(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、説明を簡易化するために、適宜1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。
また、赤色の粒子を赤粒子R、赤と補色の関係にあるシアン色の粒子をシアン粒子C、白色の粒子を白粒子Wと記し、各粒子とその粒子群は同じ記号(符号)によって示す。
図1(A)は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示している。この表示装置100は、表示媒体10と、表示媒体10を駆動する駆動装置20と、を備えている。駆動装置20は、表示媒体10に電圧を印加する電圧印加部30と、表示媒体10に表示させる画像の画像情報に応じて電圧印加部30を制御する制御部40と、を含んで構成されている。
表示媒体10は、画像表示面とされる、透光性を有する表示基板50と、非表示面とされる背面基板52と、が間隙を持って対向して配置されている。表示基板50には、透光性を有する表示側電極54が形成され、背面基板52には、背面側電極56が形成されている。なお、表示側電極54及び背面側電極56は、表示基板50及び背面基板52に設けず、外部電極としてもよい。
また、表示媒体10には、表示基板50と背面基板52との基板間を定められた間隔に保持すると共に、当該基板間を複数のセルに区画する間隙部材58が設けられている。
上記セルとは、表示側電極54が設けられた表示基板50と、背面側電極56が設けられた背面基板52と、間隙部材58と、によって囲まれた領域を示している。なお、それぞれの電極表面には、保護膜や絶縁材料などからなる層を設けてもよい。セル中には、例えば絶縁性液体で構成された分散媒60と、分散媒60中に分散された第1粒子群62、第2粒子群64、及び白色粒子群66が封入されている。
第1粒子群62と第2粒子群64は、色及び基板から剥離させるための電界を発生させる閾値電圧が異なり、表示側電極54と背面側電極56との間に予め定めた閾値電界以上の電界を発生させる閾値電圧を印加することにより、第1粒子群62及び第2粒子群64がそれぞれ単独で泳動する特性を有している。一方、白色粒子群66は、第1粒子群62、第2粒子群64よりも帯電量が少なく、第1粒子群62、第2粒子群64が何れか一方の電極側まで移動する電界を発生させる電圧が電極間に印加されても、何れの電極側まで移動しない浮遊粒子群である。
なお、白色粒子群66を用いるのではなく、分散媒60に着色剤を混合することで、白色を表示させてもよい。
本実施形態では、第1粒子群62は、シアンの色彩を有する正帯電の電気泳動粒子(シアン粒子C)であり、第2粒子群64は、シアンの補色である赤の色彩を有する正帯電の電気泳動粒子(赤粒子R)である場合について説明するが、これに限定されない。各粒子の色や粒径は適宜設定すればよい。また、以下の説明で印加する電圧の電圧値も一例であって、これに限定されず、各粒子の帯電極性、粒径、応答性、電極間の距離等に応じて適宜設定すればよい。
駆動装置20(電圧印加部30及び制御部40)は、表示媒体10の表示側電極54、背面側電極56間に表示させる色に応じた電圧を印加することにより、第1粒子群62、64を泳動させ、それぞれの帯電極性に応じて表示基板50、背面基板52の何れか一方に引き付ける。
電圧印加部30は、表示側電極54及び背面側電極56にそれぞれ電気的に接続されている。また、電圧印加部30は、制御部40に信号授受されるように接続されている。
制御部40は、図1(B)に示すように、例えばコンピュータ40として構成される。コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)40A、ROM(Read Only Memory)40B、RAM(Random Access Memory)40C、不揮発性メモリ40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eがバス40Fを介して各々接続された構成であり、I/O40Eには電圧印加部30が接続されている。この場合、後述する各色の表示に必要な電圧の印加を電圧印加部30に指示する処理をコンピュータ40に実行させるプログラムを、例えば不揮発性メモリ40Dに書き込んでおき、これをCPU40Aが読み込んで実行させる。なお、プログラムは、CD−ROM等の記録媒体により提供するようにしてもよい。
電圧印加部30は、表示側電極54及び背面側電極56に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部40の制御に応じた電圧を表示側電極54及び背面側電極56に印加する。
本実施形態では、一例として表示側電極54を表示基板50の全面に形成された共通電極とし、背面側電極56を複数の孤立電極で構成し、アクティブマトリクス駆動に対応した電極構成とする。従って、本実施形態では、共通電極としての表示側電極54を接地し、背面側電極56を構成する複数の孤立電極に画像に応じた電圧を印加する場合について説明する。
図2には、本実施形態に係る表示装置100において、正に帯電されたシアン粒子C、正に帯電された赤粒子Rを表示基板50側、背面基板52側に移動させるために印加する電圧に対する表示濃度の特性(電圧−表示濃度特性)を示した。図2では、シアン粒子Cの電圧−表示濃度特性を特性50C、赤粒子Rの電圧−表示濃度特性を特性50Rで表わしている。また、図2は、表示側電極54をグランド(0V)として背面側電極56に印加された電圧と、各粒子群による表示濃度との関係を示したものである。
実際には、各粒子群を移動させるのに作用する外力Fは電界E×帯電量q(F=qE)であり、電界強度により特性が変化するが、説明を簡単にするため、表示側電極54と背面側電極56の距離dを一定であるとして、電圧Vで説明する。表示側電極54と背面側電極56の距離dが異なる表示媒体を用いる場合は、電界EはE=V/dで決まるため、相対的にdが大きくなった分電圧Vを大きくすればよく、電圧−表示濃度特性は電圧絶対値の大きさが変化しても、各粒子の特性は相似な関係となる。
図2に示すように、背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は+V2aであり、表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は−V2aである。従って、+V2a以上の電圧を印加することで背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動し、−V2a以下の電圧を印加することで表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動する。また、背面基板52側のシアン粒子Cが全て表示基板50側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は+V2であり、表示基板50側のシアン粒子Cが全て背面基板52側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は−V2である。
そして、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるシアン粒子Cの粒子量は、例えば印加する電圧のパルス幅(電圧印加時間)を同一にした場合には、印加する電圧の電圧値を変えることで制御される(電圧値変調)。例えば、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるシアン粒子Cの粒子量を制御する場合、印加する電圧のパルス幅は同一で、電圧値を+V2a以上の任意の電圧値とすることにより、その電圧値に応じた粒子量のシアン粒子Cを表示基板50側へ移動させられる。これにより、シアン粒子Cの階調表示が制御される。表示基板50側のシアン粒子Cを背面基板52側へ移動させる場合の粒子量についても同様である。
また、背面基板52側の赤粒子Rが表示基板50側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧(閾値電圧)は+V1aであり、表示基板50側の赤粒子Rが背面基板52側へ移動開始する移動開始電圧は−V1aである。従って、+V1a以上の電圧を印加することで背面基板52側の赤粒子Rが表示基板50側へ移動し、−V1a以下の電圧を印加することで表示基板50側の赤粒子Rが背面基板52側へ移動する。また、背面基板52側の赤粒子Rが全て表示基板50側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は+V1であり、表示基板50側の赤粒子Rが全て背面基板52側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は−V1である。なお、図2に示すように、|V1|<|V2|であり、赤粒子Rの閾値電圧の電圧値の絶対値よりもシアン粒子Cの閾値電圧の電圧値の絶対値の方が大きい。
そして、背面基板52側から表示基板50側へ移動させる赤粒子Rの粒子量、表示基板50側から背面基板52側へ移動させる赤粒子Rの粒子量は、前述したシアン粒子Cの場合と同様に、例えば印加する電圧のパルス幅を同一にした場合には、印加する電圧の電圧値によって制御される。
なお、印加する電圧の電圧値を同一にして、パルス幅を変えることで移動する粒子の粒子量を制御し、階調表示を制御するようにしてもよい(パルス幅変調)。例えば、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるシアン粒子Cの粒子量を制御する場合において、印加する電圧の電圧値を+V2a以上の予め定めた電圧値とした場合、そのパルス幅が長くなるに従って表示基板50側へ移動するシアン粒子Cの粒子量が多くなる。従って、電圧値を固定にして、パルス幅を階調に応じた長さのパルス幅とすることにより、シアン粒子Cの階調表示が制御される。本実施形態では、一例として、電圧値変調により、移動する粒子の粒子量を制御する場合について説明する。
次に、本実施形態の作用として、制御部40のCPU40Aで実行される制御について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS10では、表示媒体10に表示させるべき画像の画像情報を例えばI/O40Eを介して図示しない外部装置から取得する。
ステップS12では、リセット電圧を印加するように電圧印加部30に指示する。ここで、リセット電圧とは、同一色の粒子群は全て表示基板50又は背面基板52側へ移動させて表示をリセットするための電圧であり、本実施形態では、シアン粒子C及び赤粒子R毎にリセット電圧を印加する。なお、本実施形態では、リセット電圧は、全ての色の粒子群が背面基板52側へ移動させる電圧である場合について説明するが、全ての色の粒子群を表示基板50側へ移動させるための電圧であってもよい。また、同一色の粒子群を表示基板50又は背面基板52側へ移動させるものであれば、例えば全てのシアン粒子Cが表示基板50側に移動し、全ての赤粒子Rが背面基板52側へ移動する電圧であってもよい。なお、ステップS10とステップS12の順番は入れ替えても良い。
図4には、色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。なお、以下では、説明を簡単にするために、同図(A)に示すように、1つのセルに背面側電極56として3つの電極1〜3が設けられている場合について説明する。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、左側の電極1の表示基板50側には白粒子Wによる白色が表示され、中央の電極2の表示基板50側には赤粒子Rによる赤色が表示され、右側の電極3の表示基板50側には、シアン粒子Cによるシアン色が表示された状態である。そして、表示側電極54としての共通電極は接地されており、電極1〜3には電圧は印加されていない状態である。
この状態から、図4(B)及び図5に示すように、電極1〜3に赤粒子Rの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、全ての赤粒子Rのみが移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを印加する。これにより、図4(B)に示すように、電極2上の表示基板50側の赤粒子Rは全て背面基板52側へ移動し、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは移動せず表示基板50側に残ったままとなる。これにより、まず赤色の表示がリセットされる。
次に、図4(C)及び図5に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、全てのシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧−Vrを印加する。これにより、図4(C)に示すように、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。なお、図5では、−V1rを印加した直後に−Vrを印加することにより赤色の表示をリセットした直後にシアン色のリセットを行っているが、赤色のリセットとシアン色のリセットとの間にインターバルを設けても良い。すなわち、赤色のリセットを実行した後、シアン色のリセットを行うまでに電極1〜3を0Vにする期間を設けても良い。これは後述する他の実施形態においても同様である。
図3のステップS14では、取得した画像情報に基づいて、背面側電極56に印加すべき表示色電圧を決定し、電圧印加部30に指示する。電圧印加部30は、制御部40から指示された表示色電圧を背面側電極56に印加する。
この表示色電圧は、表示媒体10に表示すべき色の階調に応じた電圧である。例えば赤単色の階調表示を行う場合には、表示色電圧は、赤粒子Rの移動開始電圧である+V1aよりも高く、且つ、シアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧である。そして、その電圧値は、表示すべき赤色の階調(濃度)に応じた電圧値である。また、シアン単色の階調表示を行う場合には、表示色電圧は、シアン粒子Cの移動開始電圧である+V2aよりも高い電圧である。そして、その電圧値は、表示すべきシアン色の階調(濃度)に応じた電圧値である。ただし、赤粒子Rも表示基板50側に移動するので、シアンの表示色電圧を印加した後、全ての赤粒子Rを背面基板52側へ移動させる電圧を印加する。なお、電圧値は同一で、パルス幅によって階調制御してもよく、電圧値とパルス幅を組み合わせて階調制御しても良い。
また、赤色とシアン色の混色の階調表示を行う場合は、例えば上記のようにシアンの階調表示を行った後、赤色の階調表示を行う。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、色が異なる粒子群毎に背面基板52側へ移動させて色毎に表示をリセットするので、全ての色の粒子群を一度に背面基板52側へ移動させて表示をリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
なお、図6に示すように、シアン色のリセットを行う際に、共通電極(表示側電極54)に、電極1〜3に印加する電圧−Vrと逆極性の電圧、例えば+Vrの電圧を印加するようにしてもよい。これにより、共通電極を接地したままの場合と比較して、基板間に発生する電界が大きくなり、リセットに要する時間が短縮される。また、別の方法として、移動開始電圧の小さい粒子(本実施形態では赤粒子R)のリセット電圧を印加して、先に粒子Rを移動させ始め、赤粒子Rが反対側の基板へ到達する前に、次に大きい移動開始電圧の粒子(本実施形態ではシアン粒子C)を移動させる電圧を印加し始めるようにしてもよい。これにより、赤粒子Rを移動させる時間における後半の電圧を大きくして、赤粒子Rのリセットに要する時間を短くすると共に、シアン粒子Cが移動する時間と兼ねることができ、総合的にリセットに要する時間が短縮される。これらの方法は、以降に説明する他の実施例でも、同じ極性で移動開始電圧が小さい粒子からリセットする場合に有効である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
次に、制御部40のCPU40Aで実行される制御について説明する。図31に示すように、ステップS10では、今回表示媒体10に表示させるべき画像の画像情報を例えばI/O40Eを介して取得する。
ステップS11では、前回の表示サイクルにおける書込ステップS14で書き込まれた画像情報、すなわちリセット直前に表示されている画像の画像情報を取得する。前回の表示サイクルにおける書込ステップS14で書き込まれた画像情報は、例えば、予め図示しない記憶手段や、ルックアップテーブル等に格納しておく。
次に、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図7には、表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図4(A)と同一である。
この状態から、図7(B)及び図8に示すように、電極2のみに赤粒子Rの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側の赤粒子Rが移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極2のみに印加する。なお、電極1、3には電圧を印加せず0Vのままとする。これにより、図7(B)に示すように、電極2上の表示基板50側の赤粒子Rは全て背面基板52側へ移動し、電極1、3に対応した画素の粒子は移動しない。これにより、まず赤色の表示がリセットされる。
次に、図7(C)及び図8に示すように、電極3のみにシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cが移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極3のみに印加する。なお、電極1、2には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図7(C)に示すように、電極3上のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎に背面基板52側へ移動させて色毎に表示をリセットする。すなわち、色が異なる粒子群毎に、その色が表示されている画素に対応した電極のみに電圧を印加し、その色が表示されていない画素に対応した電極には電圧を印加しない。これにより、表示中の画像に関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
なお、図9に示すように、シアン色のリセットを行う際に、共通電極(表示側電極54)に、電極3に印加する電圧−Vrと逆極性の電圧、例えば+Vrの電圧を印加するようにしてもよい。これにより、共通電極を接地したままの場合と比較して、基板間に発生する電界が大きくなり、リセットに要する時間が短縮される。
その後、ステップS14において、表示する画像情報に応じて表示を行い、ステップS16において、この画像情報を図示しない記憶手段、あるいはルックアップテーブル等に記憶させる。なお、ステップS10、S11、S12の順番は、ステップS11の後にステップS12が実行される関係性が保たれる範囲で入れ替えてもかまわない。例えば、ステップS10、S11、S12の処理順序は、S10→S11→S12でもよいし、S11→S12→S10でもよいし、S11→S10→S12でもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、表示中の画像を表示した際の各色の表示順序と逆の順序で各色の粒子群を背面基板52側へ移動させることにより色毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第1実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図10には、表示中の画像を表示した際の各色の表示順序と逆の順序で各色の粒子群が背面基板52側へ移動するようにリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図4(A)と同一である。
図10(A)の状態にするには、第1実施形態で説明したように、例えばシアンの階調表示を行った後、赤色の階調表示を行う。
本実施形態では、表示とは逆の順序で表示をリセットする。すなわち、赤色の表示をリセットした後にシアンの表示をリセットする。
従って、図10(A)の状態から、図10(B)及び図11に示すように、電極3のみに赤粒子Rの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極3上の背面基板50側の赤粒子Rのみが表示基板50側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極3のみに印加する。なお、電極1、2には電圧を印加せず0Vのままとする。これにより、図10(B)に示すように、電極3上の背面基板50側の赤粒子Rは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図10(C)及び図11に示すように、電極2、3に赤粒子Rの閾値電圧−V1以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極2、3上の表示基板50側の赤粒子Rが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極2、3に印加する。なお、電極1には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図10(C)に示すように、電極2、3上の表示基板50側の赤粒子Rは全て背面基板52側へ移動する。これにより、赤色の表示がリセットされる。
次に、図10(D)及び図11に示すように、電極3のみにシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cが移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極3のみに印加する。なお、電極1、2には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図10(D)に示すように、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
このように、本実施形態では、表示中の画像を表示した際の各色の表示順序と逆の順序で各色の粒子群が背面基板52側へ移動するようにリセット電圧を印加する。これにより、表示順序と関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示した後、全ての粒子群が背面基板52側へ移動するようにリセット電圧を印加する場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第1実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図12には、色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示した後、全ての粒子群が背面基板52側へ移動するようにリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図4(A)と同一である。
図12(A)に示すように、表示中の画像は、電極2に対応した画素には赤粒子Rにより赤色が表示され、電極3に対応した画素にはシアン粒子Cによりシアン色が表示されている。従って、表示中の赤色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、3上の表示基板50側に赤粒子Rを移動させ、表示中のシアン色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、2上の表示基板50側にシアン粒子Cを移動させる必要がある。
このため、図12(A)の状態から、図12(B)及び図13に示すように、電極1、3に赤粒子Rの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極1、3上の全ての赤粒子Rが表示基板50側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1,3に印加する。なお、電極2には電圧を印加せず0Vのままとする。すなわち、表示中の赤色の画像を反転した反転画像を書き込む。これにより、図12(B)に示すように、電極1,3上の赤粒子Rは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図12(C)及び図13に示すように、電極1、2にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極1、2上の全てのシアン粒子Cが移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧+Vrを電極1、2に印加する。なお、電極3には電圧を印加せず0Vとする。すなわち、表示中のシアン色の画像を反転した反転画像を書き込む。これにより、図12(C)に示すように、電極1、2上のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図12(D)及び図13に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、表示基板50側の全ての赤粒子R及びシアン粒子Cが移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極1、2に印加する。これにより、図12(D)に示すように、表示基板50側の赤粒子R及びシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。
このように、本実施形態では、色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示した後、全ての粒子群が背面基板52側へ移動するようにリセット電圧を印加する。これにより、表示中の画像に関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、リセット電圧を印加して表示をリセットした後、全ての粒子群が背面基板52側から表示基板50側へ移動して背面基板52側へ移動させるための電圧、すなわちリセット後に全ての粒子群を背面基板52側から一往復させる電圧を印加する場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第1実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図14には、表示中の画像をリセットした後に、全ての粒子群を背面基板52側から一往復させる場合の粒子の移動の様子を示した。なお、同図(A)〜(C)は第2実施形態と同一であるので、説明は省略する。
第2実施形態と同様に、図14(A)〜(C)に示すようにリセット電圧を印加して表示をリセットした後、図14(D)及び図15に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極1〜3上の全てのシアン粒子C及び赤粒子Rが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|Vr|を満たす電圧+Vrを電極1〜3に印加する。これにより、図14(D)に示すように、電極1〜3上のシアン粒子C及び赤粒子Rは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図14(E)及び図15に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、表示基板50側の全てのシアン粒子C及び赤粒子Rが背面基板52側へ移動するよう、|V2|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極1〜3に印加する。これにより、図14(E)に示すように、表示基板50側のシアン粒子C及び赤粒子Rは全て背面基板52側へ移動する。
このように、本実施形態では、表示されている画像をリセットした後に、全ての粒子群を一往復させるので、よりリセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
なお、本実施形態では、第4実施形態で説明した方法でリセットした後に全ての粒子群を一往復させる場合について説明したが、リセットの方法はこれに限らず、第1〜第3実施形態及び以下で説明する他の実施形態に係るリセット方法でもよい。また、リセット後、全ての粒子群を二往復以上させてもよい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、表示媒体10が、イエロー粒子Y、マゼンタ粒子M、及びシアン粒子Cの色が異なり且つ同極性に帯電された3種類の粒子群を備えた構成であり、表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
図16には、全て正に帯電されたイエロー粒子Y、マゼンタ粒子M、及びシアン粒子Cを表示基板50側、背面基板52側に移動させるために必要な印加電圧の特性を示した。図16では、イエロー粒子Yの電圧−表示濃度特性を特性50Y、マゼンタ粒子の電圧−表示濃度特性を特性50M、シアン粒子Cの電圧−表示濃度特性を特性50Cで表わしている。また、図16は、表示側電極54をグランド(0V)として背面側電極56に印加された電圧と、各粒子群による表示濃度との関係を示したものである。
なお、シアン粒子Cの特性50Cは第1実施形態と同様であり、イエロー粒子Yの特性50Yは、第1実施形態で説明した赤粒子Rの特性と同様であるため、説明は省略し、マゼンタ粒子Mの特性50Mについてのみ説明する。
図16に示すように、背面基板52側のマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は+V3aであり、表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は−V3aである。従って、+V3a以上の電圧を印加することで背面基板52側のマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動し、−V3a以下の電圧を印加することで表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動する。また、背面基板52側のマゼンタ粒子Mが全て表示基板50側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は+V3であり、表示基板50側のマゼンタ粒子Mが全て背面基板52側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は−V3である。
そして、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるマゼンタ粒子Mの粒子量は、例えば印加する電圧のパルス幅(電圧印加時間)を同一にした場合には、印加する電圧の電圧値を変えることで制御される(電圧値変調)。例えば、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるマゼンタ粒子Mの粒子量を制御する場合、印加する電圧のパルス幅は同一で、電圧値を+V3以上の任意の電圧値とすることにより、その電圧値に応じた粒子量のマゼンタ粒子Mを表示基板50側へ移動させられる。これにより、マゼンタ粒子Mの階調表示が制御される。表示基板50側のマゼンタ粒子Mを背面基板52側へ移動させる場合の粒子量についても同様である。
なお、印加する電圧の電圧値を同一にして、パルス幅を変えることで移動する粒子の粒子量を制御し、階調表示を制御するようにしてもよい(パルス幅変調)。例えば、背面基板52側から表示基板50側へ移動させるマゼンタ粒子Mの粒子量を制御する場合において、印加する電圧の電圧値を+V3a以上の予め定めた電圧値とした場合、そのパルス幅が長くなるに従って表示基板50側へ移動するマゼンタ粒子Mの粒子量が多くなる。従って、電圧値を固定にして、パルス幅を階調に応じた長さのパルス幅とすることにより、マゼンタ粒子Mの階調表示が制御される。本実施形態では、一例として、電圧値変調により、移動する粒子の粒子量を制御する場合について説明する。
制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10の処理は第1実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12、S14の処理について説明する。
ステップS12では、リセット電圧を印加するように電圧印加部30に指示する。ここで、リセット電圧とは、同一色の粒子を全て背面基板52側へ移動させて表示をリセットするための電圧であり、本実施形態では、イエロー粒子Y、マゼンタ粒子M、シアン粒子C毎にリセット電圧を印加する。
図17には、表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、左側の電極1の表示基板50側にはイエロー粒子Yによる黄色が表示され、中央の電極2の表示基板50側にはマゼンタ粒子Mによるマゼンタ色が表示され、右側の電極3の表示基板50側には、シアン粒子Cとイエロー粒子Yによる混色の緑色が表示された状態である。そして、表示側電極54としての共通電極は接地されており、電極1〜3には電圧は印加されていない状態である。
この状態から、図17(B)及び図18に示すように、電極1,3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1、3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極1、3に印加する。なお、電極2には電圧を印加せず0Vのままとする。これにより、図17(B)に示すように、電極1,3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。これにより、まずイエローの表示がリセットされる。
次に、図17(C)及び図18に示すように、電極3のみにシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下の電圧−V2rを印加する。すなわち、電極3上の全てのシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|<|V2r|を満たす電圧−V2rを電極3のみに印加する。なお、電極1、2には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図17(C)に示すように、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
次に、図17(D)及び図18に示すように、電極2のみにマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側の全てのマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極2のみに印加する。なお、電極1、3には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図17(D)に示すように、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動する。これにより、マゼンタ色の表示がリセットされる。
図3のステップS14では、取得した画像情報に基づいて、背面側電極56に印加すべき表示色電圧を決定し、電圧印加部30に指示する。電圧印加部30は、制御部40から指示された表示色電圧を背面側電極56に印加する。
ここでは、一例として図17(D)のリセット状態から図17(A)の画像表示状態にする場合の電圧印加の流れを図19を参照して説明する。
図19(A)に示すように、全ての粒子が背面基板52側へ移動したリセット状態から、図19(B)及び図20に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図19(B)に示すように、電極1〜3のイエロー粒子Yは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図19(C)及び図20に示すように、電極2、3にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極2,3上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極2、3に印加する。これにより、図19(C)に示すように、電極2,3のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図19(D)及び図20に示すように、電極2のみにマゼンタ粒子Mの閾値電圧+V3以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極2上の背面基板52側の全てのマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧+Vrを電極2のみに印加する。なお、電極1、3には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図19(D)に示すように、電極2上の背面基板52側のマゼンタ粒子Mは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図19(E)及び図20に示すように、電極2のみにシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧−V3aよりも高い電圧−V2rを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側のシアン粒子C及びイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧−V2rを電極2、3に印加する。これにより、図19(E)に示すように、電極2上の表示基板50側のシアン粒子C及びイエロー粒子Yは全て表示基板50側へ移動し、マゼンタ粒子Mのみが電極2上の表示基板50側に残る。なお、黒を表示する場合は、イエロー粒子Y、シアン粒子C、マゼンタ粒子Mを全て表示基板50側へ移動させることで3次色の黒を表示する。
このように、本実施形態では、表示すべき画像に応じて閾値電圧の小さい粒子から順に表示基板50側に移動させてリセットするので、閾値電圧に関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。なお、第6実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、シアン粒子Cが負に帯電されている点が第6実施形態と異なる。そして、本実施形態では、閾値電圧の小さい順に色が異なる粒子群毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
図21には、正に帯電されたイエロー粒子Y、正に帯電されたマゼンタ粒子M、及び負に帯電されたシアン粒子Cを表示基板50側、背面基板52側に移動させるために必要な印加電圧の特性を示した。なお、イエロー粒子Yの特性50Y及びマゼンタ粒子Mの特性50Mは第6実施形態と同様であるため説明は省略し、シアン粒子Cの特性50Cについてのみ説明する。
図21に示すように、背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は−V2aであり、表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動開始する電界を発生させるための移動開始電圧は+V2aである。従って、−V2a以下の電圧を印加することで背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動し、+V2a以上の電圧を印加することで表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動する。また、背面基板52側のシアン粒子Cが全て表示基板50側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は−V2であり、表示基板50側のシアン粒子Cが全て背面基板52側へ移動する電界を発生させるための閾値電圧は+V2である。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10の処理は第6実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12、S14の処理について説明する。
ステップS12では、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加する。
図22には、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図17(A)と同一である。
この状態から、図22(B)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図22(B)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動してリセットされる。なお、同図(A)に示すように、電極2上の表示基板50側にはイエロー粒子Yは存在しないので、実際には電極1、3の表示基板50側のイエロー粒子Yのみ背面基板52側へ移動する。
次に、図22(C)に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極1〜3に印加する。これにより、図22(C)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動する。なお、同図(B)に示すように、電極1、2上の表示基板50側にはシアン粒子Cは存在しないので、実際には電極3の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動してリセットされる。また、これに伴って、電極1〜3上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動する。
次に、図22(D)に示すように、電極1〜3にマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側の全てのマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極1〜3に印加する。これにより、図22(D)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動する。なお、同図(B)に示すように、電極1、3上の表示基板50側にはマゼンタ粒子Mは存在しないので、実際には電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動する。これにより、マゼンタ色の表示がリセットされる。また、これに伴って、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するとともに、電極1〜3上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動する。
次に、図22(E)に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極1〜3上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極1〜3に印加する。これにより、図22(E)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動して再度リセットされる。これにより、シアン色の表示もリセットされる。なお、これに伴って、電極1〜3上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動する。
次に、図22(F)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図22(F)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動して再度リセットされる。これにより、イエロー色の表示もリセットされ、全面白表示となる。
図3のステップS14では、取得した画像情報に基づいて、背面側電極56に印加すべき表示色電圧を決定し、電圧印加部30に指示する。電圧印加部30は、制御部40から指示された表示色電圧を背面側電極56に印加する。
ここでは、一例として図22(F)のリセット状態から図22(A)の画像表示状態にする場合の電圧印加の流れを図23を参照して説明する。
図23(A)に示すように、全ての粒子が背面基板52側へ移動したリセット状態から、図23(B)及び図24に示すように、電極2のみにマゼンタ粒子Mの閾値電圧+V3以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極2上の背面基板52側のマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動するよう、|V3|≦|Vr|を満たす電圧+Vrを電極2に印加する。これにより、図23(B)に示すように、電極2上の背面基板52側のマゼンタ粒子M及びイエロー粒子Yは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図23(C)及び図24に示すように、電極3にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧−V3aよりも高い電圧−V2rを印加する。すなわち、電極3上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧−V2rを電極3に印加する。これにより、図23(C)に示すように、電極3のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図23(D)及び図24に示すように、電極1,3にイエロー粒子Yの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極1、3上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動するよう、|V1|<|V1r|を満たす電圧+V1rを電極1,3に印加する。なお、電極2には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図23(D)に示すように、電極1,3上の背面基板52側のイエロー粒子Yは表示基板50側へ移動する。
次に、図23(E)及び図24に示すように、電極2にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|<|V1r|を満たす電圧−V1rを電極2に印加する。なお、電極1,3には電圧を印加せず0Vとする。これにより、図23(E)に示すように、電極2上の表示基板50側のイエロー粒子Yは背面基板52側へ移動する。以上により、第1電極の表示基板側はイエロー粒子Yによるイエロー表示となり、第2電極の表示基板側はマゼンタ粒子Mによるマゼンタ表示となり、第3電極の表示基板側は、イエロー粒子Yとシアン粒子Cの2次色によるグリーン表示となる。なお、黒を表示する場合は、イエロー粒子Y、シアン粒子C,マゼンタ粒子Mを全て表示基板側へ移動させることで3次色の黒を表示する。
以上のように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加するので、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。なお、第7実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、閾値電圧が小さい順に表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第7実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第7実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図25には、閾値電圧が小さい順に表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図22(A)と同一である。
この状態から、図25(B)に示すように、電極1、3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1、3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図25(B)に示すように、電極1、3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。
次に、図25(C)に示すように、電極3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極3に印加する。これにより、図25(C)に示すように、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動し、電極3上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動する。
次に、図25(D)に示すように、電極2にマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側の全てのマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧−Vrを電極2に印加する。これにより、図25(D)に示すように、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動し、電極2上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動する。従って、マゼンタ色の表示がリセットされる。
次に、図25(E)に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極1〜3に印加する。これにより、図25(E)に示すように、電極1〜3上のシアン粒子Cを全て背面基板52側へ移動させるが、この実施形態の場合は電極1,3上のシアン粒子は背面基板52側にあるので、電極2上の表示基板50側のシアン粒子Cのみが背面基板52側へ移動し、電極1、2上の背面基板52側のイエロー粒子Yは表示基板50側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
次に、図25(F)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図25(F)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。これにより、イエロー色の表示がリセットされる。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群毎に背面基板52側へ移動させて色毎に表示をリセットするので、表示中の画像に関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。なお、第7実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、閾値電圧が大きい順に表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎に表示をリセットする場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第7実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第7実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図26には、閾値電圧が大きい順に表示中の画像に応じて色が異なる粒子群毎にリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図22(A)と同一である。
この状態から、図26(B)に示すように、電極2のみにマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|≦|Vr|を満たす電圧−Vrを電極2のみに印加する。これにより、図26(B)に示すように、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動し、背面基板52側のシアン粒子Cは表示基板50側へ移動する。これにより、マゼンタ色の表示がリセットされる。
次に、図26(C)に示すように、電極3のみにシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極3のみに印加する。これにより、図26(C)に示すように、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動する。
次に、図26(D)に示すように、電極1,3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1,3上の表示基板50側の全てのイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極1,3に印加する。これにより、図26(D)に示すように、電極1,3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。
次に、図26(E)に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧−V2rを電極1〜3に印加する。これにより、図26(E)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動し、電極1〜3上の背面基板52側のイエロー粒子Yは表示基板50側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
次に、図26(F)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図26(F)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。これにより、イエロー色の表示がリセットされる。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、表示中の画像に応じて閾値電圧が大きい順に色が異なる粒子群毎に背面基板52側へ移動させて色毎に表示をリセットするので、表示中の画像に関係なくリセットする場合と比較して、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。なお、第7実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、色の異なる粒子群毎にリセット電圧を印加することにより表示された画像に応じて、次のリセット電圧を印加する場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第7実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第7実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図27には、色の異なる粒子群毎にリセット電圧を印加することにより表示された画像に応じて、次のリセット電圧を印加する場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図22(A)と同一である。
この状態から、図27(B)に示すように、電極2のみにマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|≦|Vr|を満たす電圧−Vrを電極2のみに印加する。これにより、図27(B)に示すように、電極2上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動し、背面基板52側のシアン粒子Cは表示基板50側へ移動する。これにより、マゼンタ色の表示がリセットされる。
図27(B)に示すように、次にリセットすべきシアン粒子Cは、電極2,3上の表示基板50側に存在している。
そこで、図27(C)に示すように、電極2,3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極2,3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極3のみに印加する。これにより、図27(C)に示すように、電極2,3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の表示がリセットされる。
図27(C)に示すように、次にリセットすべきイエロー粒子Yは、電極1〜3上の表示基板50側に存在する。
そこで、図27(D)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側の全てのイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧−V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図27(D)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。これにより、イエロー色の表示がリセットされる。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、色の異なる粒子群毎にリセット電圧を印加することにより表示された画像に応じて、次のリセット電圧を印加する。すなわち、リセット電圧を印加する毎に、直前に表示された画像に応じて次のリセット電圧を決定するので、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制されると共に、リセット電圧を印加する回数が少なくなる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。なお、第7実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加する場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第7実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第7実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図28には、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図22(A)と同一である。
図29(A)に示すように、表示中の画像は、電極1に対応した画素にはイエロー粒子Yにより黄色が表示され、電極2に対応した画素にはマゼンタ粒子Mによりマゼンタ色が表示され、電極3に対応した画素にはシアン粒子C及びイエロー粒子Yの混色である緑色が表示されている。
従って、閾値電圧が最も小さいイエロー粒子Yによる黄色の画像の反転画像を書き込むには、電極2上の表示基板50側にイエロー粒子Yを移動させる必要がある。また、閾値電圧が次に小さいシアン粒子Cによるシアン色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、2上の表示基板50側にシアン粒子Cを移動させる必要がある。また、閾値電圧が最も大きいマゼンタ粒子Mによるマゼンタ色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、3上の表示基板50側にマゼンタ粒子Mを移動させる必要がある。
このため、図28(B)に示すように、電極2にイエロー粒子Yの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極2上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極2に印加する。これにより、図28(B)に示すように、電極2上の背面基板52側のイエロー粒子Yは全て表示基板50側へ移動する。これにより、黄色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
次に、図28(C)に示すように、電極1、2にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧−V3aよりも高い電圧−V2rを印加する。すなわち、電極1,2上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧−V2rを電極1,2に印加する。これにより、図28(C)に示すように、電極1,2上の背面基板52側のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動し、電極1,2上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
次に、図28(D)に示すように、電極1,3にマゼンタ粒子Mの閾値電圧+V3以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極1,3上の背面基板52側の全てのマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧+Vrを電極1,3に印加する。これにより、図28(D)に示すように、電極1,3上の背面基板52側のマゼンタ粒子Mは全て表示基板50側へ移動し、電極1,3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動する。これにより、マゼンタ色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
次に、図29(E)に示すように、電極1〜3にマゼンタ粒子Mの閾値電圧−V3以下の電圧−Vrを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mが背面基板52側へ移動するよう、|V3|≦|Vr|を満たす電圧−Vrを電極1〜3に印加する。これにより、図29(E)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のマゼンタ粒子Mは全て背面基板52側へ移動し、電極1〜3上の背面基板52側のシアン粒子Cは表示基板50側へ移動する。
次に、図29(F)に示すように、電極1〜3にシアン粒子Cの閾値電圧+V2以上で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧+V3aよりも低い電圧+V2rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧+V2rを電極1〜3に印加する。これにより、図29(F)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のシアン粒子Cは全て背面基板52側へ移動する。
次に、図29(G)に示すように、電極1〜3にイエロー粒子Yの閾値電圧−V1以下で且つシアン粒子Cの移動開始電圧−V2aよりも高い電圧−V1rを印加する。すなわち、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極1〜3に印加する。これにより、図29(G)に示すように、電極1〜3上の表示基板50側のイエロー粒子Yは全て背面基板52側へ移動する。図29の最終状態において、イエロー粒子Y、シアン粒子C、マゼンタ粒子Mの全ての粒子は背面基板52側に位置し、表示面側は白が表示された状態となる。
なお、図29(E)の時点で各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側へ移動しており、この時点でリセットは完了しているため、図29(F)、(G)の電圧印加は省略してもよい。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加するので、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。なお、第7実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、閾値電圧が大きい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加する場合について説明する。なお、装置構成及び各粒子の閾値特性は第7実施形態と同一であるので、説明は省略する。
また、制御部40のCPU40Aで実行される制御については、図3のステップS10、S14の処理は第7実施形態と同一であるので説明は省略し、ステップS12のリセット電圧の印加について説明する。
図30には、閾値電圧が小さい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加した場合の粒子の移動の様子を示した。同図(A)は、前回の画像が表示された状態を示しており、図22(A)と同一である。
図30(A)に示すように、表示中の画像は、電極1に対応した画素にはイエロー粒子Yにより黄色が表示され、電極2に対応した画素にはマゼンタ粒子Mによりマゼンタ色が表示され、電極3に対応した画素にはシアン粒子C及びイエロー粒子Yの混色である緑色が表示されている。
従って、閾値電圧が最も大きいマゼンタ粒子Mによるマゼンタ色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、3上の表示基板50側にマゼンタ粒子Mを移動させる必要がある。また、次に閾値電圧が大きいシアン粒子Cによるシアン色の画像の反転画像を書き込むには、電極1、2上の表示基板50側にシアン粒子Cを移動させる必要がある。また、閾値電圧が最も小さいイエロー粒子Yによる黄色の画像の反転画像を書き込むには、電極2上の表示基板50側にイエロー粒子Yを移動させる必要がある。
このため、図30(B)に示すように、電極1,3にマゼンタ粒子Mの閾値電圧+V3以上の電圧+Vrを印加する。すなわち、電極1,3上の背面基板52側の全てのマゼンタ粒子Mが表示基板50側へ移動するよう、|V3|<|Vr|を満たす電圧+Vrを電極1,3に印加する。これにより、図30(B)に示すように、電極1,3上の背面基板52側のマゼンタ粒子Mは全て表示基板50側へ移動し、電極3上の表示基板50側のシアン粒子Cが背面基板52側へ移動する。これにより、マゼンタ色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
次に、図30(C)に示すように、電極1、2にシアン粒子Cの閾値電圧−V2以下で且つマゼンタ粒子Mの移動開始電圧−V3aよりも高い電圧−V2rを印加する。すなわち、電極1,2上の背面基板52側のシアン粒子Cが表示基板50側へ移動するよう、|V2|≦|V2r|<|V3a|を満たす電圧−V2rを電極1,2に印加する。これにより、図28(C)に示すように、電極1,2上の背面基板52側のシアン粒子Cは全て表示基板50側へ移動し、電極1上の表示基板50側のイエロー粒子Yが背面基板52側へ移動する。これにより、シアン色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
次に、図30(D)に示すように、電極2にイエロー粒子Yの閾値電圧+V1以上で且つシアン粒子Cの移動開始電圧+V2aよりも低い電圧+V1rを印加する。すなわち、電極2上の背面基板52側のイエロー粒子Yが表示基板50側へ移動するよう、|V1|≦|V1r|<|V2a|を満たす電圧+V1rを電極2に印加する。これにより、図30(D)に示すように、電極2上の背面基板52側のイエロー粒子Yは全て表示基板50側へ移動する。これにより、黄色の画像の反転画像が書き込まれたこととなる。
なお、その後は第11実施形態で説明した図29(E)〜(G)と同様であるので、説明は省略する。
このように、本実施形態では、前回表示された画像をリセットする場合、閾値電圧が大きい順に色が異なる粒子群の色毎に表示中の画像を反転した反転画像を順次表示して、各色の粒子群が表示基板50側又は背面基板52側に揃うようにリセット電圧を印加するので、リセット状態で表示した画像により粒子の分布が画素ごとに不均一になるのが抑制される。
以上、本実施形態に係る表示装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、泳動しない粒子群として白色粒子群を用いた場合について説明したが、これに限らず、第1粒子群62及び第2粒子群64と異なる色であれば、例えば黒色の粒子群を用いてもよい。
また、本実施形態では、基板間に分散媒を封入した構成の表示媒体を用いた場合について説明したが、基板間を空間(気体)とした表示媒体を用いてもよい。
なお、本実施形態で説明した表示装置100の構成(図1参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。