本明細書に記載されている種々の実施形態は、種々の変更および代替形態を許容できる。具体的な実施形態が図において例として示されており、本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、図および図に対する詳細な説明は、開示されている特定の形態に本開示を限定することを意図していないこと、しかし対照的に、本発明は、添付の請求項の精神および範囲内にある全ての変更、等価物、および代替物をカバーすることが理解されるべきである。本明細書において使用されている表題は、組織上の目的のためだけであって、詳細な説明または請求項の範囲を限定するように使用されることは意味していない。この出願を通して使用されているとき、用語「してよい(またはことがある)」は、義務的な意味(すなわち、「なければならない」を意味している)よりもむしろ、許容的な意味(すなわち、可能性を有するという意味)で使用されている。同様に、用語「含む(include)」、「含み(including)」、および「含む(includes)」は、含んでいるが限定されないということを意味する。
エレクトロクロミック(EC)デバイスおよびエレクトロクロミックデバイスを構成するための方法の種々の実施形態を開示する。いくつかの実施形態によるECデバイスは、ECデバイスに含まれる導電層の1つ以上の特定の領域を選択的に加熱するように構成され得る。かかる選択的加熱は、導電層に接続されている電極の構成、導電層にわたってシート抵抗を変動させること、導電層の幾何学的構造を変動させることなどによって可能とされ得る。導電層は、ECデバイスのEC積層膜から、EC積層膜に隣接している別の導電層によって、および絶縁層を含めた1つ以上のさらなる層によって隔てられ得る。ECデバイスを構成するための方法として、ECデバイスにおける導電層の1つ以上の特定の領域を、当該導電層の1つ以上の残余領域と比較して、選択的に加熱するようにECデバイスを構成するための方法を挙げることができる。いくつかの実施形態によるECデバイスは、接続された熱源を伴う熱伝導層において、当該熱源によって発生した熱をEC積層体に分布させることができるようにEC積層体に接続されるように構成されている上記熱伝導層を含むことができる。いくつかの実施形態において、ECデバイスは、デバイスに含まれており、当該デバイスは、ECデバイスの1つ以上の部分の加熱を当該デバイスに関連する1つ以上のトリガー事象の決定に少なくとも部分的に基づいて選択的に命令する制御システムも含む。かかるトリガー事象は、当該デバイスに関連する1つ以上の特定のエンドユーザーインタラクション、ユーザーコマンドなどを含むことができる。
ECデバイス、導電層などを「構成する」とは、本明細書において使用されているとき、ECデバイス、導電層などを「構造化する」と互換的に称され得る。何かをするように「構成されている」ECデバイス、導電層などは、何かをするように「構造化されている」、何かをするように「構造的に構成されている」などのECデバイス、導電層などと互換的に称され得る。
I.導電層領域による制御されたエレクトロクロミック加熱
いくつかの実施形態において、エレクトロクロミック(EC)デバイスは、EC積層膜を横切る電位差(本明細書において「電位差」とも称される)に少なくとも部分的に基づいて、別個の透過パターン間で切り替わるように構造化されているEC積層膜を含む。ECデバイスは、EC積層膜の両側の導電層を含むことができ、当該両導電層に印加される別個の電圧は、EC積層膜を横切る電位差を誘導することができる。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、EC積層膜の1つ以上の部分を加熱するように構造化されている。かかる加熱は、EC積層膜の透過切り替え性能を改良することができる。例えば、EC積層膜が比較的低温(例えば、20°F)であるとき、所与の電位差がEC積層膜を横切って誘導されるときEC積層膜が透過レベルを切り替える速度は、EC積層膜がより高温(例えば、72°F)であるときよりも低くてよい。
本明細書において言及されているEC積層膜は、対電極(CE)層と、エレクトロクロミック(EC)層と、当該2層間のイオン伝導(IC)層とを含むことができる。いくつかの実施形態において、CE層またはEC層の一方が、イオン、例えば、H+、Li+、D+、Na+、K+の1つ以上を含めたカチオン、または、OH−の1つ以上を含めたアニオンを可逆的に挿入するように構造化されており、特に、アノード性(またはそれぞれカソード性)エレクトロクロミック材料からできており;CE層またはEC層の他方が、上記イオンを可逆的に挿入するように構造化されていて、特に、アノード性(またはそれぞれカソード性)エレクトロクロミック材料からできている。IC層は、いくつかの実施形態において、電解質層を含むように構造化されている。EC積層膜は、CE層またはEC層の少なくとも一方が、上記イオンを可逆的に挿入するように構造化されて、アノード性またはカソード性のエレクトロクロミック材料からできている層を含んでいてよく、全てのイオンが上記活性層を電気化学的に機能不全にすることなく挿入されるのに十分な厚さを有していることと、電解質機能を有するIC層が、タンタル酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、アンチモン酸化物、ニオブ酸化物、クロム酸化物、コバルト酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、ニッケル酸化物、場合によりアルミニウムによって合金されている亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、アルミニウム酸化物、場合によりアルミニウムによって合金されているシリコン酸化物、場合によりアルミニウムまたはホウ素によって合金されているシリコン窒化物、ホウ素窒化物、アルミニウム窒化物、場合によりアルミニウムによって合金されているバナジウム酸化物、およびスズ亜鉛酸化物から選択される材料をベースとする少なくとも1つの層を含み、これらの酸化物の少なくとも1つが、場合により水素化または窒化されていることと、CE層またはEC層の1つ以上が、以下の化合物:タングステンW、ニオブNb、スズSn、ビスマスBi、バナジウムV、ニッケルNi、インジウムIr、アンチモンSbおよびタンタルTaの単独または混合物としての酸化物、ならびにさらなる金属、例えばチタン、ルテニウムまたはコバルトを場合により含む酸化物;の少なくとも1つを含むことと、EC層またはCE層の1つ以上の厚さが、70から250urnの間、150から220umの間などであることとを特徴としてよい。
EC層は、タングステン酸化物を含む種々の材料を含むことができる。CE層は、1つ以上のタングステン−ニッケル酸化物を含む種々の材料を含むことができる。IC層は、1つ以上のシリコン酸化物を含む種々の材料を含むことができる。電荷は、リチウムイオンを含む種々の荷電電解質種を含むことができる。IC層は、層領域、多層領域、界面領域、これらの何らかの組み合わせなどを含むことができる。界面領域を含むIC層は、ECまたはCE層の1つ以上のうちの1つ以上の構成要素材料を含むことができる。
いくつかの実施形態において、EC積層膜の層の各々が、カチオンおよび電子を可逆的に挿入することができ、これらのイオン挿入/イオン抽出の結果としての酸化度の変更が、光学的および/または熱的特性の変更をもたらす。特に、可視および/または赤外の波長における吸収および/または反射を調節することができる。EC積層膜は、電解質がポリマーまたはゲルの形態であるECデバイスに含まれ得る。例えば、プロトン伝導性ポリマー、またはリチウムイオンによって伝導する導電性ポリマー、ここで、システムの他の層は、一般に、無機性質を有する。別の例において、EC積層膜は、電解質と積層体の他の層とが無機性質を有しているECデバイスに含まれ得、用語「全固体」システムによって称されてよい。別の例において、EC積層膜は、層の全てがポリマーベースであるECデバイスに含まれ得、用語「全ポリマー」システムによって表されてよい。
EC積層膜が「停止」状態にあるとき、EC積層膜を含むECデバイスが全透過状態にあると称されているときには、電荷はCE層にあり、これを減少させて、高度に透明にする。デバイスが、ECデバイスにおいてEC積層膜の両側の導電層を横切って電位差を誘導することによって切り替えられるとき、リチウムイオンを含む電荷は、CE層からEC層に移動し、EC積層体の透過レベルを変化させる。いくつかの実施形態において、リチウムイオンのいくつかは、CE層を依然として減少させるが(CE層の分子格子構造内でより大きいこと、またはより強く結合していることのいずれかによって)リチウムイオンと比較して比較的より低い輸送速度を有する別の荷電電解質種によって置き換えられる。結果として、CE層の1つ以上の領域により切り替わる速度および透過レベル量が調整され得る。CE層領域により切り替わる速度および透過レベル量を調整することは、対応するEC層により切り替わる速度および透過レベル量を調整することを含む。
種々の輸送速度を有する電荷電解質種は、希土類およびアルカリ金属を含むことができる。これらは、リチウムよりも重いまたはより密に結合された種であり、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、およびラジウムを含む。
例えば、いくつかの実施形態において、EC積層膜のCE層は、ITOを含む透明な導電層を含むことができる導電層に堆積されてよく、種々の異なる荷電電解質種は、別個のCE層領域に導入、注入等され得る。例えば、マグネシウムイオンは、1つ以上のCE層領域に注入され得、ナトリウムイオンは、1つ以上の他のCE層領域内に注入され得る。本開示を通して議論されているイオン注入のパターン、深さ、およびドーズ量が制御され得ることが理解されるべきである。例えば、アルミニウム箔マスキングは、CE層領域のパターンを1つ以上の特定の荷電電解質種の注入に選択的に暴露するのに利用され得る。
いくつかの実施形態において、EC積層膜の1つ以上の部分の加熱は、ECデバイスの一部を通して誘導される電流、電位差などを介して可能になる。電位差は、所与の導電層に接続されている2つ以上の電極間の電位差を介してECデバイスの1つ以上の部分を通って誘導され得る。かかる誘導された電位差は、導電層を通して電流を流させることができる。いくつかの実施形態において、導電層を電流が通過することで、電流が流れる導電層の領域の抵抗に少なくとも部分的に基づいて、導電層の1つ以上の領域において熱を発生させる。導電層は、1つ以上の種々の化学種を含むことができ、電流に対する1つ以上の種々のレベルの抵抗を含んでいる。結果として、導電層の1つ以上の領域を電流が通過することで、当該1つ以上の領域における導電層の抵抗に少なくとも部分的に基づいて、当該1つ以上の領域における発熱を結果として生じさせ得る。
導電層の領域の加熱は、ECデバイスのEC積層膜の1つ以上の領域の加熱を結果として生じさせ得る。EC積層膜のかかる領域は、加熱される導電層の領域に相当する領域を含むことができる。例えば、導電層領域において発生した熱は、導電層が接続されているEC積層膜に分布され得る。
いくつかの実施形態において、導電層の1つ以上の領域(本明細書において導電層領域とも称される)を加熱するように電流が誘導される導電層はまた、ECデバイスのEC積層膜を横切って電位差を誘導してEC積層膜の1つ以上の領域(「EC領域」)の透過レベルを変化させるのにも使用される。少なくとも2つの導電層間で、EC積層膜を横切って電位差を誘導すること、および所与の導電層を横切って別個の電位差を誘導することを介して導電層の1つのうちの1つ以上の領域を加熱することは、同時であってよい。かかる同時の電流誘導は、両側の導電層間でEC積層膜を横切って直流電流を誘導すること、および導電層の1つを横切って交流電流を誘導することに少なくとも部分的に基づいて可能とされ得、ここで、交流電流の周波数は、交番に少なくとも部分的に基づいてEC積層膜が透過レベルを切り替えないようにするのに十分に高い。かかる十分に高い切り替え周波数は、いくつかの実施形態において、100ヘルツ以上である切り替え周波数を含む。
いくつかの実施形態において、ECデバイスのEC領域、導電層領域などは、それぞれ、同じもしくは異なるサイズ、体積、および/または表面積を有していてよい。他の実施形態において、EC領域、導電層領域などは、それぞれ、同じまたは異なる形状(湾曲またはアーチ形状を含む)を有していてよい。
図1は、いくつかの実施形態による、EC積層膜とEC積層膜の両側の導電層とを含むECデバイスであって、1つの導電層が、当該層を横切る電位差に少なくとも部分的に基づいて加熱されるように構造化されている、上記ECデバイスの斜視図を示す。
ECデバイス100は、EC積層膜102と、EC積層膜102の両面に接続されている導電層110、120とを含む。EC積層膜102は、EC層、IC層、およびCE層の1つ以上を含むことができる。本明細書において言及されている導電層は、1つ以上の透明な導電(TC)層を含むことができる。それぞれ別個の導電層110、120は、別個の電源130、140にそれぞれ接続されている、電極112A〜B、122A〜Bのセットを含む。電源130は、直流電流(DC)電源であるが、電源140は、DCおよび交流電流(AC)成分の両方を含む。かかる電源140は、MOSFETを含めた少なくとも2つの電子スイッチを含むハーフブリッジ回路を含むことができ、ハーフブリッジ回路は、パルス幅変調器(PWM)から制御され得る。結果として、電源140は、それぞれ電極112A〜Bにおいて特定の電圧を誘導することができ、EC積層膜102が電極112A〜B間で誘導されるAC電位差に基づいて透過状態を切り替えないようにするのに十分高い周波数で極性を切り替える。層110を横切るかかる交流電位差は、層110の1つ以上の領域の加熱を、層110に含まれる1つ以上の材料種の抵抗値、層110の幾何学的構造、当該層における電極112A〜Bの配置などを含めた当該層の少なくとも1つ以上の特徴に少なくとも部分的に基づいて、結果として生じさせ得る。本明細書において使用されているとき、同じ層における別個の電極間の単一層を「横切る」差は、層120の電極112A〜B間の図示されている電位差を含めて、当該層と「平行の」差であることと互換的に称され得る。また、高周波数交流電流に少なくとも部分的に基づいた、導電層110における正味電圧は、一定の電圧であり得、また、層110を横切る正味の電流流れは無視することができ、導電層110と導電層120との間でEC積層膜102を横切って誘導される電位差を結果として生じさせ得る。
図示されている実施形態に示されているように、電源130および140は、それぞれ、それぞれの電源に接続されている電極のセット間で一定の正味電圧を誘導し、それぞれ別個の電極セットが接続されている別個の導電層間で電位差を結果として生じさせ、EC積層膜の1つ以上の領域を別個の透過パターン間で切り替えさせることができる。示されているように、電源130は、導電層に接続されているそれぞれ電極112A〜Bにおいて電圧「V2」を誘導し、電源140は、それぞれ電極122A〜Bにおいて「0ボルト」の正味電圧を誘導し、これにより、2つの層110、120間でEC積層膜102を横切って電位差ΔVα=(V2−0)=V2を結果として生じさせる。本明細書において使用されているとき、2つの層間の単一層を「横切る」差は、層110、120間の、層102を横切った、図示されている電位差を含めて、層110、120、102の1つ以上に「垂直な」差であることと互換的に称され得る。
図示されている実施形態にさらに示されているように、電極122A〜B、したがって導電層120に印加される正味電圧は、ゼロボルトの正味電圧であるが、電源140は、層120に接続されている電極122A〜Bのセットに印加される電圧の極性を切り替えることを介して層120を通して交流電流を誘導する。切り替えの周波数は、上記に記述されているように、EC積層膜102が、層120を横切る瞬間電位差に応答しないように十分に大きくてよい。結果として、EC積層膜102は、ゼロボルトの正味電圧である、層120の正味電圧に応答するが、層120を横切る、電極122A〜B間の瞬間電位差は、ΔVβ=(V1−(−V1))=2V1である。
いくつかの実施形態において、層110は、電極112A〜B間の層110を通した交流電流に少なくとも部分的に基づいて熱を発生させる、1つ以上の特徴を有する1つ以上の領域を含む。かかる発生した熱は、層110からEC積層膜102に伝達されて、EC積層膜102の1つ以上の相当する領域を加熱することができる。EC積層膜の1つ以上の領域102を加熱することで、電位差がEC積層膜102の1つ以上の部分を横切って誘導されるときにEC積層膜の他の領域よりも速い速度での領域の切り替えを結果として生じさせ得る。導電層、EC積層膜などの1つ以上のうちの1つ以上の領域を加熱することは、1つ以上の領域を1つ以上の他の領域よりも加熱することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、EC積層膜を加熱するのに全導電層が加熱され得る。かかる加熱は、莫大な量の電力を消費する可能性がある。例えば、図示されている実施形態において、層120の全体が、電極112A〜B間で層120を通して誘導される均一な交流電流に少なくとも部分的に基づいて、均一に加熱され得る。また、いくつかの実施形態において、EC積層膜のある一定の領域を含めた、ECデバイスのある一定の領域は、他のかかる領域と比較して、例えば、しばしば、多少なりとも、透過レベルを切り替えるように構造化されている。さらに、いくつかの実施形態において、いくつかのEC積層膜領域における切り替え速度は、他の領域における切り替え速度よりも重要である。結果として、いくつかのEC領域の加熱が望まれることがあるが、いくつかの他のEC領域の加熱は、かかる加熱が必要ではないため、かかる加熱を達成するための電力の浪費であると考えられ得る。さらに、いくつかの実施形態において、いくつかのEC領域の加熱の均一性は、他のEC領域の加熱の均一性よりも優先されてよい。
いくつかの実施形態において、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱するための、導電層全体の加熱は、資源の浪費的消費であると考えられ得る。例えば、図示されている実施形態において、層120の加熱領域170は、EC積層膜102の加熱を結果として生じさせ得るが、加熱領域172A〜Bは、EC積層膜102の有意な加熱を結果として生じさせなくてよく;結果として、領域172A〜Bを加熱するために消費される電気エネルギーは、電力の浪費であると考えられ得る。
図2は、いくつかの実施形態による、EC積層膜とEC積層膜の両側の導電層とを含むECデバイスであって、1つの導電層が、当該導電層の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化されている、上記ECデバイスの斜視図を示す。ECデバイス200は、EC積層膜202と、EC積層膜202の両側の導電層204、206とを含む。かかる導電層204、206は、EC積層膜202の両側の隣接面に接続されていると称することもできる。いくつかの実施形態において、ECデバイス200のいくつかまたは全てが、図1に示されているECデバイス100に含まれ得る。
いくつかの実施形態において、全導電層に電位差を印加することを介してEC積層膜を加熱することは、電力の浪費的消費を構成する可能性がある。例えば、図示されている導電層204における特定の限定領域210を加熱することが望まれることがあるが、層204の残余領域212を加熱することは、資源の浪費を含み得る。かかる「ターゲット化された」加熱は、領域210と少なくとも部分的に重複する、EC積層膜202の1つ以上の相当する領域のターゲット化された加熱を可能にすることが望ましいことがある。いくつかの他の実施形態において、層204の領域210、204の全体は、電位差が層204、206間でEC積層膜202を横切って誘導されることを可能にすることが必要とされ得るが、層204の体積の限定された部分は、EC積層膜202の1つ以上の部分を、積層体202の全体を含めて、1つ以上の必須の温度まで加熱して、積層体202の当該1つ以上の部分の少なくともある一定の透過切り替え速度を可能にするのに十分な熱を発生することが必要とされ得る。本明細書においてさらに議論されているように、ECデバイスの種々の実施形態は、導電層の1つ以上の特定の限定領域を選択的に加熱するようにECデバイスを構造化するための種々の導電層構造を含むことができる。
本明細書において使用されているとき、導電層の1つ以上の特定の限定領域に少なくとも部分的に基づいた、EC積層膜の1つ以上の領域の加熱は、導電層の1つ以上の特定の領域の加熱に少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の全体を加熱することを含むことができる。いくつかの実施形態において、ECデバイス200は、図1に示されているECデバイス100に含まれ得、その結果、導電層204が、EC積層膜102を越えて延在する図1における層120と同様に、EC積層膜202の境界を越えて延在することになる。結果として、導電層204の特定の限定領域210は、EC積層膜202の全体に相当(すなわち、「重複」)していてよく、その結果、EC積層膜の全体が、層204の特定の限定領域210を選択的に加熱することに少なくとも部分的に基づいて加熱されることとなる。
図3は、いくつかの実施形態による、EC積層膜と、導電層とを含むECデバイスであって、導電層が、当該導電層に接続されている電極の特定の配置に少なくとも部分的に基づいて特定の限定領域において選択的に加熱されるように構造化されている、上記ECデバイスの斜視分解図を示す。ECデバイス300は、EC積層膜320に接続しており、かつ、EC積層膜320の1つ以上の領域322、324に熱330を少なくとも発生および分布させるように構造化されている導電層310を含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス300は、図2に示されているECデバイス200を含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。いくつかの実施形態において、導電層310は、1つ以上の絶縁層、接着層、カプセル化層、反射防止層、赤外線カットフィルタ層、不明瞭化層、これらの何らかの組み合わせなどを含めた1つ以上の中間層を介して、EC積層膜320に接続されている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、導電層に接続されている電極の特定の配置に少なくとも部分的に基づいて、導電層の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化されている。例えば、所与の導電層を横切って電位差を誘導するように構造化されている電極のセットは、特定の限定領域の隣接する側において接続されている電極を結果として生じさせる特定の配置で導電層に接続され得る。結果として、導電層を通る電流流れが、電極間の特定の限定領域に少なくとも部分的に制限され得、その結果、特定の限定領域を越える導電層の領域における加熱が、少なくとも部分的に軽減されることになる。
図示されている実施形態において、例えば、導電層310は、電極316A〜Bのセットを含み、これらの電極は、2つの電極316A〜Bが導電層310の特定の限定領域312の両側にあるような配置で導電層に接続されている。図示されている領域312は、導電層310のエリアの中心領域に近似的に位置しているが、領域312は、導電層310のエリアのいずれの領域に位置していてもよいことが理解され得る。例えば、領域312は、いくつかの実施形態において、導電層310の1つ以上の縁部によって境界付けられている。
示されているように、導電層310の特定の限定領域312の両縁部を境界付けるための電極316A〜Bの配置は、電極316A〜B間で領域312を通る流れに少なくとも部分的に制限される、導電層310における電極316A〜B間の電流流れを結果として生じさせ得る。対照的に、導電層310の残余領域314のいくつかまたは全てを通る電流流れは、少なくとも部分的に軽減され得る。結果として、電位差が電極316A〜B間で誘導されるとき、領域312は、残余314と比較して、加熱され得る。領域314を含む別の領域と比較して、領域312を含む1つの領域を加熱することは、別の領域よりも、1つの領域を加熱することを含むことができる。例えば、電位差が電極316A〜B間で誘導されるとき残余領域314の少なくともいくらかの加熱が生じることがあるが、領域312の加熱は、残余領域314の加熱よりも大きくてよい。さらに、領域312における加熱の均一性は、領域314と比較して最大化され得る。かかる均一性は、特に、領域312に相当する、ECデバイスの1つ以上の特定の領域の均一な加熱が望まれるときに、望ましいことがある。結果として、導電層310の他の領域が、少なくとも部分的に加熱されることがあり、領域314を通して不均一な加熱を含む可能性があるが、領域312は、電位差が電極316A〜B間で誘導されるとき領域314よりも高い均一性で加熱されてよい。
いくつかの実施形態において、導電層の1つ以上の特定の領域の加熱は、導電層の特定の領域に含まれる1つ以上の化学種の、電流に対する抵抗に少なくとも部分的に基づいていてよい。例えば、導電層310のいくらかまたは全てが、電流に対してある一定の抵抗を有するインジウムスズ酸化物(ITO)を含めた1つ以上の化学種から構成されていてよく、その結果、当該1つ以上の化学種を含む層の部分を通して電流を誘導することが、上記抵抗に少なくとも部分的に基づいて、発熱を結果として生じさせ得ることとなる。
いくつかの実施形態において、電極316A〜B間で電位差を誘導することは、導電層310の少なくとも特定の限定領域312において発熱を結果として生じさせる。かかる熱は、導電層310が接続されているEC積層膜320の1つ以上の部分に伝達330され得る。導電層310が1つ以上のさらなるECデバイス層を介してEC積層膜に接続されているとき、層310からEC積層膜320に伝達330された熱は、1つ以上の中間ECデバイス層を通して伝達され得る。
いくつかの実施形態において、導電層310の1つ以上の領域からEC積層膜に伝達330された熱は、導電層310の1つ以上の領域に相当する、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達され、その結果、EC積層膜のこれらの特定の領域が、EC積層膜の他の領域と比較して、加熱されることになる。例えば、図示されている実施形態において、導電層の領域312において発生した熱は、導電層310の領域312からEC積層膜320の相当する領域322に伝達330される。相当する領域322は、ECデバイス300において領域312と少なくとも部分的に重複するEC積層膜の領域を含むことができる。例えば、図示されている実施形態において、領域312および322は、ECデバイス300において少なくとも部分的に垂直に重複しており、その結果、領域322が、層310の領域312に最も近いEC積層膜320の領域を含むことになり、また、層310の領域312からECデバイス300の他の層に下方に伝達される熱が、EC積層膜320の領域322において優先的に受け取られることになる。いくつかの実施形態において、EC積層膜の1つ以上の領域に伝達される熱は、EC積層膜を通して伝導され、その結果、EC積層膜のいくらかまたは全てが、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達される熱に少なくとも部分的に基づいて加熱されることとなる。
図4は、EC積層膜と、導電層において、当該導電層の異なる領域の異なるシート抵抗に少なくとも部分的に基づいて特定の限定領域において選択的に加熱されるように構造化されている上記導電層との斜視図を示す。ECデバイス400は、EC積層膜420に接続されていて、かつ、EC積層膜420の1つ以上の領域422、424に熱430を少なくとも発生および分布させるように構造化されている導電層410を含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス400は、図2に示されているECデバイス200を含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。いくつかの実施形態において、導電層410は、1つ以上の絶縁層、接着層、カプセル化層、反射防止層、赤外線カットフィルタ層、不明瞭化層、これらの何らかの組み合わせなどを含む1つ以上の中間層を介してEC積層膜420に接続されている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、電流に対する抵抗(本明細書において「シート抵抗」とも称される)が異なっている異なる層領域を含むように構造化されている導電層に少なくとも部分的に基づいて、導電層の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化されている。導電層は、選択的に加熱されるべき層の特定の限定領域から遠隔した位置で電極が導電層に接続されている種々の層領域においてかかるシート抵抗変動を含むように構造化され得る。例えば、図示されている実施形態において、導電層410は、領域412、414A〜B、417A〜Bを含み、ここで、領域412および417A〜Bは、導電層に接続されている電極416A−B間にある。領域412が、ECデバイス400が選択的に加熱するように構造化されている特定の限定領域であるとき、電極416A〜Bは、領域412の境界の1セットまで延在するように構造化され得;示されているように、電極416A〜Bは、層410を通して、しかし、層410の全幅に沿らずに、領域412の幅の間に延在する。結果として、電極416A〜Bは、領域414A〜Bを境界付けず、層410を通る電流流れは、電極416A〜B間の誘導された電位差に少なくとも部分的に基づいて、層410の領域417A〜B、412を通って、より均一に、いくつかの実施形態においては、優先的に流れることができる。
領域412が特定の限定領域であるとき、領域417A〜Bおよび414A〜Bは、残余領域であり、領域417A〜Bは、領域412のシート抵抗よりも小さいシート抵抗を有するように構造化され得る。同様に、いくつかの実施形態において、領域412は、少なくとも領域417A〜Bのシート抵抗より大きいシート抵抗を有するように構造化されている。領域417A〜Bが領域412と比較して低減されたシート抵抗を有している導電層410は、電極416A〜B間で領域412、417A〜Bを通る電流流れの均一性の増加を結果として生じさせ得る。
いくつかの実施形態において、領域417A〜Bのシート抵抗は、領域414A〜Bの1つ以上のシート抵抗よりも小さい。かかるシート抵抗の変動は、いくつかの実施形態において、領域414A〜Bおよび417A〜Bが一般的または同様のシート抵抗を有している実施形態と比較して、領域412を通る電流流れの均一性の増加、したがって、領域412の加熱の均一性の増加を結果として生じさせ得る。
いくつかの実施形態において、領域412は、少なくとも領域417A〜Bのシート抵抗と比較して大きいシート抵抗を有するように構造化されており、電位差が電極416A〜B間で誘導されるとき、領域417A〜Bよりも領域412を加熱する(すなわち、領域412の「高められた加熱」)ように層410が構造化されている。また、領域412のシート抵抗が少なくとも領域417A〜Bのシート抵抗よりも大きいとき、領域412を通る電流流れ、したがって、領域412の加熱の均一性は、領域412、417A〜Bが一般的なシート抵抗を有している実施形態と比較して増加され得る。
いくつかの実施形態において、導電層の種々の領域を横切るシート抵抗の変動は、種々の領域における導電層の1つ以上の特徴の変動に少なくとも部分的に基づいている。かかる変動する特徴として、種々の領域における層の化学種の組成の変動を挙げることができる。化学種として、種々の異なる材料、物質、元素、化合物などを挙げることができる。導電層の異なる領域は、本明細書において、1つ以上の種々の化学種の「別個の」分布とも称される、1つ以上の種々の化学種の異なる分布を含むことができる。領域における種の異なる分布は、1つ以上の異なる層領域のいくらかまたは全てを通しての当該種の密度の変動、1つ以上の異なる層領域のいくらかまたは全てを通しての当該種の濃度の変動、1つ以上の種が1つ以上の異なる層領域のいくらかまたは全てを通して存在する導電層の深さの変動などを含むことができる。例えば、所与の化学種は、1つの特定の濃度で1つの導電層領域に存在していてよいが、同じ化学種が、別個の濃度で別の導電層領域において存在していてもよい。所与の領域における種の所与の分布は変動し得る。例えば、1つの層領域における所与の種の分布は、層領域の両境界間の種の濃度の変動を含むことができ、両境界間の通常の分布に相当する。領域における種の異なる分布は、種が1つの領域に1つ以上の分布で存在すること、および種が異なる領域に存在しないことを含むことができる。例えば、図示されている実施形態において、領域417A〜Bは、金を含めた少なくとも金属化学種から構成され得るが、領域412は、インジウムスズ酸化物(ITO)を含めた少なくとも1つの別個の化学種から構成され得る。異なる種は、異なる伝導度、抵抗などを有することができ:例えば、金は、ITOよりも導電性の種であり得、その結果、ITOを含む導電層領域が、金を含む別個の導電層領域よりも大きなシート抵抗を有することになる。別の実施形態において、領域412、417A〜Bは、ITOから構成され得、領域412は、ITOから構成され得、また、酸素を含めた1つ以上の酸化化学種の1つ以上の異なる分布からさらに構成され得、結果として、領域412のシート抵抗が、領域417A〜Bと比較して、より大きくなる。
化学種は、導電層領域の酸化レベルを別の領域と比較して増加させる1つ以上の酸化種を含むことで、導電層領域のシート抵抗を調整することができる。導入され得る酸化種の非限定例として、酸素、窒素などを挙げることができる。別の例において、種々の金属種の1つ以上が導入されて、導電層領域における電荷担体密度、電荷担体分布などを変化させ得る。かかる金属種の非限定例として、インジウム、スズ、金、これらの何らかの組み合わせなどを挙げることができる。要するに、導電層領域における1つ以上の化学種は、化学種が導電層領域における電荷担体密度、電荷担体分布などを変化させ得るとき、導電層領域のシート抵抗の調整を結果としてもたらし得る。導電層領域における化学種として、1つ以上の化学種を挙げることができ、周知のイオン注入プロセスを介して実践され得る。
導電層領域における化学種の導入として、イオン注入、マスクイオンビーム、フォーカスイオンビームなどを挙げることができる。化学種の分布は、種々の領域を横切って変動して、種々の導電層領域においてシート抵抗を異なって変動させることができる。例えば、イオン注入システムが、種々の領域に種々のイオンを注入するのに使用されるとき、イオンドーズ量、イオンエネルギーレベル、イオン注入プロセスの回数などの1つ以上が、それぞれ領域について調整されて、種々の領域において、異なる化学種分布、電荷担体分布、電荷担体密度などを確立し、これにより、種々の領域において異なるシート抵抗を確立することができる。いくつかの実施形態において、イオン注入、マスクイオンビーム、フォーカスイオンビーム(FIB)などの1つ以上が、特定のシート抵抗パターンを1つ以上の導電層領域内に「描く」のに使用され得る。いくつかの実施形態において、化学種「分布」は、導電層の1つ以上の領域を横切っての、導電層の厚さを通しての導入の化学種密度、濃度、深さなどの1つ以上の変動を含んでいてよい。例えば、導電層において化学種が導入される深さが、導電層を横切って変動してよく、導電層のシート抵抗が、種の深さの変動にしたがって変動する。別の例において、導入された化学種の濃度、密度などが、導電層を横切って変動してよく、導電層のシート抵抗が、種の濃度、密度などの変動にしたがって変動する。
いくつかの実施形態において、種々の導電層領域のシート抵抗は、種々の導電層領域を空気または酸素含有ガス中で高い温度まで加熱することに少なくとも部分的に基づいて調整され得る。かかるプロセスは、加熱の間に種々の導電層領域を雰囲気に選択的に暴露すること、導電層を、レーザーまたはキセノンフラッシュランプなどの方法を使用して特定のパターンで加熱することなどを含むことができる。導電層領域を高い温度に加熱することで、当該導電層領域を酸化する1つ以上の化学反応を可能にすること、誘導することなどができる。いくつかの実施形態において、加熱は、ある一定の導電層領域が、異なって加熱され得る他の導電層領域などとは全く無関係に酸化されるようにパターン化される。結果として、酸化の1つ以上の種々のパターンが作り出され、これにより、導電層においてシート抵抗の1つ以上のパターンを確立することができ、結果として、ECデバイスを、シート抵抗パターンに相当する透過パターンに選択的に切り替わるように構造化させる。いくつかの実施形態において、導電層のさらなる酸化は、より高いシート抵抗を結果として生じさせる。いくつかの実施形態において、レーザーアニーリングは、特定の導電層領域を加熱して1つ以上の特定の「パターン」においてシート抵抗を変化させるように使用され得る。いくつかの実施形態において、種々の導電層領域のシート抵抗は、1つ以上の気圧で1つ以上の種々のガスの1つ以上の混合物を含む1つ以上の種々の雰囲気において種々の導電層領域を高い温度まで加熱することに少なくとも部分的に基づいて調整され得る。いくつかの実施形態において、種々の導電層領域のシート抵抗は、真空において種々の導電層領域を高い温度まで加熱することに少なくとも部分的に基づいて調整され得る。
いくつかの実施形態において、種々の導電層領域のシート抵抗は、当該種々の導電層領域の相対厚さの調整に少なくとも部分的に基づいて調整され得る。例えば、さらなる量の導電層材料が、種々の導電層領域において堆積されて、当該種々の導電層領域のシート抵抗を調整することができる。別の例において、1つ以上の除去プロセスが、導電層、特に導電層領域の厚さの少なくとも一部を選択的に除去して、特に種々の導電層領域におけるシート抵抗を調整するように実践され得る。除去プロセスは、レーザーアブレーションプロセス、レーザー切断プロセス、エッチングプロセスなどの1つ以上を含むことができる。所与の導電層領域に厚みを付加または除去することは、特定のパターンにしたがって導電層領域において導電層材料を付加または除去することを含み得、その結果、導電層領域におけるシート抵抗分布がパターン化されることになる。かかるパターン化は、対応する透過パターンに選択的に切り替わるようにECデバイスを構造化し得る。
いくつかの実施形態において、所与の導電層領域に厚みを付加または除去することは、さらなる緩衝材料を付加して、導電層材料および緩衝材料を含む導電層の均一な合計厚さを確立することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、電極416A〜B間で電位差を誘導することは、導電層410の少なくとも特定の限定領域412において発熱を結果として生じさせる。かかる熱は、導電層410が接続されているEC積層膜420の1つ以上の部分に伝達430され得る。導電層410が1つ以上のさらなるECデバイス層を介してEC積層膜に接続されているとき、層410からEC積層膜420に伝達430された熱は、1つ以上の中間ECデバイス層を通して伝達され得る。
いくつかの実施形態において、導電層410の1つ以上の領域からEC積層膜に伝達430された熱は、導電層410の1つ以上の領域に相当する、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達され、その結果、EC積層膜のこれらの特定の領域が、EC積層膜の他の領域と比較して加熱されることになる。例えば、図示されている実施形態において、導電層の領域412において発生した熱は、導電層410の領域412からEC積層膜420の相当する領域422に伝達430される。相当する領域422は、ECデバイス400において領域412と少なくとも部分的に重複するEC積層膜の領域を含むことができる。例えば、図示されている実施形態において、領域412および422は、ECデバイス400において少なくとも部分的に垂直に重複しており、その結果、領域422が、層410の領域412に最も近いEC積層膜420の領域を含むことになり、また、層410の領域412からECデバイス400の他の層に下方に伝達される熱が、領域424と比較して、EC積層膜420の領域422において優先的に受け取られることになる。いくつかの実施形態において、EC積層膜の1つ以上の領域に伝達される熱は、EC積層膜を通して伝導され、その結果、EC積層膜のいくらかまたは全てが、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達される熱に少なくとも部分的に基づいて加熱されることになる。
図5は、いくつかの実施形態による、EC積層膜と、導電層であって、当該導電層の幾何学的構造に少なくとも部分的に基づいて特定の限定領域において選択的に加熱されるように構造化されている上記導電層との斜視図を示す。ECデバイス500は、EC積層膜520に接続されておりかつEC積層膜520の1つ以上の領域522、524に熱530を少なくとも発生および分布させるように構造化されている導電層510を含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス500は、図2に示されているECデバイス200を含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。いくつかの実施形態において、導電層510は、1つ以上の絶縁層、接着層、カプセル化層、反射防止層、赤外線カットフィルタ層、不明瞭化層、これらの何らかの組み合わせなどを含む1つ以上の中間層を介してEC積層膜520に接続されている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、導電層の残余領域を、特定の限定領域と比較して低減されたシート抵抗を有するように構造化する、導電層の幾何学的構造に少なくとも部分的に基づいて、導電層の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化されている。
平面抵抗器の抵抗は、電流流れの方向と比較して、抵抗器の長さによって増加し、幅によって減少し得る。結果として、所与の量の電流が流れるより広い導電層領域は、同じ所与の量の電流が流れるより狭い導電層領域と比較して、低減された抵抗、したがって、低減された加熱を有する。さらに、導電層設計が、特定の限定領域から遠隔した配置で導電層に接続されている電極を含むとき、特定の限定領域と電極との間の中間残余領域が特定の限定領域よりも広くなるように導電層、電極などを構造化することは、各領域のシート抵抗が同様であっても、電流が中間残余領域を介して特定の限定領域を通って流れるように誘導されるとき中間残余領域が特定の限定領域よりも加熱されないということを結果としてもたらし得る。
例えば、図示されている実施形態において、導電層510が、特定の限定領域512と、領域512から遠隔して導電層510に接続されている電極516A〜Bとを含むとき、電極516A〜Bは、層510の全幅をほぼ通って延在し、その結果、電極と特定の限定領域512との間の残余領域517A〜Bが、電極516A〜B間の電流の流れ方向に対して、領域512よりも大きな幅を有するようになる。結果として、電極516A〜B間の電流に対する領域517A〜Bの抵抗は、領域512の抵抗よりも小さく、所与の電位差が電極516A〜B間に誘導されたとき領域512が領域517A〜Bよりも加熱されるということを結果としてもたらし得る。
いくつかの実施形態において、層510は、領域512、517A〜Bを含み領域514A〜Bを含まないように構造化されている。いくつかの実施形態において、層510は、伝導性を有さない化学種から構成された領域514を含み、その結果、電極516A〜B間の電流流れが、領域512、517A〜Bを通って流れるように制限されることとなる。いくつかの実施形態において、層510は、少なくとも部分的に導電性である化学種から構成された領域514A〜Bを含む。
いくつかの実施形態において、電極516A〜B間で電位差を誘導することは、導電層510の少なくとも特定の限定領域512において発熱を結果として生じさせる。かかる熱は、導電層510が接続されているEC積層膜520の1つ以上の部分に伝達530され得る。導電層510が1つ以上のさらなるECデバイス層を介してEC積層膜に接続されているとき、層510からEC積層膜520に伝達530された熱は、1つ以上の中間ECデバイス層を通して伝達され得る。
いくつかの実施形態において、導電層510の1つ以上の領域からEC積層膜に伝達530された熱は、導電層510の1つ以上の領域に相当する、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達され、その結果、EC積層膜のこれらの特定の領域が、EC積層膜の他の領域と比較して、加熱されることになる。例えば、図示されている実施形態において、導電層の領域512において発生した熱は、導電層510の領域512からEC積層膜520の相当する領域522に伝達530される。相当する領域522は、ECデバイス500において領域512と少なくとも部分的に重複するEC積層膜の領域を含むことができる。例えば、図示されている実施形態において、領域512および522は、ECデバイス500において少なくとも部分的に垂直に重複しており、その結果、領域522が、層510の領域512に最も近いEC積層膜520の領域を含むことになり、また、層510の領域512からECデバイス500の他の層に下方に伝達される熱が、領域524と比較して、EC積層膜520の領域522において優先的に受け取られることになる。いくつかの実施形態において、EC積層膜の1つ以上の領域に伝達される熱は、EC積層膜を通して伝導され、その結果、EC積層膜のいくらかまたは全てが、EC積層膜の1つ以上の特定の領域に伝達される熱に少なくとも部分的に基づいて加熱されることになる。
図6は、いくつかの実施形態による、卵形形状のECデバイスであって、EC積層膜の異なる領域において、別個の透過パターン間で切り替わるように構造化されており、かつ、EC積層膜領域の1つ以上に相当する、導電層の1つ以上の領域を選択的に加熱するように構造化されている上記デバイスの斜視図を示す。ECデバイス600は、少なくとも、EC積層膜602と、EC積層膜602の両側の導電層604、606と、導電層の別個のものに接続されている電極608A〜B、609A〜Bとを含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス600は、図2に示されているECデバイス200を含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、カメラデバイスの1つ以上の部分に含まれている。ECデバイスは、別個の透過パターン間で切り替わってカメラデバイス操作を増加させるように構造化され得る。例えば、ECデバイスは、カメラ絞りデバイスに含まれ得、ここで、ECデバイスは、別個の透過パターン間で切り替わってカメラ絞りを選択的にアポダイズするように構造化されている。かかるECデバイスは、ECデバイスの他の領域より異なる透過レベルまでECデバイスの特定の領域を切り替えるように構造化され得る。かかる特定の領域は、いくつかの実施形態において、ECデバイスの環状領域であり得る。いくつかの実施形態において、特定の領域の迅速かつ均一な切り替えが望まれるとき、ECデバイスは、ECデバイスの少なくとも特定の領域を選択的に加熱するように構造化されている。
いくつかの実施形態において、ECデバイス600は、カメラデバイスに含まれており、また、カメラデバイスを通過する光をアポダイズするように構成されており、その結果、カメラのレンズの周囲を通過する光が、レンズの中心と比較して少なくなる。アポダイズは、ECデバイス600をアポダイズすることを含むことができ、ここで、ECデバイスは、カメラデバイスの絞りに含まれている。かかるアポダイズは、aの画像において捕集される焦点外要素の縁部における拡散を結果として生じさせる。かかる拡散は、焦点外要素の平滑化を結果として生じさせ、対象が焦点外要素に対してより鮮明に現れることを可能にする。
いくつかの実施形態において、カメラ絞りをアポダイズすることは、カメラセンサーにおける、対象の画像の周囲の回折パターンが低減され得るため、カメラによる画像の解像度の増加を可能にする。例えば、レンズの周辺を通過する光の量を低減する、アポダイズされた絞りは、対象の画像の周りのエアリーパターンが完全に除去されていないときには強度が低減される対象の画像を結果として生じさせ得る。また、レンズにおける収差に対する光センサーの感度が軽減されることがある。
いくつかの実施形態において、ECデバイス600は、別個の透過レベル間の別個のEC領域を選択的に切り替えるように構造化されており、その結果、ECデバイスが、カメラデバイスの絞り、レンズなどの1つ以上を選択的にアポダイズすることができる。
図示されている実施形態において、例えば、ECデバイス600は、円形形状を含むことができる卵形形状を有し、少なくとも2つの透過レベル間でEC積層膜602を切り替えるように構造化されており、その結果、ECデバイス600の特定の環状領域614が、残余領域612、616よりも、より低い透過レベルに切り替わることになる。かかる構造化は、領域614に相当する導電層の1つにおける抵抗の変動を含み、EC積層膜の相当する領域を横切る電位差が領域612、616に相当するEC領域を横切るよりも大きくなるように構造化することができる。かかる構造化は、領域612、614、616に相当する領域でのEC積層膜の1つ以上の層におけるイオン移動度の変動を含むことができる。電極608A〜B、609A〜Bは、示されているように、当該電極が層602、604、606の湾曲と比較して直線状に延在するいくつかの実施形態と比較して、ECデバイス600にわたる電荷分布の均一性の増加を促進するように、ECデバイス600の湾曲に追随するように構造化され得る。示されているように、導電層604、606の1つ以上が、少なくともEC領域614に相当するそれぞれの導電層の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化され得る。かかる特定の限定領域は、領域614と同様に環状の形状であり得る。かかる領域は、領域614および616の組み合わせに相当し得る。
いくつかの実施形態において、種々の量の電極セットが、ECデバイスにおける導電層の1つ以上に接続されている。別個の導電層は、それぞれの導電層に接続されている異なる量の電極セットを含むことができる。例えば、導電層606は、2つの電極609A〜Bの単一のセットを含むことができるが、導電層604は、層604に接続されている合計4つの電極についてそれぞれ2つの電極の2つのセットを含むことができる。所与の電極セットは、導電層の異なる領域に接続されている2つ以上の電極を含むことができる。図6に示されているものを含めた一例において、電極セットの別個の電極609A〜Bは、導電層の対向する縁部に接続され得る。図3に示されているように、電極セットが層の異なる領域に接続され得、ここで、異なる領域は導電層の対向する縁部ではないことが理解される。いくつかの実施形態において、複数の導電層セットが導電層に接続されているとき、1つ以上の電極セットは、別個の導電層間で、EC積層膜を横切って電位差を誘導して、EC積層膜に透過パターンを切り替えさせるように構造化され得るが、別個の1つ以上の電極セットは、導電層を横切って電流、電位差などを誘導して、導電層の1つ以上の特定の限定領域の選択的加熱を引き起こすように構造化され得る。いくつかの実施形態において、導電層に接続されている別個の電極は、導電層の1つ以上の縁部の周りに均一に離間されており、その結果、別個の電極間で誘導された電流が、電極が均一に離間されていないときよりも実質的に均一になる。層を通しての電流分布の均一性のかかる増加は、相当するEC積層膜領域の切り替えの均一性、種々の導電層領域の加熱の均一性などを増加させ得る。図6に示されているように、卵形または円形の導電層に接続されている電極は、電極セットが導電層の縁部の周りの円形の電極に接近するように層の異なる領域に接続され得る。さらなる電極セット、例えば、それぞれ2つの電極の2つのセットが導電層に接続されているとき、当該セットにおける電極は、導電層の外周の周りに等距離で離間されていてよく、ここで、当該電極は、交流の電極セットにおいて外周の周りに接続されている。開示されている導電層およびこれに接続されている電極は、層に接続されているあらゆる数の電極セット、層に接続されているセットあたりの電極数、層に接続されている電極の配置、ECデバイスにおけるEC積層膜の両側の異なる導電層に接続されている電極およびそのセットの数などを包含することが理解される。例えば、ECデバイス600は、導電層604、606に接続されている8つの電極を含むことができ、ここで、合計4つの電極についてそれぞれ2つの電極の2つのセットが、層604に接続されており、また、層604の外周の周りに等距離に離間されている一方で、合計4つの電極についてそれぞれ2つの電極の2つのセットが、層606に接続されており、また、層606の外周の周りに等距離に離間されている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスにおける導電層の1つ以上が、ECデバイスに含まれるEC積層膜とは異なる形状を有する。結果として、いくつかの実施形態において、導電層がその特定の限定領域を加熱するように構造化されているECデバイスの導電層は、ECデバイスのEC積層膜よりも大きくてよく、その結果、導電層がEC積層膜の境界を越えて延在し、また、EC積層膜が導電層の限定された部分に接続されることになる。いくつかの実施形態において、EC積層膜が接続されている導電層の限定された部分は、導電層の特定の限定領域のいくらかまたは全てを含むことができる。結果として、導電層の1つ以上の特定の限定領域を加熱することに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱することは、導電層の1つ以上の特定の限定領域を加熱することに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の全体を加熱することを含むことができる。例えば、ECデバイス600は、導電層604の残余領域と比較して、導電層604の特定の限定領域を選択的に加熱するように構造化されている導電層604を含むことができ、ここで、導電層604は、EC積層膜102を越えて延在する図1における層120と同様に、EC積層膜602の境界を越えて延在している。結果として、導電層604の特定の限定領域は、EC積層膜602の全体に相当(すなわち、「重複」)してよく、その結果、EC積層膜の全体が、層604の特定の限定領域を選択的に加熱することに少なくとも部分的に基づいて加熱されることとなる。
図7A〜Bは、いくつかの実施形態による、卵形形状のECデバイスであって、1つの導電層のシート抵抗パターンに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の異なる領域において、別個の透過パターン間で切り替わるように構造化されており、かつ、EC積層膜領域の1つ以上に相当する、別の導電層の1つ以上の領域を選択的に加熱するように構造化されている上記デバイスの斜視分解図を示す。ECデバイス700は、少なくとも、EC積層膜702と、EC積層膜702の両側の導電層704、706と、透過レベルを切り替えるように構造化されている別個のEC領域712〜716とを含み、その結果、領域714は、領域712、716とは異なる透過レベルにあることとなる。いくつかの実施形態において、ECデバイス700は、図6に示されているECデバイス600を含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、EC積層膜の種々の異なる領域(「EC領域」)を異なる透過レベルに切り替えるように構造化されている。少なくともある一定の速度である一定の領域の透過レベルを切り替える能力は、他の領域の同様の能力よりも重要であり得る。結果として、ECデバイスは、ある一定の領域の加熱を優先するように構造化され得、結果として、他の領域を加熱するための電力の消費を少なくとも部分的に軽減しながら、重要な領域の切り替え速度および均一性の増大を生じさせることができる。1つの導電層が種々のEC領域の選択的な切り替えを可能にするように構造化されているとき、別の導電層は、種々の相当する導電層領域の選択的加熱を介して、種々のEC領域の選択的加熱を可能にするように構造化され得る。
少なくとも図7Aの示されている実施形態において、例えば、ECデバイス700は、EC領域の異なる領域において異なる透過レベルに切り替えるように構造化されているEC積層膜702を含む。例えば、ECデバイス700は、電位差が導電層704、706間で積層体702を横切って誘導されるとき、領域712、716より低い透過レベルまで領域714を切り替えるように構造化され得る。いくつかの実施形態において、種々のEC領域を横切った透過レベルの切り替えのかかる変動は、EC積層膜に接続されている導電層の1つ以上の領域におけるシート抵抗の変動に少なくとも部分的に基づいている。例えば、示されているように、頂部導電層706は、それぞれの領域732〜736と重複する積層体の領域712〜716のそれぞれ1つにそれぞれ相当する領域732〜736を含むことができる。図示されている実施形態において、領域734は、領域732、736よりも大きいシート抵抗を有することができ、その結果、別個の正味電圧が別個の導電層704、706のそれぞれに印加されたときに、領域714を横切る電位差が領域712、716を横切る電位差よりも大きくなる。いくつかの実施形態において、示されているように、他の導電層、底部導電層704は、相当する領域722〜726を含むことができ、領域712〜716のそれぞれの重複するセットにそれぞれ相当し得る。導電層704は、領域722、726と比較して、少なくとも特定の限定領域724を加熱して、少なくとも相当する領域714において切り替え速度および均一性を増大させるように構造化され得る。いくつかの実施形態において、導電層704における特定の限定領域は、領域714、716を含めた複数の領域を包含する。いくつかの実施形態において、導電層704は、層の種々の領域722〜726を通して一般的なシート抵抗を有するように構造化されており、その結果、層704が、領域722〜726を通して均一に加熱されて層702の種々の領域の加熱を実践するように構造化されることになる。
上記の例において、頂部導電層706は、当該導電層が、種々のEC積層膜領域を異なる透過レベルセット間で切り替えさせて、EC積層膜を別個の透過パターン間で切り替えさせるように構造化されていることを特徴としているが、底部導電層704は、当該導電層が、1つ以上の特定の限定領域において選択的に加熱されて、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱するように構造化されていることを特徴とする。頂部導電層が、特定の限定領域において選択的に加熱されるように構造化され得ること、底部導電層が、EC積層膜を別個の透過パターン間で切り替えさせるように構造化され得ること、これらの何らかの組み合わせなどであることが理解される。
いくつかの実施形態において、ECデバイス700は、導電層704、706の特徴の変動よりもむしろEC積層膜702の特徴の変動に少なくとも部分的に基づいて、領域712〜716を異なる透過レベルに切り替えるように構造化されている。例えば、領域714におけるイオン移動度は、領域712、716のイオン移動度よりも大きく、これにより、領域714が、電位差が層702を横切って誘導される領域712、716より低い透過レベルに切り替わるように構造化することができる。かかる実施形態において、導電層704、706の1つ以上は、EC領域712〜716の1つ以上に相当する1つ以上の領域を含めた1つ以上の領域を加熱するように構造化され得る。
いくつかの実施形態において、領域724は、少なくとも導電層領域722よりも大きいシート抵抗を有する導電層領域を含む特定の環状EC領域である。また、内側の環状領域726は、領域724のものより低いシート抵抗を有する導電層領域を含むことができる。結果として、また、少なくとも部分的には、電極が領域722に接続され得るため、電流は、領域722と比較して領域724において導電層のシート抵抗が増加しているということに少なくとも部分的に基づいて、領域724を通して分布される前に領域722を通して分布され得る。結果として、領域722から領域724まで、および領域724から内側の領域726の1つ以上までの電流分布は、領域724が領域722よりも小さいシート抵抗を有する導電層領域を含むときと比較して、均一性が増大する。
一例において、領域724は、およそ500Ω/□mm2のシート抵抗を有する導電層領域を含み、領域722は、およそ50Ω/□mm2のシート抵抗を有する導電層領域を含む。領域724の外側境界の周りのより低いシート抵抗は、低シート抵抗領域722が電極からの電流をより均一に分布させることを可能にする、なぜなら、高抵抗領域724が、ECデバイス700に電流制限を付与するからである。結果として、1つ以上のバスバーを含むことができる電極は、切り替え速度または均一性に影響することなく領域724からさらに離れて位置することができる。また、デバイス700における電位差は、高シート抵抗の環状領域724を横切っており、そのため、短絡に対する電圧プロファイルの幅が、環状領域724の寸法を変動させることによって調整され得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイスにおける導電層の1つ以上が、ECデバイスに含まれるEC積層膜とは異なる形状を有する。結果として、いくつかの実施形態において、導電層がその特定の限定領域を加熱するように構成されているECデバイスの導電層は、ECデバイスのEC積層膜よりも大きくてよく、その結果、導電層がEC積層膜の境界を越えて延在し、また、EC積層膜が導電層の限定部分に接続されることとなる。いくつかの実施形態において、EC積層膜が接続されている導電層の限定部分は、導電層の特定の限定領域のいくらかまたは全てを含むことができる。結果として、導電層の1つ以上の特定の限定領域を加熱することに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱することは、導電層の1つ以上の特定の限定領域を加熱することに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の全体を加熱することを含むことができる。例えば、図7Bの示されている実施形態において、ECデバイス750は、導電層760の残余領域762と比較して選択的に加熱されるように構造化されている導電層760の特定の限定領域764を含むように構造化されている導電層760を含み、ここで、導電層760は、EC積層膜102を越えて延在している図1における層120と同様に、EC積層膜702の境界を越えて延在している。結果として、導電層760の特定の限定領域764は、EC積層膜702の全体に相当(すなわち、「重複」)していてよいが、領域762は、領域762が積層体702のいずれの部分とも重複しないようにEC積層膜702の縁部を越えて延在していてよく、その結果、EC積層膜702の全体が、層760の特定の限定領域764を選択的に加熱することに少なくとも部分的に基づいて加熱されることとなる。本明細書に記述されているように、いくつかの実施形態において、層760は、ECデバイス700に含まれておりかつ1つ以上の層によってECデバイス700におけるEC積層膜702から隔てられている層であり、ここで、1つ以上の層は、層704と1つ以上の中間層とを含むことができる。
図8A〜Dは、いくつかの実施形態による、2つの導電層間のEC積層膜の電気的短絡を含むECデバイスを示す。ECデバイス800は、少なくとも、EC積層膜802と、EC積層膜802の両側の導電層804、806と、EC積層膜802の電気的短絡808と、別個の導電層に接続されている電極810A〜B、812A〜Bの別個のセットとを含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス800は、図6に示されているECデバイス600、図7Aに示されているデバイス700、図7Bに示されているデバイス750などを含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれる。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、少なくともEC積層膜の電気的短絡を含む。かかる電気的短絡は、ECデバイスが、電位差がEC積層膜を横切って導入されたときに1つ以上の透過パターンに切り替わることを可能にすることを含めた1つ以上の種々の理由でECデバイスに含まれていてよい。いくつかの実施形態において、本明細書において単に「短絡」とも称される電気的短絡は、EC積層膜の1つ以上の領域の加熱を可能にするのに使用され得る。特に、短絡は、短絡を通る電流に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のEC領域の温度を高温に維持するように構造化され得、その結果、1つ以上のEC領域が、高温が維持されないときよりも迅速に透過レベルに切り替えるように構造化されることとなる。いくつかの実施形態において、短絡は、短絡を通る電流による電力損失を最小にするように構造化されており、EC積層膜の加熱は、ECデバイスに含まれる1つ以上の導電層の1つ以上の領域の加熱を介して可能になる。
図示されている実施形態において、ECデバイス800は、EC積層膜802と、EC積層膜802の両側の導電層804、806と、EC積層膜802を通る電気的短絡808とを含む。示されているように、ECデバイス800のいくつかの実施形態は、EC積層膜802の中心を通る短絡808を含むことができる。電極810A〜B、812A〜Bの別個のセットは、別個の導電層に接続されている。電位差がEC積層膜802を横切って導入されることにより、EC積層膜802の種々の領域814〜816が、異なる正味電圧を異なる導電層804、806にこれらに接続されている電極の別個のセットを介して印加することに少なくとも部分的に基づいて、透過レベルを切り替えさせることができる。上記に記述されているように、導電層の1つ以上のうちの1つ以上の領域は、同じ導電層に接続されている2つ以上の電極間で所与の1つ以上の導電層を通して誘導される電流に少なくとも部分的に基づいて加熱され得る。かかる電流は、交流電流、直流電流などであり得る。
いくつかの実施形態において、EC積層膜における電気的短絡の存在は、結果として、電位差が2つの導電層間に導入されたとき1つ以上の特定の透過パターンへのEC積層膜の切り替えを生じさせる。例えば、電位差が、短絡808を通る電流を含むことができる導電層804、806間で導入されるとき、EC積層膜802は、均一な透過レベルから、透過レベルが短絡808からEC積層膜802の外側縁部までの距離の関数として指数関数的に変化する透過パターンに切り替えられ得る。いくつかの実施形態において、導電層の1つ以上は、短絡と比較して均一な透過状態から特定のパターンに切り替わるようにEC積層膜を構造化するように、異なるシート抵抗を有する異なる領域を含む。例えば、図示されている実施形態において、導電層804は、領域817A〜Bおよび819A〜Bを含み、ここで、領域817A〜Bが、領域819A〜Bよりも大きいシート抵抗を含む。結果として、種々の電圧が種々の電極810A〜B、812A〜Bに印加されるとき、相当するEC積層膜領域814A〜Bを横切る電位差は、領域819A〜Bと比較して相当する導電層領域817A〜Bのシート抵抗が大きいことに少なくとも部分的に基づいて、領域816A〜Bを横切るよりも大きくてよい。
いくつかの実施形態において、EC積層膜の電気的短絡は、EC積層膜の少なくとも一部の加熱を可能にするように構造化され得る。かかる加熱は、EC積層膜の両側の導電層間の短絡を横切る電流に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、図示されている実施形態において、短絡808は、電位差が導電層804、806間で誘導されるとき、EC積層膜802の少なくとも一部に伝達され得る熱を発生させるのに十分な、短絡808を通しての電流流れを可能にするように構造化され得る。かかる部分は、短絡808の近位にあるEC積層膜802の領域814A〜Bを含むことができるが、積層体802の残余領域816A〜Bは、短絡808からの加熱を受けなくてよい。
いくつかの実施形態において、EC積層膜の短絡を含むECデバイスは、ECデバイスの1つ以上の部分の2つ以上の加熱モードを可能にするように構造化されている。1つの加熱モードにおいて、電位差は、ECデバイスに含まれる1つ以上の導電層の1つ以上の領域を横切って誘導されて、電位差に基づいた導電層の1つ以上の領域の加熱に少なくとも部分的に基づいてEC積層膜の1つ以上の領域の加熱を実践する。かかる導電層は、短絡を含むEC積層膜の両側の導電層とは別個であり得る。別の加熱モードにおいて、短絡は、短絡を通る電流によって損失される電力に少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱する。2つの加熱モードは、異なる量およびタイプの加熱を提供することができる。例えば、導電層は、EC積層膜の1つ以上の領域を初期温度からターゲット温度まで加熱するように加熱され得る。かかる加熱は、本明細書において「初期加熱」と称されてよい。別の例において、短絡は、短絡を通る電流によって損失される電力に少なくとも部分的に基づいて、熱をEC積層膜の1つ以上の領域に伝達し、1つ以上のEC積層膜領域のターゲット温度をある期間にわたって維持するように構造化され得る。かかる加熱は、ここで、「維持加熱」と称されてよい。
いくつかの実施形態において、電位差が誘導されて初期加熱を実践する導電層は、絶縁層を含むことができる1つ以上の中間層によってEC積層膜から隔てられており、その結果、当該層を横切る電位差が、EC積層膜の電気的短絡によって短絡されないようにする。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、電気的短絡によって損失される電力を介して1つ以上の特定の領域を加熱するように構造化されている導電層と、EC積層膜を別個の透過パターン間で切り替えさせるように構造化されている別の導電層とを含む。いくつかの実施形態において、導電層の1つ以上が、電気的短絡を通る電流を1つ以上の閾値限界内にあるように制限するように構造化されている。かかる導電層は、第2導電層の相当する(すなわち、「重複する」)領域とは異なるシート抵抗を有する領域を含むことができる。例えば、図示されている実施形態において、導電層806は、およそ100Ω/□mm2のシート抵抗を有することができ;およそ3.6ボルトの電位差が層802を横切り短絡808を通って誘導されるとき、およそ35ミリアンペア(mA)の電流が層806と平行に(「横切って」)流れてよく、結果として、層806の1つ以上の領域の加熱を生じさせ得、また、さらに、結果として、およそ0.5秒の経過時間においておよそ20ケルビンのEC積層膜領域814〜816の加熱を生じさせ得る。また、導電層804は、およそ1200Ω/□mm2のシート抵抗を有する少なくとも1つの領域817A〜Bを含むことができ;その結果、層802を横切る電位差がおよそ3.6ボルトであるとき、短絡808を通る電流がおよそ4mAまで制限され、これは、短絡808からEC積層膜802を通って放射状に伝達され得る4mAの電流によって損失される電力を通して熱を発生させるのに十分であり得る。かかる加熱は、初期加熱が停止されるときにEC積層膜の1つ以上の領域802の高温を維持することができる。いくつかの実施形態において、層806の1つ以上の領域よりも大きいシート抵抗を有する領域817A〜Bはまた、領域819A〜Bより大きいシート抵抗も有し、領域817A〜Bは、EC積層膜が切り替えられ得る特定の透過パターンに対応するように構造化され得る。結果として、導電層806は、1つ以上の特定の限定領域において加熱されるように構造化され得、導電層804は、種々の導電層領域817、819におけるシート抵抗の変動を介して、電気的短絡808を通る電流流れを管理して、短絡を通る電流によって損失される電力を介して維持加熱に関連する1つ以上の閾値内にあるように構造化され得る。また、層806は、電位差がEC積層膜802を横切って誘導されるときEC積層膜が切り替わる別個の透過パターンを管理するように構造化され得、その結果、異なるEC積層膜領域816、814が、異なる透過レベルに切り替わるようにする。いくつかの実施形態において、1つの導電層は、別の導電層の1つ以上の領域の加熱とは無関係に、EC積層膜の電気的短絡を通る電流流れを管理するように構造化されている。
いくつかの実施形態において、短絡808は、短絡を通る電流によって損失される電力を最小にするように構造化されており、エネルギー損失を最小化することによって、また、EC積層膜の透過パターンを維持することによって切り替え性能を最適化することができる。いくつかの実施形態において、短絡808は、損失された電力が、電位差が層802を横切って誘発されてEC積層膜802の切り替えられた状態を維持しながら、EC積層膜の少なくとも一部のターゲット温度を維持するのに十分な熱を付与するように構造化されている。結果として、短絡808が、切り替えの際にEC積層膜のターゲット温度を維持するように構造化されているとき、1つ以上の導電層、熱源などによる初期加熱は、切り替え操作の際に停止され得、また、切り替え操作の際に短絡を通る電流の損失は、初期加熱を介して達成されるターゲット温度を維持することができ、これにより、短絡を通る電流によって損失される電力を使用して、EC積層膜温度を維持すること、および切り替え操作の際に導電層領域の加熱を継続する必要性を免除することにより、ECデバイスの電力の消費を節約することができる。
いくつかの実施形態において、ECデバイスにおける別個の導電層は、切り替え性能または加熱性能に基づいて別個に構造化されている。例えば、層804は、異なるシート抵抗を有する層804の種々の相当する領域817A〜B、819A〜Bに少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜802の種々の領域を異なる透過レベルに選択的に切り替えるように構造化され得、その結果、EC積層膜の相当する領域を横切る電位差が、導電層のシート抵抗の変動に少なくとも部分的に基づいて変動し得ることとなる。層804のかかる領域の1つは、他の領域よりも大きいシート抵抗を有する環状領域を含むことができる。かかる環状の高抵抗領域は、導電層804、806の種々の領域間でのシート抵抗の不一致によって引き起こされる切り替え均一性の問題を少なくとも部分的に軽減し得る。また、層806は、層806を導電層の特定の限定部分を選択的に加熱するように構造化するように、いくつかの領域が他の領域とは異なるシート抵抗を有している異なる領域セットを含むように構造化され得る。いくつかの実施形態において、層806は、層を通して均一なシート抵抗を含む。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、2つの電極に制限されている。別個の電極は、別個の導電層に接続され得る。例えば、デバイス800は、電極810Bおよび812Bに制限され得、ここで、別個の個々の電極が、別個の層804、806に接続されている。
いくつかの実施形態において、デバイス800の別個の層に接続されている電極は、デバイスの短絡808を横切るAC信号を方向付けてデバイスの1つ以上の部分の加熱を誘導し得る1つ以上の電源のセットに接続されている。いくつかの実施形態において、電極は、デバイスを通るDC信号を方向付けてデバイス800の1つ以上の部分の透過状態の切り替えを誘導することができる1つ以上の電源のセットに接続されている。いくつかの実施形態において、電極は、デバイス800の1つ以上の部分を通るDC信号およびAC信号を同時に方向付けることができる1つ以上の電源のセットに接続されており、その結果、デバイスが、デバイス800の1つ以上の部分の透過状態がDC信号を介して切り替えられつつも同時にAC信号を介して加熱され得るようにする。
電源の少なくとも1つが、DCおよびAC成分の両方を含んでいてよい。結果として、電源の少なくとも1つが、電極セットのそれぞれの電極において、EC積層膜802が電極間でかつ短絡808を横切って誘導されるAC電位差に基づいて透過状態を切り替えないようにするのに十分に高い周波数で極性を切り替える特定の電圧を誘導することができる。短絡808を横切るかかる交流電位差は、層802の1つ以上の領域の加熱を、当該層に含まれる1つ以上の材料種の抵抗値、当該層の幾何学的構造、当該層における電極の配置などを含めた当該層の少なくとも1つ以上の特徴に少なくとも部分的に基づいて、結果として生じさせ得る。また、高周波数交流電流に少なくとも部分的に基づいた、導電層における正味電圧は、定電圧であり得、当該層を横切る正味の電流流れは無視することができる。
デバイス800に接続されている1つ以上の電源のセットは、1つ以上の電源に接続されている別個の電極間で一定の正味電位差を誘導することができ、結果として、EC積層膜の1つ以上の領域を別個の透過パターン間で切り替えさせ得る、それぞれ別個の電極セットが接続されている別個の導電層間で電位差を生じさせる。
電極、したがって、導電層804、806の1つ以上に印加される正味電圧は、一定正味電圧であるが、少なくとも1つの電源が、層に接続されている電極のセットに印加される電圧の極性を切り替えることを介して、1つ以上の層を通して交流電流をさらに誘導してもよい。切り替えの周波数は、上記に記述されているように、EC積層膜802が層を横切る瞬間電位差に応答しないように十分に高くてよい。結果として、EC積層膜802は、一定の正味電圧である、1つ以上の層の正味電圧に応答するが、瞬間電位差は、交流電流信号にしたがって変動する。
いくつかの実施形態において、AC信号は、デバイス800に含まれる短絡808を横切って印加され得、AC信号の周波数は、AC信号の結果として層802において透過状態の切り替えを引き起こさないようにするのに十分に高くあり得る。いくつかの実施形態において、AC信号の十分に高い周波数は、100Hzを超える周波数を含むことができる。結果として、デバイス800の1つ以上の部分は、透過状態の切り替えを軽減するのに十分に高い周波数を有する、短絡808を横切るAC信号の結果として加熱され得るが、DC信号の結果としての層804、806間の正味電圧差は、短絡808を通過するAC信号と同時のDC信号の結果として、透過状態が、切り替えられている、維持されているなどを含めた制御されている状態を結果として生じさせ得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、デバイスの少なくとも一部を加熱するように構成されているECデバイスを通してAC回路に電気的に接続されている、本明細書においてLC回路とも称される共鳴回路を含む。回路においてコンデンサに電気的に接続されている誘導子を含むことができるLC回路は、AC電気回路に含まれ得、AC電気回路を介して、AC信号がECデバイスの少なくとも一部を通過することができる。LC回路は、ECデバイスの少なくとも一部を通るAC電流(本明細書においてAC信号とも称される)によって誘導される瞬間電圧、したがって電流の増加を結果として生じさせる共鳴周波数に、AC回路周波数を「調整」することができる。AC信号の瞬間電圧の増加の結果として、LC回路は、ECデバイスの加熱を増加させ得る。
いくつかの実施形態において、短絡808は、種々の加熱モードのうちの1つのために構造化されている。例えば、ECデバイス808が時折切り替わるように構造化されているとき、ECデバイスは、初期加熱のみを実践するように構造化され得る。結果として、短絡は、切り替え性能を最適化し、短絡を通る電流による電力損失を最小化するように構造化され得る。別の例において、ECデバイス808がしばしば切り替わるように構造化されているとき、または、突然の通知状態にあるとき、ECデバイスは、少なくとも維持加熱を実践するように構造化され得る。結果として、短絡808は、短絡808を通る電流によって損失される少なくともいくらかの所定の量の電力を付与して、別個の透過パターン間のEC積層膜の切り替え間で、短絡808の近位にある領域814A〜Bを含めた、EC積層膜の1つ以上の領域802を加熱するように構造化され得る。
いくつかの実施形態において、短絡を含まないECデバイスは、初期加熱または維持加熱の別個の加熱を実践するようにそれぞれ構造化された別個の導電層を含む。例えば、ECデバイス800は、短絡808が存在しないとき、電極810A〜B間の電位差に少なくとも部分的に基づいて初期加熱を付与して、EC積層膜802の少なくともいくらかをターゲット温度まで加熱するように構造化されている導電層804を含むことができるが、層806は、維持加熱を付与して、電極812A〜B間の電位差に少なくとも部分的に基づいてEC積層膜802のターゲット温度を維持するように構造化され得る。いくつかの実施形態において、初期加熱は、種々の電極設計によって実践され得る。例えば、加熱に使用される電流は、DCまたはACであり得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイス800は、ECデバイスの1つ以上の部分を加熱するように構成された層を含む。当該層は、本明細書において、加熱層と称され得る。いくつかの実施形態において、加熱層は、透過状態の切り替えを容易にするように構成されている、導電層とは別個であり得る、ECデバイスの導電層を含む。
加熱層は、少なくとも1つのコンデンサを介して電源に電気的に接続され得る。図8Cに示されているように、ECデバイス800に含まれている電極811Aは、コンデンサ875を含む回路872を介して電源870に電気的に接続され得る。コンデンサは、電源870から生じるDC信号が、回路872を通して電極811Aまで通らないようにすることができるが、電源870によって発生したAC信号は、電極811Aが接続されている、加熱層を含み得るECデバイス800の部分まで、回路872を通って通り得る。結果として、電源870で発生したAC信号は、ECデバイスの1つ以上の部分800の加熱を容易にするのに十分に高い周波数を含んでいて、回路872および電極を通過することができるが、DC信号は、コンデンサ875によって、回路872および電極811Aを通過しないようにされ得る一方で、DC信号は、並列回路874および電極811Bを介して、AC信号が回路872および電極811Aを介して通過するデバイスの部分とは別個であり得る、デバイス800の少なくとも一部内に通り得る。結果として、DC信号は、AC信号が通過する加熱層に影響しないようにされ得る。
DC信号が通過する回路は、デバイス800において電気的短絡808を含むことができる。結果として、ECデバイス800は、短絡808を通る抵抗に基づいた高抵抗の回路を含むことができ、これを通して、DC信号が、電極811B、811Dを介して通り得る。AC信号がデバイス800において通過する回路は、DC信号が通過する回路と比較して、比較的低抵抗の回路であり得、その結果、AC信号が電源870によって発生したときにコンデンサが電力を損失させるようにする。短絡808を通る抵抗は増加し得、その結果、透過パターンを切り替えるDC信号を発生させるのに利用される電力が低減され得るようにする。
いくつかの実施形態において、コンデンサ875、回路872、874、およびECデバイス800は、電源870が回路876、878および電極811C〜Dを介して接続されている共通のデバイス801に含まれており、その結果、電源870が、2つの電極811C、811Dを介してデバイス801に接続され、回路874、872が、回路878および電極811Dを介して電源870と並列に接続され得、コンデンサ875が、回路878および電極811Dを介して電源870から伝達されるDC信号が回路872および電極811Aを通してECデバイス800の特定の部分に通らないようにすることができる。
いくつかの実施形態において、ECデバイス800は、ECデバイスの1つ以上の部分800を加熱するように構成されている別個のコンポーネント880に接続されている。コンポーネント880は、加熱要素と称され得、図8Dに示されているように、ECデバイス800と並列に電気的に接続され得る。ECデバイス800は、デバイスにおける電気的短絡808を通る電流を最小化するように構成され得る。加熱要素880は、ECデバイス800が接続されている基材の1つ以上の側を含めたECデバイス800の1つ以上の側に沿って延在し得るさらなる導電層を含むことができる。図8Dに示されているように、加熱要素880は、電極881Aおよび回路872を介してコンデンサ875に接続され得、要素880は、ECデバイス800と並列に、電極881A〜Bおよび回路876、878、872、874を介して電源870に電気的に接続され得る。AC信号を介し加熱要素880を通してのECデバイスの1つ以上の部分800の加熱は、AC信号が電源870によって発生して要素880を通過したときに生じ得る。ECデバイスにおける透過状態の切り替えは、DC信号が、AC信号と同時に、AC信号とは無関係になどで発生するときに生じ得、DC信号は、デバイス800を通過し、コンデンサ875によって要素880を通過しないようにする。
少なくとも図6に示されている実施形態において、電極は、それぞれ導電層におけるバスバーの対称的なセットとして示されており、ここで、電極は、少なくとも1つの特定のEC領域614から均一に離間されている。いくつかの実施形態において、電極が、構造および配置において非対称的であること、ならびに、電極が1つ以上のEC領域に対して不均一に配置され得ることが理解される。例えば、導電層に接続されている電極のセットは、奇数(例えば、3つの電極)であり得る。奇数の電極(例えば、バスバー)が導電層に接続されているとき、導電層の1つ以上の領域の均一な加熱は、層を通る電流流れが均一であるように異なる極性間で切り替わるように構造化されているセットにおける電極に少なくとも部分的に基づいて達成され得る。別の例において、いくつかの電極は形状が非対称である。
図9A〜Cは、いくつかの実施形態による、ECデバイスであって、EC積層膜と、EC積層膜の両側の隣接導電層と、隣接導電層の1つに絶縁層を介して接続されている別個の導電層とを含む上記デバイスを示す。ECデバイス900は、EC積層膜914を有するEC積層体910と、EC積層膜の両側の導電層912、916とを含み、EC積層体が、少なくとも1つの中間層920を介して1つ以上の基材940、950および別個の導電層930に接続されている。いくつかの実施形態において、ECデバイス900は、図2に示されているECデバイス200、図6に示されているECデバイス600などを含めた、本明細書におけるいずれかの箇所に示されかつ開示されているECデバイスの1つ以上の部分に含まれている。いくつかの実施形態において、中間層920は、1つ以上の絶縁層、接着層、カプセル化層、反射防止層、赤外線カットフィルタ層、不明瞭化層、これらの何らかの組み合わせなどを含む。いくつかの実施形態において、ECデバイス900は、加熱層、基材、EC積層体、これらの何らかの組み合わせなどの2つ以上の間に複数の中間層920を含む。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、1つ以上の中間層によってEC積層体から隔てられている導電層の1つ以上の特定の限定領域の選択的加熱に少なくとも部分的に基づいて、EC積層膜の1つ以上の領域を加熱するように構造化されている。本明細書において「別個の」導電層、「加熱層」などとも称されるかかる導電層は、1つ以上の領域において、EC積層体に伝達されてEC積層膜の1つ以上の領域を1つ以上の中間層を介して加熱する熱を発生するように構造化され得る。
図示されている実施形態に示されているように、ECデバイスは、EC積層体、加熱層、中間層、基材などを含む種々の層配置を含むことができる。例えば、図9Aにおいて、加熱層930は、基材940に接続されており、中間層920は、基材940とは反対側の加熱層930に接続されており、EC積層体910は、中間層920に接続されている。いくつかの実施形態において、加熱層930が、例えば、図9Aに示されているように、EC積層体910と基材との間に位置するとき、1つ以上の中間層が、加熱層930と基材940との間に位置し得ることが理解される。いくつかの実施形態において、加熱層930は、基材940の、EC積層体910とは反対側に位置する。いくつかの実施形態において、本明細書において記述されているように、基材は加熱層であり、その結果、基材とは別個の加熱層が、ECデバイスに存在しないようにする。対照的に、図9Bにおいて、EC積層体910は、基材940に接続されており、中間層920は、EC積層体910に接続されており、加熱層930は、中間層920に接続されている。本明細書において言及されている層の接続は、別のものの頂部に1つの層を設けることを含むことができる。図9Cに示されているように、種々の層910〜930は、2つ以上の基材の間に位置し得る。特に、図9Cは、基材940に接続されているEC積層体910と、EC積層体910に接続されている中間層920と、中間層920に接続されている加熱層930と、加熱層930に接続されている基材950とを示す。
いくつかの実施形態において、導電層は、その残余領域と比較して加熱されるように構造化されている特定の限定領域を含んでいて、ECデバイスの基材層を含むことができる。例えば、図9Bにおいて、加熱層930は、基材であって、その残余領域と比較して加熱されるように構造化されている特定の限定領域を含んでいる上記基材を含むことができる。別の例、図9Aにおいて、ECデバイス900の加熱層は、基材940であり得、基材940は、当該基材の残余領域と比較して加熱されるように構造化されている特定の限定領域を含むように構造化されており、別個の加熱層930は、ECデバイス900に存在しない。基材は、本明細書において称されているとき、種々の材料の1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態において、基材は、電磁スペクトルの少なくとも1つの波長を反射することができる材料を含めた透明または反射性材料のうち1つ以上を含む。基材は、1つ以上のガラス、結晶性材料、ポリマー材料などを含めた1つ以上の種々の透明な材料を含むことができる。結晶性材料は、サファイア、ゲルマニウム、シリコンなどを含むことができる。ポリマー材料は、PC、PMMA、PETなどを含むことができる。その1つ以上の残余領域と比較して1つ以上の特定の限定領域において選択的に加熱されるように構造化されている基材を含めた、ECデバイスに含まれる基材は、その異なる領域において異なる伝導度を有する異なるガラスを含むことができる。例えば、基材は、ホウケイ酸ガラス、アルミノ−ホウケイ酸ガラス、これらの何らかの組み合わせなどの1つ以上を含むことができる。基材は、1つ以上の種々の厚さを有することができる。例えば、基材は、1から数百ミクロンの厚さ(境界含む)間の1つ以上の厚さを有することができる。基材層を含むECデバイス層の部分の厚さは、当該部分に関連する伝導度、抵抗などの1つ以上に関連し得る。層の厚さは、層を横切って変動して、層を伝導性、抵抗などを有するように構造化することができ、変動する厚さに対応して層を横切って変動する。基材は、1つ以上の熱的に強化された材料、化学的に強化された材料などを含むことができる。例えば、基材は、GORILLA GLASS(商標)を含むことができる。基材は、1つ以上の種々の熱膨張係数を有する材料を含むことができる。基材は、IGU、TGU、ラミネート、モノリシック基材などの1つ以上を含むことができる。基材は、ECデバイスが含まれているカメラデバイスから外へ、画像化対象に対して向くことができる。いくつかの実施形態において、ECデバイスが含まれている表面と反対側にある基材の表面は、カメラデバイスの外部の周囲環境に暴露される。ECデバイスは、本開示においていずれかの箇所で議論されているように、1つ以上の導電層、EC積層体層などを含めた種々の層を含むことができる。
II.基材により制御されたエレクトロクロミック加熱
図10は、いくつかの実施形態による、ECデバイスであって、EC積層膜と、EC積層膜の両側の隣接導電層と、熱源に接続されていて、EC積層膜のいくつかまたは全てを加熱するように構造化されている基材とを含む上記デバイスを示す。ECデバイス1000は、EC積層体1010と、EC積層体1010の隣接面を横切って受け取った熱を均一に分布させるように構造化されている熱伝導層1020と、熱1050を熱伝導層1030内に排出して均一に分布させるように構造化されている熱源1030とを含む。ECデバイス1000は、図9に示されているECデバイス900を含めた、本明細書においていずれかの箇所に示されている1つ以上の種々のECデバイスに含まれ得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、EC積層体とは別個であり、EC積層体に含まれる導電層の隣接面を含めたEC積層体の隣接面を横切って熱を均一に分布させるように構造化されている熱伝導層を含んでいる加熱層を含む。基材を含むことができる熱伝導層は、1つ以上の種々の熱源から熱を受け取って受け取った熱を均一に分布させることができる。いくつかの実施形態において、ECデバイス1000が、熱源を含むデバイスに含まれているとき、ECデバイスは、1つ以上の接着層、熱伝導層などを介して熱源に熱的に接続されて、熱源から層1020まで熱を送るようにデバイスを構造化することができる。いくつかの実施形態において、専用の熱源が層1020に接続されており、当該熱源は、熱源に供給される電力に少なくとも部分的に基づいて層1020において熱を排出するように構造化されている。かかる熱源は、熱電熱伝達デバイス、ヒートポンプデバイスなどを含むことができる。
図示されている実施形態において、例えば、ECデバイス1000は、電力電源1040を介して電力電流を受け取るように構造化されている熱電熱伝達デバイス1030を含み、デバイス1030は、電源1040によって供給される電流に少なくとも部分的に基づいて熱を排出するように構造化されている。図示されている実施形態において、デバイス1030は、層1020に接続されており、層1020に熱を排出するように構造化されていて、層1020は、層1020にわたって上記熱1050を均一に分布させ、熱1050をEC積層体1010に均一に伝達することができる。
いくつかの実施形態において、ECデバイス1000は、熱伝導層とEC積層体との間に1つ以上の中間層を含む。上記に記述されているように、かかる中間層として、絶縁層、接着層、反射防止層、赤外線カットフィルタ層、不明瞭化層、これらの何らかの組み合わせなどを挙げることができる。
III.エレクトロクロミックデバイス加熱制御システム
図11A〜Cは、いくつかの実施形態による、エンドユーザーデバイスであって、ECデバイスと、ECデバイスの加熱をエンドユーザーデバイスとのエンドユーザーインタラクションに関連するトリガー事象に少なくとも部分的に基づいて制御するように構造化されている制御システムとを含む上記エンドユーザーデバイスを示す。
いくつかの実施形態において、ECデバイスの1つ以上の領域の加熱は、種々の方法およびシステムを介して制御される。かかる方法およびシステムは、ECデバイスの種々の電極への電圧の手動制御印加を含むことができ、オペレータが、1つ以上のコンポーネントを手動で調整して、電極に印加される電圧を手動で調整する。かかる方法およびシステムは、ECデバイスの種々の電極への電圧の自動制御印加を含むことができる。かかる自動制御は、制御システムを含むことができ、該システムは、1つ以上のコンピュータシステムによって実践され得、ECデバイス電極に印加する電圧の決定、ECデバイス電極に電圧を印加するか否かの決定、種々の電極に電圧を印加するまたはその印加を停止させるためのコマンド信号の発生、これらの何らかの組み合わせなどを制御する。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、エンドユーザーデバイスに含まれており、また、エンドユーザーデバイスに関連する1つ以上のトリガー事象に少なくとも部分的に基づいて透過パターンを選択的に切り替えるように構造化されている。エンドユーザーデバイスは、制御システムを含むことができ、該システムは、1つ以上のコンピュータシステムによって実践され得、1つ以上のトリガー事象に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイスの1つ以上の部分に供給される電力を選択的に制御して透過パターンの切り替えを制御することができる。トリガー事象は、エンドユーザーデバイスとのある一定のユーザー起動インタラクションを含むことができ、1つ以上の決定が、エンドユーザーデバイスの1つ以上の部分の状態などに関してなされる。
いくつかの実施形態において、エンドユーザーデバイスは、1つ以上のトリガー事象に少なくとも部分的に基づいて、エンドユーザーデバイスにおいてECデバイスの1つ以上の領域の加熱を選択的に制御するように構造化されている制御システムを含む。例えば、ECデバイスがエンドユーザーデバイスにおいてカメラデバイスのカメラ絞りに含まれているとき、制御システムは、カメラデバイスの使用が差し迫っていること、画像がカメラデバイスによって撮影されることなどを示唆するトリガー事象に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイスの加熱を選択的に制御することができる。
図11A〜Bは、デバイスハウジング1102においてユーザーインターフェース1104とECデバイス1106とを含むエンドユーザーデバイス1100の外観斜視図を示す。エンドユーザーデバイス1100は、いくつかの実施形態において、スマートフォンデバイス、カメラデバイス、タブレットコンピュータデバイス、ラップトップコンピュータなどを含めた1つ以上のコンピュータシステムを含む。ユーザーインターフェース1104は、タッチスクリーンディスプレイを含めたグラフィカルユーザーインターフェースディスプレイを含むことができる。
いくつかの実施形態において、エンドユーザーデバイス1100は、エンドユーザーがインターフェース1106とのインタラクションを介して制御することができるカメラデバイスを含み、ECデバイス1106は、カメラデバイスのカメラ絞りに含まれており、透過状態間で切り替えられて、カメラデバイス操作および撮影される画像の質を制御することができる。また、ECデバイス1106は、カメラデバイスに関連する種々のトリガー事象に基づいて選択的に加熱され得る。トリガー事象は、周囲温度がある一定の閾値温度を超えまたはそれ未満であること、ユーザーがインターフェース1104とインタラクトしてカメラデバイスを起動すること(例えば、カメラモードを起動すること)、ユーザーがインターフェース1104とインタラクトしてカメラデバイスを介して画像を撮影することなどを含むことができる。
図11Cは、カメラデバイス1110に含まれるインターフェースデバイス1104とECデバイス1106とを含めたエンドユーザーデバイス1100の概略図を示す。エンドユーザーデバイス1100は、1つ以上のコンピュータシステムによって少なくとも部分的に実践され得る制御システム1112をさらに含む。エンドユーザーデバイス1100は、電池、外部電源からの電力供給、これらの何らかの組み合わせなどを含むことができる電源1108をさらに含み、電源1108は、電力をカメラデバイス1110における少なくともECデバイス1104に分配するように構造化されている。示されているように、制御システム112は、インターフェース1104、電源1114、およびカメラデバイス1110の1つ以上の部分とインタラクトすることができる。例えば、制御システム112は、ECデバイス1106におけるEC積層膜の少なくとも一部の温度を示しているECデバイス温度データをカメラデバイス1110から受け取ることができる。また、制御デバイス1112は、カメラデバイス1110に命令して画像を撮影することができ、カメラデバイスまたは電源の1つ以上を捕捉して、ECデバイス1106の透過パターンの切り替え、ECデバイス1106の1つ以上の領域の加熱などをすることができる。制御システム1112は、いくつかの実施形態において、カメラデバイス1110を起動する、カメラデバイス1110を介して画像を撮影するなどのコマンドを含めたユーザーからのコマンドを、インターフェース1104を介して受け取ることができる。かかるコマンド、カメラデバイス1110からのデータなどに基づいて、制御システム1112は、トリガー事象が生じたかを決定することができ、制御システム1112は、カメラデバイス1110、電源1114などの1つ以上に命令することにより、かかる決定に応答して、ECデバイスの1つ以上の領域を選択的に加熱する。かかるコマンドは、ECデバイス1106に接続されている1つ以上の電極に電圧を印加して導電層を横切る電位差を誘導するコマンド、熱源の1つ以上の部分に電圧を印加してECデバイス1106の1つ以上の層に熱を供給するコマンドなどを含むことができる。
図12は、いくつかの実施形態による、制御システムであって、1つ以上のトリガー事象の決定に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイスの選択的加熱を制御するように構造化されている上記システムを示す。制御システム1200は、図12に示されている制御システム1112を含めた本明細書に開示されている制御システムの1つ以上に含まれ得る。制御システム1200は、図13に示されているコンピュータシステムを含めた1つ以上のコンピュータシステムによって実践され得る。制御システム1200は、制御システム1200の種々の態様を実践するように構造化されている種々のモジュールを含む。
制御システム1200は、EC積層体温度監視モジュール1204を含む。監視モジュール1204は、EC積層膜の1つ以上の領域の温度を含めた、ECデバイスのEC積層体の1つ以上の部分の温度を監視することができる。かかる温度の監視は、ECデバイスに接続されている1つ以上のコンポーネントから受け取った温度データに少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、EC積層膜の温度は、電流損失、算出された抵抗値などを含めた電流データに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。別の例において、EC積層膜の温度は、ECデバイスに接続されている熱電対デバイスから受け取った温度データに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
制御システム1200は、トリガー制御モニター1205を含む。トリガー制御モジュール1205は、ECデバイス、ECデバイスが含まれているデバイスなどと比較して、1つ以上の特定の所定のトリガー事象が生じたか否かを決定することができる。一例において、トリガー事象の発生は、ECデバイスの1つ以上の領域の温度が、閾値温度の値より低いという決定を含む。別の例において、トリガー事象の発生は、インターフェースとのユーザー起動インタラクションに少なくとも部分的に基づいた、1つ以上の特定の操作を実施するためのECデバイスを含むデバイスに関してのコマンドを含めた特定のユーザーコマンドが、ユーザーインターフェースから受け取られるという決定を含む。例えば、ECデバイスがカメラデバイスに含まれている実施形態において、トリガー事象の発生は、ユーザーがカメラデバイスにユーザーインターフェースとのインタラクションを介して起動するように命令したかの決定を含むことができる。
制御システム1200は、EC積層体加熱制御モジュール1206を含む。モジュール1206は、ECデバイスに接続されている種々の電極に特定の電圧セットが1以上の所与の回数で印加されて、ECデバイスの1つ以上の領域が、1つ以上の特定のターゲット温度に加熱される、1つ以上のターゲット温度で維持されるなどのようにECデバイスの1つ以上の領域を加熱することを決定することができる。制御モジュール1206は、初期加熱、維持加熱などを含めた1つ以上の種々の加熱モードを介してECデバイスを加熱するかを決定する。制御モジュール1206は、トリガー制御モジュール1205でのトリガー事象の決定に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイス、ECデバイスに電気的に接続されている電源などを含めた1つ以上の外部デバイスにコマンド信号を発生させることができる。
制御システム1200は、EC積層体切り替え制御モジュール1207を含む。モジュール1207は、ECデバイスに接続されている種々の電極に特定の電圧セットが1以上の所与の回数で印加されて、別個の透過パターン間でECデバイスの1つ以上の領域を切り替えることを決定することができる。制御モジュール1207は、トリガー制御モジュール1205でのトリガー事象の決定に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイス、ECデバイスに電気的に接続されている電源などを含めた1つ以上の外部デバイスにコマンド信号を発生させることができる。
図13は、いくつかの実施形態において使用されてよい例としてのコンピュータシステムを示すブロック図である。
いくつかの実施形態において、限定されないが、ECデバイスのいくらかもしくは全ての少なくとも選択的加熱を制御するように構造化されている制御システム、ECデバイス導電層の1つ以上の領域の少なくとも選択的加熱を制御するように構造化されている制御システム、ECデバイスの1つ以上の層の1つ以上の領域を選択的に加熱するように構造化されているECデバイスを含むエンドユーザーデバイス、ならびに本明細書に記載されている種々の方法、システム、コンポーネント、デバイス、および装置の一部または全てを含めた技術の1つ以上の一部または全てを実践するシステムは、1つ以上のコンピュータアクセス可能媒体を含むまたはこれにアクセスするように構成されている汎用コンピュータシステム、例えば、図13に示されているコンピュータシステム1300を含んでいてよい。図示されている実施形態において、コンピュータシステム1300は、入出力(I/O)インターフェース1330を介してシステムメモリ1320に接続されている1つ以上のプロセッサ1310を含む。コンピュータシステム1300は、I/Oインターフェース1330に接続されているネットワークインターフェース1340をさらに含む。
種々の実施形態において、コンピュータシステム1300は、1つのプロセッサ1310を含むユニプロセッサシステム、またはいくつかのプロセッサ1310(例えば、2、4、8、もしくは別の好適な数)を含むマルチプロセッサシステムであってよい。プロセッサ1310は、指示を実行することが可能であるいずれの好適なプロセッサであってもよい。例えば、種々の実施形態において、プロセッサ1310は、種々の命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれか、例えば、x86、PowerPC、SPARC、もしくはMIPS ISA、またはいずれか他の好適なISAを実践する汎用または組み込みプロセッサであってよい。マルチプロセッサシステムにおいて、プロセッサ1310は、それぞれ、必ずしもではないが、同じISAを共通して実践してよい。
システムメモリ1320は、プロセッサ1310によってアクセス可能な指示およびデータを保存するように構成されていてよい。種々の実施形態において、システムメモリ1320は、いずれの好適なメモリ技術、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、またはいずれの他のタイプのメモリを使用して実践されてもよい。図示されている実施形態において、1つ以上の所望の機能、例えば、ECデバイスのいくらかもしくは全ての少なくとも選択的加熱を制御するように構造化されている制御システム、ECデバイス導電層の1つ以上の領域の少なくとも選択的加熱を制御するように構造化されている制御システム、ECデバイスの1つ以上の層の1つ以上の領域を選択的に加熱するように構造化されているECデバイスを含むエンドユーザーデバイス、ならびに本明細書に記載されている種々の方法、システム、コンポーネント、デバイス、および装置の一部または全てを実践するプログラム指示ならびにデータは、コード1325およびデータ1326としてシステムメモリ1320内に保存されて示されている。
一実施形態において、I/Oインターフェース1330は、プロセッサ1310、システムメモリ1320、および、ネットワークインターフェース1340または他の周辺インターフェースを含めた、デバイスにおけるいずれかの周辺デバイス間のI/Oトラフィックを協働するように構成されていてよい。いくつかの実施形態において、I/Oインターフェース1330は、いずれか必要なプロトコル、タイミングまたは他のデータ変換を実施して、1つのコンポーネント(例えば、システムメモリ1320)からのデータ信号を別のコンポーネント(例えば、プロセッサ1310)による使用に好適なフォーマットに変換してもよい。いくつかの実施形態において、I/Oインターフェース1330は、種々のタイプの周辺バス、例えば、種々のペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス規格またはユニバーサルシリアルバス(USB)規格などを通して取り付けられているデバイスのためのサポートを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、I/Oインターフェース1330の機能は、2つ以上の別個のコンポーネント、例えば、ノースブリッジおよびサウスブリッジなどに分割されてよい。また、いくつかの実施形態において、例えば、インターフェースからシステムメモリ1320へのI/Oインターフェース1330の機能のいくらかまたは全てが、プロセッサ1310に直接組み込まれていてよい。
ネットワークインターフェース1340は、ネットワーク1350に取り付けられているコンピュータシステム1300および他のデバイス1360、例えば、図1〜12に示されている他のコンピュータシステムまたはデバイスなどの間でデータを交換させるように構成されていてよい。種々の実施形態において、ネットワークインターフェース1340は、いずれの好適な有線または無線の一般データネットワーク、例えば、イーサネット(登録商標)ネットワークなどのタイプを介しての通信をサポートしてもよい。さらに、ネットワークインターフェース1340は、アナログ音声ネットワークまたはデジタルファイバー通信ネットワークなどの電気通信/電話網を介して、ストレージエリアネットワーク、例えば、ファイバーチャンネルSANを介して、またはいずれか他の好適なタイプのネットワークおよび/もしくはプロトコルを介して、通信をサポートしてよい。
いくつかの実施形態において、システムメモリ1320は、図1〜12と比較して上記に記載されている方法の実施形態を実践するためのプログラム指示およびデータを保存するように構成されているコンピュータアクセス可能媒体の一実施形態であってよい。他の実施形態において、プログラム指示および/またはデータは、異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体において受信、送信または保存されてよい。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体として、I/Oインターフェース1330を介してコンピュータシステム1300に接続されている、非一時的ストレージ媒体またはメモリ媒体、例えば、磁気または光学媒体、例えば、ディスクまたはDVD/CDを挙げることができる。非一時的なコンピュータアクセス可能なストレージ媒体として、システムメモリ1320または別のタイプのメモリとしてコンピュータシステム1300のいくつかの実施形態において含まれていてよいあらゆる揮発性または不揮発性媒体、例えば、RAM(例えば、SDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどを挙げることができる。さらに、コンピュータアクセス可能媒体として、伝送媒体、あるいは通信媒体、例えば、ネットワークおよび/または無線リンクを介して伝播される信号、例えば、電気、電磁、もしくはデジタル信号を含んでいてよく、例えば、ネットワークインターフェース1340を介して実践されてよい。
種々の実施形態は、コンピュータアクセス可能媒体についての上記の説明にしたがって実践される、指示および/またはデータの受信、送信または保存をさらに含んでいてよい。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体として、ストレージ媒体またはメモリ媒体、例えば、磁気または光学媒体、例えば、ディスクまたはDVD/CD−ROM、揮発性または不揮発性媒体、例えば、RAM(例えば、SDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなど、ならびに伝送媒体、または通信媒体、例えば、ネットワークおよび/もしくは無線リンクを介して伝播される信号、例えば、電気、電磁、もしくはデジタル信号を挙げることができる。
本明細書において使用されているとき、「コンピュータシステム」は、種々のコンピュータシステムまたはそのコンポーネントのいずれをも含む。コンピュータシステムの一例は、ラックマウントサーバである。本明細書において使用されているとき、用語「コンピュータ」は、該分野においてコンピュータと称されるまさにそれらの集積回路に限定されないが、広範には、プロセッサ、サーバ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、および他のプログラマブル回路を称し、これらの用語は、本明細書において互換的に使用される。種々の実施形態において、メモリとして、限定されないが、コンピュータ−可読媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を挙げることができる。代替的には、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、および/またはデジタル多用途ディスク(DVD)が使用されてもよい。また、さらなる入力チャネルとして、オペレータインターフェースに関連するコンピュータ周辺機器、例えば、マウスおよびキーボードを挙げることができる。代替的には、例えばスキャナを含めてよい他のコンピュータ周辺機器が使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、さらなる出力チャネルとして、オペレータインターフェースモニターおよび/またはプリンタを挙げることができる。
本明細書において使用されているとき、「モジュール」は、コンポーネントまたはコンポーネントの組み合わせである。モジュールとして、機能要素およびシステム、例えば、コンピュータシステム、回路基板、ラック、ブロワ、ダクト、および配電ユニット、ならびに構造要素、例えば、ベース、フレーム、ハウジングまたはコンテナを挙げることができる。
図に示され、本明細書に記載されている種々の方法は、方法の例示的実施形態を表している。これらの方法は、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせにおいて実践されてよい。これらの方法の順序は、変化してよく、種々の要素が、付加、並べ換え、組み合わせ、省略、変更などされてよい。
上記実施形態がかなり詳細に記載されているが、多数の変形および変更が、上記開示を完全に一旦認識すると、当業者に明らかとなる。以下の特許請求の範囲は、全てのかかる変形および変更を包含すると解釈されることが意図される。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、ペーパーガラス箔と接着剤の層とを含む薄いガラスラミネートを含む基材を含む。薄いガラスラミネートは、およそ25マイクロメータの厚さであるガラス箔を含むことができる。いくつかの実施形態において、薄いガラスラミネートは、1つ以上の種々の厚さを含むことができる。例えば、薄いガラスラミネートは、およそ50マイクロメータの厚さであり得る。
いくつかの実施形態において、フォトクロミックまたはサーモクロミック材料は、適所で、または本明細書に開示されているエレクトロクロミック(EC)材料に加えて使用されてよい。例えば、デバイスのいくつかの領域は、EC積層体を含めたエレクトロクロミック材料を含んでいてよいが、他の領域は、エレクトロクロミック、フォトクロミック、またはサーモクロミック材料の少なくとも1つを含んでいてよい。好適なフォトクロミック材料として、限定されないが、トリアリール−メタン、スチルベン、アザスチルベン、ニトロン、フルギド、スピロピラン、ナフトピラン、スピロオキサジン、およびキノンが挙げられる。好適なサーモクロミック材料として、限定されないが、液晶およびロイコ染料が挙げられる。フォトクロミックおよびサーモクロミック材料は、いずれも、周知の方法で基材上に形成され得る。バスバー、電極などは、フォトクロミックまたはサーモクロミック動的領域に必要ではない、なぜなら、光および熱が、材料の特性をそれぞれ調節するからである。フォトクロミックおよび/またはサーモクロミック動的領域を使用する1つの例示的な実施形態は、ウィンドウであり得、該ウィンドウは、採光について能動的に制御されて1つ以上の特定の透過パターン間で選択的に切り替わるなどのウィンドウ頂部に向かっての少なくとも1つのエレクトロクロミック動的領域と、直射日光下で自己暗化するウィンドウの底部に向かっての少なくとも1つのフォトクロミック動的領域とを有しており、少なくとも第2のエレクトロクロミック領域が、デバイスの別の領域に置かれている。
いくつかの実施形態において、1つ以上のECデバイスは、カメラデバイスのための開口フィルタ、アイリスなどとして使用され得、上記にさらに議論されているように、選択的にアポダイズするように構造化されていてよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のECデバイスは、さらなる処理の前に、拡張された距離を横切って出荷され得るアーキテクチャの「マザーボード」に含まれ得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のECデバイスは、輸送用途および重量が重要である他の用途のための1つ以上の単一のペインウィンドウに含まれ得る。いくつかの実施形態において、単一の基材を含む1つ以上のECデバイスを含めた1つ以上のECデバイスは、ハンドヘルドデバイス、コンピュータなどのためのディスプレイに関する情報を隠蔽または公開するのに使用され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のECデバイスは、ダイナミック眼鏡に使用され得る。
さらに、本明細書に開示されている主題の一実施形態は、複数の独立制御される動的領域を含む、単一のペインまたはライトを有するアーキテクチャのウィンドウを含めたウィンドウを含むことができることが理解されるべきである。本明細書に開示されている主題の別の実施形態は、一方のペインと、他方のペイン上のクリアなガラスとの上に複数のエレクトロクロミックウィンドウ領域を含む断熱ガラスユニット(「IGU」)を含む。本明細書に開示されている主題のなお別の実施形態は、一方のペインと、他方のペイン上のlow−E、ティンテッド、または反射性ガラスとの上に複数のエレクトロクロミックウィンドウ領域を含むIGUを含む。本明細書に開示されている主題のさらに別の実施形態は、IGUの1つのペインと、パターン化または特徴が第1ペイン上の動的領域のエリアと一致し得る、適合し得る、および/または対照をなし得る他のペイン上のパターン化または特殊ガラスとの上に複数のエレクトロクロミックウィンドウ領域を含むIGUを含む。上記実施形態は、複数の動的領域を含むライトが、クリアライト、低Eライト、反射性、および/または部分反射性ライトであるように構成または構造化などされ得ることが理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、図1〜14の1つ以上を参照して示され開示されているECデバイス、エンドユーザーデバイス、制御システムなどの1つ以上を含む1つ以上のECデバイスは、ECディスプレイ、輸送ウィンドウ、アーキテクチャのガラス用途などを含めた種々の用途に含まれ得る。
いくつかの実施形態において、1つ以上のECデバイスは、別個のEC領域を含んでおり、当該ECデバイスは、EC領域の1つ以上に、ECデバイスの種々の領域の加熱の変動に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の他のEC領域よりも速く透過レベルを切り替えさせるように構造化されている。種々の領域の加熱のかかる変動は、ECデバイスに含まれる1つ以上の導電層の種々の領域の加熱の変動を含むことができる。
いくつかの実施形態において、1つ以上の熱電熱伝達デバイスは、ECデバイスに接続されて、ECデバイスを、1つ以上のEC領域を切り替えながら1つ以上のEC領域を加熱するように構造化することができ、異なる透過レベル間で、加熱される1つ以上のEC領域の少なくともいくつかを含み得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、1つ以上の特定の温度へのECデバイスの1つ以上の部分の加熱を制御するように使用され得る1つ以上の熱電対を含む。かかる制御は、エネルギー消費の保護を可能にすることができ、例えば、ECデバイスの温度がある一定の閾値温度を超えるときに加熱しないようにし、また、ECデバイスの温度がある一定の閾値温度未満であるときに加熱を可能にし、かかる閾値温度は、異なる閾値温度であることができる。かかる熱電対からの温度データは、ECデバイスの1つ以上の部分の加熱を制御してECデバイスの1つ以上の部分において特定の一定の切り替え温度を維持する制御システムによって使用され得る。かかる温度データは、ECデバイスの1つ以上の部分の現温度に少なくとも部分的に基づいて、ECデバイスが切り替えられるべき時間を決定する制御システムによって使用され得る。
いくつかの実施形態において、ECデバイスは、1つ以上の熱源を含む、エンドユーザーデバイスを含めたデバイスに含まれる。かかる熱源は、いくつかの実施形態において、ECデバイスの1つ以上の部分を加熱するのに使用され得る。例えば、エンドユーザーデバイスの1つ以上の他のコンポーネントによる操作をサポートするのに利用される電流、例えば、デバイスのグラフィカルユーザーインターフェースをサポートするスマートフォンデバイスの電源によって供給される電流は、ECデバイスの搭載要素を通って流れるように、例えば、ECデバイスを加熱する、または電池のヒートシンクにECデバイスを搭載するなどのように構造化され得る。