JP6308390B2 - 樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性繊維強化樹脂などのスタンピング成形において、リブ形状部、ボス形状部のような凸形状部を有する樹脂成形品を成形する樹脂成形品の成形方法に関する。
従来から、熱可塑性繊維強化樹脂などをスタンピング成形した樹脂成形品は、各種部品や製品に用いられており、剛性向上を図るために、一体成形される高いリブやボス部を有している。ここで、熱可塑性繊維強化樹脂のスタンピング成形とは、予め加熱して溶融させた熱可塑性繊維強化樹脂をプレス機で加圧することにより、任意の形状の成形品を作製する方法である。このスタンピング成形において、従来の技術では、リブやボス部を成形するために、予め、金型にリブ成形部やボス成形部を設けており、プレス機で加圧することにより、溶融した熱可塑性繊維強化樹脂をリブ成形部やボス成形部に流動させ、リブやボス部を有する成形品の成形が行われている。
しかし、このような従来技術は、予め、金型にリブ成形部やボス成形部を設けて加圧成形を行うのみであり、強化繊維と樹脂との複合材料が金型内でリブ成形部やボス成形部に流動し難いため、高いリブやボス部の成形が困難となり、リブやボス部の先端が欠ける成形不良や強度不足を生じるおそれがあった。また、高い圧力や高い温度で圧縮成形すると、複合材料の流動性は高くなるが、樹脂分のみが流れて強化繊維が流動する複合材料の先端部分まで流れず、成形品の強化繊維の分布が偏った成形品となるおそれがあった。さらに、強化繊維の流動性を上げるために、繊維長さの短い短繊維を使用すると、成形品の強度が低下するおそれがあった。
一方、従来技術の中には、スタンピング成形において、リブやボス部の形状と長繊維の長さや含有量の相関関係から実現可能な比率で得られたシート状のプリプレグを積層して作製した流動性の良い基材を用いることにより、厚さが2.5mm以下のリブやボス部を成形した成形品が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−11362号公報
しかしながら、上述した特許文献1のスタンピング成形では、シート状のプリプレグを積層して作製した特殊な基材を用いることが前提であり、この特殊な基材を用いないと、高いリブやボス部を有する成形品を成形することができないので、汎用性に問題を有し、コスト高を招くおそれがあった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、長繊維の流動性を促進して長繊維の分布状態や等方性を維持し、母材と同じ強度を確保しつつ良好な成形性を担保し、長繊維の長さや含有割合などに制限がなく、母材に必要な長繊維の長さを選択して成形品に必要な強度を与え、部品として必要な細かい形状の成形品を成形することが可能な樹脂成形品の成形方法を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含む樹脂成形品の成形方法において、前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくは前記母材面の位置から出て配置されており、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動される。
また、本発明は、上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含む樹脂成形品の成形方法において、前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくはその近くに配置されており、前記繊維強化樹脂は、熱可塑性繊維強化樹脂であり、前記繊維強化樹脂を供給する工程において、前記繊維強化樹脂は、融点まで加熱された後に前記金型に供給され、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記上型もしくは前記下型が前記繊維強化樹脂に接触して加圧を開始したときに、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動され、前記樹脂成形品を取り出す工程において、前記繊維強化樹脂が冷却された後に前記金型が開かれる。
さらに、本発明において、前記ピストンは、通気性を有する素材によって形成されており、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型の端部まで摺動した後に、前記ピストンの裏側から前記ピストンを介して前記凸形状部への減圧引きが行われる。
そして、本発明において、前記凸形状部への減圧引きは、前記繊維強化樹脂を流動させる工程の後半に減圧を大きくする過程を有している。
上述の如く、本発明に係る樹脂成形品の成形方法は、上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含んでおり、前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくは前記母材面の位置から出て配置されており、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動されるので、強度を高める長繊維の使用が可能となり、長繊維の流動性を促進して長繊維の分布状態や等方性を維持し、母材と同じ強度を確保しつつ良好な成形性を担保することができる。また、本発明の樹脂成形品の成形方法では、粘度の高い樹脂を用いても、リブ形状部、ボス形状部などの凸形状部を確実に成形することが可能となり、かつ、流動の際に繊維を絡めて流動する効果を有する粘度の高い樹脂を用いることで、樹脂と繊維を均一に流動させることが可能となる。
したがって、本発明の樹脂成形品の成形方法によれば、特殊な基材を用いず、強化繊維として使用する長繊維の長さや含有割合などに制限がなく、母材に必要な長繊維の長さを選択して成形品に十分な強度を持たせることができ、リブ、ボス部などを有する部品として必要な細かい形状の成形品を成形でき、汎用性に優れた高品質の成形品を提供することができるとともに、生産性の向上及び成形品コストの低減化を図ることができる。
また、本発明上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含む樹脂成形品の成形方法において、前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくはその近くに配置されており、前記繊維強化樹脂は、熱可塑性繊維強化樹脂であり、前記繊維強化樹脂を供給する工程において、前記繊維強化樹脂は、融点まで加熱された後に前記金型に供給され、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記上型もしくは前記下型が前記繊維強化樹脂に接触して加圧を開始したときに、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動され、前記樹脂成形品を取り出す工程において、前記繊維強化樹脂が冷却された後に前記金型が開かれるので、流動性の低い熱可塑性繊維強化樹脂を使用した場合でも、加圧と流動に合わせてピストンを摺動させることができ、早めにピストンが動くことで成形不良となる空間を生じる可能性を防ぐことができる。
さらに、本発明において、前記ピストンは、通気性を有する素材によって形成されており、前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型の端部まで摺動した後に、前記ピストンの裏側から前記ピストンを介して前記凸形状部への減圧引きが行われるので、繊維強化樹脂の流動性をより一層促進することができ、リブ形状部、ボス形状部などの凸形状部を確実に成形でき、粘度の高い樹脂を用いることで、流動に際して繊維を絡めながら流動するという効果を得ることができ、樹脂と繊維を均一に流動させて高品質の成形品を成形することができる。
そして、本発明において、前記凸形状部への減圧引きは、前記繊維強化樹脂を流動させる工程の後半に減圧を大きくする過程を有しているので、繊維強化樹脂を均一にかつ効率的に流動させることができる。減圧の割合において、繊維強化樹脂を流動させる工程の前半は、繊維強化樹脂が金型の凸成形部の浅い部分に流動するため低減圧でも良く、工程の後半は、繊維強化樹脂が金型の凸成形部の深い部分の細部に流動するため大きな減圧の方が均質な流動が得られるので、工程の後半に減圧を大きくすることが有効な方法と言えるからである。
本発明の実施の形態に係る樹脂成形品の成形方法を実施する金型に熱可塑性繊維強化樹脂を供給(チャージ)した状態を示す概念斜視図である。 図1の熱可塑性繊維強化樹脂を加圧する前の状態を示す断面図である。 図1の熱可塑性繊維強化樹脂を加圧する初期の状態を示す断面図である。 図1の熱可塑性繊維強化樹脂を加圧する中期の状態を示す断面図である。 図1の熱可塑性繊維強化樹脂を加圧する後期の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る樹脂成形品の成形方法において、減圧と時間との関係を説明するグラフである。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は本発明の実施形態に係る樹脂成形品の成形方法を実施する金型及び熱可塑性繊維強化樹脂を示すものである。
本実施形態の成形方法は、プレス機で熱可塑性繊維強化樹脂1を加圧するスタンピング成形であり、図1〜図5に示すように、使用される熱可塑性繊維強化樹脂1の繊維形態は、不連続の繊維が好ましい。また、繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、スチール繊維などの多様な繊維が挙げられる。さらに、母材樹脂としては、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート等、熱可塑性樹脂であれば、適用可能である。
本実施形態の成形方法により成形される樹脂成形品11は、一体成形されたリブ形状部もしくはボス形状部などの凸形状部12を有しており、該凸形状部12は、所定の厚さ及び高さで、成形品本体13の表面から突出している。
本実施形態の成形方法に使用される金型2は、図1〜図5に示すように、下面に凸部3aを有する上型3と、上面に上型3の凸部3aと嵌合し、かつ供給(チャージ)した熱可塑性繊維強化樹脂1を入れる凹部4aを有する下型4とを備えており、上型2は、図外の駆動手段によって、凹部4aに入れた熱可塑性繊維強化樹脂1の加圧時に下降し、樹脂成形品11の金型2からの取り出し時に上昇するように構成されている。一方、下型4の上面中央部には、凹部4aの底面から金型2の端部である下面まで金型2の上下方向に沿って延在しながら貫通する金型通路42と、上型3による加圧後に当該金型通路42内を金型2の端部方向(下型4の下面側)へ向かって摺動可能なピストン43とが設けられており、これら金型通路42及びピストン43によって、樹脂成形品11の凸形状部12を成形する凸成形部41が構成されている。
このため、金型通路42は、スタンピング成形する樹脂成形品11の凸形状部12に対応した形状及び大きさに形成されている。また、ピストン43は、下型4の凹部4a側に配置される先端ピストン部43aと、下型4の下面側に配置される基端ピストン部43bとから構成されており、上型3による熱可塑性繊維強化樹脂1への加圧初期には、熱可塑性繊維強化樹脂1の母材面の位置に合わせてもしくは母材面の近くに(少し凹んでいてもまたは少し出ていても良い)配置されている。
先端ピストン部43aは、通気性を有する素材である多孔質金属によって製作され、基端ピストン部43bは、内部に真空引き(減圧引き)用通路44を有する筒状の真空引き構造体に形成されており、真空引き用通路44は、先端ピストン部43aと外部との間を連通し、図5の矢印で示すように、樹脂成形品11の凸形状部12を真空引きするための真空ポンプ(図示せず)などの減圧手段に接続されている。
凸形状部12への真空引きは、図5に示すように、ピストン43の先端ピストン部43aが金型2の端部である下型4の下面まで摺動した後に、ピストン43の裏側である基端ピストン部43bから先端ピストン部43aを介して行われるようになっている。このような真空引き構造を金型2の凸成形部41に設け、凸形状部12への真空引きを行うことによって、熱可塑性繊維強化樹脂1の流動性が促進され、所望の形状の凸形状部12が成形されることになり、樹脂と繊維を均一に流動させた高品質の樹脂成形品11が得られるようになっている。
しかも、凸形状部12への真空引きにおける減圧の大きさは、図6の破線で示すように、時間の経過に伴って一定の割合で単調に増加する必要はなく、図6の実線もしくは一点鎖線で示すように、熱可塑性繊維強化樹脂1を金型2の凸成形部41の深い部分に流動させる工程の後半(例えば、加圧終了前)に所定時間減圧を大きくするような過程を有していれば良い。
本実施形態の樹脂成形品11の成形方法は、次のような手順で行われる。
すなわち、本実施形態の成形方法は、主として、(i)上型3を上昇させて開いた状態にある金型2に熱可塑性繊維強化樹脂1を供給する工程と、(ii)上型3を下降させて熱可塑性繊維強化樹脂1を加圧流動させる工程と、(iii)上型3を上昇させて金型2を開き、樹脂成形品11を取り出す工程とを含んでいる。
(i)熱可塑性繊維強化樹脂1を供給する工程において、予め熱可塑性繊維強化樹脂1を融点まで加熱し、図2に示すように、溶融した熱可塑性繊維強化樹脂1を図外の供給手段で下型4の凹部4a内に入れる。
(ii)次いで、熱可塑性繊維強化樹脂1を流動させる工程において、図3の矢印で示すように、上型3を下降させて熱可塑性繊維強化樹脂1に接触させ、加圧を開始する。この状態では、凸成形部41を構成するピストン43の先端ピストン部43aが熱可塑性繊維強化樹脂1の母材面の位置に合わせてもしくは母材面の近くに配置されている。そのため、熱可塑性繊維強化樹脂1が流動を開始したタイミングで、ピストン43の先端ピストン部43a及び基端ピストン部43bを、図1及び図4に示すように、金型2の端部方向である下型4の下面側へ向かって金型通路42内を摺動させる。これに伴い、熱可塑性繊維強化樹脂1が金型通路42内を流動することになる。
そして、上型3を更に下降させて熱可塑性繊維強化樹脂1への加圧を続けると、図5に示すように、ピストン43の先端ピストン部43aが金型通路42内を摺動して金型2の端部である下型4の下面に到達する。この時点で、図示しない減圧手段によりピストン43の裏側である基端ピストン部43bから先端ピストン部43aを介して凸形状部12への真空引きを所定時間にわたり行い、要求された凸成形部12を有する樹脂成形品11を成形する。
(iii)次いで、樹脂成形品11を冷却し、樹脂成形品11の冷却後、上型4を上昇させて金型2を開く。しかる後、樹脂成形品11を金型2から取り出せば、樹脂成形品11の成形工程が終了することになる。
このように、本発明の実施形態に係る樹脂成形品11の成形方法では、上型3及び下型4を備え、凸成形部41が設けられた金型2に繊維形態が不連続で融点まで加熱された熱可塑性繊維強化樹脂1を供給する工程と、上型3を下降させて熱可塑性繊維強化樹脂1を加圧し、熱可塑性繊維強化樹脂1を金型2の形状に合わせて流動させる工程と、上型3を上昇させて金型2を開き、凸形状部12を有する樹脂成形品11を取り出す工程を含み、金型2には、凸形状部12の形状に対応した金型通路42と金型通路42内を摺動可能なピストン43とが設けられ、金型通路42及びピストン43によって凸成形部41が構成され、ピストン43は、上型3の熱可塑性繊維強化樹脂1への加圧初期には熱可塑性繊維強化樹脂1の母材面の位置に合わせてもしくは母材面の近くに配置されており、熱可塑性繊維強化樹脂1を流動させる工程において、ピストン43が金型通路42内を金型2の端部方向である下型4の下面側へ向かって摺動される。
したがって、本発明の樹脂成形品11の成形方法によれば、強度を高める効果を有する長繊維や粘度の高い樹脂の使用が可能となり、かつ長繊維の流動性を促進して長繊維の分布状態や等方性を維持することが可能となり、リブ形状部、ボス形状部などの細かな形状の凸形状部12を有する高強度の樹脂成形品11を成形することができる。しかも、従来技術のような特殊基材を用いる必要がなく、かつ強化繊維として使用する長繊維の長さや含有割合などに制限がなく、母材に必要な長繊維の長さを選択して樹脂成形品11に十分な強度を持たせることができ、汎用性に優れた高品質の樹脂成形品11を低コストで得ることができる。
また、本実施形態の樹脂成形品11の成形方法では、熱可塑性繊維強化樹脂1を供給する工程において、熱可塑性繊維強化樹脂1が融点まで加熱された後に金型2に供給され、熱可塑性繊維強化樹脂1を流動させる工程において、上型3が熱可塑性繊維強化樹脂1に接触して加圧を開始したときに、ピストン43が金型通路42内を金型2の端部方向である下型4の下面側へ向かって摺動され、樹脂成形品11を取り出す工程において、熱可塑性繊維強化樹脂1が冷却された後に金型2が開かれるので、流動性の低い熱可塑性繊維強化樹脂1を使用した場合でも、熱可塑性繊維強化樹脂1への加圧と熱可塑性繊維強化樹脂1の流動に合わせてピストン43を摺動させることができ、早めにピストン43が動くことで成形不良となる空間発生を防止することができる。さらに、ピストン43は、通気性を有する素材の多孔質金属で製作された先端ピストン部43aと、内部に真空引き(減圧引き)用通路44を有する筒状の真空引き構造体の基端ピストン部43bとによって構成されており、熱可塑性繊維強化樹脂1を流動させる工程において、ピストン43が金型2の端部まで摺動した後に、ピストン43の裏側からピストン43を介して凸形状部12への減圧引きが行われるので、熱可塑性繊維強化樹脂1の流動性をより一層促進することができ、凸形状部12を確実に成形でき、高品質の樹脂成形品11を容易に成形することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、既述の実施の形態では、繊維強化樹脂として熱可塑性繊維強化樹脂1が使用されているが、熱可塑性素材以外の繊維強化樹脂も使用することが可能である。また、既述の実施の形態では、下型4に凸成形部41が設けられているが、上型3に凸成形部41が設けられ、もしくは上下型3,4に凸成形部41が設けられていても良い。さらに、上型3が移動するために下降及び上昇するだけでなく、下型4が移動するために上昇及び下降しても良い。
1 熱可塑性繊維強化樹脂
2 金型
3 上型
4 下型
11 樹脂成形品
12 凸形状部
13 成形品本体
41 凸成形部
42 金型通路
43 ピストン
43a 先端ピストン部
43b 基端ピストン部
44 真空引き用通路

Claims (4)

  1. 上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含む樹脂成形品の成形方法において、
    前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくは前記母材面の位置から出て配置されており、
    前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動されることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 上型及び下型を備え、凸成形部が設けられた金型に繊維形態が不連続の繊維強化樹脂を供給する工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記繊維強化樹脂を加圧し、前記繊維強化樹脂を前記金型の形状に合わせて流動させる工程と、前記上型もしくは前記下型を移動させて前記金型を開き、凸形状部を有する樹脂成形品を取り出す工程を含む樹脂成形品の成形方法において、
    前記金型には、前記凸形状部の形状に対応した金型通路と該金型通路内を摺動可能なピストンとが設けられ、これら金型通路及びピストンによって前記凸成形部が構成され、前記ピストンは、前記上型の前記繊維強化樹脂への加圧初期には前記繊維強化樹脂の母材面の位置に合わせてもしくはその近くに配置されており、
    前記繊維強化樹脂は、熱可塑性繊維強化樹脂であり、
    前記繊維強化樹脂を供給する工程において、前記繊維強化樹脂は、融点まで加熱された後に前記金型に供給され、
    前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記上型もしくは前記下型が前記繊維強化樹脂に接触して加圧を開始したときに、前記ピストンが前記金型通路内を前記金型の端部方向へ向かって摺動され、
    前記樹脂成形品を取り出す工程において、前記繊維強化樹脂が冷却された後に前記金型が開かれることを特徴とする脂成形品の成形方法。
  3. 前記ピストンは、通気性を有する素材によって形成されており、
    前記繊維強化樹脂を流動させる工程において、前記ピストンが前記金型の端部まで摺動した後に、前記ピストンの裏側から前記ピストンを介して前記凸形状部への減圧引きが行われることを特徴とする請求項1また2に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記凸形状部への減圧引きは、前記繊維強化樹脂を流動させる工程の後半に減圧を大きくする過程を有していることを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形品の成形方法。
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