JP6306467B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに係り、特に、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるときにシートベルトのベルト部分と対向する領域を、シート前面に有する車両用シートに関する。
車両用シートの中には、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるときにシートベルトのベルト部分と対向する領域(以下、対向領域)を、シート前面に有するものがある。このようなシートに着座した着座者は、シートベルトのベルト部分中、対向領域の前側に位置している部分を掴んでロック状態となる位置までベルト部分を動かすことになる。
また、近年では、ベルト部分を掴み易くする目的から、ベルト部分の一部を前方に押し出す可動体を内蔵した車両用シートが開発されている(例えば、特許文献1参照)。このような可動体は、シートベルト着用補助装置(所謂ベルトリーチャ)に相当し、着座者のシートベルト着用を補助する。具体的には、ベルト部分の一部が可動体によって前方に押し出されることで、シートの着座者がより容易にベルト部分を掴めるようになる。
特開2004−306642号公報
しかしながら、シートベルト着用補助装置を利用する車両用シートは、同装置を動かすための機構や動力を必要とし、かつ、可動スペースを確保する必要がある。一方で、車両用シートの構成については、よりシンプルなものが望ましい。つまり、シートベルト着用補助装置を利用する構成よりも簡単な構成にて、シートベルトのベルト部分を掴み易くすることが求められる。一方、シートベルト着用補助装置を利用する場合には、かかる装置の利点を生かしつつ、ベルト部分をより一層掴み易くすることが求められる。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単な構成にてシートベルトのベルト部分を掴み易くすることが可能な車両用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、着座者の背を後方から支持する支持部と、該支持部の側方に位置する側方部と、を有する車両用シートであって、前記支持部及び前記側方部のうちの少なくとも一方の前面には、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるときに該シートベルトのベルト部分に対向する対向領域が有り、該対向領域の少なくとも一部には、凹部又は凸部からなる空間形成部が設けられ、前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記対向領域と前記ベルト部分との間には前記空間形成部によって空間が形成されていることにより解決される。
上記の構成によれば、シートベルトのベルト部分に対向する対向領域中の少なくとも一部に、凹部又は凸部からなる空間形成部が設けられている。かかる空間形成部が設けられていることで、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるとき、対向領域と前記ベルト部分との間には空間(隙間)が形成されるようになる。この空間を利用することで(分かり易くは、空間内に指を差し入れることで)、ベルト部分をより容易に掴むことが可能となる。以上のように本発明の車両用シートであれば、シートベルト着用補助装置を用いなくともシートベルトのベルト部分を掴み易くすることができる。換言すると、本発明により、より簡単な構成にて、ベルト部分を掴み易くすることが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記空間形成部は、前記凹部からなり、前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記凹部の横幅方向における一端が、前記ベルト部分の幅方向における一端よりも、前記ベルト部分の幅方向における他端から離れた位置にあり、かつ、前記凹部の横幅方向における他端が、前記ベルト部分の幅方向における一端及び他端の間に位置していてもよい。
上記の構成では、シートベルトのベルト部分の幅方向両端のうち、一端側に寄った位置に凹部が設けられている。このような構成によれば、例えば、ベルト部分の幅方向一端側から凹部内の空間に指を差し入れることで、容易にベルト部分を掴むことが可能となる。
あるいは、上記の車両用シートにおいて、前記空間形成部は、前記凹部からなり、前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記凹部の横幅方向における一端及び他端の間に前記ベルト部分の幅方向における一端及び他端が位置していてもよい。
上記の構成では、凹部がベルト部分よりも幅広となっている。このような構成によれば、凹部のサイズが大きくなるものの、ベルト部分の幅方向両端のそれぞれから凹部内の空間に指を差し入れることが可能となるので、より容易にベルト部分を掴むことが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記空間形成部は、前記凹部からなり、前記凹部の横幅方向は、前記車両用シートの幅方向に沿っており、前記凹部の寸法のうち、前記凹部の横幅方向における長さよりも、前記凹部の横幅方向と交差する方向における長さが長いと好適である。
上記の構成では、凹部の横幅よりも、凹部の横幅と交差する方向の長さ(以下、縦幅とも言う)の方が長くなっている。すなわち、上記の構成では、空間形成部が縦長の凹部によって構成されることになる。この場合、凹部内の空間も縦長に形成されることになる。この結果、着座者の体型(具体的には座高)がベルト部分の掴み易さに及ぼす影響を緩和することが可能になる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記空間形成部は、前記凹部からなり、前記凹部は、前記ベルト部分が臨んでいる開口と、該開口とは反対側に位置する底面と、を備えており、前記開口の面積が前記底面の面積よりも広くなっていると、より好適である。
上記の構成では、凹部において開口が底面よりも拡がった形状となっている。このような構成であれば、凹部内に指を差し入れ易くなるので、より一層容易にベルト部分を掴むことが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記対向領域の後側に、エアバックを備えたエアバックモジュールが配置されており、前記空間形成部は、前記対向領域中、後側に前記エアバックモジュールが配置された部分から外れた部分に設けられていてもよい。
上記の構成では、空間形成部が、対向領域中、後側にエアバックモジュールが配置された部分から外れた部分に形成されている。このような構成であれば、空間形成部を設けることでエアバックモジュールの作動に影響が及んでしまうのを抑制することが可能となる。
あるいは、上記の車両用シートにおいて、前記対向領域の後側に、エアバックを備えたエアバックモジュールが配置されており、前記空間形成部は、前記対向領域中、後側に前記エアバックモジュールが配置された部分に設けられていてもよい。
上記の構成では、空間形成部が、対向領域中、後側にエアバックモジュールが配置された部分に形成されている。このような構成であれば、ベルト部分とエアバックモジュールとの間のスペースを有効活用して空間形成部を効率よく配置することが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記対向領域には、前記ベルト部分の一部を前方に押し出すように動く押し出し機構が取り付けられており、前記空間形成部は、前記対向領域中、上下方向において前記押し出し機構が取り付けられている部分から外れた部分に形成されていると、好適である。
上記の構成では、空間形成部が対向領域中、上下方向において押し出し機構が取り付けられている部分から外れた部分に形成されている。このような構成であれば、シートベルト着用補助装置としての押し出し機構を有効に活用しつつ、空間形成部によってベルト部分を掴み易くする。つまり、押し出し機構及び空間形成部を互いに相補的に利用することが可能であり、例えば押し出し機構の押し出し量を少なくし、その分、空間形成部によってベルト部の掴み易さを確保することが可能となる。この結果、押し出し機構のサイズを抑えつつ、ベルト部の掴み易さを確保することが可能となる。また、押し出し機構の上下に位置するスペースを有効利用して空間形成部を配置することが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記空間形成部を構成する部品と、前記空間形成部の周りに位置する周辺部分を構成する部品と、が互いに別部品となっており、組み合わされた状態で一体化していてもよい。
上記の構成では、空間形成部を構成する部品が、その周辺の部品と別体になっているので、空間形成部を成形する際の自由度が高くなる。このような構成であれば、空間形成部を所望の形状に成形することが容易となる。
また、上記の構成において、前記空間形成部を構成する部品は、前記凹部の形成面を有する可動部材であり、該可動部材は、前記対向領域において前記形成面が露出する位置と、前記形成面が前記対向領域から外れている位置と、の間を往復移動可能であるとよい。
上記の構成では、空間形成部としての可動部材が動くことで、凹部が現れる状態と、凹部が隠れる状態と、が切り替え自在となっている。このような構成であれば、空間形成部を利用しないとき、すなわち、シートベルトのベルト部を掴まないときには凹部を隠してシートの意匠性を向上させることが可能となる。
また、上記の構成において、前記可動部材は、回転自在に支持された回転部材であり、回転することで、前記対向領域において前記形成面が露出する位置と、前記形成面が前記対向領域から外れている位置と、の間を往復移動すると尚よい。
上記の構成では、回転部材の回転によって、凹部が現れる状態と、凹部が隠れる状態と、が切り替わる。このような構成であれば、上記2つの状態をより容易に切り替えることが可能となる。
また、上記の構成において、前記回転部材のうち、回転軸を挟んで前記形成面とは反対側に位置する面は、前記回転部材に取り付けられた表皮材によって構成されていると更によい。
上記の構成によれば、空間形成部を利用せずに凹部が隠されるときのシートの意匠性をより一層向上させることが可能となる。
また、上記の構成において、前記可動部材の位置を保持する位置決め部が設けられており、該位置決め部は、前記可動部材中の前記凹部を取り囲む部分にて前記ベルト部分の一部を前方に押し出す位置に、前記可動部材を保持すると益々よい。
上記の構成によれば、位置決め部が設けられていることにより、可動部材は、凹部を取り囲む部分にてベルト部分の一部を前方に押し出すようになる。このような構成によれば、可動部材、すなわち、空間形成部を構成する部材をシートベルト着用補助装置として活用することが可能となる。
また、上記の構成において、前記可動部材の前記形成面に形成される前記凹部は、小物収納用のスペースを設けるために用いられると尚一層よい。
上記の構成によれば、空間形成部としての可動部材が小物収納用のスペースを形成するものとして兼用されるので、可動部材をより有効に利用することが可能となる。
本発明の車両用シートによれば、比較的簡単な構成にて、ベルト部分を掴み易くすることが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、シートベルトのベルト部分の幅方向両端のうち、一端側に寄った位置に凹部を設けることで、ベルト部分の幅方向一端側から凹部内の空間に指を差し入れて容易にベルト部分を掴むことが可能となる。あるいは、凹部をベルト部分よりも幅広とすることで、凹部のサイズが大きくなるものの、より容易にベルト部分を掴むことが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、空間形成部が縦長の凹部によって構成されるので、着座者の体型(具体的には座高)がベルト部分の掴み易さに及ぼす影響を緩和することが可能になる。
また、本発明の車両用シートによれば、凹部において開口が底面よりも拡がった形状となっているので、凹部内に指を差し入れ易くなり、より一層容易にベルト部分を掴むことが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、空間形成部が対向領域中、後側にエアバックモジュールが配置された部分から外れた部分に形成されることで、空間形成部がエアバックモジュールの作動に及ぼす影響を抑制することが可能となる。あるいは、空間形成部が、対向領域中、後側にエアバックモジュールが配置された部分に形成されることで、ベルト部分とエアバックモジュールとの間のスペースを有効活用して空間形成部を効率よく配置することが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、空間形成部が対向領域中、上下方向において押し出し機構が取り付けられている部分から外れた部分に形成されることで、シートベルト着用補助装置としての押し出し機構を有効に活用しつつ、空間形成部によってベルト部分を掴み易くする。また、押し出し機構の上下に位置するスペースを有効利用して空間形成部を配置することが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、空間形成部を構成する部品がその周辺の部品と別体になっているので、空間形成部を成形する際の自由度が高くなる。
また、本発明の車両用シートによれば、空間形成部としての可動部材を用いることで、空間形成部を利用しないときには凹部を隠してシートの意匠性を向上させることが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、可動部材が回転部材であることで、凹部が現れる状態と、凹部が隠れる状態と、の切り替えがより容易になる。
また、本発明の車両用シートによれば、第二面には表皮材が取り付けられていることで、空間形成部を利用せずに凹部が隠されるときのシートの意匠性をより一層向上させることが可能となる。
また、本発明の車両用シートによれば、位置決め部が設けられていることで、可動部材が、凹部を取り囲む部分にてベルト部分の一部を前方に押し出すシートベルト着用補助装置として活用されるようになる。
また、本発明の車両用シートによれば、凹部が小物の収納スペースとして兼用されることになり、空間形成部をより有効に利用することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る空間形成部の説明図であり、図1中のA−A断面を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る空間形成部の組立分解図である。 本発明の第一実施形態に係る空間形成部の説明図であり、図2中のB−B断面を示す図である。 空間形成部の形状の変形例を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。 空間形成部の配置個数に関する変形例を示す図である。 空間形成部の配置位置に関する変形例を示す図であり、側方部を水平面にて切断したときの模式断面図である。 本発明の第三実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る空間形成部の説明図であり、図9中のC−C断面を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る空間形成部の説明図であり、空間形成部周辺を鉛直面にて切断したときの模式断面図である(その1)。 本発明の第四実施形態に係る空間形成部の説明図であり、空間形成部周辺を鉛直面にて切断したときの模式断面図である(その2)。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、以下の説明中、前後方向とは、車両用シートに着座した着座者から見たときの前後方向、すなわち、車両の走行方向と一致する方向を意味する。幅方向とは、車両用シートの左右方向を意味する。高さ方向とは、車両用シートの高さ方向、厳密には車両用シートを正面から見たときの上下方向を意味する。
<<車両用シートの基本構造について>>
先ず、本実施形態に係る車両用シート(以下、本シートS)について図1を参照しながら説明する。なお、図1は、説明の都合上、幾分図示を簡略化したものとなっており、例えば、図中において右側のシートについてはシートベルト等の図示を省略している。
本シートSは、車両の後部座席を構成するものである。ただし、本発明の内容については、後部座席のみに適用されるものではなく、車両前側の座席(すなわち、運転席及び助手席)にも適用することも可能である。
また、図1に図示の構成では、本シートSが、可動式のアームレストS4及びその収納ボックスS5を挟んで左右に二つ並んだ状態で配置されている。なお、左右二つの本シートSは、それぞれ、左右対称ではあるものの略同様の構成である。このため、以下では、左側(図1中の左側)に位置する本シートSの構造のみを説明することとする。
本シートSは、図1に示すように、シートの着座者(以下、単に着座者)の上半身が凭れ掛かるシートバックS1と、着座者の臀部が載るシートクッションS2と、着座者の頭部を支えるヘッドレストS3とを有する。本発明は、主にシートバックS1に特徴を有するため、以下では、シートバックS1を中心に説明することとする。
シートバックS1は、図1に示すように、着座者の背を後方から支持する支持部S11と、支持部S11の側方(厳密には、車両ドア寄りの側方)に位置する側方部S12とを有する。支持部S11は、不図示のシートバックフレームに不図示のパッド材を載置してから表皮材で被覆することにより構成される。また、支持部S11の上端面中央には、ヘッドレストピラーを介してヘッドレストS3が取り付けられている。
側方部S12は、本シートSに着座した状態の着座者の脇に位置し、例えば図2に図示の樹脂プレート5を表皮材6で覆うことにより構成されている。また、側方部S12は、その前面が支持部S11の前面に対して傾くように配設されている。また、本実施形態では、側方部S12の上端が上下方向において支持部S11の上端と同じ位置に在り、側方部S12の下端が上下方向において支持部S11の下端部と略同じ位置に在る。そして、側方部S12の上端よりも後方上方の位置に引出口3が設けられている。かかる引出口3からは、シートベルトのウェビング1が引き出される。
ウェビング1は、シートベルトのベルト部分(帯状部分)に相当し、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るときには、図1に示す位置に配置されている。ここで、アンロック状態とは、着座者の姿勢を拘束していない状態、ウェビング1の所定箇所に取り付けられたタング(係止金具)1aがシート脇に配置されたバックル2に固定されていない状態を意味する。また、待機位置とは、着用される前段階(例えば、車両に乗り込んだ時点)でのシートベルトの位置を意味する。
また、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るとき、ウェビング1は、不図示のリトラクタによって上下方向に張られており、図1に示すように側方部S12を縦断した姿勢となっている。換言すると、シートバックS1の側方部S12の前面には、側方部S12の上端から下端に亘ってウェビング1と対向する領域(以下、対向領域)が存在する。この対向領域は、図1に示すように、側方部S12の幅方向中央部に位置する帯状の領域である。そして、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るとき、対向領域は、その上端から下端に亘ってウェビング1と対向する。
一方、シートベルト着用時には、上記の姿勢にあるウェビング1を着座者が掴んで前方に引き出し、着座者の肩(右肩)から左脇腹に亘って架け渡す。かかる状態でタング1aがバックル2に装着されると、ウェビング1がロック状態となり、着座者の姿勢がウェビング1によって拘束されるようになる。
なお、本実施形態では、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るとき、ウェビング1が側方部S12の前面中の所定領域と対向することになっているが、これに限定されるものではない。シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るとき、ウェビング1が支持部S11の前面中の所定領域と対向することとしてもよい。
ところで、本実施形態では、シートベルト着用時にウェビング1を掴み易くする構成が採用されている。かかる構成について、以下、複数の例(第一実施形態〜第四実施形態)を挙げながら説明することとする。
<<第一実施形態について>>
以下、第一実施形態について図1乃至5を参照しながら説明する。第一実施形態では、シートバックS1の側方部S12の前面に形成された対向領域に、空間形成部10が設けられている。この空間形成部10は、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るときに、図4に示すように対向領域とウェビング1との間に空間を形成するために設けられたものである。特に、第一実施形態では、図1に図示した通り、上下方向において対向領域の略全域に亘るように空間形成部10が設けられている。
そして、空間形成部10によって対向領域とウェビング1との間に空間が形成されることで、着座者にとってウェビング1が掴み易くなる。具体的に説明すると、上記の空間が形成されることで、着座者がウェビング1を掴むために対向領域とウェビング1との間に指を入れ込む際のスペースが確保されることになる。つまり、上記の空間に指を入れ込むことで、着座者は、容易にウェビング1を掴むことが可能となる。
以下、第一実施形態に係る空間形成部10の構成について詳しく説明する。
空間形成部10は、前述したように対向領域に設けられ、空間形成部10が設けられた部分周囲よりも窪んだ凹部によって構成されている。そして、第一実施形態では、かかる凹部を対向領域内に設けるために、図2及び図3に図示の加飾部品が用いられている。第一実施形態では、凹部形成用の加飾部品(すなわち、空間形成部10)が二部品からなり、具体的には、インナ部11及びアウタ部12からなる。インナ部11及びアウタ部12の材質については特に制限されるものではないが、例えば樹脂成形品や金属部材が好適な材料である。
インナ部11は、四角形状の枠体部11aを本体としており、その内側に形成された収容スペース11c内にはアウタ部12が収容される。また、枠体部11a各部は、L字状の断面形状となっている。そして、枠体部11aの角部及び中央部からは、図3に示すように舌状突起11bが外側に向かって延出している。この舌状突起11bは、ボルトやビス等の締結具によって側方部S12の対向領域に取り付けられる。具体的に説明すると、図3に示すように、対向領域には枠体部11aの外形形状と対応した矩形穴4が形成されている。この矩形穴4に枠体部11aが嵌め込まれる一方で、舌状突起11bが側方部S12のうち、矩形穴4の周辺部分に締結される。
アウタ部12は、半筒状の湾曲部12aと、湾曲部12aの両側端に取り付けられた断面略L字状の側端部とを有する。湾曲部12aは、凹部を形成する部分である。具体的に説明すると、アウタ部12をインナ部11に組み付ける際、湾曲部12aは、窪んでいる側の表面が前面に位置した状態でインナ部11の枠体部11aの内側、すなわち、収容スペース11c内に嵌め込まれる。なお、アウタ部12の加飾性を向上させる目的から、湾曲部12aの窪んでいる側の表面に、側方部S12の材料として用いられている表皮材6と同様の表皮材を取り付けることとしてもよい。
L字状の側端部のうち、一辺をなす部分は、湾曲部12aの両端から外側に張り出した張り出し部12bである。この張り出し部12bは、アウタ部12をインナ部11に組み付ける際にインナ部11の枠体部11aにビス止めされる。また、L字状の側端部のうち、他辺をなす部分は、張り出し部12bと直交する方向に延出した直交部12cである。この直交部12cは、アウタ部12をインナ部11に組み付ける際、枠体部11aの内側に形成された収容スペース11c内に通される。その後、直交部12cは、図2に示すように、その延出方向先端部にて枠体部11aと係合するようになる。このように直交部12cが枠体部11aと係合することにより、アウタ部12とインナ部11との組み付け状態が良好に保持されるようになる。
そして、インナ部11にアウタ部12が組み付けられてなる加飾部品は、側方部S12に形成された矩形穴4に嵌め込まれた上で側方部S12に固定されることにより、空間形成部10として機能するようになる。より詳しく説明すると、第一実施形態に係る車両シート(本シートS)が搭載された車両では、上記の加飾部材が、インナ部11に組み付けられたアウタ部12の開口が側方部S12の前面に面するように対向領域内に配置されている。一方、図1に示すように、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るとき、上記の開口の前方位置にはウェビング1が位置している。この結果、図4に示すように、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るときには、ウェビング1と側方部S12の前面(厳密には、対向領域)との間に、アウタ部12によって形成された凹部分の空間が形成されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、上記の凹部の横幅方向における長さがウェビング1の幅よりも長くなっている。このため、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるときには、凹部の横幅方向における一端及び他端の間にウェビング1の幅方向における一端及び他端が位置していることになる。ここで、凹部の横幅とは、凹部の開口幅のことであり、横幅方向とは、本シートSの幅方向に沿う方向のことである。
分かり易く説明すると、凹部の横幅方向の両端は、それぞれ、ウェビング1の幅方向両端のうち、対応する側の端よりも外側に位置している。このため、凹部のサイズ(特に、横幅方向の長さ)が大きくなるものの、ウェビング1の幅方向両端のそれぞれから凹部内の空間に指を差し入れることが可能となる。これにより、着座者は、より容易にウェビング1を掴むことが可能となる。
なお、上記の実施形態では、凹部の横幅方向の両端がいずれもウェビング1の幅方向両端のうち、対応する側の端よりも外側に位置していることとした。ただし、これに限定されるものではなく、凹部の横幅方向の両端のうち、いずれ一方の端のみがウェビング1の幅方向両端のうち、対応する側の端よりも外側に位置していることとしてもよい。換言すると、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるとき、凹部の横幅方向における一端(左端)が、ウェビング1の幅方向一端(左端)よりもウェビング1の幅方向他端(右端)から離れた位置にあり、かつ、凹部の横幅方向における他端が、ウェビング1の幅方向における一端及び他端の間に位置していてもよい。このような位置関係では、ウェビング1の幅方向一端側に寄った位置に凹部が設けられることになる。かかる構成によれば、例えば、凹部内の空間に指を差し入れる際には、ウェビング1の幅方向において片方の端側(左側)のみから差し入れることになる。このように指を差し入れる際の方向について若干の制約があるものの、上記の構成によれば、凹部のサイズをより小さくすることが可能となる。
また、ウェビング1の掴み易さよりも凹部のサイズのコンパクト化を重視するのであれば、凹部の横幅方向の両端が、それぞれ、ウェビング1の幅方向両端よりも内側に位置していてもよい。
また、第一実施形態では、図1や図3に示す通り、凹部の寸法のうち、横幅方向における長さよりも、凹部の横幅方向と交差する方向(すなわち、上下方向)における長さが長くなっている。分かり易く説明すると、第一実施形態では、空間形成部10をなす凹部が、縦長の凹部になっている。この場合、凹部内の空間も縦長に形成されていることになる。このように縦長の凹部が形成されていることで、着座者は、その体型(具体的には座高)に依らずに容易にウェビング1を掴むことが可能となる。
また、第一実施形態では、空間形成部10をなす凹部が、ウェビング1をより容易に掴むことができる断面形状となっている。具体的に説明すると、凹部は、ウェビング1が臨んでいる開口と、開口とは反対側に位置する底面と、を備えている。そして、第一実施形態では、凹部の開口の面積が凹部の底面の面積よりも広くなっている。より具体的に説明すると、第一実施形態に係る凹部は、図4に示すように、底面から開口端に向かうにつれて拡口している。このように凹部において開口が底面よりも拡がった形状となっていれば、凹部内に指を差し入れるのがより容易になるので、より一層ウェビング1を掴み易くなる。
凹部における底面から開口へ向けての拡口度合いについては、横幅方向での拡口度合いよりも、上下方向での拡口度合いの方が小さくなっている。換言すると、横幅方向における開口の長さと底面の長さとの差よりも、上下方向における開口の長さと底面の長さとの差の方が小さくなっている。このような大小関係であれば、凹部のサイズをより小さくすることが可能となる。
また、第一実施形態では、図3に示す通り、空間形成部10を構成する部品と、その周りに位置する周辺部分を構成する部品と、が互いに別部品となっていることとした。具体的には、空間形成部10が加飾部品によって構成され、かかる加飾部品は、シートバックS1の側方部S12の対向領域に形成された矩形穴4に嵌め込まれることで本シートS中に組み込まれている。そして、本シートS中に組み込まれた状態の加飾部品は、側方部S12のうち、当該加飾部品の周辺にある部分と組み合わされて一体化している。このように第一実施形態では、空間形成部10を構成する部品が、その周辺の部品と別体になっていることで、空間形成部10を成形する際の自由度が高くなる。それ故に、第一実施形態では、所望の形状に成形された空間形成部10がより容易に得られることになる。
一方、空間形成部10を構成する部品とその周辺部品とが互いに別体である構成では、その分、シート製造コストが割高になってしまう。これに対して、空間形成部10を構成する部品とその周辺部品とを一体的に成形すれば、コストをより低廉に抑えることが可能となる。なお、かかる方法としては、例えば側方部S12(厳密には、側方部S12の基部となる樹脂プレート5)を真空成形方式にて成形する際に、上記の凹部を側方部S12と一体的に(同時に)成形することが考えられる。
ところで、第一実施形態では、空間形成部10が凹部からなり、特に半筒形状の部品(具体的には加飾部品のアウタ部12)によって形成される凹部からなることとした。ここで、凹部の形状については、特に限定されるものではなく、例えば、図5に示すように鉢状の部品によって凹部を形成することとしてもよい。図5に図示の部品は、凹部を形成する加飾部品のアウタ部12の変形例に相当し、以下、変形例に係るアウタ部12Xと呼ぶ。この変形例に係るアウタ部12Xは、同図に示すように、凹部を形成する部分として機能する鉢状部12Xaと、鉢状部12Xaの開口端の周縁部に相当する鍔状部12Xbとを有する。鉢状部12Xaは、前述したアウタ部12の湾曲部12aに相当し、鍔状部12Xbは、アウタ部12の張り出し部12bに相当する。そして、変形例に係るアウタ部12Xを用いることで鉢状の凹部が形成されるようになる。
また、第一実施形態では、前述したように、空間形成部10が凹部からなることとしたが、これに限定するものではない。すなわち、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るときに対向領域とウェビング1との間に空間を形成するものであればよいので、空間形成部10は、凹部に限らず、凸部からなるものであってもよい。
<<第二実施形態について>>
次に、第二実施形態について図6乃至8を参照しながら説明する。なお、以下では、第二実施形態中、第一実施形態と異なる部分について説明することとし、第一実施形態と共通する部分については説明を省略することとする。
第二実施形態では、シートバックS1の側方部S12内にエアバックモジュールMが内蔵されている。エアバックモジュールMとは、車両に側突荷重が作用した際に膨出するエアバック(厳密にはサイドエアバック)とその関連設備とをモジュール化したものである。なお、第二実施形態では、図6に示すように、側方部S12において対向領域の後側にエアバックモジュールM(図6中、破線にて図示)が配置されている。
そして、第二実施形態では、空間形成部20は、対向領域中、後側にエアバックモジュールMが配置された部分から外れた部分に設けられている。具体的に説明すると、図6に示すように、後側にエアバックモジュールMが配置された部分の上方位置及び下方位置にそれぞれ空間形成部20が設けられている。各空間形成部20は、サイズ(特に上下方向における長さ)の面では相違するものの、機能及び基本構造については第一実施形態に係る空間形成部10と共通する。このように第二実施形態では、対向領域中、後側にエアバックモジュールMが配置された部分から外れた部分に空間形成部20が設けられていることで、空間形成部20がエアバックモジュールMの作動(分かり易くは、エアバックの膨出)に及ぼす影響を抑えることが可能となる。
なお、図6に図示のケースでは、対向領域中、後側にエアバックモジュールMが配置された部分から外れた部分の上方位置及び下方位置にそれぞれ空間形成部20を設けることとした。ただし、これに限定されるものではなく、図7に示すように、後側にエアバックモジュールMが配置された部分の下方位置にのみ、空間形成部20を設けることとしてもよい。
また、図8に示すように、エアバックモジュールMの配置位置とは左右方向で異なる位置に配置された部分に空間形成部20を配置してもよい。このとき、側方部S12中、エアバックモジュールMから延出した力布Maが接続されている箇所、すなわち、エアバック膨出時の破断線TLとなる箇所を避けて空間形成部20を配置するとよい。なお、図8では、図示の都合上、破断線TLの両側に空間形成部20を設けているが、実際には、いずれか一方に空間形成部20を設ければよい。つまり、シートベルトがアンロック状態で待機位置にいるときに、ウェビング1が破断線TLよりも右側に位置するのであれば、破断線TLよりも右側に空間形成部20を設けるのがよく、ウェビング1が破断線TLよりも左側に位置するのであれば、破断線TLよりも左側に空間形成部20を設けるのがよい。
また、特に図示はしないが、対向領域中、後側にエアバックモジュールMが配置された部分に空間形成部20が設けられている構成であってもよい。かかる構成であれば、ウェビング1とエアバックモジュールMとの間に位置するスペースを有効活用して空間形成部20を効率よく配置することが可能となる。
<<第三実施形態について>>
次に、第三実施形態について図9及び図10を参照しながら説明する。なお、以下では、第三実施形態中、第一実施形態と異なる部分について説明することとし、第一実施形態と共通する部分については説明を省略することとする。
第三実施形態では、図9に示すように、対向領域の上方部分に押し出し機構としてのベルトリーチャ60が取り付けられている。このベルトリーチャ60について説明すると、ベルトリーチャ60には、図10に示すように、側面視で略三角形状の押し出し体61が備えられている。この押し出し体61は、シートバックS1の側方部S12に設けられた収容スペース内に収容されている。また、押し出し体61は、収容スペース内に設けられた回動軸61aに支持されて、前後及び上下に回動自在となっている。押し出し体61は、不図示のアクチュエータからの力を受け付けて回動軸61a周りに回動する。
押し出し体61は、その回動範囲の一端位置(図10中、破線にて図示した位置)にあるとき、側方部S12に設けられた収容スペースに完全に収容されている。かかる状態では、押し出し体61が側方部S12の前面よりも前に突出していなく、また、図10に示すように、収容スペースの開口が押し出し体61の頂面によって略塞がれた状態となる。他方、押し出し体61がその回動範囲の他端位置(図10中、実線にて図示した位置)にあるとき、押し出し体61の頂角部が側方部S12の前面よりも幾分前方に突出するようになる。この結果、押し出し体61の頂角部が、その直前に位置するシートベルトのウェビング1の一部の後面に押し当たり、当該一部を前方に押し出すようになる。
以上のように第三実施形態では、ベルトリーチャ60が取り付けられているので、その機能により、シートベルトの着用時にウェビング1がより掴み易くなる。さらに、第三実施形態では、対向領域中、上下方向においてベルトリーチャ60が取り付けられている部分から外れた部分に空間形成部40が形成されている。より具体的に説明すると、図9に示す通り、対向領域中、ベルトリーチャ60が取り付けられている部分よりも下方位置に空間形成部40が設けられている。なお、第三実施形態に係る空間形成部40は、サイズ(特に上下方向における長さ)の面では相違するものの、機能及び基本構造については第一実施形態に係る空間形成部10と共通する。
以上のように第三実施形態では、ベルトリーチャ60と空間形成部40とを併用する構成となっている。かかる構成であれば、ベルトリーチャ60を有効に活用しつつ、更に空間形成部40を用いることによってシートベルトのウェビング1を一段と容易に掴むことが可能となる。また、第三実施形態では、ベルトリーチャ60及び空間形成部40を互いに相補的に利用することが可能である。例えば押し出し体61の押し出し量(回動量)を少なくし、これにより喪失された分の機能を空間形成部40によって補填する形になる。この結果、第三実施形態では、ベルトリーチャ60のサイズを抑えつつ、ウェビング1の掴み易さを確保することが可能となる。また、上記の構成により、第三実施形態では、ベルトリーチャ60の下方位置のスペースを有効利用して空間形成部40を効率よく配置することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、対向領域中、ベルトリーチャ60が取り付けられている部分の下方位置に空間形成部40を設けることとしたが、これに限定されるものではない。ベルトリーチャ60が取り付けられている部分の上方位置に空間形成部40を設けてもよい。あるいは、ベルトリーチャ60が取り付けられている部分の上方位置及び下方位置の双方に空間形成部40が設けられていてもよい。
<<第四実施形態について>>
次に、第四実施形態について図11及び12を参照しながら説明する。なお、以下では、第四実施形態中、第一実施形態と異なる部分について説明することとし、第一実施形態と共通する部分については説明を省略することとする。
第四実施形態においても、他の実施形態と同様、シートバックS1の側方部S12の前面中、対向領域に設けられている。そして、第四実施形態では、空間形成部50を構成する部品が、動くことによって露出面を切り替えることが可能な可動部材となっている。ここで、露出面とは、側方部S12の前面に位置し、シートベルトがアンロック状態で待機位置に在るときにウェビング1と対向する面、すなわち、対向領域に位置する面である。
第四実施形態に係る空間形成部50について詳しく説明すると、空間形成部50を構成する可動部材は、回転軸51aによって回転自在に支持された回転部材51である。回転軸51aの軸方向は、本シートSの幅方向に沿っている。また、回転部材51は、回転軸51aを挟んで互いに反対側に配置された2つの面を有している。一方の面である第一面52は、凹部の形成面に相当し、図11及び12に示すように円弧状の窪みが形成された湾曲面となっている。より詳しく説明すると、第一面52は、回転部材51の回転方向における中央部分が陥没するように湾曲している。なお、第一面52のうち、回転方向の両端部分は、図11及び12に示すように、中央部分よりも幾分隆起している。
回転部材51が有する2つの面のうち、もう一方の面である第二面53は、窪みが形成されておらず、シートバックS1の前面形状に沿った面となっている。また、図11及び12に示す構成において、第二面53は、回転部材51に取り付けられた表皮材54によって構成されている。かかる表皮材54は、側方部S12にて用いられている表皮材6と同様のものとなっている。
また、回転部材51は、側方部S12に形成された半円柱状の空洞部7内に収容されている。そして、回転部材51が空洞部7内で回転することにより、第一面52及び第二面53のうち、対向領域において露出する面が切り替わるようになる。つまり、回転部材51は、回転軸51aを中心に回転することで、対向領域において第一面52及び第二面53のうち第二面53のみが露出する位置と、対向領域において第一面52及び第二面53のうち第一面52が露出する位置と、の間を往復移動する。なお、対向領域において第一面52及び第二面53のうち第二面53のみが露出する位置は、凹部の形成面が対向領域から外れている位置に相当し、具体的には図11に示す位置であり、以下では通常位置と呼ぶ。他方、対向領域において第一面52及び第二面53のうち第一面52が露出する位置は、凹部の形成面が対向領域において露出する位置に相当し、具体的には図12に示す位置であり、以下では凹部形成位置と呼ぶ。
回転部材51が通常位置にある状態と、凹部形成位置にある状態と、をそれぞれ説明すると、通常位置にある状態では、第二面53が空洞部7の開口を通じて露出している。また、回転部材51が通常位置にあるとき、第二面53は、図11に示すように側方部S21の前面中、第二面53周面の部分と連なる位置にある。さらに、第二面53は、側方部S12に用いられている表皮材6と同一の表皮材54によって構成されている。これにより、回転部材51が通常位置にある状態では、回転部材51とその周囲部分とがあたかも一体化しているような外観を呈することになる。このようにシートベルトを着用しないとき等には回転部材51を通常位置に置くことで、回転部材51(厳密には、第一面52に形成される凹部)を隠し、シートの意匠性を確保することが可能となる。
また、回転部材51が通常位置から回転して凹部形成位置に至ると、図12に示すように第一面52が空洞部7の開口を通じて露出する。第一面52が露出すると、同図に示すように、側方部S12の前面中の対向領域とウェビング1との間に空間が形成される。つまり、凹部形成位置とは、着座者がシートベルトを着用するに際して通常位置にある回転部材51を回転させて至らしめる位置である。そして、回転部材51が凹部形成位置に位置することで形成される凹部を利用することで、ウェビング1をより容易に掴むことが可能となる。
さらに、回転部材51が凹部形成位置にある状態では、図12に示すように第一面52中、回転方向の両端部(凹部を取り囲む部分に相当)が空洞部7の外側に幾分突出している。この突出した第一面52の回転方向両端部(特に図12中、上側の端部)は、その直前位置にあるウェビング1の後面に押し当たり、当該ウェビング1を前方に押し出すようになる。以上のように第四実施形態では、回転部材51が第三実施形態のベルトリーチャ60と同様の機能を有し、空間形成部50及びベルトリーチャとして兼用されることになる。
さらにまた、回転部材51が通常位置から回転して凹部形成位置に至ると、図12に示すように、回転部材51の角部(具体的には、第二面53の上端側に位置する角部であって、図12中、破線にて囲んだ部分)が側方部S12中、空洞部7の内壁面に当接して係止されるようになる。これにより、回転部材51が同一の回転方向にそれ以上回転するのを規制し、回転部材51を凹部形成位置に留めておくことが可能となる。このように回転部材51の角部は、回転部材51の位置を保持する位置決め部として機能する。そして、当該位置決め部としての機能が発揮されることで、回転部材51は、上述した凹部形成位置に保持され、空間形成部50及びベルトリーチャとして活用されるようになる。
なお、上記の実施形態では、空間形成部50を構成する部品が回転部材51であることとし、回転部材51の回転によって凹部が現れる状態と凹部が隠れる状態とが切り替わることとした。このような構成であれば、上記2つの状態をより容易に切り替えることが可能となる。ただし、これに限定されるものではなく、空間形成部を構成する部品が回転部材51以外の可動部材、例えばスライド移動によって上記2つの状態が切り替わるようになっていてもよい。
また、回転部材51の第一面52に形成される凹部については、シートベルトのウェビング1との間で空間を形成する目的以外の目的に用いてもよく、具体的には、小物収納用のスペースを設けるために用いることとしてもよい。これにより、空間形成部としての回転部材51が小物収納用のスペースを形成するものとして兼用されるので、回転部材51をより有効に利用することが可能となる。
1 ウェビング(ベルト部分)
1a タング
2 バックル
3 引出口
4 矩形穴
5 樹脂プレート
6 表皮材
10,20,40,50 空間形成部
11 インナ部
11a 枠体部
11b 舌状突起
11c 収容スペース
12 アウタ部
12a 湾曲部
12b 張り出し部
12c 直交部
12X 変形例に係るアウタ部
12Xa 鉢状部
12Xb 鍔状部
51 回転部材
51a 回転軸
52 第一面
53 第二面
54 表皮材
60 ベルトリーチャ
61 押し出し体
61a 回動軸
M エアバッグモジュール
Ma 力布
S 本シート
S1 シートバック
S11 支持部
S12 側方部
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
TL 破断線

Claims (14)

  1. 着座者の背を後方から支持する支持部と、該支持部の側方に位置する側方部と、を有する車両用シートであって、
    前記支持部及び前記側方部のうちの少なくとも一方の前面には、シートベルトがアンロック状態で待機位置にあるときに該シートベルトのベルト部分に対向する対向領域が有り、
    該対向領域の少なくとも一部には、凹部又は凸部からなる空間形成部が設けられ、
    前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記対向領域と前記ベルト部分との間には前記空間形成部によって空間が形成されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記空間形成部は、前記凹部からなり、
    前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記凹部の横幅方向における一端が、前記ベルト部分の幅方向における一端よりも、前記ベルト部分の幅方向における他端から離れた位置にあり、かつ、前記凹部の横幅方向における他端が、前記ベルト部分の幅方向における一端及び他端の間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記空間形成部は、前記凹部からなり、
    前記シートベルトが前記アンロック状態で前記待機位置にあるとき、前記凹部の横幅方向における一端及び他端の間に前記ベルト部分の幅方向における一端及び他端が位置していることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  4. 前記空間形成部は、前記凹部からなり、
    前記凹部の横幅方向は、前記車両用シートの幅方向に沿っており、
    前記凹部の寸法のうち、前記凹部の横幅方向における長さよりも、前記凹部の横幅方向と交差する方向における長さが長いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用シート。
  5. 前記空間形成部は、前記凹部からなり、
    前記凹部は、前記ベルト部分が臨んでいる開口と、該開口とは反対側に位置する底面と、を備えており、
    前記開口の面積が前記底面の面積よりも広くなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用シート。
  6. 前記対向領域の後側に、エアバックを備えたエアバックモジュールが配置されており、
    前記空間形成部は、前記対向領域中、後側に前記エアバックモジュールが配置された部分から外れた部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用シート。
  7. 前記対向領域の後側に、エアバックを備えたエアバックモジュールが配置されており、
    前記空間形成部は、前記対向領域中、後側に前記エアバックモジュールが配置された部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用シート。
  8. 前記対向領域には、前記ベルト部分の一部を前方に押し出すように動く押し出し機構が取り付けられており、
    前記空間形成部は、前記対向領域中、上下方向において前記押し出し機構が取り付けられている部分から外れた部分に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の車両用シート。
  9. 前記空間形成部を構成する部品と、前記空間形成部の周りに位置する周辺部分を構成する部品と、が互いに別部品となっており、組み合わされた状態で一体化していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車両用シート。
  10. 前記空間形成部を構成する部品は、前記凹部の形成面を有する可動部材であり、
    該可動部材は、前記対向領域において前記形成面が露出する位置と、前記形成面が前記対向領域から外れている位置と、の間を往復移動可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両用シート。
  11. 前記可動部材は、回転自在に支持された回転部材であり、回転することで、前記対向領域において前記形成面が露出する位置と、前記形成面が前記対向領域から外れている位置と、の間を往復移動することを特徴とする請求項10に記載の車両用シート。
  12. 前記回転部材のうち、回転軸を挟んで前記形成面とは反対側に位置する面は、前記回転部材に取り付けられた表皮材によって構成されていることを特徴とする請求項11に記載の車両用シート。
  13. 前記可動部材の位置を保持する位置決め部が設けられており、
    該位置決め部は、前記可動部材中の前記凹部を取り囲む部分にて前記ベルト部分の一部を前方に押し出す位置に、前記可動部材を保持することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の車両用シート。
  14. 前記可動部材の前記形成面に形成される前記凹部は、小物収納用のスペースを設けるために用いられることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項の車両用シート。
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