JP6302259B2 - 焼結軸受の製造方法 - Google Patents

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本発明は、焼結軸受の製造方法に関する。
焼結軸受は、無数の内部気孔を有する多孔質体であり、通常は、内部気孔に潤滑流体(例えば、潤滑油)を含浸させた状態で使用される。この場合、焼結軸受およびその内周に挿入した軸の相対回転時には、焼結軸受の内部気孔に保持された潤滑油が温度上昇に伴って焼結軸受の内周面(軸受面)に滲み出す。そして、この滲み出した潤滑油によって、焼結軸受の軸受面と軸の外周面との間の軸受隙間に油膜が形成され、軸が相対回転自在に支持される。
例えば、下記の特許文献1には、鉄および銅を主成分とする銅鉄系の焼結軸受として、鉄粉に対し10質量%以上30質量%未満の銅を被覆してなり、粒度を80メッシュ以下とした銅被覆鉄粉を圧粉・焼結したものが記載されている。
特許第3613569号公報
しかしながら、本発明者らが検証したところ、特許文献1の技術手段を適用した焼結軸受を振動モータに使用した場合には、軸受面が早期に摩耗して回転変動が大きくなることが明らかになった。これは、銅被覆鉄粉を成形・焼結して得られた焼結軸受では、鉄相(鉄組織)と銅相(銅組織)のネック強度が低く、軸受面を構成する粒子が剥離し易いためと考えられる。従って、かかる用途での焼結軸受を実用化するためには、鉄組織と銅組織間の結合強度を向上させることが望まれる。
また、近年では、その静粛性等の利点から焼結軸受が多用途化する傾向にある。粒子間での高い結合強度を維持しながら、粉末組成等をマイナーチェンジするだけで、各用途に適合する特性を備えた焼結軸受が得られるようになれば、焼結軸受の開発コストの低廉化を図ることができ、用途の多様化に対応し、かつ焼結軸受の多品種少量生産にも適合するものとなる。
そこで、本発明は、鉄組織と銅組織間で高い結合強度を有し、しかも要求特性の異なる種々の用途への対応が容易な焼結軸受を提供することを目的とする。
本発明の焼結軸受は、支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有する焼結軸受であって、鉄粉に銅粉を部分拡散させてなる部分拡散合金粉と、低融点金属粉と、固体潤滑剤粉と、単体鉄粉および単体銅粉のどちらか一方もしくは双方からなる添加粉とを含む原料粉末を成形し、焼結した焼結体からなることを特徴とする。
部分拡散合金粉では、銅粉の一部が鉄粉に拡散しているため、銅被覆鉄粉を使用する場合よりも焼結後の鉄組織と銅組織の間で高いネック強度が得られる。また、原料粉末を成形(圧縮成形)した後の焼結により、圧粉体に含まれる低融点金属粉が溶融する。低融点金属は銅に対して高いぬれ性を持つので、液相焼結により、隣り合う部分拡散合金粉の鉄組織と銅組織、あるいは銅組織同士を強固に結合させることができる。さらに、個々の部分拡散合金粉のうち、鉄粉の表面に銅粉の一部が拡散してFe−Cu合金が形成された部分には、溶融した低融点金属が拡散していくため、鉄組織と銅組織間のネック強度を一層高めることができる。これらのことから、低温焼結でも軸受面の耐摩耗性に優れる高強度の焼結軸受を得ることが可能となる。また、部分拡散合金粉に相当量の銅粉が含まれるので、軸受面に多くの銅組織を形成することができ、そのために良好な摺動特性(低トルク性、初期なじみ性、静粛性等)を得ることができる。
加えて、原料粉末に、単体鉄粉および単体銅粉のどちらか一方もしくは双方からなる添加粉を配合しているので、単体鉄粉や単体銅粉の配合量を変更することにより、高い耐摩耗性および強度と、良好な摺動特性とを満足しつつ、軸受特性を用途に合わせて調整することが可能となる。例えば単体鉄粉を加えれば、耐摩耗性や軸受強度をさらに高めることができ、単体銅粉を加えれば摺動特性を改善することができる。最低限の耐摩耗性、強度、および摺動特性を確保するため、原料粉末における部分拡散合金粉の割合は50wt%以上にするのが好ましい。
この焼結軸受としては、300MPa以上の圧環強度を有するものが好ましい。部分拡散合金粉を主原料として使用することで、かかる圧環強度の確保も容易なものとなる。
以上に述べた焼結軸受(焼結体)を得るには、原料粉末に含める部分拡散合金粉として、平均粒径5μm以上20μm未満の銅粉が鉄粉表面に部分拡散し、かつ合金粉中にCuを10〜30質量%含有するものを使用するのが好ましい。
原料粉末中に平均粒径106μmを超える大粒径の部分拡散合金粉が含まれていると、焼結体の内部に粗大気孔が形成され易く、その結果、必要とされる軸受面の耐摩耗性や圧環強度等を確保できない場合があることが判明した。従って、部分拡散合金粉は、平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)のものを使用するのが好ましい。このような合金粉を使用することで、焼結後の金属組織(多孔質組織)が均一化され、金属組織中での粗大気孔の発生が抑制された焼結体を安定的に得ることができる。これにより、軸受面の耐摩耗性や軸受の圧環強度が一層向上した焼結軸受を安定的に得ることが可能となる。
この焼結軸受では、低融点金属粉として錫粉、固体潤滑剤粉として黒鉛粉を使用することができる。
焼結体の鉄組織を、軟質なフェライト相を主体として構成することで、軸受面の軸に対する攻撃性を弱くすることができ、軸の摩耗を抑制することが可能となる。フェライト相を主体とした鉄組織は、例えば鉄と黒鉛が反応しない900℃以下の温度で圧粉体を焼結することにより得ることができる。
フェライト相を主体とする鉄組織には、その全てをフェライト相とした組織の他、フェライト相の粒界にフェライト相よりも硬質のパーライト相を存在させたような鉄組織も含まれる。このように、フェライト相の粒界にパーライト相を形成することで、鉄組織をフェライト相だけで構成する場合と比べ、軸受面の耐摩耗性を向上させることができる。軸の摩耗抑制と軸受面の耐摩耗性向上とを両立させるには、鉄組織に占めるフェライト相(αFe)およびパーライト相(γFe)の割合を、それぞれ、80〜95%および5〜20%とする(αFe:γFe=80〜95%:5〜20%)のが好適である。なお、上記の割合は、例えば、焼結体の任意断面におけるフェライト相およびパーライト相それぞれの面積比率で求めることができる。
部分拡散合金粉(Fe−Cu部分拡散合金粉)を構成する鉄粉としては、還元鉄粉を使用することができる。鉄粉としては、還元鉄粉以外にも、例えばアトマイズ鉄粉を使用することもできるが、還元鉄粉は内部気孔を有する海綿状(多孔質状)をなすことから、アトマイズ鉄粉に比べて粉末が柔らかく、圧縮成形性に優れる。そのため、低密度でも圧粉体強度を高めることができ、圧粉体の欠けや割れの発生を防止することができる。また、還元鉄粉は、上記のとおり海綿状をなすことから、アトマイズ鉄粉に比べて保油性に優れる利点も有する。
上記構成において、表層部の気孔率、特に軸受面を含む表層部の気孔率は5〜20%とするのが好ましい。なお、ここでいう表層部とは、表面から深さ100μmに至るまでの領域である。
焼結体(の内部気孔)には潤滑油を含浸させることができ、潤滑油としては、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの範囲内にあるものが好ましく使用される。軸受隙間に形成される油膜の剛性を確保しつつ、回転トルクの上昇を抑えるためである。なお、焼結体に含浸させる油としては、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの範囲内にある油(潤滑油)を基油とした液状グリースを採用しても良い。
この焼結軸受は、振動モータに組み込んで使用される。
振動モータは、例えば携帯電話等の携帯端末において、電話の着信やメールの受信等を報知するバイブレータとして機能するものであり、通常は、図1に示すように軸3の一端に取り付けた錘(偏芯錘)Wをモータ部Mで回転させることにより、携帯端末全体に振動を発生させる構成になっている。図1は、焼結軸受4(41,42)を使用した場合の振動モータ1の要部を概念的に示すもので、図示例ではモータ部Mの軸方向両側に突出させた軸3の両側を円筒状の焼結軸受4(41,42)により回転自在に支持している。錘W側の焼結軸受41は、錘Wとモータ部Mの間に配置されており、この錘W側の焼結軸受41は、錘Wと反対側の焼結軸受42よりも厚肉でかつ大径に形成されている。二つの焼結軸受4(41,42)は、何れも内周に軸受面4aを有しており、例えば金属材料で形成されたハウジング2の内周に圧入等の手段で固定されている。
この振動モータ1において軸3が回転すると、錘Wの影響を受けて軸3が軸受面4aの全面に沿って振れ回りながら回転する。すなわち、通常用途の焼結軸受では、軸3は重力方向に偏芯した状態で回転するが、振動モータ用の焼結軸受4(41,42)では、図2に示すように、軸受中心Obに対して軸中心Oaを重力方向だけでなくあらゆる方向に偏芯させた状態で軸3が回転することになる。
近年、いわゆるスマートフォン等への搭載を考慮して、振動モータにはさらなる小型化が要請されている。振動モータを小型化した場合、モータパワーの増大には限界がある。そのような状況下でも所定の振動性能を確保するために、モータを高速回転化(10000rpm以上)し、あるいは錘Wのアンバランス荷重を増大させることで対処しようとしており、振動モータ用焼結軸受4の使用条件はより過酷化する傾向にある。
本発明者らは、かかる振動モータ用焼結軸受を検討する過程において、この種の軸受では、高速回転で軸が軸受面全面にわたって振れ回ること、およびアンバランス荷重により軸受面が軸に頻繁に叩かれる(軸受面に対して軸が頻繁に摺動接触する)ことから、軸受面が通常用途の焼結軸受よりも摩耗し易いことを見出した。また回転精度を確保するためには、軸受面の精度が重要であること、さらに軸受面の精度を単に向上させるだけでは不十分で、焼結軸受をハウジング内周に圧入した際に軸受面がハウジングの内周面形状に倣って変形することも軸の回転精度に影響することも見出した。
焼結軸受(焼結体)が十分な圧環強度を具備しておらず、ハウジング内周への圧入に伴って軸受面が変形し、軸受面の精度、特に真円度や円筒度が低下すると、サイジング等の形状修正加工を追加的に実行し、軸受面を適正形状に仕上げる必要がある。さらに、焼結軸受(焼結体)が十分な圧環強度を具備していないと、当該焼結軸受を組み込んだ製品(例えば携帯電話)が落下等し大きな衝撃加重が付加された場合に、軸受面が変形するおそれがある。
振動モータ(の主軸)を支持する軸受として上記の焼結軸受を使用することにより、軸受面の耐摩耗性や強度が向上するので、回転変動を防止することができる。また、焼結体が300MPa以上の圧環強度を有しているので、圧入時の軸受面の変形や衝撃荷重による軸受面の変形を可及的に防止することができる。
以上に示すように、本発明によれば、鉄組織と銅組織間で高い結合強度を得ることができ、良好な摺動特性を確保しながら、耐摩耗性の向上や軸受強度の向上を図ることができる。また、添加粉の種類や量を調整することにより、異なる要求特性を有する焼結軸受が容易に得られるので、焼結軸受の多用途化を図ることができる
本発明の実施形態に係る焼結軸受を備えた振動モータの要部概略断面図である。 図1中に示すA−A線矢視断面図である。 図2中のX部の顕微鏡写真である。 部分拡散合金粉を模式的に示す図である。 成形工程を示す概略断面図である。 成形工程を示す概略断面図である。 圧粉体の一部を概念的に示す図である。 焼結体の金属組織を模式的に示す図である。 従来技術に係る焼結軸受の軸受面付近の顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1を援用して、本発明の実施形態に係る焼結軸受4を備えた振動モータ1の要部を説明する。この振動モータ1では、直径2mm以下(好ましくは直径1mm以下)の軸3がモータ部Mによって10000rpm以上の回転数で回転駆動される。振動モータ1は、略円筒状に形成された金属製又は樹脂製のハウジング2と、モータ部Mの軸方向両側に配置され、ハウジング2の内周に圧入固定されたリング状の焼結軸受4(41,42)と、焼結軸受4(41,42)の内周に挿入された軸3とを備えており、軸3と焼結軸受4の軸受面4aとの間に形成される隙間(軸受隙間)の隙間幅は、片側(半径値)で4μm程度に設定されている。軸3はステンレス鋼等で形成され、その一端に錘Wが一体又は別体に設けられている。本実施形態の錘Wは、その中心を軸3の中心に対して偏心させるようにして軸3の一端に取り付け固定されている。焼結軸受4の内部気孔には、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの範囲内にある潤滑油、もしくは40℃の動粘度が10〜50mm2/sの範囲内にある油を基油としたグリースが含浸されている。
以上の構成を有する軸受ユニット1において、軸3が焼結軸受4に対して相対回転すると、焼結軸受4の内部気孔に保持された潤滑油が温度上昇に伴って軸受面4aに滲み出す。この滲み出した潤滑油によって、対向する軸3の外周面3aと焼結軸受4の軸受面4aとの間の軸受隙間に油膜が形成され、軸3が焼結軸受4によって相対回転自在に支持される。
なお、図示は省略するが、焼結軸受4の内部気孔に含浸させた潤滑油がハウジング2の外部に漏れ出し、あるいは飛散するのを防止するため、軸受ユニット1にはハウジング2の開口部をシールするシール部材を設けても良い。
以上で説明した焼結軸受4は、主に(A)原料粉末混合工程、(B)成形工程、および(C)焼結工程、を順に経て製造される。以下、上記(A)〜(C)の各工程について詳細に説明する。なお、モータ部Mの両側に配置される二つの焼結軸受4(41,42)は、軸方向寸法(軸受面4aの面積)および径方向の厚さが相互に異なるだけで、その他の構造は実質的に同一であり、同じ製造工程を経て製造される。
(A)原料粉末混合工程
この工程では、後述する複数種の粉末を混合することにより、焼結軸受4の作製用材料である原料粉末を均一化する。本実施形態で使用する原料粉末は、部分拡散合金粉と、低融点金属粉と、固体潤滑剤粉と、単体鉄粉および単体銅粉の何れか一方または双方からなる添加粉とを配合した混合粉末である。原料粉末における各粉末の質量比は、部分拡散合金粉が最も多い。この原料粉末には、必要に応じて各種成形潤滑剤(例えば、離型性向上のための潤滑剤)を添加しても良い。以下、上記の各粉末について詳細に述べる。
[部分拡散合金粉]
部分拡散合金粉11としては、鉄粉12の表面に銅粉13を部分拡散させたFe−Cu部分拡散合金粉が使用され、特に、本実施形態では、図4に模式的に示すように、鉄粉12の表面に、鉄粉12よりも平均粒径が小さい多数の銅粉13を部分拡散させたFe−Cu部分拡散合金粉が使用される。部分拡散合金粉11の拡散部分はFe−Cu合金を形成しており、図4中の部分拡大図に示すように、合金部分は鉄原子12aと銅原子13aとが相互に結合し、配列した結晶構造を有する。部分拡散合金粉11は、145メッシュの篩の網目を通過可能な粒子、すなわち平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)の粒子のみが使用される。
なお、粉末はその粒径が小さくなるほど見掛密度が下がり、浮遊し易くなることから、原料粉末中に小粒径の部分拡散合金粉11が多く含まれていると、後述する成形工程において成形金型(キャビティ)に対する原料粉末の充填性が低下し、所定形状・密度の圧粉体を安定的に得ることが難しくなる。具体的には、粒径45μm以下の部分拡散合金粉11が25質量%以上含まれていると、上記の問題が生じ易くなることを本発明者らは見出した。従って、部分拡散合金粉11としては、平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)で、かつ平均粒度350メッシュ(平均粒径45μm)以下の粒子を25質量%以上含まないものを選択使用するのが望ましい。
上記の部分拡散合金粉11を構成する鉄粉12としては、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等、公知の鉄粉を使用することができるが、本実施形態では還元鉄粉を使用する。還元鉄粉は、球形に近似した不規則形状で、かつ内部気孔を有する海綿状(多孔質状)であるから、海綿鉄粉とも称される。使用する鉄粉12は、平均粒径20μm〜106μmのものが好ましく、平均粒径38μm〜75μmのものが一層好ましい。
また、部分拡散合金粉11を構成する銅粉13としては、汎用されている不規則形状や樹枝状の銅粉が広く使用可能であり、例えば、電解銅粉、アトマイズ銅粉等が用いられる。本実施形態では、表面に多数の凹凸を有すると共に、粒子全体として球形に近似した不規則形状をなし、成形性に優れたアトマイズ銅粉を使用している。使用する銅粉13は、鉄粉12よりも小粒径のものが使用され、具体的には平均粒径5μm以上20μm以下(好ましくは20μm未満)のものが使用される。なお、部分拡散合金粉11におけるCuの割合は10〜30質量%(好ましくは22〜26質量%)である。
[低融点金属粉]
低融点金属粉としては、融点が700℃以下の金属粉、例えば錫、亜鉛、リン等の粉末が使用される。本実施形態では、これらの中でも銅と鉄に拡散し易く、単粉が使用できる錫粉14(図6参照)、特にアトマイズ錫粉を使用する。錫粉(アトマイズ錫粉)14としては、平均粒径5〜63μmのものが好ましく使用され、平均粒径20〜45μmのものが一層好ましく使用される。
[固体潤滑剤]
固体潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末を一種又は二種以上使用することができる。本実施形態では、コストを考えて黒鉛粉、特に鱗片状黒鉛粉を使用する。
[添加粉]
添加粉は、単体鉄粉および単体銅粉の何れか一方または双方で構成される。単体鉄粉としては、還元鉄粉およびアトマイズ鉄粉のどちらも使用可能であり、軸受の用途に応じて使用する鉄粉が選定される。なお、還元鉄粉とアトマイズ鉄粉の混合物を単体鉄粉として使用することもできる。また、単体銅粉としても、電解銅粉およびアトマイズ銅粉のどちらも使用可能であり、軸受の用途に応じて使用する銅粉が選定される。なお、電解銅粉とアトマイズ銅粉の混合物を単体銅粉として使用することもできる。単体鉄粉や単体銅粉の平均粒径は、軸受の用途に応じて広く選択することができ、例えば単体鉄粉として平均粒径45〜200μm(好ましくは100〜150μm)の範囲内のもの、単体銅粉として平均粒径45〜150μm(好ましくは80〜125μm)の範囲内のものが使用可能である。単体銅粉として、原料銅粉を搗砕(Stamping)又は粉砕することで扁平化させた扁平銅粉を使用することもできる。
なお、以上に述べた各粉末の平均粒径は、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回析・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布、さらには平均粒径を求めるレーザ回析散乱法(例えば株式会社島津製作所製のSALD31000を用いる)により測定することができる。
(B)成形工程
成形工程では、図5a、図5bに示すような成形金型20を使用して上記の原料粉末10を圧縮することにより、図1等に示す焼結軸受4に近似した形状(略完成品形状)の圧粉体4’を得る。成形金型20は、主要な構成として、同軸配置されたコア21、上下パンチ22,23およびダイ24を有する。成形金型20は、例えばカム式成形プレス機のダイセットにセットされる。
上記構成の成形金型20において、コア21、下パンチ23およびダイ24で画成されるキャビティ25内に原料粉末10を充填してから、上パンチ22を下パンチ23に対して相対的に接近移動させ、原料粉末10を適当な加圧力(成形すべき圧粉体の形状や大きさに応じて設定される)で圧縮すると、圧粉体4’が成形される。そして、上パンチ22を上昇移動させると共に下パンチ23を上昇移動させ、圧粉体4’をキャビティ25外に抜き出す。図6に模式的に示すように、圧粉体4’では、部分拡散合金粉11、錫粉14、図示しない黒鉛粉および添加粉が均一に分散している。本実施形態で使用している部分拡散合金粉11は、鉄粉12として還元鉄粉を使用しているため、アトマイズ鉄粉を使用した部分拡散合金粉に比べて粉末が柔らかく、圧縮成形性に優れる。そのため、低密度でも圧粉体4’の強度を高めることができ、圧粉体4’の欠けや割れの発生を防止することができる。
(C)焼結工程
焼結工程では、圧粉体4’を焼結し、焼結体を得る。焼結条件は、黒鉛(黒鉛粉)が鉄と反応しない(炭素の拡散が生じない)条件とする。鉄−炭素の平衡状態では、723℃に変態点があり、これを超えると鉄と炭素の反応が開始されて鉄組織中にパーライト相(γFe)が生成されるが、焼結では900℃を超えてから炭素(黒鉛)と鉄の反応が始まり、パーライト相(γFe)が生成される。パーライト相(γFe)は高硬度(HV300以上)で相手材に対する攻撃性が強いため、焼結軸受4の鉄組織中に過剰にパーライト相(γFe)が存在すると、軸3の摩耗を進行させるおそれがある。また、一般的な焼結軸受の製造工程では、ブタン、プロパン等の液化石油ガスと空気を混合してNi触媒で熱分解させた吸熱型ガス(RXガス)の雰囲気下で圧粉体を加熱・焼結させる場合が多い。しかしながら、吸熱型ガスでは炭素が拡散して圧粉体の表面を硬化させるおそれがあり、上記同様の問題が生じ易くなる。
以上の観点から、圧粉体4’は900℃以下、具体的には800℃(好ましくは820℃)以上880℃以下で加熱する(低温焼結)。また、焼結雰囲気は、炭素を含有しないガス雰囲気(水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等)あるいは真空とする。このような焼結条件であれば、原料粉末で炭素と鉄の反応が生じず、従って、焼結後の鉄組織は全て軟質のフェライト相(HV200以下)となる。原料粉末に流体潤滑剤等の各種成形潤滑剤を含めていた場合、成形潤滑剤は、焼結に伴って揮散する。
鉄組織は、その全てをフェライト相(αFe)で形成する他、図7に示すように、フェライト相αFeとパーライト相γFeの二相組織にすることもできる。これにより、フェライト相αFeよりも硬質のパーライト相γFeが軸受面の耐摩耗性向上に寄与し、高面圧下での軸受面の摩耗を抑制して軸受寿命を向上させることができる。但し、パーライト相γFeの存在割合が過剰となり、フェライト相αFeと同等の割合になると、パーライトによる軸3に対する攻撃性が増して軸3が摩耗しやすくなる。これを防止するため、図7に示すように、パーライト相γFeはフェライト相αFeの粒界に存在(点在)する程度に抑える。ここでいう「粒界」は、粉末粒子間に形成される粒界の他、粉末粒子中に形成される結晶粒界の双方を意味する。鉄組織をフェライト相αFeとパーライト相γFeの二相組織で形成する場合、鉄組織に占めるフェライト相αFeおよびパーライト相γFeの割合は、焼結体の任意断面における面積比で、それぞれ、80〜95%および5〜20%(αFe:γFe=80〜95%:5〜20%)程度とするのが望ましい。これにより、軸3の摩耗抑制と軸受面4aの耐摩耗性向上とを両立させることができる。
パーライト相γFeの析出量は、主に焼結温度と雰囲気ガスに依存する。従って、上記の態様でパーライト相γFeをフェライト相αFeの粒界に存在させるためには、焼結温度を820℃〜900℃程度に上げ、かつ炉内雰囲気として炭素を含むガス、例えば天然ガスや吸熱型ガス(RXガス)を用いて焼結する。これにより、焼結時にはガスに含まれる炭素が鉄に拡散し、パーライト相γFeを形成することができる。なお、上記のとおり、900℃を超える温度で圧粉体4’を焼結すると、黒鉛粉中の炭素が鉄と反応してパーライト相γFeが形成されるので、圧粉体4’は900℃以下で焼結するのが好ましい。
焼結後、焼結体4”にサイジングを施し、焼結体4”を仕上がり形状・寸法に仕上げた後、この焼結体4”の内部気孔に真空含浸等の手法で潤滑油を含浸させると、図1に示す焼結軸受4が完成する。焼結体4”の内部気孔に含浸させる潤滑油は低粘度のもの、具体的には40℃の動粘度が10〜50mm2/sのもの(例えば合成炭化水素系潤滑油)が使用される。軸受隙間に形成される油膜の剛性を確保しつつ、回転トルクの上昇を抑えるためである。なお、焼結体4”の内部気孔には、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの潤滑油を基油としたグリースを含浸させても良い。また、サイジングは必要に応じて施せば足り、必ずしも施す必要はない。また、用途によっては潤滑油の含浸工程を省略し、無給油下で使用する焼結軸受とすることもできる。
圧粉体4’の焼結温度を銅の融点(1083℃)よりも遥かに低温の900℃以下とした上記の焼結条件であれば、圧粉体4’に含まれる(部分拡散合金粉11を構成する)銅粉13は溶融せず、従って、焼結に伴って銅が鉄(鉄組織)中に拡散しない。そのため、この焼結体4”の表面(軸受面4a)には適量の銅組織が形成されている。また、焼結体4”の表面には遊離黒鉛も露出している。そのため、軸3との初期なじみ性が良好で、軸受面4aの摩擦係数も小さい焼結軸受4を得ることができる。
焼結体4”には、鉄を主成分とする鉄組織および銅を主成分とする銅組織が形成される。焼結体4”の鉄組織および銅組織の多くは部分拡散合金粉11で形成されるが、部分拡散合金粉では、銅粉の一部が鉄粉に拡散しているため、焼結後の鉄組織と銅組織の間で高いネック強度を得ることができる。また、焼結時には、圧粉体4’中の錫粉14は溶融し、部分拡散合金粉11を構成する銅粉13の表面を濡らす。これに伴い、錫(Sn)と銅(Cu)との間で液相焼結が進行し、図7に示すように、隣り合う部分拡散合金粉11の鉄組織と銅組織、あるいは銅組織同士を結合する青銅相(Cu−Sn)16が形成される。また、個々の部分拡散合金粉11のうち、鉄粉12の表面に銅粉13の一部が拡散してFe−Cu合金が形成された部分には、溶融したSnが拡散してFe−Cu−Sn合金(合金相)17が形成されるため、鉄組織と銅組織の間のネック強度が一層高くなる。そのため、上述したような低温焼結でも高い圧環強度、具体的には300MPa以上の圧環強度を得ることができる。また、軸受面4aを硬くして軸受面4aの耐摩耗性を向上させることもできる。なお、図7においては、フェライト相αFeやパーライト相γFeなどを色の濃淡で表現している。具体的には、フェライト相αFe→青銅相16→Fe−Cu−Sn合金(合金相)17→パーライト相γFeの順に色を濃くしている。
また、本願発明では、原料粉末に単体鉄粉や単体銅粉からなる添加粉を配合している。従って、単体鉄粉や単体銅粉の配合量を変更することにより、部分拡散合金粉を使用することで得られる耐摩耗性、高強度、および良好な摺動特性を維持しつつ、軸受特性を調整することが可能となる。例えば添加粉として単体鉄粉を使用すれば、軸受の耐摩耗性や強度をさらに高めることができ、添加粉として単体銅粉を使用すれば摺動特性をさらに改善することができる。そのため、各用途に適合した焼結軸受の開発コストを低廉化することができ、焼結軸受の多品種少量生産にも対応可能となる。例えば部分拡散合金粉における銅粉の拡散量は30質量%程度が限界となるので、部分拡散合金粉だけで銅組織を形成すると、軸受中における銅の割合をそれ以上多くすることが困難となる。これに対し、添加粉として単体銅粉を配合することで、軸受中における銅の割合を30質量%よりも大きくすることができる。
原料粉末における部分拡散合金粉の配合割合が少なすぎると、部分拡散合金粉を使用したことによるメリットが減殺され、耐摩耗性、強度、および摺動特性を満足することが困難となる。従って、原料粉末における部分拡散合金粉の配合割合は、50質量%以上(望ましくは75質量%以上)とするのが好ましい。また、固体潤滑剤粉は、これが少なすぎると摺動特性を害し、多すぎると圧環強度の低下を招くので、原料粉末中の配合割合は0.3〜1.5質量%とする。低融点金属粉は、これが少ないと液相焼結の進行が不十分となるために強度低下を招き、これが多いと焼結体4”の機械的強度が高まるものの粗大気孔が増える問題がある。従って、低融点金属粉の配合割合は、原料粉末中における銅粉の総質量(部分拡散合金粉中の銅粉と添加粉として添加した単体銅粉の和)の10質量%程度にするのが好ましい。具体的には、原料粉末における低融点金属の配合割合を0.5〜5.0質量%に設定する。原料粉末の残部は添加粉および不可避的不純物からなる。添加粉の配合割合は、これを配合することによるメリットを考えれば、少なくも原料粉末の1.0質量%以上配合するのが好ましい。
なお、軸受面4aに必要とされる摺動特性を満足するため、焼結軸受4における銅の割合は少なくとも10質量%以上(好ましくは15質量%以上)とする。
また、部分拡散合金粉11として、平均粒度145メッシュ以下(平均粒径106μm以下)の粉末を使用することにより、焼結体4”の多孔質組織を均一化して粗大気孔の生成を防止することができる。そのため、焼結体4”を高密度化して圧環強度や軸受面4aの耐摩耗性をさらに高めることができる。
以上に示すように、本実施形態の焼結体4”は300MPa以上の圧環強度を有しており、この圧環強度の値は、既存の銅鉄系焼結体のそれに比べて2倍以上の値である。また、本実施形態の焼結体4”の密度は6.8±0.3g/cm3となり、既存の鉄銅系焼結体の密度(6.6g/cm3程度)よりも高密度となる。既存の鉄銅系焼結体でも圧粉体の成形工程で高圧縮することで高密度化することは可能であるが、このようにすると、内部の流体潤滑剤が焼結時に燃焼できずにガス化するため、表層部の気孔が粗大化してしまう。本発明では圧粉体の成形時に高圧縮する必要はなく、そのような不具合を防止することができる。
このように焼結体4”を高密度化させる一方で、含油率を15vol%以上にすることができ、既存の鉄銅系焼結軸受と同程度の含油率を確保できる。これは、主に部分拡散合金粉11を構成する鉄粉12として、海綿状をなし、保油性に優れた還元鉄粉を使用していることに由来する。この場合、焼結体4”に含浸させた潤滑油は、焼結組織の粒子間に形成された気孔だけでなく、還元鉄粉(部分拡散合金粉を構成する還元鉄粉の他、添加粉として還元鉄粉を使用した場合には当該還元鉄粉も含まれる)が有する気孔にも保持される。
粗大気孔は特に焼結体4”の表層部(焼結体表面から深さ100μmに至るまでの領域)で生じやすいが、以上のようにして得られた焼結体4”であれば、上記のように表層部における粗大気孔の発生を防止して表層部の高密度化を図ることができる。具体的には、表層部の気孔率を、5〜20%にすることができる。この気孔率は、例えば焼結体4”の任意断面における気孔部の面積比率を画像解析することで求めることができる。
このように表層部が高密度化されることで軸受面4aの表面開孔率も小さくなり、具体的には、軸受面4aの表面開孔率を5%以上20%以下の範囲内に設定することができる。なお、表面開孔率が5%を下回ると、軸受隙間に必要十分量の潤滑油を滲み出させることが難しくなり(油膜形成能力が不十分となり)、焼結軸受としてのメリットを得ることができない。
また、この焼結体4”を得るための原料粉末として、鉄粉12の表面に銅粉13を部分拡散させた部分拡散合金粉11を主原料としたものを使用しているため、既存の鉄銅系焼結軸受で問題となる銅の偏析を防止することができる。また、この焼結体4”であれば、NiやMo等の高価な金属粉末を使用することなく機械的強度を向上させることができるので、焼結軸受4の低コスト化も達成される。
以上で説明したように、本発明に係る焼結軸受4は高い圧環強度(300MPa以上の圧環強度)を有するため、図1に示すようにハウジング2の内周に圧入固定した場合でも、軸受面4aがハウジング2の内周面形状に倣って変形することがなく、取り付け後も軸受面4aの真円度や円筒度等を安定的に維持することができる。そのため、ハウジング2の内周に焼結軸受4を圧入固定した後、軸受面4aを適正形状・精度に仕上げるための加工(例えばサイジング)を追加的に実行することなく、所望の真円度(例えば3μm以下の真円度)を確保することができる。また、焼結軸受4が300MPa以上の圧環強度を有していれば、この焼結軸受4を組み込んだ振動モータ1(ひいてはこの振動モータ1を備えた携帯端末等)が落下等することにより軸受面4aに大きな衝撃加重が付加された場合でも、軸受面4aの変形が可及的に防止される。さらに、軸受面4aが高硬度化されて高い耐摩耗性を有するため、たとえ軸受面4aの全面を軸3が振れ回り、あるいは軸3が軸受面4aに頻繁に衝突したとしても、軸受面4aの摩耗や損傷が抑えられる。従って、本発明によれば、振動モータの支持に適合した焼結軸受4を低コストに提供することができる。
ここで、参考までに、特許文献1に記載の技術手段に係る焼結軸受(以下、「銅被覆鉄粉軸受」という)の表層部の顕微鏡写真を図8に示す。図8と、本実施形態に係る焼結軸受4の表層部の顕微鏡写真(図3参照)とを比較すると、本実施形態に係る焼結軸受4は、銅被覆鉄粉軸受に比べて表層部の多孔質組織が均一化され、緻密であることが理解される。実際、本実施形態に係る焼結軸受4の表層部の気孔率は、13.6%だったのに対し、銅被覆鉄粉軸受の表層部の気孔率は、25.5%程度であった。このような差を生じた要因として、銅被覆鉄粉では鉄粉に銅膜が密着しているにすぎず、鉄相と銅相の間のネック強度が不足していることが挙げられる。
以上、本発明の一実施形態に係る焼結軸受について説明を行ったが、本発明の実施の形態は上述のものに限られない。
例えば、圧粉体4’を圧縮成形する際には、成形金型20および原料粉末10の少なくとも一方を加熱した状態で圧粉体4’を圧縮成形する、いわゆる温間成形法や、成形金型20の成形面(キャビティ25の画成面)に潤滑剤を塗布した状態で圧粉体4’を圧縮成形する金型潤滑成形法を採用しても良い。このような方法を採用すれば、圧粉体4’を一層精度良く成形することができる。
また、本発明に係る焼結軸受4は、振動モータに限らず、モータの主軸支持用途をはじめ、軸を回転自在に支持する軸受として広く使用することができる。本実施形態では、軸3を回転させる場合を説明したが、これとは逆に軸受4を回転させる用途にも使用することができる。また、焼結軸受4の軸受面4aには、動圧溝等の動圧発生部を設けることもできる。このようにすれば、軸受隙間に形成される油膜の剛性を高めることができるので回転精度を一層高めることができる。
1 振動モータ
2 ハウジング
3 軸
4 焼結軸受
4’ 圧粉体
4” 焼結体
4a 軸受面
10 原料粉末
11 部分拡散合金粉
12 鉄粉
13 銅粉
14 錫粉(低融点金属粉)
16 青銅相
17 Fe−Cu−Sn合金
20 成形金型
αFe フェライト相
γFe パーライト相
M モータ部
W 錘

Claims (9)

  1. 焼結体からなり、支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有する焼結軸受の製造方法であって、
    平均粒径5μm以上20μm未満の銅粉が鉄粉に部分拡散し、かつCuを10〜30質量%含有する部分拡散合金粉と、低融点金属粉と、固体潤滑剤粉と、単体鉄粉および単体銅粉のどちらか一方もしくは双方からなる添加粉とを含む原料粉末を成形し、焼結することを特徴とする焼結軸受の製造方法
  2. 焼結体からなり、支持すべき軸との間に軸受隙間を形成する軸受面を内周に有する焼結軸受の製造方法であって、
    鉄粉に銅粉を部分拡散させてなり、平均粒度145メッシュ以下の部分拡散合金粉と、低融点金属粉と、固体潤滑剤粉と、単体鉄粉および単体銅粉のどちらか一方もしくは双方からなる添加粉とを含む原料粉末を成形し、焼結することを特徴とする焼結軸受の製造方法。
  3. 原料粉末における部分拡散合金粉の割合を50wt%以上とした請求項1または2記載の焼結軸受の製造方法
  4. 圧環強度が300MPa以上である請求項1〜3何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
  5. 焼結体の鉄組織がフェライト相を主体としている請求項1〜何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
  6. 鉄組織をフェライト相と、フェライト相の粒界に存在するパーライト相とで形成した請求項1〜何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
  7. 前記部分拡散合金粉を構成する鉄粉が還元鉄粉である請求項1〜何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
  8. 焼結体の表層部の気孔率が5〜20%である請求項1〜何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
  9. 焼結体に、40℃の動粘度が10〜50mm2/sの潤滑油を含浸させた請求項1〜何れか1項に記載の焼結軸受の製造方法
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