記載の温度は、上記の溶剤の沸点である。
前記(A1)成分の配合量は、はんだ付け性の観点から、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましく、1.5質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A2)成分は、炭素数2〜8のジカルボン酸と炭素数1〜8のアルコールからなるジカルボン酸エステルであり、市販品を入手可能である。この(A2)成分の原料となるジカルボン酸およびアルコールの炭素数が前記範囲内であれば、はんだ付け性の向上に寄与できる。また、(A2)成分は、ジカルボン酸モノエステルであっても、ジカルボン酸ジエステルであってもよいが、残さの抑制の観点からは、ジカルボン酸ジエステルであることが好ましい。
ジカルボン酸の炭素数は、はんだ付け性の観点から、3〜6であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、6であることが特に好ましい。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、フタル酸などが挙げられる。
アルコールの炭素数は、1〜7であることが好ましく、また、はんだ付け性の観点から、1〜4であることがより好ましく、1〜2であることが更により好ましく、1であることが特に好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、フェノールなどが挙げられる。
また、この(A2)成分は、1013hPaにおける沸点が150℃以上300℃以下であることが好ましい。
前記(A2)成分の配合量は、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A3)成分は、アルコール系溶剤であり、市販品を入手可能である。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。これらの中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、この(A3)成分は、1013hPaにおける沸点が100℃以下であることが好ましい。
前記(A3)成分の配合量は、前記フラックス組成物100質量%に対して、75質量%以上95質量%以下であることが好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上95質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A)成分は、前記(A1)成分〜前記(A3)成分の他に、(A4)その他の有機溶剤を含有していてもよい。
この(A4)成分としては、炭化水素系溶剤、(A1)成分以外のグリコール系溶剤、(A2)成分以外のエステル系溶剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)成分の合計配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、80質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99.8質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上99.8質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記範囲内であれば、フラックス組成物の塗布性を適宜調整できる。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)活性剤は、炭素数2〜6のジカルボン酸である。(B)成分の配合量が下記範囲内とすれば、はんだ表面の再酸化を抑制することや、熱媒体として活性剤の熱劣化を抑制することができる。
また、この(B)成分は、1013hPaにおける沸点が320℃以下であることが好ましい。
この(B)成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、およびアジピン酸などが挙げられる。これらの中でも、はんだ付け性とフラックス残さとのバランスの観点から、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸が好ましく、コハク酸が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上3質量%以下であることが必要である。(B)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ付け性が低下し、他方、前記上限を超えると、フラックス残さが残りやすくなり、金属などの腐食が懸念される。また、はんだ付け性、フラックス残さ、金属腐食のバランスの観点から、前記(B)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上2.8質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以上2.5質量%以下であることが特に好ましい。
[他の成分]
本発明のフラックス組成物は、前記(B)成分以外の活性剤として、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤をさらに含有してもよい。この非解離型活性剤は、前記(B)成分の活性作用にほとんど影響を与えずに、非解離型活性剤としての活性作用を付与できる。
前記非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このハロゲン化化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシル化合物のように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、その他これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシル化合物としては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル化合物、2−クロロ安息香酸、3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル化合物、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル化合物、その他これらに類する化合物が挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記非解離型活性剤の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
本発明のフラックス組成物は、前記(A)成分、前記(B)成分および前記非解離型活性剤の他に、必要に応じて、チクソ剤、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の配合量としては、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。なお、これらの添加剤としては、フラックス残さの要因となりにくい成分を選択することが好ましい。
[太陽電池モジュールおよび電子基板]
次に、本発明の太陽電池モジュールおよび電子基板について説明する。本発明の太陽電池モジュールは、以上説明したフラックス組成物を用いて、例えばタブ線を太陽電池セルのバスバー電極に接合することで作製できる太陽電池モジュールである。また、本発明の電子基板は、以上説明したフラックス組成物を用いて、例えば電子部品をプリント配線基板などに実装することで作製できる電子基板である。なお、前記本発明のフラックス組成物は、太陽電池モジュール用のフラックス組成物として好適なものであるので、ここでは、太陽電池モジュールを作製する方法を例に挙げて、図面に基づいて説明する。
図1は、太陽電池モジュールの作製方法の一例を示す説明図である。
本発明の太陽電池モジュールは、図1に示すように、太陽電池セル1のバスバー電極11と、タブ線2とを、フラックス組成物3を用いてはんだ接合することで作製できる。具体的には、以下説明する塗布工程、配置工程およびはんだ接合工程により、太陽電池モジュールを作製できる。
太陽電池セル1は、図1(A)に示すように、バスバー電極11と、フィンガー電極12を備える。太陽電池セル1は、単結晶セル、多結晶セルなどの結晶性セルであってもよく、アモルファスセルであってもよい。また、バスバー電極11およびフィンガー電極12の金属としては、例えば、銀などを用いることができる。
タブ線2は、バー状の金属の表面にはんだメッキ処理が施されたものである。このタブ線2により、複数の太陽電池セル1を連結させることができる。タブ線2の材質は、金属であればよく特に限定されないが、例えば、銅などを用いることができる。また、はんだメッキ処理におけるはんだ組成としては、例えば、Snメッキ、Sn/Pbメッキ、Sn/Agメッキ、Sn/Ag/Cuメッキなどが挙げられる。
フラックス組成物3としては、前記本発明のフラックス組成物を用いる。
塗布工程においては、図1(B)に示すように、太陽電池セル1のバスバー電極11にフラックス組成物3を塗布する。なお、バスバー電極11ではなく、タブ線2に、フラックス組成物3を塗布してもよい。
ここで用いる塗布装置としては、ディスペンサー、ジェットディスペンサー、スプレーフラクサー、ロール転写などが挙げられる。
配置工程においては、図1(C)に示すように、フラックス組成物3と、タブ線2とが接するように、太陽電池セル1にタブ線2を配置する。
はんだ接合工程においては、図1(C)に示すように、太陽電池セル1上のバスバー電極11にタブ線2をはんだ接合できる。そして、図1(D)に示すように、このタブ線2により太陽電池セル1の表面と別の太陽電池セル1の裏面とを接合させて、複数の太陽電池セル1を連結させることができる。なお、太陽電池セル1の表面と別の太陽電池セル1の表面とを接合させてもよい。
このはんだ接合工程においてはんだ接合の方式としては、熱圧着方式、パルスヒート方式、熱風ブロワー方式などが採用できる。
例えば、熱圧着方式を採用し、タブ線2のメッキがSn/Pb共晶はんだである場合、熱圧着時の温度は、190℃以上250℃以下であることが好ましく、210℃以上230℃以下であることがより好ましい。熱圧着時の温度が前記下限未満では、太陽電池セル1のバスバー電極11とタブ線2とのはんだ接合が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、太陽電池セル1などが熱により変形しやすくなる傾向にある。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A1)成分)
グリコール系溶剤A:トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点:274℃)、日本乳化剤社製
グリコール系溶剤B:プロピレングリコールモノフェニルエーテル(沸点:243℃)、日本乳化剤社製
グリコール系溶剤C:ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(沸点:272℃)、日本乳化剤社製
テルペン系溶剤:イソボルニルシクロヘキサノール(沸点:310〜318℃)、日本テルペン化学社製
((A2)成分)
ジカルボン酸エステル:アジピン酸ジメチル(沸点:230℃)
((A3)成分)
アルコール系溶剤A:エタノール(沸点:78℃)
アルコール系溶剤B:イソプロパノール(沸点:82℃)
アルコール系溶剤C:メタノール(沸点:64℃)
((B)成分)
活性剤A:コハク酸(沸点:235℃)
活性剤B:アジピン酸(沸点:300℃以上)
(他の成分)
非解離型活性剤:ジブロモブテンジオール、エア・ブラウン社製
ロジン:商品名「中国ロジンX」、荒川化学工業社製
[実施例1]
グリコール系溶剤A2質量%、ジカルボン酸エステル0.1質量%、アルコール系溶剤A83.5質量%、アルコール系溶剤B10質量%、アルコール系溶剤C1.6質量%、活性剤A2質量%および非解離型活性剤0.8質量%を容器に投入し、混合してフラックス組成物を得た。
[実施例2〜11]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
[比較例1〜6]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
<フラックス組成物の評価>
フラックス組成物の特性(残さおよびべたつき、はんだ付け性、銅板腐食性、保存性、ノズルの目詰まり)を以下のような方法で評価した。実施例について得られた結果を表1に示し、比較例について得られた結果を表2に示す。
(試験基板作製条件)
基板:太陽電池セル(大きさ:125mm×125mm、バスバー電極幅:1.5mm、バスバー電極:Ag100%焼成電極)
タブ線のはんだメッキの合金組成:Sn/Pb共晶はんだ(63Sn/37Pb)フラックス塗布:綿棒にて塗布
はんだ付け:ホットプレート上にて加熱(240℃、2秒間)
(1)残さおよびべたつき
はんだ付後のフラックス残さのべたつきを指触および目視により評価した。そして、下記の基準に従って、はんだ付け後のべたつきを評価した。
○:残さがほとんどなく、べたつきがない。
×:残さがあり、若干のべたつきがある。
××:残さが多く、べたつきがある。
(2)はんだ付け性
試験基板の接合強度を次のようにして測定した。すなわち、引張試験機を用いて、その試験基板のタブ線を太陽電池セルに対して180°方向に線圧1N/mmの条件で引張った場合の引張強度を測定し、下記の基準に従って、はんだ付け性を評価した。
○:引張強度が1.5N以上である。
△:引張強度が1.0N以上1.5N未満である。
×:引張強度が1.0N未満である。
(3)銅板腐食性
JIS Z 3197−1986に記載の方法により、下記の基準に従って、銅板腐食性を評価した。
○:合格
×:不合格
(4)保存性
フラックス組成物を、温度−15℃の環境下に、72時間放置して、その外観を目視にて観察した。そして、下記の基準に従って、フラックス組成物の保存性を評価した。
○:結晶の発生がない。
×:結晶が発生している。
(5)ノズルの目詰まり
ステンレスメッシュ(目開き:25μm)の上に、1滴(0.01mL)のフラックス組成物を滴下し、その後、温度25℃の室内に8時間放置したものを試料とする。試料のステンレスメッシュの開口穴(609箇所(29個×21列))を顕微鏡にて観察し、下記の基準に従って、ノズルの目詰まりを評価した。
◎:穴にフラックス組成物が残っていない。
○:穴にフラックス組成物が僅かに残っているが、目詰まりしていない。
×:フラックス組成物により目詰まりした穴がある。
Figure 0006310027
Figure 0006310027
表1および表2に示す結果からも明らかなように、本発明のフラックス組成物を用いた場合(実施例1〜11)には、残さおよびべたつき、はんだ付け性、銅板腐食性、並びに、保存性の全てが良好であることが分かった。従って、本発明のフラックス組成物は、はんだ付け後の残さが極めて少ないにも拘わらず、はんだ付け性に優れ、かつ金属腐食を十分に抑制できることが確認された。
これに対し、(B)成分の配合量が前記範囲外の場合(比較例1〜4)、或いは、(A1)成分を含有しない場合(比較例5および6)には、残さおよびべたつき、はんだ付け性、銅板腐食性、並びに、保存性のうちのいずれか1つ以上が不十分となることが確認された。
ところで、スプレーフラクサーノズルは、昨今、微細化への対応が求められている。そして、ノズル径が小さいものが求められ、例えば、ノズル径が、100μm以下、50μm以下または30μm以下のものが用いられるようになってきている。このような場合、従来のフラックス組成物では、乾燥が早く、固形分(ロジン系樹脂、活性剤など)の析出によりノズルが詰まり、塗布が上手くいかず品質が安定しないといった問題がある。
これに対し、本発明のフラックス組成物を用いた場合(実施例1〜11)には、ステンレスメッシュ上に長時間放置した場合にも、目詰まりが少ないことが確認された。そのため、ノズル径が小さいスプレーフラクサーノズルを用いた場合にも、目詰まりの発生を十分に抑制できる。
なお、スプレーフラクサーノズルの目詰まりの抑制の観点からは、(A1)成分が、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルのいずれかであることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、太陽電池モジュール用のフラックス組成物として特に好適に用いることができる。
1…太陽電池セル
11…バスバー電極
12…フィンガー電極
2…タブ線
3…フラックス組成物

Claims (6)

  1. ロジンを含有しないはんだ付け用フラックス組成物であって、
    前記フラックス組成物は、(A)溶剤と、(B)活性剤とを含有し、
    前記(A)成分は、(A1)沸点が120℃以上320℃以下のグリコール系溶剤またはテルペン系溶剤、(A2)炭素数2〜8のジカルボン酸と炭素数1〜8のアルコールからなるジカルボン酸エステル、および(A3)アルコール系溶剤を含有し、
    前記(B)成分は、炭素数2〜6のジカルボン酸であり、
    前記(A3)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、75質量%以上95質量%以下であり、
    前記(B)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上3質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(A1)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(A2)成分の配合量が、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.05質量%以上5質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(A1)成分が、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物を用いて太陽電池モジュールを作製することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物を用いて電子基板を作製することを特徴とする電子基板の製造方法
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