JP6304641B1 - 一括練混ぜ方法と一括練混ぜ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なブリーディング率を維持した状態で、骨材と水を練混ぜする第一練混ぜ工程の処理時間を最小化できる。【解決手段】一括練混ぜ方法において、細骨材と水を前後してミキサーに放出して混練する第一練混ぜ工程と、セメント等を含む水硬性物質粉体をミキサーに放出して練混ぜする第二練混ぜ工程とを備えた。第一練混ぜ工程において、細骨材と水のミキサーへの放出開始が遅い方の放出開始時刻(Ts)より起算して、放出開始時刻(Ts)以降の細骨材または水の放出時間の半分の時間とそれぞれに続く第一練混ぜ工程の時間との合計が先に5秒になるタイミングを放出タイミング設定手段で検知する。そして、水硬性物質粉体をミキサー内に放出して第二練混ぜを行う。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリートやモルタルを製造するために必要な配合水と細骨材を、水硬性物質粉体の放出前に供給して練り混ぜる一括練混ぜ方法と一括練混ぜ装置に関する。
従来、コンクリートまたはモルタルの製造方法は、骨材にセメントと配合水を一括で放出して、練混ぜをする一括練混ぜ方法が一般に採用されている。一括練混ぜ方法は、特許文献1に記載の分割練混ぜ方法と比較して、製造が簡単でしかも短時間で製造できる。しかしながら、一括練混ぜ方法は各材料を十分に練り混ぜることができず、ブリーディング率及び強度のバラツキが比較的大きくなり、セメントの練りダマができやすいことが知られている。セメントに配合水を放出して練り混ぜしたスラリー状のセメントをセメントペーストという。
通常、一括練混ぜ方法でコンクリートを製造する場合、練混ぜ手順として、体積割合が大きく放出時間が比較的長い骨材を最初に放出し、ミキサーで撹拌しながら引き続いてセメントと配合水の全量を放出する場合が多い。ここで、セメントと水に着目すれば、その放出直後にセメントに過剰な水が遭遇して練混ぜが開始される部分が多く発生する。撹拌されながら、水が配合の水セメント比より過剰なセメントペースト部分からこれに隣接するより少ないセメントペースト部分に移動して広がる。更に混練することによって配合の水セメント比に次第に近づきながら均一化されていき、フレッシュコンクリートとして必要な流動性が得られる。
一括練混ぜでは、セメントの粉体塊と水の塊とが初期に混ざることになる部分が多く、混ざり合う初期のセメントペーストの水セメント比は変化の幅が大きく不安定となる。
このような一括練混ぜ方法によるコンクリートの製造方法に対して、コンクリートの特性を改善するために種々の製造方法が提案されている。例えば、セメントペーストの特性はキャピラリー状態で練り混ぜされたかどうかで大きく変わることに着目して、水を分割してキャピラリー状態で練り混ぜてから残りの水と混ぜてセメントペーストを作り、その後骨材と混ぜてコンクリートとする分割練混ぜ方法が提案されている。
また、この分割練混ぜ方法に対して、始めから骨材も放出しておいて骨材の周りでセメントをキャピラリー状態での練混ぜを行い、残りの水を放出してコンクリートとする分割練混ぜ方法なども提案されている。
この練混ぜ方法では、図11に示すように、配合水を一次水W1と二次水W2に分けて練り混ぜてセメントペーストを作るとき、一次水の水セメント比(W1/C)が25%付近でブリーディング率が極小値となり、この25%の水セメント比で得られた混練物をキャピラリー状態という。
また、図12は、セメントに一次水を5%ずつ追加して放出して練り混ぜた後、所定の水セメント比を55%としたときのブリーディング率を示す図である。水セメント比を凡例で示すように10%、30%、35%に設定して、一次水を5%ずつ放出していく。水セメント比10%の場合には水を増加させると、25%まではブリーディング率が改善して極小値のキャピラリー状態になる。さらに水を放出してもブリーディング率は増加せず極小値を維持する。
一方、水セメント比30%や35%の場合には、一次水を5%ずつ放出していってもブリーディング率の改善はみられない。このように、キャピラリー状態を経由する練り混ぜをしないセメントペーストのブリーディング率は小さくならない。
一方、一括練混ぜの場合にはセメントと水の塊が初期から混ぜられ、水セメント比25%付近のキャピラリー状態で練り混ぜられる部分は少ないと考えられる。
練混ぜ後に発生したブリーディング水はコンクリートやモルタルの骨材の間を水道(みずみち)を作りながら上昇する。この一部が頂部表面に行き着く前に骨材下面で拘束されて留まり、硬化後に骨材下面界面の欠陥(マイクロクラック等)の原因となり圧縮強度を低下させている。そのため、セメントペーストのブリーディング率が小さいほどコンクリートやモルタルの強度および耐久性を向上させることができる。
コンクリート等のブリーディング特性を改善する一括練混ぜ方法として特許文献2が提案されている。この一括練混ぜ方法は、ミキサー内に骨材と配合水を放出して練り混ぜする第一練混ぜ工程と、その後、水硬性物質粉体を放出して練り混ぜする第二練混ぜ工程とを行うことによりブリーディング特性を改善する。
この一括練混ぜ方法によれば、骨材表面および粒子間隙に配合水が分散されている状態を示す図13に示すように、予め骨材に配合水を放出して第一練混ぜすることで、骨材の表面全体を水で均等に且つ万遍なく分布させて濡らすことができる。その後、セメント等の水硬性物質粉体を供給して第二練混ぜをすると、骨材表面の均一な水とセメント粉体の塊とが混ざることで、水セメント比がキャピラリー状態より小さいフェニキュラー状態の部分(水セメント比が小さい部分)が多く発生すると考えられる。
更に、これらを練混ぜすることでセメント混練物がセメントのない骨材表面と接触して水セメント比を次第に大きくしながらセメント粉体が広がってゆき、水セメント比が均一化していく(図12参照)。この過程でセメント混練物がフェニキュラー状態からキャピラリー状態になる練混ぜが行われる部分が増加することで、ブリーディング率を改善することができるとされている。
ところで、生コンクリート製造工場では、一定の品質を確保したコンクリートを効率的に生産することが求められる。そのために一バッチの練混ぜ時間をできるだけ短くすることが必要である。
一方、前述した特許文献2に記載の一括練混ぜ方法は、ミキサー内で骨材と水の練混ぜを行う第一練混ぜ工程と、更にセメント等の水硬性物質粉体を放出して練り混ぜる第二練混ぜ工程とを行うことになっている。
しかも、第一練混ぜ工程では、砂と砂利からなる骨材をミキサーに放出し、その後に骨材とセメント等の水硬性物質粉体の量に応じた配合水の量を決定してミキサーに供給して第一練混ぜを行う。そして、骨材の表面全体に配合水を均一に付着させた後で水硬性物質粉体を放出して第二練混ぜ工程を行う。その際、骨材に水を放出して練り混ぜた上で水硬性物質粉体を放出するとキャピラリー状態の練混ぜ部分を多くすることができる。
特許第4781485号公報 特許第5663683号公報
しかしながら、このような特許文献2に記載の一括練混ぜ方法では、品質は改善できるが、従来の一括練混ぜ方法と比較して第一練混ぜ工程が増えた分だけ全体の練混ぜ時間が増加するので、第一練混ぜ工程の所要時間をより短縮化することが求められていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、良好なブリーディング率を維持した状態で、骨材と水を練り混ぜる第一練混ぜ時間を最小化して安定した品質が得られるようにした一括練混ぜ方法及び一括練混ぜ装置を提供することを目的とする。
本発明による一括練混ぜ方法において、通常、配合上必要な配合水は細骨材の表面水率換算で15〜20%程度になる。この水量は、細骨材では表面に均一に付着した水として維持できずに細骨材の粒子間の間隙を満たして空気中に滴り落ちる程度の量である。配合水が細骨材と撹拌されている状態では、水量が多いほど細骨材の粒子間の間隙の配合水が増えて、細骨材と配合水とが一体となって流動性が良い状態となる。
このように配合水が多いときには配合水は比較的早く細骨材の粒子間に広がる。この配合水の均一化のために必要な練混ぜ時間は、水量が小さいときに比べれば短くて済むと考えられる。水量が多いと放出時間は長くなるが、細骨材表面に付着する配合水の均一化のための練混ぜは容易になる。したがって、練混ぜ時間の評価は2材料が混ざりやすい状態であればなおさら正確な評価法が求められる。
練混ぜ工程での練混ぜ時間の評価では実際のミキサーの運転方法を考慮することが重要である。通常のコンクリート製造工場における練混ぜ方法の特徴は、一バッチの練り混ぜの間、ミキサーの撹拌翼が常時回転している状態で諸材料が放出(投入)されて撹拌や練混ぜが行われることである。
例えば2種類の着目する材料の練混ぜ処理では、あとから放出される材料がミキサーに放出されている間も練混ぜが行われる。練混ぜ時間を評価するには、材料の放出時間(放出設備または機械により時間が異なる)とその後の練混ぜ時間を考慮して決定する必要がある。
第一練混ぜ工程の目的はできるだけ骨材表面とその粒子間隙に水を均一に分布させることである。これにより、その後、セメント等の水硬性物質粉体を放出したときに水セメント比がキャピラリー状態になる水セメント比W/C(例えば、最適な水セメント比W/Cとして約25%)より小さい水セメント比W/Cから練混ぜを始める部分をより多く生成させることが好ましい。
一方、第一練混ぜ工程が短すぎると、骨材の表面に水を均一に分散できずに水塊が多く残り、セメント等の水硬性物質粉体が放出されたときに最適水セメント比W/Cより大きい水セメント比W/Cとなる部分ができ、特性の改善ができない部分が増加する。したがって、安定した品質を得るためには実用的な範囲で改善効果がある最短の第一練混ぜ工程の時間を求めることが必要となる。
この時、骨材の表面積が支配的な細骨材と配合水に着目し、均等に水を分散できているかどうかを判定することができる。また、ミキサーの回転翼を回転させながら材料を放出するので、放出時間も考慮して細骨材と水の実質練混ぜ時間の評価方法を求めることにより、第一練混ぜ工程の時間の最小化を行うようにした。
本発明による一括練混ぜ方法は、骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ方法において、細骨材と配合水を前後してミキサーに放出開始して混練する第一練混ぜ工程と、水硬性物質粉体をミキサーに放出して混練する第二練混ぜ工程とを備え、細骨材と配合水のいずれかミキサーへの放出開始時間が遅い方の放出開始時刻(Ts)より起算して、放出開始時刻(Ts)以降の細骨材または配合水の放出時間の半分の時間とそれに続く練混ぜ時間の合計が5秒となる時刻がより早い時刻以降に、水硬性物質粉体を放出して練り混ぜることを特徴とする。
本発明によれば、第一練混ぜ工程において、細骨材と配合水を前後してミキサーに供給して、細骨材及び配合水の遅い方の放出開始時刻(Ts)より起算して放出開始時刻(Ts)以降の細骨材または配合水の放出時間の半分の時間とそれに続く第一練混ぜの時間との合計が先に5秒になる時刻以降に、水硬性物質粉体を放出して第二練混ぜを行い、細骨材と配合水の2材料の放出とその後の第一練混ぜの合計時間を最小化することにより、第一練混ぜ時間を十分確保してブリーディング率を十分小さくできる。
本発明による一括練混ぜ方法は、骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ方法において、細骨材と配合水を前後してミキサーに放出開始して混練する第一練混ぜ工程と、水硬性物質粉体をミキサーに放出して混練する第二練混ぜ工程とを備え、ミキサーに細骨材と配合水を放出し、細骨材の含水率の変動係数が10%以下になるように練混ぜした後で、前記水硬性物質粉体をミキサーに放出して練り混ぜることを特徴とする。
本発明によれば、ミキサーに細骨材と配合水を放出開始して細骨材の含水率を変動係数10%以下となるように第一練混ぜを行うことで、ブリーディング率を小さく安定した状態で第二練混ぜを行うことができ、しかも細骨材と配合水の2材料の放出とその後の第一練混ぜの合計時間を短縮できる。
また、骨材の粗骨材は第一練混ぜ工程または水硬性物質粉体の放出終了後に放出されることが好ましい。
水硬性物質粉体と同時に粗骨材を放出すると、ミキサー内に硬化した水硬性物質粉体が付着して取り除き作業が大変になるためである。また、骨材中における粗骨材の表面積の割合は細骨材より小さいため、細骨材の放出が重要であり、粗骨材は水硬性物質粉体と同時に放出されることを避けてその前後にずらして放出されて十分に分散できればよい。
また、寒冷地において、冷却された細骨材と温度60℃超えの配合水をミキサーに放出して混練し、配合水が60℃以下となった状態で水硬性物質粉体を放出するようにしてもよい。
本発明では、コンクリートの練り上がり温度を例えば15℃以上に調節するには、配合水の温度を60℃超えの高温にして低温の細骨材と練混ぜすることで、配合水の温度を、水硬性物質粉体が急結を起こさない常温の60℃以下に調整して水硬性物質粉体と練り混ぜすることで練り上がり温度を調整したコンクリートまたはモルタルを生産できる。
本発明による一括練混ぜ装置は、骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ装置において、細骨材をミキサーに放出する細骨材供給手段と、配合水を前記ミキサーに放出する配合水供給手段と、水硬性物質粉体を前記ミキサーに放出する水硬性物質粉体供給手段と、細骨材と水のミキサーへの放出開始が遅い方の放出開始時刻(Ts)より起算して、放出開始時刻(Ts)以降の細骨材または配合水の放出時間の半分の時間とそれに続く第一練混ぜ時間との合計が先に5秒になる時刻を決定する放出タイミング設定手段とを備え、放出タイミング設定手段で設定した放出タイミング後に水硬性物質粉体供給手段から水硬性物質粉体を放出するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、放出タイミング設定手段で細骨材と配合水のミキサー内への放出時間の半分と第一練混ぜ時間の合計時間が先に5秒になる時刻を放出タイミング設定手段で決定した後に、水硬性物質粉体供給手段から水硬性物質粉体を放出することで、第一練混ぜ時間を最小化できてブリーディング率を十分小さくできる。
本発明による一括練混ぜ装置は、骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ装置において、細骨材をミキサーに放出する細骨材供給手段と、配合水をミキサーに放出する配合水供給手段と、水硬性物質粉体をミキサーに放出する水硬性物質粉体供給手段と、ミキサー内の細骨材の含水率の変動係数が10%以下になるよう第一練混ぜ時間により制御する変動係数制御手段とを備え、変動係数制御手段で第一練混ぜ時間を検知した後に、水硬性物質粉体供給手段によって水硬性物質粉体を放出して第二練混ぜを行うことを特徴とする。
本発明によれば、細骨材と配合水のミキサー内への放出時間の半分と第一練混ぜ時間の合計時間の経過によって、細骨材の含水率が変動係数10%以下になるように変動係数制御手段で検出して、水硬性物質粉体供給手段によって水硬性物質粉体をミキサーに放出することで、第一練混ぜ時間を最小化できて品質を安定させ、ブリーディング率を十分小さくできる。
本発明による一括練混ぜ方法及び一括練混ぜ装置によれば、先に細骨材と配合水をミキサーに放出して第一練混ぜをして細骨材の表面全体に水を均等に分布させた後で、セメント等の水硬性物質を放出して更に第二練混ぜをするため、第一練混ぜ時間を最小化できると共にブリーディング率を低減させて品質の安定したコンクリートやモルタルを製造することができる。
本発明の実施形態による一括練混ぜ方法を示すフローチャートである。 本発明の第一のケースを示すものであり、細骨材及び水の放出時間と第一練混ぜ時間の関係を示す図である。 本発明の第二のケースを示すものであり、水及び細骨材の放出時間と第一練混ぜ時間の関係を示す図である。 細骨材及び水の投入時間と練混ぜ時間との関係を示す説明図である。 細骨材含水率の変動係数と第一練混ぜ工程時間との関係を示すグラフである。 ブリーディング率の変動係数と第一練混ぜ工程時間との関係を示すグラフである。 ミキサー内の細骨材及び配合水のサンプリング位置を示す平面図である。 本発明の実施形態による一括練混ぜ装置の構成を示す図である。 図8に示す制御手段の構成を示すブロック図である。 第二実施形態による一括練混ぜ装置の制御手段のブロック図である。 水セメント比とブリーディング率との関係を示すグラフである。 累積水セメント比とブリーディング率との関係を示すグラフである。 水と細骨材を練混ぜしたものにセメントをして混錬する状態を示す模式図である。
まず、本発明の実施形態による一括練混ぜ方法の原理について説明する。
本発明による一括練混ぜ方法では、図1のフローチャートに示すように、最初に細骨材と配合水の全量を前後してまたは同時にミキサーに放出して第一練混ぜを行う。そして、セメント等の水硬性物質粉体を放出して第二練混ぜを行うことでコンクリートまたはモルタルが得られる。
水(配合水ということがある)を薄く均一に分布させるためには骨材に大きな表面積が必要である。骨材と水を練り混ぜてその骨材の表面に水を一様に分布させる際に、できるだけ大きな表面に薄く水を分散させた方が骨材の表面で水が保持され易くなり安定する。
骨材は粗骨材(砂利)と細骨材(砂)よりなるが、一般的な配合においては細骨材の表面積は骨材全体の表面積に対して約95%以上を占める。細骨材は粒子が細かいので表面積が大きく、しかも粗骨材に比べて粒子間の間隙が小さく、細骨材表面だけでなく粒子間の隙間にも水を保持できるという特性がある。一方、粗骨材の表面積は全体に対して5%以下であるので水の均一分布に対しては影響(効果)が小さい。そして、骨材の表面に水を均一に分散させるのには、細骨材と水の均一化のための練混ぜ時間の影響が大きい。
練混ぜ時にはミキサーの撹拌翼は連続して回転しており、材料の放出時にも練混ぜが行われる。各材料によってその放出時間は練混ぜプラントや配合に応じて事前に定めることができるので、第一練混ぜ工程の時間は細骨材と水の練混ぜ時間により規定することができる。これにより細骨材表面に均一に水を分散させることができているかどうかをより正確に設定できる。
第一練混ぜ工程での練混ぜは細骨材と水に着目すればよいのでその放出時間の長さと放出完了の順序の組み合わせのケースは図2及び図3に示すように2種のケースとなる。また、第一練混ぜ時間は、図4及び上記特許文献1に示すように、着目する材料の放出時間の半分とそれに引き続く練混ぜ時間の合計で規定することで、実態に最も近い練混ぜ時間とすることができる。即ち、投入時間Toに対する練混ぜ効果は直角三角形の面積に相当するため、実質的な有効練混ぜ時間Tは投入時間Toの1/2と練混ぜ時間T1の和(T=1/2To+T1)に相当する。
ただし、細骨材と水の二種類のみの材料に着目するので、本発明では、それぞれの材料について両方の材料がミキサーに放出されている状態となった後の放出時間の半分とそれに続く練混ぜ時間の和を比較し、早く5秒を完了する方を採用することとする。即ち、本発明では、細骨材と水のどちらかのミキサーへの放出開始が遅い方の放出開始より起算して、それ以降のそれぞれの材料放出時間の半分とそれに続く練混ぜ時間の合計が5秒になる時刻が早い方を第一練混ぜ工程の処理時間と規定することで、練混ぜ全体時間を最も短くできる。
ここで、第一練混ぜ工程を5秒以上とした根拠について以下に説明する。
ミキサーに細骨材と配合水を放出して細骨材の表面に一様に水を分布させるのに必要な練混ぜ時間を実験により求めた。実験の概要は以下のとおりである。
使用ミキサー:60リッターの二軸強制練りミキサー
細骨材は表面乾燥状態として使用した。
図2に示すケース1では、第一練混ぜ工程において、最初に細骨材をミキサー20に入れてミキサー20を回転させた状態で、時間Ts経過後から配合水を放出時間Toaに亘ってミキサー20に放出する。配合水放出終了後の練混ぜ時間をT1aとし、細骨材放出終了後の練混ぜ時間をT1bとした。ここでは、細骨材の放出時間(Tob−Ts)の半分とその後の練混ぜ時間T1bの合計を第一練混ぜ工程の時間{(Tob−Ts)/2+T1b}とした。
図3に示すケース2では、第一練混ぜ工程において、最初に約20%の含水率に相当する配合水をミキサー20に入れてミキサー20を回転させた状態で、時間Ts経過後から細骨材を放出時間Tobに亘ってミキサー20に放出する。配合水放出終了後の練混ぜ時間をT1aとし、細骨材放出終了後の練混ぜ時間をT1bとした。ここでは、配合水の放出時間(Toa−Ts)の半分とその後の練混ぜ時間T1aの合計を第一練混ぜ工程の時間{(Toa−Ts)/2+T1a}とした。
ケース1及びケース2において、所定の第一練混ぜ工程の時間毎に平面視したミキサー20の各四隅と中央の5点e1〜e5で細骨材を試料としてそれぞれ採取し(図7参照)、細骨材の含水率を測定した。
ケース1及びケース2でそれぞれ測定した第一練混ぜ工程時間における細骨材の含水率の変動係数を求めた。その結果を細骨材含水率の変動係数(%)と第一練混ぜ工程の時間(秒)として図5に示す。図5に示す結果から、約5秒程度で変動係数が10%以下になることが判明した。しかも、図5から細骨材の表面の含水率の変動係数が10%以下であればそれ以前の急峻な傾きと比較して時間に対する変化が緩やかになり、その後のコンクリートおよびモルタルの練混ぜの性状は安定すると考えられる。
また、上記の各実験サンプルについて、よく練り混ぜられているかどうかの指標となるブリーディング率についても第一練混ぜ工程毎に複数回の試験を行った。
試験の概要は以下の通りである。
細骨材と水の混練を第一練混ぜ工程の時間毎に行い、その後セメント等の水硬性物質粉体を放出して練混ぜ後の水セメント比55%のモルタルを製造し、ブリーディング率を測定した。
所定の第一練混ぜ工程の時間毎に図7に示すミキサー20の平面視における四隅と中央の5点における細骨材を試料として採取し、それぞれのブリーディング率を計測した。
その結果を図6に示す。
図6において、第一練混ぜ工程の時間が増加する毎にブリーディング率の変動係数が低下していき、約5秒でその前後の傾きが大きく変化する変曲点が得られた。第一練混ぜ工程の時間が5秒までは変動係数の変化が急峻であり、5秒以降ではブリーディング率の変化が小さく穏やかになり安定する傾向になるといえる。そのため、第一練混ぜ工程時間が変曲点である5秒以上であれば細骨材と配合水がよく練り混ぜられたブリーディング率が小さい状態にあると判断できる。
また、本発明による一括練混ぜ方法において、第一練混ぜ工程の目的は細骨材と水の均一な練混ぜ処理にあるが、そのために、コンクリートの練混ぜ方法ではまずこの工程を行うことが重要である。粗骨材を放出するのはそのあとでも良い。セメントと水を混ぜる工程では、ミキサーの撹拌翼から粗骨材を介して練混ぜエネルギーが広範に伝達されて効率的なペーストの練混ぜができるのでセメント等の水硬性物質粉体の放出までに粗骨材を放出して混練をするのが望ましい。
また、図3のケース2に示すように最初に配合水をミキサー内に放出してもよいが、細骨材との練混ぜは効率的ではなく、細骨材に水を後から放出するのが効率的である。その上で、細骨材中の配合水の分布を均一化するのが最も効率的である。安定した練り混ぜを可能とするために、その均一性を規定できることが望ましい。しかしながら、図3のケース2のように先に配合水を放出して時間Ts経過後に細骨材を放出して練り混ぜる処理を行うことも本発明に含まれる。
図5と図6の関係から、練混ぜが実用的に十分であることをブリーディング試験で確認できたので、第一練混ぜ工程の時間を5秒以上とし、このタイミングでの細骨材の含水率の変動係数を10%以下に保持することができる。したがって、短時間で細骨材と配合水の練混ぜによる均一性を得られる大きさを細骨材の含水率の変動係数10%以下の場合に設定した。
本明細書で用いる用語について説明すると、水硬性物質粉体とは、水と水和反応により硬化して水に溶けない物質となる粉体をいうものである。水硬性物質粉体のうち、水硬性反応が早いものとしてセメント、水硬性反応が比較的遅いものとして高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等がある。水硬性反応がないものとして石灰石微粉末等がある。これらは混和材である。これらセメント以外の適宜の水硬性物質をセメントに混ぜて全体を水硬性物質粉体として用いることができる。
水硬性物質粉体は、セメント単独からなるもの、或いはセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石微粉末のうちの少なくとも1または複数の種類を添加して混合させた混合粉体からなるもののいずれかを用いるものとする。そのため、混和材粉末サイロにはセメントに代えて混合材料からなる水硬性物質粉体が貯留されていてもよく、本明細書ではセメントのみの場合を含めて水硬性物質粉体という。
キャピラリー状態とは、骨材表面に付着した水とセメントの水粉体比が小さくペーストの粒子間が水で満たされ、粒子間の結合力が最も強くなり、練混ぜエネルギーが最大になる状態をいう。そのため、ミキサーによる練混ぜトルクも大きくなる。
また、フェニキュラー状態とは、キャピラリー状態より粉体粒子間に含まれる水分が少なく気泡等が残留可能であり、粒子間の結合力がキャピラリー状態より小さい状態をいう。
次に上述した本発明の原理に基づく、実施の形態による一括練混ぜ装置1と一括練混ぜ方法について添付図面を参照して説明する。
図8は本発明の第一実施形態による一括練混ぜ装置1を示すものである。
図8に示す一括練混ぜ装置1は、コンクリートまたはモルタルを本発明による練混ぜ方法によって製造するためのバッチャープラントであり、例えばタンクローリー車から供給される水硬性物質粉体としてのセメントを貯留するセメントサイロ2と、同じく水硬性物質粉体に含まれる混和材粉末を貯留する混和材粉末サイロ3とを備えている。セメントサイロ2のホッパと混和材粉末サイロ3のホッパから供給されるセメントと混和材粉末をスクリュウフィーダ4を介して水硬性物質粉体計量ホッパ5に供給することになる。
また、天井クレーン7等で搬送される細骨材である砂を細骨材貯留ホッパ8に貯留し、更にベルトコンベアを介して細骨材計量ホッパ9に供給する。更に、天井クレーン7等で搬送される粗骨材である砂利を粗骨材貯留ホッパ10に貯留し、ベルトコンベアを介して粗骨材計量ホッパ11に供給する。水タンク13に貯留された水は水計量ホッパ14(水計量手段)に貯留する。混和材タンク16に貯留された混和材は計量タンク17を介して水計量ホッパ14に供給することになる。
これら水硬性物質粉体計量ホッパ5、細骨材計量ホッパ9、粗骨材計量ホッパ11、水計量ホッパ14では、計量された各材料を制御手段18によって選択的にミキサー20に供給してミキシングを行うようになっている。ミキサー20は例えば二軸強制練りミキサーを備えている。
水計量ホッパ14には、例えばモルタルまたはコンクリートの練混ぜのための総量である配合水(全水)Wが貯留されており、配合水Wは、供給される骨材とセメント等の水硬性物質の各量に対応する配合水の量Wを決定してミキサー20に供給するように、図示しないロードセル等で計量してバルブを開閉制御する。
また、図9において、制御手段18には、細骨材供給手段21と粗骨材供給手段22と配合水供給手段23と水硬性物質粉体供給手段24とを備えている。細骨材供給手段21は、調整練混ぜのために、細骨材計量ホッパ9において所定量の砂を計量してミキサー20に供給させ、粗骨材供給手段22では所定量の砂利を計量してミキサー20に供給させる。
配合水供給手段23は予め決定された骨材とセメントを含む水硬性物質粉体とに応じて設定された配合水の全量Wを予め決定しておくものとする。配合水供給手段23による指示信号を水計量ホッパ14に送信して配合水Wを計量してミキサー20に供給させる。水硬性物質粉体供給手段24では、練混ぜの際に水硬性物質粉体計量ホッパ5でセメントや混和材粉末等を計量してミキサー20に供給させる。
細骨材供給手段21と配合水供給手段23によって細骨材と配合水Wをミキサー20に供給した状態で、ミキサー20を第一練混ぜする。更に第一練混ぜ工程または第二練混ぜ工程の適宜のタイミングで粗骨材供給手段22からミキサー20に粗骨材が放出されて良く混練される。
そして、図2、図3において、細骨材の放出開始時刻と配合水の放出開始時刻の遅い方のタイミング(放出開始時刻)Tsから起算して、各放出時間の1/2の時間と練混ぜ時間T1b、T1aの合計が5秒になる時間をそれぞれ放出タイミング設定手段26で決定し、早い方のタイミングで水硬性物質粉体を放出するよう水硬性物質粉体供給手段24に指示する。細骨材と配合水のいずれを先にミキサー20に放出するか、その際の放出の時間差Tsの大きさをどう設定するかは、各一括練混ぜ装置1の作業者がミキサー20の特性や練混ぜ特性等を考慮して適宜設定することができる。
水硬性物質粉体供給手段24の指示により水硬性物質粉体を水硬性物質粉体計量ホッパ5からミキサー20に供給した状態で、ミキサー20を第二練混ぜすることでモルタルまたはコンクリートを生産する。なお、ミキサー20は通常、全行程において撹拌翼が回転しており、各材料の放出タイミングで工程が切り換えられる。
本実施形態による一括練混ぜ装置1は上述の構成を備えており、図1に示すフローチャート及び図2及び図3に示すミキシングチャートに沿って本実施形態による練混ぜ方法について説明する。
本実施形態による一括練混ぜ装置1によって例えばコンクリートを製造する場合、図1及び図2に示すように、砂の供給量を決定して細骨材供給手段21によって、細骨材計量ホッパ9で所要量の砂を計量して撹拌翼が回転しているミキサー20に投入する(ステップ101)。次いで、適宜の放出開始時間Tsだけ遅れて配合水供給手段23により配合水を水計量ホッパ14で計量してミキサー20に放出する(ステップ102)。次いで、第一練混ぜを行う(ステップ103)。
次に、配合水放出タイミング(放出開始時点)Tsから起算して、配合水と細骨材の放出時間の各半分の時間とその後の第一練混ぜ時間の合計が5秒になる時間を演算すると、配合水は{Toa/2+T1a}、細骨材は{(Tob−Ts)/2+T1b}となる。このうちのより早く到達するタイミングが例えば先に放出した細骨材の場合とすると、第一練混ぜ時間は{(Tob−Ts)/2+T1b}=5秒となる。
この第一練混ぜ時間の終了タイミングを制御手段18の放出タイミング設定手段26で決定し、水硬性物質粉体供給手段24に水硬性物質粉体をミキサー20に放出するよう指示する。しかも、例えば各材料の放出工程及び第一練混ぜ工程が完了する前に放出タイミング設定手段26から粗骨材供給手段22に信号を出力して粗骨材をミキサー20に放出して練混ぜを行い、第一練混ぜが完了するように制御する。なお、モルタルの場合には粗骨材を放出しない。
本実施形態によれば、ブリーディング率の小さいコンクリートまたはモルタルを比較的短時間で生産することができる。
また、他の例として、細骨材より配合水を先にまたは同時にミキサー20に放出する場合について、図3により説明する。
即ち、図3において、先に配合水供給手段23により配合水を水計量ホッパ14で計量してミキサー20に放出する。そして、放出開始時間Tsだけ遅れて、細骨材供給手段21からの指示信号によって所要量の細骨材をミキサー20に放出することで第一練混ぜを行う。
次に、細骨材放出タイミング(放出開始時刻)Tsから起算して、配合水と細骨材の放出時間の各半分の時間とその後の第一練混ぜ時間の合計が5秒になる時間を演算すると、配合水は{(Toa−Ts)/2+T1a}、細骨材は{Tob/2+T1b}となる。このうちのより早く到達するタイミングが例えば先に放出した配合水の場合とすると、第一練混ぜ時間は{(Toa−Ts)/2+T1a}=5秒となる。この第一練混ぜ時間の終了タイミングを放出タイミング設定手段26で決定して、水硬性物質粉体供給手段24に指示信号を出力して水硬性物質粉体をミキサー20に放出してもよい。
また、一台のミキサー20で連続して異なる配合を練り、練混ぜ量が変化するとき、例として以下のような方法で放出タイミング設定手段26で時刻を決定して水硬性物質粉体をミキサー20に放出することもできる。例として、放出タイミング設定手段26で時刻を決定する方法を示すが、これに限定されるものではない。
(1)Toa、Tobの終了を材料ホッパーのロードセルで検出して、電磁バルブ作動時間等の変動要素を考慮してT1a、T1bを演算し、早く5秒に到達する時刻を求めて決定する。
(2)配合と一バッチあたりの練り量の変化の組み合わせに対するTs、Toa、Tob、T1a、T1bをデータとして保持して早く5秒に到達する時刻を決定する。
しかも、例えば各材料の放出工程に続く第一練混ぜが完了する前に放出タイミング設定手段26から粗骨材供給手段22に信号を出力して粗骨材をミキサー20に放出して練り混ぜを行い、第一練混ぜが完了するように制御することもできる。
本実施形態においても、比較的短時間でブリーディング率の小さいコンクリートまたはモルタルを生産することができる。
なお、図2及び図3に示す場合以外に配合水と細骨材を同時に放出するように設定してもよく、この場合でも図2及び図3に示す場合と同等に一括練混ぜを行える。
上述したように本第一実施形態による一括練混ぜ装置1及び一括練混ぜ方法によれば、ブリーディング率を小さくできると共に細骨材及び配合水の放出タイミングと第一練混ぜ時間を短時間に調整できるため、練混ぜ時間を短縮化できる上にコンクリートやモルタルの品質を安定させることができる。
なお、本発明による一括練混ぜ方法と一括練混ぜ装置1は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等を行うことができ、これらはいずれも本発明の範囲に含まれる。以下に本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した第一実施形態における部材、部品と同一または同様な部材、部品等については同一の符号を用いて説明を行う。
次に本発明の第二実施形態による一括練混ぜ方法と一括練混ぜ装置1Aについて図10により説明する。
本第二実施形態による一括練混ぜ方法では、細骨材の放出から所定時間Ts遅れて放出する水の放出時間Toaの半分とその後の第一練混ぜ時間T1aの合計(Toa/2+T1a)を第一練混ぜ工程時間とした。そして、所定の第一練混ぜ工程時間毎に図7に示すミキサー20内の平面視における四隅と中央の5点e1,e2……e5の細骨材を試料として採取して、各々の含水率を測定した。ミキサー20を回転させながら配合水の含水率に相当する水を放出する時間を変化させた。また、それぞれの第一練混ぜ工程時間に対する変動係数を求めた。
そして、第一練混ぜ時間が5秒程度で細骨材含水率の変動係数が10%以下になることが判明した。細骨材の表面水の変動係数が10%以下であればブリーディング率が小さくなり、その後のコンクリート及びモルタルの練混ぜの性状は安定すると考えられる。
本第二実施形態において、第一練混ぜ工程は5秒以上の規定によらない。配合水が通常(含水率20%程度)と異なる特殊な配合の場合に適用される。
そのため、本第二実施形態による一括練混ぜ装置1Aでは、第一実施形態による制御手段18内に変動係数制御手段30と放出タイミング設定手段26が設けられている。通常の配合のコンクリートに比べて高強度コンクリート等のように配合水が少ない場合には含水率の変動係数が10%以下になるために必要な第一練混ぜ工程の時間が長くなる。
この時は、予め試験により第一練混ぜ工程の時間を求め、水の放出時間Toaの半分とその後の第一練混ぜ時間T1aによって第一練混ぜ時間(Toa/2+T1a)を用いて、変動係数制御手段30で変動係数が10%以下になると認定する。そして、放出タイミング設定手段26によって水硬性物質粉体供給手段24に信号出力し、水硬性物質粉体をミキサー20に放出させて第二練混ぜを行うように設定した。
本実施形態による一括練混ぜ方法によれば、図2に示す配合水放出開始時Tsとの関係で細骨材の放出時間の半分{(T0b−Ts)/2}とその後の練混ぜ時間(T1b)}の合計{(T0b−Ts)/2+T1b}が第一練混ぜ工程の所定の時間となるタイミングを変動係数制御手段30で設定し、放出タイミング設定手段26によって水硬性物質粉体供給手段24に信号出力し、水硬性物質粉体計量ホッパ5からミキサー20に水硬性物質粉体を出力して第二練混ぜを行う。
しかも、一例として細骨材及び配合水の放出工程に続く第一練混ぜ工程が完了する前に粗骨材供給手段22により粗骨材をミキサー20に放出して練混ぜを行い、第一練混ぜが完了するように制御してもよい。
本第二実施形態では、細骨材の含水率の変動係数が10%以下であるため、その後のコンクリートおよびモルタルの練混ぜの性状は安定すると考えられ、比較的短時間でブリーディング率の小さいコンクリートまたはモルタルを生産することができる。
また、他の例として、細骨材より配合水を先にまたは同時にミキサー20に放出するようにしてもよい。
即ち、図3において、先に配合水供給手段23からの指示信号により配合水を水計量ホッパ14で計量してミキサー20に放出する。そして、時間Tsだけ遅れて、細骨材供給手段21からの指示信号によって所要量の細骨材をミキサー20に投入することで第一練混ぜを行う。
次に、一台のミキサー20で連続して異なる配合を練り、練混ぜ量が変化するとき変動係数制御手段30により撹拌されている細骨材の含水率の均一性を検出して、放出タイミング設定手段26で水硬性物質粉体をミキサー20に放出することもできる。例として、変動係数制御手段30による検出方法を示すが、これに限定されるものではない。
(1)ミキサー20の槽壁の内面の細骨材が接する場所に水分計(例えばマイクロ波水分計)を設置し、連続的計測により計測値の時間当たりの変動が小さくなることを検出する。
(2)配合水の温度と細骨材温度との差を大きくする等、細骨材温度分布が含水率に関係を持たせる手立てをとり、赤外線温度計により骨材温度分布の均一性を検出する。
(3)中性子などのRIを使用してミキサー20内の細骨材の水分量を計測して、分布の均一性もしくは時間当たりの変動を検出する。
この第一練混ぜ工程の終了タイミングを変動係数制御手段30で検出すると、図5に示すように、第一練混ぜ工程時間が約5秒程度経過することでミキサー20内の細骨材含水率の変動係数が10%以下になる。
上述のように本第二実施形態による一括練混ぜ装置1A及び一括練混ぜ方法においても、細骨材含水率の変動係数を10%以下にすると共にブリーディング率を小さくできる。しかも、細骨材及び配合水の放出タイミングと第一練混ぜ時間を短時間に調整できるため、練混ぜ時間を短縮化できる上にコンクリートやモルタルの品質を安定させることができる。
次に上述した各実施形態による一括練混ぜ装置1、1A及び一括練混ぜ方法の変形例について説明する。本発明による一括練混ぜ方法によれば、コンクリートの練り上がり温度の調節が容易にできる。
例えば、寒帯や亜寒帯(冷帯)等の寒冷地においては冬に大気温が氷点下になる。このような環境下でコンクリートを正常に練り上げるためには、コンクリートの練り上がり温度を例えば15度以上に調節することが望ましい。そのためには、材料である骨材、セメント、水の温度を練混ぜ前に加温することが望ましい。
これらの内、水を温度調節することが、コンクリート、モルタルの練り上がり温度を調節するのに最も効果がある。セメントは常温(60℃以下)の範囲を超える水と直接混ぜ合わせると急結を起こすため好ましくない。そのため、従来の一括練混ぜ方法によれば、練混ぜにおいて、60℃以下の水と細骨材をセメントと共にミキサー20に放出して練り混ぜることで対応している。
しかしながら、本発明のように、第一練混ぜ工程において、最初に水を細骨材と確実に混ぜ合わせる工程を用いることができれば、水の温度を例えば80℃のように60℃よりも更に高温のものを使用しても、セメント等の水硬性物質粉体と水(湯)が混ざる前の第一練混ぜ工程で水が細骨材と混練されることによって60℃以下に冷やされる。そのため、セメント等の水硬性物質粉体を、細骨材と練り混ぜられた配合水と常温(60℃以下)の範囲で練り混ぜることができる。
したがって、本実施形態による一括練混ぜ方法を採用すれば、寒冷地であっても、コンクリートの練り上がり温度を効果的に上げるために高温の水(熱湯)が使用できる。そして、寒中コンクリートの温度調節が容易になる。
また、高温の炎天下において、細骨材が65℃になるほど熱せられている場合でも、本実施形態による一括練混ぜ方法では、熱い細骨材とセメント等の水硬性物質粉体は直接練り混ぜられることがない。高温の細骨材は低温の配合水と練り混ぜることで温度が低下するため、セメント等の水硬性物質粉体の凝結を防ぐことができて、コンクリートのフレッシュ性状が変化することを防いで強度変動を防止できる。
このように、本発明による一括練混ぜ方法を行うことにより、寒冷地や炎天下の環境下であっても、コンクリートの品質の安定を確保できて良好なコンクリートやモルタルを生産できる。
1、1A 一括練混ぜ装置
18 制御手段
20 ミキサー
21 細骨材供給手段
22 粗骨材供給手段
23 配合水供給手段
24 水硬性物質粉体供給手段
26 放出タイミング設定手段
30 変動係数制御手段

Claims (6)

  1. 骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ方法において、
    細骨材と配合水を前後して前記ミキサーに放出開始して混練する第一練混ぜ工程と、
    前記水硬性物質粉体を前記ミキサーに放出して混練する第二練混ぜ工程とを備え、
    前記細骨材と配合水のいずれか前記ミキサーへの放出開始時間が遅い方の放出開始時刻より起算して、前記放出開始時刻以降の前記細骨材または配合水の放出時間の半分の時間とそれに続く練混ぜ時間の合計が5秒となる時刻がより早い時刻以降に、
    前記水硬性物質粉体を放出して練り混ぜることを特徴とする一括練混ぜ方法。
  2. 骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ方法において、
    細骨材と配合水を前後して前記ミキサーに放出開始して混練する第一練混ぜ工程と、
    前記水硬性物質粉体を前記ミキサーに放出して混練する第二練混ぜ工程とを備え、
    前記ミキサーに細骨材と配合水を放出し、前記細骨材の含水率の変動係数が10%以下になるように練混ぜした後で、前記水硬性物質粉体をミキサーに放出して練り混ぜるようにしたことを特徴とする一括練混ぜ方法。
  3. 前記骨材の粗骨材は前記第一練混ぜ工程または前記水硬性物質粉体の放出終了後に放出するようにした請求項1または2に記載された一括練混ぜ方法。
  4. 前記細骨材と温度60℃超えの配合水を前記ミキサーに放出して混練し、配合水が60℃以下となった状態で前記水硬性物質粉体を放出するようにした請求項1から3のいずれか1項に記載された一括練混ぜ方法。
  5. 骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ装置において、
    細骨材を前記ミキサーに放出する細骨材供給手段と、
    前記配合水を前記ミキサーに放出する配合水供給手段と、
    前記水硬性物質粉体を前記ミキサーに放出する水硬性物質粉体供給手段と、
    前記細骨材と配合水の前記ミキサーへの放出開始が遅い方の放出開始時刻より起算して、前記放出開始時刻以降の前記細骨材もしくは配合水の放出時間の半分の時間とそれに続く第一練混ぜの時間との合計が先に5秒になる時刻を計測する放出タイミング設定手段と、を備え、
    前記放出タイミング設定手段で設定した放出タイミング後に前記水硬性物質粉体供給手段から前記水硬性物質粉体を放出するようにしたことを特徴とする一括練混ぜ装置。
  6. 骨材とセメント等の水硬性物質粉体と配合水とをそれぞれミキサーに放出して練り混ぜてモルタルまたはコンクリートを製造する一括練混ぜ装置において、
    細骨材を前記ミキサーに放出する細骨材供給手段と、
    前記配合水を前記ミキサーに放出する配合水供給手段と、
    前記水硬性物質粉体を前記ミキサーに放出する水硬性物質粉体供給手段と、
    前記ミキサー内の前記細骨材の含水率が変動係数10%以下になるよう第一練混ぜ時間を制御する変動係数制御手段とを備え、
    前記変動係数制御手段で検出した前記第一練混ぜ時間が経過した後に、前記水硬性物質粉体供給手段によって水硬性物質粉体を放出して第二練混ぜを行うことを特徴とする一括練混ぜ装置。
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