JP2013236863A - 超音波診断装置及び画像処理装置 - Google Patents

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勝輝 倉俣
Tomohiro Sato
友広 佐藤
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英雄 小野寺
Fumiyasu Sakaguchi
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Abstract

【課題】超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断を有効に行なう。
【解決手段】超音波診断装置は、判別部17aと、調整部17bとを備える。判別部は、モニタに対して表示用に出力される複数の医用画像データであって、少なくとも超音波画像データを含む複数の医用画像データそれぞれの種類を判別する。調整部は、判別部による判別結果に基づいて、複数の医用画像データそれぞれを表示するために最適となる画像特性を取得し、取得した画像特性により各医用画像データがモニタ2において同時に表示されるように調整する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超音波診断装置及び画像処理装置に関する。
近年、超音波画像と、超音波画像とは種類の異なる医用画像であり、当該超音波画像と略同一断面の医用画像とを、モニタの画面にリアルタイムで同時に表示させる機能を有する超音波診断装置が実用化されている。ここで、上記の種類の異なる医用画像とは、例えば、X線CT(Computed Tomography)画像やMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像である。かかる超音波診断装置は、超音波プローブに取り付けた磁気センサから取得した超音波プローブの位置情報に基づいて、超音波走査が行なわれた断面と略同一断面のX線CT画像やMRI画像をボリュームデータから生成することで、上記の機能を実現している。かかる機能により、操作者は、超音波走査により収集された超音波画像だけでは同定困難な病変の位置を、X線CT画像やMRI画像を参照して確認することができる。例えば、操作者は、かかる機能を利用して、生体検査用の穿刺や治療用の穿刺を正確に行なうことができる。
しかし、観察に適した画像特性(ガンマ特性、輝度特性及び色温度等)は、医用画像の種類ごとに異なる。このため、同一の画像特性でモニタに出力された超音波画像と他の種類の医用画像とを観察すると、一方の医用画像、又は、双方の医用画像が観察しにくい場合があった。このため、上記の機能を有効に活用するためには、操作者は、医用画像の種類ごとに画像特性の調整を行なう必要があった。また、上記の機能を用いる場合の他にも、一般的な画像診断では、同一被検体の同一部位を撮影した種類の異なる複数の医用画像を同一画面に同時に表示させることが行なわれている。かかる場合でも、画像診断を有効に行なうために、医用画像の種類ごとに画像特性の調整を行なう必要があった。
特開2007−195882号公報
本発明が解決しようとする課題は、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断を有効に行なうことができる超音波診断装置及び画像処理装置を提供することである。
実施形態の超音波診断装置は、判別部と、調整部とを備える。判別部は、表示装置に対して表示用に出力される複数の医用画像データであって、少なくとも超音波画像データを含む複数の医用画像データそれぞれの種類を判別する。調整部は、前記判別部による判別結果に基づいて、前記複数の医用画像データそれぞれを表示するために最適となる画像特性を取得し、取得した画像特性により各医用画像データが前記表示装置において同時に表示されるように調整する。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、医用画像の画像特性を説明するための図(1)である。 図3は、医用画像の画像特性を説明するための図(2)である。 図4は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(1)である。 図5は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(2)である。 図6は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(3)である。 図7は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(4)である。 図8は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(5)である。 図9は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図(6)である。 図10は、本実施形態に係る画像特性テーブルの一例を示す図である。 図11は、本実施形態に係る調整部の調整処理例を示す図である。 図12は、本実施形態に係る超音波診断装置の処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、本実施形態の変形例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
まず、本実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。図1に例示するように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、位置センサ4と、トランスミッター5と、装置本体10とを有する。また、装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置6と接続される。
超音波プローブ1は、複数の振動子を有し、これら複数の振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。超音波プローブ1が有する振動子は、例えば、圧電振動子である。超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
例えば、本実施形態では、被検体Pの2次元走査用に、複数の圧電振動子が一列で配置された1Dアレイプローブが超音波プローブ1として装置本体10と接続される。例えば、超音波プローブ1としての1Dアレイプローブは、セクタ走査を行なうセクタプローブや、オフセットセクタ走査を行なうコンベックスプローブ、リニア走査を行なうリニアプローブ等である。
或いは、例えば、本実施形態では、被検体Pの3次元走査用に、メカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブが超音波プローブ1として装置本体10と接続される。メカニカル4Dプローブは、1Dアレイプローブのように一列で配列された複数の圧電振動子を用いて2次元走査が可能であるとともに、複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで3次元走査が可能である。また、2Dアレイプローブは、マトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送信することで2次元走査が可能である。
また、医師が超音波画像を参照しながら生体組織検査やラジオ波焼灼治療(RFA:Radio Frequency Ablation)等の穿刺を行なう際、図1に示す超音波プローブ1には、穿刺アダプタが取り付けられる。穿刺アダプタには、穿刺針が取り付けられ、医師は、超音波画像を参照しながら、穿刺アダプタに取り付けられた穿刺針を被検体Pのターゲット部位まで挿入する。
位置センサ4及びトランスミッター5は、超音波プローブ1の位置情報を取得するための装置である。例えば、位置センサ4は、超音波プローブ1に取り付けられる磁気センサである。また、例えば、トランスミッター5は、任意の位置に配置され、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する装置である。
位置センサ4は、トランスミッター5によって形成された3次元の磁場を検出する。そして、位置センサ4は、検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッター5を原点とする空間における自装置の位置(座標及び角度)を算出し、算出した位置を後述する制御部17に送信する。ここで、位置センサ4は、自装置が位置する3次元の座標及び角度を、超音波プローブ1の3次元位置情報として、後述する制御部17に送信する。
入力装置3は、後述するインターフェース部18を介して装置本体10と接続される。入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール等を有する。かかる入力装置3は、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、受け付けた各種設定要求を装置本体10に転送する。
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像データ等を表示したりする表示装置である。表示用に入力されたデータは、予め設定された画像特性(ガンマ特性、輝度特性及び色温度等)により調整されて、モニタ2に出力される。画像特性は、例えば、モニタ2の観察者により変更することが可能である。
外部装置6は、後述するインターフェース部18を介して装置本体10と接続される装置である。例えば、外部装置6は、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースなどである。或いは、外部装置6は、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等、本実施形態に係る超音波診断装置以外の各種医用画像診断装置である。或いは、外部装置は、例えば、画像診断を行なう医師が使用するPC(Personal Computer)や、CDやDVD等の記憶媒体、プリンタ等である。
本実施形態に係る装置本体10は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に則った画像フォーマットに統一された各種医用画像のデータを、インターフェース部18を介して外部装置6から取得することができる。例えば、装置本体10は、後述するインターフェース部18を介して、自装置で生成した超音波画像データの比較対象となるボリュームデータを、インターフェース部18を介して外部装置6から取得する。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。図1に示す装置本体10は、2次元の反射波信号に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能であり、3次元の反射波信号に基づいて3次元の超音波画像データを生成可能な装置である。ただし、本実施形態は、装置本体10が、2次元データ専用の装置である場合であっても適用可能である。
装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、内部記憶部16と、制御部17と、インターフェース部18とを有する。
送受信部11は、後述する制御部17の指示に基づいて、超音波プローブ1が行なう超音波送受信を制御する。送受信部11は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信部11は、後述する制御部17の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信部11は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
送受信部11は、被検体Pを2次元走査する場合、超音波プローブ1から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信部11は、超音波プローブ1が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、送受信部11は、被検体Pを3次元走査する場合、超音波プローブ1から3次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信部11は、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
なお、送受信部11からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理部12及びドプラ処理部13は、送受信部11が反射波信号から生成した反射波データに対して、各種の信号処理を行なう信号処理部である。Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。また、ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。
なお、Bモード処理部12は、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。このBモード処理部12の機能を用いることにより、コントラストハーモニックイメージング(CHI:Contrast Harmonic Imaging)において、造影剤が注入された被検体Pの反射波データから、造影剤(微小気泡、バブル)を反射源とする反射波データ(高調波データ又は分周波データ)と、被検体P内の組織を反射源とする反射波データ(基本波データ)とを分離することができる。すなわち、Bモード処理部12は、造影画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
また、このBモード処理部12の機能を用いることにより、ティッシュハーモニックイメージング(THI:Tissue Harmonic Imaging)において、被検体Pの反射波データから、高調波データ又は分周波データを分離することで、ノイズ成分を除去した組織画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
なお、図1に例示するBモード処理部12及びドプラ処理部13は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理部12は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理部13は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。
また、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから、操作者が設定したサンプルボリュームにおける血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
ここで、画像生成部14は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部14は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成部14は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成部14は、超音波画像データに、付帯情報(種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等)を合成する。
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成部14が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成部14は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データである「2次元Bモードデータや2次元ドプラデータ」から、表示用の2次元超音波画像データである「2次元のBモード画像データや2次元ドプラ画像データ」を生成する。
更に、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元ドプラ画像データを生成する。画像生成部14は、「3次元のBモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(超音波ボリュームデータ)」として生成する。
更に、画像生成部14は、ボリュームデータをモニタ2にて表示するための各種2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なう。画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、例えば、断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)を行なってボリュームデータからMPR画像データを生成する処理がある。また、画像生成部14が行なうレンダリング処理としては、例えば、3次元の情報を反映した2次元画像データを生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理がある。
更に、画像生成部14は、他の医用画像診断装置が収集したボリュームデータに対して、レンダリング処理を行なうことができる。かかるボリュームデータは、X線CT装置により収集された3次元のX線CT画像データ(以下、X線CTボリュームデータ)や、MRI装置により収集された3次元のMRI画像データ(以下、MRIボリュームデータ)である。一例として、画像生成部14は、後述する制御部17の指示により、現時点で生成した2次元の超音波画像データの走査断面に対応する断面を用いたMPR処理により、X線CTボリュームデータからX線CT画像データを生成する。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。画像メモリ15が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成部14を経由して表示用の超音波画像データとなる。
内部記憶部16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶部16は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像データの保管等にも使用される。また、内部記憶部16が記憶するデータは、後述するインターフェース部18を経由して、外部装置6へ転送することができる。また、内部記憶部16は、穿刺アダプタに対して穿刺針が取り付けられる角度(穿刺角度)を記憶している。例えば、内部記憶部16は、穿刺アダプタ名に対応付けられた穿刺角度を記憶する。
制御部17は、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部17は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13及び画像生成部14の処理を制御する。また、制御部17は、画像メモリ15や内部記憶部16が記憶する表示用の画像データをモニタ2にて表示するように制御する。また、制御部17は、画像生成部14が生成した表示用の画像データを内部記憶部16等に格納するように制御する。また、制御部17は、操作者から入力装置3を介して受け付けた医用画像データが外部装置6からネットワーク100及びインターフェース部18を介して内部記憶部16や画像生成部14に転送されるように制御する。
なお、図1に示すように、本実施形態に係る制御部17は、判別部17a及び調整部17bを有する。判別部17aは、モニタ2に出力される画像データの種類を判別する。また、調整部17bは、モニタ2に出力される画像データの画像特性を調整する。なお、判別部17a及び調整部17bについては、後に詳述する。
インターフェース部18は、入力装置3、ネットワーク100及び外部装置6に対するインターフェースである。入力装置3が受け付けた操作者からの各種設定情報及び各種指示は、インターフェース部18により、制御部17に転送される。例えば、入力装置3が操作者から受け付けた画像データの転送要求は、インターフェース部18により、ネットワーク100を介して外部装置6に通知される。また、外部装置6が転送した画像データは、インターフェース部18により、内部記憶部16に格納されたり、画像生成部14に転送されたりする。
インターフェース部18を介した外部装置6とのデータ送受信により、本実施形態に係る制御部17は、自装置が撮像した超音波画像とともに、他の医用画像診断装置が撮像した医用画像(X線CT画像やMRI画像等)をモニタ2に表示させることができる。なお、超音波画像とともに表示される医用画像のデータは、CD−ROM、MO、DVDなどの記憶媒体を介して、内部記憶部16に格納される場合であっても良い。
更に、制御部17は、超音波画像を参照して穿刺が行なわれる場合、以下の制御を行なうことができる。制御部17は、穿刺アダプタが超音波プローブ1に取り付けられた場合、操作者が入力装置3を介して入力した穿刺アダプタ名に対応する穿刺角度を内部記憶部16から取得する。そして、制御部17は、超音波画像データに穿刺用のガイドライン(以下、ニードルマーカー)が重畳されるように制御する。具体的には、画像生成部14は、超音波画像データにニードルマーカーを重畳した画像データを生成し、モニタ2に出力する。これにより、医師は、ターゲット部位がニードルマーカー上に位置するように、超音波プローブ1の位置を調整することができる。
また、制御部17は、2次元超音波画像データを生成するために行なわれた2次元超音波走査の断面と略同一断面の医用画像データを画像生成部14に生成させ、モニタ2に表示させることができる。例えば、操作者は、穿刺アダプタを取り付けた超音波プローブ1を用いて被検体Pに対して穿刺を行なう前に、被検体Pのターゲット部位を撮影したX線CTボリュームデータの転送要求を行なう。また、操作者は、ターゲット部位が描出されたX線CT画像データがモニタ2に表示されるように、入力装置3を介してMPR処理用の切断面の位置を調整する。
そして、制御部17の制御により、画像生成部14は、操作者が調節した切断面(以下、初期断面)によりX線CTボリュームデータを切断したX線CT画像データを生成し、モニタ2は、画像生成部14が生成したX線CT画像データを表示する。操作者は、モニタ2に表示されたX線CT画像データと同一断面の超音波走査が行なわれるように、超音波プローブ1を操作する。そして、操作者は、モニタ2に表示されたX線CT画像データと超音波画像データとが略同一断面であると判断した場合、入力装置3の確定ボタンを押下する。制御部17は、確定ボタンが押下された時点で位置センサ4から取得した超音波プローブ1の3次元位置情報を初期位置情報と設定する。
その後、制御部17は、位置センサ4から取得した超音波プローブ1の3次元位置情報と初期位置情報との移動情報を取得し、取得した移動情報に基づいて初期断面の位置を変更することで、MPR用の切断面を再設定する。そして、制御部17の制御により、画像生成部14は、制御部17が再設定した切断面によりX線CTボリュームデータからX線CT画像データを生成し、X線CT画像データと超音波画像データとを並列させた画像データを生成する。かかる画像データを、モニタ2は、表示する。これにより、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波画像と、当該超音波画像と略同一断面のX線CT画像とを、モニタ2の画面にリアルタイムで同時に表示することができる。なお、以下では、同一断面の超音波画像とX線CT画像等とを、超音波プローブ1の移動に合わせて、モニタ2の画面にリアルタイムで連動して同時に表示する機能を「同時表示機能」と記載する場合がある。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成において、本実施形態に係る超音波診断装置は、上述したように、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とをモニタ2に同時に表示する。
しかし、観察に適した画像特性(ガンマ特性、輝度特性及び色温度等)は、医用画像の種類ごとに異なる。図2及び図3は、医用画像の画像特性を説明するための図である。図2の左図は、X線CT画像を示しており、図2の右図は、図2の左図に示すX線CT画像と同一断面の超音波画像を示している。
超音波画像は、その原理からも明らかなように、音響インピーダンスの境界を表示するものである。すなわち、超音波画像は、組織そのものの分解能が無く、組織構築を高い分解能で表示するものである。組織構築を高い分解能で表示するため、超音波画像は、図2の右図に示すように、黒を基準とした低諧調領域を中心とした診断用の映像となる。従って、超音波画像を観察するためのガンマ特性は、低諧調領域でやや傾斜が高いガンマ特性が必要となる。例えば、超音波画像を観察するためのガンマ特性は、入力信号を横軸とし、出力信号を縦軸とした場合、図3の(A)に示すように、下に凸の曲線となるガンマ特性が最適となる。また、超音波画像が低諧調領域を中心とする画像のため、モニタ2のコントラスト比で決まる最高輝度も抑え気味であり、輝度特性として高い輝度を必要としない。また、諧調特性から、超音波画像の観察には、高い色温度(13000K以上)が必要とされる。
これに対して、X線CT画像は、図2の左図に示すように、超音波画像と異なり、組織分解能が高い。X線CT画像は、高い組織分解能、情報量の多さ、画像診断のし易さから、中輝度から高輝度中心の輝度特性が求められる。また、X線CT画像を観察するためのガンマ特性は、低諧調領域を抑えたDICOMガンマ(DICOM規格で標準のガンマ特性)が標準となっている。或いは、たとえば、X線CT画像を観察するためのガンマ特性は、図3の(B)に示すように、S字の曲線となるガンマ特性が最適とされる場合もある。また、X線CT画像の観察には、超音波画像程高い色温度は、必要とされない。
従って、同一の画像特性でモニタに出力された超音波画像と他の種類の医用画像とを観察すると、一方の医用画像、又は、双方の医用画像が観察しにくくなる場合があった。このため、上記の同時表示機能を有効に活用するためには、操作者は、医用画像の種類ごとに画像特性の調整を行なう必要があった。また、一般的な画像診断で、モニタ2に表示された超音波画像と他の種類の医用画像とを比較して読影する場合でも、操作者は、医用画像の種類ごとに画像特性の調整を行なう必要があった。
そこで、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断が有効に行なえるように、以下、詳細に説明する判別部17a及び調整部17bの処理を行なう。
判別部17aは、モニタ2に対して表示用に出力される複数の医用画像データであって、少なくとも超音波画像データを含む複数の医用画像データそれぞれの種類を判別する。具体的には、判別部17aは、少なくとも、複数の医用画像データそれぞれが、超音波画像データであるか、超音波画像データ以外の他の種類の他種医用画像データであるかを判別する。具体的には、判別部17aは、以下に説明する3つの方法により、各医用画像データが超音波画像データであるか他種医用画像データであるかを判別する。
第1の方法では、判別部17aは、複数の医用画像データそれぞれの画像形状に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか他種医用画像データであるかを判別する。また、第2の方法では、判別部17aは、複数種類の医用画像データそれぞれに含まれる付帯情報に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか他種医用画像データであるかを判別する。また、第3の方法では、判別部17aは、複数種類の医用画像データそれぞれの輝度値の特徴に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか、他種医用画像データであるかを判別する。以下、図4〜図9を用いて、第1の方法〜第3の方法の一例について説明する。図4〜図9は、本実施形態に係る判別部の処理の一例を説明するための図である。
第1の方法を実行する場合、判別部17aは、画像上部の形状を参照する。具体的には、判別部17aは、深さ方向で近距離部分の超音波画像データ(画像生成部14が生成した表示用の超音波画像データ)の形状を参照する。コンベックスプローブによりオフセットセクタ走査が行なわれている場合、近距離部分の超音波画像データの形状は、図4の(A)に示すように、扇形の要の部分が無い形状となる。また、セクタプローブによりセクタ走査が行なわれている場合、近距離部分の超音波画像データの形状は、図4の(B)に示すように、扇形となる。
判別部17aは、モニタ2に表示用に出力される医用画像データの近距離部分の形状が、扇形の要の部分が無い形状や、扇形である場合、当該医用画像データが超音波画像データであると判別する。なお、リニア走査が行なわれている場合、判別部17aは、モニタ2に表示用に出力される医用画像データが超音波画像データであるか否かを判別することが困難であるとして、第2の方法や第3の方法を行なう。
第2の方法を実行する場合、判別部17aは、医用画像データに重畳されている付帯情報を参照する。図5に示す(1)〜(11)は、画像生成部14が超音波画像データに重畳する付帯情報であり、超音波画像に特有の付帯情報の一例を示している。また、図6では、図5に示す(1)〜(11)が如何なる情報であるかを示している。以下、(1)〜(11)について、順に説明する。
図5に示す(1)の「MI 0.4」は、図6に示すように、メカニカルインデックス(Mechanical Index)の値「MI値(単位:%)」である。MI値は、送信超音波が生体に及ぼす機械的作用に関する指標である。また、図5に示す(2)の「5S」は、図6に示すように、使用中のプローブ情報である。本実施形態に係る超音波診断装置は、図6に示すように、装置本体10に接続される超音波プローブ1がセクタプローブである場合には「S」、コンベックスプローブである場合には「C」、リニアプローブである場合には「L」、ペンシルプローブである場合には「P」をプローブ情報として用いる。なお、図5に示す(2)の「5」は、周波数帯域「5MHz」のセクタプローブが接続されていることを示す。
また、図5に示す(3)の「T3.6」は、図6に示すように、現在の周波数である。「T3.6」の「3.6」は、超音波プローブ1から送信されている超音波の中心周波数が「3.6MHz」であることを示している。また、「T3.6」の「T」は、THIが行なわれていることを示している。なお、本実施形態に係る超音波診断装置は、図6に示すように、CHIが行なわれている場合は、現在の周波数とともに「H」を用い、「differential THI」が行なわれている場合は、現在の周波数とともに「diffT」を用いる。
また、図5に示す(4)の「53 fps」は、図6に示すように、フレームレート(frame per second)である。また、図5に示す(5)の「G:80」は、図6に示すように、2D(2次元)のゲイン(gain)であり、図5に示す(6)の「DR:55」は、図6に示すように、2D(2次元)のダイナミックレンジ(dynamic gain)である。また、図5に示す(7)の模式図は、図6に示すように、ボディーマークであり、また、図5に示す(8)のバーは、図6に示すように、Cineマークである。図5の(8)では、表示されている超音波画像データが、動画再生中の画像データであり、動画データの1000番目のフレームであることを示している。
また、図5に示す(9)の目盛りは、図6に示すように、視野深度スケールマークである。(9)の目盛りは、図6に示すように、視野深度に応じて、スケールマークの間隔が変わるように、調整される。また、図5に示す(10)の矢頭は、図6に示すように、視送信超音波の焦点の位置を表すフォーカスマークであり、図5に示す(11)の矢頭は、超音波画像データの輝度に応じて割り振られたグレースケールの色彩を示すグレースケールバーである。
判別部17aは、図5及び図6を用いて説明した付帯情報が、出力用の医用画像データに重畳されている場合、当該医用画像データが超音波画像データであると判別する。
また、第2の方法において、判別部17aが用いる付帯情報としては、図7に例示する付帯情報も挙げられる。図7は、本実施形態に係る制御部17が、超音波画像データをモニタ2に表示する際に、超音波画像データに組み合わせる他の画像データの種類及び配置の一例を示している。制御部17は、図7に示す「画像表示領域」に、超音波画像データを配置する。図7に示す一例では、画像表示領域に、超音波画像データと上述した付帯情報(図5及び図6を参照)とが配置されている。なお、図7に例示する超音波画像データは、Bモード画像データとカラードプラ画像データとの重畳画像データである。
また、図7に示す一例では、「画像表示領域」の上に、「患者ID、患者名」、「性別・年齢」、「日付」、「時刻」、「病院名」、「プリセット(例えば、「Adult Heart」)」及び「検査者名」を表示する領域が配置される。また、図7に示す一例では、これらの領域の上に、更に、装置本体10から記憶媒体(DVDやCD)への書き込み状況を示す「DVD/CD書き込み状況」や、装置本体10に接続可能なDICMプリンタの接続状況を示す「DICOMプリンタステータス」、装置本体10のHDDの空き容量を示す「HDD空き容量」、送信超音波の音響パワー(Acoustic Power)の値を示す「音響パワー」を表示する領域が配置される。
また、図7に示す一例では、「画像表示領域」の左に、操作者が、超音波画像データの表示や保存、消去等の制御処理を行なうためのGUIを表示する領域である「制御領域」が配置される。また、図7に示す一例では、「制御領域」の下に、検査情報を操作者が入力するためのGUIを表示する領域である「検査領域」が配置される。また、図7に示す一例では、画像表示領域の下に、複数フレームの超音波画像データを縮小して表示する領域である「サムネイル領域」が配置される。また、図7に示す一例では、「検査領域」及び「サムネイル領域」の下に、装置本体10に接続される周辺機器の状態を示す「周辺機器ステータス」や、装置本体10に接続されている記憶媒体の情報等を示す「インフォメーション」、入力装置3が有するトラックボールの機能を設定する「トラックボールファンクションアイコン」が配置される。
判別部17aは、図7に例示する種類の画像データが、図7に例示する配置で合成された医用画像データが、モニタ2への出力用の画像データである場合、当該医用画像データが超音波画像データであると判別する。
また、第2の方法において、判別部17aが用いる付帯情報としては、図8に例示する付帯情報も挙げられる。図8は、本実施形態に係る制御部17が、穿刺アダプタが超音波プローブ1に取り付けられた場合に、超音波画像データに組み合わせる付帯情報及び模式図を示している。制御部17は、超音波プローブ1に取り付けられた穿刺アダプタの名前(穿刺アダプタ名)を取得する。また、制御部17は、穿刺アダプタ名に対応する穿刺角度から、超音波画像データに重畳するニードルマークの角度を取得する。そして、制御部17は、図8に例示するように、超音波画像データにニードルマークを重畳させ、超音波画像データの表示領域の上に、穿刺アダプタ名及びニードルマーク角度を付帯情報として重畳させる。図8に示す一例では、穿刺アダプタ名が「TG1」であり、ニードルマーク角度が「52°」であることを示す付帯情報が合成されている。
判別部17aは、図8に示す「穿刺に関する情報」が合成された医用画像データが、モニタ2への出力用の画像データである場合、当該医用画像データが超音波画像データであると判別する。
第3の方法を実行する場合、判別部17aは、モニタ2へ出力される画像データの輝度値を解析する。例えば、図7に例示するように、Bモード画像データとカラードプラ画像データとの重畳画像データが、モニタ2へ出力される医用画像データであるとする。かかる場合、医用画像データには、グレースケールで輝度値が割り当てられた領域と、赤色系や青色系、赤色系と青色系とを組み合わせたカラースケールで輝度値が割り当てられた領域とが混在する。また、図9に示すように、穿刺針が挿入された領域の超音波画像データには、高反射体である穿刺針に起因して、略直線状の高輝度領域が存在する。
判別部17aは、医用画像データの輝度を解析し、グレースケールで輝度値が割り当てられた領域と、カラースケールで輝度値が割り当てられた領域とが混在する場合や、略直線状の高輝度領域が存在する場合、当該医用画像データが超音波画像データであると判別する。
なお、判別部17aは、他種医用画像データの種類については、当該データに付与されている付帯情報から判別する。具体的には、判別部17aは、外部装置6からDICOM規格で標準化された他種医用画像データを取得していることから、当該医用画像データにDICOM規格に沿って付与されているタグを参照する。そして、判別部17aは、タグに基づいて、取得したデータがX線CT画像データ(又は、X線CTボリュームデータ)かMRI画像データ(又は、MRIボリュームデータ)であるかを判別する。
そして、図1に示す調整部17bは、判別部17aによる判別結果に基づいて、複数の医用画像データそれぞれを表示するために最適となる画像特性を取得する。例えば、内部記憶部16には、予め医用画像データの種類ごとに、最適な画像特性の情報が設定された画像特性テーブルが格納される。図10は、画像特性テーブルの一例を示す図である。例えば、画像特性テーブルは、図10に示すように、超音波画像データの最適な画像特性(画像特性US)が「ガンマ特性:γ2.2、輝度特性:低め、色温度:13000」であると記憶する。また、例えば、画像特性テーブルは、図10に示すように、X線CT画像データの最適な画像特性(画像特性CT)が「ガンマ特性:DICOMγ、輝度特性:高め、色温度:6500」であると記憶する。また、画像特性テーブルは、図10に示すように、MRI画像データの最適な画像特性(画像特性MRI)についても記憶する。
なお、図10に例示する画像特性は、あくまでも一例である。例えば、画像特性CTのガンマ特性は、S字のガンマ特性であっても良く、上に凸のガンマ特性であっても良い。また、図10に例示する画像特性テーブルは、観察を行なう操作者により、任意に変更可能である。
そして、図1に示す調整部17bは、取得した画像特性により各医用画像データがモニタ2において同時に表示されるように調整する。具体的には、調整部17bは、モニタ2への出力前に、複数の医用画像データそれぞれの画像特性を調整する。図11は、本実施形態に係る調整部の調整処理例を示す図である。
例えば、モニタ2のガンマ特性は、図11に示すように、リニアなガンマ特性に調整される。また、モニタ2の輝度特性及び色温度は、初期状態に調整される。かかる状態で、制御部17(判別部17a)は、画像生成部14が表示用に生成した各医用画像データの種類を通知する。また、制御部17(調整部17b)は、画像生成部14が表示用に生成した各医用画像データの種類に対応する画像特性を、画像生成部14に通知する。これにより、画像生成部14は、図11に示すように、画像特性USで調整した超音波画像データと、画像特性CTで調整したX線CT画像データとを生成し、モニタ2に出力する。リニアなガンマ特性等に調整されているモニタ2に同時に表示される2つの医用画像データは、画像特性USで調整した超音波画像データと、画像特性CTで調整したX線CT画像データとなる。
次に、図12を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置の処理の一例について説明する。図12は本実施形態に係る超音波診断装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図12に例示するように、本実施形態に係る超音波診断装置の判別部17aは、表示用の複数の医用画像データが入力されたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、入力されない場合(ステップS101否定)、判別部17aは、表示用の複数の医用画像データが入力されるまで待機する。
一方、表示用の複数の医用画像データが入力された場合(ステップS101肯定)、判別部17aは、各医用画像データの種類を判別する(ステップS102)。そして、調整部17bは、判別結果に基づいて、各医用画像データの最適画像特性を取得する(ステップS103)。そして、調整部17bは、画像生成部14に対して指示を行なうことで、各医用画像データが最適画像特性で表示されるように調整する(ステップS104)。
そして、モニタ2は、各医用画像データを最適画像特性で表示し(ステップS105)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、同時に表示する医用画像データの種類を自動で判別する。そして、本実施形態では、超音波画像であると判別した医用画像データを、超音波画像に最適な画像特性に自動調整し、表示する。また、本実施形態では、超音波画像以外の医用画像データについても、当該医用画像に最適な画像特性に自動調整し、表示する。すなわち、本実施形態では、複数の医用画像それぞれを、種類ごとに最適な画像特性でモニタ2に表示する。
同時表示機能は、組織学的分化度の判別のために組織を採取する場合や、RFAにより腫瘍を焼灼する場合に行なわれる穿刺に有効な機能である。すなわち、同時表示機能では、医師は、腫瘍境界が明確に描出されているX線CT画像と、超音波画像にて高輝度で描出される穿刺針とを参照して、焼灼範囲と腫瘍との位置関係をリアルタイムでモニタリングしながら、穿刺を行なうことができる。ここで、超音波画像は、Bモード画像であっても、血管が明瞭となった造影画像であっても良い。Bモード画像は、空間分解能が高く、細い穿刺針の針先が明瞭に描出されることから、穿刺針の視認性が高い。このため、Bモード画像と、同時表示機能で同時に表示されるX線CT画像とを参照することで、腫瘍の範囲を明確に判断することができる。また、造影画像は、空間分解能が高く、例えば、肝臓の浅いところから深いところまでコントラスト分解能が均一となり、医師は、造影画像と、同時表示機能で同時に表示されるX線CT画像とを参照することで、腫瘍の範囲をより明確に判断することができる。
本実施形態では、画像特性を医用画像ごとに最適とするので、同時表示機能を、有効活用することができる。また、本実施形態では、画像特性を医用画像ごとに最適とするので、一般的な多種類の医用画像を用いた比較読影も効率的に行なうことができる。その結果、本実施形態は、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断を有効に行なうことができる。
また、本実施形態では、超音波画像であるか否かの判別処理を、超音波画像特有の近距離形状や付帯情報、輝度値の特徴等、様々な方法で行なうので、判別精度を向上させることができる。なお、上記では、モニタ2に表示される複数の医用画像データが2つである場合について説明したが、本実施形態は、モニタ2に表示される複数の医用画像データが、例えば、超音波画像データ、X線CT画像データ及びMRI画像データである等、3つ以上である場合であっても適用可能である。
また、本実施形態で説明した処理は、以下に説明する変形例により実行されても良い。以下、本実施形態の変形例について、図13を用いて説明する。図13は、本実施形態の変形例を説明するための図である。
本変形例では、モニタ2において、複数の医用画像データそれぞれの画像特性を調整する。具体的には、本変形例では、上述した判別部17a及び調整部17bの機能を有する制御部21が、モニタ2に内蔵される(図13を参照)。制御部21の機能は、例えば、モニタ2に搭載されるグラフィックボートにより実現される。例えば、図13に示すように、制御部21は、画像生成部14から表示用の2つの医用画像データ(超音波画像データ及びX線CT画像データ)を取得する。そして、制御部21は、上述した判別部17aと同様の処理により、取得した2つの医用画像データの種類を判別する。そして、制御部21は、上述した調整部17bと同様の処理により、2つの医用画像データの種類に応じた画像特性を取得し、取得した画像特性により、各医用画像データが表示されるように調整する。すなわち、制御部21は、図13に示すように、画像特性USで調整した超音波画像データと、画像特性CTで調整したX線CT画像データとをモニタ2の画面にて表示させる。
かかる変形例によっても、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断を有効に行なうことができる。なお、本実施形態は、判別処理を装置本体10の内部で行ない、画像特性取得処理及び調整処理をモニタ2の内部で行なう場合であっても良い。また、本実施形態は、判別処理及び画像特性取得処理を装置本体10の内部で行ない、調整処理をモニタ2の内部で行なう場合であっても良い。
なお、上述した実施形態及び変形例では、超音波診断装置において画像特性の調整処理が行なわれる場合について説明した。しかし、上述した実施形態及び変形例で説明した処理は、超音波診断装置とは独立に設置された画像処理装置により行なわれる場合であっても良い。例えば、図1に示す制御部17の機能を有する画像処理装置が、超音波診断装置を含む各種医用画像診断装置、又は、PACSのデータベースや、電子カルテシステムのデータベースから受信した複数の医用画像データを受信して上述した処理を行なう場合であってもよい。また、かかる画像処理装置は、超音波画像データを含まない複数の医用画像データを用いて、種類の判別及び画像特性の調整処理を行なっても良い。
以上、説明したとおり、実施形態及び変形例によれば、超音波画像と超音波画像とは異なる種類の医用画像とを併用した画像診断を有効に行なうことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波プローブ
2 モニタ
3 入力装置
4 位置センサ
5 トランスミッター
6 外部装置
10 装置本体
11 送受信部
12 Bモード処理部
13 ドプラ処理部
14 画像生成部
15 画像メモリ
16 内部記憶部
17 制御部
17a 判別部
17b 調整部
18 インターフェース部
100 ネットワーク

Claims (8)

  1. 表示装置に対して表示用に出力される複数の医用画像データであって、少なくとも超音波画像データを含む複数の医用画像データそれぞれの種類を判別する判別部と、
    前記判別部による判別結果に基づいて、前記複数の医用画像データそれぞれを表示するために最適となる画像特性を取得し、取得した画像特性により各医用画像データが前記表示装置において同時に表示されるように調整する調整部と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記判別部は、少なくとも、前記複数の医用画像データそれぞれが、超音波画像データであるか、超音波画像データ以外の他の種類の他種医用画像データであるかを判別することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記判別部は、前記複数の医用画像データそれぞれの画像形状に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか他種医用画像データであるかを判別することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記判別部は、前記複数種類の医用画像データそれぞれに含まれる付帯情報に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか他種医用画像データであるかを判別することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  5. 前記判別部は、前記複数種類の医用画像データそれぞれの輝度値の特徴に基づいて、各医用画像データが超音波画像データであるか、他種医用画像データであるかを判別することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  6. 前記調整部は、前記表示装置への出力前に、前記複数の医用画像データそれぞれの画像特性を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
  7. 前記調整部は、前記表示装置において、前記複数の医用画像データそれぞれの画像特性を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
  8. 表示装置に対して表示用に出力される複数の医用画像データそれぞれの種類を判別する判別部と、
    前記判別部による判別結果に基づいて、前記複数の医用画像データそれぞれを表示するために最適となる画像特性を取得し、取得した画像特性により各医用画像データが前記表示装置において同時に表示されるように調整する調整部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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