JP6303226B2 - 止水パネル - Google Patents

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Description

本発明は、ゲリラ豪雨等によって建物や地下出入口等の開口部から、水が内部へと浸入するのを防止する止水パネルに関するものである。
昨今、地球温暖化が要因の一つとされる異常気象に伴い、各地で短時間の記録的なゲリラ豪雨が頻発している。周知のように、都市部では道路の舗装化が進んでおり、降雨した雨水は殆ど地中に浸透することなく、下水道施設から河川へと一気に流入するので、短時間で河川が氾濫したり下水道施設から雨水が噴き出したりして、床下浸水や床上浸水などの被害を出している。
このような河川の氾濫などの水害時は、従来、土嚢を建物や地下出入口等の開口部に積み上げて遮水壁を作り、建物等の内部への水の浸入を防いでいた。しかしながら、土嚢は非常に重いため、積上げ作業には大変な時間と労力を要し、また、嵩張るので保管場所を確保するのも容易ではなかった。しかも、上記のように、昨今の水害は短時間の内に被害が出ることが多く、土嚢を保管場所から運び出して建物等の出入口に積み上げる作業に時間を要すると、遮水壁を作るまでに浸水してしまうことも珍しくなかった。
かかる事項に鑑みて、底部の溝形材と壁面に埋め込む左右の溝形材とを組み合わせてなる支持枠と、やり返しにより上記支持枠に取外し自在に装着するパネルからなり、該パネルは、上記支持枠に対して水密に固定するためのハンドルとパッキングとを備えた防水パネル装置(特許文献1)や、構造物の入口両側に該構造物に密着固定する対向溝形立柱と、該立柱の溝内に左右両端部を挿入可能な防水板とからなり、該防水板の底面及び左右両端部正面に弾性止水ゴムを設け、該弾性止水ゴムを床面及び上記溝の正面側内面に同時に圧接されるクレセントを防水板の正面と、上記立柱の正面とに掛渡すように形成した防水装置(特許文献2)のように、土嚢以外のものを利用することにより、水害を防止する技術が提案されている。
上記特許文献1の防水パネル装置や特許文献2の防水装置は、従来のように、多数の土嚢を保管場所から運び出して遮水壁を作るという重労働から解放され、また、土嚢と比較すると水密性に優れるため、漏水を防止できるといった効果が得られるものであった。
特開平05−311629号公報 特開2001−098792号公報
しかしながら、水害時の防水装置にかかる水圧は非常に大きいことから、上記特許文献1の防水パネル装置においては、雨水を直接遮断するパネルの他にも別途補強用アングル材なる補強部材が必要となり、特許文献2の防水装置においては、雨水を直接遮断する防水板の他にも別途ステンレス板なる補強部材が必要となって、装置が大掛かりなものとなるため重量が重くなるという問題があった。また、部品点数が多くなるのに伴って、構造が複雑なものとなり防水装置製造時の組み立て作業に時間を要するという問題もあった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、耐水圧性を十分に確保しながら、構造をシンプル且つ可能な限り軽量なものとし、止水パネルの厚みを一定にすることによって体裁を良好なものとすると共に、四周に取付ける枠体への納まりを良好なものとした止水パネルを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る止水パネルは、底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置されて、一方から他方への水の侵入を防止する止水パネルであって、一対の表面材と、該表面材間に配置された複数の隔壁部からなる、中空構造を有するものであり、下方の曲げ弾性率が上方の曲げ弾性率よりも大きく、その厚みが上方から下方にかけて略一定であり、上記隔壁部の下方の厚みが、隔壁部の上方の厚みよりも厚いことを特徴とするものである。
本発明の止水パネルにおいては、上記表面材の下方の厚みが、表面材の上方の厚みよりも厚いことが好ましく、そのために、上記表面材又は/及び隔壁部の厚みが、止水パネルの上方から下方に向うにつれて徐々に厚くなっていく構成を採用することが好ましい。また、止水パネルの上方の隔壁部の数よりも、止水パネルの下方の隔壁部の数が多いことも好ましく、そのために、止水パネルの上方から下方に向うにつれて、隔壁部の数が徐々に多くなっていく構成を採用することが好ましい。このような止水パネルは、合成樹脂製であることが最も好ましい。
本発明の止水パネルは、ゲリラ豪雨等による浸水被害を最小限に抑えるために開発されたものであって、建物や地下出入口等の底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置される。本出願人は、このような水害時においては、止水パネルの特に下方の部分に大きな水圧が加わることに着目し、止水パネルの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくするという構成を想到した。このような構成を採用することにより、本発明の止水パネルは、従来のように別途補強部材を用いなくとも、水害時に要求される必要十分な強度を確保している。また、止水パネルを、一対の表面材と該表面材間に配置された複数の隔壁部からなる中空構造を有するものとすることにより、強度を確保しつつも、可能な限りの軽量化を図り、保管場所からの運び出しや設置作業に要する労力を軽減している。更に、止水パネルの厚み(一方の表面材の表面から他方の表面材の表面までの距離)を、上方から下方にかけて略一定にすることで、設置場所を選ばない極めて汎用性が高いものとなり、止水パネルの体裁も良好なものとなる。また、四周に取付ける枠体への納まりが良好となり、止水パネルの上下左右に取付ける枠体の幅寸法を同じ寸法にすることができるため、部品が共通化されてコストを削減することもできる。
本発明では、上記のように、止水パネルの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくする方法として、上記隔壁部の下方の厚みを、隔壁部の上方の厚みよりも厚くしているが、上記表面材の下方の厚みを、表面材の上方の厚みよりも厚くすることも好ましい。
その際は、上記表面材又は/及び隔壁部の厚みを、止水パネルの上方から下方に向うにつれて徐々に厚くすることが好ましい。
また、止水パネルの上方の隔壁部の数よりも、止水パネルの下方の隔壁部の数を多くすることにより、止水パネルの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくしてもよい。
その際は、止水パネルの上方から下方に向うにつれて、隔壁部の数を徐々に多くしていくことが好ましい。
上記のような止水パネルが合成樹脂製であると、表面材又は/及び隔壁部の下方の厚みを厚くしたり、下方の隔壁部の数を多くするといったパネルの成形が容易となり、また、金属製のものと比較すると軽量化を図ることができるにも拘らず、必要十分な強度を確保することができ、コストを抑えることもできるため、最も好ましい形態である。
本発明の一実施形態に係る止水パネルを示す斜視図である。 同止水パネルを底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置した状態を示す斜視図である。 同止水パネルの概略側面図である。 同止水パネルの四周に取付けられる枠体の斜視図である。 同枠体を止水パネルに取付けた状態を示す説明図である。 同止水パネルを底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置した状態を説明する平面図である。 同止水パネルを底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置した別の形態を説明する平面図である。 本発明の他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1に示す本発明の止水パネルPは、図2、図6に示すように、建物や地下の出入口等に多く見られる、底部4と二つの立ち上がり部5,5により形成される開口部6に設置されて、一方(屋外側)から他方(屋内側)への水の浸入を防止するためのものである。
上記止水パネルPは、淡く着色した透光性樹脂を押出成形したものであって、図1、図3に示すように、一対の表面材1,1の間に、複数の隔壁部2(横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、斜めの隔壁部2c)を形成することにより、止水パネルPの幅方向に貫通する多数の中空部3が形成されている。このように、横、縦、斜めの隔壁部2a,2b,2cによって多数の中空部3を形成することにより、止水パネルPが軽量な中空構造となり、保管場所からの運び出しや設置作業に要する労力を軽減している。また、止水パネルPを透光性を有するものとすることで、設置した際の閉塞感から解放され、水の浸入側と反対側(屋内側)から、水位を容易に確認することができるようにもなる。
本実施形態の表面材1は、図3に示すように、上方から下方にかけての厚みが一定(同じ)となっている。即ち、表面材1の上端の厚みt1と下端の厚みt2は、同じ0.8mm程度になっている。この表面材1は、止水パネルPを開口部6に設置した際、図2、図6に示すように、一方の表面材1が屋外側(水の浸入側)に、他方の表面材1が屋内側に面するように設置される。
また、横の隔壁部2aは、図3に示すように、上記表面材1に対して垂直で、且つ、底部4(設置面)に対して水平に形成されたものであって、止水パネルPの強度を確保するための重要な役割を果たす。そのため、横の隔壁部2aの厚みは、0.6mm程度の比較的厚いものとなっている。本実施形態の横の隔壁部2aも、上記表面材1と同様に、その上方の厚みt3と下方の厚みt4が同じになっており、このような横の隔壁部2aを、止水パネルPの上下方向に一定の間隔(上限間隔が40mm程度)をあけて複数設けることにより、止水パネルPに要求される強度を確保し、表面材1,1間の距離(止水パネルPの厚みT1,T2)を常に一定に保っている。
更に、縦の隔壁部2bは、図3に示すように、上記表面材1に対して平行で、且つ、底部4に対して垂直に形成されたもので、表面材1,1間に2本の縦の隔壁部2b,2bが形成されている。この縦の隔壁部2bも、その上端の厚みt5と下端の厚みt6が同じ0.2mm程度のもので、止水パネルPに要求される強度を確保しつつ、止水パネルPの軽量化を達成するため、表面材1や横の隔壁部2aよりも厚みが若干薄くなっている。
また、斜めの隔壁部2cは、上記表面材1、横の隔壁部2a及び縦の隔壁部2bに対して斜め方向に形成されたものであって、縦の隔壁部2aと同様に、止水パネルPに要求される強度を確保しつつ、止水パネルPの軽量化を達成するために、その厚みは、縦の隔壁部2bと同じ0.2mm程度になっている。
尚、本実施形態では、この斜めの隔壁部2cも、上方の厚みt7と下方の厚みt8が同じ寸法になっている。
上記のように、一対の表面材1,1と複数の隔壁部2(横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、斜めの隔壁部2c)により構成される止水パネルPの寸法は、設置する開口部6の大きさや河川等からの距離(近い方が水害時の水位上昇が懸念される)等を考慮して適宜変更すればよいが、一般的に高さが500〜1000mm程度、幅が1000〜2000mm程度の止水パネルPが好適に用いられる。また、本発明の止水パネルPは、その上端の厚みT1と下端の厚みT2が同じ40mm程度に設定されており、この厚み(一方の表面材1の表面から他方の表面材1の表面までの距離)は上方から下方にかけて全て一定となっている。このように止水パネルPの厚みを常に一定にすることにより、建物の出入口、地下鉄・地下駐車場・地下駐輪場の出入口など、底部4と二つの立ち上がり部5,5により形成される様々な開口部6にも、簡単に設置することができるようになって、汎用性が極めて高いものとなる。また、後述するように、止水パネルPの四周に取付ける枠体7への納まりが良好なものとなり、止水パネルPの上下左右に取付ける枠体7の幅寸法を一定にすることができるため、枠体7が共通化されてコストを削減することもできるようになる。
上記止水パネルPの材質は、水を通さない材質であれば特に限定されるものではなく、例えば金属製等のものであっても構わないが、持ち運びや設置作業を容易にするには軽量であることが好ましく、また、水圧によって破損しないだけの強度も要求される。これに製作コストも勘案すると、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂などの透光性の合成樹脂製であることが好ましく、この中でも、耐衝撃強度が大きいポリカーボネート樹脂製の止水パネルPが特に好ましく使用される。
本発明の止水パネルPの最大の特徴は、止水パネルPの下方の曲げ弾性率が上方の曲げ弾性率よりも大きいことにある。即ち、止水パネルPの上方部分よりも下方部分の曲げ剛性が高く、下方が上方よりも撓み難くなっている。水害時に止水パネルPが撓んでしまうと、止水パネルPが破損する恐れが生じ、また、底部4や立ち上がり部5との間に隙間ができて、その隙間より漏水するといった不具合を生じる。本出願人は、水害時の止水パネルPに加わる水圧を研究した結果、止水パネルPの上方よりも下方に大きい水圧が加わることが多いことに着目した。このことから、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくするという構成を想到するに至った。
この止水パネルPの下方とは、止水パネルPの下端から1/2までの高さのことをいうが、少なくとも止水パネルPの下端から1/5までの高さの曲げ弾性率が、それよりも上方の曲げ弾性率よりも大きければ、水害時の止水パネルPの撓みを防止することができる。勿論、止水パネルPの下端から1/2の高さまでの曲げ弾性率を大きくすれば、より確実に止水パネルPの撓みを抑えることができることは言うまでもないが、止水パネルPの重量や強度を考慮すると、止水パネルPの下端から1/4程度の高さまでの曲げ弾性率を、それよりも上方の曲げ弾性率よりも大きくすることが最も好ましい。このような止水パネルPは、制作コストを抑えながら強度を十分に確保でき、持ち運びする際に重宝される軽量なものとなるにも拘わらず、水害時の止水パネルPの撓みを最小限に抑えて、止水パネルPの破損及び漏水の危険性を回避することができる。
上記のように、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を、上方の曲げ弾性率よりも大きくするための方法は種々考えられるが、本実施形態では、次に説明するような方法により、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を、上方の曲げ弾性率よりも大きくしている。
即ち、本発明の止水パネルPは、生産性やコストを考慮すると、一体成形することが好ましいので、止水パネルPの下方と上方を形成する樹脂は相溶性が高く、同等の流動性を有するものが好ましい。これらを勘案すると、止水パネルPの上方と下方は、同種の樹脂により形成することが好ましく、同種の樹脂を用いて止水パネルPの下方の曲げ弾性率を大きくするには、止水パネルPの下方部分を形成する樹脂に、ガラス繊維等の補強繊維を含有させればよい。このように止水パネルPの下方にガラス繊維等の補強繊維を含有させることで、持ち運びし易い軽量な止水パネルPとなり、且つ、止水パネルPの下方の曲げ弾性率(強度)が向上し、水害時の水圧に十分な強度を有するものとなる。
尚、上記のように、止水パネルPの下方にのみガラス繊維等の補強繊維を含有させる態様の他にも、止水パネルPの上方にも少量(下方よりも少量)の該補強繊維を含有させてもよい。その際は、止水パネルPの上方から下方に向うにつれて、徐々に該補強繊維を多く含有させることが好ましい。
以上のような構成の止水パネルPは、多数の中空部3が形成された中空構造であるため軽量で、保管場所からの持ち運びや設置作業の労力が大幅に軽減される。また、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくすることにより、水害時に要求される必要十分な強度が確保されて、従来のように、別途補強部材を用いる必要がなくなる。
次に、上記構成の止水パネルPを、建物や地下の出入口等の開口部6に設置した止水構造を説明する。
上記止水パネルPを設置する開口部6は、図2、図6に示すように、底部4と二つの立ち上がり部5,5により形成されるものであって、建物や地下鉄、地下駐車場、地下駐輪場など通常の出入口の大半がこれに該当する。この立ち上がり部5は、もともとの建物の壁部や支柱を利用しても勿論構わないが、本実施形態では、略コ字形の凹溝5aが内側面に設けられた支柱が新たに立設されて、その支柱が立ち上がり部5となっている。
尚、本実施形態では、底部4は単なる平坦面であるが、この底部4にも、上記凹溝5aに連なる凹溝を設け、その底部4の凹溝に止水パネルPの下端部を嵌め込んでもよい。また、本発明の止水パネルPは、図7に示すように、凹溝5aが設けられていない開口部6にも設置することも可能で、そのような場合は、開口部6を跨ぐように止水パネルPを一方側(屋外側)に設置すると共に、止水パネルPと立ち上がり部5の間に、水密性を向上させるパッキン材5bを介在させることが好ましい。
このような開口部6において、まず、図1に示すように、止水パネルPの四周(上縁、下縁、右縁、左縁)にそれぞれ枠体7,7,7,7を取付ける。このとき、止水パネルPの端部と枠体7の内壁との間には、図5に示すように、水密性を向上させるパッキン8が介在されている。また、図示はしないが、止水パネルPの中空部3から水が浸入するのを防止するため、止水パネルPの左右両端面(中空部3)をテープ等により塞いでもよく、その場合は、耐久性を考慮してアルミテープを用いることが好ましい。
上記枠体7は、図4に示すように、略コ字形をした金属製のものであって、その左右の内壁には、合計4つ(左内壁に2つ、右内壁に2つ)の突条7aが枠体7の長さ方向に亘って設けられている。この突条7aを枠体7の内壁に設けることにより、枠体7が補強されると共に、図5に示すように、水密性を向上させるシール材9を枠体7と止水パネルPの隙間に充填する際、突条7aによりシール材9が堰止められるので、充填するシール材9の充填量を最小限に抑えることができるようになる。
上記のように、枠体7を止水パネルPの四周に取付けると、次に、その止水パネルPの左右両端部を、二つの立ち上がり部5,5の凹溝5a,5aに嵌入する。このとき、止水パネルPの下方、即ち、曲げ弾性率が大きい方が、底部4の側に面するように設置することに留意する。このように、止水パネルPを立ち上がり部5,5の凹溝5a,5aに嵌入することにより、開口部6が止水パネルPによって水密的に塞がれて、水害時の一方(屋外側)から他方(屋内側)への水の浸入を確実に防止することができる。
以上のような工程で、本発明の止水パネルPは、底部4と二つの立ち上がり部5,5により形成される開口部6に設置される。このような止水パネルPを用いた止水構造は、中空構造の軽量な止水パネルPを用いるため、持ち運びや設置作業が非常に容易であり、また、設置作業に要する時間も従来よりも大幅に短縮することができるため、昨今の短時間のゲリラ豪雨にも対応することができる。また、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくすることにより、水害時の止水パネルPに要求される十分な強度が確保されている。従って、止水パネルPが撓むことによって、破損したり底部4や立ち上がり部5との間に隙間が生じて、その隙間より漏水してしまうという心配もない。更に、この止水パネルPの厚みは、その上端T1から下端T2にかけて常に一定(同じ)であるので、通常の凹溝5aが設けられた立ち上がり部5であれば、嵌入することが可能で、設置場所を選ばないため極めて汎用性が高い。
図8は、本発明の他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。
本実施形態の止水パネルPは、図8に示すように、表面材1、横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、及び、斜めの隔壁部2cの下方の厚みt2,t4,t6,t8を、それよりも上方の厚みt1,t3,t5,t7よりも厚くすることにより、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくしたものである。即ち、止水パネルPの下端より2/5の高さまでの表面材1、横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、及び、斜めの隔壁部2cの厚みt2,t4,t6,t8が、それよりも上方の表面材1、横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、及び、斜めの隔壁部2cの厚みt1,t3,t5,t7の略2倍となるように形成されている。このとき、止水パネルPの上端の厚みT1と下端の厚みT2を常に一定にするため、表面材1の下方の厚みt2を厚くする際は、その内側に肉盛をして厚くすることに留意する。
本実施形態の止水パネルPのその他の構成は、前述した図1〜図6に示す止水パネルPと同様であるので、同一部材に同一符号を附して、その説明を省略する。
このような表面材1、横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、及び、斜めの隔壁部2cの下方の厚みt2,t4,t6,t8を、表面材1、横の隔壁部2a、縦の隔壁部2b、及び、斜めの隔壁部2cの上方の厚みt1,t3,t5,t7よりも厚く形成することにより、下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくした止水パネルPは、前述した図1〜図6に示す実施形態の止水パネルPと同様の作用効果を奏することに加えて、同一の材質により形成することができるので、止水パネルPの成形が容易となり、コストを抑えることができる。
図9は、本発明の更に他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。
図9に示す実施形態の止水パネルPは、止水パネルPの上方から下方に向かうにつれて、表面材1及び縦の隔壁部2bの厚みを、徐々に厚くなるように形成したものである。即ち、表面材1及び縦の隔壁部2bの上端の厚みt1,t5は、下方に向かうにつれて徐々に厚みを増していき、最終的に表面材1及び縦の隔壁部2bの下端の厚みt2,t6は、上端の厚みt1,t5の略2倍の厚さになっている。表面材1の高さ方向の中間地点の厚みは、(t1+t2)÷2となり、縦の隔壁部2bの高さ方向の中間地点の厚みは、(t5+t6)÷2となっている。このときも、前述した図8に示す実施形態と同様に、表面材1の内側を肉盛することに留意する。
本実施形態の止水パネルPのその他の構成は、前述した図1〜図6に示す止水パネルPと同様であるので、同一部材に同一符号を附して、その説明を省略する。
このような止水パネルPは、前述した図1〜図6に示す実施形態の止水パネルPと同様の作用効果を奏することに加えて、表面材1及び縦の隔壁部2bの厚みを徐々に厚く形成することで、曲げ弾性率が極端に変化する箇所(応力が集中的に加わる箇所)がなくなるために、止水パネルPが破損する心配がなくなる。また、押出成形により止水パネルPを成形する際も、樹脂の流れが極端に変化する箇所がなくなるため、成形不良になることを防止している。
尚、本実施形態では、表面材1及び縦の隔壁部2bの下方の厚みt2,t6のみを、上方の厚みt1,t5よりも徐々に厚くしているが、より止水パネルPの強度が必要な場合は、これに前述した図8に示すような横の隔壁部2a又は/及び斜めの隔壁部2cの厚みを厚く形成することにより対応すればよい。その際も同様に、横の隔壁部2aや斜めの隔壁部2cを徐々に厚くしてもよい。
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る止水パネルを示す概略側面図である。
図10に示す実施形態の止水パネルPは、上方の横の隔壁部2aの数よりも、下方の横の隔壁部2aの数が多く形成されたものである。即ち、この止水パネルPは、上方から下方に向うにつれて、横の隔壁部2aの数を徐々に多く形成することにより、上方の横の隔壁部2aの数よりも、下方の横の隔壁部2aの数を多くしている。具体的には、前述した図1〜図6に示す止水パネルPに元々形成されていた横の隔壁部2aと横の隔壁部2aの間に、止水パネルPの高さ方向の中間地点近傍では、更に1本の横の隔壁部2aを追加形成すると共に、それよりも下方では、元々形成されていた横の隔壁部2aと横の隔壁部2aの間に、新しく3本の横の隔壁部2aを追加形成している。
本実施形態の止水パネルPのその他の構成は、前述した図1〜図6に示す止水パネルPと同様であるので、同一部材に同一符号を附して、その説明を省略する。
上記のような、上方の横の隔壁部2aの数よりも、下方の横の隔壁部2aの数が多く形成された止水パネルPは、止水パネルPの強度を確保するために、一番重要な役割を果たす横の隔壁部2aの数を増やすことにより、止水パネルPの強度が飛躍的に向上し、止水パネルP(特に下方)が水圧によって撓むことが皆無に等しくなる。従って、止水パネルPが撓むことで破損したり、底部4や立ち上がり部5との間に隙間が生じて漏水するといった不具合もなくなる。
尚、本実施形態では、止水パネルPの強度を向上させるために、一番有効な横の隔壁部2aの数を多く形成しているが、止水パネルPの下方の縦の隔壁部2bや斜めの隔壁部2cの数を多くすることによっても、下方の曲げ弾性率を大きくすることができることは言うまでもない。
以上、本発明の止水パネルPの代表的な実施形態を4つ詳述してきたが、本発明の止水パネルPはこれに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能なものである。例えば、止水パネルPの下方の材質を上方よりも曲げ弾性率が大きいものとし、更に、その下方の厚みを厚くしたりや隔壁部2の数を多くすることにより、止水パネルPの下方の曲げ弾性率を上方の曲げ弾性率よりも大きくしてもよい。このように種々の設計変更をするような場合でも、止水パネルPの中空部3は、止水パネルPの高さ方向に貫通するように形成するのではなく、止水パネルPの幅方向に貫通するように形成することが強度を考慮すると好ましい。従って、中空部3を形成する隔壁部2は、中空部3が幅方向に貫通するように形成することが好ましい。
P 止水パネル
T1 止水パネル上端の厚み
T2 止水パネル下端の厚み
1 表面材
t1 表面材上端の厚み
t2 表面材下端の厚み
2 隔壁部
2a 横の隔壁部
t3 横の隔壁部の上方の厚み
t4 横の隔壁部の下方の厚み
2b 縦の隔壁部
t5 縦の隔壁部上端の厚み
t6 縦の隔壁部下端の厚み
2c 斜めの隔壁部
t7 斜めの隔壁部の上方の厚み
t8 斜めの隔壁部の下方の厚み
3 中空部
4 底部
5 立ち上がり部
5a 凹溝
5b パッキン材
6 開口部
7 枠体
7a 突条
8 パッキン
9 シール材

Claims (6)

  1. 底部と二つの立ち上がり部により形成される開口部に設置されて、一方から他方への水の侵入を防止する止水パネルであって、
    一対の表面材と、該表面材間に配置された複数の隔壁部からなる、中空構造を有するものであり、
    下方の曲げ弾性率が上方の曲げ弾性率よりも大きく、
    その厚みが上方から下方にかけて略一定であり、
    上記隔壁部の下方の厚みが、隔壁部の上方の厚みよりも厚いことを特徴とする止水パネル。
  2. 上記表面材の下方の厚みが、表面材の上方の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の止水パネル。
  3. 上記表面材又は/及び隔壁部の厚みが、止水パネルの上方から下方に向うにつれて徐々に厚くなっていくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の止水パネル。
  4. 止水パネルの上方の隔壁部の数よりも、止水パネルの下方の隔壁部の数が多いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の止水パネル。
  5. 止水パネルの上方から下方に向うにつれて、隔壁部の数が徐々に多くなっていくことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の止水パネル。
  6. 上記止水パネルが合成樹脂製であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の止水パネル。
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