JP2002127128A - コンクリートの製造方法及びコンクリートの製造装置 - Google Patents

コンクリートの製造方法及びコンクリートの製造装置

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JP2002127128A JP2000324974A JP2000324974A JP2002127128A JP 2002127128 A JP2002127128 A JP 2002127128A JP 2000324974 A JP2000324974 A JP 2000324974A JP 2000324974 A JP2000324974 A JP 2000324974A JP 2002127128 A JP2002127128 A JP 2002127128A
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に得られる小型の砂利、砂、セメント
等の計量機により、大きな容積のコンクリートミキサ車
で高品位のコンクリートを直接製造することができる、
コンクリートの製造方法を提供する。 【解決手段】 砂利、砂およびセメントからなるコンク
リート原料と、混練水と混和剤とを複数回のバッチに分
けてコンクリートミキサ車のドラムに投入して該ドラム
を高速回転駆動して、前記コンクリートミキサ車におい
て所要のコンクリートを得るとき、先行するバッチにお
いては、コンクリート原料は計量した全量を、混練水と
混和剤は前記計量したコンクリート原料に対する配合量
から所定量を減じた量を投入して練り混ぜ、最終バッチ
においては、コンクリート原料は計量した全量を、混練
水と混和剤は前記計量したコンクリート原料に対する配
合量から所定量を減じた量を投入して練り混ぜ、その後
先行する各バッチと最終バッチにおいて減じた所定量の
全量を投入して混練し、所要のコンクリートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂利、砂、セメン
トからなるンクリート原料と、混練水と混和剤とを複数
回のバッチに分けてコンクリートミキサ車のドラムに直
接的に投入して該ドラムを回転駆動して、前記コンクリ
ートミキサ車のドラムにおいて所要のコンクリートを得
るコンクリートの製造方法及びこの方法の実施に使用さ
れるコンクリートの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコンクリート製造装置すなわちバ
ッチャープラントは、図9に示されているように、所定
高さに配置されたコンクリート混練用ミキサ50を備え
ている。そして、このコンクリート混練用ミキサ50の
下方にコンクリートミキサ車CVが乗り入れられ、コン
クリート混練用ミキサ50で製造されるコンクリート
は、重力によりコンクリートホッパ51を介してコンク
リートミキサ車CVに供給されるようになっている。
【0003】このようなバッチャープラントは、従来周
知であるので、細部の詳しい説明はしないが、図9に部
材名入りで示されているように、コンクリート混練用ミ
キサ50の上方に砂利計量機61、砂計量機62、セメ
ント計量機63等からなる計量装置60が配置され、さ
らにその上方に砂利貯蔵ビン71、砂貯蔵ビン72、セ
メント貯蔵ビン73等からなる材料貯蔵ビン装置70が
設けられている。このようなコンクリート混練用ミキサ
50、計量装置60、材料貯蔵ビン装置70は、地上所
定高さに組み立てられた層状構造物に設けられている。
一方、地上に設置されたセメント貯蔵サイロ80の下方
には、セメント貯蔵ビン73まで延びている空気輸送管
81が設けられている。また、同様に地上に設置されて
いる砂貯蔵サイロ91、砂利貯蔵サイロ92等からなる
骨材貯蔵サイロ90の下方には、略水平に配置されてい
る第1の骨材受入ベルトコンベヤ93が設けられ、この
第1の骨材受入ベルトコンベヤ93は、傾斜状に配置さ
れている第2の骨材受入ベルトコンベヤ94を介して振
分装置95に接続されている。したがって、骨材貯蔵サ
イロ90から第1、2の骨材受入ベルトコンベヤ93、
94で送られる砂利と砂は、この振分装置95により砂
利貯蔵ビン71と砂貯蔵ビン72とにそれぞれ振り分け
られる。
【0004】従来のバッチャープラントは、概略上記の
ように構成されているので、次のようにしてコンクリー
トを製造し、そしてコンクリートミキサ車CVに供給さ
れる。すなわち、セメント圧送用ブロワー82を起動し
てセメントサイロ80中のセメントをセメント貯蔵ビン
73に適当量輸送しておく。同様に第1、2の骨材受入
ベルトコンベヤ93、94により骨材貯蔵サイロ90の
砂利及び砂をそれぞれの貯蔵ビン71、72に搬送し貯
蔵しておく。それぞれの貯蔵ビン71〜73の開閉ゲー
トを開いて、セメント計量機63、砂利計量機62及び
砂計量機61に供給し、所定量のセメント、砂及び砂利
を計量する。一方、混練水と、混和剤計量機100で計
量された混和剤との合計を水計量機101で計量する。
そうして、起動しているコンクリート混練用ミキサ50
に、計量されたコンクリート原料を投入することによ
り、短時間でコンクリートが製造される。混練完了後コ
ンクリート混練用ミキサ50のゲートを開き、コンクリ
ートホッパ51を介して、配車されたコンクリートミキ
サ車CVに重力により供給される。
【0005】上記のように、従来のバッチャープラント
によっても、コンクリートを製造することができるし、
色々な利点もある。例えば貯蔵ビン装置70、計量装置
60及びコンクリート混練用ミキサ50は、上下方向に
配置されているので、コンクリート原料、製造されたコ
ンクリート等を重力により順次移送することができる利
点がある。また、製造されたコンクリートを、出荷のた
めに配車されたコンクリートミキサー車CVのドラムに
短時間に落下供給することもできる。特に、専用のコン
クリート混練用ミキサ50で混練されるので、骨材、セ
メント、混練水及び混和剤をミキサに供給するとき、供
給順序、供給方法等に、ある程度の制約はあるが格別に
拘束されない利点もある。しかしながら、問題点も多
い。例えば従来のバッチャープラントは、コンクリート
混練用ミキサ50を備え、このコンクリート混練用ミキ
サ50の上方には計量装置60、貯蔵ビン装置70等が
配置されているので、バッチャープラント全体が高くな
る欠点がある。高くなると、一般に地上に設けられてい
る骨材貯蔵サイロ90あるいはセメントサイロ80から
貯蔵ビン装置70までの搬送距離が長くなるので、バッ
チャープラントの建設費が高くなると同時にコンクリー
ト原料を搬送する動力費が嵩むようにもなる。さらに
は、専用のコンクリート混練用ミキサ50を備えている
ので、消費電力も大きく、コンクリート混練用ミキサ5
0の保守、点検例えば操業後の洗浄という大きな問題も
ある。また、従来のバッチャープラントも、自動化は進
んでいるが、コンクリート混練用ミキサ50を備えてい
るので、これを監視する専門の操作員が必要で、完全に
無人化できないという問題もある。
【0006】そこで、本出願人は、定置されたコンクリ
ート混練用ミキサを設置せずに、コンクリートを製造す
ることができる、コンクリートの製造方法を特願平11
−288160号により提案している。このコンクリー
トの製造方法は、計量された砂利、砂及びセメントから
なるコンクリート原料と、混練水と混和剤をコンクリー
トミキサ車に直接的に投入供給して所要のコンクリート
を製造する製造方法であって、単一の共通のベルトコン
ベヤ等の搬送装置を使用し、この搬送装置上に計量済み
の砂利、砂、セメント等のコンクリート原料を夫々の計
量機から排出するに際し、搬送装置面上において、これ
らの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、し
かもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層
となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終
了時間を制御し、この帯状にほぼ完全に積層され分散さ
れた材料を直接コンクリートミキサ車に投入するととも
に、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を
備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入
し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラ
ムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリート
を得るように構成されている。
【0007】したがって、本出願人により提案されてい
る上記発明によると、砂利、砂の間にセメントが入り込
み、比重、粒度等の異なる砂利、砂、セメントからなる
コンクリート原料の予備混合が行われることになる。そ
の結果、定置されたコンクリート混練用ミキサがなくて
も、コンクリートミキサ車により所定の品質のコンクリ
ートを得ることができるし、またセメントが最上層ある
いは中間層にあるので、吸湿性のあるセメントが搬送装
置に付着することが防止される、またコンクリート混練
用ミキサがないので、コンクリート製造装置全体の高さ
を低く、設置面積も狭く、安価に構成することができ、
また維持、保守点検の費用も安く、さらにはコンクリー
ト製造装置は、骨材管理、計量管理、出荷管理等を集中
管理できるシステムを具備することにより無人運転で、
例えばコンクリートミキサ車のドライバーが、コンクリ
ート製造装置の押釦を押して、コンクリート原料をコン
クリートミキサ車のドラムに投入するだけでコンクリー
トを製造することもできる、等の数々の効果が得られ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、本出願
人が提案している発明によると、上記のような数々の優
れた効果が得られるが、特にコンクリート混練用ミキサ
を格別に設置する必要がないので、コンクリート製造装
置全体を低く且つ安価に提供できる利点が得られる。し
かしながら、改良の余地も認められる。例えばコンクリ
ートミキサ車のドラムの容積は、一般に4.5mのよ
うに大きいので、1バッチ分の計量で定格量のコンクリ
ート原料を、このような大きなミキサ車のドラムに投入
するように実施すれば、砂利、砂、セメント等の計量機
も大きくなり、コンクリート混練用ミキサを必要としな
いという前記発明に特有の効果はあるが、設備全体はそ
れなりに大きくなってしまうという問題がある。したが
って、本発明は、コンクリート製造装置全体が低く且つ
安価に構成することができると共に高品質のコンクリー
トが得られるコンクリートの製造方法及びコンクリート
製造装置を提供することを目的とし、換言すると比較的
安価に得られる小型の砂利、砂、セメント等の計量機に
より、大きな容積のコンクリートミキサ車で高品質のコ
ンクリートを直接製造することができるコンクリートの
製造方法及びコンクリート製造装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般に、所定の量及び品
質のコンクリートを得るには、それぞれの品質に応じて
計算された配合に準じて計量された砂利、砂、セメン
ト、混練水および混和剤をコンクリート混練用ミキサに
投入して、所定時間混練することにより得られるが、品
質の良い所定のコンクリートを得るには、コンクリート
混練用ミキサ内で各材料が均質に分散されていなければ
ならない。詳しくは、混練水とセメントが均等に分散さ
れたセメントスラリーいわゆるペースト中に砂利及び砂
が均等に分散されていることが必要である。そのために
は、コンクリート混練用ミキサの混練機能は勿論である
が、各原料のコンクリート混練用ミキサ内へ投入する順
序も重要な因子の一つであり、通常は砂利、砂、セメン
ト、混練水及び混和剤は多少の時間的なズレはあるが、
実質的に同時に投入して所定時間混練することにより得
られている。あるいは、セメントと混練水と混和剤は、
若干遅れてそれぞれ一定時間かけて投入して混練されて
いる。このようにして混練されたときのコンクリートの
性状は、コンクリート練り混ぜ方式モデル図{魚本 健
人、「分割方式によるコンクリート練り混ぜ方法に関す
る基礎的研究」、コンクリート工学、Volume 20、
No9、Sept,1982}の図7においてAbで示され
ている状態になっている。
【0010】ところで、コンクリート製造設備の能力に
よっては、コンクリート原料を複数回に分けて計量して
コンクリート混練用ミキサに投入するいわゆる複数バッ
チ方式が考えられる。このとき、先行するバッチにおい
て配合通りに計量した砂利、砂、セメント、混練水、混
和剤等の全量をコンクリート混練用ミキサに投入し、所
定時間混練して所要のコンクリートに混練し終わった後
に、次のバッチの計量した砂利、砂、セメント、混練
水、混和剤等の全量を投入すると、投入されたコンクリ
ート原料は、ミキサ機能により分散される前に先行した
コンクリート中のセメントスラリーと接触する。セメン
トスラリーは比重が大きく粘度が高いため、この中へ投
入されたコンクリート原料を分散させることは難しく、
また特に粒子径の小さいセメント及び砂の一部は接触し
たセメントスラリーの水と接触し、水の表面張力により
凝集し、セメント及び砂のいわゆるモルタルのダマが部
分的に発生し、さらに粗骨材即ち砂利まで凝集する。こ
の状態が図7のDbに示されている。一旦ダマが発生す
ると、図8の(d)に示されているようにキャピラリ状
態となる。このダマの結合力は強く、強力な剪断力を長
時間かけなければ破壊されず、従ってこのような状態で
混練されたコンクリートは、各原料が均等に分散され
ず、多くのダマが混在したものとなり、品質の高いコン
クリートは得られない。
【0011】そこで、先行する各バッチにおいて計量さ
れた砂利、砂及びセメントのみをコンクリート混練用ミ
キサに投入する、いわゆる空練りを行い、最終バッチに
おいて各バッチ分の合計の混練水及び混和剤の全量を投
入して混練する混練方法が考えられる。しかしながら、
この混練方法では混練水及び混和剤は時間をかけて投入
しなければならず、混練時間が長くなる欠点がある。混
練時間を短縮するために、混練水及び混和剤を短時間で
投入すると、混練水が均等に分散されずセメントあるい
は砂、さらには砂利までが凝集し、図7のDbに示され
ているように部分的なダマができ、この場合も良質なコ
ンクリートは得られない。
【0012】これに対し、先行する各バッチにおいて
は、計量された砂利、砂及びセメントは全量を、そして
混練水及び混和剤は必要とする量よりも少ない極く一部
のみを投入して練り混ぜると、このときの混練物は、図
7のAa、BaあるいはCaで示されている状態になっ
ている。すなわち、添加する少量の水の多寡によりAa
の状態では部分的にセメント及び砂が造粒され、Baの
状態ではほとんどのセメント及び砂が造粒されて砂利即
ち粗骨材の表面に付着し始める場合であり、Caの状態
は粗骨材のまわりにペースト、モルタル分が付着する状
態である。このような状態においては、砂利及び砂の間
隙にはセメントスラリーは存在しない。したがって、次
のバッチにおいて計量された砂利、砂及びセメントを投
入しても、セメントスラリー水が存在しないので、これ
らのコンクリート原料が部分的に凝集することはなく、
先行した混練物と良く混合分散される。このような状態
で、最終バッチにおいて残りの混練水及び混和剤の全量
を加えて混練すると、ダマのない均質なコンクリートが
得られる。
【0013】先行するバッチの混練水及び混和剤の量
は、図7のBaあるいはCaに示されている状態になる
量が最も望ましい。このような状態では、ほとんどのセ
メント及び砂が造粒され砂利即ち粗骨材の表面に付着し
始める状態であるが、練り混ぜ中の摩擦、衝撃等により
造粒物は破壊され、最終バッチにおいて残りの混練水と
混和剤の全量を投入して混練すると、コンクリートには
各原料が均等に分散しダマが無く、ブリージングすなわ
ち浮き水が最も少なく、品質の高いコンクリートが得ら
れる。
【0014】前記したような、造粒現象が生じる原因
は、粉体材料間に含まれる水による結合力であり、この
結合力は水分含有率よりも、粒子間空隙体積に対する保
水量の体積比である空隙飽和度とサクションポテンシャ
ルによって決まるとされている。粉体材料に水を加えて
いった場合、図8の(d)に示されているようなキャピ
ラリー状態であれば、図8の(b)に示されているよう
なペンデュラー状態の約3倍の引っ張り強度を有すると
されている。ただし、これは空隙飽和度100%の場合
であり、内部に空隙を残すような、図8の(c)に示さ
れているようなファニキュラー状態では、キャピラリー
とペンデュラーの中間的な状態となる。また、この結合
力は、粒子径に逆比例するため、粒子径が小さいほどそ
の結合力は大きくなる。しかし、造粒物の空隙飽和度が
小さい場合には、練り混ぜ中の摩擦、衝撃等により造粒
され、より空隙飽和度の高い新しい造粒物へと絶えず変
化する。造粒された粉体の空隙飽和度が高いということ
は、粒子間の空隙が充分水で満たされ、巻き込まれた空
気も非常に少なくなっていることを意味している。この
ため、必要とする量よりも少ない水を加えて練り混ぜて
得られる粒子径の小さい造粒物の空隙飽和度が高いもの
であれば、その後必要とする水の全量を加えて練り混ぜ
た場合、各粒子間に充分水が回り、大きな粒子は均等に
分散し、空気の巻き込み量も少なく、結果としてブリー
ジングの少ない流動性の高い混練物が得られものと考え
られる。コンクリート原料を練り混ぜ、そして混練する
場合も同様と考えられる。
【0015】本願発明は、上記のような混練原理、造粒
現象理論、実験等に基づいてなされたもので、本願発明
の前述した目的は、砂利、砂、セメント、混練水及び混
和剤を複数回に分けてバッチ的に計量して直接的にコン
クリートミキサ車に投入し、このとき混練水と混和剤は
配合量、すなわち配合通りに計量された量から所定量を
減じた極少量宛バッチ的に投入して練り混ぜ、最終バッ
チにおいて混練水及び混和剤は、先行するバッチで減じ
た所定量の全量を投入して混練することにより達成され
る。換言すると、先行するバッチにおいては、混練水及
び混和剤は配合量よりも所定量だけ減じた量を投入して
セメントスラリーが存在しない状態で練り混ぜ、このセ
メントスラリーが存在しない状態の混合物すなわちコン
クリート前製品に、次のバッチの計量された砂利、砂お
よびセメントからなるコンクリート原料と、この計量さ
れたコンクリート原料に対する配合量よりも所定量だけ
減じた量の混練水と混和剤を投入して練り混ぜ、そして
最終バッチにおいて、先行するバッチで減らした混練水
と混和剤の全量を投入して混練するように構成すること
により達成される。
【0016】すなわち、本願の請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、定置されたコンクリー
ト混練用ミキサを設置せずに、砂利、砂およびセメント
からなるコンクリート原料と、混練水と混和剤とを複数
回のバッチに分けてコンクリートミキサ車のドラムに直
接的に投入して該ドラムを回転駆動して、前記コンクリ
ートミキサ車のドラムにおいて所要のコンクリートを得
る製造方法であって、先行するバッチにおいては、コン
クリート原料は計量した全量を、混練水と混和剤は前記
計量したコンクリート原料に対する配合量から所定量を
減じた量を、投入して練り混ぜ、最終バッチにおいて
は、コンクリート原料は計量した全量を、混練水と混和
剤は前記計量したコンクリート原料に対する配合量から
所定量を減じた量を、投入して練り混ぜ、その後先行す
る各バッチと最終バッチにおいて減じた所定量の全量を
投入して混練し、所要のコンクリートを得るように構成
される。請求項2に記載の発明は、定置されたコンクリ
ート混練用ミキサを設置せずに、砂利、砂およびセメン
トからなるコンクリート原料と、混練水と混和剤とを複
数回のバッチに分けてコンクリートミキサ車のドラムに
直接的に投入して該ドラムを回転駆動して、前記コンク
リートミキサ車のドラムにおいて所要のコンクリートを
得る製造方法であって、先行するバッチにおいては、コ
ンクリート原料は計量した全量を、混練水と混和剤は前
記計量したコンクリート原料に対する配合量から所定量
を減じた量を、投入して練り混ぜ、最終バッチにおいて
は、コンクリート原料は計量した全量を、混練水と混和
剤は前記計量したコンクリート原料に対する配合量と、
先行する各バッチにおいて減じた所定量の全量とを投入
して混練し、所要のコンクリートを得るように構成され
る。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載
のコンクリートミキサ車のドラムを、コンクリート原料
および混練水と混和剤とを投入した後は所定時間だけ高
速回転に切り換えて高速で回転駆動するように構成され
る。請求項4に記載の発明は、砂利、砂およびセメント
からなるコンクリート原料の計量装置と、混練水と混和
剤の計量装置と、制御装置とからなり、前記制御装置
は、前記コンクリート原料の計量装置については、所定
量のコンクリート原料を複数回に分けて計量してバッチ
的にコンクリートミキサ車のドラムに直接的に投入する
ように制御し、前記混練水と混和剤の計量装置について
は、バッチ的に投入されるコンクリート原料に対する配
合量から所定量を減じた量をその都度投入すると共に、
最終バッチにおいては前記計量したコンクリート原料に
対する配合量と、先行する各バッチにおいて減じた所定
量の全量を投入するように制御するように構成される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の混練水と混
和剤の計量装置は、混練水と混和剤とをそれぞれ計量す
る計量機と、該計量機から排出された計量済みの混練水
と混和剤とを貯水する一時貯水槽とからなり、前記一時
貯水槽は、バッチ的に投入されるコンクリート原料に対
する配合量の全量を貯水できる大きさに選定され、そし
て請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の混練水と
混和剤の計量装置は、バッチ的に投入されるコンクリー
ト原料の合計量に対する配合量の全量を一度に計量でき
るように選定されていると共に、前記計量機により計量
される混練水と混和剤は、バッチ的に制御される量がコ
ンクリートミキサ車のドラムに投入されされるように構
成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、コンクリート製造装置の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態に係わるコンクリート製造装置の全体を示す模式図で
あるが、同図に示されているように、コンクリート製造
装置は、図1の略中央部においてに示されているよう
に、配車されるコンクリートミキサ車CVよりも高所に
設けられた材料投入シュート1を備えている。そして、
この材料投入シュート1から骨材、砂利、セメント等か
らなるコンクリート原料と、混練水と混和剤とが、その
下方に配車されるコンクリートミキサ車CVのドラムに
直接的に投入されるようになっている。このように、本
実施の形態によると、コンクリート原料と混練水と混和
剤とが直接的にコンクリートミキサ車CVのドラムに投
入されので、従来のバッチャープラントのように専用の
コンクリート混練用ミキサは必要としない。
【0018】このような材料投入シュート1に、砂利及
び砂を供給するために、本実施の形態では登り勾配に斜
設された、原料投入用のベルトコンベヤ2が設けられて
いる。そして、このベルトコンベヤ2に対応して、その
上流側に砂利を計量する従来周知の形態をした砂利計量
機10aが、その下流側に砂を計量する同様に従来周知
の砂計量機10bがそれぞれ設けられている。砂利計量
機10aの上方には、ゲート11aを介して砂利貯蔵ビ
ン12aが、また砂計量機10bの上方には、同様にゲ
ート11bを介して砂貯蔵ビン12bがそれぞれ設けら
れている。そして、これらの上方に二又ダンパすなわち
共用ダンパ13が設けられている。この共用ダンパ13
を適宜切り換えることにより、垂直ベルトコンベヤ14
で搬送されてくる砂利と砂とが、砂利貯蔵ビン12aと
砂貯蔵ビン12bとに振り分け、貯蔵される。なお、本
実施の形態によると、砂利、砂及びセメントからなるコ
ンクリート原料は、複数回のバッチに分けて計量される
ので、これらの計量機10a、10bは、従来のものに
比較して小型で実施できる。したがって、砂利貯蔵ビン
12a等も必要に応じて小型化されている。
【0019】本実施の形態によると、セメント圧送車か
ら圧送管で供給されるセメントを貯蔵するセメントサイ
ロ3が、ベルトコンベヤ2の下方の地上GL上に設置さ
れている。ベルトコンベヤ2、砂利貯蔵ビン12a、砂
貯蔵ビン12b、砂利計量機10a、砂計量機10b、
垂直ベルトコンベヤ14、セメント貯蔵ビン12c、セ
メント計量機10c等を支持している層状構造物は、図
1には示されていないが、前記セメントサイロ3の上方
に、砂利計量機10aと砂利貯蔵ビン12aが、またこ
れと並列的に砂計量機10bと砂貯蔵ビン12bが、立
体的にコンパクトに支持されている。グランドホッパ5
は、砂利あるいは砂を運ぶダンプトラックDVから重力
により荷卸しできるように、地上GLから所定量だけ掘
り下げた位置に設けられている。そして、このグランド
ホッパ5から垂直ベルトコンベヤ14が二又ダンパ13
まで延びている。このようなグランドホッパ5は、砂利
と砂との共用となっており、砂利と砂は垂直ベルトコン
ベヤ14により、二又ダンパ13まで搬送され、該ダン
パの切替により夫々の貯蔵ビンに投入される。
【0020】セメント計量機10cは、材料投入シュー
ト1の上方に配置され、このセメント計量機10cの上
方に同様にゲートを介してセメント貯蔵ビン12cが設
けられている。これにより、計量されるセメントは、セ
メント貯蔵ビン12cからセメント計量機10cへ、ま
たセメント計量機10cからコンクリートミキサ車CV
のドラムへと重力により投入される。セメントサイロ3
の底部には、水平方向に延びた第1のスクリュコンベヤ
6が設けられ、この第1のスクリュコンベヤ6の終端部
からセメント貯蔵ビン12cの上方まで垂直に延びた第
2のスクリュコンベヤ7が設けられている。これによ
り、地上GLに配置されているセメントサイロ3中のセ
メントが、所定高さのに配置されているセメント貯蔵ビ
ン12cまで搬送される。
【0021】本コンクリート製造装置には、従来のバッ
チャープラントと同様に水計量機20と混和剤計量機と
が設けられている。水計量機20には、水計量ポンプ2
1で圧送される混練水が管路22で供給されるようにな
っている。この水計量機20で計量される混練水は、一
時貯水槽24に貯えられる。また、混和剤計量機は、図
1に示されている実施の形態では、混和剤計量流量計3
1と混和剤計量確認メスシリンダ32とからなってい
る。そして、混和剤計量ダイヤフラムポンプ33により
圧送される混和剤は、混和剤計量流量計31で計量さ
れ、混和剤計量確認メスシリンダ32により確認され、
一時貯水槽24に貯えられる。一時貯水槽24の下方に
は、制御装置25により流量が制御される流量制御弁2
6が設けられ、所定量の混練水と混和剤が管路27を経
て材料投入シュート1へ供給されるようになっている。
【0022】次に、上記第1の実施の形態によるコンク
リートの製造例を、図2、3のフローチャートも参照し
ながら説明する。なお、本コンクリートの製造装置に
は、制御装置25も備わっており、自動的に製造するこ
とができるが、説明を簡略化するために、自動と手動と
が混在したような形で説明する。垂直ベルトコンベヤ1
4により、砂利と砂を、砂利及び砂貯蔵ビン12a、1
2bにそれぞれ振り分け貯蔵する。また、第1、2のス
クリュコンベヤ6、7により、セメントをセメント貯蔵
ビン12cに貯蔵する。制御装置25により、コンクリ
ート原料である砂利、砂及びセメントの配合割合を設定
する(ステップS1)。また、ステップS2においてコ
ンクリートミキサ車CVのドラムに投入するコンクリー
ト原料の全体量Mを設定する。そして、コンクリート原
料の全体量Mを何バッチに分けて投入するかのバッチ回
数(n)及び各バッチで計量するコンクリート原料(M
、M、、、M)を設定する(ステップS3)。こ
れらの設定されたコンクリート原料M、M、、、M
の中には、砂利、砂及びセメントが設定された配合割
合で含まれている。
【0023】また、混練水及び混和剤に関しては、ステ
ップS1’において、前記コンクリート原料に対する混
練水と混和剤の配合割合を設定すると共に、ステップS
2’において、ステップS2で設定されたコンクリート
原料の全体量Mに対する混練水と混和剤の全体量Qw+
Qkを設定する。また、ステップS3’においてバッチ
回数nおよび各バッチで計量する混練水と混和剤の量
(Qw、Qk1、Qw 、Qk、、、Qw、Qk
)を設定する。なお、上記のような設定は、コンクリ
ートミキサ車CVのドライバーがコンクリート原料投入
現場で設定することもできるが、本実施例においては現
場から離れた例えば中央のコントロール室から受注コン
クリートの品質および量に対応して遠隔的に操作設定さ
れている。
【0024】コンクリートミキサ車CVを囲壁W内へ配
車する。次いで、例えばコンクリートミキサ車CVのド
ライバーが制御装置25のスタートスイッチ釦を押す。
そうすると、制御装置25からの制御信号により、砂利
計量機10a、砂計量機10b及びセメント計量機10
cが適宜駆動されて設定された配合割合の1バッチ目の
コンクリート原料Mが計量される(ステップS4)。
また、混練水は水計量機20により、混和剤は混和剤計
量流量計31により、それぞれ計量(Qw、Qk
され(ステップS4’)、次いで計量された混練水Qw
及び混和剤Qkは、計量機20から排出されて一時
貯水槽24に貯水される(ステップS4”)。
【0025】ステップS5において、コンクリート原料
の砂利と砂は、ベルトコンベヤ2により搬送され
て、高速回転に切り換えられて高速で回転しているコン
クリートミキサ車CVのドラムへ、材料投入シュート1
を介して投入される。同様に、セメント計量機10cに
より計量されたセメントがコンクリートミキサ車CVの
ドラムへ投入される。略同時に流量制御弁26が所定時
間だけ開いて、混練水と混和剤の極少量Δ(Qw+Q
k)がコンクリートミキサ車CVのドラムへ投入され
る。なお、このときの混練水と混和剤の量Δ(Qw+Q
k)は、コンクリート原料Mに対して配合割合通り
に演算される配合量よりも所定量だけ少ない量である。
投入されたコンクリート原料Mと混練水と混和剤Δ
(Qw+Qk) は、コンクリートミキサ車CVのドラ
ムの高速回転により練り混ぜられ、図7においてBaあ
るいはCaで示されるような、セメントスラリーのない
状態のコンクリート前製品Cが得られる(ステップ
6、7)。
【0026】図3のステップS8において、2バッチ目
のコンクリート原料Mが計量され、そしてステップS
9において既にコンクリート前製品Cが得られている
コンクリートミキサ車CVのドラムに、前述したように
して投入される。また、ステップS8’において、2バ
ッチ目の混練水および混和剤(Qw、Qk)が計量
され、そして貯水される(ステップS8”)。流量制御
弁26が所定時間だけ開いて、混練水と混和剤の極少量
Δ(Qw+Qk)がコンクリートミキサ車CVのドラ
ムへ投入される。なお、このときの混練水と混和剤の量
Δ(Qw+Qk) も、コンクリート原料Mに対し
て配合割合通りに演算される量よりも所定量だけ少ない
量である。投入されたコンクリート原料Mと、混練水
と混和剤Δ(Qw+Qk)と、既に存在するコンクリ
ート前製品Cは、コンクリートミキサ車CVのドラム
の高速回転により練り混ぜられ、図7においてBaある
いはCaで示されるような、セメントスラリーのない状
態のコンクリート前製品C が得られる(ステップ1
0、11)。
【0027】ステップS20において、nバッチ目すな
わち最終バッチのコンクリート原料Mが計量され、そ
してコンクリート前製品Cn−1が入っているコンクリ
ートミキサ車CVのドラムに投入される。また、ステッ
プS20’において、nバッチ目の混練水および混和剤
(Qw、Qk)が計量され、そして貯水される(ス
テップS20”)。流量制御弁26が開いて、一時貯水
槽24に残っている全量がコンクリートミキサ車CVの
ドラムへ投入される(ステップS21)。残っている量
は、(Qw+Qk)−{Δ(Qw+Qk)+Δ(Qw
+Qk) 、、、+Δ(Qw+Qk)n−1 }であ
る。同様に、コンクリート原料Mと混練水と混和剤と
コンクリート前製品Cn−1は、コンクリートミキサ車
CVのドラムの高速回転により、今度は混練される。こ
の混練により、図7のBbあるいはCbで示されている
ような高品質のコンクリートが得られる(ステップ2
2、23)。コンクリートミキサ車CVのドラムの回転
速度を所定の低速度に戻し、コンクリート打設現場へ運
行し、そして荷卸しする。荷卸したコンクリートミキサ
車CVは、バッチャープラントへ戻り、以下同様にして
コンクリートを製造する。
【0028】上記実施の形態は、色々変形が可能であ
る。例えば、上記実施の形態ではステップS21で一時
貯水槽24に残っている全量の混練水と混和剤が一度に
コンクリートミキサ車CVのドラムへ投入されている
が、このとき時間をかけて投入するように実施すること
もできる。また、ステップS21において、混練水と混
和剤の少量Δ(Qw+Qk)を投入し、所定時間練り
混ぜて、そして一時貯水槽24に残っている全量を投入
して混練するように実施することもできる。
【0029】また、上記実施の形態では、混練水と混和
剤は、コンクリート原料と略同期して計量されている
が、必ずしも同期して計量する必要はなく、コンクリー
ト原料Mに対して配合割合通りに演算される全量を一度
に貯水しておき、バッチ毎に極少量宛投入し、最後のバ
ッチにおいて一時貯水槽24に残っている全量を投入す
るように実施することもできる。
【0030】さらには、砂利、砂及びセメントからなる
コンクリート原料は、バッチ毎に計量された全量を投入
し、混練水と混和剤は先行する各バッチにおいては極少
量宛計量して夫々投入し、最終バッチにおいて、コンク
リート原料の全量に対する配合量から、先行するバッチ
で極少量宛投入した量を差し引いた量を計量して投入し
て混練するように実施することもできる。
【0031】以下その例を図4及び図5の(イ)のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。コンクリート原料
である砂利、砂及びセメントの配合割合、コンクリート
ミキサ車CVのドラムに投入するコンクリート原料の全
体量、コンクリート原料の全体量を何バッチに分けて投
入するかのバッチ回数、各バッチで計量するコンクリー
ト原料等は、前述した実施の形態のようにして設定され
るので、以下1バッチ目の計量から説明する。なお、本
実施の形態では、混練水と混和剤は、各バッチで計量さ
れるコンクリート原料に対する配合量から所定量を減じ
た極少量を設定する。
【0032】コンクリートミキサ車CVを囲壁W内へ配
車する。次いで、例えばコンクリートミキサ車CVのド
ライバーがスタートスイッチ釦を押す。そうすると、砂
利計量機10a、砂計量機10b及びセメント計量機1
0cにより、1バッチ目の砂利、砂及びセメントからな
るコンクリート原料Mが計量される(ステップT
1)。そして、砂利と砂はベルトコンベヤ2により搬送
されて、高速回転に切り換えられて高速で回転している
コンクリートミキサ車CVのドラムへ、材料投入シュー
ト1を介して投入される(ステップT2)。同様に、セ
メント計量機10cにより計量されたセメントがコンク
リートミキサ車CVのドラムへ投入される(ステップT
2)。水計量機20と混和剤計量機31により、1バッ
チ目の混練水と混和剤の投入量ΔQが計量される(ス
テップT1’)。すなわち、1バッチ目で計量されたコ
ンクリート原料Mに対する配合量Qから所定量q
だけ少ない量ΔQ(Q−q)が計量される。そし
て、コンクリートミキサ車CVのドラムへ直接投入され
る(ステップT2)。これにより、1バッチ目の練り混
ぜが実施され、コンクリート前製品Cが得られる(ス
テップT3、T4)。このときのコンクリート前製品C
は、配合量Qから所定量qだけ少ない量ΔQ の混
練水と混和剤が投入されているので、図7においてBa
あるいはCaで示されるように、セメントスラリーのな
い状態になっている。
【0033】ステップT5、6において、同様にして2
バッチ目の砂利、砂及びセメントからなるコンクリート
原料Mが計量され、そしてコンクリート前製品C
既に入っているコンクリートミキサ車CVのドラムに投
入される。同様に、2バッチ目の混練水と混和剤の量Δ
が、2バッチ目の計量されたコンクリート原料M
に対する配合量Qから所定量qだけ少ない量ΔQ
(Q−q)が計量され、投入される(ステップT
5’、6)。そうして、練り混ぜられて、2バッチ目の
コンクリート前製品Cが得られる。この2バッチ目の
コンクリート前製品Cの状態も、図7においてBaあ
るいはCaで示される状態になっている。
【0034】図5の(イ)のステップT9において、n
回目すなわち最終バッチの砂利、砂及びセメントからな
るコンクリート原料Mが計量され、そしてコンクリー
トミキサ車CVのドラムに、前述したようにして投入さ
れる。同様に、ステップT9’において最終バッチで計
量されたコンクリート原料Mに対する配合量Qから
所定量qだけ少ないΔQ量(Q−q)の混練水
と混和剤が計量され、投入される(ステップT10)。
そして、練り混ぜられる(ステップT10’)。次い
で、最終的に投入する混練水と混和剤とが計量、投入さ
れる。そして最終的に混練される。すなわち、ステップ
T9”においてコンクリート原料Mに対する配合量Qか
ら先行するバッチで投入した量(ΔQ+ΔQ、、、
+ΔQ)を引いた量が計量され、多少の時間をおいて
投入される(ステップT12)。そして、混練される
(ステップT13)。この混練により、図7のBbある
いはCbで示されているような高品質のコンクリートが
得られる(ステップT14)。混練を終わったらコンク
リートミキサ車CVのドラムを所定の低速度に戻し、コ
ンクリートミキサ車CVは打設現場へ運行される。以下
同様にしてコンクリートを製造する。
【0035】上記第2の実施の形態は、図5の(ロ)に
示されているように変形可能である。すなわち、nバッ
チ目ではコンクリート原料は、上記実施の形態と同様に
を計量するが(ステップP9)、混練水と混和剤
は、コンクリート原料Mに対する配合量Qから先行する
各バッチで投入した量(ΔQ+ΔQ、、+ΔQn−
)を減じた量を計量し(ステップP9’)、そしてス
テップP10で少量宛投入しながら混練してコンクリー
ト製品を得ることもできる(ステップP11、12)。
【0036】さらには、上記第1、2の実施の形態に共
通して、最終バッチにおいては、砂利、砂及びセメント
は計量したセメントを除いた全量を、混練水及び混和剤
は計量した砂利及び砂に対する配合量から所定量を減じ
た量を、残したセメントと共に若干遅れて投入して練り
混ぜ、その後先行する各バッチと最終バッチにおいて減
じた所定量の全量を投入して混練するように実施するこ
ともできる。
【0037】なお、上記実施の形態では、コンクリート
は砂利、砂及びセメントとからなるコンクリート原料
と、混練水と混和剤から製造されているが、これらのコ
ンクリート原料に、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末
等の補助材を加えて同様にして製造できることは明らか
である。したがって、コンクリート原料というときは、
フライアッシュ、高炉スラグ微粉末等の補助材も含まれ
ることになる。また、図1に示されている実施の形態に
よると、計量された砂利と砂は、ベルトコンベヤ2によ
りコンクリートミキサ車CVのドラムに投入さるように
なっているが、位置の高低によってはベルトコンベヤ2
に代えて振動フイーダあるいは単なるシュートで実施で
きることも明らかである。
【0038】図6に、混練水と混和剤の計量供給装置
の、前述した以外の実施の形態が示されている。図1に
示されている実施の形態の構成要素と同じ要素には同じ
参照数字を付けて、同様な構成要素には同じ参照数字に
ダッシュ「’」を付けて重複説明はしないが、図6の
(イ)に示されている第2の実施の形態によると、一時
貯水槽24’は、計量機能を備えたものであり、この第
2の実施の形態によっても、前述した第1の実施の形態
と略同じようにして、混練水と混和剤とをコンクリート
ミキサ車のドラムに投入できるが、本実施の形態による
と、各バッチで投入する混練水と混和剤の量を減算方式
に精密に制御することができる。
【0039】図6の(ロ)に示されている第3の実施の
形態によると、図6の(イ)に示されている第2の実施
の形態の一時貯水槽24’が省略されている。この場合
の混練水及び混和剤の計量装置は、バッチ毎に投入され
るコンクリート原料の合計量Mに対して配合割合通りに
演算される配合量の全量を計量できる能力を備えてお
り、1バッチ目のコンクリート原料の計量と共に混練水
及び混和剤は全バッチ分を計量し、各バッチ毎に計量装
置の減算機構により制御バルブ26を制御して設定した
量をコンクリート原料とともに直接コンクリートミキサ
車に投入し、そして最終バッチにおいて残りの全量を投
入して混練する。本実施の形態によると、水計量装置と
混和剤計量装置が大きくなるきらいはあるが、コンクリ
ート原料中に占める水の容積割合は比較的小さいので、
価格的にはあまり左右されない。一方、一時貯水槽2
4’が不要となるほか、各バッチで投入される混練水と
混和剤の量が正確に制御把握できる利点がある。なお、
この図6の(ロ)では、水計量装置20で混練水の計量
完了後に混和剤が計量されて水計量装置20に投入され
るようになっている。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、従来の
ように定置されたコンクリート混練用ミキサを必要とし
ないので、またコンクリート原料と混練水と混和剤を複
数回に分けてバッチ的に計量してコンクリートミキサ車
のドラムに投入するので、コンクリート原料を計量する
計量機が小型ですむ。したがって、コンクリート製造装
置全体を低く且つ安価に構成することができる。また、
先行するバッチにおいては、コンクリート原料は計量し
た全量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリート
原料に対する配合量から所定量を減じた量を投入して練
り混ぜ、最終バッチにおいては、コンクリート原料は計
量した全量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリ
ート原料に対する配合量から所定量を減じた量を、投入
して練り混ぜ、その後先行する各バッチと最終バッチに
おいて減じた所定量の全量を投入して混練し、所要のコ
ンクリートを得るので、あるいは最終バッチにおいて
は、コンクリート原料は計量した全量を、混練水と混和
剤は前記計量したコンクリート原料に対する配合量と、
先行する各バッチにおいて減じた所定量の全量とを投入
して混練し、所要のコンクリートを得るので、ダマ、ブ
リージング等のない高品質のコンクリートをコンクリー
トミキサ車において直接製造することができる。さらに
は、定置されたコンクリート混練用ミキサがないので、
保守点検の費用も安く、骨材管理、計量管理、出荷管理
等を集中管理できるシステムを具備することにより、別
置された集中管理室からの指令により無人運転で、例え
ばコンクリートミキサ車のドライバーが、コンクリート
製造装置の押釦を押して、コンクリート原料をコンクリ
ートミキサ車に投入するだけでコンクリートを製造する
こともできる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係わるコンクー
ト製造装置の全体を模式的に示す正面図である。
【図2】 図1に示すコンクート製造装置による第1の
製造例を示すフローチャートである。
【図3】 図2に示すフローチャートの続きのフローチ
ャートである。
【図4】 図1に示すコンクート製造装置により第2の
製造例を示すフローチャートである。
【図5】 図5の(イ)は、第2の製造例の続きのフロ
ーチャートで、その(ロ)は、第2の製造例の変形を示
すフローチャートである。
【図6】 本発明に係わるコンクート製造装置の、混練
水と混和剤の計量供給装置の他の実施の形態を模式的に
示す図で、その(イ)は第2の、その(ロ)は第3の実
施の形態をそれぞれ示す正面図である。
【図7】 コンクリート練り混ぜ方式の差によるコンク
リートのそれぞれ異なる性状を示すモデル図である。
【図8】 粒子間における液相の、それぞれ異なる存在
状態を示す模式図である。
【図9】 従来のコンクート製造プラントの例を模式的
に示す正面図である。
【符号の説明】
1 材料投入ホッパ 10a
砂利計量機 10b 砂計量機 10c
セメント計量機 20 水計量機 24
一時貯水槽 24’ 一時貯水槽(計量機付き)25
制御装置 31 混和剤計量流量計 CV コンクリートミキサ車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新里 智庸 千葉県習志野市東習志野7ー5ー2 大平 洋機工株式会社内 (72)発明者 會澤 祥弘 北海道苫小牧市若草町3−1−4 独楽ビ ル 會澤高圧コンクリート株式会社内 Fターム(参考) 4G056 AA07 CB01 CB19 CB23 CB31 CB35 CC24 CE05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定置されたコンクリート混練用ミキサを
    設置せずに、砂利、砂およびセメントからなるコンクリ
    ート原料と、混練水と混和剤とを複数回のバッチに分け
    てコンクリートミキサ車のドラムに直接的に投入して該
    ドラムを回転駆動し、前記コンクリートミキサ車のドラ
    ムにおいて所要のコンクリートを得る製造方法であっ
    て、 先行するバッチにおいては、コンクリート原料は計量し
    た全量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリート
    原料に対する配合量から所定量を減じた量を、投入して
    練り混ぜ、 最終バッチにおいては、コンクリート原料は計量した全
    量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリート原料
    に対する配合量から所定量を減じた量を、投入して練り
    混ぜ、その後先行する各バッチと最終バッチにおいて減
    じた所定量の全量を投入して混練し、所要のコンクリー
    トを得ることを特徴とするコンクリートの製造方法。
  2. 【請求項2】 定置されたコンクリート混練用ミキサを
    設置せずに、砂利、砂およびセメントからなるコンクリ
    ート原料と、混練水と混和剤とを複数回のバッチに分け
    てコンクリートミキサ車のドラムに直接的に投入して該
    ドラムを回転駆動し、前記コンクリートミキサ車のドラ
    ムにおいて所要のコンクリートを得る製造方法であっ
    て、 先行するバッチにおいては、コンクリート原料は計量し
    た全量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリート
    原料に対する配合量から所定量を減じた量を、投入して
    練り混ぜ、 最終バッチにおいては、コンクリート原料は計量した全
    量を、混練水と混和剤は前記計量したコンクリート原料
    に対する配合量と、先行する各バッチにおいて減じた所
    定量の全量とを投入して混練し、所要のコンクリートを
    得ることを特徴とするコンクリートの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のコンクリートミ
    キサ車のドラムを、コンクリート原料および混練水と混
    和剤とを投入した後は所定時間だけ高速回転に切り換え
    て高速で回転駆動するコンクリートの製造方法。
  4. 【請求項4】砂利、砂およびセメントからなるコンクリ
    ート原料の計量装置と、混練水と混和剤の計量装置と、
    制御装置とからなり、 前記制御装置は、前記コンクリート原料の計量装置につ
    いては、所定量のコンクリート原料を複数回に分けて計
    量してバッチ的にコンクリートミキサ車のドラムに直接
    的に投入するように制御し、前記混練水と混和剤の計量
    装置については、バッチ的に投入されるコンクリート原
    料に対する配合量から所定量を減じた量をその都度投入
    すると共に、最終バッチにおいては前記計量したコンク
    リート原料に対する配合量と、先行する各バッチにおい
    て減じた所定量の全量を投入するように制御することを
    特徴とするコンクリートの製造装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の混練水と混和剤の計量装
    置は、混練水と混和剤とをそれぞれ計量する計量機と、
    該計量機から排出された計量済みの混練水と混和剤とを
    貯水する一時貯水槽とからなり、 前記一時貯水槽は、バッチ的に投入されるコンクリート
    原料に対する配合量の全量を貯水できる大きさに選定さ
    れているコンクリートの製造装置。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の混練水と混和剤の計量装
    置は、バッチ的に投入されるコンクリート原料の合計量
    に対する配合量の全量を一度に計量できるように選定さ
    れていると共に、前記計量機により計量される混練水と
    混和剤は、バッチ的に制御される量がコンクリートミキ
    サ車のドラムに投入されるようになっているコンクリー
    トの製造装置。
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