JP5860715B2 - クレーン装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クレーン装置に関するものである。
荷の吊り込み(吊り上げや吊り下ろし)に使用されるクレーン装置には、屋外(例えば港湾の岸壁やコンテナヤード)、あるいは、屋内(例えば工場等の建屋内部)に設置されて、走行レール上を走行しながら荷を吊り上げて搬送する走行式クレーン装置が広く用いられている。この走行式クレーン装置は、荷の吊り込みを行うクレーン本体と、クレーン本体を支持して走行レール上を走行する走行部とを備えて構成されている。
このような走行式クレーン装置には、地震発生時にクレーン本体が過度に揺れる等して走行部が走行レールから脱輪したり、クレーン本体が破損することを防ぐ構造が必要とされている。そこで、従来では、走行部とクレーン本体との間に免震(免振)ユニットを挟み込むように設け、地震時に走行部に作用する過大な荷重を免震ユニットにおいて低減することにより、過大な荷重がクレーン本体に作用することを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。ここで、免震ユニットは、走行部に対してクレーン本体を水平方向に相対移動可能とするスライド機構、走行部に対して相対移動したクレーン本体に復元力を付与する復元力機構、及び、クレーン本体の振動を減衰させる減衰機構を備えるものである。
また、屋内用の走行式クレーン装置(天井クレーン)は、建屋の天井付近において建屋の左右両端部に固定された一対の走行レール上に架け渡すように設けられる(例えば特許文献3参照)。このような天井クレーンは、建屋の左右両端部に架け渡されるクレーン本体の両端に、各走行レール上を転動可能な車輪が前記走行部として設けられることで構成されており、一対の車輪を一対の走行レール上に載せることで、走行レールの延在方向に走行可能となっている。
そして、特許文献3に記載の天井クレーンは、地震発生時に走行レールから脱輪しないように、各車輪(走行部)を走行レールと共に建屋内の天井付近に固定される補助レールで挟み込むことが考えられている。
特許第3993570号公報 特開2000−203786号公報 特開2007−269428号公報
しかしながら、走行式クレーン装置が建屋内の天井付近に設けられる天井クレーンである場合、走行レールから建屋の天井までの高さ寸法に制限が生じるため、クレーン本体を高くジャッキアップする等して、クレーン本体と走行部との間に特許文献1,2に記載の免震ユニットを設置すること、すなわちクレーン装置の改修を図ることは困難である。
また、仮に上記従来の免震ユニットを天井クレーンに設置できたとしても、走行レール上の空間は建屋の内面(天井や側壁部)によって制限されているため、特に復元力機構や減衰機構におけるストローク量(例えばバネやダンパが伸縮する長さ)を十分に確保することが難しくなる、すなわち、免震ユニットの機能を十分に発揮できない虞もある。
なお、特許文献3のように、補助用レールを建屋に固定するためには建屋自体の改修が必要となるため、改修が大掛かりになり面倒である。また、改修のための施工コストも高くなるという問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、免震ユニットを設けたとしても高さ寸法を低く抑えつつ、免震ユニットの機能を十分に発揮することが可能なクレーン装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のクレーン装置は、走行レール上を走行可能で、荷の吊り込みを行うクレーン装置において、荷の吊り込みを行う吊り込み手段を有するクレーン本体と、前記走行レール上を転動するように回転可能とされた車輪を有し、前記クレーン本体に対して前記車輪の回転軸方向に相対移動可能に取り付けられた走行部と、前記クレーン本体の前記走行レールの延在方向の側端部に、前記延在方向に平行な軸回りに揺動可能に支持された揺動アームと、前記クレーン本体前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームの揺動に対して復元力を作用させる復元機構とを備え、前記揺動アームの他方の搖動端が前記走行レールをその幅方向から挟み込む一対のガイドローラによって構成されており、前記クレーン本体と前記走行部とが前記相対移動した際に、前記一対のガイドローラが走行レールを挟み込んだ状態を保持しながら前記搖動アームが揺動することを特徴とする。
上記構成のクレーン装置が走行レール上に配された状態で地震が発生すると、走行部が走行レールと共にクレーン本体に対して車輪の回転軸方向に相対移動し、また、この相対移動に伴って揺動アームが揺動する。そして、この揺動アームの揺動に対して復元機構の復元力が作用するため、走行部に対するクレーン本体の過度の相対移動(揺れ)によって過大な荷重がクレーン本体に作用することを防いで、クレーン装置が走行レールから脱輪したり、クレーン本体が破損すること防止できる。すなわち、上記構成のクレーン装置では、揺動アーム及び復元機構によって、地震時にクレーン本体に作用する過大な荷重を低減する免震ユニットが構成されている。
そして、上記クレーン装置によれば、揺動アームがクレーン本体や走行部の側端部に配されることに伴い、復元機構も揺動アームと同様に前記側端部に設けることができるため、これら揺動アーム及び復元機構をクレーン本体や走行部に設けても、走行レール上に配されるクレーン装置の高さ寸法を低く抑えることができる。したがって、上記クレーン装置は、走行レール上の空間(特に高さ寸法)に制限のある天井クレーンにも容易に適用することが可能となる。言い換えれば、免震ユニットを備えない天井クレーンに対して上記揺動アーム及び復元機構を容易に設置することができ、これらを設置するための施工コストも低く抑えることが可能である。
また、復元機構がクレーン本体や走行部の側端部に配されることで、復元機構におけるストローク量(例えば弾性部材が伸縮する長さ)が、走行レール上の空間の制約を受け難くなるため、このストローク量を十分に確保することも可能となる。すなわち、揺動アーム及び復元機構は、免震ユニットとしての機能を十分に発揮することができる。
そして、前記クレーン装置においては、前記揺動アームの揺動軸から前記一方の揺動端までの距離が、前記揺動アームの揺動軸から前記他方の揺動端までの距離よりも長く設定されていることが好ましい。
上記クレーン装置によれば、クレーン本体と走行部とが相対移動する長さに対し、復元機構におけるストローク量を長く確保することができる。言い換えれば、クレーン本体と走行部とが相対移動する長さが短くても、走行部に対して相対移動するクレーン本体に対して大きな復元力を付与することができる。すなわち、免震ユニットの機能をさらに向上させることができる。
また、前記クレーン装置においては、前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材を備え、前記弾性部材の伸縮方向が、鉛直方向に対して傾斜しているとよい。
すなわち、上記クレーン装置では、弾性部材の伸縮方向(復元機構におけるストローク方向)が、鉛直方向に対して傾斜していることで、復元機構におけるストローク量を長く確保しながらも、クレーン装置の高さ寸法が高くなることを抑制できる。
さらに、前記クレーン装置においては、前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材を備え、前記揺動アームに作用する前記復元力が、前記弾性部材の圧縮変形及び伸長変形のいずれか一方の弾性変形のみによって発生するものであり、前記走行部に外力が作用していない初期状態において、前記弾性部材に前記一方の弾性変形による弾性力が付与されていることが好ましい。
なお、前記弾性力は、圧縮変形及び伸長変形のいずれか一方の弾性変形の方向に、弾性部材を弾性変形させる力を示している。
上記クレーン装置によれば、クレーン本体及び走行部に外力が作用していない初期状態では、弾性部材に一方の弾性変形(例えば圧縮変形)が付与されている、すなわち、弾性部材には初期弾性力(例えば初期圧縮力)が生じている。
このため、走行部をクレーン本体に対して相対移動させようとする外力(例えば地震による力)が初期弾性力以下の場合には、クレーン本体及び走行部の相対位置は弾性部材の初期弾性力によって前記初期状態と同様の位置(初期位置)に保持され、これらは相対移動しない。一方、走行部をクレーン本体に対して相対移動させようとする外力が初期弾性力よりも大きい場合には、弾性部材に付与された一方の弾性変形がさらに進行して、クレーン本体及び走行部が相対移動することになる。
したがって、荷役時や走行時あるいは小さな地震発生時等のように走行部に作用する外力が小さい場合には、クレーン本体及び走行部が相対移動することを防止できる。また、大きな地震発生時のように走行部に作用する外力が大きい場合には、クレーン本体及び走行部を相対移動させて、クレーン本体に作用する荷重を低減することが可能となる。
また、前記クレーン装置においては、前記クレーン本体及び前記走行部の一方と前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームに対して減衰力を作用させる減衰機構を備えていてもよい。
上記クレーン装置では、走行部に対するクレーン本体の過度の相対移動を効果的に減衰させることができる。すなわち、この減衰機構は、前述した揺動アーム及び復元機構と共に、免震ユニットを構成するものである。
そして、上記クレーン装置によれば、前述した揺動アームや復元機構の場合と同様に、減衰機構を設けても、走行レール上に配されるクレーン装置の高さ寸法を低く抑えることができる。また、減衰機構が復元機構と同様にクレーン本体や走行部の側端部に設けられることで、減衰機構におけるストローク量(例えばダンパが伸び縮みする長さ)が、走行レール上の空間(特に高さ寸法)の制約を受け難くなるため、このストローク量を十分に確保することも可能となる。
上記クレーン装置では、クレーン装置を走行レール上に配した状態において、一対のガイドローラからなる揺動アームの他方の揺動端が、走行レールを介して走行部に連結されることになる。したがって、地震時に走行部が走行レールと共にクレーン本体に対して前記車輪の回転軸方向に相対移動した際には、一対のガイドローラが走行レールを挟み込んだ状態を保持しながら、揺動アームが揺動することになる。
そして、上記クレーン装置によれば、揺動アームの他方の揺動端を走行部に直接連結する必要が無いため、免震ユニットを備えないクレーン装置に対する揺動アームの取り付けを容易に行うことができる。
また、前記クレーン装置においては、走行レール上を走行可能で、荷の吊り込みを行うクレーン装置において、荷の吊り込みを行う吊り込み手段を有するクレーン本体と、前記走行レール上を転動するように回転可能とされた車輪を有し、前記クレーン本体に対して前記車輪の回転軸方向に相対移動可能に取り付けられた走行部と、前記クレーン本体の前記走行レールの延在方向の側端部に、前記延在方向に平行な軸回りに揺動可能に支持された揺動アームと、前記クレーン本体前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームの揺動に対して復元力を作用させる復元機構とを備え、前記揺動アームの他方の揺動端が、前記走行レール上に配されるブラケットに連結され、該ブラケットが、連結部材によって前記走行部に固定されており、該ブラケットに前記走行レールをその幅方向から挟み込む一対のガイドローラが設けられており、前記クレーン本体と前記走行部とが前記相対移動した際に、前記一対のガイドローラが該ガイドローラの回転軸を鉛直方向に対して平行に保持しながら前記搖動アームが揺動することを特徴とする。
上記クレーン装置では、揺動アームの他方の揺動端が、ブラケット及び連結部材を介して走行部に連結されることになる。
上記クレーン装置では、揺動アームの他方の揺動端が、ブラケット及び連結部材を介して走行部に連結されることに加え、一対のガイドローラ及び走行レールも介して走行部に連結されることになる。
揺動アームの他方の揺動端がブラケット及び連結部材を介して走行部に連結される場合には、地震発生時に伴う走行部の相対移動や揺動アームの揺動によって、連結部材によるブラケットと走行部との連結部分に応力が発生することがある。そこで、上記クレーン装置のように、揺動アームの他方の揺動端を、一対のガイドローラ及び走行レールも介して走行部に連結すると、前述の応力が、連結部材によるブラケットと走行部との連結部分、及び、一対のガイドローラと走行レールとの連結部分の二箇所に分散されることになる。すなわち、連結部材によるブラケットと走行部との連結部分に生じる応力を軽減することが可能となる。
また、前記クレーン装置においては、前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材と、当該弾性部材を収容する収容ケースと、前記弾性部材を伸縮させるように前記収容ケースに対して直線移動するロッドと、を備え、前記ロッド及び前記揺動アームの前記一方の揺動端のいずれか一方に突起が形成されると共に、前記他方の揺動端及び前記ブラケットの他方に前記突起を挿入する長孔が形成され、前記突起が前記長孔に挿入された状態では、前記ロッドの前記伸縮方向への移動を前記揺動アームの揺動に変換するように、前記突起が前記長孔の長手方向に摺動可能となっており、前記他方の揺動端及び前記ブラケットの一方に突起が形成されると共に、前記他方の揺動端及び前記ブラケットの他方に前記突起を挿入する長孔が形成され、前記突起が前記長孔に挿入された状態では、前記ブラケットの前記回転軸方向への移動を前記揺動アームの揺動に変換するように、前記突起が前記長孔の長手方向に摺動可能となっているとよい。
上記クレーン装置では、地震発生時に伴う走行部の相対移動や揺動アームの揺動によって、連結部材によるブラケットと走行部との連結部分に応力がかかることを確実に防止できる。
上記クレーン装置でも、揺動アームの揺動に伴ってロッドが直線移動し、これによって弾性部材が伸縮するが、例え復元機構の収容ケースがクレーン本体及び走行部の一方に固定され、ロッドの直線移動方向が固定されていても、揺動アームが揺動した際には、突起が長孔の長手方向に摺動することで、揺動アームの揺動がロッドの直線移動方向に変換されることになる。したがって、復元機構のロッドや収容ケースに応力が生じることを確実に防止できる。
さらに、前記クレーン装置においては、前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材と、当該弾性部材を収容する収容ケースと、前記弾性部材を伸縮させるように前記収容ケースに対して直線移動するロッドと、を備え、前記ロッドが、前記揺動アームの前記一方の揺動端に連結され、前記収容ケースが、前記クレーン本体及び前記走行部の一方に対して、前記延在方向に平行な軸周りに回転可能に取り付けられているとよい。
上記クレーン装置では、揺動アームの揺動に伴ってロッドが直線移動し、これによって弾性部材が伸縮する。そして、収容ケースがクレーン本体及び走行部の一方に対して回転可能に取り付けられていることで、揺動アームが揺動した際にはロッドの直線移動方向が変えられるため、復元機構のロッドや収容ケースに応力が生じることを防止できる。
そして、本発明のクレーン装置の改修方法は、荷の吊り込みを行う吊り込み手段を有するクレーン本体が、走行レール上を転動するように回転可能とされた車輪を有して前記走行レール上で走行可能とされた走行部上に設けられたクレーン装置の改修方法であって、前記クレーン本体に対して前記走行部を前記車輪の回転軸方向に相対移動可能に取り付ける工程と、前記クレーン本体及び前記走行部の一方のうち前記走行レールの延在方向の側端部に、揺動アームを前記延在方向に平行な軸回りに揺動可能に取り付ける工程と、前記クレーン本体及び前記走行部の一方と前記揺動アームの一方の揺動端との間に、前記揺動アームに対して復元力を作用させる復元機構を設ける工程と、前記クレーン本体と前記走行部との前記相対移動が前記揺動アームの揺動に変換されるように、前記揺動アームの他方の揺動端を前記クレーン本体及び前記走行部の他方に連結する工程と、を備えることを特徴とする。
上記改修方法を施したクレーン装置は、前述したクレーン装置と同様であり、また、同様の効果を奏する。特に、上記改修方法では、揺動アーム及び復元機構がクレーン本体や走行部の側端部に配されるため、従来のように、クレーン本体を走行部に対して高くジャッキアップする必要がなくなる。したがって、上記改修方法を施す前のクレーン装置が、走行レール上の空間に制約のある天井クレーンであっても、この天井クレーンに対して上記揺動アーム及び復元機構を容易に設置することが可能となる。
本発明によれば、クレーン装置に免震ユニットを設けたとしても高さ寸法を低く抑えつつ、免震ユニットの機能を十分に発揮することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る天井クレーンを示す概略正面図である。 図1の天井クレーンの要部を示す拡大正面図である。 図2の走行部に外力が作用していない初期状態を示しており、(a)は天井クレーンに備える免震ユニットを示す図2のA−A矢視断面図、(b)はクレーン本体と走行部との相対位置を示す側面図である。 図2の走行部に車輪の回転軸方向の一方への外力が作用した状態を示しており、(a)は天井クレーンに備える免震ユニットを示す図2のA−A矢視断面図、(b)はクレーン本体と走行部との相対位置を示す側面図である。 図2の走行部に車輪の回転軸方向の他方への外力が作用した状態を示しており、(a)は天井クレーンに備える免震ユニットを示す図2のA−A矢視断面図、(b)はクレーン本体と走行部との相対位置を示す側面図である。 第一実施形態に係る免震ユニットの変形例を示す側断面図である。 本発明の第二実施形態に係る天井クレーンの要部を示す拡大断面図である。 図7のC−C矢視断面図である。 本発明の第三実施形態に係る天井クレーンの要部を示す拡大断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜5を参照して本発明の第一実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るクレーン装置は、図1に示すように、建屋2内の天井3付近に配される屋内用の天井クレーン1に適用したものである。
すなわち、天井3付近における建屋2の左右両側部(X軸方向の両側部)には、前後方向(Y軸方向)に水平に延在する一対の走行レール4が設けられている。そして、本実施形態に係る天井クレーン(クレーン装置)1は、この一対の走行レール4上を走行可能とされ、荷の吊り込みを行うように構成されている。なお、図1〜5においてZ軸方向は鉛直方向を示している。
天井クレーン1は、図1,2に示すように、荷の吊り込みを行う吊り込み手段7を有するクレーン本体5と、クレーン本体5に取り付けられる走行部6(トラック6)とを備えている。
クレーン本体5は、トロリ11と、クレーンガーダ12とを備えている。
トロリ11は、後述するクレーンガーダ12の横行レール14上でその延在方向(X軸方向)に転動する車輪13を有しており、これによって、横行レール14上をX軸方向に移動可能となっている。なお、前述した吊り込み手段7は、このトロリ11に設けられており、吊荷用フック15を巻き上げ可能なワイヤ16で吊り下げて構成されている。
クレーンガーダ12は、X軸方向に延在して建屋2の左右両側部に架け渡されるガーダ本体17と、ガーダ本体17上に設けられてX軸方向に延在する横行レール14と、ガーダ本体17の左右両側部に設けられて走行部6に連結するためのヨーク18とを備えている。
各ヨーク18は、ガーダ本体17の左右両側部においてガーダ本体17を下側から支持するように配されており、X軸方向に延びるヨークピン19によってガーダ本体17に対して連結されている。
走行部6は、図1〜3に示すように、同一のヨーク18の下側においてY軸方向に複数(図示例では二つ)配列されている。各走行部6は、X軸方向に延びるトラックピン23によってヨーク18の下側に取り付けられる本体部21と、本体部21の下側において走行レール4上を転動するように回転可能とされた車輪22とを備えている。
本体部21は、図3(b)〜図5(b)に示すように、トラックピン23によってヨーク18に対して車輪22の回転軸方向(X軸方向)に相対移動可能に連結されている。なお、ヨーク18の下端にはトラックピン23の軸方向両端を支持する一対の支持部20が形成されており、本体部21は、これら一対の支持部20の間に配されるように、トラックピン23を介してヨーク18に取り付けられている。したがって、ヨーク18に対して本体部21が相対移動できる範囲は、一対の支持部20間の距離によって設定されている。
以上のように構成されていることで、クレーンガーダ12は、走行部6によって一対の走行レール4上に架け渡された状態でY軸方向に移動可能とされている。
そして、本実施形態の天井クレーン1においては、図2〜5に示すように、ヨーク18の各側端部18a(ヨーク18のY軸方向の端部)に、ハウジング24、揺動アーム31及び復元機構32が取り付けられている。
ハウジング24は、ヨーク18の側端部18aに一体に固定されており、ヨーク18の下端よりも下側に延びて形成されている。このハウジング24は、後述する揺動アーム31及び復元機構32がなるべく外部に露出しないように揺動アーム31及び復元機構32の一部を覆う役割、及び、揺動アーム31や復元機構32の構成要素をヨーク18に取り付けるための介在部品としての役割を果たす。
揺動アーム31は、Y軸方向に延びるアーム用ピン33(揺動軸33)によってハウジング24に取り付けられている。すなわち、揺動アーム31は、ヨーク18及びハウジング24に対してアーム用ピン33の軸回り(走行レール4の延在方向に平行な軸回り、Y軸回り)に揺動可能に支持されている。なお、アーム用ピン33はヨーク18の下端よりも下側に位置している(図2参照)。
この揺動アーム31のうち、アーム用ピン33から上方に延びる第一アーム部34の先端(一方の揺動端)は、後述する復元機構32のロッド39に連結されている。
一方、揺動アーム31のうち、アーム用ピン33から下方に延びる第二アーム部35の先端(他方の揺動端)は、走行レール4をその幅方向(X軸方向)から挟み込む一対のガイドローラ36によって構成されている。これら一対のガイドローラ36は、トロリ11が走行レール4上で走行する際に、Z軸回りに回転して走行レール4の側面上で転動するように構成されている。これにより、天井クレーン1を走行レール4上に配した状態では、一対のガイドローラ36からなる第二アーム部35の先端が走行レール4を介して走行部6に連結されることになる。
そして、このように連結された状態では、図4(b),5(b)に示すように、地震時等により走行部6が走行レール4と共にクレーン本体5に対してX軸方向に相対移動した際に、図4(a),5(a)に示すように、一対のガイドローラ36が走行レール4を挟み込んだ状態を保持しながら、揺動アーム31が揺動することになる。この際、一対のガイドローラ36の回転軸は、この揺動アーム31の揺動に伴ってZ軸方向に対して傾斜することになる。
以上のように構成される揺動アーム31では、アーム用ピン33から第一アーム部34と復元機構32のロッド39との連結部分に至る距離L1(第一アーム部34の長さ寸法L1)が、アーム用ピン33から一対のガイドローラ36と走行レール4との連結部分に至る距離L2(第二アーム部35の長さ寸法L2)よりも長く設定されている。
復元機構32は、図3(a)〜5(a)に示すように、ヨーク18と第一アーム部34の先端との間に設けられて、揺動アーム31に対して復元力を作用させるものである。
具体的に説明すれば、復元機構32は、弾性的に伸縮変形可能なコイルばね(弾性部材)37と、コイルばね37を収容する収容ケース38と、コイルばね37を伸縮させるように収容ケース38に対して直線移動するロッド39とを備えている。
収容ケース38は中空の筒状に形成されている。また、収容ケース38の軸線O方向の両端部には、軸線O方向に貫通する貫通孔が形成されており、これら貫通孔にロッド39が挿通されるようになっている。この収容ケース38は、その軸線O方向がX軸方向に延びるように、すなわち、軸線O方向が鉛直方向(Z軸方向)に対して90度傾斜するようにハウジング24に固定されている。
コイルばね37は、収容ケース38及びコイルばね37の軸線O方向が一致するように収容ケース38内に収容され、収容ケース38内において軸線O方向に弾性的に伸縮変形可能となっている。
また、収容ケース38内には、板状に形成されてコイルばね37を軸線O方向の両端部から挟み込む一対の押さえ部材40が収容されている。各押さえ部材40は、収容ケース38内において軸線O方向に移動可能とされている。ただし、各押さえ部材40は、図3(a)に示すように、コイルばね37にこれを伸縮変形させる外力が作用していない状態で、コイルばね37の軸線O方向の端部と収容ケース38の軸線O方向の端部との間に挟み込まれるように配される。
そして、各押さえ部材40には、収容ケース38の貫通孔と同様に、軸線O方向に貫通してロッド39を挿通させる挿通孔が形成されている。ただし、挿通孔の孔径は貫通孔の孔径よりも小さく設定されている。
ロッド39は、軸線O方向に延びる棒状に形成され、収容ケース38の貫通孔及び押さえ部材40の挿通孔の両方に挿通される小径部41と、小径部41の軸線O方向の両端部に連接されて小径部41よりも径寸法が大きい一対の大径部42とによって構成されている。ここで、一対の大径部42の径寸法は、収容ケース38の貫通孔の孔径よりも小さく、かつ、押さえ部材40の挿通孔の孔径よりも大きく設定されている。このため、一対の押さえ部材40は、収容ケース38の貫通孔には挿通可能であるものの、押さえ部材40の挿通孔には挿通されず、それぞれ一対の押さえ部材40の外側に配されている。
このように構成される復元機構32では、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向の一方側(X軸負方向、図4(a)参照)及び他方側(X軸正方向、図5(a)参照)のいずれの方向に移動したとしても、一対の大径部42のいずれか一方が押さえ部材40を外側から押さえつけて、一対の押さえ部材40の間隔が小さくなるため、コイルばね37が圧縮変形することになる。
一方の大径部42Aからなるロッド39の軸線O方向の一端部は、ロッドピン43によって揺動アーム31の第一アーム部34の先端に連結されており、これにより、ロッド39は、第一アーム部34に対してロッドピン43の軸回り(Y軸回り)に回動可能となっている。
したがって、図4(a),5(a)に示すように、揺動アーム31が揺動した際には、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向に移動すると共にコイルばね37が圧縮変形(弾性変形)するため、揺動アーム31に、コイルばね37の圧縮変形に伴う復元力(コイルばね37が元の形状に戻ろうとする力)が作用することになる。
さらに、本実施形態のロッド39では、小径部41に雄ネジが形成されると共に、他方の大径部42Bからなるロッド39の他端部が小径部41に螺着するナットによって構成されている。このようにロッド39が構成されることで、ロッド39を収容ケース38及び一対の押さえ部材40に対して容易に取り付けることができる。
なお、本実施形態では、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向に移動する際にコイルばね37の弾性変形を必ず伴うように、一対の大径部42の間隔は、図3(a)に示すように、各々収容ケース38の軸線O方向の端部に配された一対の押さえ部材40同士の間隔と等しくなるように設定されている。
また、本実施形態の復元機構32では、収容ケース38内の軸線O方向の寸法がコイルばね37の自然長よりも短く設定されている。このため、この復元機構32では、ロッド39に軸線O方向の外力が作用していない初期状態(押さえ部材40がロッド39によって軸線O方向に押さえ付けられていない状態、図3(a)参照)において、収容ケース38内に収容されたコイルばね37には圧縮力(弾性力)が付与されている。以下の説明では、コイルばね37に付与される上記圧縮力のことを初期圧縮力(初期弾性力)と呼ぶ。
そして、この復元機構32では、前述したように、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向の一方側及び他方側のいずれに移動したとしても、コイルばね37が圧縮変形するため、前述した初期状態においてロッド39を収容ケース38に対して軸線O方向に移動させようとする外力が初期圧縮力以下である場合には、ロッド39は軸線O方向に移動しない。一方、ロッド39を軸線O方向に移動させようとする外力が初期圧縮力よりも大きい場合には、コイルばね37の圧縮変形がさらに進行して、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向に移動することになる。
さらに、本実施形態の天井クレーン1は、前述した復元機構32と同様に、ヨーク18と揺動アーム31を構成する第一アーム部34の先端との間に設けられて、揺動アーム31に対して減衰力を作用させる減衰機構(不図示)も備えている。減衰機構は、例えば従来周知のオイルダンパによって構成されればよい。具体的には、例えば収容ケース38内部において、オイルを封入した従来のシリンダケーシングをロッド39の小径部41に設ける等して構成されるとよい。
以上説明したハウジング24、揺動アーム31、復元機構32及び減衰機構は、後述するように、地震時にヨーク18に作用する過大な荷重を低減し、ヨーク18と走行部6との過度の相対移動を効果的に減衰させる免震ユニット30を構成している。なお、本実施形態では、同一のヨーク18に対して二つの走行部6に取り付けられているため、上記免震ユニット30は、同一のヨーク18及び各走行部6に対して一つずつ設けられている(図2参照)。
そして、以上のように構成される天井クレーン1において、走行部6をクレーン本体5に対してX軸方向に移動させようとする外力が走行部6に作用していない初期状態では、図3(b)に示すように、走行部6はトラックピン23の長手方向の中間位置(ヨーク18の幅方向の中間位置)に配されている。また、この初期状態では、図3(a)に示すように、揺動アーム31の第一アーム部34及び第二アーム部35の延在方向が鉛直方向(Z軸方向)に一致するように、揺動アーム31が配されている。さらに、この初期状態では、ロッド39に対して軸線O方向の外力が作用しておらず、コイルばね37には揺動アーム31に作用させる復元力も発生していない。
次に、上記構成の天井クレーン1の動作、特に、地震発生時の動作について説明する。
図3に示すように、天井クレーン1が走行レール4上に配されると共に走行部6に外力が作用していない初期状態において地震が発生すると、地震によって走行部6にX軸方向の外力が作用して、走行部6が走行レール4と共にクレーン本体5に対してX軸方向に相対移動しようとする。ここで、地震による上記外力が、コイルばね37に予め付与されている初期圧縮力以下である場合、すなわち小さい地震の場合には、クレーン本体5及び走行部6の相対位置は、上記初期状態と同様の位置(初期位置)に保持され、クレーン本体5及び走行部6は相対移動しない。
一方、地震による上記外力がコイルばね37の初期圧縮力よりも大きい場合には、図4,5に示すように、初期位置から走行部6がクレーン本体5に対してX軸方向に相対移動する。また、この相対移動に伴って、一対のガイドローラ36が走行レール4を挟み込んだ状態を保持しながら、揺動アーム31が揺動する。さらに、この揺動アーム31の揺動に連動して、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向に移動すると共にコイルばね37が初期状態からさらに圧縮変形する。
そして、このコイルばね37のさらなる圧縮変形によって、揺動アーム31には、前述した揺動アーム31の揺動方向とは逆向きの復元力が作用することになる。
例えば、図4(b)に示すように、走行部6がクレーン本体5に対してX軸正方向に相対移動した場合には、図4(a)に示すように、揺動アーム31が反時計回りに揺動すると共に、ロッド39がX軸負方向に移動することによって、コイルばね37のさらなる圧縮変形が発生する。この状態においては、コイルばね37の復元力はロッド39をX軸正方向に移動させるようにロッド39に作用する。すなわち、揺動アーム31には、これを時計回りに揺動させるように、コイルばね37の復元力が作用することになる。
一方、図5(b)に示すように、走行部6がクレーン本体5に対してX軸負方向に相対移動した場合には、図5(a)に示すように、揺動アーム31が時計回りに揺動すると共に、ロッド39がX軸正方向に移動することによって、コイルばね37のさらなる圧縮変形が発生する。この状態においては、コイルばね37の復元力はロッド39をX軸負方向に移動させるようにロッド39に作用する。すなわち、揺動アーム31には、これを反時計回りに揺動させるように、コイルばね37の復元力が作用することになる。
以上のように、揺動アーム31にコイルばね37の復元力が作用することで、走行部6に対するクレーン本体5の過度の相対移動(揺れ)によって過大な荷重がクレーン本体5に作用することを防止できる。
また、本実施形態の天井クレーン1では、復元機構32と同様にして減衰機構が設けられているため、図4,5に示すように、クレーン本体5及び走行部6が相対移動した際には、揺動アーム31に対して減衰機構の減衰力が作用し、クレーン本体5及び走行部6の過度の相対移動を効果的に減衰させることができる。
以上説明したように、本実施形態の天井クレーン1によれば、クレーン本体5及び走行部6が相対移動しても、走行部6に対するクレーン本体5の過度の相対移動(揺れ)によって過大な荷重がクレーン本体5に作用することを防ぐことができるため、また、クレーン本体5及び走行部6の過度の相対移動を効果的に減衰できるため、トロリ11が走行レール4から脱輪したり、クレーン本体5が破損することを確実に防止できる。
さらに、上記天井クレーン1によれば、免震ユニット30を構成する揺動アーム31、復元機構32及び減衰機構のいずれもヨーク18の側端部18aに取り付けられているため、上記効果を奏する免震ユニット30を天井クレーン1に設けても、天井クレーン1の高さ寸法を低く抑えることができる。すなわち、本実施形態の免震ユニット30は、本実施形態のように走行レール4上の空間(特に走行レール4から天井3までの高さ寸法)に制限のある天井クレーン1に対して容易に適用することが可能となる。
また、免震ユニット30がヨーク18や走行部6の側端部18aに配されることで、復元機構32や減衰機構におけるストローク量(復元機構32を構成するコイルばね37の伸縮長さやロッド39の移動長さ)が、従来のように、走行レール4上の空間の制約を受け難くなるため、このストローク量を十分に確保することも可能となる。すなわち、揺動アーム31、復元機構32及び減衰機構は、免震ユニット30としての機能を十分に発揮することができる。
特に、本実施形態の天井クレーン1では、揺動アーム31をなす第一アーム部34の長さ寸法L1が、第二アーム部35の長さ寸法L2よりも長く設定されているため、クレーン本体5と走行部6とが相対移動する長さが短くても、復元機構32や減衰機構におけるストローク量を長く確保することができる。すなわち、免震ユニット30のさらなる機能向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の天井クレーン1では、復元機構32におけるストローク方向(復元機構32を構成するコイルばね37の伸縮方向やロッド39の直線移動方向)が鉛直方向に対して傾斜しているため、復元機構32や減衰機構におけるストローク量を長く確保しながらも、復元機構32や減衰機構の設置によって天井クレーン1の高さ寸法が高くなることを抑制できる。
さらに、走行部6に外力が作用していない初期状態において、コイルばね37には初期圧縮力が付与されているため、荷役時や走行時あるいは小さな地震発生時等のように走行部6に作用する外力が小さい場合には、クレーン本体5及び走行部6が相対移動することを防止できる。また、大きな地震発生時のように走行部6に作用する外力が大きい場合には、クレーン本体5及び走行部6を相対移動させ、前述したように、クレーン本体5に作用する荷重を低減することが可能となる。
また、本実施形態の上記天井クレーン1では、揺動アーム31の第二アーム部35の先端が、一対のガイドローラ36によって構成されていることで、第二アーム部35の先端を走行部6に直接連結することなく、クレーン本体5と走行部6とのX軸方向への相対移動を揺動アーム31の揺動に変換することができる。したがって、天井クレーン1に対する揺動アーム31の取り付けを容易に行うことができる。
なお、この第一実施形態に係る天井クレーン1は、新規に製作することはもちろん可能であるが、建屋2内部に設置された既存の天井クレーンに免震ユニット30を取り付ける改修作業を行うことで製作することも可能である。
既存の天井クレーン(不図示)を改修する場合には、はじめに、ヨーク18に対して走行部6を車輪22の回転軸方向(X軸方向)に相対移動可能に取り付ける。なお、本実施形態では、クレーン本体5をジャッキアップした上でクレーン本体5を走行部6の上方に離間させる。そして、この状態において、図3(b)に示すように、走行部6がトラックピン23に対してその軸方向に移動可能となるようにトラックピン23を走行部6(本体部21)に挿通すると共に、トラックピン23の軸方向の両端をヨーク18の一対の支持部に固定する。
次いで、ヨーク18の各側端部18aに対して、揺動アーム31をY軸周りに揺動可能に取り付ける。なお、本実施形態では、アーム用ピン33によって揺動アーム31をハウジング24に揺動可能に取り付けた上で、アーム用ピン33からなる揺動アーム31の揺動軸33の軸方向がY軸方向に平行するように、ハウジング24をヨーク18の側端部18aに固定する。
その後、ヨーク18と揺動アーム31の一方の揺動端との間に、揺動アーム31に対して復元力を作用させる復元機構32を設ける。なお、本実施形態では、復元機構32の収容ケース38をハウジング24に固定すると共に、ロッド39の一方の大径部42Aをロッドピン43によって揺動アーム31の第一アーム部34の先端に連結する。このため、ハウジング24に対する収容ケース38の固定及びロッド39と揺動アーム31との連結は、例えば、ハウジング24をヨーク18の側端部18aに固定する前に、前述したハウジング24に対する揺動アーム31の取り付けと同時に実施されてもよい。
最後に、ヨーク18と走行部6との相対移動が揺動アーム31の揺動に変換されるように、揺動アーム31の第二アーム部35の先端を走行部6に連結することで、天井クレーンの改修が完了する。なお、本実施形態では、第二アーム部35の先端が一対のガイドローラ36によって構成され、一対のガイドローラ36が走行レール4を挟み込むように配されることで、走行レール4を介して走行部6に連結されることになる。したがって、第二アーム部35の先端と走行部6との連結は、例えば揺動アーム31をヨーク18に取り付けると同時に行われてもよいし、例えば天井クレーン1を走行レール4上に配すると同時に行われてもよい。
以上のように改修を施した天井クレーンは、図1〜5に示す本実施形態の天井クレーン1となるため、前述した天井クレーン1と同様の効果を奏する。
さらに、この改修方法によれば、トラックピン23でヨーク18と走行部6とを連結する際にクレーン本体5をジャッキアップするものの、ジャッキアップする高さは僅かでよい。また、免震ユニット30をなす揺動アーム31や復元機構32を取り付ける際にはクレーン本体5をジャッキアップする必要が無い。さらに、第二アーム部35を走行部6に直接連結しないため、既存の天井クレーン1に対して揺動アーム31や復元機構32を容易に取り付けることができると共に、これら揺動アーム31や復元機構32を設置するための施工コストも低く抑えることが可能である。
そして、上記第一実施形態の天井クレーン1では、復元機構32の軸線O方向が鉛直方向(Z軸方向)に対して90度傾斜するようにハウジング24に固定されるとしたが、これに限ることは無く、少なくとも復元機構32の軸線O方向が鉛直方向(Z軸方向)に対して傾斜していればよい。
したがって、復元機構32の軸線O方向は、例えば図6に示すように、ロッド39が揺動アーム31の第一アーム部34との連結部分から上方に延びるように斜めに傾斜していてもよいし、例えばロッド39が下方に延びるように斜めに傾斜してもよい。この場合、免震ユニット30の幅寸法を小さく抑えることが可能となる。ただし、復元機構32と揺動アーム31との干渉を防ぐためには、図6に示すように復元機構32の軸線O方向を設定する方が好ましい。
また、上記第一実施形態では、アーム用ピン33から延在する二つのアーム部34,35が、互いに逆向きに延びているが、例えば図6に示すように、第一アーム部34の延在方向を第二アーム部35の延在方向(Z軸方向)に対して傾斜させてもよい。
この場合には、第一アーム部34の長さ寸法L1を長く確保しながらも、アーム用ピン33に対する第一アーム部34とロッド39との連結部分(ロッドピン43)の高さ位置を低く設定することが可能となる。また、この場合には、アーム用ピン33の上方に復元機構32の収容ケース38を配することができるため、免震ユニット30の幅寸法をさらに小さく抑えることが可能となる。
〔第二実施形態〕
次に、図7,8を参照して本発明の第二実施形態について説明する。なお、この実施形態に係る天井クレーンは、第一実施形態の天井クレーン1と比較して、主に、走行部6と揺動アームとの連結構造、及び、ヨーク18に対する復元機構32及び減衰機構の取付構造のみが異なっている。このため、本実施形態において、第一実施形態の天井クレーン1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図7,8に示すように、本実施形態の天井クレーンでは、第一実施形態と同様に、ハウジング24がヨーク18の側端部18aに一体に固定されており、揺動アーム51、復元機構32及び減衰機構(不図示)が、ハウジング24を介してヨーク18の側端部18aに取り付けられている。
そして、揺動アーム51は、第一実施形態と同様に、Y軸方向に延びるアーム用ピン(揺動軸)53によってハウジング24に取り付けられて、ヨーク18及びハウジング24に対してアーム用ピン53の軸回り(走行レール4の延在方向に平行な軸回り、Y軸回り)に揺動可能に支持されている。なお、アーム用ピン53はヨーク18の下端よりも下側に位置している。また、この揺動アーム51のうちアーム用ピン53から上方に延びる第一アーム部54の先端(一方の揺動端)は、第一実施形態と同様に、ロッドピン43によって復元機構32のロッド39に連結されている。
一方、本実施形態の揺動アーム51のうち、アーム用ピン53から下方に延びる第二アーム部55は、第一アーム部54の延在方向に対して斜めに傾斜するように延在している。ただし、この揺動アーム51においても、第一実施形態と同様に、第一アーム部54の長さ寸法L1が第二アーム部55の長さ寸法L2よりも長く設定されている。
そして、第二アーム部55の延在方向の先端(他方の揺動端)は、Y軸方向に延びるブラケット用ピン57によって走行レール4上に配されるブラケット56に連結されている。すなわち、ブラケット56は、第二アーム部55の先端に対してブラケット用ピン57の軸回り(Y軸回り)に回動可能に支持されている。そして、このブラケット56は、連結部材58によって走行部6の本体部21に固定され、走行部6と共にヨーク18に対してX軸方向に移動可能となっている。
以上のように、本実施形態では、揺動アーム51の第二アーム部55の先端が、ブラケット56及び連結部材58を介して走行部6に連結されている。
さらに、本実施形態では、走行レール4上に配されるブラケット56に、走行レール4をその幅方向(X軸方向)から挟み込む一対のガイドローラ59が設けられている。これら一対のガイドローラ59は、第一実施形態のガイドローラ36と同様に、天井クレーンが走行レール4上で走行する際に、Z軸回りに回転して走行レール4の側面上で転動するように構成されている。これにより、天井クレーンを走行レール4上に配した状態では、揺動アーム51の第二アーム部55の先端が、ブラケット56の一対のガイドローラ59及び走行レール4も介して走行部6に連結されることになる。
以上のように、走行部6と揺動アーム51の第二アーム部55の先端とが連結された状態では、第一実施形態の場合と同様に、地震時等により走行部6及びブラケット56が走行レール4と共にクレーン本体5に対してX軸方向に相対移動した際に、一対のガイドローラ59が走行レール4を挟み込んだ状態を保持しながら、揺動アーム51が揺動することになる。ただし、本実施形態では、ブラケット56が第二アーム部55の先端に対して回動可能に取り付けられるものの走行部6に固定されているため、揺動アーム51が揺動しても、一対のガイドローラ59の回転軸はZ軸方向に平行した状態に保持され、第一実施形態のように傾斜しない。
復元機構32及び減衰機構を構成するロッド39の軸線O方向の一端部は、前述したように、ロッドピン43によって第一アーム部54の先端に連結されており、これによって、ロッド39は、第一アーム部54に対してロッドピン43の軸回り(Y軸回り)に回動可能となっている。
一方、復元機構32及び減衰機構を構成する収容ケース38は、Y軸方向に延びるケース用ピン61によってハウジング24に連結されている。これにより、収容ケース38及びロッド39は、ヨーク18及びハウジング24に対してケース用ピン61の軸回り(Y軸回り)に回転可能に取り付けられている。このため、収容ケース38及びロッド39が回転した際には、収容ケース38及びロッド39の軸線O方向が変化することになる。
以上のように構成される本実施形態の天井クレーンの動作について説明する。
図8に示すように、天井クレーンが走行レール4上に配されると共に走行部6に外力が作用していない初期状態において、地震等によって走行部6に作用するX軸方向の外力が、復元機構32に備えるコイルばね37(図3等参照)に予め付与されている初期圧縮力以下である場合には、第一実施形態と同様に、クレーン本体5及び走行部6は相対移動しない。
一方、地震等による上記外力がコイルばね37の初期圧縮力よりも大きい場合には、一対のガイドローラ59が走行レール4を挟み込んだ状態を保持しながら、走行部6及びブラケット56がクレーン本体5に対してX軸方向に相対移動(平行移動)する。また、この相対移動に伴って、ブラケット56に連結された揺動アーム51が揺動する。
さらに、この揺動アーム51の揺動に連動して、第一実施形態と同様に、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向に移動すると共にコイルばね37が初期状態からさらに圧縮変形する。そして、このコイルばね37のさらなる圧縮変形によって、揺動アーム51には、前述した揺動アーム51の揺動方向とは逆向きの復元力が作用することになる。
なお、上述のように揺動アーム51が揺動する際には、その第一アーム部54の先端が微小に鉛直方向(Z軸方向)に上下することになるが、本実施形態では、復元機構32及び減衰機構の収容ケース38及びロッド39がケース用ピン61によって回転可能とされているため、揺動アーム51の揺動に追従して、収容ケース38及びロッド39も揺動することになる。
以上説明したように、本実施形態の天井クレーンによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態の天井クレーンでは、揺動アーム51の第二アーム部55の先端がブラケット56及び連結部材58を介して走行部6に連結されていることで、クレーン本体5と走行部6との相対移動や揺動アーム51の揺動によって、連結部材58によるブラケット56と走行部6との連結部分に応力が発生することがある。ここで、本実施形態では、第二アーム部55の先端が、一対のガイドローラ59及び走行レール4も介して走行部6に連結されているため、前述の応力が、連結部材58によるブラケット56と走行部6との連結部分、及び、一対のガイドローラ59と走行レール4との連結部分の二箇所に分散されることになる。すなわち、連結部材58によるブラケット56と走行部6との連結部分に生じる応力を軽減することが可能となる。
また、本実施形態の天井クレーンでは、復元機構32を構成する収容ケース38及びロッド39がヨーク18に対して回転可能に取り付けられていることで、揺動アーム51の揺動に追従して収容ケース38及びロッド39も揺動し、ロッド39の直線移動方向が変えられるため、収容ケース38やロッド39、あるいは、ロッドと揺動アーム51との連結部分に応力が生じることを防止できる。
なお、第二実施形態に係る天井クレーンは、第一実施形態の天井クレーン1の場合と同様に、建屋2内部に設置された既存の天井クレーン1に免震ユニットを取り付ける改修作業を行うことで製作することが可能であり、この改修方法も第一実施形態と同様である。
そして、上述した第二実施形態の構成のうち、ヨーク18に対する復元機構32及び減衰機構の取付構造(収容ケース38をケース用ピン61でヨーク18に取り付ける構造)、は、図3〜5に示す第一実施形態の構成、及び、図6に示す第一実施形態の変形例の構成のいずれにも適用することが可能である。
〔第三実施形態〕
次に、図9を参照して本発明の第三実施形態について説明する。なお、この実施形態に係る天井クレーンは、第二実施形態の天井クレーンと比較して、ヨーク18に対する復元機構32及び減衰機構の取付構造、揺動アーム51とブラケット56との連結構造、及び、揺動アーム51と復元機構32及び減衰機構のロッド39との連結構造のみが異なっている。このため、本実施形態において、第二実施形態の天井クレーンの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、図9に示すように、本実施形態の天井クレーンでは、復元機構32及び減衰機構を構成する収容ケース38が、第一実施形態と同様に軸線O方向が鉛直方向(Z軸方向)に対して90度傾斜するようにハウジング24に固定されている。
そして、ロッドピン(突起)43によって復元機構32及び減衰機構を構成するロッド39に連結される揺動アーム51の第一アーム部54の先端には、第一アーム部54の延在方向に延びる長孔71が形成されている。一方、ロッドピン43は、ロッド39の軸線O方向の一端部に一体に形成されて、上記長孔71に挿入されると共に、長孔71の長手方向に摺動可能となっている。
以上のように、揺動アーム51とロッド39とが連結されていることで、揺動アーム51が揺動した際には、ロッドピン43が長孔71の長手方向に摺動することでロッド39が軸線O方向に移動することになる。すなわち、この構成では、上記ロッドピン43及び長孔71によって揺動アーム51の揺動がロッド39の軸線O方向への移動に変換されることになる。
また、本実施形態の天井クレーンでは、ブラケット用ピン(突起)57が揺動アーム51の第二アーム部55の先端に一体に形成されている。一方、ブラケット56には、ブラケット用ピン57を挿入させる長孔72が形成されている。この長孔72はZ軸方向に延びており、長孔72に挿入されたブラケット用ピン57は、長孔72の長手方向に摺動可能となっている。
以上のように、揺動アーム51とブラケット56とが連結されていることで、ブラケット56が走行部6と共にヨーク18に対してX軸方向に移動した際には、ブラケット用ピン57が長孔72の長手方向に摺動することで揺動アーム51が揺動することになる。すなわち、この構成では、上記ブラケット用ピン57及び長孔72によってブラケット56のX軸方向への移動が揺動アーム51の揺動に変換されることになる。
以上のように構成される本実施形態の天井クレーンの動作は、前述した第一実施形態や第二実施形態の場合と同様に行われる。したがって、本実施形態の天井クレーンによれば、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態の天井クレーンによれば、揺動アーム51に固定されたブラケット用ピン57及びブラケット56の長孔72によってブラケット56のX軸方向への移動が揺動アーム51の揺動に変換されるため、ブラケット56と走行部6との連結部分に応力がかかることを確実に防止できる。
また、ロッド39に固定されたロッドピン43及び揺動アーム51の長孔71によって揺動アーム51の揺動がロッド39の軸線O方向への移動に変換されるため、収容ケース38がクレーン本体5に固定されてロッド39の直線移動方向が固定されていても、復元機構32のロッド39や収容ケース38に応力が生じることを確実に防止できる。
なお、上記第三実施形態では、ロッドピン43がロッド39に一体に形成されると共に、揺動アーム51の第一アーム部54の先端に長孔71が形成されるとしたが、例えば、揺動アーム51の揺動がロッド39の軸線O方向への移動に変換されるように、ロッドピン43が第一アーム部54の先端に一体に形成されると共に、ロッド39にロッドピン43を挿入して摺動可能とする長孔が形成されてもよい。
また、ブラケット用ピン57が揺動アーム51の第二アーム部55の先端に一体に形成されると共に、ブラケット56に長孔72が形成されるとしたが、例えば、ブラケット56のX軸方向への移動が揺動アーム51の揺動に変換されるように、ブラケット用ピン57がブラケット56に一体に形成されると共に、揺動アーム51の第二アーム部55の先端にブラケット用ピン57を挿入して摺動可能とする長孔が形成されてもよい。
さらに、第三実施形態に係る天井クレーンは、第一、第二実施形態の天井クレーン1の場合と同様に、建屋2内部に設置された既存の天井クレーン1に免震ユニットを取り付ける改修作業を行うことで製作することが可能であり、この改修方法も第一実施形態と同様である。
そして、上述した第三実施形態の構成は、図3〜5に示す第一実施形態の構成、図6に示す第一実施形態の変形例の構成、図7,8に示す第二実施形態の構成のいずれにも適用することが可能である。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上記第二、第三実施形態では、揺動アーム51の第二アーム部55の先端が、ブラケット56及び連結部材58を介して走行部6に連結されているが、これに限ることはなく、例えば走行部6に直接連結されてもよい。また、第二、第三実施形態の構成では、例えば一対のガイドローラ59が設けられていなくても構わない。
さらに、走行部6の本体部21と揺動アーム31,51の第二アーム部35,55の先端とは、上述した全ての実施形態のように連結されることに限らず、少なくともヨーク18と本体部21とのX軸方向への相対移動を揺動アーム31の揺動に変換するように連結されればよい。
また、上述した実施形態の復元機構32は、揺動アーム31,51に作用する復元機構32の復元力がコイルばね37の圧縮変形のみによって発生するように構成されているが、少なくともヨーク18と走行部6とが相対移動した際に、揺動アーム31,51に対して復元力を作用させるように構成されていればよい。したがって、復元機構32は、揺動アーム31,51に作用する復元機構32の復元力が、例えばコイルばね37の伸長変形のみによって発生するように構成されてもよい。この場合、ヨーク18及び走行部6に外力が作用していない初期状態において、すなわち、揺動アーム31,51に作用する復元力が発生していない初期状態で、コイルばね37を伸長変形させてコイルばね37に伸長力(弾性力)を付与しておいてもよい。このように、コイルばね37に初期伸長力を付与しておけば、上記実施形態の場合と同様に、走行部6に対して初期伸長力よりも大きな外力が作用しない限り、クレーン本体5と走行部6とが相対移動することはない。
さらに、復元機構32は、揺動アーム31,51に作用する復元機構32の復元力が、例えばコイルばね37の圧縮変形及び伸長変形の両方によって発生するように構成されてもよい。すなわち、ロッド39が、収容ケース38に対して軸線O方向一方側に移動した際にコイルばね37が圧縮変形し、軸線O方向他方側に移動した際にコイルばね37が伸長変形してもよい。この場合、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向一方側に移動した際には、コイルばね37の圧縮変形によって復元機構32の復元力が揺動アーム31,51に作用する。また、ロッド39が収容ケース38に対して軸線O方向他方側に移動した際には、コイルばね37の伸長変形によって復元機構32の復元力が揺動アーム31,51に作用することになる。
そして、揺動アーム31,51に作用する復元機構32の復元力が、コイルばね37の圧縮変形及び伸長変形の両方によって発生する場合、復元機構32が例えばコイルばね37のみによって構成されてもよい。この場合には、コイルばね37の両端をそれぞれハウジング24(あるいはヨーク18)と、揺動アーム31の第一アーム部34の先端とにそれぞれ連結すればよい。
また、復元機構32において揺動アーム31に対して復元力を作用させる構成は、上記実施形態のようにコイルばね37に限らず、少なくとも収容ケース38の軸線O方向に弾性的に伸縮変形可能な弾性部材であればよく、例えばゴムであってもよい。
さらに、揺動アーム31,51がアーム用ピン33,53によってヨーク18(クレーン本体5)取り付けられると共に、復元機構32がヨーク18と揺動アーム31の第一アーム部34の先端との間に設けられるとしたが、例えば、揺動アーム31,51がアーム用ピン33,53によって走行部6の本体部21に取り付けられると共に、復元機構32が本体部21と揺動アーム31,51との間に設けられてもよい。この場合には、上記実施形態と比較して復元機構32が下方に配されるため、天井クレーン1の重心を低く設定することができる。また、クレーン本体5が軽量化されるため、地震発生時などにおいてクレーン本体5と走行部6とがX軸方向に相対移動しても、この相対移動の大きさを小さく抑えることができる。
また、上述した実施形態の天井クレーンにおける免震ユニット30は、減衰機構を備えるとしたが、少なくとも揺動アーム31及び復元機構32を備えていればよい。
さらに、クレーン本体5を構成するガーダ本体17及びヨーク18は、ヨークピン19によって連結されているが、例えば一体に固定されてもよい。
また、クレーン本体5及び走行部6は、トラックピン23によって連結されていなくてもよく、少なくともX軸方向に相対移動可能に互いに連結されればよい。
そして、本発明のクレーン装置及びその改修方法は、上記実施形態のように天井クレーン1に適用されることに限らず、少なくとも走行レール4上を走行可能で荷の吊り込みを行う走行式のクレーン装置に適用可能である。したがって、本発明のクレーン装置及びその改修方法は、例えば屋外用のクレーン装置に適用することも可能である。
1…天井クレーン(クレーン装置)、4…走行レール、5…クレーン本体、6…走行部、7…吊り込み手段、18…ヨーク、18a…側端部、22…車輪、30…免震ユニット、31…揺動アーム、32…復元機構、33…アーム用ピン(揺動軸)、34…第一アーム部、35…第二アーム部、36…ガイドローラ、37…コイルばね(弾性部材)、38…収容ケース、39…ロッド、43…ロッドピン(突起)、51…揺動アーム、53…アーム用ピン(揺動軸)、54…第一アーム部、55…第二アーム部、56…ブラケット、57…ブラケット用ピン(突起)、58…連結部材、59…ガイドローラ、71…長孔、72…長孔

Claims (8)

  1. 走行レール上を走行可能で、荷の吊り込みを行うクレーン装置において、
    荷の吊り込みを行う吊り込み手段を有するクレーン本体と、
    前記走行レール上を転動するように回転可能とされた車輪を有し、前記クレーン本体に対して前記車輪の回転軸方向に相対移動可能に取り付けられた走行部と、
    前記クレーン本体の前記走行レールの延在方向の側端部に、前記延在方向に平行な軸回りに揺動可能に支持された揺動アームと、
    前記クレーン本体前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームの揺動に対して復元力を作用させる復元機構とを備え、
    前記揺動アームの他方の搖動端が前記走行レールをその幅方向から挟み込む一対のガイドローラによって構成されており、前記クレーン本体と前記走行部とが前記相対移動した際に、前記一対のガイドローラが走行レールを挟み込んだ状態を保持しながら前記揺動アームが揺動することを特徴とするクレーン装置。
  2. 走行レール上を走行可能で、荷の吊り込みを行うクレーン装置において、
    荷の吊り込みを行う吊り込み手段を有するクレーン本体と、
    前記走行レール上を転動するように回転可能とされた車輪を有し、前記クレーン本体に対して前記車輪の回転軸方向に相対移動可能に取り付けられた走行部と、
    前記クレーン本体の前記走行レールの延在方向の側端部に、前記延在方向に平行な軸回りに揺動可能に支持された揺動アームと、
    前記クレーン本体前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームの揺動に対して復元力を作用させる復元機構とを備え、
    前記揺動アームの他方の揺動端が、前記走行レール上に配されるブラケットに連結され、
    該ブラケットが、連結部材によって前記走行部に固定されており、
    該ブラケットに前記走行レールをその幅方向から挟み込む一対のガイドローラが設けられており、
    前記クレーン本体と前記走行部とが前記相対移動した際に、前記一対のガイドローラが該ガイドローラの回転軸を鉛直方向に対して平行に保持しながら前記揺動アームが揺動することを特徴とするクレーン装置。
  3. 前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材と、当該弾性部材を収容する収容ケースと、前記弾性部材を伸縮させるように前記収容ケースに対して直線移動するロッドと、を備え、
    前記ロッド及び前記揺動アームの前記一方の揺動端のいずれか一方に突起が形成されると共に、前記他方の揺動端及び前記ブラケットの他方に前記突起を挿入する長孔が形成され、前記突起が前記長孔に挿入された状態では、前記ロッドの前記伸縮方向への移動を前記揺動アームの揺動に変換するように、前記突起が前記長孔の長手方向に摺動可能となっており、
    前記他方の揺動端及び前記ブラケットの一方に突起が形成されると共に、前記他方の揺動端及び前記ブラケットの他方に前記突起を挿入する長孔が形成され、前記突起が前記長孔に挿入された状態では、前記ブラケットの前記回転軸方向への移動を前記揺動アームの揺動に変換するように、前記突起が前記長孔の長手方向に摺動可能となっていることを特徴とする請求項2に記載のクレーン装置。
  4. 前記揺動アームの揺動軸から前記一方の揺動端までの距離が、前記揺動アームの揺動軸から前記他方の揺動端までの距離よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクレーン装置。
  5. 前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材を備え、
    前記弾性部材の伸縮方向が、鉛直方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクレーン装置。
  6. 前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材を備え、
    前記揺動アームに作用する前記復元力が、前記弾性部材の圧縮変形及び伸長変形のいずれか一方の弾性変形のみによって発生するものであり、
    前記走行部に外力が作用していない初期状態において、前記弾性部材に前記一方の弾性変形による弾性力が付与されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクレーン装置。
  7. 前記クレーン本体及び前記走行部の一方と前記揺動アームの一方の揺動端との間に設けられて、前記揺動アームに対して減衰力を作用させる減衰機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のクレーン装置。
  8. 前記復元機構が、弾性的に伸縮変形可能な弾性部材と、当該弾性部材を収容する収容ケースと、前記弾性部材を伸縮させるように前記収容ケースに対して直線移動するロッドと、を備え、
    前記ロッドが、前記揺動アームの前記一方の揺動端に連結され、
    前記収容ケースが、前記クレーン本体及び前記走行部の一方に対して、前記延在方向に平行な軸周りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のクレーン装置。
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