JP6303286B2 - ペリクル付きフォトマスクの検査方法及びペリクル粘着耐久性検査装置 - Google Patents

ペリクル付きフォトマスクの検査方法及びペリクル粘着耐久性検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、フォトマスクへの塵埃付着を防止するペリクル膜を張設するためのペリクルフレームを貼り付けたペリクル付きフォトマスクと、そのペリクル付きフォトマスクを製造し、そのペリクル付きフォトマスクのフォトマスクへのペリクルフレームの貼付耐久性を検査する、ペリクル付きフォトマスクの製造方法と、それに用いるペリクル粘着耐久性検査装置に関する。
微細なパターンをフォトリソグラフィー法により露光して転写するために使用されるフォトマスクにおいて、パターン面に塵埃等の異物が付着すると、異物自体が露光対象基板面に転写されたり、異物が露光を遮って露光対象基板面に影を作ることにより欠陥パターンが転写されたりする。上記の理由により、特に、多数の露光対象基板に影響を及ぼすフォトマスクの面を塵埃の付着から保護するための対策が講じられている。
そのために、特許文献1のように、投影露光に用いるフォトマスクの有効領域外の表面にペリクルフレームと称する枠体を配置し、それを介してフォトマスクの有効領域全面を覆う、露光光源波長に対して透明性な、厚さ数百nmから数μmのペリクル膜をフォトマスク面とほぼ平行に張設して近接配置する。その結果、有効領域に接触させることなくフォトマスクの表面を保護する。また、ペリクル膜上に付着した異物は、露光時に焦点を外し、異物が露光対象基板面に影を作らないようにできる。
特開2011−017833号公報 特開平5−150446号公報
従来は、特許文献1のように、フォトマスクにペリクルフレームの粘着層を接触させて、200Nから400N程度の押し当て力をかけてペリクルフレームにフォトマスクに粘着させることで、フォトマスクにペリクルフレームとペリクル膜から成るペリクルをフォトマスクに設置し、ペリクル付きフォトマスクを製造していた。
しかし、ペリクルフレームの平坦度は数十μm程度とフォトマスクの平坦度と比較して精度はラフなため、ペリクルフレームにフォトマスクに粘着させる押し当て力が従来の200Nから400N程度をかけると、フォトマスクに当たるペリクルフレームの平坦度の数十μm程度の粗さに合わせてフォトマスクが歪む問題がある。
一方、マスクに要求される平坦性は、パターン面での平坦度に対する要求が厳しくなっており、最先端のリソグラフィに用いられるマスクでは1μm以下であることが好ましい。
そのため、ペリクルフレームをフォトマスクに貼り付ける際に、ペリクルフレームの平坦度がフォトマスクの平坦度に影響を及ぼさないようにする低圧で、フォトマスクにペリクルフレームを貼り付けることが望ましい。
しかし、このペリクルフレームをフォトマスクに粘着させる粘着剤層は、特許文献2で示されているように、経時変化により粘着力が低下しペリクルフレームがフォトマスクから剥がれる不具合が発生する問題がある。特に、そのペリクルフレームをフォトマスクに粘着させる押し当て力を低くすれば、粘着力が低下し、経時変化でペリクルフレームがフォトマスクから剥がれ易い問題があった。
本発明は、前記の問題点に鑑みて提案するものであり、本発明が解決しようとする課題は、フォトマスクをリソグラフィに用いる際にフォトマスクからペリクルが剥離しないように品質を保証した低圧貼付によるペリクル付きフォトマスクを提供する上で参考となる粘着耐久性の評価データを得る手法を提案することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、ペリクル付きフォトマスクの検査方法であって、
フォトマスクにペリクルフレームの重さの1倍以上10kgf以下の低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレームを圧着して貼り付けられたペリクル付きフォトマスクのペリクル側の面を下に向け、前記ペリクルフレームをフォトマスクから下向きの力で引き剥がす荷重を加え
前記ペリクルフレームのフォトマスクからの剥離状態を観察し、前記荷重と剥離開始時間との関係により粘着耐久性を評価することを特徴とするペリクル付きフォトマスクの検査方法である。
本発明は、ペリクルフレームをフォトマスクから下向きの力で引き剥がす力を加え、ペリクルフレームの貼付強度の経時変化を検査することで、ペリクルフレームのフォトマスクへの貼付強度を検査し、ペリクル付きフォトマスクの信頼性を高める上で参考となる粘着耐久性の評価データを簡便に得ることができる。
また、本発明は、フォトマスクにペリクルフレームの重さの1倍以上10kgf以下の低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレームを圧着して貼り付けてなるペリクル付きフォトマスクのペリクル粘着耐久性検査装置であって、前記ペリクル付きフォトマスクのペリクル側の面を下に向け、前記ペリクルフレームをフォトマスクから下向きの力で引き剥がす荷重を加える荷重機構を有しており、前記荷重機構は、先端をペリクルフレームにフックする巻きバネ状の固定バサミを有し、ペリクルフレームの対向する二辺でフックした一対の相対する固定バサミ間で吊り下げた皿に重りを載せて、ペリクルに荷重をかける構造であることを特徴とするペリクル粘着耐久性検査装置である。
また、本発明は、上記のペリクル粘着耐久性検査装置であって、前記荷重機構と、前記ペリクルフレームを撮影する撮像カメラと、記憶手段と、前記ペリクルフレームの位置の変化を観察する観察手段を有し、前記観察手段が前記ペリクルフレームの位置の変化の時刻を検出し前記記憶手段に記憶することを特徴とするペリクル粘着耐久性検査装置である。
本発明は、フォトマスクにペリクルフレームの重さの1倍以上10kgf以下の低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレームを圧着して貼り付けてペリクル付きフォトマスクを製造することで、ペリクル付きフォトマスクの、ペリクル貼り付け後の歪みによるフォト
マスクの平坦度の変化を軽減することができる効果がある。
そして、本発明は、そのペリクル付きフォトマスクのペリクルフレームをフォトマスクから下向きの力で引き剥がす力を加え、ペリクルフレームの剥がれを検出し、その剥がれの発生時刻と、その時刻の前後の時刻のペリクルフレームの撮像画像を記録するペリクル粘着耐久性検査工程により、ペリクルフレームのフォトマスクへの貼付強度の経時変化を検査することで、フォトマスクに低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレームを圧着して貼り付けたペリクル付きフォトマスクの信頼性を高くできる効果がある。
本発明の第1の実施形態のフォトマスクへペリクルフレームを貼り付け、そのペリクル付きフォトマスクのフォトマスクへのペリクルフレームの貼付耐久性を検査する、ペリクル付きフォトマスクの製造方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態のペリクル付きフォトマスクの側面図である。 本発明の第1の実施形態のペリクル貼付け装置の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態のペリクル粘着耐久性検査装置の構成と荷重機構の正面図である。 (a)本発明の第1の実施形態のペリクル粘着耐久性検査装置の荷重機構の側面図である。(b)本発明の第1の実施形態のペリクル粘着耐久性検査装置の光学位置センサとペリクルの平面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明のペリクル粘着耐久性の検査方法を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフォトマスク1へペリクルフレーム13を貼り付けてペリクル付きフォトマスク10を製造し、そのペリクル付きフォトマスク10のフォトマスク1へのペリクルフレーム13の貼付耐久性を検査する、ペリクル付きフォトマスク10の製造方法の全体手順を示すフローチャートである。
ペリクル付きフォトマスク10の製造手順は、
(S1)ペリクル貼付け装置20にフォトマスク1を設置し、その下方にペリクル11を設置する。ペリクル11は、ペリクル膜12がフォトマスクの外側に向けて設置されたペリクルフレーム13と、そのペリクルフレーム13のフォトマスク1側の面に設置した粘着剤層14とから成る。
(S2)そして、ペリクル11をペリクルフレーム13の重さの1倍以上10kgf(98N)以下の低押し当て力の貼付荷重でフォトマスク1に押し当てることで、フォトマスク1に粘着剤層14を粘着させて、フォトマスク1とペリクル11を一体化して、フォトマスク1の表面に形成されたパターン領域をペリクル11で囲んだペリクル付きフォトマスク10を製造する。
ペリクル付きフォトマスク10の出荷手順は、
(S3)そのペリクル付きフォトマスク10を保管し、(S4)その出荷の際に、ペリクル付きフォトマスク10を、ペリクル膜12を下方に向けてペリクル粘着耐久性検査装置30に設置する。そして、ペリクル付きフォトマスク10のペリクルフレーム13に形成された穴15に、荷重機構31の巻きバネ状の固定バサミの細棒31aを差し込み、荷重31bを加える。
その荷重機構31によってペリクルフレーム13を下に引く荷重31bを加えることで、ペリクルフレーム13をフォトマスク1の面に垂直に引き剥がす力を加える。
尚、穴15は、ペリクルフレムの取り扱いの上でフックするために形成された非貫通の穴である場合もあるが、フォトマスクのパターン領域とペリクルの間で規定される空間の気圧調整や換気を図るための貫通穴である場合もある。
(S5)次に、光学位置センサ33等を用いた観察手段でペリクルフレーム13の位置の変化を観察し、ペリクルフレーム13の位置が変化した場合に、(S6)その変化を生じた時刻をペリクル粘着耐久性検査装置30の記憶手段37に記憶し、その時刻の前後に撮像カメラ34でペリクルフレームを撮影した画像データを記憶手段37に記憶する。
図2は、フォトマスク1にペリクル11を貼り付けて一体化したペリクル付きフォトマスク10の側断面図を示す。
(ペリクル11)
ペリクル11は、図2のように、ペリクル膜12とペリクルフレーム13から構成される。ペリクルフレーム13は、4方を側壁で囲まれた枠状のものであり、枠状のペリクルフレーム13の上面(上辺部)には透明で極薄膜のペリクル膜12が接着剤層12aにより固着されている。
ペリクルフレーム13のフレーム高さは、例えば5mmであり、そのペリクル11の平坦度は例えば30μm程度である。例えば、6インチ(152.4mm)フォトマスク1向けのペリクル11は、アルミニウムの枠のペリクルフレーム13が、長さが150mmで幅が5mm、厚さ5mmの4個の枠材から成り、約40gの重さがある。すなわちペリクルフレーム13は0.4Nの重力を受ける。
枠状のペリクルフレーム13の側壁には、穴15を、例えば直径1.6mm程度の大きさで、104mmの間隔で設ける。また、枠状のペリクルフレーム13の下面(下辺部)に粘着剤層14を付与し、その粘着剤層14によって、ペリクル11をフォトマスク1に粘着させる。
粘着剤層14は、硬化後に、ASTMD−1403に規定される針入度が50ないし100の範囲にある、適度な柔らかさを有するシリコーン系粘着剤、あるいは、アクリル系粘着剤を用いて粘着剤層14を形成する。
(ペリクル貼付け装置20)
図3に、ペリクル11をフォトマスク1に貼り付けてペリクル付きフォトマスク10を製造するペリクル貼付け装置20を示す。ペリクル貼付け装置20は、フォトマスク支持部21でフォトマスク1を支え、ステンレスのペリクル押し当てプレート22上にペリクル11を、ペリクル膜12を下に向けて設置する。
そして、押圧機構23により、ペリクル押し当てプレート22を介してペリクル11のペリクルフレーム13を下からフォトマスク1に押し当てて、フォトマスク1は上からフォトマスク加圧フレーム24で押してペリクルフレーム13上に形成した粘着剤層14をフォトマスク1に押し当て、ペリクル11をフォトマスク1に粘着させる。
ここで、ペリクル貼付荷重を、押し当て力0.4N〜98N(10kgf)の低押し当て力の貼付荷重で、その加圧時間を120秒の条件で、ペリクル11をフォトマスク1に貼り付ける。すなわち、押し当て力をペリクルフレーム13の重さの1倍以上250倍以下の低押し当て力にする。
このように、低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレーム13を貼り付けることでペリクルフレーム13がフォトマスク1に直接に当たることが無くなり、粘着剤層14が、ペリクルフレーム13の平坦度のばらつきに追従して変形し、ペリクルフレーム13とフォトマスク1に均一な圧力を加える。そのため、ペリクルフレーム13とフォトマスク1を変形させずにペリクル11を貼り付けたペリクル付きフォトマスク10を製造することができる。
これにより、従来の製造方法による、ペリクル貼付けの押し当て力200Nから500Nの貼付荷重で貼り付けた場合とは異なり、ペリクルフレーム13とフォトマスク1との歪みが無いペリクル付きフォトマスク10を製造することができる。そして、従来のペリクル付きフォトマスク10の、ペリクル貼り付け後の歪みによるフォトマスク1の平坦度の変化を軽減することができる効果がある。
(ペリクル貼付強度検査方法)
以上のように、低押し当て力のペリクル貼付荷重でペリクル11をフォトマスク1に貼り付けてペリクル付きフォトマスク10を製造する。次に、そのペリクル付きフォトマスク10を出荷する際に、そのペリクル貼付強度を、ペリクル粘着耐久性検査装置30を用いて検査する。
ペリクル貼付強度の検査は、ペリクル付きフォトマスク10の製造時にも行うことができる。また、ペリクル付きフォトマスク10を保管した後に、そのペリクル付きフォトマスク10を顧客に出荷する際に、ペリクル粘着耐久性検査装置30を用いて所定の荷重31bを加えて検査する。それにより、ペリクル貼付強度を検査してペリクル付きフォトマスク10の信頼性を高くすることができる。
(ペリクル粘着耐久性検査装置)
図4は、ペリクル粘着耐久性検査装置30の構成を示す模式概念図を示す。図4は荷重機構の正面図を示す。また、図5(a)は荷重機構の側面図を示す。図4と図5に示したペリクル粘着耐久性検査装置30は、ペリクル付きフォトマスク10のフォトマスク1とペリクルフレーム13の貼付強度の経時変化を検査する装置である。
ペリクル粘着耐久性検査装置30は、ペリクル付きフォトマスク10のフォトマスク1の外周部を挟持する基板保持機構32と、ペリクルフレーム13の穴15に差し込んだ細棒31aを用いてペリクルフレーム13をフォトマスク1から引き剥がす力を加える荷重機構31と、光学位置センサ33などの観察手段と、撮像カメラ34と制御手段36と記憶手段37を有する。
制御手段36は、外部入力や手入力により、随時必要な情報を入れることができ、操作のための各種パラメータの修正や例外処理の内容を指示することができる。制御手段36が光学位置センサ33又は撮像カメラ34からの信号を記憶手段37に記録してデータ処理を行うことで、ペリクル付きフォトマスク10のペリクル貼付強度の検査処理を自動化することができる。
(荷重機構)
荷重機構31は、巻きバネ状の固定バサミの細棒31aと荷重31bと荷重保持棒31cで構成する。巻きバネ状の固定バサミの細棒31aは、ステンレス線等の剛性を有する金属棒で作製する。巻きバネ状の固定バサミの細棒31aの太さは、穴15の、直径1.6mm程度の内径より小さい1.2mm程度の太さにし、必要に応じて表面の錆や傷や塵埃を防止するために樹脂をコートして保護する。巻きバネは、例えば、直径25mm程度の3巻きの輪で形成する。
図4のように、巻きバネ状の固定バサミの細棒31aの両端を、左右に対向するペリクルフレーム13の穴15へ、外側から差し込む。巻きバネ状の固定バサミの細棒31aの中心部に形成した、例えば3回巻きの、巻きバネによって両端を内側に引っ張ることで、その左右のペリクルフレーム13の外側から穴15へ差し込んだ細棒31aで左右のペリクルフレーム13を内側に押して挟み込む。
中心部に形成した巻きバネの中心部の約25mmの直径の輪に荷重保持棒31cを差し込み、巻きバネで荷重保持棒31cを支えさせる。そして、荷重保持棒31cに荷重31bを加える。荷重31bは、例えば、荷重保持棒31cが貫いた箱の底に重りを入れたもので構成できる。また、例えば、荷重31bは、荷重保持棒31cに吊り下げた重りで構成することもできる。
この荷重31bが荷重保持棒31c及び巻きバネ状の固定バサミの細棒31aを下に引っ張り、巻きバネ状の固定バサミの細棒31aが、ペリクルフレーム13を下に引っ張りフォトマスク1から引き剥がす力を加える。
(ペリクル貼付強度の検査手順)
ペリクル貼付強度の検査は、以下の手順で行う。先ず、ペリクル付きフォトマスク10を、ペリクル11を下側に向けてペリクル粘着耐久性検査装置30に設置する。すなわち、ペリクル付きフォトマスク10のフォトマスク1の外周部を基板保持機構32で保持する。
次に、フォトマスク1に貼り付けたペリクルフレーム13に設けた穴15の2つに細荷重機構31の棒31aを差し込み、ペリクルフレーム13を下に引く荷重31bを細棒31aからペリクルフレーム13に加える。荷重31bは、ペリクルフレーム13の重さの40g(0.4N)の27倍程度の10.6Nの荷重を加えて検査する。
そして、ペリクル粘着耐久性検査装置30の荷重機構31がペリクルフレーム13をペリクルフレーム13の重さの27倍程度の荷重31bで下に引っ張った状態で、例えば48時間程度の長時間、光学位置センサ33又は撮像カメラ34を用いた観察手段でペリクルフレーム13を観察する。そして、その観察手段が、ペリクルフレーム13の剥離、落下、損傷等の、ペリクルフレーム13の剥がれを検出し、その剥がれの発生時刻を記憶手段37に記録する。
それにより、ペリクルフレーム13のフォトマスク1への貼付強度の経時変化を検査する。そして、その荷重31bとペリクルフレーム13の剥離開始時間との関係によりフォトマスク1へのペリクル11の粘着耐久性を評価する。その検査と評価により、ペリクル付きフォトマスク10の長期信頼性を高めることができる効果がある。
(光学位置センサによる観察手段)
初めに、観察手段として、発光素子33aと受光素子33bとを隣接して同一方向に向けて設けた光学位置センサ33を用いる例について説明する。光学位置センサ33は、図4のようにペリクルフレーム13に向けて設置する。詳しくは、図5(b)のように、発光素子33aと受光素子33bとを隣接して同一方向に向けて設けた反射型フォトセンサを用いる。発光素子33aとして発光ダイオードが使用でき、受光素子33bとして高感度のフォトトランジスタが使用できる。
光学位置センサ33の発光素子33aがペリクルフレーム13の外側面に対して垂直に照射した光線を、ペリクルフレーム13の反射率の高い金属表面で反射させて、受光素子
33bで受光させる。ペリクルフレーム13が落下した場合に激減する受光素子33bの光量を検出することで、ペリクルフレーム13の落下又は位置の変化を検出する。そして制御手段36が、そのペリクルフレーム13の位置の変化の時刻を記憶手段37に記憶する。それとともに、制御手段36が、その時刻の前後の時刻に撮像カメラ34が撮影した画像データを記憶手段37に記憶する。
そして制御手段36は、画像処理手段35が記憶手段37に記憶したペリクルフレーム13の落下又は位置の変形の時刻を記憶手段37から読出し、また、その時刻の前後の状態を撮影した画像データを記録手段37から読み出して表示する。
こうすることで、制御手段36が、ペリクル付きフォトマスク10の変形を、観察手段からの信号によって検出して、ペリクル付きフォトマスク10の変形の時刻を自動的に記録できる効果がある。
(変形例1:撮像カメラによる観察手段)
変形例1は、観察手段として撮像カメラ34を用いてペリクルフレーム13の状態を検出する。撮像カメラ34は、CCD等の小型の固体撮像カメラが好適である。撮像カメラ34は、制御手段36と連携した画像処理手段35に撮影画像を送信し、画像処理手段35は画像の変化を検出し、制御手段36が、画像が変化した時刻と、その時刻の前後の時刻の画像データを記憶手段37に記憶する。
撮像カメラ34と画像処理手段35によりペリクルフレーム13の状態の変化を以下のようにして検出できる。すなわち、撮像カメラ34がペリクルフレーム13を撮影した画面の画像データを画像処理手段35に送信する。画像処理手段35は、先に撮影した画面の画像データと次に撮影した画面の画像データを比較し、画像の変化を検出する。画像処理手段35は、画像が大きく変化した場合に、その変化が起きた時刻と、その時刻の前後の時刻の画像データを記憶手段37に記憶する。
こうして、ペリクル粘着耐久性検査装置30を用いることで、ペリクル付きフォトマスク10の出荷の際に、フォトマスク1とペリクルフレーム13の貼付強度を検査して、その貼付強度が確認されたペリクル付きフォトマスク10を出荷することができる効果がある。また、ペリクル粘着耐久性検査装置30を用いて、使用条件に応じた、ペリクル付きフォトマスク10のフォトマスク1とペリクルフレーム13の貼付強度を検査することで、使用条件に応じた粘着状態の経時変化のデータを取得して品質保証体制を構築できる効果がある。
<第2の実施形態>
ペリクル粘着耐久性検査装置30を用いて、荷重31bを徐々に増やして、フォトマスク1からペリクルフレーム13が剥がれる荷重31bの大きさを調べる。これにより、ペリクル付きフォトマスク10の接着力を測定することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、ペリクルフレーム13のフォトマスク1からの剥がれの発生を検出するペリクル11の観察手段として、枠状のペリクルフレーム13の上面に接着剤層12aで固着されペリクル膜12を観察する観察手段を用いることもできる。その観察手段で、ペリクルフレーム13のフォトマスク1への粘着力の変化による、ペリクル膜12の張力の変化をペリクル膜12の歪みで検出することでペリクルフレーム13の剥がれ始めを検出することもできる。
また、本発明は、ペリクルフレーム13のフォトマスク1からの剥がれの発生を観察する手段は、撮像カメラ34に限定されず、観察手段として目視による観察手段を用いるこ
ともできる。
1・・・フォトマスク
10・・・ペリクル付きフォトマスク
11・・・ペリクル
12・・・ペリクル膜
12a・・・接着剤層
13・・・ペリクルフレーム
14・・・粘着剤層
15・・・穴
20・・・ペリクル貼付け装置
21・・・フォトマスク支持部
22・・・ペリクル押し当てプレート
23・・・押圧機構
24・・・フォトマスク加圧フレーム
30・・・ペリクル粘着耐久性検査装置
31・・・荷重機構
31a・・・細棒
31b・・・荷重
31c・・・荷重保持棒
32・・・基板保持機構
33・・・光学位置センサ
33a・・・発光素子
33b・・・受光素子
34・・・撮像カメラ
35・・・画像処理手段
36・・・制御手段
37・・・記憶手段

Claims (2)

  1. フォトマスクにペリクルフレームの重さの1倍以上10kgf以下の低押し当て力の貼付荷重でペリクルフレームを圧着して貼り付けてなるペリクル付きフォトマスクのペリクル粘着耐久性検査装置であって、
    前記ペリクル付きフォトマスクのペリクル側の面を下に向け、前記ペリクルフレームをフォトマスクから下向きの力で引き剥がす荷重を加える荷重機構を有しており、
    前記荷重機構は、先端をペリクルフレームにフックする巻きバネ状の固定バサミを有し、ペリクルフレームの対向する二辺でフックした一対の相対する固定バサミ間で吊り下げた皿に重りを載せて、ペリクルに荷重をかける構造であることを特徴とするペリクル粘着耐久性検査装置。
  2. 前記荷重機構と、
    前記ペリクルフレームを撮影する撮像カメラと、記憶手段と、前記ペリクルフレームの位置の変化を観察する観察手段を有し、
    前記観察手段が前記ペリクルフレームの位置の変化の時刻を検出し前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1記載のペリクル粘着耐久性検査装置。
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