JP6309478B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像装置に関し、より詳しくは、監視カメラ、車載カメラ、デジタルカメラ等に好適な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
監視カメラ、車載カメラでは広い範囲を撮影可能なように広角の撮像レンズが好んで用いられており、死角を減らす、もしくは死角をなくすために全画角が180°に近いレンズ系が用いられることがある。このような広角のレンズ系としては、例えば下記特許文献1に記載されている魚眼レンズが知られている。
特公昭63−3286号公報
上記分野の撮像装置に用いられる撮像レンズには、広角であることに加え、設置スペースや携帯性の事情から小型であること、低照度の環境に対応可能なようにFナンバーが小さいことが求められる。また近年では、撮像レンズと組み合わせてCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を使用することが一般的であり、撮像素子の高画素化が年々進んでいることから、これに対応するため高解像の画像を取得可能な高性能の撮像レンズが求められている。
しかしながら、特許文献1に記載のレンズ系は、Fナンバーが十分小さいとは言えず、また、収差補正の点でも改善の余地があり、近年の要望に応えるためにはさらに高性能化が求められる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い画角を有し、小型で、Fナンバーが小さく、高い光学性能を有する撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、絞りと、正の屈折力を有する後群とから実質的になり、前群が、物体側から順に、負の屈折力を有する前群負レンズ群と、正の屈折力を有する前群正レンズ群とから実質的になり、前群負レンズ群が、3枚の負レンズから実質的になり、前群正レンズ群が、1枚の正レンズおよび前群正レンズ群の最も像側に配置された1枚の負レンズを含み、後群が、2枚の正レンズおよび2枚の負レンズを含み、下記条件式(1)、(4)および(5−1)を満足するものである。
0.95<−fAn/f<2 (1)
55<νd3<96 (4)
0.004<ΔθgF3<0.006 (5−1)
ただし、
fAn:前群負レンズ群の焦点距離
f:全系の焦点距離
νd3:前群負レンズ群の最も像側の負レンズのd線基準のアッベ数
ΔθgF3:前群負レンズ群の最も像側の負レンズの異常分散性
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(1−1)を満足することが好ましい。
1<−fAn/f<1.5 (1−1)
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(2)を満足することが好ましく、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.7<−fA/fB<10 (2)
0.75<−fA/fB<9 (2−1)
ただし、
fA:前群の焦点距離
fB:後群の焦点距離
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.3<f/fB<0.6 (3)
0.305<f/fB<0.5 (3−1)
ただし、
fB:後群の焦点距離
f:全系の焦点距離
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(4−1)を満足することが好ましい
0<νd3<70 (4−1
本発明の撮像レンズの前群負レンズ群の物体側から1番目および2番目のレンズのそれぞれが物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであることが好ましい。
また、本発明の撮像レンズの後群は、負レンズおよび両凸形状の正レンズが物体側から順に接合されてなる接合レンズを含むことが好ましい。
また、本発明の撮像レンズの後群が接合レンズを含む場合、後群が含む接合レンズのうち最も物体側の接合レンズは、正レンズおよび負レンズが物体側から順に接合されてなり、かつ接合面が像側に凸面を向けているように構成してもよい。
なお、上記の「〜から実質的になり」の「実質的に」は、挙げた構成要素以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、手ぶれ補正機構等の機構部分、等が含まれていてもよいことを意図するものである。
なお、上記の本発明の撮像レンズにおけるレンズの面形状、屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
なお、上記の本発明の撮像レンズにおける各群の屈折力の符号は、対応する群全体としての屈折力の符号をそれぞれ表すものである。
本発明の撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、物体側から順に、負の前群、絞り、正の後群が配置されてなるレンズ系において、各群が有するレンズの構成を好適に設定し、所定の条件式を満足するようにしているため、広い画角を有し、小型で、Fナンバーが小さく、高い光学性能を有する撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の実施例1の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例5の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の一実施形態に係る撮像装置の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の実施形態にかかる撮像レンズの構成と光路を示す断面図であり、それぞれ後述の実施例1〜5に対応している。図1〜図5に示す例の基本構成や図示方法は同様であるため、以下では主に図1に示す例を参照しながら説明する。図1では、左側が物体側、右側が像側であり、光路は軸上光束2、最大画角の軸外光束3について示し、最大の半画角ωも合わせて図示している。
この撮像レンズは、光軸Zに沿って物体側から順に、負の屈折力を有する前群GAと、開口絞りStと、正の屈折力を有する後群GBとから実質的に構成される。物体側から順に負、正の屈折力を配置し開口絞りStに対して非対称なレトロフォーカスタイプとすることで、広角化および十分な長さのバックフォーカスの確保に有利となる。なお、図1に示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、撮像装置の構成に応じて、レンズ系と像面Simの間に赤外線カットフィルタ、ローパスフィルタなどの各種フィルタやカバーガラス等を配置することが考えられるため、図1ではこれらを想定した平行平板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。しかし、光学部材PPの位置は図1に示すものに限定されないし、光学部材PPを省略した構成も可能である。
前群GAは、物体側から順に、負の屈折力を有する前群負レンズ群GAnと、正の屈折力を有する前群正レンズ群GApとから実質的になる。前群負レンズ群GAnは3枚の負レンズから実質的になる。前群負レンズ群GAnをこのような構成とすることで、全系の物体側に負の屈折力を集中させることができ、レンズ系の大径化を抑制しながら、広角化を図ることができる。また、3枚の負レンズで前群GAの負の屈折力を分担でき、球面収差の発生量を抑えて、小さなFナンバーのレンズ系の実現に有利となる。なお、図1の例では、前群負レンズ群GAnは、物体側から順に、負のレンズLa1〜La3が配列されてなる。
前群負レンズ群GAnの物体側から1番目および2番目のレンズのそれぞれが物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであることが好ましい。このようにした場合は、これら2枚のレンズによって軸外光線を緩やかに曲げて軸外収差の発生を抑えることができる。
前群正レンズ群GApは、1枚の正レンズおよび1枚の負レンズを含む。前群正レンズ群GApの最も像側には負レンズが配置される。前群正レンズ群GApをこのような構成とすることにより、球面収差、倍率色収差を良好に補正することができる。また、前群正レンズ群GApの最も像側に配置された負レンズは、前群GAの負の屈折力の確保に寄与してバックフォーカスの確保を容易にし、さらに倍率色収差の抑制に有利となる。
図1、図3の例では、前群正レンズ群GApは、物体側から順に、正のレンズLa4、正のレンズLa5、負のレンズLa6が配置された3枚構成である。しかし、図2に示すように、前群正レンズ群GApは、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズが配置された4枚構成としてもよく、あるいは図4に示すように、物体側から順に、正レンズ、負レンズが配置された2枚構成としてもよい。前群正レンズ群GApが含む正レンズにより、球面収差、非点収差、倍率色収差を補正することができる。前群正レンズ群GApが、最も像側以外に配置された負レンズ以外にも負レンズを含む場合は、この負レンズは前群GAの負の屈折力の確保に寄与してバックフォーカスの確保を容易にすることができる。前群正レンズ群GApの構成は図1〜図5に示す例に限定されないが、前群正レンズ群GApを実質的に構成するレンズの枚数は2枚以上4枚以下としてもよく、このようにした場合は、良好な性能と小型化の両立に有利となる。
後群GBは、2枚の正レンズおよび2枚の負レンズを含むように構成される。後群GBの2枚の正レンズにより、後群GBの正の屈折力を確保しつつ後群GBの正の屈折力を分担することができ、またレンズ系全長の短縮に有利となる。後群GBの2枚の負レンズにより、非点収差、軸上色収差、倍率色収差を補正することができる。
後群GBは接合レンズを含むことが好ましい。特に、後群GBは、負レンズおよび両凸形状の正レンズを物体側から順に接合した接合レンズを含むことが好ましく、このようにした場合は、接合面が物体側に凸面を向けた形状となり、倍率色収差を良好に補正することができ、高解像のレンズ系の実現に有利となる。なお、この接合レンズを後群GBが含む接合レンズのうち最も像側に配置した接合レンズとすれば、倍率色収差の良好な補正にさらに有利となる。
また、後群GBは、正レンズおよび負レンズが物体側から順に接合されてなり、かつ接合面が像側に凸面を向けた接合レンズを含み、この接合レンズを後群GBが含む接合レンズのうち最も物体側に配置された接合レンズとすることが好ましい。このようにした場合は、後群GBが含む接合レンズの中でこの接合レンズが最も開口絞りStに近い接合レンズとなり、非点収差の発生を抑えつつ球面収差を補正することが容易になる。
図1〜図4の例では、後群GBは、物体側から順に、正のレンズLb1、負のレンズLb2、負のレンズLb3、正のレンズLb4が配置された4枚構成である。図1、図2、図4の例では、正のレンズLb1および負のレンズLb2は接合されており、負のレンズLb3および正のレンズLb4は接合されている。
図1〜図4の例では、正のレンズLb1によりレンズ系全長の短縮と前群GAのレンズの小径化を図ることができ、負のレンズLb2により非点収差と歪曲収差の良好な補正に有利となり、負のレンズLb3、正のレンズLb4各々により軸上色収差、倍率色収差、非点収差の良好な補正に有利となる。
図5の例の後群GBは、図1〜図4の例の後群GBの4枚に加え後群GBの最も物体側に負レンズを配置した構成を採っており、この後群GBの最も物体側の負レンズにより非点収差の良好な補正に有利となる。後群GBの構成は図1〜図5に示す例に限定されないが、後群GBを実質的に構成するレンズの枚数は5枚以下としてもよく、このようにした場合は、良好な性能と小型化の両立に有利となる。
また、本発明の撮像レンズの構成は図1〜図5に示す例に限定されないが、全系を構成するレンズの枚数は11枚以下としてもよく、このようにした場合は、小型化に有利となる。
この撮像レンズは、下記条件式(1)を満足するように構成されている。
0.95<−fAn/f<2 (1)
ただし、
fAn:前群負レンズ群の焦点距離
f:全系の焦点距離
条件式(1)の下限以下にならないようにすることで、前群負レンズ群GAnの負の屈折力が強くなりすぎないため、球面収差を良好に補正でき、Fナンバーが小さなレンズ系の実現に有利となる。条件式(1)の上限以上にならないようにすることで、レンズ径が大きくなりやすい前群負レンズ群GAnのレンズの大径化を抑制することができ、小型化を図ることができる。条件式(1)に関する上記効果をより高めるためには、下記条件式(1−1)を満足することがより好ましい。
1<−fAn/f<1.5 (1−1)
また、この撮像レンズは、下記条件式(2)を満足することが好ましい。
0.7<−fA/fB<10 (2)
ただし、
fA:前群の焦点距離
fB:後群の焦点距離
条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、後群GBの屈折力に比して前群GAの屈折力が強くなりすぎるのを抑えることができ、歪曲収差等の軸外収差の補正が容易になる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、後群GBの屈折力に比して前群GAの屈折力が弱くなりすぎるのを抑えることができ、バックフォーカスの確保が容易になる。条件式(2)に関する上記効果をより高めるためには、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.75<−fA/fB<9 (2−1)
また、この撮像レンズは、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
0.3<f/fB<0.6 (3)
ただし、
fB:後群の焦点距離
f:全系の焦点距離
条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、後群GBの屈折力が弱くなりすぎるのを抑えることができ、非点収差を良好に補正することができる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、後群GBの屈折力が強くなりすぎるのを抑えることができ、バックフォーカスの確保が容易になる。条件式(3)に関する上記効果をより高めるために下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.305<f/fB<0.5 (3−1)
また、この撮像レンズは、下記条件式(4)および(5)を満足することが好ましい。
55<νd3<96 (4)
0.003<ΔθgF3<0.05 (5)
ただし、
νd3:前群負レンズ群の最も像側の負レンズのd線基準のアッベ数
ΔθgF3:前群負レンズ群の最も像側の負レンズの異常分散性
ここで、異常分散性ΔθgFについて説明する。レンズのg線(波長435.8nm)に対する屈折率をNgとし、F線(波長486.1nm)に対する屈折率をNFとし、C線(波長656.3nm)に対する屈折率をNCとしたとき、g線とF線間の部分分散比θgFはθgF=(Ng−NF)/(NF−NC)で表される。このθgFを縦軸とし、d線基準のアッベ数νdを横軸とする直交2軸の2次元座標上で、基準硝種NSL7(株式会社オハラ製)の座標点(νd=60.49,θgF=0.5436)と基準硝種PBM2(株式会社オハラ製)の座標点(νd=36.26,θgF=0.5828)とを結んだ直線を標準線とする。なお、上記2次元座標は、θgFが増加する方向が縦軸の上方向、νdが増加する方向が横軸の左方向である。あるレンズのΔθgFとは、上記2次元座標上におけるそのレンズのθgFの、上記標準線からの偏差である。言い換えれば、あるレンズのΔθgFとは、上記2次元座標上におけるあるレンズの座標点と上記標準線との縦軸に平行な方向の差である。ΔθgFの符号は、上記2次元座標上において、上記標準線よりあるレンズの座標点が上方にある場合を正、下方にある場合を負とする。
条件式(4)を満足するように中分散から低分散の材質を選択することで、倍率色収差を良好に補正することが容易となる。また、条件式(4)を満足するアッベ数を有する材質の中から条件式(5)を満たす異常分散性を有する材質を選択することで、倍率色収差を良好に補正することができ、特に2次色収差を良好に補正することができる。条件式(4)および(5)を満足する材質を前群負レンズ群GAnの最も像側の負レンズに用いることで、広角レンズ系においても倍率色収差を良好に補正することができ、高解像のレンズ系を実現可能となる。
条件式(4)に関する上記効果をより高めるために下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
60<νd3<70 (4−1)
また、条件式(5)に関する上記効果をより高めるために下記条件式(5−1)を満足することがより好ましい。
0.004<ΔθgF3<0.006 (5−1)
以上述べた好ましい構成や可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。上記構成を適宜採用することにより、広角のレンズ系において、コンパクトな構成、小さなFナンバー、高性能を実現することが可能となる。なお、ここでいう広角とは全画角が180°以上のことを意味し、ここでいう小さなFナンバーとは無限遠物体に合焦した状態でのFナンバーが2.6以下のことを意味する。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。以下に示す実施例1〜5は無限遠物体に合焦した状態での全系の焦点距離が1.00となるように規格化されたものである。
[実施例1]
実施例1の撮像レンズの構成は図1に示した通りである。なお、図1の構成における各レンズ群および各レンズの詳細な説明は上述した通りであるので、ここでは重複説明は省略する。
実施例1の撮像レンズのレンズデータを表1に示す。表1のSiの欄は最も物体側の構成要素の物体側の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄はi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄はi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。なお、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。Diの最下欄の値は光学部材PPと像面Simとの間隔である。
表1のNdjの欄は最も物体側の構成要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の構成要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄はj番目の構成要素のd線に対するアッベ数を示し、ΔθgFjの欄はj番目の構成要素の異常分散性を示す。なお、表1には、開口絞りSt、光学部材PP、像面Simも合わせて示している。表1では、開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載している。
表1の枠外上部には、全系の焦点距離f、空気換算長でのバックフォーカスBf、FナンバーFNo.、最大全画角2ωをd線基準で示す。なお、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
図6に、実施例1の撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における各収差図を示す。図6では、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)、倍率色収差(倍率の色収差)を示す。球面収差図では、d線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)に関する収差をそれぞれ黒の実線、長破線、短破線で示す。非点収差図では、サジタル方向、タンジェンシャル方向のd線に関する収差をそれぞれ実線、短破線で示す。歪曲収差図では、等距離射影方式に基づくd線に関する収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、F線に関する収差をそれぞれ長破線、短破線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバーを意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるため、以下では重複説明を省略する。
[実施例2]
実施例2の撮像レンズの構成は図2に示した通りである。実施例2の撮像レンズは、前群負レンズ群GAnがレンズLa1〜La3からなり、前群正レンズ群GApがレンズLa4〜La7からなり、後群GBがレンズLb1〜Lb4からなる。表2に、実施例2の撮像レンズのレンズデータを示す。図7に、実施例2の撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における各収差図を示す。
[実施例3]
実施例3の撮像レンズの構成は図3に示した通りである。実施例3の撮像レンズは、前群負レンズ群GAnがレンズLa1〜La3からなり、前群正レンズ群GApがレンズLa4〜La6からなり、後群GBがレンズLb1〜Lb4からなる。表3に、実施例3の撮像レンズのレンズデータを示す。図8に、実施例3の撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における各収差図を示す。
[実施例4]
実施例4の撮像レンズの構成は図4に示した通りである。実施例4の撮像レンズは、前群負レンズ群GAnがレンズLa1〜La3からなり、前群正レンズ群GApがレンズLa4〜La5からなり、後群GBがレンズLb1〜Lb4からなる。表4に、実施例4の撮像レンズのレンズデータを示す。図9に、実施例4の撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における各収差図を示す。
[実施例5]
実施例5の撮像レンズの構成は図5に示した通りである。実施例5の撮像レンズは、前群負レンズ群GAnがレンズLa1〜La3からなり、前群正レンズ群GApがレンズLa4〜La6からなり、後群GBがレンズLb1〜Lb5からなる。表5に、実施例5の撮像レンズのレンズデータを示す。図10に、実施例5の撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態における各収差図を示す。
表6に実施例1〜5の撮像レンズの条件式(1)〜(5)の対応値を示す。表6の対応値のうち条件式(1)〜(4)の対応値はd線を基準とするものである。
以上のデータからわかるように、実施例1〜5の撮像レンズは、全系が9枚以上11枚以下のレンズからなり、小型に構成され、Fナンバーが2.55であり小さなFナンバーを有し、最大全画角が約185°であり広角の魚眼レンズ系を実現しながら、諸収差が良好に補正されて高い光学性能を達成している。
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図11に示すカメラ10は、本発明の一実施形態に係る撮像装置である。このカメラ10は、カメラボディ11に、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1を収納した鏡筒12が取り付けられた監視カメラである。カメラボディ11の内部には不図示の撮像素子が設けられている。この撮像素子は、撮像レンズ1により形成される光学像を撮像して電気信号に変換するものであり、その撮像面は撮像レンズの像面に一致するように配置される。撮像素子としては例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。
本実施形態のカメラ10は、本実施形態に係る撮像レンズ1を備えているため、装置を小型化できるとともに、低照度の環境に対応可能で、広い画角で撮影でき、高画質の画像を取得することができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数の値等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
また、撮像装置の実施形態では、監視カメラを例に挙げ図を示して説明したが、本発明の撮像装置はこれに限定されるものではなく、例えば、車載カメラ、デジタルカメラ等の種々の撮像装置に本発明を適用することも可能である。
1 撮像レンズ
2 軸上光束
3 最大画角の軸外光束
10 撮像装置
11 カメラボディ
12 鏡筒
GA 前群
GAn 前群負レンズ群
GAp 前群正レンズ群
GB 後群
La1〜La7、Lb1〜Lb5 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (11)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する前群と、絞りと、正の屈折力を有する後群とから実質的になり、
    前記前群が、物体側から順に、負の屈折力を有する前群負レンズ群と、正の屈折力を有する前群正レンズ群とから実質的になり、
    前記前群負レンズ群が、3枚の負レンズから実質的になり、
    前記前群正レンズ群が、1枚の正レンズおよび前記前群正レンズ群の最も像側に配置された1枚の負レンズを含み、
    前記後群が、2枚の正レンズおよび2枚の負レンズを含み、
    下記条件式(1)、(4)および(5−1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.95<−fAn/f<2 (1)
    55<νd3<96 (4)
    0.004<ΔθgF3<0.006 (5−1)
    ただし、
    fAn:前記前群負レンズ群の焦点距離
    f:全系の焦点距離
    νd3:前記前群負レンズ群の最も像側の負レンズのd線基準のアッベ数
    ΔθgF3:前記前群負レンズ群の最も像側の負レンズの異常分散性
  2. 下記条件式(2)を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
    0.7<−fA/fB<10 (2)
    ただし、
    fA:前記前群の焦点距離
    fB:前記後群の焦点距離
  3. 下記条件式(3)を満足する請求項1または2に記載の撮像レンズ。
    0.3<f/fB<0.6 (3)
    ただし、
    fB:前記後群の焦点距離
  4. 前記前群負レンズ群の物体側から1番目および2番目のレンズのそれぞれが物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  5. 前記後群が、負レンズおよび両凸形状の正レンズが物体側から順に接合されてなる接合レンズを含む請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  6. 前記後群は接合レンズを含み、前記後群が含む接合レンズのうち最も物体側の接合レンズは、正レンズおよび負レンズが物体側から順に接合されてなり、かつ接合面が像側に凸面を向けている請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
  7. 下記条件式(1−1)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    1<−fAn/f<1.5 (1−1)
  8. 下記条件式(2−1)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.75<−fA/fB<9 (2−1)
    ただし、
    fA:前記前群の焦点距離
    fB:前記後群の焦点距離
  9. 下記条件式(3−1)を満足する請求項1からのいずれか1項に記載の撮像レンズ。
    0.305<f/fB<0.5 (3−1)
    ただし、
    fB:前記後群の焦点距離
    f:全系の焦点距離
  10. 下記条件式(4−1)を満足する請求項に記載の撮像レンズ。
    60<νd3<70 (4−1)
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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