JP6303673B2 - 金型表面への肉盛溶接方法 - Google Patents

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本発明は、金型の長寿命化などを目的として、金型表面を溶接材料で被覆するための金型表面への肉盛溶接方法に関するものである。
例えば、熱間鍛造などの熱間加工に用いられる金型には、高い耐熱性や耐摩耗性などが要求される。特に、被加工材の加工温度が高い金型には、より高い耐熱性が要求され、例えば、インコネル(登録商標)718などのように、航空機用エンジンなどに用いられる耐熱合金の熱間鍛造には、その加工温度に耐えうるよう、特殊な超耐熱合金製の金型が必要になる。
しかし、金型全体を超耐熱合金で作製すると、金型の材料コストが高くなるので、金型の表面に肉盛溶接を行い、超耐熱合金で金型表面を被覆する手法が採られることがある。
また、熱間鍛造では、回転対称形状を含む被加工材を鍛造することがあり、被加工材と対応する面が回転対称面に形成された金型を用いることがある。このような、回転対称面に肉盛溶接を行う方法としては、例えば、回転対称面に対して周方向に肉盛溶接を行う方法がある(例えば、特許文献1)。
また、肉盛溶接形状を制御しながら肉盛溶接を行う方法として、溶接ビードの形状をセンサやカメラで検知して、リアルタイムに溶接トーチの位置を調整しながら肉盛溶接を行う方法がある(例えば、特許文献2、3)。
特開2001−300726号公報 特開平07−241673号公報 特開2010−534号公報
特許文献1のように、回転対称面の周方向に肉盛溶接を行う場合、径方向断面が直線であれば、同一条件で肉盛溶接を繰り返し行えば、溶接ビードが概ね同じ断面形状に形成され、安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。しかし、径方向断面に曲線部を含む回転対称面、例えば、表面が湾曲する回転対称形状を有する金型に肉盛溶接しようとする場合、溶融した溶接材料が面形状に応じて流れ、溶接ビードが変形することがある。そのため、同一条件では、溶接ビードを同じ断面形状に形成することは困難である。
一方、特許文献2、3のような、溶接形状をセンサなどでリアルタイムに検知して、溶接トーチの位置を制御する方法を、上記肉盛溶接に適用した場合、上記溶接では溶接ビードを隣接して形成するので、一部のわずかな溶接形状のばらつきが、溶接の進行に伴って助長される恐れがある。
例えば、金型のある径方向位置に1周の肉盛溶接を行った際、周方向の一部の溶接ビード位置がわずかにずれると、その隣接する周回の肉盛溶接において、当該位置ずれに溶接トーチが追従し、当該周回においても、同様の位置にさらに位置ずれが形成されるようになる。このような溶接を複数周に亘って繰り返すと、徐々にずれが大きくなり、径方向に不均一な肉盛溶接になることがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、径方向断面の一部に曲線部を含んだ形状を含む金型に対し、周方向に安定した品質の肉盛溶接を行う際に有効な、金型表面への肉盛溶接方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、を具備し、前記工程dにおいて、前記溶接トーチを、既に形成されている前記肉盛溶接部の端部に対向配置し、前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法である。
また、本発明は、金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、を具備し、前記工程dにおいて、前記二次元形状の平均値から、前記肉盛溶接対象部と既に形成された前記肉盛溶接部との接触角度を算出し、前記溶接トーチと前記肉盛溶接対象部とのなす角度を、前記接触角度に応じて傾け、前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法である。
また、本発明は、金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、を具備し、前記肉盛溶接部を、粉体プラズマ溶接で形成し、前記工程dにおいて、前記溶接トーチと前記肉盛溶接対象部とのなす角度を、前記溶接トーチを鉛直下向きに配置した後、前記保持台を傾けて調整し、前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法である。
また、本発明は、金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、を具備し、 前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成し、前記肉盛溶接対象部の径方向断面に直線部が含まれるとき、該直線部上への前記溶接トーチの配置を、前記工程c、前記工程dによる前記溶接トーチの配置に換え、予め定めた間隔にて前記溶接トーチを配置しつつ前記工程bを繰り返す工程を含むことを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法である。
また、本発明は、金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、を具備し、前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成し、前記金型表面に前記肉盛溶接部をn段形成し、必要な最終肉盛形状と比較して、肉盛溶接形状の厚みが薄い部分には、n段目の肉盛溶接部上に、n+1段目の肉盛溶接を繰り返すことを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法である。
前記工程bにおいて、前記肉盛溶接対象部に対する前記溶接トーチの周速を、前記溶接トーチと前記中心軸との距離に基づき調整することが望ましい。
本発明の金型への肉盛溶接方法により、前記金型表面に前記肉盛溶接部をn段形成し、必要な最終肉盛形状と比較して、肉盛溶接形状の厚みが薄い部分には、n段目の肉盛溶接部上に、n+1段目の肉盛溶接を繰り返してもよい。
本発明によれば、表面に回転対称の形状部分を有し、その形状の径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含む金型に対して、安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。具体的には、肉盛溶接部の二次元形状を周回ごとに周方向において平均化し、この平均値に基づき、金型に対する溶接トーチの位置を決定することで、上記形状の金型であっても、金型の周方向に安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。そして、溶接の際、溶接トーチを金型の中心軸に対して位置決めし、金型を中心軸周りに回転させるので、周回ごとにずれを助長することなく、肉盛溶接部を形成することができる。
また、溶接トーチの径方向位置に応じて、金型と溶接トーチの相対回転速度を調整し、金型に対する溶接トーチの周速を一定にすることで、単位時間当たりの肉盛量を一定にして肉盛溶接部を形成することができる。これにより、溶接の周回に依らず、安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。また、溶接の周回に依らず、肉盛溶接部をほぼ一定の大きさの断面形状に形成できるので、次に形成する肉盛溶接部の断面形状を推測しながら、肉盛溶接を行うことができる。
また、溶接トーチを、既に形成されている肉盛溶接部の端部位置に合わせることで、隣接する肉盛溶接部どうしの重なりを適切な量にすることができるので、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、高い強度の肉盛溶接部を形成することができる。
また、溶接トーチと肉盛溶接対象部とのなす角度を調整することで、既に形成された肉盛溶接部の基部を確実に溶かし込むようにして、新たに肉盛溶接部を形成することができる。これにより、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、高い強度の肉盛溶接部を形成することができる。
また、肉盛溶接部を粉体プラズマ溶接で形成することで、線引き加工が困難で、溶接ワイヤの製造が困難である溶接材料により肉盛溶接部を形成することができる。この場合、溶接トーチを鉛直下向きにした状態で、金型側を傾斜させることで、溶接材料を鉛直下向きに供給することができ、これにより、安定した速度で肉盛溶接部を形成することができ、安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。
また、これから肉盛溶接を行う肉盛溶接対象部の形状により、形状検知の要否を判断し、肉盛溶接部が直線部である場合、形状検知をせずに、予め定めた間隔で溶接トーチの位置決めを行い、周方向の溶接を繰り返し行うことができる。これにより、全体の肉盛溶接時間を短縮して、肉盛溶接作業の作業効率を向上させることができる。
また、このようにして形成される肉盛溶接部を、複数段重ねて形成することができ、これにより、肉盛溶接部の厚み不足分を追加して形成して、所望の厚みの肉盛溶接部を形成することができる。
本発明によれば、径方向断面の一部に曲線部を含む形状を有する金型に対して、周方向に肉盛溶接を行う際に有効な、金型表面への肉盛溶接方法を提供することができる。
金型1を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)の径方向断面であるA−A線断面図。 (a)、(b)は、金型1を保持台7に保持した状態の、肉盛溶接装置一例を示す模式図。 肉盛溶接部13近傍の拡大断面図。 周方向に肉盛溶接部13を形成した状態の金型1の平面図。 形状センサ15によって肉盛溶接部13の形状を検出する状態を示す図。 (a)は、位置決めをする際の教示画面の一例を示す図、(b)は溶接トーチ11の位置決め状態を示す図。 (a)は、位置決めをする際の教示画面の一例を示す図、(b)は溶接トーチ11の位置決め状態を示す図。 (a)は、肉盛溶接対象部を傾斜させる際の教示画面の一例を示す図、(b)は、肉盛溶接対象部3を傾斜した状態を示す図。 (a)は、n段まで肉盛溶接部13を積層した状態の教示画面の一例を示す図、(b)は、この状態の肉盛溶接部13近傍の部分拡大図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、金型1を示す平面図、図1(b)は、図1(a)の径方向断面であるA−A線断面図である。なお、本発明で対象とする金型は、図示した例には限られない。
金型1は、例えば、熱間鍛造用の金型であり、一方の面に被加工材と接触する面である、肉盛溶接対象部3が設けられ、肉盛溶接対象部3が、金型1の中心軸5の周りに回転対称な形状に形成されている。また、図1(b)に示すように、肉盛溶接対象部3は、金型1の径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状にされている。
金型1の材料には、例えば、熱間工具鋼が用いられ、肉盛溶接対象部3には、例えば、UDIMET(登録商標)520などの超耐熱合金が被覆される。このように、金型表面を超耐熱合金により被覆することで、高温下で被加工材を熱間鍛造した際の、金型表面の割れや、割れの転写による被加工物の表面品質の悪化を防止することができ、金型を長寿命化することができる。
次に、本実施形態の肉盛溶接方法について説明する。
図2(a)は、金型1を保持台7に保持した状態の、肉盛溶接装置の一例を示す模式図である。本実施形態には、図2に示されるような肉盛溶接装置(以下、単に装置という場合がある)を用いることができ、図2に示すように、保持台7は、金型1の中心軸5を回転軸にして回転することができる(図中矢印B)。
また、図2の装置では、保持台7の近傍に、ロボット9が設置されている。ロボット9は、先端に溶接トーチ11を保持し、保持した溶接トーチ11を保持台7に対して位置決めすることできる。言い換えれば、溶接トーチ11を、金型1の肉盛溶接対象部3に対して位置決めすることができる。
なお、溶接トーチ11の位置決めには、必ずしもロボット9を用いる必要は無く、他の保持手段で位置決めしてもよい。
また、金型1は、保持台7に保持され、溶接トーチ11が位置決めされた状態にして回転することができる。
なお、金型1と溶接トーチ11とは、両者間において相対的に回転が行なわれればよく、金型1と溶接トーチ11のいずれを動作してもよい。例えば、ロボット9により、溶接トーチ11を中心軸5の周囲に回転してもよい。
また、図2(b)に示すように、保持台7は、中心軸5を傾斜して金型1を保持することもでき(図中矢印C)、これにより、中心軸5の傾斜角度を維持したまま金型1を回転することができる。
なお、図2の装置において、ロボット9の動作と、保持台7の動作は、図示を省略した制御部が行う。制御部は、例えば、コンピュータであり、予めプログラミングされた各動作の制御方法を入力して記憶し、その記憶に基づき、ロボット9と保持台7を動作することができる。
また、制御部には、図示を省略した教示画面を接続していて、教示画面上の表示に従って、ロボット9と保持台7を動作させることができる。
また、制御部には、金型1の形状データ(例えばCADデータ)を記憶することができ、金型1について、肉盛溶接前の初期形状データ、及び、肉盛溶接後の最終形状データなどを、CADデータとして、記憶することができる。なお、後で説明するように、これらCADデータは、肉盛溶接部の断面二次形状と参照するので、予め、金型1の径方向断面の二次元データにして、記憶することが好ましい。
次に、本実施形態の肉盛溶接方法の手順について説明する。
まず、制御部に接続した教示画面上の表示に従って、溶接トーチ11を、金型1の所定の位置に移動する。そして、本実施形態では、溶接トーチ11に、粉体プラズマ溶接用のトーチを用い、金型1の肉盛溶接対象部3に対して、溶接トーチ11を、略垂直に配置する。なお、本実施形態では、粉体プラズマ溶接用のトーチ以外にも、溶接ワイヤを溶融する溶接トーチなどを用いることもできる。
また、溶接トーチ11を、金型1の所定の位置に移動するにあたり、後で説明する形状センサにより、金型1の表面形状を検出してもよく、これにより、制御部内に記憶した金型1の初期形状データと参照して、溶接トーチ11を所定の位置に正確に配置するようにしてもよい。
本実施形態で行う、粉体プラズマ溶接は、溶接材料として粉末を用いる溶接方法であり、プラズマアーク中に粉末溶接材料を供給して、肉盛溶接対象部3に溶接材料を溶着し、肉盛溶接部を形成する。このような粉体プラズマ溶接によれば、ワイヤ加工が困難な溶接材料でも、肉盛溶接部を形成することができる。
図3は、肉盛溶接部13近傍の拡大図である。図3に示すように、本実施形態の肉盛溶接では、制御部に接続した教示画面上の表示に従って、溶接トーチ11を、肉盛溶接対象部3上の所定の位置に配置し、溶接トーチ11と中心軸5との距離(図中X)、および、溶接トーチ11の先端と肉盛溶接対象部3との距離(図中Y)を、一定に保つようにする。その後、制御部が保持台7を回転しつつ、溶接金属を、溶接トーチ11から肉盛溶接対象部3に溶着する。そして、肉盛溶接対象部3を中心軸5の周囲に一回転し、肉盛溶接対象部3上に一回転分の肉盛溶接部13を形成する。
なお、保持台7の回転速度は、制御部により、中心軸5から溶接トーチ11までの距離に応じて設定できるようにし、溶接位置における肉盛溶接対象部3の周速度が、周回に依らず一定になるようにする。
図4は、肉盛溶接部13を周方向に形成した状態の金型1の平面図(保持台7およびロボット9は図示省略)である。図4に示すように、保持台7を周方向に一回転することで、肉盛溶接対象部3の周方向に環状の肉盛溶接部13を形成する。
環状の肉盛溶接部13を形成した後、ロボット9が保持する溶接トーチ11を形状センサ15に持ち替え、肉盛溶接部13の形状を測定する。形状センサ15は、肉盛溶接部13の径方向形状を測定し、測定した形状データを制御部に記憶する。
図5は、形状センサ15により、肉盛溶接部13の形状を検出する状態を示す図である。図に示すように、制御部が保持台7を回転しつつ、形状センサ15が肉盛溶接部13の形状を連続して測定し、測定した形状データを基に、制御部が、周方向における肉盛溶接部13の径方向形状の平均値を算出する。
ここで言う「平均値」とは、肉盛溶接部13の径方向の断面形状を周方向に連続して取得した形状データを平均化した平均形状である。そして、算出した平均値を基に、制御部に記憶した金型1の初期断面形状を参照し、金型1表面に形成した肉盛溶接部13の、平均断面二次形状(肉盛溶接部形状)を算出する。
次に、ロボット9の保持する形状センサ15を、溶接トーチ11に持ち替え、制御部に接続された教示画面上の表示に従って、溶接トーチ11を、肉盛溶接部13の端部位置に位置決めする。
図6(a)は、溶接トーチ11の位置決めを指示する、教示画面の一例を示す図であり、図6(b)は、溶接トーチ11が位置決めされた状態を示す図である。教示画面上には、溶接トーチ位置11aと、肉盛溶接部形状13aと、金型形状1aなどを表示している。
図6(b)に示すように、溶接トーチ11を、教示画面の表示のように、肉盛溶接部端部17に対向配置し、溶接トーチ11の中心線が、前述した肉盛溶接部13の平均値の端部、すなわち、肉盛溶接部端部17の位置に対向するように溶接トーチ11を位置決めする。
なお、上記位置決めは、制御部に接続する教示画面上の表示に従って、溶接トーチ11、金型1を動作させて行うことができる。
金型形状1a(肉盛溶接対象部形状3a)は、予め制御部に記憶したCADデータを表示したものである。そして、肉盛溶接部形状13aは、前述した肉盛溶接部13の周方向における平均値により算出したものであり、金型形状1aとの位置関係を合せて表示したものである。そして、溶接トーチ位置11aは、教示画面上の表示に従って移動することができ、金型形状1a及び肉盛溶接部形状13aに対する二次元上の位置関係を設定することで、制御部が溶接トーチ11を移動して、溶接トーチ11、肉盛溶接部13、金型1を教示画面上の表示と同じ位置関係に位置決めすることができる。
また、教示画面には、制御部にあらかじめ設定されている肉盛溶接基準形状13bを表示することもできる。この肉盛溶接基準形状13bは、これから形成しようとする肉盛溶接部と大きさが略同じになる断面形状を、参考例として示したものであり、肉盛溶接基準形状13bを参考にしながら、溶接トーチ位置11aを決定することができる。
なお、本実施形態では、金型1に対する溶接トーチ11の周速を一定にしているので、肉盛溶接基準形状13bの大きさは、溶接の周回に依らず一定の大きさにして参考にすることができる。
また、図6(a)に示すように、肉盛溶接対象部形状3aに対する溶接トーチ位置11aの位置を正確に教示するために、溶接トーチ位置11aの径方向(図3のX方向)と、肉盛溶接対象部形状3aからの距離(図3のY方向)に目盛を表示することもできる。
上記教示画面上おいて、金型形状1a及び肉盛溶接部形状13aに対して、溶接トーチ位置11aを所定の位置関係に設定し、溶接トーチ11を肉盛溶接部端部17に対向するように位置決めする。その後、保持台7を回転しながら溶接トーチ11を動作し、新たな肉盛溶接部を形成する。
なお、溶接を行う肉盛溶接対象部3が、金型1の径方向断面において直線部である場合がある。このような直線部には、肉盛溶接部13を比較的安定した形状に形成することができ、安定した品質で肉盛溶接部を形成することができるので、前述の、形状センサ15による肉盛溶接部13の形状測定工程から、溶接トーチ11を肉盛溶接部端部17に対向配置する工程まで省略することができる。
この場合、溶接トーチ11は、肉盛溶接の周回ごとに、予め設定された間隔で移動すればよい。典型的には、現在の溶接位置から、肉盛溶接基準形状13bの幅を足しても、肉盛溶接基準形状13bの端部が、曲線部にかからないと判断できる場合、溶接トーチ11を、肉盛溶接基準形状13bの幅の1/2だけ金型1の径方向に移動して、肉盛溶接部端部17の算出工程を省略することができる。
また、本実施形態では、粉体プラズマ溶接を行っているので、図6(b)のように、肉盛溶接対象部3に対して溶接トーチ11を垂直に配置し、この状態のまま、金型1を回転しながら周方向に溶接を行っている。しかし、肉盛溶接対象部3の径方向断面が凹形状である場合、回転する金型1を傾斜し、溶接トーチ11に対して、対向する肉盛溶接対象部3を傾斜して溶接を行うこともできる。
図7(a)は、溶接トーチ11に対して、対向する肉盛溶接対象部3を傾斜した状態の教示画面の一例を示す図である。また、図7(b)は、教示画面に表示された状態に、溶接トーチ11を位置決めした状態を示す図であり、溶接トーチ11に対して、対向する肉盛溶接対象部3を傾斜した状態を示す図である。なお、図7(a)に示すように、教示画面上では、金型形状1aを水平にし、溶接トーチ位置11aを傾斜して表示してもよい。また、溶接トーチ位置11aを傾斜した際の、溶接トーチ位置11aと肉盛溶接対象部形状3aの距離を示すように、溶接トーチ位置11aと同様に傾斜させた目盛を表示してもよい。
図7(b)に示すように、肉盛溶接対象部3の径方向断面が凹形状である場合、溶接トーチ11を、肉盛溶接対象部3に対して垂直な位置から傾斜して溶接することができる。これにより、既に形成された肉盛溶接部13の基部まで確実に溶かし込むように肉盛溶接部を形成することができる。
ここで、肉盛溶接部端部17における、肉盛溶接対象部3の接線をMとし、肉盛溶接部端部17における、肉盛溶接部13の接触角度をEとする。また、肉盛溶接部端部17における、接線Mに対する垂直な線をNとし、接線Mに対して、角度E/2の角度の線をPとする。この場合、肉盛溶接対象部3に対する溶接トーチ11のなす角度を、線Pから線Nまで(図中F)の範囲にすることが好ましい。すなわち、溶接トーチ11は、肉盛溶接対象部3(接線M)に対して、E/2以上90°以下の範囲で傾けることが望ましい。
なお、粉体プラズマ溶接は、溶接トーチ11の先端から発生するプラズマの方向と、溶接トーチ11から供給する粉末の落下方向が一致することで、粉末を確実に溶融できるので、溶接トーチ11は、粉末が落下する方向である鉛直下向きに配置することが好ましい。そして、粉末をプラズマ中に安定して供給できるよう、溶接トーチ11と肉盛溶接対象部3とのなす角度を調整するには、金型1側を傾斜することが好ましい。
図8(a)は、このような工程を繰り返した後の教示画面の一例を示す図であり、図8(b)は、教示画面に表示された状態に、溶接トーチ11の位置決めをした状態を示す図である。図8(b)に示すように、金型1の径方向断面の曲線部に肉盛溶接部を形成する場合には、一周分の肉盛溶接部13を形成した後、肉盛溶接部13の形状を測定し、肉盛溶接部端部17の位置を算出するようにする。
なお、図のように、曲線部の径方向断面が凹形状である場合には、肉盛溶接部端部17における、肉盛溶接対象部3の接線(図中G)に対する接触角(図中H)を求め、溶接トーチ11と肉盛溶接対象部3のなす角度を、肉盛溶接対象部3に対して垂直(図中Q)から、接触角度Hの1/2(図中R)の間の角度に調整するようにすることが好ましい。
また、教示画面上には、肉盛溶接基準形状13bを表示することもできるが、曲線部では、溶融した肉盛溶接部13の流れ方を予想することが困難であるため、周回ごとに形状測定を行い肉盛溶接部13の形状を把握する必要がある。
以上のようにして、肉盛溶接対象部3の全体に肉盛溶接部13を形成する。
なお、本実施形態では、肉盛溶接部13の形成は、径方向の内周側端部または外周側端部から順に行ってもよく、径方向中央から内周側および外周側のそれぞれに順に形成することもできる。そして、肉盛溶接部13は、必要に応じて複数段にして形成することもできる。
図9(a)は、肉盛溶接部13を複数段形成する際の、教示画面の一例を示す図であり、図9(b)は、図9(a)のJ部における肉盛溶接部13近傍の拡大図である。そして、教示画面上には、制御部に記憶した、金型1の最終形状データを参照して、最終肉盛溶接部形状19を表示している。
最終肉盛溶接部形状19に対し、現状での肉盛溶接部形状13aの薄い部分には、さらに上段に肉盛溶接を重ねることができる。そして、金型1の表面に肉盛溶接部13をn段形成した後、最終肉盛溶接部形状19と比較して、肉盛溶接部形状13aの厚みが薄い部分には、n段目の肉盛溶接部13上に、n+1段目の肉盛溶接を繰り返して行うことができる。
なお、肉盛溶接部13を複数段形成する際において、肉盛溶接部13の形状の計測は、n段目の肉盛溶接部13の表面上におけるn+1段目の肉盛溶接部13の形状を測定する。例えば、肉盛溶接部端部17としては、n断面の肉盛溶接部13を基準として、n+1段目の肉盛溶接部13の端部位置を検出する。また、n+1段目の肉盛溶接部端部17における、肉盛溶接対象部3の接線(図中K)に対する接触角度(図中L)を求め、溶接トーチ11と肉盛溶接対象部3のなす角度を、肉盛溶接対象部3に対して垂直(図中U)から、接触角度Lの1/2(図中T)の間の角度に調整する。
以上を繰り返し、肉盛溶接対象部3の全ての部位で、肉盛溶接部13の総厚みが最終肉盛溶接部形状19以上となった後、肉盛溶接部13表面を必要量だけ研削して、金型1の表面被覆を完了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状の金型1の、中心軸5に回転対称な肉盛溶接対象部3に対して、周方向に安定した品質の肉盛溶接部13を形成することができる。
そして、溶接の際、金型1と溶接トーチ11の相対位置を固定して溶接するので、周回ごとにずれを助長することなく肉盛溶接部13を形成することができる。また、肉盛溶接部13の二次元形状を周回ごとに周方向において平均し、この平均値に基づき溶接トーチ11の位置を決定することで、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ金型1であっても、金型の周方向に安定した品質の肉盛溶接部を形成することができる。
また、溶接トーチ11を、すでに形成されている肉盛溶接部13の肉盛溶接部端部17の位置に合わせることで、隣接する肉盛溶接部13どうしの重なりを適切な量にすることができるので、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、高い強度の肉盛溶接部13を形成することができる。
また、溶接トーチ11の径方向位置に応じて、金型1と溶接トーチ11の相対回転速度を調整し、金型1に対する溶接トーチ11の周速を一定にすることで、単位時間当たりの肉盛量を一定にして肉盛溶接部13を形成することができる。これにより、溶接の周回に依らず、安定した品質の肉盛溶接部13を形成することができる。また、溶接の周回に依らず、肉盛溶接部13をほぼ一定の大きさの断面形状に形成できるので、これから形成する肉盛溶接部の断面形状を推測しながら、肉盛溶接を行うことができる。
また、溶接トーチ11と肉盛溶接対象部3とのなす角度を調整することで、既に形成された肉盛溶接部13の基部を確実に溶かし込むようにして、新たに肉盛溶接部を形成することができる。これにより、溶接欠陥の発生を抑制しつつ、高い強度の肉盛溶接部13を形成することができる。
また、このようにして形成される肉盛溶接部13を、複数段重ねて形成することができ、これにより、肉盛溶接部13の厚み不足分を補って形成して、所望の厚みの肉盛溶接部13を形成することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………金型
1a………金型形状
3………肉盛溶接対象部
3a………肉盛溶接対象部形状
5………中心軸
7………保持台
9………ロボット
11………溶接トーチ
11a………溶接トーチ位置
13………肉盛溶接部
13a………肉盛溶接部形状
13b………肉盛溶接基準形状
15………形状センサ
17………肉盛溶接部端部
19………最終肉盛溶接部形状

Claims (7)

  1. 金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、
    金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、
    前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、
    前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、
    前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、
    前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、
    を具備し、
    前記工程dにおいて、前記溶接トーチを、既に形成されている前記肉盛溶接部の端部に対向配置し、
    前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  2. 金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、
    金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、
    前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、
    前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、
    前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、
    前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、
    を具備し、
    前記工程dにおいて、前記二次元形状の平均値から、前記肉盛溶接対象部と既に形成された前記肉盛溶接部との接触角度を算出し、前記溶接トーチと前記肉盛溶接対象部とのなす角度を、前記接触角度に応じて傾け、
    前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  3. 金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、
    金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、
    前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、
    前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、
    前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、
    前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、
    を具備し、
    前記肉盛溶接部を、粉体プラズマ溶接で形成し、
    前記工程dにおいて、前記溶接トーチと前記肉盛溶接対象部とのなす角度を、前記溶接トーチを鉛直下向きに配置した後、前記保持台を傾けて調整し、
    前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成することを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  4. 金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、
    金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、
    前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、
    前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、
    前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、
    前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、
    を具備し、 前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成し、
    前記肉盛溶接対象部の径方向断面に直線部が含まれるとき、該直線部上への前記溶接トーチの配置を、前記工程c、前記工程dによる前記溶接トーチの配置に換え、予め定めた間隔にて前記溶接トーチを配置しつつ前記工程bを繰り返す工程を含むことを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  5. 金型表面に肉盛溶接部を形成する肉盛溶接方法であって、
    金型の肉盛溶接対象部が中心軸周りに回転対称で、かつ、径方向断面の少なくとも一部に曲線部を含んだ形状であり、
    前記金型を保持台に固定し、前記肉盛溶接対象部に溶接トーチを配置する工程aと、
    前記溶接トーチを前記中心軸から一定の距離に位置決めし、前記溶接トーチと前記金型とを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部に一回転分の肉盛溶接部を形成する工程bと、
    前記工程bに続き、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の表面形状を形状センサで測定し、次いで、前記形状センサを前記中心軸周りに相対的に回転させ、前記肉盛溶接対象部と前記肉盛溶接部の一回転分の二次元形状を測定する工程cと、
    前記二次元形状の平均値に基づき、次に前記肉盛溶接部を形成する際の、前記溶接トーチの配置を決定する工程dと、
    を具備し、
    前記工程bから前記工程dを繰り返して、前記肉盛溶接部を前記肉盛溶接対象部に連続して形成し、
    前記金型表面に前記肉盛溶接部をn段形成し、必要な最終肉盛形状と比較して、肉盛溶接形状の厚みが薄い部分には、n段目の肉盛溶接部上に、n+1段目の肉盛溶接を繰り返すことを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の金型への肉盛溶接方法により、前記金型表面に前記肉盛溶接部をn段形成し、必要な最終肉盛形状と比較して、肉盛溶接形状の厚みが薄い部分には、n段目の肉盛溶接部上に、n+1段目の肉盛溶接を繰り返すことを特徴とする金型表面への肉盛溶接方法。
  7. 前記工程bにおいて、前記肉盛溶接対象部に対する前記溶接トーチの周速を、前記溶接トーチと前記中心軸との距離に基づき調整することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の金型表面への肉盛溶接方法。
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