JP6302712B2 - アイスクリームを含む冷菓の切断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アイスクリームに代表される冷菓であって、ノズルから吐出される冷菓や予め成形されて移送される長尺状のデコレーションアイスクリームを切断するための切断装置に関するものである。
アイスクリームに代表される冷菓をノズルから吐出して、紙製或いは合成樹脂製のカップに充填した製品が顧客に提供されている。冷菓をカップに充填する作業は、冷菓を吐出するノズルの開閉のタイミングを制御して行うのが一般的であるが、吐出されている冷菓をカッターによって切断することで停止することもある(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された充填装置では、ノズルの吐出面の側方に移動可能な1本の線を有するカッターが設けられており、ノズルから連続的に吐出されているアイスクリームをカッターによって切断し得るように構成されている。この充填装置では、切断されたアイスクリームは自重で落下してノズルの下方に間欠的に移送されてきた容器に充填される。また、アイスクリームを切断した後のカッターは、アイスクリームの表面を傷つけることなく瞬時に元の位置に後退し、次の切断に対応することができる。
最近では、厚さに比較して長さが大きい可食モナカに長方形のアイスクリームを充填したアイスモナカが提供されている。このようなアイスモナカを1本の線からなるカッターで切断する場合、ノズルから一定の速度でアイスクリームが吐出され続けるため、カッターによる切り始め側の端部と、切り終わり側の端部とでは厚みが異なってしまうという問題が生じた。このため、対向させた2本の線を有するカッターを有する充填装置が開発されている。
また、異なる種類のアイスクリーム、例えば図5(a)に示すように、チョコアイスクリーム51aとバニラアイスクリーム51bを多層に重ね、断面がロール状のアイスケーキ51、或いは断面が四角のアイスケーキを成形し、所定の長さに切断したものを紙箱に収容して顧客に提供することも行われている。このようなアイスケーキ51では、切断面に多層に重ねた異なる種類のアイスクリーム51a、51bが明確に表れることが好ましいが、線状のカッターを用いた場合、切断面が鮮明にでないという問題が生じた。
このため、アイスケーキ51を切断する場合、図5(b)に示すように、ニクロム線52と、ニクロム線52を往復移動させる駆動部材53と、を有するカッター54を有する装置を用いている。この装置では、ニクロム線52に通電して約80℃〜約120℃程度に発熱させ、この状態で駆動部材53によって往復駆動させる過程でアイスケーキ51を切断することができる。
特許第987951号(特公昭52−117477号公報)
上記各技術であっても全く問題がないわけではなく、解決すべきいくつかの問題がある。例えば、カッターが線によって構成されているため、アイスクリームに対する切断開始と同時に線の直径部分が作用することとなり、切断抵抗が大きいという問題がある。
また、ニクロム線52を有するカッター54を用いた場合、アイスケーキ51の切断面を溶かしてしまうヒートショックの発生という問題が生じる。また、切断に伴ってニクロム線52の表面に付着したアイスクリームが経時的に焦げるため、頻繁にニクロム線52の洗浄が必要であるという問題がある。
本発明の目的は、アイスクリームを含む冷菓を円滑に切断することができ、且つ美麗な切断面を得ることができるアイスクリームを含む冷菓の切断装置を提供することにある。
本件発明者はアイスクリームに代表される冷菓の製造装置に関し、継続的な開発を行っており、アイスクリームを切断する際に存在する上記の如き問題の解決も課題となっている。このような課題を解決しようとする際に、従来のように加熱したニクロム線ではなく、刃物で切断することの良否についての実験を行ったところ、常温の刃物では抵抗なく切れるものの切断面が良くないことが判明した。しかし、更に実験を進め、刃物を冷却したところ切断面の改善が見られることが判明した。
上記課題を解決するアイスクリームを含む冷菓の切断方法は、容器に充填するためにノズルから吐出されたアイスクリームを含む冷菓又は予め所定の形状に成形されて移送されるアイスクリームを含む冷菓を切断する際に、先端が鋭い刃先と該刃先から徐々に厚さが大きくなる刃元とを有する断面がくさび状に形成され、且つ刃先から刃元にかけて前記冷菓の温度よりも低い温度に冷却した刃物を用い、該刃物を往復移動させて切断するものである。
従って、本発明に係るアイスクリームを含む冷菓の切断装置は、アイスクリームを含む冷菓を切断するための装置であって、先端が鋭い刃先と該刃先から徐々に厚さが大きくなる刃元とを有する断面がくさび状に形成された刃物と、前記刃物を取り付ける取付部材と、前記取付部材をアイスクリームを含む冷菓の切断方向に沿って往復駆動させる駆動部材と、前記刃物に対し該刃物を冷却するための冷却媒体を供給する冷却媒体供給部材と、を有するものである。
上記アイスクリームを含む冷菓の切断装置に於いて、前記刃物には、くさび状の断面に刃先に沿って冷却媒体を受け入れるための溝又は穴が形成されていることが好ましい。
特に、上記アイスクリームを含む冷菓の切断装置に於いて、前記刃物は冷却媒体を保持する保持室を有する保持部材を介して前記取付部材に取り付けられており、該保持部材に前記冷却媒体供給部材が接続されて保持室に冷却媒体が供給されるように構成されている。
また、上記何れかのアイスクリームを含む冷菓の切断装置に於いて、前記冷却媒体が液体窒素であることが好ましい。
前述のアイスクリームを含む冷菓(以下単に「冷菓」という)を切断する方法では、冷菓を切断する際に加熱して溶かすことがないので、美麗な切断面を形成することができる。また、刃物は、先端が鋭い刃先とし、この刃先から刃元に向けて徐々に厚くなるように構成されているため、冷菓に対して切断を開始する際の初期抵抗を小さくすることができる。
また、本発明に係る冷菓の切断装置では、冷却媒体供給部材から供給される冷却媒体によって刃物を冷却することができる。そして、冷却された刃物を駆動部材に取付部材に取り付けることで、該駆動部材よって往復駆動される過程で冷菓を切断することができる。
刃物のくさび状の断面部分に溝又は穴を形成したので、供給された冷却媒体を溝、穴に受け入れることで、刃物を効率良く冷却することができる。
また、刃物を保持部材を介して取付部材に取り付けるので、該保持部材に形成された保持室に冷却媒体供給部材から供給された冷却媒体を保持することで、保持された冷却媒体によって刃物を冷却することができる。
また、冷却媒体として液体窒素を用いることで、刃物を確実に冷菓の温度よりも低い温度に冷却することができる。
本実施例に係る冷菓の切断装置を採用したアイスクリームの製造装置の全体構成を説明する図である。 本実施例に係る冷菓の切断装置の構成を正面図と側面図である。 本実施例に係る冷菓の切断装置に冷却媒体を供給する配管系を説明する図である。 本実施例に係る刃物の構成を説明する図である。 従来のアイスクリームの切断装置の例を説明する図である。
下、冷菓の切断方法(以下「切断方法」という)について説明する。この切断方法は、容器に充填するためにノズルから吐出された冷菓、或いは予め目的の形状に成形されて移送される冷菓を冷却された刃物によって切断することを特徴とするものである。
本発明に於いて対象となる冷菓は、連続した状態の中間製品が製造され、この中間製品を切断することで最終製品となるものである。このような冷菓としては、代表的にはアイスクリームであり、シャーベットやフローズンヨーグルト等を含む。そして、ノズルから連続的に吐出される過程で切断されて容器に充填され、或いはロール状或いは断面が多角形状に成形されて移送される過程で切断されてトレイや箱に収容されるものを含む。
切断すべき冷菓は、例えば縦方向に設置したノズルから単独で吐出されているアイスクリーム、或いはチョコチップやレーズン、クッキー等が添加されて吐出されているアイスクリームである。この場合、ノズルから吐出される冷菓は縦方向に連続するため、該冷菓を切断する刃物は水平方向に配置され、該刃物を水平面内に往復移動させることで、冷菓を切断することが可能である。
ノズルから吐出され、刃物によって切断された冷菓は、容器に充填されて製品となる。冷菓を充填する容器としては特に限定するものではなく、目的の製品に応じた最適なものが選択される。例えば、目的の製品がカップアイスである場合、容器としては紙や合成樹脂によって製造されたカップが選択される。また、目的の製品がアイスモナカである場合には、容器としては可食モナカが選択される。更に、目的の製品がケーキ状のものである場合には、容器として紙製或いは合成樹脂製のトレイもある。
切断すべき冷菓は上記したノズルから連続的に吐出されているものに限定するものではなく、予め図5(a)に示すようなロールケーキ状、或いは他の形状に成形され、コンベアによって水平面上に移送されているアイスクリームも対象となる。この場合、切断すべき冷菓は水平方向に配置されていることとなり、該冷菓を切断する刃物は垂直方向に配置され、該刃物を垂直面内で往復移動させることで、冷菓を切断することが可能である。
刃物は、先端が鋭い刃先と、該先端から徐々に厚くなる刃元を有し、断面がくさび状に形成されている。冷菓を切断する際に切り込み時の初期抵抗を小さくするために、刃先は鋭いことが好ましい。また刃元の厚さは限定するものではなく、刃先から刃元に至る刃物が冷菓を切断するのに充分な強度を発揮し得る寸法であれば良い。また、刃物の刃先に沿った長さ(刃幅)は切断すべき冷菓の最大寸法よりも大きければ良い。
刃物を冷菓の温度よりも低い温度に冷却する方法は特に限定するものではなく、刃物の外表面に冷却媒体を吹き付けて冷却したり、冷却媒体をトレイ状の容器に収容しておき、この容器に刃物を浸すことで冷却することが可能である。しかし、作業環境等の面から、刃物の裏面側に冷却媒体を供給して該刃物の刃元側から冷却することが好ましい。冷却媒体としては、液体窒素や液体空気等の液体或いはフレーク状のドライアイス等の固体を、冷却方式に従って選択的に採用することが好ましい。入手のし易さ、取扱いの容易さ等の観点からは液体窒素を採用することが好ましい。
冷菓を切断する際の刃物の温度は冷菓の温度よりも低いことが必要である。しかし、冷却された刃物の温度を限定するものではない。本件発明者等の知見では、刃物を約−190℃の液体窒素で冷却することで、刃物全体を約−100℃程度に冷却し、この刃物を用いて温度が−4℃〜−6℃の冷菓を切断した場合、表面が美麗で且つ鮮明な切断面を得ることが可能であった。
次に本発明に係る切断装置の実施例について、図1〜図4を用いて説明する。本実施例に係る切断装置Aは、図1に示す冷菓の製造装置Bに於ける吐出された冷菓を切断する際の装置として好ましく利用される。
図1に示す製造装置Bは、フレーム11の上流側(図1の左側)から下流側(右側)に向けて、容器供給部C、冷菓吐出部D、切断装置Aを有する切断部Eが順に配置されている。この製造装置Bは、同時に8個の製品を製造し得るように構成されている。前記冷菓吐出部Dに対応して8列のベルトを有する移送コンベア21が、また切断部Eに対応して8列のベルトを有する分離コンベア22が、更に移送コンベア21と分離コンベア22の間には渡し板23が、夫々配置されている。
そして、容器供給部Cから供給されたトレイ状の容器(図示せず)を上流側から下流側に移送する過程で、冷菓吐出部Dに於いて連続して吐出された冷菓を容器に充填し、切断部Eに於いて切断装置Aにより充填された冷菓を予め設定された長さで切断して製品を製造することが可能である。
切断装置Aは、刃先1aと刃元1bとを有し、断面がくさび状に形成された刃物1と、刃物1を取り付ける取付部材2と、取付部材2を冷菓の切断方向に沿って往復駆動する駆動部材3と、刃物1に対し、該刃物1を冷却するための冷却媒体を供給する冷却媒体供給部材4と、を有して構成されている。特に、本実施例では、刃物1は保持部材5を介して取付部材2に取り付けられており、該保持部材5に冷却媒体供給部材4が接続されている。
刃物1は図4に示すように、刃先1aと刃元1bを有し、刃先1aは冷菓を切断する際の初期抵抗が小さくなるように鋭く形成されており、刃元1bは刃先1aから徐々に厚さが厚くなるように形成されている。このため、刃先1aから刃元1bにかけての断面はくさび状に形成されている。また、刃先1aから刃元1bまでの寸法や、刃先1aの刃幅は切断の対象となる冷菓の寸法に応じて適宜設定されている。
上記の如く形成された刃物1には、取付部材2又は保持部材5に取り付けるために、取付座1cが設けられており、該取付座1cに刃元1bが一体的に構成されている。従って、取付座1cの形状や寸法は取付部材2又は保持部材5の形状や寸法に応じて適宜設定されている。
また、刃物1の厚さ方向の中央部(くさび状断面の中央部)には、刃元1bから刃先1aにかけて、刃幅に沿った方向に両端部が閉塞された凹溝1dが形成されている。このように形成された凹溝1dは、取付座1c側のみが開放された形状であり、刃物1の内表面の面積を増加させて冷却の効率を向上させることが可能である。特に、冷却媒体として液体窒素のような流体を用いて刃物1の内部側から冷却するような場合、供給された液体窒素が凹溝1dに入り込むことで刃先1aまで充分に冷却することが可能となる。
尚、本実施例では刃物1に凹溝1dを形成して冷却効率を向上させるように構成したが、必ずしも凹溝である必要はなく、穴を形成しても良い。この場合、刃物1の厚さ方向の中央部に刃幅方向に止まり穴、或いは貫通穴を形成すると共に、取付座1c側から該穴に交差する交差穴を形成し、且つ前記穴の開放部を閉鎖することで、コ字状に連結した通路を形成することで良い。
取付部材2は、刃物1を直接取り付けるか或いは保持部材5を介して取り付ける機能を有するものであり、この機能を有していれば形状や寸法を限定するものではない。本実施例では、駆動部材3を構成するロッド3aとガイドロッド3bの先端部分に固定されている板部材3cに対し、ボルト2aを介して取り付けた板状の部材として構成されている。このように構成された取付部材2では、ボルト2aによって駆動部材3の板部材3cと刃物1との距離を調整することが可能である。
駆動部材3は取付部材2を冷菓に対する切断方向に沿って往復駆動するものであり、この取付部材2を駆動することによって、該取付部材2に直接又は保持部材5を介して取り付けた刃物1を往復移動させることで、目的の切断を行うものである。このため、駆動部材3としては取付部材2を往復駆動し得るものであれば良く、構造を限定するものではない。このような機能を有するものとしては、モータやエアシリンダーがある。
本実施例では、駆動部材3として駆動用のロッド3aと、ロッド3aの両側に配置された2本のガイドロッド3bと、ロッド3a、ガイドロッド3bの先端に固定された板部材3cと、を有するガイド付きエアシリンダーを用いている。
前述したように、刃物1を冷却する方法は限定するものではない。しかし、本実施例では、保持部材5の内部に保持室5aを形成し、この保持室5aに冷却媒体供給部材4から冷却媒体としての液体窒素を供給し、この液体窒素によって刃物1を冷却している。このため、冷却媒体供給部材4は液体窒素を収容した容器や、容器に収容されている液体窒素を圧送するポンプを有して構成されており、該冷却部材供給部材5と保持部材5は、ホースや配管からなる供給配管4aと、供給配管4aが接続された分配部材4bを介して接続されている。
保持部材5は下端部が開放した筒状に形成されており、上端部分を取付部材2に取り付けると共に下端部に刃物1の取付座1cを取り付けることで、保持部材5の内部に保持室5aが構成されている。そして、保持部材5に供給配管4aを接続することで、保持室5aに液体窒素が供給される。従って、保持室5aに供給された液体窒素は、刃物1に形成された凹溝1dに入り込むことによって、該刃物1を効率良く冷却することが可能である。
保持部材5に供給された液体窒素は、刃物1に対する冷却に伴って気化する。このため、保持部材5には排気管5bが設けられており、該排気管5bは分配部材4bに接続されている。従って、保持室5a内で気化した窒素ガスは、排気管5bを介して分配部材4bに流通し、該分配部材4bから回収、或いは大気に放出することが可能である。
上記の如く構成された切断装置Aでは、冷却媒体供給部材4から供給された冷却媒体としての液体窒素によって刃物1が冷却されている。そして、冷却された刃物1を取り付けた取付部材2を駆動部材3によって冷菓に対する切断方向に前進させることで、冷菓を切断することが可能であり、また前進させた刃物1を後退させることで、次の切断に向けた準備を行うことが可能である。
次に、製造装置Bを構成する容器供給部C、冷菓吐出部D、切断部Eの構成について簡単に説明する。
容器供給部Cは、フレーム11の上流側の端部に形成され下流側に向けて下向き傾斜したシュート状の移送フレーム11aに配置されたホッパー12aと、エアシリンダーからなりホッパー12aの下端部から容器を取り出す取出部材12bを有して構成されている。そして、ホッパー12aに複数の容器を収容させておき、取出部材12bを駆動することで、ホッパー12aの最も下側にある容器を移送フレーム11aに取り出すことが可能である。
冷菓吐出部Dは、フレーム11に設けた移送コンベア21の上方に対応して配置されており、上流側の移送フレーム11aから移送されてくる容器に対し、連続的に冷菓を吐出して充填するものである。このため、冷菓吐出部Dは、吐出ノズル14と、分配ヘッダー15とを有して構成されている。
吐出ノズル14は冷菓の吐出方向が容器の移送方向に略平行になるように構成されており、移送される容器の上部に冷菓を連続的に吐出して充填することが可能である。吐出ノズル14によって吐出される冷菓の形状は限定するものではなく、断面が長方形に成形されたものや、断面がロール状に成形されたものであって良い。特に、冷菓の吐出ノズル14からの吐出速度は、移送コンベア21の移送速度と略等しい速度であることが好ましい。
分配ヘッダー15は図示しない冷菓の供給部と接続されており、この供給部から供給された冷菓を一時的に貯蔵すると共に、8列並列した吐出ノズル14に均等に供給するものである。
切断部Eは、フレーム11に設けられ移送コンベア21から所定寸法離隔して配置された分離コンベア22の上方に配置されている。移送コンベア21と分離コンベア22の間には渡し部23が設けられており、移送コンベア21から渡し部23に到達した容器は、移送コンベア21側から連続して移送される容器によって押し出されて分離コンベア22に移送される。
切断部Eは、切断装置Aと、切断装置Aを容器の移送方向に沿って往復移動させる移動部材17と、を有して構成されている。切断装置Aは、刃物1が渡し部23の上方に位置するように配置されており、刃物1による冷菓に対する切断の実行と同期して移動部材17に駆動されて容器の移送方向下流側に移動する。そして、冷菓に対する切断が終了して刃物が上昇した後、移動部材17に駆動されて容器の移送方向上流側に移動する。
切断装置Aは、移動部材17を介してフレーム11に設けたスタンド18に配置されている。移動部材17は、切断装置Aの駆動部材3と同様に構成されている。即ち、移動部材17は、駆動用のロッド17aと、ロッド17aの両側に配置された2本のガイドロッド17bと、ロッド17a、ガイドロッド17bの先端に固定された板部材17cと、を有するガイド付きエアシリンダーによって構成されている。また、板部材17cにはブラケット19を介して切断装置Aを構成する駆動部材3が取り付けられている。
スタンド18は、フレーム11に起立させた複数のボルト18aと、ボルト18aに対し該ボルト18aの長手方向の位置を調整して固定された板部材18bと、を有して構成されている。板部材18bに移動部材17が取り付けられている。
移動部材17は、駆動ロッド17aを水平方向で且つ容器の移送方向と平行するように配置してスタンド18の板部材18bに取り付けられている。また、移動部材17の板部材17cには直角に構成されたブラケット19の一方の片である固定板19aが取り付けられており、該ブラケット19を構成する取付板19bが固定板19aから直角に突出して配置されている。この状態で取付板19bは容器の移送方向と平行に配置されている。
ブラケット19の取付板19bに対し、駆動ロッド3aが縦方向になるようにして駆動部材3が取り付けられており、且つ取付部材2には刃物1が容器の移送方向に対し直交するような方向に配置されて取り付けられている。
上記の如く構成された製造装置Bでは、冷却媒体供給部材4から供給された液体窒素が供給配管4a、分配部材4bを経て保持部材5に形成された保持室5aに供給され、該保持部材5に取り付けた刃物1の刃元1bから刃先1aに至る部位を低温に冷却すると共に冷却状態を保持する。
一方、容器供給部Cから移送フレーム11aに供給された容器は傾斜に沿って下降し、下流側に設けた移送コンベア21に供給される。移送コンベア21によって移送された容器には、冷菓吐出部Dを構成する下流側に向けて形成された吐出ノズル14から連続的に吐出された冷菓が充填される。冷菓が充填された容器は渡し板23に押し出されて切断部Eを構成する切断装置Aの下方に至る。
冷菓を充填した容器が所定の位置に到達したとき、切断部Eを構成する切断装置Aの駆動部材3に圧力空気が供給され、駆動ロッド3aが突き出されて取付部材2、保持部材5、刃物1を下降させる。刃物1の下降と同時に移動部材17に圧力空気が供給され、駆動ロッド17aが引き戻されて、移動部材3(刃物1)を容器の下流側への移送(移送コンベア21による移送)と同期して移動させる。
上記の如くして駆動部材3による刃物1の下降と、移動部材17による刃物1の下流方向への移動を同期させることによって、容器に充填された冷菓を略直角に切断して製品を製造することが可能となる。切断が終了した製品は分離コンベア22によって移送コンベア21の移送速度よりも早い速度で移送されることで、後続する冷菓から切り離される。
冷菓に対する切断が終了すると、駆動部材3に対する圧力空気の供給経路が切り替わり、駆動ロッド3aが引き戻される。そして、駆動ロッド3aの引き戻しが終了すると、移動部材17に対する圧力空気の供給経路が切り替わり、駆動ロッド17aが突き出されて駆動部材3を移送方向の上流側に移動させ、これにより、刃物1が切断の初期位置に復帰する。
上記の如き動作を繰り返すことで、連続して吐出された冷菓を切断して製品を製造することが可能である。
尚、前述したように、冷菓を吐出するノズルが縦方向に配置されている場合、刃物を水平にして水平面内で往復移動させることが当然である。
本発明に係る切断装置Aは、アイスクリームに代表される冷菓を連続的に吐出して製造する際に利用して有利である。
A 切断装置
B 製造装置
C 容器供給部
D 冷菓吐出部
E 切断部
1 刃物
1a 刃先
1b 刃元
1c 取付座
1d 凹溝
2 取付部材
2a ボルト
3 駆動部材
3a ロッド
3b ガイドロッド
3c 板部材
4 冷却媒体供給部材
4a 供給配管
4b 分配部材
5 保持部材
5a 保持室
5b 排気管
11 フレーム
11a 移送フレーム
12a ホッパー
12b 取出部材
14 吐出ノズル
15 分配ヘッダー
17 移動部材
17a ロッド
17b ガイドロッド
17c 板部材
18 スタンド
18a ボルト
18b 板部材
19 ブラケット
19a 固定板
19b 取付板
21 移送コンベア
22 分離コンベア
23 渡し板

Claims (3)

  1. アイスクリームを含む冷菓を切断するための装置であって、
    先端が鋭い刃先と該刃先から徐々に厚さが大きくなる刃元とを有する断面がくさび状に形成された刃物と、
    前記刃物を取り付ける取付部材と、
    前記取付部材をアイスクリームを含む冷菓の切断方向に沿って往復駆動させる駆動部材と、
    前記刃物に対し該刃物を冷却するための冷却媒体を供給する冷却媒体供給部材と、を有し、
    前記刃物は冷却媒体を保持する保持室を有する保持部材を介して前記取付部材に取り付けられており、該保持部材に前記冷却媒体供給部材が接続されて保持室に冷却媒体が供給されるように構成されていることを特徴とするアイスクリームを含む冷菓の切断装置。
  2. 前記刃物には、くさび状の断面に刃先に沿って冷却媒体を受け入れるための溝又は穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載したアイスクリームを含む冷菓の切断装置。
  3. 前記冷却媒体が液体窒素であることを特徴とする請求項1又は2に記載したアイスクリームを含む冷菓の切断装置。
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