JP6304729B1 - 構造物の外壁表面保護工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造物の外壁表面に水性エマルジョンを塗布しながら、耐水性が良好で、高強度及び高伸度であり、しかも外壁の曲げに対して追随性の良好な樹脂膜を形成する工法を提供する。【解決手段】 この工法に用いる水性エマルジョンは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中に、多価金属錯体及びカルボジイミド化合物が分散又は溶解しているものである。カルボジイミド化合物は、一分子中に2個以上のNCN基を持ち、且つ、NCN当量が300〜600のものである。また、多価金属錯体としては、炭酸ジルコニウムアンモニウムを用いるのがよい。かかる水性エマルジョンを、構造物の外壁表面に塗布し、その後、常温で放置しておくことによって水が蒸発して乾燥し、樹脂膜が形成される。【選択図】 図1

Description

本発明は、主としてビルやマンション等のコンクリート構造物の外壁表面保護工法に関し、特に外壁がタイル張りで構成されている構造物からタイルが剥落するのを防止するための外壁表面保護工法に関するものである。
従来より、タイル張りの外壁からタイルが剥落するのを防止するために、外壁表面に樹脂層を設けることが行われている。たとえば、特許文献1には、構造物の外壁表面に溶剤系樹脂溶液を塗布して透明樹脂層を形成することが記載されている(特許文献1、請求項1)。ここで、樹脂液としては、短繊維が分散されてなる溶剤系樹脂溶液が用いられている。溶剤系樹脂溶液の具体例としては、アクリル樹脂溶液、アクリルシリコーン樹脂溶液、アクリル共重合樹脂溶液、ウレタン樹脂溶液、シリコーン樹脂溶液、フッ素樹脂溶液が挙げられている(特許文献1、請求項3)。ここで溶剤系樹脂溶液を用いる理由は、水性エマルジョン形態のものは耐水性に劣るからである(特許文献1、段落0009、0010及び0015)。しかしながら、溶剤系溶液は作業者が溶剤を吸引することから、安全性の面では好ましくない。
一方、液状樹脂を主剤とし、この液状樹脂を硬化させる硬化剤とからなる二液型のものも提案されている(特許文献2)。しかしながら、二液型のものは、施工現場で主剤と硬化剤とを均一に混合する必要があり、作業者にとっては面倒な作業である。また、混合量を間違うと、所望の樹脂膜が得られないという危険もあった。
以上のことから、外壁表面保護工法に水性エマルジョンを用いることが要望されているが、水性エマルジョンを塗布して得られる樹脂膜は、耐水性や強伸度の面で劣るため、その要望は実現されていないというのが現状である。
特許第5608931号公報 特開2015−227541号公報
本発明の課題は、構造物の外壁表面に水性エマルジョンを塗布しながら、耐水性が良好で、高強度及び高伸度であり、しかも外壁の曲げに対して追随性の良好な樹脂膜を形成しうる、構造物の外壁表面保護工法を提供するものである。
本発明は、水性エマルジョンとして、特定の樹脂と特定の架橋剤とを含むものを採用することによって、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、構造物の外壁表面に樹脂液を塗布した後に乾燥させて樹脂層を設ける構造物の外壁表面保護工法において、前記樹脂液は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中に、炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム並びに一分子中に複数個のNCN基を持つと共にNCN当量が300〜600であるカルボジイミド化合物が分散又は溶解している水性エマルジョンであることを特徴とする構造物の外壁表面保護工法に関するものである。
本発明で用いる水性エマルジョンは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中に、多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム並びに一分子中に複数個のNCN基を持つと共にNCN当量が300〜600であるカルボジイミド化合物が分散又は溶解しているものである。ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂が粒径0.01〜5μm程度の液滴となって、水中に25〜40質量%程度の濃度で分散しているものである。ポリカーボネート系ウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとイソシアネートとを反応して得られるものである。ポリカーボネートポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオール等から誘導されるものが用いられる。また、イソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンイソシアネート又はリジントリイソシアネート等が用いられる。本発明で用いるポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンは、公知のものであって、多数市販されている中から適宜選択して用いればよい。
ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中には、多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム並びにカルボジイミド化合物が分散又は溶解している。多価金属錯体は、多価金属イオンに配位子が結合した化合物であって、本発明においては、炭酸ジルコニウムアルミニウム及び酸化亜鉛アンモニウムが単独で又は混合して用いられる。
多価金属錯体は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の架橋剤として機能するものである。すなわち、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の分子中のカルボニル基が多価金属イオンに配位結合して、分子間を架橋するものである。多価金属イオンに隣り合う分子中のカルボニル基が結合するので、分子間が密着して架橋されることになる。多価金属錯体は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン100質量部に対して、0.5〜5質量部程度溶解している。
カルボジイミド化合物も、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の架橋剤として機能するもので、一分子中に複数個のNCN基を持つ有機化合物である。すなわち、1個のNCN基に1個のカルボニル基が結合するものであり、複数個のNCN基により、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の複数の分子が結合して架橋するものである。カルボジイミド化合物の一例を一般式で挙げれば、化1に示すとおりである。
Figure 0006304729
(式中、R1、R2及びR3は有機基であり、好ましくは親水性有機基であり、nは2以上の整数である。)
また、本発明で用いるカルボジイミド化合物はNCN当量が300〜600である。NCN当量とは、NCN基1モル当たりの分子量のことである。たとえば、一分子中にNCN基を2個有すると共に、NCN当量が300のカルボジイミド化合物は、その分子量が24000となる。また、一分子中にNCN基を3個有すると共に、NCN当量が600のカルボジイミド化合物は、その分子量が72000となる。
本発明で用いるカルボジイミド化合物の具体例としては、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトV−02、V−02−L2、SV−02、V−04、V−10又はSW−12G等の水溶液タイプのものが挙げられる。また、エマルジョンタイプのものとして、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトE−02、E−03A又はE−05等を用いてもよい。カルボジイミド化合物は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン100質量部に対して、0.5〜3質量部程度溶解又は分散している。
架橋剤として多価金属錯体とカルボジイミド化合物を併用すると、ポリカーボネート系ウレタン樹脂は、分子間が密着して架橋された部位と分子間が離隔して架橋された部位を持つことになる。これを模式的で示せば、図1に示すとおりである。図1中の符号1はポリカーボネート系ウレタン樹脂の分子であり、Mは多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウムであり、Rはカルボジイミド化合物である。すなわち、カルボジイミド化合物は高分子量であって長鎖のものであるので、架橋間結合がルーズなものになる。一方、多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウムは低分子であるので、架橋間結合がタイトなものになる。このルーズな架橋とタイトな架橋の組み合わせによって、本発明に係る方法で得られる樹脂膜は、高強度で且つ外壁の曲げに対して追随性の良好なものとなるのである。
水性エマルジョン中には、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、多価金属錯体及びカルボジイミド化合物の他に、各種の添加剤が添加されていてもよい。水性エマルジョンに揺変性を付与するために、微粉末シリカ、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト又はアマイドワックス等の揺変剤を添加してもよい。また、水性エマルジョンの粘度を高めるために、セルロース、ポリエーテル系化合物、ポリグリコール系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ポリアクリル酸系化合物又はポリウレタン系化合物等の増粘剤を添加してもよい。さらに、水性エマルジョンを塗布して形成される樹脂膜の成膜性を向上させるために、アセチルトリブチルシトレート、ブチルベンジルフタレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2, 2, 4−トリメチル−1, 3−ペンタンジオールイソブチレート、トリアセチン、トリブトキシエチルフタレート又はジプロピレングリコール等の可塑剤を添加してもよい。これらの添加剤の添加量は任意であるが、一般的には0.5〜20質量部の範囲内である。
水性エマルジョンは、構造物の外壁表面に塗布される。構造物の外壁は、コンクリート、モルタル又はタイル張りで構成されているのが一般的である。水性エマルジョンを塗布する前に外壁にプライマー層を設けて外壁表面と水性エマルジョンで塗布して得られる樹脂膜との密着性を高めるのが一般的である。プライマー層は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等の溶液又はエマルジョンを塗布し乾燥して形成される。そして、プライマー層で形成された外壁表面に、水性エマルジョンを塗布した後に乾燥し樹脂膜を形成する。水性エマルジョンの塗布は複数回行うのが一般的である。すなわち、外壁表面に水性エマルジョンを塗布した後に乾燥させ、さらにその上に水性エマルジョンを塗布した後に乾燥させることを繰り返すのである。通常は、2〜4回の塗布を行う。そして、一週間程度養生することによって、樹脂膜の硬化が進行し、強靱な樹脂膜となるのである。
樹脂膜が透明であるのが、外壁表面の意匠上の観点から好ましい。水性エマルジョンを、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、多価金属錯体及びカルボジイミド化合物で構成し、添加剤として着色しにくいものを用いれば、樹脂膜を透明にすることができる。特に、添加剤のうち、揺変剤として微粉末シリカを用いると、樹脂膜の透明性が低下しにくくなる。樹脂膜を形成した後に、樹脂膜上に保護層を設けてもよい。保護層は、アクリル系樹脂又はシリコーン系樹脂の溶液又はエマルジョンを塗布することによって形成しうる。
本発明に用いる水性エマルジョンの塗布、乾燥及び養生によって得られる樹脂膜は、ポリカーボネート樹脂が架橋されてなり、この架橋は、低分子の多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウムによるタイトな架橋と高分子量で長鎖のカルボジイミド化合物によるルーズな架橋との組み合わせになっている。タイトな架橋によって樹脂膜に耐水性と高強度が与えられ、ルーズな架橋によって樹脂膜に外壁の曲げに対する良好な追随性が与えられる。したがって、本発明によれば、水性エマルジョンを用いながら、構造物の外壁表面を良好に保護でき、作業者にとって安全で且つ簡便に施工しうるという効果を奏するものである。
実施例1
[ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンの製造]
窒素導入管、温度計、コンデンサー及び攪拌装置の付いた4つ口セパラブルフラスコに、商品名「ニッポラン963」(日本ポリウレタン工業社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量:2000、水酸基価57.7mgKOH/g):120部、1,4−ブタンジオール:2部、2,2−ジメチロールブタン酸(水酸基価:754.0mgKOH/g):15部、4,4‘−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(イソシアネート基含有率(NCO含有率):32.0%):57.6部及びメチルエチルケトン:80部を配合し、80〜85℃の温度で窒素気流下6時間反応を行い、残存イソシアネート基が1.5%のカルボキシル基含有イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む反応混合物を得た。
次に、このカルボキシル基含有イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む反応混合物を40℃まで冷却した後、トリエチルアミン:12.3部を配合し、高速攪拌下にて、予めイソホロンジアミン:3.8部を脱イオン水:356部に溶解した水溶液を加えて、分散液を得た。この分散液を減圧下、45〜50℃でメチルエチルケトンを留去した後、脱イオン水により固形分を35.0%に調整し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
[水性エマルジョンの製造]
製造容器に、上記で製造したポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン100.0g、一分子中にNCN基を複数持つカルボジイミド化合物が水に溶解している水溶液(日清紡ケミカル株式会社製、カルボジライトV−02、NCN当量590)2.0gを仕込み、攪拌しながら炭酸ジルコニウムアンモニア1.0gを仕込み、さらにジメチルジクロロシラン処理疎水性フュームド微粉末シリカ(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL R974)10.0gを加え、微粉末シリカが分散した後にウレタン疎水会合型増粘剤(株式会社ADEKA製、アデカノール UH−756VF)1.0g及び可塑剤である2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート2.0gを加え均一になるまで攪拌し、水性エマルジョンを得た。
実施例2
日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトV−02に代えて、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトV−04(NCN当量335)を用いる他は、実施例1と同一の方法で水性エマルジョンを得た。
実施例3
炭酸ジルコニウムアンモニアに代えて、酸化亜鉛アンモニウムを用いる他は、実施例1と同一の方法で水性エマルジョンを得た。
比較例1
炭酸ジルコニウムアンモニアを用いない他は、実施例1と同一の方法で水性エマルジョンを得た。
比較例2
日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトV−02を用いない他は、実施例1と同一の方法で水性エマルジョンを得た。
実施例1〜3、比較例1及び2に係る水性エマルジョンを用いて得られる樹脂膜について、以下の物性を評価した。
(1)引張強度(MPa)及び引張伸度(%)
JIS A 6021に定める方法で、水性エマルジョンから樹脂膜を得て、試験片をダンベル3号形として、引張強度及び引張伸度を測定した。この結果を表1に示した。なお、樹脂膜を得る際の条件は、温度23±2℃及び相対湿度50±10%の雰囲気下で168時間養生したものである。
(2)面外曲げ性能
UR都市機構「保全工事共通仕様書 機材及び工法の品質判定基準仕様登録集 平成26年版」に準拠して実施した。すなわち、モルタル板(幅100mm×長さ600mm×厚さ30mm)を長手方向の中心部より2分割して、その破断面を付き合わせ型枠面側の上面にプライマー層を形成した。プライマー層は、1液溶剤形ウレタン樹脂プライマー(コニシ株式会社製、ボンド クリアプライマー)を用いて、塗布量を100g/m2とし、温度23±2℃で相対湿度50±10%にて4時間養生して形成した。次いで、実施例及び比較例に係る水性エマルジョンを1回当たりの塗布量を300g/m2とし、3回塗布した後に温度23±2℃で相対湿度50±10%にて168時間養生して樹脂膜を形成した。次いで、上記試験体の底面から速度5mm/minで載荷して4点曲げ試験を行った。荷重が490N又は変位が30mmとなるまで樹脂膜に破断のない場合を○、荷重が490N又は変位が30mmとなるまでに樹脂膜に破断があった場合を×とした。この結果を表1に示した。
(3)耐水性能
実施例及び比較例に係る水性エマルジョンを塗布及び乾燥して、約1mmの膜を作成し、温度23±2℃で相対湿度50±10%の雰囲気下で168時間養生して、膜の硬化を進行させた。この硬化した樹脂膜を水中に24時間浸漬した。そして、目視にて、白化が認められず透明性を損なわれていない場合を○、局所的に白化が確認できる場合を△、全体的に白化が認められ透明性が失われている場合を×として評価した。この結果を表1に示した。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
引張強度(MPa) 17.8 16.8 16.0 13.5 15.5
引張伸度(%) 460 400 380 380 350
面外曲げ性能 ○ ○ ○ × ×
耐水性 ○ ○ △ × △
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3に係る水性エマルジョンを用いて得られた樹脂膜は、耐水性が良好で引張強度に優れると共に面外曲げ性能に優れている。これに対して、比較例1に係る水性エマルジョンを用いて得られた樹脂膜は、耐水性、引張強度及び面外曲げ性能のいずれの性能も劣っている。また、比較例2に係る水性エマルジョンを用いて得られた樹脂膜は、引張強度及び面外曲げ性能の性能が劣っている。したがって、実施例1〜3に係る水性エマルジョンを構造物の外壁表面に塗布した後に乾燥させ、その後養生して樹脂層を設けて構造物の外壁表面を保護すると、構造物内部への雨水の侵入を良好に防止しうると共に、地震等による構造物の揺れに伴う外壁の変形に樹脂膜が良好に追随して破断しにくいため、特にタイル張りの外壁からタイルが剥落するのを防止しうるという効果を奏する。
樹脂膜中のポリカーボネート系ウレタン樹脂の架橋状態を模式的に表した模式図である。
1 ポリカーボネート系ウレタン樹脂の分子
M 多価金属錯体である炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム
R カルボジイミド化合物

Claims (9)

  1. 構造物の外壁表面に樹脂液を塗布した後に乾燥させて樹脂層を設ける構造物の外壁表面保護工法において、
    前記樹脂液は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中に、炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム並びに一分子中に複数個のNCN基を持つと共にNCN当量が300〜600であるカルボジイミド化合物が分散又は溶解している水性エマルジョンであることを特徴とする構造物の外壁表面保護工法。
  2. カルボジイミド化合物が水溶性である請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  3. 水性エマルジョン中に、揺変剤、増粘剤及び可塑剤よりなる群から選ばれる添加剤が含有されている請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  4. 樹脂層が透明である請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  5. 構造物の外壁がタイル張りである請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  6. 構造物の外壁表面がプライマー層で形成されており、該プライマー層面に樹脂液を塗布する請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  7. 樹脂層表面に保護層を設ける請求項1記載の構造物の外壁表面保護工法。
  8. ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョン中に、炭酸ジルコニウムアンモニウム及び/又は酸化亜鉛アンモニウム並びに一分子中に複数個のNCN基を持つと共にNCN当量が300〜600であるカルボジイミド化合物が分散又は溶解している水性エマルジョンよりなる、構造物の外壁表面に樹脂層を形成するために用いる樹脂液。
  9. カルボジイミド化合物が水溶性である請求項8記載の構造物の外壁表面に樹脂層を形成するために用いる樹脂液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009270035A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Asahi Kasei Chemicals Corp クリアー塗料用水性樹脂組成物
JP2014522301A (ja) * 2011-05-25 2014-09-04 ディバーシー・インコーポレーテッド 表面コーティングシステム並びにこれを作製及び使用する方法

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