JP6308078B2 - ワーク昇降装置 - Google Patents
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Description
従来のワーク昇降装置としては、例えば、図8に示すように、基台101とテーブル102との間に、第1及び第2リフトアーム1031、1032を相互に回転可能に連結してなる伸縮アーム103と、該伸縮アーム103を上下に伸縮させるためのシリンダ104を備え、該シリンダ104の動作により前記伸縮アーム103を上下に伸縮させて前記テーブル102を前記基台101に対して平行に昇降動させるテーブルリフト装置100が開示されている(特許文献1を参照)。
また、上記テーブルリフト装置100は、シザー作用角の条件により、テーブル102の上昇速度Qを一定に保つことが困難である。そのため、テーブル102の上昇速度Qを所定値に保持するためには、必要以上に大型のシリンダ104及び油圧ユニット105が必要となり、設備の大型化や設備費の増加を招いてしまう問題があった。
また、各組の下ブーム2031の間には、下ブーム2031が車体201に対して俯仰する角速度を同期させるための同調手段205が設けられているので、例えば、昇降台202を上昇させて搭載したワークを取付部に取り付ける際、ワークと取付部との面当たり具合に誤差があって、ワークを傾斜させて取付部とワークとを密着させる必要がある場合でも、同調手段205が昇降台202の平行度を保持しようとして、ワークの追従(傾斜)を阻害する問題があった。
(1)基台と、当該基台の上方に配置されワークを搭載する昇降台と、前記基台と前記昇降台とに回動自在に連結され中間部が屈曲する一対のアーム部材と、前記アーム部材における中間部の上下位置に回動自在に連結され前記アーム部材とは逆方向に中間部が屈曲する一対のリンク片と、前記昇降台を上下動させる作動部材とを備えるワーク昇降装置であって、
前記リンク片の中間部には、互いを連結する連結アームを備え、
前記作動部材には、前記基台に装着された駆動部と、前記昇降台に装着され前記駆動部によって伸縮する作用部とを備え、
前記作用部は、前記昇降台と前記一対のアーム部材が連結された連結部同士の中間位置に装着されたことを特徴とする。
また、昇降台に搭載したワークが被取付物の取付部に取り付ける際、ワークと取付部との面当たり具合に誤差があって、昇降台から両アーム部材に異なる荷重が作用する場合、作動部材の作用部が装着された中間位置を支点に昇降台が傾斜することによって、取付部へワークを密着させることができる。この場合、昇降台から、一方のアーム部材に作用する荷重より大きな荷重が、他方のアーム部材に作用するので、他方のアーム部材に連結された他方のリンク片の中間部における開度が縮小するが、同時に、一方のアーム部材に連結された一方のリンク片の中間部は、他方のリンク片の中間部に連結された連結アームに引っ張られて、その開度が拡大する。一方のリンク片の中間部における開度が拡大することによって、一方のアーム部材の中間部における開度も拡大し、昇降台における一方のアーム部材との連結部に上昇力が作用する。その結果、昇降台における一方のアーム部材との連結部には、作動部材の作用部が装着された中間位置を支点に、昇降台における他方のアーム部材との連結部に作用する荷重の反力に加えて、一方のリンク片の中間部における開度が拡大することに伴う上昇力が作用する。これによって、作動部材における駆動部の駆動力を必要以上に増大させることなく、取付部へワークを密着させることができる。
さらに、昇降台と一対のアーム部材が連結された連結部同士の中間位置、作動部材の駆動力が作用するので、昇降台の上昇速度は所定の値に保持することができる。
よって、本発明によれば、装置の小型化及び安定化が容易であって、昇降台の作動手段の調整が簡単、かつ、搭載したワークの取付部への追従が可能なワーク昇降装置を提供することができる。
前記作用部と前記昇降台との間には、弾性部材を介装したことを特徴とする。
その結果、装置の小型化及び安定化、並びに搭載したワークの取付部への追従性をより一層向上させることができる。
なお、弾性部材は、昇降台を上下動させる作用部を中心に周方向に均等配置した複数個の免震ゴムであることが好ましい。各種方向から昇降台に加わる振動を、それぞれの免震ゴムによって吸収することができるからである。
前記連結アームには、軸方向に伸縮可能なダンパー部材を備えたことを特徴とする。
その結果、装置の小型化及び安定化、並びに搭載したワークの取付部への追従性をより一層向上させつつ、連結アームやリンク片等の簡素化や軽量化を促進することができる。
前記作用部は、前記駆動部に巻き取り可能な棒状部材又はチェーン状部材を有する筒状体に形成され、垂直状に伸縮して前記昇降台に駆動力を作用させることを特徴とする。
その結果、装置の小型化を更に促進させるとともに、昇降台における昇降量(ストローク量)の自由度を高めることができる。
前記アーム部材は、前記基台及び前記昇降台の外側端部に回動可能に連結され、前記アーム部材の中間部は、前記基台及び前記昇降台の内方へ屈曲するように形成されたことを特徴とする。
その結果、装置の小型化を促進させるとともに、設置スペース効率を高めることができる。
なお、リンク片の中間部は、アーム部材が基台及び昇降台の外側端部に連結された連結部と上下方向で同一の位置に形成することが好ましい。リンク片の中間部を基台及び昇降台の外側端部から外方へ突出させることなく、リンク片の腕の長さを最大化させることができ、リンク片の中間部における開度拡大に伴ってアーム部材に作用する上昇力を増大させることができるからである。
まず、本実施形態のワーク昇降装置の全体構成を、図1〜図4を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係るワーク昇降装置の斜視図を示す。図2に、図1に示すワーク昇降装置(昇降台が上昇端)の側面図を示す。図3に、図1に示すワーク昇降装置の平面図を示す。図4に、図1に示すワーク昇降装置(昇降台が下降端)の側面図を示す。
各リンク片4の中間部43は、アーム部材3が基台1及び昇降台2の外側端部に締結された下連結部13及び上連結部23と上下方向で同一の位置に形成されている。左右方向で対向する中間部43は、左右方向に延伸する連結棒44によって連結されている。
各連結アーム6には、前後の連結棒44にそれぞれ連結され前後に分割されたロッド部62と、各ロッド部62の外周に形成した鍔部に当接して軸方向に伸縮可能なダンパー部材61と、ロッド部62の鍔部と係合してダンパー部材61の伸長を規制するストッパ部63とを備えている。ダンパー部材61は、円筒状のばね体であるが、ガスダンパやウレタン材等でもよい。ストッパ部63は、ロッド部62の周方向で三等分した位置に配置されている。前後に分割されたロッド部62は、外径が異なり、軸方向で互いに嵌合可能に形成されている。
次に、本ワーク昇降装置10において昇降台2に均等荷重が作用した場合の動作を、図5を用いて説明する。図5に、図1に示すワーク昇降装置において昇降台に均等荷重が作用した場合の動作説明図を示す。
次に、本ワーク昇降装置10において昇降台2に不均等荷重が作用した場合の動作を、図6を用いて説明する。図6に、図1に示すワーク昇降装置において昇降台に均等荷重が作用した場合の動作説明図を示す。
昇降台2に搭載したワーク(図示しない)が被取付物の取付部(図示しない)に当接する際、ワークと取付部との面当たり具合に誤差があると、昇降台2から両アーム部材3に異なる荷重W1、W2(W1>W2)が作用する。ここでは、昇降台2の後側に、前側の荷重W2より大きい荷重W1が下方へ作用する。
荷重W1によって昇降台2の後側を下方へ押圧すると、上連結部23Bへ荷重(下降力)F1が作用して、後側のアーム部材3B(31B、32B)の中間部33Bにおける開度θ1が縮小する。それと同時に、後側のリンク片4B(41B、42B)に長手方向へ荷重F2が作用して、後側のリンク片4Bの中間部43Bを外方へ押圧する。
前側のリンク片4A(41A,42A)の中間部43Aにおける開度α2が拡大されると、前側のアーム部材3A(31A,32A)の中間部33Aにおける開度θ2も拡大され、前側の上連結部23Aには、上方へ押圧する荷重(上昇力)F5が作用する。この荷重(上昇力)F5は、昇降台2の後側に作用する荷重W1に対する作用部51を支点とする反力WB1に加算されて、昇降台2の前側を上方へ持上げる力として作用する。
その結果、作動部材5の駆動力5Kを必要以上に増大させることなく、昇降台2は作用部51が装着された昇降台2の上連結部間の中間位置22を支点に傾斜して、取付部へワークを追従(密着)させることができる。
次に、本ワーク昇降装置における昇降台の免震及び位相吸収構造を、図6、図7を用いて説明する。図7に、図6に示す昇降台に装着した耐震ゴムの動作説明図を示す。
また、連結アーム6には、軸方向に伸縮可能なダンパー部材61を備えたので、弾性部材7の撓み等によって発生する両リンク片4の中間部43同士における距離の変化を、ダンパー部材61が伸縮することによって吸収し、連結アーム6やリンク片4等に作用する過負荷を回避することができる。また、リンク片4の製作誤差や継手のガタなどを吸収することもできる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るワーク昇降装置10によれば、リンク片4の中間部43には、互いを連結する連結アーム6を備え、作動部材5には、基台1に装着された駆動部52と、昇降台1に装着され駆動部52によって伸縮する作用部51とを備え、作用部51は、昇降台1と一対のアーム部材3が連結された上連結部23同士の中間位置22に装着されたので、作動部材5の作用部51が伸長して昇降台2が上昇するとき、アーム部材3の中間部33における開度θが連結アーム6及びリンク片4を介して互いに均等に保持され、駆動部52の駆動力5Kに応じて、昇降台2を平行に上昇させることができる。
また、昇降台2に搭載したワークが被取付物の取付部に取り付ける際、ワークと取付部との面当たり具合に誤差があって、昇降台2から両アーム部材3に異なる荷重W1、W2が作用する場合、作動部材5の作用部51が装着された中間位置22を支点に昇降台2が傾斜することによって、取付部へワークを密着させることができる。ここで、昇降台2から、一方のアーム部材3Aに作用する荷重W2より大きな荷重W1が、他方のアーム部材3Bに作用する場合、他方のアーム部材3Bに連結された他方のリンク片4Bの中間部43Bにおける開度α1が縮小するが、同時に、一方のアーム部材3Aに連結された一方のリンク片4Aの中間部43Aは、他方のリンク片4Bの中間部43Bに連結された連結アーム6に引っ張られて、その開度α2が拡大する。一方のリンク片4Aの中間部43Aにおける開度α2が拡大することによって、一方のアーム部材3Aの中間部33Aにおける開度θ2も拡大し、昇降台2における一方のアーム部材3Aとの上連結部23Aに上昇力F5が作用する。その結果、昇降台2における一方のアーム部材3Aとの上連結部23Aには、作動部材5の作用部51が装着された中間位置22を支点に、昇降台2における他方のアーム部材3Bとの上連結部23Bに作用する荷重W1の反力WB1に加えて、一方のリンク片4Aの中間部43Aにおける開度α2が拡大することに伴う上昇力F5が作用する。これによって、作動部材5における駆動部52の駆動力5Kを必要以上に増大させることなく、取付部へワークを密着させることができる。
さらに、昇降台2における両アーム部材3との上連結部23間の中間位置22に、作動部材5の駆動力5Kが作用するので、昇降台2の上昇速度は所定の値に保持することができる。
なお、弾性部材7は、昇降台2を上下動させる作用部51を中心に周方向に均等配置した複数個の免震ゴムであるので、各種方向から昇降台2に加わる振動を、それぞれの免震ゴムによって吸収することができる。
その結果、装置の小型化を促進させるとともに、設置スペース効率を高めることができる。
なお、リンク片4の中間部43は、アーム部材3が基台1及び昇降台2の外側端部に連結された上連結部23、下連結部13と上下方向で同一の位置に形成したので、リンク片4の中間部43を基台1及び昇降台2の外側端部から外方へ突出させることなく、リンク片4の腕の長さを最大化させることができ、リンク片4の中間部43における開度拡大に伴ってアーム部材3に作用する上昇力を増大させることができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更することができる。例えば、本実施形態では、アーム部材3の下アーム31と上アーム32は、長手方向の大きさが同一に形成されているが、一対のアーム部材が対称であれば、下アーム31と上アーム32における長手方向の大きさを異なるように形成してもよい。この場合においても、昇降台に対する均等な荷重に対しては、一対のアーム部材が対称に屈曲することによって、昇降台2を平行に昇降させることができ、また、昇降台2に対する不均等な荷重に対しては、一対のアーム部材3が非対称に屈曲することによって、昇降台2を傾斜させつつ上昇力を作用させることができるからである。
2 昇降台
3 アーム部材
4 リンク片
5 作動部材
5K 駆動力
6 連結アーム
7 弾性部材
10 ワーク昇降装置
13 下連結部(連結部)
22 中間位置
23 上連結部(連結部)
33 中間部
43 中間部
51 作用部
52 駆動部
53 棒状部材
54 チェーン状部材
61 ダンパー部材
Claims (5)
- 基台と、当該基台の上方に配置されワークを搭載する昇降台と、前記基台と前記昇降台とに回動自在に連結され中間部が屈曲する一対のアーム部材と、前記アーム部材における中間部の上下位置に回動自在に連結され前記アーム部材とは逆方向に中間部が屈曲する一対のリンク片と、前記昇降台を上下動させる作動部材とを備えるワーク昇降装置であって、
前記リンク片の中間部には、互いを連結する連結アームを備え、
前記作動部材には、前記基台に装着された駆動部と、前記昇降台に装着され前記駆動部によって伸縮する作用部とを備え、
前記作用部は、前記昇降台と前記一対のアーム部材とが連結された上連結部同士の中間位置に装着されたこと、前記作用部と前記昇降台との間には、弾性部材を介装したこと、前記連結アームには、軸方向に伸縮可能なダンパー部材を備えたことを特徴とするワーク昇降装置。 - 基台と、当該基台の上方に配置されワークを搭載する昇降台と、前記基台と前記昇降台とに回動自在に連結され中間部が屈曲する一対のアーム部材と、前記アーム部材における中間部の上下位置に回動自在に連結され前記アーム部材とは逆方向に中間部が屈曲する一対のリンク片と、前記昇降台を上下動させる作動部材とを備えるワーク昇降装置であって、
前記リンク片の中間部には、互いを連結する連結アームを備え、
前記作動部材には、前記基台に装着された駆動部と、前記昇降台に装着され前記駆動部によって伸縮する作用部とを備え、
前記作用部は、前記昇降台と前記一対のアーム部材とが連結された上連結部同士の中間位置に装着されたこと、
前記作用部と前記昇降台との間には、前記作用部を中心に周方向に均等配置された複数個の免震ゴムからなる弾性部材を介装したこと、前記中間位置は、4つの上連結部を結ぶ対角線の交差する位置の近傍であることを特徴とするワーク昇降装置。 - 請求項2に記載されたワーク昇降装置において、
前記連結アームには、軸方向に伸縮可能なダンパー部材を備えたことを特徴とするワーク昇降装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたワーク昇降装置において、
前記作用部は、前記駆動部に巻き取り可能な棒状部材又はチェーン状部材を有する筒状体に形成され、垂直状に伸縮して前記昇降台に駆動力を作用させることを特徴とするワーク昇降装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載されたワーク昇降装置において、
前記アーム部材は、前記基台及び前記昇降台の外側端部に回動可能に連結され、前記アーム部材の中間部は、前記基台及び前記昇降台の内方へ屈曲するように形成されたことを特徴とするワーク昇降装置。
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