JP6302728B2 - 光受信端末 - Google Patents
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Description
また、切替スイッチとして半導体リレーを用いると、従来の光受信端末の耐久性は向上すると考えられるが、この半導体リレーでは高周波信号を通過させることから、高価な半導体リレーが必要になるという問題点が生じると共に、高い周波数における通過ロスが無視できなくなり、C/N(Carrier to Noise Ratio)が劣化するという問題点があった。さらに、従来の光受信端末は、停電時に出力されるFM信号の出力レベルを大きくすることができないという問題点もあった。
図1に示す光受信端末1は、光ファイバー10を伝播してきた光信号を受光して、電気信号であるRF(高周波)信号に変換して出力するフォトダイオードPD1を備えている。RF信号の帯域は、テレビ信号の多チャンネルサービスを行うFTTHのCATVの周波数帯域である70MHz〜2.6GHzとされ、RF信号には70〜90MHzのFM信号とされる告知放送が含まれている。このフォトダイオードPD1のアノードはアースされ、カソードは結合コンデンサC1を介して回路Aに接続されている。回路Aは第1の電子スイッチであり、結合コンデンサC1と結合コンデンサC2との間の経路を、電源Vccが通電されている時はショートし、電源Vccが停電されている時はオープンにする。この回路Aは、一端がアースされた抵抗R1と、この抵抗R1の他端にカソードが接続されたPINダイオード(p-intrinsic-n Diode)D1と、PINダイオードD1のアノードに一端が接続され、他端が電源Vccに接続されたチョークコイルL2とから構成されている。チョークコイルL2の一端には、一端がアースされたバイパスコンデンサC3が接続されている。そして回路Aは、結合コンデンサC2を介して増幅器(AMP1)に接続されている。すなわち、結合コンデンサC1と結合コンデンサC2との間にPINダイオードD1が直列に接続され、電源Vccが通電されている時は、Vcc−L2−D1−R1の経路で電流が流れてPINダイオードD1はオンする。これにより、フォトダイオードPD1から出力されるRF信号が、PD1−C1−D1−C2−AMP1の経路を介してAMP1に入力され、AMP1で所定のレベルに増幅される。この場合、RF信号はPINダイオードD1ではロスすることなく、RF信号のC/N(Carrier to Noise Ratio)は確保され、良好なC/Nが得られる。増幅されたRF信号は、結合コンデンサC4を介して出力(OUT)される。なお、AMP1には、出力側に一端が接続されたチョークコイルL3を介して動作用の電源Vccが供給されており、チョークコイルL3の他端には一端がアースされたバイパスコンデンサC5が接続されている。また、電源Vccが停電されている時は、PINダイオードD1はオフしてフォトダイオードPD1からAMP1はアイソレーションされる。
電源Vccが通電されている時は図2に示すように、回路Aの第1電子スイッチを構成するPINダイオードD1と、第2電子スイッチを構成するPINダイオードD2とがオンすると共に、第4電子スイッチを構成するPINダイオードD3がオンする。しかし、電源Vccが通電されている時には第3の電子スイッチはオフする。これにより、フォトダイオードPD1には抵抗R4を介して逆バイアスが印加され、フォトダイオードPD1には光ファイバー10から入力された光信号の強度に応じた光電流Ipdが流れる。この光電流Ipdにより光信号を電気信号に変換したRF信号が生じ、RF信号は図示するように結合コンデンサC1とPINダイオードD1と結合コンデンサC2を介してAMP1に入力する。AMP1で所定のレベルに増幅されたRF信号は、結合コンデンサC4を介して出力(OUT)されると共に、抵抗R2とPINダイオードD3と結合コンデンサC8を介してFM端子12から出力される。この場合、RF信号には告知放送のFM信号が含まれており、結合コンデンサC4からFM端子12までの経路に、FM信号(告知放送)の周波数帯域のみを抽出するフィルタを設けるようにしてもよい。FM端子12からは、AMP1で増幅された十分大きなレベルのFM信号が出力される。なお、PINダイオードD2がオンすることから、バイアスラインである回路B側は高周波的に分離されて、RF信号はAMP1への経路であるRFライン側へだけ伝播するようになる。
電源Vccが停電されている時は図3(a)に示すように、回路Aの第1電子スイッチを構成するPINダイオードD1と、第2電子スイッチを構成するPINダイオードD2とがオフすると共に、第4電子スイッチを構成するPINダイオードD3がオフする。しかし、電源Vccが停電されている時には第3の電子スイッチはオンする。これにより、フォトダイオードPD1のカソードはコイルL1とフォトMOSリレー11の接点a,bを介して一端がアースされた抵抗R6の他端に接続されて、フォトダイオードPD1は抵抗R6で終端される。すなわち、図3(b)に示すフォトダイオードPDと抵抗Rとで構成されるループ回路が同様に構成される。これにより、フォトダイオードPD1は電源Vccが印加されない状態であっても動作状態となり、光ファイバー10から入力された光信号の強度に応じた光電流Ipd’が流れる。この光電流Ipd’により光信号を電気信号に変換したRF信号が生じ、コンデンサC6の他端がオープンになることから、RF信号は図示するようにバイアスラインを伝播して、回路BのコイルL1と回路CのフォトMOSリレー11の接点a,bを介してFM端子12から出力されるようになる。
また、回路Aの第1の電子スイッチがオフすることから、結合コンデンサC1,C2間がオープンになり、フォトダイオードPD1からのRF信号はAMP1に供給されないと共に、AMP1に電源Vccが供給されないことからAMP1も動作しない。さらに、第4の電子スイッチもオフすることから、抵抗R2と結合コンデンサC8との間の経路がオープンとされ、FM端子12はAMP1の出力側と分離される。
AMP1は電源Vccが停電されている時においても入力インピーダンスをもっており、電源Vccが停電されている時にフォトダイオードPD1にAMP1が高周波的に接続されていると、AMP1の影響により出力されるRF信号は減衰を受けるようになる。そこで、本発明にかかる光受信端末1では、図1に示すようにフォトダイオードPD1とAMP1との間に、電源Vccが停電されている時にオープンとなる回路Aによる第1の電子スイッチを設けて、電源Vccが停電されている時にフォトダイオードPD1からAMP1をアイソレーションしている。これにより、電源Vccが停電されている時に非常に大きな出力レベルのFM信号(告知放送)を出力することができる。AMP1の入力インピーダンスによる減衰を防止することができ、減衰されないFM信号をFM端子12から出力できるようになる。
また、抵抗R6をフォトMOSリレー11の出力側の接点bに接続する理由について説明する。抵抗R6をフォトMOSリレー11の前に接続する場合は、フォトダイオードPD1のカソードからフォトMOSリレー11の接点aまでの経路のいずれかに一端がアースされた抵抗R6の他端を接続することになる。すると、抵抗R6の抵抗値は100Ω〜300Ω位の値とされるため、電源Vccが通電されている時に抵抗R6に流れる電流は光電流Ipdより非常に大きな電流となる。この抵抗R6に流れる電流は、電源Vccから抵抗R4を介して流れるため、抵抗R4に流れる光電流Ipdの割合が非常に小さくなり、抵抗R4の他端からは光信号の強度に応じた信号がほとんど出力されなくなり、AGC信号やアラーム信号として利用することができなくなる。そこで、図1に示すように抵抗R6をフォトMOSリレー11の出力側の接点bに接続して、電源Vccが通電されている時に抵抗R6に抵抗R4を介して電流が流れないようにしているのである。この抵抗R6に替えて、ツェナーダイオードを用いるようにしてもよい。
なお、電源Vccは、例えばDC12Vとされ、フォトダイオードPD1に入力される光信号のレベルが0dmの時は、電源Vccが通電されている時に約0.9mAの光電流Ipdが流れ、光信号のレベルが−10dBmの時は、約0.09mAの光電流Ipdが流れるようになる。抵抗R4には、上記光電流Ipdに応じた信号が生じ、この信号を用いるアラーム回路の一例では、光信号のレベルが、例えば−15dBm以下となった時に、LED等が点灯されてアラームが報知される。また、上記信号を用いるAGC回路の一例では、入力される光信号のレベルが−2dBm〜−8dBmの時に出力されるRF信号のレベルが一定になるようにレベル制御する。
上記の説明では、本発明にかかる光受信端末で受信できるFM信号は告知放送のFM信号としたが、これに限ることはなく、FM放送局から放送されるFM信号とすることもできる。また、本発明にかかる光受信端末はFTTHのCATV用としたが、これに限るものではなく、一般の光受信端末に適用することができる。
Claims (5)
- 光信号をRF信号に変換して出力する一端がアースされたフォトダイオードと、
該フォトダイオードの他端と、該フォトダイオードから出力される前記RF信号を増幅する増幅手段とを接続する経路を、電源が通電されている時はオンし、電源が停電されている時はオフする第1の電子スイッチと、
前記フォトダイオードの前記他端に接続された前記RF信号を阻止するフィルタと、
該フィルタを、電源が通電されている時はオンし、電源が停電されている時はオフする第2の電子スイッチと、
前記フィルタの出力側と、FM端子とを接続する経路を、電源が通電されている時はオフし、電源が停電されている時はオンする第3の電子スイッチと、
前記第3の電子スイッチの出力側に一端が接続され、他端がアースされている第1の抵抗とを備え、
電源が通電されている時は、前記増幅手段から出力される前記RF信号の内のFM信号が前記FM端子から出力され、電源が停電されている時は、前記フォトダイオードの前記他端が前記第3の電子スイッチおよび前記第1の抵抗を介してアースされて、前記フォトダイオードから出力される前記RF信号の内のFM信号が、オフとされた前記フィルタおよびオンとされた前記第3の電子スイッチを介して前記FM端子から出力されることを特徴とする光受信端末。 - 前記フィルタは、前記フォトダイオードの前記他端に一端が接続され、他端が第1のコンデンサの一端に接続されたコイルと、他端が第1のダイオードの一端に接続された前記第1のコンデンサとから構成され、
前記第2の電子スイッチが、電源が通電されている時はオンし、電源が停電されている時はオフする他端がアースされている前記第1のダイオードにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の光受信端末。 - 前記増幅手段の出力側と、前記FM端子とを接続する経路に、電源が通電されている時はオンし、電源が停電されている時はオフする第4の電子スイッチが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光受信端末。
- 前記第1の電子スイッチは、一端がアースされた第2の抵抗と、該第2の抵抗の他端にカソードが接続され、一端が電源に接続されたチョークコイルの他端にアノードが接続された第2のダイオードにより構成され、
前記フォトダイオードの前記他端と前記第2の抵抗の他端との間、および、前記第2のダイオードのアノードと前記増幅手段との間に、それぞれ結合コンデンサが接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光受信端末。 - 前記フィルタの出力側に一端が接続され、他端が電源に接続されて前記フォトダイオードに逆バイアス電圧を印加する第3の抵抗と、該第3の抵抗の一端から出力される信号が、ゲイン制御用の制御信号およびアラーム信号として用いられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光受信端末。
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