以下、添付図面を参照して、実施形態にかかる超音波診断装置、画像処理装置及びプログラムを詳細に説明する。なお、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態にかかる超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、実施形態にかかる超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。また、超音波プローブ1には、位置センサ4が取り付けられ、装置本体10の近傍には、トランスミッター5が設置される。また、装置本体10は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して外部装置6と接続される。
超音波プローブ1は、例えば、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
装置本体10に接続される超音波プローブ1は、例えば、複数の圧電振動子が一列で配置された1次元超音波プローブである。1次元超音波プローブとしては、セクタ型、リニア型又はコンベックス型等の超音波プローブが挙げられる。或いは、超音波プローブ1は、例えば、一列に配置された複数の圧電振動子により、被検体Pを2次元で走査するとともに、複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被検体Pを3次元で走査するメカニカル4Dプローブである。或いは、超音波プローブ1は、例えば、複数の圧電振動子がマトリックス状に配置されることで、被検体Pを3次元で超音波走査することが可能な2Dプローブである。2Dプローブは、超音波を集束して送信することで、被検体Pを2次元で走査することも可能である。
なお、実施形態にかかる超音波診断装置は、後述するように、パルス波(PW:Pulsed Wave)ドプラ法、又は、連続波(CW:Continuous Wave)ドプラ法により、ドプラ波形の収集を行なう。本実施形態において、超音波プローブ1は、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データの撮影用の超音波送受信とともに、PWドプラ法によるPWモード、又は、CWドプラ法によるCWモードのドプラ波形の収集用の超音波送受信を実行可能な超音波プローブである。
ここで、上述したように、超音波プローブ1には位置センサ4が取り付けられる。また、上述したように、装置本体10の近傍の任意の位置には、トランスミッター5が配置される。位置センサ4及びトランスミッター5は、超音波プローブ1の位置(座標及び角度)を検出するための位置検出システムである。
図2は、超音波プローブ1の位置検出を説明する説明図である。図2に示すように、例えば、位置センサ4は、超音波プローブ1に取り付けられる磁気センサである。位置センサ4は、例えば、超音波プローブ1の本体の端部に取り付けられる。また、例えば、トランスミッター5は、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する装置である。
位置センサ4は、トランスミッター5によって形成された3次元の磁場の強度と傾きとを検出する。そして、位置センサ4は、検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッター5を原点とする3次元空間における超音波プローブ1の位置(スキャン面の位置(x,y,z)及び回転角度(α,β,γ))を算出し、算出した位置を装置本体10に送信する。この超音波プローブ1におけるスキャン面の位置(x,y,z)及び回転角度(α,β,γ)を含む位置は、超音波プローブ1において超音波によるスキャンが実行された際に装置本体10に送信される。これにより、装置本体10では、超音波プローブ1のスキャンにより超音波画像を得るとともに、超音波プローブ1の位置を取得できる。
なお、本実施形態は、上記の位置検出システム以外のシステムにより、超音波プローブ1の位置情報を取得する場合であっても適用可能である。例えば、本実施形態は、ジャイロセンサや加速度センサ等を用いて、超音波プローブ1の位置情報を取得する場合であってもよい。
入力装置3は、後述するインターフェース部19を介して装置本体10と接続される。入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック、ロータリースイッチ等を有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定・指示を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定・指示を転送する。
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定・指示を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された各種画像データ等を表示したりする。
外部装置6は、後述するインターフェース部19及びネットワークを介して装置本体10と接続される装置である。例えば、外部装置6は、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースなどである。或いは、外部装置6は、X線CT装置、MRI装置等、本実施形態にかかる超音波診断装置以外の各種医用画像診断装置であってよい。
本実施形態にかかる装置本体10は、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に則った画像フォーマットに統一された各種医用画像のデータを、インターフェース部19を介して外部装置6から取得することができる。例えば、装置本体10は、インターフェース部19を介して、自装置で生成した超音波画像の比較対象となるボリュームデータ(X線CTボリュームデータや、MRIボリュームデータ等)を、インターフェース部19を介して外部装置6から取得する。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。例えば、本実施形態にかかる装置本体10は、2次元の反射波データに基づいて2次元の超音波画像を生成可能な装置である。
装置本体10は、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、画像処理部16と、内部記憶部17と、制御部18と、インターフェース部19とを有する。
送受信部11は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信部11は、制御部18の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信部11は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
送受信部11は、被検体Pを2次元走査するために、超音波プローブ1から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信部11は、超音波プローブ1が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、送受信部11は、被検体Pを3次元走査するために、超音波プローブ1から3次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信部11は、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
ここで、本実施形態にかかる超音波診断装置は、超音波プローブ1が1次元超音波プローブであっても、上述した位置検出システムを用いて、3次元の反射波データを生成することが可能である。例えば、操作者は、超音波プローブ1を被検体Pの体表に当接させた状態で、超音波プローブ1の位置及び角度を変更して、複数断面を2次元走査することで、被検体Pを3次元走査する。これにより、送受信部11は、複数断面の2次元の反射波データを生成する。例えば、後述する制御部18は、位置検出システムから得られた超音波プローブ1の位置情報から、複数断面の2次元の反射波データを3次元に配置することで、3次元の反射波データを再構成することができる。
なお、送受信部11からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。ここでいう移動体とは、血管内を流動する血液等である。
なお、本実施形態にかかるBモード処理部12及びドプラ処理部13は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像にかかるデータを生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから移動体情報(血流情報や組織の移動情報)を表す平均速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像データを生成する。
ここで、画像生成部14は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、超音波画像をモニタ2に表示するための表示用の画像データを生成する。具体的には、画像生成部14は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の画像データを生成する。また、画像生成部14は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成部14は、超音波画像の画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像の画像データであり、画像生成部14が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
更に、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することが可能である。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから、血流の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することが可能である。
更に、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のドプラ画像データを生成する。3次元Bモードデータ及び3次元ドプラデータは、スキャンコンバート処理前のボリュームデータとなる。すなわち、画像生成部14は、「3次元のBモード画像データや3次元のドプラ画像データ」を「超音波ボリュームデータ」として生成する。
更に、画像生成部14は、超音波ボリュームデータをモニタ2にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、超音波ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なう。画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、断面再構成法(MPR:Multi Planar Reconstruction)を行なって超音波ボリュームデータからMPR画像データを生成する処理がある。また、画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、超音波ボリュームデータに対して「Curved MPR」を行なう処理や、超音波ボリュームデータに対して「Maximum Intensity Projection」を行なう処理がある。また、画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、3次元の情報を反映した2次元画像データを生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理がある。
更に、画像生成部14は、他の医用画像診断装置が収集したボリュームデータに対しても、上記の各種レンダリング処理を行なうことができる。かかるボリュームデータは、X線CT装置により収集された3次元のX線CT画像データ(X線CTボリュームデータ)や、MRI装置により収集された3次元のMRI画像データ(MRIボリュームデータ)である。一例として、画像生成部14は、取得部161が取得した超音波プローブ1の位置情報に基づいて、現時点で生成した2次元の超音波画像の走査断面に対応する断面を用いたMPR処理により、ボリュームデータから断面画像のMPR画像データを再構成する。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。画像メモリ15が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成部14を経由して表示用の画像データとなる。
画像処理部16は、プログラムを順次実行することで各種処理を行うコンピュータプロセッサである。本実施形態において、画像処理部16は、超音波画像及び超音波プローブ1の位置情報の取得処理、取得した超音波画像及び位置情報の記録処理、異なる時点で記録された超音波画像及び位置情報を参照し、超音波プローブの位置が互いに近い超音波画像を並べてモニタ2に表示させる表示処理を実行する。画像処理部16は、上述した各種処理を実行する機能部として、取得部161と、記録部162と、再構成部163と、再生処理部164とを有する。
取得部161は、超音波プローブ1による超音波画像と、超音波プローブ1に取り付けた位置センサ4及びトランスミッター5で構成される位置検出システムから、超音波画像を得た際の超音波プローブ1の実空間における位置(座標及び角度)を取得し、超音波プローブ1によって撮像された撮像位置を示す位置情報を取得する。ここで、撮像位置とは、超音波画像を得た際の超音波プローブ1の位置だけでなく、撮像断面の中心座標の位置であってもよい。本実施形態では、2つの超音波画像の撮像断面が遠いか近いかを判断するにあたり、撮像断面の中心座標の位置を用いる場合を例示する。
具体的には、取得部161は、スキャンコンバート処理前又は処理後の超音波画像の画像データを画像生成部14より取得し、その超音波画像を得た時の超音波プローブ1の位置を位置検出システムから取得する。内部記憶部17には、超音波プローブ1の形状に関する情報、超音波プローブ1上のどの位置に位置センサ4が取り付けられているかを示す情報などの、撮像断面の中心座標の位置(撮像位置)を算出するための情報が予め記憶されている。取得部161は、超音波プローブ1の実空間における位置(座標及び角度)に、この内部記憶部17に予め記憶された情報を組み合わせて、超音波プローブ1の表面の中心位置の空間座標を割り出す。次いで、取得部161は、スキャン時におけるDepth情報(何cmの深さ(Depth)まで超音波画像を撮像するか)を参照し、超音波プローブ1の表面の中心位置の空間座標を、Depth/2の距離だけオフセットすることで、撮像断面の中心座標を割り出す。
また、取得部161は、被検体Pにおいて超音波プローブ1の位置合わせを行い、その位置合わせが行われた基準位置に対する位置情報を取得する。図3は、超音波プローブ1の位置合わせを説明する説明図である。図3に示すように、操作者は、位置センサ4が取り付けられた超音波プローブ1を、被検体Pに対して垂直に当接し、セットボタンを押下する。取得部161は、セットボタンが押下された時点で取得した超音波プローブ1の位置情報から、実空間での垂直方向で定まる直交3軸をセットする。
次に、操作者は、被検体Pにおける所定の血管や、剣状突起などの特徴部分が描出される超音波画像データ200がモニタ2に表示されるように、超音波プローブ1を移動させる。そして、操作者は、特徴部分に超音波画像データ200のマーク画像Mを合わせて、再度セットボタンを押下する。これにより、実空間での基準位置における座標位置をセットする。以後、取得部161は、セットされた直交3軸、座標位置に対する位置情報を取得する。
また、超音波画像と、ボリュームデータ100のMPR画像データ101aによる断面画像とを同時に表示する場合(詳細は後述する)には、超音波プローブ1の位置と、ボリュームデータ100の位置との位置合わせ(位置、角度の登録)を行ってもよい。具体的には、ボリュームデータ100のMPR画像データ101aに描出された断面画像における特徴部分と同一の特徴部分が描出される超音波画像データ200が表示されるように、超音波プローブ1を移動させて、再度セットボタンを押下する。これにより、ボリュームデータ100における特徴部分の位置情報と、超音波画像データ200における特徴部分の位置情報とから、実空間における「任意の走査断面」の位置と、ボリュームデータ100における「任意の走査断面」に対応する断面の位置とが対応付けられ、超音波プローブ1の移動に伴い変化する超音波画像と同じ断面画像をボリュームデータ100より再構成して表示することができる。
記録部162は、取得部161により取得された超音波画像ごとに、取得された位置情報を付与した超音波検査情報を内部記憶部17に記録する。具体的には、記録部162は、画像生成部14より取得した超音波画像の画像データに、タグ情報などとして位置情報を付与した画像データを、超音波検査情報として内部記憶部17に記録する。なお、超音波画像が所定のフレーム数で撮影された動画像である場合には、記録部162は、フレームごとに位置情報を付与して内部記憶部17に記録する。また、記録部162は、検査日時、被検体Pである患者を識別するための患者ID、超音波プローブ1の種別(セクタ型、リニア型、コンベックス型、1D、2D等)、検査部位(腹部等)など、検査内容に付随した情報も超音波検査情報に付与する。
再構成部163は、一方の超音波検査情報における超音波プローブ1の遷移に合わせて他方の超音波情報における超音波画像を表示(再生)するために、内部記憶部17に記録された超音波検査情報における超音波画像の並び順を再構成する。具体的には、再構成部163は、内部記憶部17に記録された2つの超音波検査情報の中の一方の超音波検査情報の位置情報に基づいた超音波プローブ1の位置の遷移をもとに、他方の超音波検査情報の超音波画像を抽出して並び順を再構成する(詳細は後述する)。
再生処理部164は、内部記憶部17に記録された2つの超音波検査情報を参照し、その2つの超音波検査情報の位置情報に基づいて、超音波プローブ1の撮像位置が互いに近い超音波画像を並べてモニタ2に表示させる(詳細は後述する)。
内部記憶部17は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶部17は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像データの保管等にも使用される。
更に、内部記憶部17は、外部装置6から転送された各種医用画像の保管にも使用される。具体的には、内部記憶部17は、インターフェース部19を経由して、外部装置6から転送されたDICOM規格のボリュームデータを記憶する。本実施形態では、内部記憶部17は、患者IDなどで識別される被検体Pのボリュームデータ(例えば、X線CTボリュームデータやMRIボリュームデータ)を記憶する。
制御部18は、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部18は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定・指示や、内部記憶部17から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13、画像生成部14、画像処理部16の処理を中央制御する。また、制御部18は、画像メモリ15や内部記憶部17が記憶する表示用の画像データをモニタ2にて表示するように制御する。また、制御部18は、画像処理部16の処理結果をモニタ2にて表示するように制御する。
インターフェース部19は、入力装置3、ネットワーク及び外部装置6に対するインターフェースである。入力装置3が受け付けた操作者からの各種設定情報及び各種指示は、インターフェース部19により、制御部18に転送される。また、入力装置3が操作者から受け付けた画像データの転送要求は、インターフェース部19により、ネットワークを介して外部装置6に通知される。また、外部装置6が転送した画像データは、インターフェース部19により、内部記憶部17に格納される。
図4は、実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図4は、超音波プローブ1による超音波画像及び位置情報の取得と、取得した超音波画像及び位置情報の記録とを示すフローチャートである。
図4に示すように、処理が開始されると、取得部161は、超音波プローブ1による超音波画像と、その超音波画像を得た際の、超音波プローブ1によって撮像された撮像位置を示す位置情報とを取得する(S11、S12)。次いで、記録部162は、取得部161により取得された超音波画像+位置情報の超音波検査情報D1を内部記憶部17に記録する(S13)。S13において、超音波画像への位置情報の付与は超音波画像ごと(例えばフレームごと)に行われる。したがって、超音波検査情報D1における各超音波画像(フレーム画像)においては、その超音波画像を得た際の超音波プローブ1の実空間における位置が識別可能となっている。
図5は、実施形態にかかる超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図5は、超音波プローブ1より(リアルタイムに)取得された現在の超音波画像(ライブ画像)と、超音波プローブ1の現在の撮像位置に近い過去の超音波画像とを並べて表示する場合の処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、処理が開始されると、取得部161は、超音波プローブ1による超音波画像と、その超音波画像を得た際の、超音波プローブ1によって撮像された撮像位置を示す位置情報とを順次取得する(S11、S12)。次いで、記録部162は、取得部161により取得された超音波画像+位置情報を現在の超音波検査情報D2として内部記憶部17に順次記録する(S13)。これにより、超音波プローブ1により順次取得された現在の超音波画像と位置情報とは、取得した順に逐次超音波検査情報D2に記録される。したがって、内部記憶部17に記録された超音波検査情報D2を順次読み出すことで、過去から現在に向かって順次取得された超音波画像+位置情報を得ることができる。
次いで、制御部18は、内部記憶部17に記録された過去の超音波検査情報D1を選択するための画面をモニタ2に表示し、入力装置3より超音波検査情報D1の選択を受け付ける(S14)。この超音波検査情報D1の選択は、一つであってもよいし、複数であってもよい。次いで、画像処理部16は、S14において選択された超音波検査情報D1を内部記憶部17よりロード(参照)する(S15)。
図6は、表示画面Gの一例を示す説明図である。図6に示すように、S14において、モニタ2には、超音波検査情報D1を選択するための項目G11、G12、選択を決定するための決定ボタンG13有する表示画面Gが表示される。項目G11、G12は、入力装置3に入力された患者IDで識別される患者について、内部記憶部17に記録された過去の超音波検査情報D1が制御部18により読み出されて表示される。この項目G11、G12には、超音波検査情報D1に付随された検査日時、検査部位、超音波プローブ1の種別などの検査内容を表示してもよい。操作者は、項目G11、G12を選択して決定ボタンG13を操作することで、所望の超音波検査情報D1を選択する。
次いで、再構成部163は、内部記憶部17に記録された現在の超音波検査情報D2の位置情報に基づき、選択された過去の超音波検査情報D1における超音波画像を抽出して並び順を再構成する(S16)。
具体的には、再構成部163は、超音波検査情報D2の位置情報を過去から順に読み出す。これにより、再構成部163は、現在の超音波検査情報D2において超音波プローブ1の撮像位置の遷移の経過を得る。そして、再構成部163は、読み出した超音波検査情報D2の位置情報と、選択された過去の超音波検査情報D1の位置情報とを照合し、読み出した超音波検査情報D2の位置情報に基づいた超音波プローブ1の撮像位置に最も近い超音波検査情報D1の超音波画像を順次抽出する。
図7は、過去の検査と現在の検査とにおける超音波プローブ1の位置ずれを説明する説明図である。図7の上側は過去の検査、下側は現在の検査を示している。図7に示すように、被検体Pにおける過去の検査と現在の検査とでは、トランスミッター5に対する被検体Pの相対的な位置にずれがある場合がある。このような場合は、位置情報における位置(x,y,z)及び回転角度(α,β,γ)のパラメータにおいて、現在の超音波検査情報D2における位置情報と、過去の超音波検査情報D1における位置情報との差分が最も少なくなるものを抽出する。これにより、現在の超音波検査情報D2における超音波プローブ1の撮像位置の遷移に対応した並び順に、過去の超音波検査情報D1の超音波画像が並び替えられることとなる。
また、再構成部163は、現在の超音波検査情報D2において超音波プローブ1の撮像位置の遷移する方向が相似する超音波画像を、過去の超音波検査情報D1の中から抽出する。
図8は、現在の超音波検査情報D2における超音波プローブ1の遷移に合わせた過去の超音波検査情報D1の再構成を説明する説明図である。図8に示すように、超音波プローブ1のz方向における遷移について、超音波検査情報D1では、マイナス位置からスタートし、0cm→10cm→0cm→10cm→15cm→15cmより大と遷移しているものとする。そして、時間軸(45)などの時点でRFA、造影剤投入などを施した後の、現在の超音波検査情報D2では、超音波プローブ1のz方向において0cmからスタートし、0cm→10cm→15cmと遷移しているものとする。
再構成部163は、現在の超音波検査情報D2において超音波プローブ1の位置が0cm→10cmに遷移するところでは、過去の超音波検査情報D1の中で、z方向について同方向であって、遷移する方向が相似する、0cm→10cmに遷移するところの超音波画像が抽出される。なお、超音波検査情報D1において0cm→10cmまで遷移する場面が複数ある場合は、時間的な間隔(例えば0cm→10cmまで遷移する時間)がより近く、遷移に要する時間が相似する場面が選択されてよい。次いで、再構成部163は、現在の超音波検査情報D2において超音波プローブ1の位置が10cm→15cmに遷移するところでは、過去の超音波検査情報D1の中で、10cm→15cmに遷移するところの超音波画像が抽出される。これにより、z方向について超音波プローブ1が0cm→10cm→15cmに遷移した現在の超音波検査情報D2と同様の超音波画像D3が再構成されることとなる。
このように、過去の超音波検査情報D1の中で、現在の超音波検査情報D2における超音波プローブ1の撮像位置の遷移と相似する超音波画像を抽出することで、現在の超音波検査情報D2の超音波画像と並べて表示した際の差異をより小さくできる。
また、再構成部163は、読み出した超音波検査情報D2の位置情報に基づいた超音波プローブ1の撮像位置に近い超音波検査情報D1の超音波画像の候補が複数ある場合には、静止画像として撮影した超音波画像を優先して抽出してもよい。静止画像として撮影した超音波画像は、操作者が意図して残したものであることから、より優先的に抽出することが好ましい。また、再構成部163は、読み出した超音波検査情報D2の位置情報に基づいた超音波プローブ1の撮像位置に近い超音波検査情報D1の超音波画像の候補がない場合(撮像位置の差分が所定の閾値以内の超音波画像がない場合)には、ブランク画像(画像なし)としてもよい。また、再構成部163は、抽出した超音波画像の並び順を再構成する際には、シングルスイープ時に表示するスイープ画像のように(撮像位置が線形に変化するように)描画されるよう、抽出した超音波画像を並べてもよい。
次いで、記録部162は、S16で並び順を再構成した過去の超音波検査情報D1における超音波画像D3を内部記憶部17に一時保存する(S17)。なお、記録部162は、内部記憶部17へ一時保存された超音波画像D3を、入力装置3による保存指示などをもとに、識別するためのファイル名などを付与して画像ファイルとして内部記憶部17に記録してもよい。次いで、再生処理部164は、現在の超音波検査情報D2の超音波画像と、再構成された超音波画像D3とを並べてモニタ2に表示させる連動再生表示を行う(S18)。
図9、10は、表示画面Gの一例を示す説明図である。図9、10に示すように、連動再生表示中の表示画面Gには、過去の超音波検査情報D1により再構成された超音波画像D3を読みだして超音波画像G31として表示する表示領域G21と、現在の超音波検査情報D2による超音波画像G32を表示する表示領域G22とを有する。また、表示領域G21の近傍(図示例では下側)には、超音波画像G31にかかる超音波プローブ1の撮像位置を示すための表示領域G40aが設けられている。同様に、表示領域G22の近傍(図示例では下側)には、超音波画像G32にかかる超音波プローブ1の撮像位置を示すための表示領域G40bが設けられている。なお、図9、10における表示領域G21、G22、G40a、G40bの配置は、一例であって、適宜変更可能である。
現在の超音波検査情報D2における超音波画像G32と、超音波画像G32を取得した時の超音波プローブ1の撮像位置に対応した過去の超音波画像G31とを表示する場合、再生処理部164は、超音波検査情報D2に記録された最新の超音波画像と、超音波画像D3に最後に並べられた超音波画像とを内部記憶部17より読み出す。次いで、図9に示すように、再生処理部164は、超音波画像G31、G32として並べて表示させる。
この時、再生処理部164は、表示領域G40a、G40bのそれぞれにおいて、位置情報に対応した現在位置表示G41を座標軸などで示すことで、超音波プローブ1の撮像位置を容易に視認できるようにする。
また、再生処理部164は、超音波画像G31、G32における超音波プローブ1の相互の撮像位置のずれ量、ずれ方向の少なくとも一方を示す位置ずれ情報G42を表示画面G上に表示してもよい。具体的には、再生処理部164は、超音波画像G31、G32の互いの位置情報の差分をもとに、ずれ量、ずれ方向を算出し、算出値に対応したインジケータを位置ずれ情報G42として表示画面G上に表示する。例えば、z方向の座標軸においてプラス方向にずれている場合には「+」などの記号でずれ方向を表示する。また、z方向の座標軸におけるずれ量を数値などで表示する。なお、図示例における位置ずれ情報G42は一例であり、矢印、色の濃淡などで示してもよく、レイアウトについては図示例に限定しない。
操作者は、現在の超音波検査情報D2における超音波画像G32と、超音波画像G32を取得した時の超音波プローブ1の撮像位置に対応した過去の超音波画像G31とを比較することで、観察部位の時間的な変化を容易に確認することができる。例えば、過去に画質のよい腹部用の超音波プローブ1を用いて観察部位を検査している場合、RFA中やその後に超音波プローブ1で観察部位を確認している時に、画質のよい過去の超音波画像を併せて確認することができる。
また、超音波画像D3は、現在の超音波検査情報D2における超音波プローブ1の撮像位置の遷移に合わせて再構成されていることから、再生処理部164は、入力装置3によりフリーズ操作などで一時停止したところで、ロータリースイッチの操作などで巻き戻し/早送りの操作を受け付けて、所定の時間位置での連動再生を行ってもよい。具体的には、図10に示すように、ロータリースイッチの操作などにより巻き戻し/早送りの操作を受け付けた場合、再生処理部164は、巻き戻し/早送りの操作による時間位置に対応した超音波検査情報D2の超音波画像と、超音波画像D3とを内部記憶部17より読み出す。次いで、図10に示すように、再生処理部164は、超音波画像G31、G32として並べて表示させる。この時、入力装置3により再生などの指示が受け付けられた場合、再生処理部164は、内部記憶部17に記憶された超音波検査情報D2の超音波画像と、超音波画像D3とを順次読み出して再生する。
また、再生処理部164は、入力装置3により操作指示をもとに、超音波画像D3による超音波画像G31の表示をフリーズさせてもよい。この場合、超音波プローブ1が移動することで超音波画像G32の表示が変わったとしても、フリーズの操作指示のあった時点における超音波画像G31の表示が継続されることとなる。
また、S18において、現在の超音波検査情報D2の超音波画像G32と、再構成された超音波画像G31とを並べて表示画面Gに表示させる連動再生表示を行った際に、位置情報のずれにより超音波画像G32に対する超音波画像G31の表示がずれる場合がある。したがって、S18において、制御部18は、超音波画像G32又は超音波画像G31を選択して、どちらか一方の位置情報のずれを補正する補正指示を入力装置3より受け付ける。具体的には、入力装置3において超音波画像G32又は超音波画像G31を選択する選択スイッチと、x、y、z方向に対応した3つのロータリースイッチを用意しておく。制御部18は、選択スイッチ及び各ロータリースイッチの操作をもとに、選択された側の位置情報のずれを補正する。
そして、再構成部163は、補正指示をもとに補正した位置情報に基づいて、上述した再構成、一時保存の処理(S16、S17)をやり直す。これにより、再生処理部164は、補正指示を反映した連動再生表示を行うことが可能となる。例えば、現在の超音波検査情報D2の超音波画像G32に対する超音波画像G31の位置ずれがz方向で+2cm程度であった場合、操作者は、連動再生表示によりそのずれを確認した後に、超音波画像G31を選択して、z方向に(−)の補正を行うようにロータリースイッチを回転させる。これにより、z方向に(−)の補正を反映した連動再生表示が行われる。そして、超音波画像G32に対する超音波画像G31の表示があったところでロータリースイッチの回転を止めて、位置決めを行う。
また、再生処理部164は、現在の超音波検査情報D2の位置情報に基づいた超音波プローブ1の撮像位置をもとに、ボリュームデータ100より再構成された断面画像を、超音波画像G31、G32に並べてモニタ2に表示してもよい。
図11は、表示画面Gの一例を示す説明図である。図11に示すように、連動再生表示中の表示画面Gにおいて、表示領域G21と、表示領域G22の他に、ボリュームデータ100より再構成された断面画像G33を表示する表示領域G23と、断面位置を示すための表示領域G40cとが設けられている。再生処理部164は、超音波検査情報D2における超音波プローブ1の位置情報に基づいて、MPR処理によりボリュームデータ100より再構成された断面画像G33を画像生成部14より取得し、表示画面Gに表示する。これにより、操作者は、ボリュームデータ100による断面画像G33との比較も行うことが可能となる。
また、制御部18は、入力装置3より操作指示を受け付けて関心領域の位置及び範囲の少なくとも一方を設定してもよい。図12は、関心領域Rの設定を説明する説明図である。図12に示すように、制御部18は、表示画面G上に表示された断面画像G33より関心領域Rの中心M2及び範囲M3の少なくとも一方を、入力装置3のポインタ操作などで受け付ける。
次いで、再生処理部164は、設定された関心領域Rの中心M2及び範囲M3の少なくとも一方に基づいて、超音波検査情報D2、超音波画像D3を読み出す。具体的には、中心M2が設定された場合、再構成部163は設定された中心M2の位置に近い超音波画像を超音波検査情報D2と、その超音波検査情報D2に対応する超音波画像D3を読み出してモニタ2に表示する。また、範囲M3が設定された場合、再生処理部164は設定された範囲M3に含まれる超音波検査情報D2の超音波画像と、その超音波検査情報D2に対応する超音波画像D3を読み出してモニタ2に表示する。これにより、関心領域Rに対応した超音波画像の確認を容易に行うことができる。
なお、関心領域Rの範囲M3が設定された場合には、設定された関心領域Rの範囲M3をもとに、再構成部163は、上述した再構成、一時保存の処理(S16、S17)をやりなおしてもよい。具体的には、再構成部163は、設定された関心領域Rの範囲M3内で超音波画像D3を再構成する。これにより、再生処理部164は、設定された関心領域Rの範囲M3内の超音波画像D3を再生することができる。
超音波画像G31、G32は、入力装置3による選択指示などをもとに、どちらか一方を表示画面Gに表示してもよい。図13は、表示画面Gの一例を示す説明図である。図13に示すように、入力装置3の選択スイッチの操作などをもとに、再生処理部164は、超音波画像G31、G32を並べて表示する表示画面Gより(図9、10参照)、超音波画像G31のみを表示するように切り替えてもよい。
また、上述した実施形態の動作例では、超音波プローブ1より取得された現在の超音波画像と、超音波プローブ1の現在の撮像位置に近い過去の超音波画像とを並べて表示する場合を例示した。しかしながら、本実施形態は、互いに異なる時点で検査した超音波画像を並べて表示する構成であればよく、互いに異なる過去の超音波画像を並べて表示してもよい。この場合、図5に例示したフローチャートにおいて、S11〜S13の処理を省き、再生の基準とする超音波検査情報D2と、超音波検査情報D2に連動して再生するための超音波検査情報D1とを、内部記憶部17に記憶された過去の超音波検査情報より選択する処理(S14)より開始すればよく後の処理(S15〜S18)は前述した内容とほぼ同じである。
図14は、表示画面Gの一例を示す説明図である。図14に示すように、互いに異なる過去の超音波画像G31a、G31bを並べて連動再生表示を行う場合は、表示領域G21a、G21bに超音波画像G31a、G31bを表示する。これにより、操作者は、超音波プローブ1の撮像位置が互いに対応し、異なる時点の超音波画像G31a、G31bを比較することで、観察部位の時間的な変化を容易に確認することができる。例えば、治療(焼灼)の前後、造影あり/造影なし、穿刺前/穿刺時の超音波検査情報を選択し、超音波画像G31a、G31bを並べて連動再生表示する場合は、治療効果(焼灼範囲)、造影による比較、穿刺時における穿刺前状態の確認などを容易に確認できる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、観察部位の時間的な変化を容易に確認することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上述した実施形態では、超音波診断装置を例示したが、画像処理部16における機能部(取得部161、記録部162、再構成部163、再生処理部164)を実現するプログラム、そのプログラムを実行する制御部、内部記憶部17に対応したストレージを備えた画像処理装置などに適用してもよい。