JP6302054B2 - 乳酸菌培地の製造方法、及びこれを用いた乳酸菌の培養方法並びに当該培養方法で得られる乳酸菌を用いた乳酸菌末 - Google Patents

乳酸菌培地の製造方法、及びこれを用いた乳酸菌の培養方法並びに当該培養方法で得られる乳酸菌を用いた乳酸菌末 Download PDF

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Description

本発明は、乳酸菌(乳酸球菌、乳酸桿菌)の高密度培養に適した液体培地の製造方法、とりわけ多様な性質の菌種及び菌株に適用可能であり、培養液の菌体高密度化と共に、菌体に耐熱性、耐酸性、耐塩性などの安定性、及び\又は低温域や高温域における旺盛な増殖能を賦与し得る液体培地の製造方法、及びこれを用いた乳酸菌の培養方法並びに該培養方法により培養された乳酸菌から得られる乳酸菌末に関する。
<乳酸菌の保健機能性>
乳酸菌は、乳酸を大量に産生する細菌群の総称であり、各種発酵食品の他、酒類、醸造製品、漬物、果実加工品などの製造に関与するなど、古くから人類は乳酸菌の恩恵を受けてきた。近年においては、乳酸菌は、腸内腐敗菌の抑制作用や整腸作用、免疫賦活作用など、種々の保健機能性に注目が集まっている(非特許文献1)。
乳酸菌はビフィズス菌とともに腸内細菌としてヒトの健康維持に有効であることが知られている。腸内フローラを改善して健康に有益な働きをし、安全性も保証された微生物「プロバイオティクス」に関する研究が活発化している。生活習慣病予防に対する関心の高まりから、食品の優れた保健機能性がより追求される傾向にある中、こうしたプロバイオティクスの食品への更なる活用が望まれている(非特許文献2)。
<乳酸菌培養法の趨勢>
ところで、乳酸菌の培養において現状一般的に用いられる手法として、液体培地に乳酸菌などの微生物を接種し、培地pHなどを制御しながら培養し、生育の停止した定常期状態に到達後、菌体を培地から分離して回収する回分培養法(バッチ・カルチャー)がある。この方法は、培養中に生ずる培地の栄養素の減少および乳酸などの分泌物の増加に起因して培地環境が変化するために、乳酸菌の増殖が生育途中で抑制され易く、菌体密度が培養液1ml当たり100億cfu(colony forming units)以上へ到達し難く、更にストレス抵抗力が充分に賦与され難いことが特徴であり、菌体の高密度化と優れた安定性賦与の両課題を同時に改善できる技術が切望されていた(非特許文献3)。
液体培地による培養は、培地の調製が比較的容易かつ安価であり、また培地と菌体および分泌物の懸濁が容易に起こり、培養液の均質性を確保し易い外、撹拌、振盪、培養中の培地pHの制御などの処理も簡便かつ確実に行うことができる。例えばLactobacillus plantarumに属する菌株に対して、小麦蒸留廃液にグルコースや糖蜜などの栄養素を補充した液体培地で水酸化アンモニウムを用いてpH6.0に制御しながら37℃・24時間振盪培養することで最大160億cfu/mlの菌体密度に到達したことが報告されている(非特許文献4)。この事例において使用された液体培地は安価であり、製造コスト低減に寄与すると期待されるが、性質が相当異なる他の菌種に対する高密度化効果の検討、あるいは高密度液体培養を行いながら菌体に優れた安定性を賦与するなど、菌体性質の改変も兼ねることが全く想到されていないことは明らかである。加えて市販のMRS(DE MAN,ROGOSA,SHARPE)液体培地など栄養分の豊富な培地を用いることで、いずれの菌種に属する乳酸菌であっても増殖させることが可能であることから、培養自体の効率は良いと考えられてきた。しかし、こうした天然の生息環境と全く異なる人工的な培養環境で調製される乳酸菌には、菌本来の優れた生残能が充分に賦与され難い、という欠点がある。これを改善する目的で、拡大培養の最終段階である本培養において、菌体に加熱処理や低温処理、あるいは酸処理と云ったストレス刺激のいずれかを負荷し、菌本来の優れたストレス抵抗力を発現させる工夫が多数報告されている(非特許文献5)。しかしながら、培養液の菌体高密度化や、菌本来の優れた安定性及び旺盛な増殖能を賦与した菌体が得られ難い。即ち「菌株育種」としての側面も兼ね備えた培養法は全く報告されていない。
生残能が劣る乳酸菌を、例えばキムチのようなスターターカルチャー型発酵食品に用いた場合、当該食品の保存過程において菌叢交代現象が生じてしまい、接種した菌株が保健機能性に優れている場合であっても当該食品から速やかに死滅・減少してしまう、といったことが知られ、これでは、スターターカルチャーとして用いた菌株に由来する優れた保健機能性が担保されないので、こうした菌叢交代現象を生じない高い生残能を有する乳酸菌を選択的に培養することが切望されている(非特許文献6)。
<培養環境の適正pH域の相違>
こうした観点から、炭酸マグネシウム、単糖類又は2糖類、ペプトン、及び麹、麹エキス、胚芽培地、酵母、及び酵母エキスから選ばれる1種又は2種以上を含む混合物を液体培地に用い撹拌培養することを特徴とするエンテロコッカス・フェカーリス又はエンテロコッカス・フェシウムの培養法が提案されている(特許文献1)。かかる培養法により、培地の初発pHをpH8.0前後のアルカリ性に高めた結果、pH6.0〜5.0の領域において高いpH緩衝能を培地に賦与することができ、培養中に産生された乳酸が非解離型に変換することを防止し、培養中の自己菌体損傷を防止することができる。これにより、アルカリpH域の耐性に秀でたこれら両菌種については、液体回分培養系において、菌体を工業的に安価に効率よく生産することが可能となった。しかしながら、これら両菌種に比べてアルカリpH域に対する耐性がより劣る他の大多数の菌種や菌株に対して適応させることが不可能であったばかりでなく、特許文献1・請求項5に記載されている様に、難溶性炭酸塩が培養終了時に培養液中に残存する為、培養液に酸を添加してpH4〜6に調整し、全ての炭酸塩を溶解してから菌体を回収する工程を組み込む必要を鑑み、低pHストレスが十分に負荷されず、優れた安定性を賦与出来なかった可能性が想定される。このことは、特許文献1・試験例10において記載の培養法で得られた菌体の耐熱性17〜26%に対して、対照の市販BL液体培地で得られた菌体の耐熱性23〜30%と同じ水準であったことから明らかである。更に、特許文献1では、特異的に安定性の優れた菌種を用いて検討がなされていた為、菌体を高密度化する培養法のより一層の改良・工夫に伴い、安定性をより一層向上できるという知見を得ることは想到できなかったほか、旺盛な増殖能を賦与する等々、菌体の性質改変をも目指した培養方法でなかったといえる。このことは、特許文献1の試験例及び実施例において、液体培地に接種する種菌として、非特許文献等で検討された高密度化する液体培養で調製した菌体がいずれにおいても用いられていなかったことから示唆される。従って、特許文献1の培養法は「菌株育種」としての要素を欠落していることが明らかである。
特許第3900484号
Ali AA、「Benificial role of lactic acid bacteria in food preservation and human health: a review」、Research Journal of Microbiology,5(12),pp.1213−1221(2010) Naagpal R,Kumar A,Kumar M,Behare PV,Jain S,Yadav H、「Probiotics,their health benefits and application for developing healthier foods: a review」,FEMS Microbiology Letters,334(1)、pp.1−15(2012) Lacroix C,Yildirin S、「Fermentation technologies for the production of probiotics with high viability and functionality」、Current Opinion in Biotechnology,18,pp.176−183(2007) Krzywonos M,Eberhard T、「High density process to cultivate Lactobacillus plantarum biomass using wheat stillage and sugar beet molasses」、Electronic Journal of Biotechnology,14(2),(2011)http://dx.doi.org/10.2225/vol14-issue2-fulltext-10 Serrazanetti DI,Gottardi D,Montanari C,Gianotti A、「Dynamic stresses of lactic acid bacteria associated to fermentation process」 、Lactic Acid Bacteria−R & D for Food,Health and Livestock Purposes.Intech,Chapter 23,pp.539−570(2013) Lee SK,Ji GE、Park YH、「The viability of bifidobacteria introduced into kimchi」、Letters in Applied Microbiology,28,pp.153−156(1999) Sawatari Y and Yokota A.,「Diversity and mechanisms of alkali tolerance in Lactobacilli」、Applied and Environmental Microbiology、73(12)、pp.3909−3915(2007) 佐々木隆、森下隆、門多真理子:乳酸菌の遺伝と育種 3 遺伝子の導入と変異の誘起、「乳酸菌の科学と技術」乳酸菌研究集談会編(学会出版センター)p.152−159(1996) Silva J,Carvalho AS,Ferreira R,Vitorino R,Amado F,Domingues P,Teixeira P,Gibbs PA、「Effect of the pH of growth on the survival of Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus to stress conditions during spray−drying.」、Journal of Applied Microbiology,98,pp.775−782(2005).
<高密度培養の説明>
本発明が目標とする乳酸菌の高密度培養法とは、本培養に供する種菌を調製するための前培養段階および最終段階の本培養のいずれにおいても、誘導期〜対数増殖期、更に定常期に至る全ての生育相で菌体に種々のストレス刺激を負荷することで、菌株に元々備わっている優れた環境順応力を発現させることで培養効率を高め、菌体密度の向上を実現する外、「菌株育種」としての機能も兼ね備えた培養法をいう。かかる培養法により、高密度培養でない場合には菌体密度が10億cfu/ml内外であったのに対し、これを大きく上回り、菌種や菌株によっては培養液1mlあたり100億cfu以上までもの菌体の高密度化も実現しうる。これは菌体製造コストの低減化に寄与する。それのみならず、耐熱性等の優れた安定性が賦与され、低温度域における旺盛な増殖能も賦与されるなど、菌体の性質も向上する為、「菌株育種」としての機能も兼ねていることに特徴がある。このことは発酵食品の製造期間短縮に寄与するほか、より一層減塩化や賞味期限の延長などの製品特性を向上させる効果が期待される。更に、プロバイオティクスに対して、製造工程、製品保存期間、及びヒトや家畜・ペット動物などの消化管におけるストレス要素に対する抵抗力の向上が期待される為、これら菌株の優れた保健機能性をより一層向上させる効果も見込まれる。
<汎用性>
乳酸菌は菌種や菌株によって培養の至適pH域が相当異なる(非特許文献7)。このことから、アルカリpH域耐性が特異的に優れたエンテロコッカス・フェカーリス又はエンテロコッカス・フェシウムに比して耐性の劣る大多数の菌種や菌株に対して、特許文献1の先行技術では高密度培養を行うことができなかった。そうしたことから、乳酸菌のより多くの菌種や菌株に適用可能な液体培地の製造方法が求められていた。一方、菌体の多様な性質を向上させる従来技術は、「菌株育種」と称して、(1)遺伝子に永続的変化が生じた菌株を取得する(自然突然変異、誘発突然変異)、(2)外来遺伝子を導入する(形質導入、接合伝達、細胞融合、形質転換)、(3)一部の遺伝子を脱落させる(プラスミドやプロファージのキュアリング)と云う3つのアプローチが行われている(非特許文献8)。従って、菌体の高密度化及び多様な性質の向上の両効果を同時に実現できる培養方法は全く報告されていない。
乳酸菌に属する大多数の菌種や菌株に適用可能な液体培地とするためには、菌本来の天然の生息環境を鑑み、菌種や菌株に固有の、増殖に必須な栄養素を補充する必要があり、また培地のpHや浸透圧など培養環境のストレス強度に菌体が耐え得る範囲の望ましい状態に調整する必要がある。従って、培地のpHに関しては、それぞれの菌種や菌株の至適pH域にコントロールしておく必要があり、乳酸菌の菌種や菌株の中には、アルカリpH域耐性が著しく低く、培地の初発pHを酸性域(pH6.0〜7.0程度)に設定しておかなければならないものも存在する(非特許文献7)。また、培養が進行するに伴い産生される乳酸により培養液のpHが容易に低下し、非解離型乳酸の増加によって惹起される自己菌体損傷の問題が生じる。
そこで、液体培地の初発pHを低下させるべく鋭意検討したところ、炭酸マグネシウムの添加量を減らし、炭酸カルシウムを新たに加え、両成分の配合比率に関して接種する菌株が耐え得る初発pHに調整する方法を見出した。更に、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムなどのアルカリ性・難溶性炭酸塩を適量配合した液体培地に対して、菌体の増殖促進を目的として配合する胚芽麹をアルカリ性・難溶性炭酸塩とともに、他の培地成分とは別に滅菌処理を行うことで、アルカリ性・難溶性炭酸塩に対して培地内における徐放性が付与されることを知見するに至った。かかる滅菌処理を行った胚芽麹及びアルカリ性・難溶性炭酸塩を混合物に含む培地を用いて乳酸菌を培養することにより、培地の初発pHを下げ、培養過程で産生される乳酸等の酸によるpH低下速度を緩和させることが出来るようになった。この様に本発明の液体培地に対してpH緩衝能を向上させた結果、培養過程で産生される乳酸を菌体に対して毒性の強い非解離型へ転換することを減らすこととなり、自己菌体損傷の軽減効果が期待される。
また、こうした環境下での培養を行うことで、菌体の高密度化のみならず、培養液の最終pHを耐熱性や耐酸性に関する優れた安定性を賦与する上で必要かつ十分なpH域まで低下させることができ(酸性pHストレスを負荷)、併せて低温域や高温域における優れた増殖能も賦与するなど菌体の多様な性質の向上効果が見られることが判り、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明に係る乳酸菌用液体培地の製造方法は、特許文献1に記載されたエンテロコッカス・フェカーリスやエンテロコッカス・フェシウムに比して、他の大多数の乳酸菌の増殖に必須な栄養素として、マンガンやヘム鉄、酢酸やクエン酸などの有機酸、オリーブ油などの油脂をポリソルベートで乳化した状態で添加することで培地構成成分の充実を図る。更に、天然の生息環境が例えば酵母との共生系である場合、乾燥酵母菌体の補充も必須になる。アルカリ性・難溶性炭酸塩と胚芽麹とを少なくとも含む混合物で組成される乳酸菌液体培地の製造方法であって、アルカリ性・難溶性炭酸塩と胚芽麹とを混合し、他の培地成分とは分離して滅菌処理した後に、別途滅菌処理された他の培地成分と混合することに特徴を有する。その際、アルカリ性・難溶性炭酸塩としては炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを混合したものを採用することができる。更に、乾燥酵母菌体も加え、滅菌処理時の炭酸塩の添加量に対して不溶性成分の添加した割合をより高めることで、効果をより高めることができる。
以下、本発明のこれらの液体培地を「高密度液体培地」といい、その培地を用いた培養を「高密度液体培養」という。
高密度液体培地の組成としては、アルカリ性・難溶性炭酸塩及び胚芽麹の他、胚芽麹エキス、窒素源及び炭素源のいずれかを少なくとも含むことを特徴とすることができる。その他脂肪酸、界面活性剤としてのポリソルベート類、更には鉄分を添加することを更に特徴とすることができる。その際、脂肪酸としてはオレイン酸を含む動植物性油脂を採用することができる。また、鉄分としてはヘム鉄を採用することができる。
本発明に係る乳酸菌用液体培地の製造方法により得られる胚芽麹を含有した高密度液体培地を用いると、培地内のアルカリ性・難溶性炭酸塩に徐放性が付与されることから、乳酸菌の生育相が対数増殖期から定常期へと進むに応じて産生された乳酸の量に比例して炭酸塩が中和され、培養に不都合な急激なpH低下を防ぐことができる。それ故、初発pHを弱酸性域に設定せざるを得ないアルカリpH耐性の劣る多種類の菌種や菌株に適した培地を提供することが可能となる。なお、多段階に培養する場合、初期段階の高密度液体培養に接種する種菌としては、1%軽質炭酸カルシウムを添加したMRS液体培地で静置培養して調製した菌体を用いる。本発明の高密度液体培養では、定常期に至った状態では培養液の最終pHが5.0前後に低下する。この為、アルカリ性・難溶性炭酸塩は十分に溶解して残存せず、又、初発pHとのpH差が酸ストレスを負荷する上で充分な状態となり、耐熱性や耐酸性を向上させる効果が期待される。
また、アルカリ性・難溶性炭酸塩は培養液中の菌体密度の増加に伴い、分泌産生される乳酸量が増加して、炭酸ガスを放出しながら水溶性塩類に変化する。これに伴い、培養液のイオン強度が徐々に上昇することで、浸透圧ストレスを菌体に与えることができ、高密度液体培養において菌体の性質を改善するために必要な負荷ストレスの種類を増やす効果が期待される。培養液のイオン強度の上昇は、電気伝導度を測定することで評価できる。一方で炭酸ガスが培養液中から放出されることにより溶存酸素を減らす効果が生じ、過酸化水素の生成を減弱できる。このことは、菌体密度が高密度化に至った状態であっても、菌体密度の増加に比例して過酸化水素の産生量も増加するのではなく、濃度が適切に制御された状態であることを意味する。従って、過酸化水素に起因した酸化ストレスの負荷を適度な望ましい状態に維持できる結果、酸化ストレスに対する耐性賦与が可能になると共に、培養過程における過剰な過酸化水素に起因した自己菌体損傷を抑制することができる。このように培養対象である菌株にとって受容可能な様々なストレス刺激を同時に、培養経過に応じて適切に徐々に負荷することにより、菌体の高密度化が可能になるばかりでなく、MRS液体培地の様な単に栄養が潤沢な培地で培養した場合よりも優れた菌体安定性及び低温域や高温域における旺盛な増殖能が最大限に賦与された菌体が選択的に培養されることになる。
更に、高密度液体培地を用いて乳酸菌を拡大培養するにあたって、最も培養規模の大きな最終段階の本培養において高密度液体培地を用いるだけでなく、本培養に接種する種菌の調製段階、すなわち前々培養や前培養の各段階においても高密度液体培地を用いるようにすれば、菌体の高密度化を実現するとともに菌体安定性及び低温域や高温域における旺盛な増殖能が賦与された菌体を含有した培養液にすることができる効果を見出し、本発明の完成に至った。即ち、本発明では天然の菌が本来有している環境順応力を十分に発現した状態の菌体を調製する為、前培養以前の各段階で負荷するストレス刺激の強度はある程度軽めに設定しておき、次の培養段階の培地で負荷するストレス刺激の強度をより一層高めることで、より効率的により確実に目標レベルに達成させることができる。
或いは、乳酸菌を多段階で拡大培養するにあたっての各段階において上述の高密度液体培地を用いることにより、菌体の高密度化を実現するとともに菌体安定性及び低温域や高温域における旺盛な増殖能が賦与された乳酸菌を培養することができる。
更には、こうした培養方法を経て回収される乳酸菌の耐熱性は一般的な培養方法により得られる乳酸菌に比して耐熱性が勝るとも劣らないことから、凍結乾燥以外にスプレードライヤーによる噴霧乾燥や送風乾燥など加熱乾燥した場合にあっても歩留良く菌体安定性及び低温域や高温域における旺盛な増殖能が賦与された乳酸菌末を得ることができる。
<用語の定義・菌体の高密度化及び安定性賦与のメカニズム>
なお本発明において、
「炭酸塩」としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ性・難溶性炭酸塩が好ましく、かつ至適な培地pHを実現するために炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの双方を混合し、かつ適切な配合比率で培地に加えることが好ましい。なお、特許文献1を除き、従前より炭酸マグネシウムは乳酸菌の液体培地成分として使用した例が報告されていなかった。この理由は、炭酸マグネシウムを液体培地に添加すると、培地pHは大多数の乳酸菌が許容できる通常の培地pH7.0〜6.0よりもアルカリ側へ変動するからである。回分式液体培養にとって培地のpH緩衝能を高めることが望ましく、炭酸塩の添加量を増やす方法が想定されるが、この場合には初発pHがアルカリ側へ高くなる為、アルカリpHに対する耐性力の劣る菌種や菌株にとって非常に厳しい負荷ストレスとなり(アルカリpHストレス)、種菌の調製段階にて旺盛な増殖能が菌体に賦与されていない場合には増殖不可状態に陥る可能性がある。一方、グルコースを含む糖質と他の培地成分を混合して同時に滅菌した場合、培地褐変化(メイラード反応)の促進に伴い過酸化水素を生成し菌の増殖阻害が見込まれる。そこで、本発明はアルカリ性・難溶性炭酸塩と胚芽麹とを混合し、かつ他の培地成分と分離して高温高圧滅菌処理することにより培地の初発pHを下げられ、かつ炭酸塩が液体培地中に徐放され、急激な培地pH変動を回避し得る培地調製法に想到した。
なお、これらのアルカリ性・難溶性炭酸塩は、培養が対数増殖期から定常期へと進展するに応じて菌体が産生した乳酸や酢酸などの有機酸濃度が上昇する際、これら有機酸と反応して水溶性塩類に変化するとともに炭酸ガスが培養液中に放出され、培養液のイオン強度が上昇する。これが培養過程における菌に対する浸透圧ストレス負荷となるほか、アルカリpHストレス、酸性pHストレス、酸化ストレス、あるいは温度ストレスといった刺激が更に負荷された結果、得られる菌体は、十分なストレス抵抗力を備えた状態へと変化し、安定性がより一層向上する。ここで「ストレス」とは、菌種ないし菌株の培養環境として至適域から外れた培養条件をいい、pH、浸透圧、温度、培地に含まれる資化物質の量、等が培養条件の指標として含まれ得る。至適域からの乖離が大きいほどストレス刺激の強度は高い。
また、上記炭酸塩の徐放プロセスは、複数の観点において乳酸菌自身による自己菌体損傷を適度に抑制するのにも作用する。すなわち、(1)培地中に炭酸ガスが放出されることにより、培養液の溶存酸素が低下する。乳酸菌は通性嫌気性菌に属し分子状酸素をエネルギー代謝に直接利用できず、むしろ酸素に接触すると過酸化水素、スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素を生成して菌体に損傷を与える。従って培養液の溶存酸素の低下効果により培養過程における過酸化水素等の高濃度化が抑制され、自己菌体損傷を抑制できる。加えて、(2)高密度液体培養を行うことにより有機酸産生能が抑制され、自己菌体損傷が抑制される。更に、(3)アルカリ性・難溶性炭酸塩が乳酸菌の産生する乳酸などの有機酸と反応することに伴い、培養液のpH低下速度を緩和させる。これにより非解離型乳酸の生成割合が上昇し難くなり、自己菌体損傷が抑制される。
2つのアルカリ性・難溶性炭酸塩の混合比率は菌株の至適pHに応じ適宜設定することができるが、少なくとも重量ベースでの添加量において炭酸マグネシウムが炭酸カルシウムを超えないことが好ましい。又、どちらか一種類だけで用いた場合、得られる効果が減弱するので好ましくない。
「胚芽麹」の原料となる植物体としては米、麦、豆、トウモロコシ等の穀物、或いはこれらから油脂分を除去した脱脂胚芽の中から適宜選択することができるが、これら原料の保存に伴い油脂の酸敗が生ずる問題を鑑み、脱脂米胚芽、脱脂小麦胚芽、及び脱脂コーン胚芽あるいは脱脂大豆で構成した固体培地組成が望ましい。また、脱脂胚芽粒子の表面で固体培養を行う微生物として典型的にはAspergillus oryzaeの他、A. niger、A. sojaeなどが挙げられるが、これらに限られない。アルカリ性・難溶性炭酸塩と脱脂胚芽麹とを混合して行う「滅菌処理」としては、オートクレーブ滅菌(121℃、15分以上、又はこれに相当する滅菌効果の処理条件であれば特段限定されない)による高圧蒸気滅菌が挙げられる。「胚芽麹エキス」はその抽出物(エタノール50%分画品、ただし抽出方法はこの方法に限らない)であり、胚芽麹とともにAspergillusの胚芽発酵成分を本発明の液体培地に添加する。例えばオリザ油化株式会社の「米胚芽発酵エキス−P」を適用することができる。
「窒素源」及び「炭素源」は基礎的エネルギー源として添加する。窒素源としては脱脂粉乳、大豆ペプチド、肉エキスなどを原料とすることができ、市販品としてはポリペプトン(日本製薬株式会社)、ハイニュートAMやハイニュートDC6(不二製油株式会社)、ラブレムコ末(オクソイド社)などを採用することができ、これらを混合して用いることもできる。また炭素源としては菌株によって要求性が異なるが、グルコース、フルクトース、トレハロース、セロビオース、N−アセチルグルコサミン、マンノース、マルトース、ラクトース、スクロース等から1ないし複数種類を選択して混合することができる。なお、ハイニュートは分離大豆蛋白質分解物である。
「脂肪酸」は増殖促進因子として添加されるものであり、「オレイン酸を含む動植物性油脂」としてオリーブ油などの植物油の外に牛脂、魚油、獣油などを採用し得る。「界面活性剤としてのポリソルベート類」とはソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドが約20分子縮合したものであり、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80を採用し得るが、不飽和脂肪酸が主であるオリーブ油を界面活性剤の疎水性分子領域に取り込んで乳化するにあたってはポリソルベート80が特に好ましく、牛脂を用いる場合にはポリソルベート20との組合せが好ましい。「鉄分」はLactococcus属などの乳酸球菌の増殖促進因子としてヘム鉄を添加することが好ましい。その外、乳酸菌の菌種や菌株の中で他の乳酸菌や真菌と共生する天然生息環境の菌を培養対象とする場合、クエン酸や酢酸、及び乾燥酵母菌体、あるいは酵母菌体の自家調製ペプチド画分FYE等の栄養素を補充した液体培地組成へと適宜工夫する。乾燥酵母菌体としてはパン酵母、ビール酵母いずれでも良く、実施例では市販エビオス錠(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を用いたが、例えばオリエンタル酵母工業株式会社製凍結酵母菌体でも差し支えない。
「前培養」とは拡大培養の前段階として行われる少量の培地での培養をいう。また「多段階の培養工程」において本発明に係る液体培地を適用することにより、菌体の性質向上効果がみられる。すなわち本発明に係る高密度液体培養を用いて拡大された本培養を行うほか、それに接種する種菌の調製においても高密度液体培養を用いて行うことにより、過酷な培養条件によるストレスに対する抵抗性の高い菌体が選択的に培養され、環境順応力により菌体自体のストレス抵抗性が向上するものと推察される。なお多段階の培養にあたっては、培養条件の過酷度合いすなわちストレス負荷の度合いを培養段階の進展に伴い順次高めていくようにしても良い。
培地毎のpH緩衝能を示したグラフである。 4℃及び10℃に保った豆乳の乳酸発酵に伴うpHの遷移を示すグラフである。 4℃及び10℃に保った豆乳の乳酸発酵に伴い、産生された乳酸量の推移を示すグラフである。
以下、本発明に係る高密度液体培地の製造方法、及びこれを用いて行う乳酸菌の培養につき実施例とともに説明する。なお以下の実施例では特定の菌株について言及しているが、本発明の適用範囲をこれに限定する趣旨ではなく、これらの菌株が属する菌種を含め乳酸菌と称されるもの全般に広く適用可能である。
[実施例1]<高密度液体培地の構成要素について>
以下の構成からなる高密度液体培地を調製する。なお表1は培地全体における各成分の割合を示したものであり、表2は成分(1)の配合内容を示したものであり、表3は成分(2)の配合内容を示したものであり、表4は成分(3)の配合内容を示したものである。成分(1)、成分(2)、成分(3)について、それぞれ別々に滅菌処理を行った(オートクレーブ滅菌、滅菌条件121℃、20分)。滅菌後、冷えてから混合したものを高密度液体培地とし、培養対象となる各菌株を接種した。
(表1)
―――――――――――――――――
成分(1) 3.75ml
成分(2) 3.75ml
成分(3) 7.50ml
―――――――――――――――――
合計 15.00ml
―――――――――――――――――
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――
<成分(1)>
炭酸カルシウム 0.30g
炭酸マグネシウム 0.12g
脱脂胚芽麹 0.45g
脱イオン水 3.75ml
―――――――――――――――――――――――――――
(表3)
―――――――――――――――――――――――――――
<成分(2)>
グルコース 0.225g
フルクトース 0.225g
トレハロース 0.225g
セロビオース 0.225g
N−アセチルグルコサミン 0.225g
マンノース 0.225g
脱イオン水 3.75ml
―――――――――――――――――――――――――――
(表4)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<成分(3)>
ポリペプトン(日本製薬株式会社) 0.45g
ハイニュートAM(不二製油株式会社) 0.45g
ラブレムコ末(オクソイド社) 0.30g
塩化マンガン四水和物マグネシウム 0.0075g
グリセロリン酸マグネシウム 0.075g
酢酸ナトリウム 0.03g
36%脱脂胚芽麹エキス(エタノール50%分画品)0.83ml
エビオス錠(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社) 0.15g
ヘム鉄溶液(シグマーアルドリッチ製プロトポルフィリンIXをヘム鉄とし
て、0.05N水酸化ナトリウム溶液で0.5mg/mlに溶解したもの)
0.30ml
オリーブ油 0.0125g
ポリソルベート80 0.025g
脱イオン水 7.50ml
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<高密度液体培養による培養結果>
表5は、乳酸桿菌としてLactobacillus plantarum NRIC 146、L. rhamnosusGG(ATCC 53103)、および乳酸球菌としてPediococcus pentosaceus ATCC43200、P. acidilactici ATCC 25740の各菌株につき、実施例1で得られた高密度液体培地を用いて種菌の調製、及び本培養を行ない、結果得られた菌数及び菌体安定性(耐熱性、耐塩性、凍結融解後生存率)について示したものである。なお対照例の本培養として各々の菌株をMRS液体培地で培養した。なお各実施例、対照例とも、種菌調製段階においては同一の条件(培養温度27℃、静置培養、培養時間24h)で行ったほか、1%軽質炭酸カルシウムを添加したMRS液体培地において上記の条件で培養した菌液を、実施例1では種菌調製用の高密度液体培地に接種し、対照例では種菌の調製そのものとした。また本培養においては、培養温度30℃、培養時間24hと設定し、実施例は振盪培養を、対照例は静置培養を行った。なお菌体安定性の各指標の基準は表6に示したとおりである。
Figure 0006302054
(表6)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
耐熱性 リン酸バッファ(pH6.8)で培養液を段階希釈して
得られた菌液に対して、52℃・15分処理後の生残率
(%)
耐塩性 食塩濃度12%・30℃・2h処理後の生残率(%)
凍結融解後生存率 培養液を−30℃で凍結処理して数日が経過した後、
融解後の生残率(%)
濁度 培養液を2N-硫酸を用いて吸光度660nmの数値が
0.5前後になるように希釈した後、得られた吸光度に
希釈倍率を掛けて算出。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
表5に示すように、いずれの菌株においても濁度および到達菌数に顕著な増加効果がみられた。L. plantarum NRIC146、L. rhamnosus GG(ATCC53103)の乳酸桿菌においては、到達菌数の増加効果がそれぞれ2.9倍、4.6倍となったが、P. pentosaceus ATCC43200、P. acidilactici ATCC25740の乳酸球菌においては、到達菌数が前者で18倍、後者で2.8倍の増加効果が生じた。また耐熱性についても、P.pentosaceusおよびP.acidilacticiの乳酸球菌においては大きな違いが見られなかったものの、他の菌株においては10倍以上の相違がみられた。耐熱性に顕著な相違が見られた乳酸桿菌の培養液は、いずれも高密度液体培養とMRS液体培養の間のpH差が約1.0もしくはそれ以上と大きかったことを鑑み、この要因は実施例においては培地pHが緩慢に低下していくのに応じて菌体内pHが下がり、分子シャペロンが誘導産生された結果、菌体が耐熱性を獲得したものと推察された。ちなみに、非特許文献9で開示されているように、アルカリの連続的滴下による培地pH制御ではかかる安定化効果が生じ難い。他の菌体安定性(耐塩性、凍結融解後生残率)についても菌株により相違はあるものの、対照例と概ね同程度かこれより優位な結果が得られた。
[実施例2]<高密度液体培地の滅菌方法によるpH緩衝能への影響>
表5に示すように、本培養後のpHにおいて実施例と対照例とでは顕著な差がある。この差は、培地のpH緩衝能の相違によりpHの低下速度に差が生じたことを示すものであり、実施例においては自己菌体損傷が抑制され高密度化の達成及び菌体安定性の獲得に寄与したものと推測される。そこで、高密度液体培地を調製する際の滅菌方法の相違によるpH緩衝能への影響に関する解析結果を以下に示す。
表7に内容を示した各液体培地(培地A、培地B、培地C、培地D、培地Eをオートクレーブ滅菌(121℃、20分)後、各培地に1M濃度乳酸を滴下していき、培地pHの低下速度(pH低下度/当該pH低下に要した1M乳酸の滴下量(ml)を測定した(表8)。また、各培地のpH緩衝能として、培地pHの時系列変化を示したグラフが図1である。
(表7)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
培地A(対照):MRS液体培地
培地B(対照):1%軽質炭酸カルシウムを添加したMRS液体培地
培地C:表1に示す成分(1)(2)(3)を各々別滅菌した後、冷えてか
ら混合したもの
培地D:表1における成分(2)のみ別殺菌した後、冷えてから混合した
もの
培地E:表1に示す成分(1)(2)(3)の各々別滅菌に関し、脱脂胚芽
麹を成分(3)に添加して滅菌し、成分(1)では炭酸塩のみを
別滅菌したもの
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(表8)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記pHに至る乳酸添加量(ml)
培地 滅菌後pH pH6.0 pH6.0〜pH5.0
==================================================================
培地A 6.02 − 1.10
培地B 6.51 0.70 6.70
培地C(本発明) 6.87 3.30 12.00
培地D 6.85 3.30 11.50
培地E 7.42 3.60 12.00
――――――――――――――――――――――――――――――――――
図1に示すように、培地A(MRS液体培地)では初発pHは滅菌後6.02であったが、1.10mlの乳酸を滴下した段階でpHは5.0まで低下し、4.40mlの乳酸を滴下した段階でpHは4.0まで低下した。MRS液体培地に軽質炭酸カルシウムを1%添加した培地Bでも相対的高pH域(pH6.0以上)、相対的低pH域(pH6.0からpH5.0)における低下速度を緩和することはできなかった。これに対して炭酸塩と脱脂胚芽麹、炭素源、その他の成分を三者別々に滅菌した培地(培地C)においては、相対的高pH域、相対的低いpH域のいずれにおいてもpH低下速度を緩慢化させた。培地Dにおいては相対的低pH域において培地CほどのpH緩衝能が見られなかった。培地Eは初発の滅菌後pHが高すぎるため、アルカリ耐性が弱い菌株においては適用することが困難であると考えられた。
このように、別滅菌の組み合わせによってpH緩衝能及び初発pHがいずれも大きく異なった。その中にあって少なくとも炭酸塩と胚芽麹を他の成分と分離して滅菌することにより、pH緩衝能、初発pHとも菌の培養に適した培地が得られることが判った。
[実施例3]<胚芽麹及び胚芽麹エキス添加の効果>
胚芽麹及び胚芽麹エキスの添加による菌体の高密度化及び安定性賦与の効果について以下の方法により評価した。
(方法)乳酸球菌としてLactococcus lactis ATCC 11454を使用し、1%軽質炭酸カルシウム含有MRS培地において27℃・24h静置培養を行い、前々培養とした。実施例1に記載した組成の高密度液体培地15mlに前々培養液0.15mlを接種し、30℃・24h静置培養を行い、前培養とした。得られた前培養液0.15mlを表9に示す各培地15mlに接種し、30℃・24h静置条件下で本培養を行った。なお、対照例は、1%軽質炭酸カルシウム含有MRS培地に上記の菌株を接種し、27℃・24h静置条件下での培養を前培養として行い、得られた前培養液0.15mlをMRS液体培地15mlに接種し、30℃・24h静置条件下で本培養を行った。本培養で得られた各菌液について、濁度(A)、pH、到達菌数、耐熱性、耐塩性、および耐酸性について分析した。得られた結果を表10に示す。なお表中「耐酸性」とは、0.1M塩化カリウム/塩酸緩衝液(pH3.0)を用いて培養液を100倍希釈し、37℃で2時間処理した後の生残率を示した。
(表9)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
培地G:高密度液体培地(実施例1と同じ培地組成)
培地H:培地Gに対して脱脂胚芽麹エキスを除去したもの
培地I:培地Gに対して脱脂胚芽麹と脱脂胚芽麹エキスの両成分を除去した
もの
MRS:(対照)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0006302054
表10に示すように、初発の培地に対する理化学分析においては培地Iの濁度が最も低く、pHが最も高い値であることが確認された。また、培養後の微生物分析においては、培地Iの到達菌数が最も低い値であることが確認された。各培養液に対する特性分析においても培地Iが最も低い耐熱性および耐塩性であった。また培地Hを用いた培養液についても耐熱性、耐塩性が培地Gに比して低いことが確認された。以上のように、脱脂胚芽麹エキスの無添加(培地H)により耐熱性、耐塩性に差異が生じたことから、脱脂胚芽麹エキスがこれらの菌体安定性賦与に必要であることが示された。更に、脱脂胚芽麹および脱脂胚芽麹エキスの双方を無添加の場合(培地I)、菌体安定性が悪化したのみならず、到達菌数にも著しい低下が生じていることから、脱脂胚芽麹が菌数の増加及び菌体安定性の賦与に必要であることが示された。
[実施例4]<有機酸産生能の評価>
高密度液体培養における有機酸産生能を以下の方法で評価した。
(方法)乳酸桿菌としてLactobacillus rhamnosus GG (ATCC53103)を使用し、1%軽質炭酸カルシウムを添加したMRS培地において30℃・24h静置培養して得られた前々培養液の0.15mlを種菌として実施例1に記載した組成の高密度液体培地15mlに接種し、30℃・24h静置培養して前培養を行った。得られた前培養液の0.15mlを同じ組成の高密度液体培地15mlに接種し、30℃24h静置培養および速度160rpmで振盪培養を行い、それぞれを本培養とした。一方、対照例は、1%軽質炭酸カルシウムを添加したMRS培地に上記の菌株を接種し、27℃・24h静置培養して得られた前培養液の0.15mlをMRS液体培地15mlに接種し、30℃・24h静置培養および速度160rpmで振盪培養を行い、それぞれを本培養とした。各本培養液の経時的なpH、濁度(A)、到達菌数、有機酸濃度、有機酸濃度の変化度、および有機酸産生能を表11に示した。なお、ΔAは、培養液の濁度と滅菌培地の濁度との差を表す。
Figure 0006302054
表11に示すように、培養液pHは、初発pHに比して培養時間の経過とともにいずれも低下し、高密度液体培地においては高濃度の有機酸が産生されていたにもかかわらず、MRS液体培地よりも高い数値を維持した。培養液の有機酸濃度は、乳酸が双方の培地いずれも経時的に増加した。その増加量は静置培養よりも振盪培養の方が大きく、またMRS液体培地よりも高密度液体培地の方が数倍高かった。また、高密度液体培地においては乳酸だけでなく酢酸の生成も確認された。L. rhamnosus GG (ATCC53103)は、乳酸発酵で産生される有機酸が乳酸のみの‘ホモ乳酸発酵’する菌株として公知であるが、高密度液体培養における菌体の性質を改変する効果により、乳酸生成経路の前駆体の一部が酢酸へ転換する経路が新たに発動したものと想定された。一方、有機酸産生能(培養液の濁度増加量あたりの有機酸産生量(μmol))は、MRS液体培地に比べて高密度液体培地の方が低い傾向であり、特に振盪培養時に顕著であった。この様な乳酸産生能の抑制は、高密度液体培養に固有な特徴の一つと想定された。なぜなら、乳酸菌の乳酸発酵経路は‘最終産物阻害’機構で制御されている為、培養中の乳酸産生量を減らした方が当該機構は作動し難くなり、より高い到達菌数が得られると推察されたからである。
Figure 0006302054
[実施例5]<高密度液体培養によって得られた菌体の凍結乾燥>
表12は、高密度液体培養により種々のストレス刺激が菌体に負荷される環境下での培養が菌体の高密度化だけでなく耐熱性の賦与や凍結乾燥歩留を向上させることを示したものである。
(方法)L.plantarum NRIC146を、MRS培地、および高密度液体培地にてそれぞれで前培養(培地液量16ml、いずれも30℃・振盪速度165rpm・培養時間24hの培養条件に設定)を行った。得られた前培養液の1.6mlをそれぞれの液体培地(液量160ml)に接種して本培養(いずれも前培養と同じ培養条件に設定)を行った。本培養の菌数は、MRS培地で12×10cfu/mlにとどまったのに対し、高密度液体培地では170×10cfu/mlと凌駕した。両培地における濁度の高低に比べて、菌数の高低の方が大きく相違していたことを鑑み、対照のMRS液体培地では振盪培養した為に自己菌体損傷が著しかった状況が想定された。このことは、本培養液の菌体の耐熱性が、高密度液体培地の88%に比して、MRS培地で検出限界以下であったことからも示唆された。凍結乾燥後の菌数歩留は、MRS液体培地が9.2%であったのに対し、高密度液体培地が57%であった。更に、凍結乾燥菌体の耐熱性は、本培養液とほぼ同様であったことを鑑み、凍結乾燥処理における菌体損傷に対する抵抗性に優れ、十分な耐熱性の賦与された乾燥菌体を調製することができた。
Figure 0006302054
[実施例6]<豆乳における乳酸発酵の評価〜低温増殖能の賦与>
実施例5で得られたLactobacillus plantarum NRIC146の凍結乾燥菌体をスターターカルチャーとして市販の成分無調整豆乳に14x10cfu/mlの菌体密度になるように接種し、4℃および10℃に静置して乳酸発酵を行わせ、pHと乳酸濃度の変化を継時的に評価した。得られた結果を表13に示すとともにそのグラフを図2及び図3に示した。この表及びグラフからも明らかなように、高密度液体培養で得られた凍結乾燥菌体は対照のMRS液体培地で得られた凍結乾燥菌体に比べて低温域においても速やかに乳酸発酵を行い、豆乳を固化した外(豆乳中の大豆蛋白質の等電点は4.5であり、このpH付近に至ると固化を開始)、発酵の旺盛度合の違いは、より低い温度の4℃においてより一層顕著であった。10℃の温度条件では日数が経過するにつれて両者の相違が僅少化していったが、4℃においては13日間が経過した後でも産生された乳酸量に関してなお倍近い相違が観察された。以上の知見より、高密度液体培養によって低温増殖能が賦与されると結論された。
[実施例7]<温度ストレス負荷による高温増殖能の賦与>
乳酸球菌としてPediococcus acidilactici ATCC25740を用い、高密度液体培養の際に温度ストレスを負荷することにより、高温増殖能が賦与されることを以下の方法で検証した。
(方法)前々培養として、P. acidilactici ATCC25740を軽質炭酸カルシウム1%添加MRS液体培地に接種して37℃20時間静置培養した。得られた前々培養液0.15mlを表14に示した高密度液体培地(9%Glc)及び高密度液体培地(9%C-Mix)の各15mlに接種し、37℃160rpmで22h振盪培養を行い、前培養とした。対照として、MRS液体培地15ml及び1%軽質炭酸カルシウム添加MRS液体培地15mlに前々培養液0.15mlを接種し、前者を37℃22h静置培養、後者を37℃160rpmで22h振盪培養を行い、前培養とした。更に、各前培養液0.15mlを表14に示した高密度液体培地(7%Glc)及び高密度液体培地(7%C-Mix)の各15mlに接種し、42℃200rpmで22h振盪培養を行い、本培養とした。対照の各々の前培養液は、それぞれ同じ組成の液体培地15mlに0.15mlを接種し、MRS液体培地では42℃22h静置培養、1%軽質炭酸Ca添加MRS液体培地では42℃200rpmで22h振盪培養を行い、本培養とした。耐熱性は、培養液をリン酸バッファ(pH6.8)で段階希釈して得られた菌液に対して、57℃・15分処理した後の生残率(%)として評価した。電気伝導度は、培地あるいは培養液を脱イオン水で10倍希釈した液を東亜ディーケーケー株式会社製マルチ水質計MM-60Rを用いて測定し、得られた数値に希釈倍率10倍を掛け、mS/mの単位で評価した。前培養液及び本培養液に対して得られた結果を表15に示した。高密度液体培養の到達菌数は培養温度を37℃から42℃へ高めることで1.4倍〜1.7倍に増加した。なお、MRS液体培地を用いた静置培養における到達菌数に比して、炭酸カルシウム1%添加MRS液体培地を用いた振盪培養は、37℃及び42℃いずれにおいても約1.5倍高くなったものの、37℃から42℃へ培養温度を高めても到達菌数が増加しなかった。また、57℃耐熱性に関して、MRS液体培地に比べて炭酸カルシウム1%添加MRS液体培地で培養した方が悪化した。高密度液体培地で振盪培養した培養液の57℃耐熱性はいずれも高く、特に凍結融解後に生存した菌体の57℃耐熱性が高く、高密度液体培養によって耐熱性が十分に賦与された。表16に各培養液の有機酸産生量の測定結果を示した。培養液の有機酸濃度は、高密度液体培地では対照に比して、37℃の前培養段階および42℃の本培養段階いずれにおいても高い菌体密度を反映して高かったが、菌体濁度当たりで評価した有機酸産生能は、高密度液体培養の方が対照に比べていずれも抑制されていた。一方、各培養液の洗浄菌体を用い、有機酸生成に関与する酵素群の発達度合の評価を行い、得られた結果を表17及び表18に示した。評価方法は、各培養液から菌体を遠心分離して回収した後、菌体をリン酸バッファー(pH6.8)で一回洗浄し、5%グルコース溶液(Glc)10mlおよび5%D-キシロース溶液(XYL)10mlの各々に濁度0.3になるように添加した。これらを30℃で静置し、pHの変化を継時的に観察した。その結果、37℃の前培養では高密度液体培養と対照の培養との間に大きな変化が観察されなかったが、42℃の本培養では高密度液体培養の菌体を接種した双方の溶液においてpH低下が顕著に促進された変化が見出された。この知見は、高密度液体培養は、42℃の培養温度に高めることで、高温増殖能が賦与され、有機酸生成系の酵素が発達したおかげでATPエネルギーをより容易に獲得できるように性質が改変されたものと推察される。
Figure 0006302054
Figure 0006302054
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Figure 0006302054
Figure 0006302054

Claims (11)

  1. 炭酸塩と胚芽麹と窒素源と炭素源を少なくとも含む混合物で組成される液体培地の製造方法であって、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを混合した炭酸塩と胚芽麹とを混合し、窒素源と炭素源を少なくとも含む他の培地成分とは分離して滅菌処理した後に、別途滅菌処理した他の培地成分と混合することを特徴とする、初発pHが6.0〜7.62である乳酸菌用液体培地の製造方法。
  2. (A)炭酸塩(B)胚芽麹(C)胚芽麹エキス(D)窒素源(E)炭素源を少なくとも含む乳酸菌用液体培地の製造方法であって、(A)炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを混合した炭酸塩(B)胚芽麹との混合物を、(C)胚芽麹エキス(D)窒素源(E)炭素源を少なくとも含む他の培地成分とは分離して滅菌処理した後に、別途滅菌処理した他の培地成分と混合することを特徴とする、初発pHが6.0〜7.62である乳酸菌用液体培地の製造方法。
  3. 前記胚芽麹が、脱脂米胚芽、脱脂小麦胚芽、脱脂コーン胚芽の一種または二種以上で構成した固体培地であることを特徴とする、請求項1または2に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  4. 更に、脂肪酸を含むことを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  5. 前記脂肪酸がオレイン酸を含む動植物性油脂又はその由来成分であることを特徴とする請求項に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  6. 界面活性剤としてのポリソルベート類を更に含むことを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  7. 更に、鉄分を含むことを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  8. 前記鉄分がヘム鉄であることを特徴とする、請求項に記載の乳酸菌用液体培地の製造方法。
  9. 請求項1から請求項のいずれか1に記載の液体培地の製造方法によって得られた液体培地を用いた乳酸菌の培養方法であって、前培養においても前記液体培地を用いることを特徴とする乳酸菌の培養方法。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1に記載の液体培地の製造方法により得られた液体培地を用いた乳酸菌の培養方法であって、多段階の培養工程の各々において前記液体培地を用いることを特徴とする乳酸菌の培養方法。
  11. 請求項1から請求項のいずれか1に記載の液体培地の製造方法により得られた液体培地を用いた乳酸菌の培養方法であって、多段階の培養工程のいずれか一工程において前記液体培地を用いることを特徴とする乳酸菌の培養方法。
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