JP6301666B2 - 繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
カーボン繊維は軽量で且つ高剛性を有するため繊維強化樹脂成形品の強化用繊維として用いられている。このような繊維強化樹脂成形品は射出成形で製造することができるが、カーボン繊維を含有する樹脂ペレットの混練時や成形時にそのカーボン繊維が折損することが知られている。この折損により、得られる繊維強化樹脂成形品の物性(強度、弾性、導電性等)が低くなる。
これに対して、特許文献1には、混練や成形等の製造過程におけるカーボン繊維の折損を抑制するために、特定の結晶サイズを有する特定の結晶構造の柔軟性を有するカーボン繊維を用いることが記載されている。また、同文献には、必要に応じて、カーボン繊維に加えてガラス繊維をペレットに加えてもよいことが記載されている。但し、カーボン繊維に対するガラス繊維の添加割合については記載されていない。
特開2010−77407号公報
本発明者は、繊維強化樹脂成形材料(ペレット)の射出成形過程における繊維の折損状況を分析した。その結果、射出成形機における成形材料を下流側に移送する供給部、成形材料を圧縮し可塑化する圧縮部、及び成形材料を混練し計量する計量部において、強化繊維の折損が大きく進むこと、つまり、スクリューによる成形材料のせん断が強化繊維の折損の主たる原因であることを確認した。また、カーボン繊維の折損を成形材料面から実験・検討すると、カーボン繊維の折損の抑制にガラス繊維の添加が有効であることを見いだした。
そこで、本発明は、特許文献1に記載の発明のようなカーボン繊維自体の機械的性質の面からその折損に対策するのではなく、原料配合及び射出成形過程におけるせん断という面からカーボン繊維の折損に対策することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、成形材料におけるカーボン繊維とガラス繊維の配合を特定の配合にするとともに、射出成形機に低せん断型スクリューを採用するようにした。
ここに提示する繊維強化樹脂成形品の製造方法は、カーボン繊維を含有するカーボン繊維樹脂ペレットと、ガラス繊維を含有するガラス繊維樹脂ペレットとを含む成形材料を用い、射出成形によって繊維強化樹脂成形品を得る方法であって、
上記成形材料における上記カーボン繊維の含有率を1質量%以上4質量%以下とし、
上記成形材料における上記ガラス繊維の含有率を30質量%以上50質量%以下とし、
上記射出成形に、圧縮比が1.6以上1.8以下であり、供給部の溝深さが上記樹脂ペレットのいずれのペレット長さよりも大きいシングルフライトの低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用いることを特徴とする。
実験によれば、上記カーボン繊維及びガラス繊維の配合であるとき、上記低せん断型スクリューの採用により、カーボン繊維の折損抑制効果が高くなった。これは次のように考えられる。
1)カーボン繊維の配合量を抑えたことによって、カーボン繊維の凝集(束化)が防止され、そのことが折損抑制に効いた。
2)カーボン繊維の配合量を抑えたことによって、スクリューから成形材料にせん断力が作用するときの成形材料中でのカーボン繊維の逃げ場が相対的に広がり、カーボン繊維がダメージを受けにくくなった。
3)ガラス繊維の配合量が多いことにより、ガラス繊維間にカーボン繊維をせん断から守る空間ができ、ガラス繊維によってカーボン繊維の折損が抑えられた。
4)低せん断型スクリューの採用による以下の5)から7)の効果により、上記3)のガラス繊維がカーボン繊維をせん断から保護する構造が崩れ難くなった。
5)圧縮比を小さくしたことにより、圧縮部で成形材料に加わるせん断力が小さくなり、カーボン繊維及びガラス繊維が受けるダメージが少なくなった。
6)供給部の溝深さを大きくしたことにより、樹脂ペレットがスクリューに食い込む際のカーボン繊維及びガラス繊維の折損が抑制された。
7)シングルフライトの採用により、カーボン繊維及びガラス繊維に大きな力が加わる成形材料のフライト乗越えが少なくなり、また、狭いフライト間での成形材料のせん断が抑制され、その結果、カーボン繊維及びガラス繊維の折損が抑制された。
上記1)から3)の観点から、上記ガラス繊維の含有率を40質量%以上50質量%以下とすることがさらに好ましい。
供給部の溝深さは、例えば、成形材料に長繊維強化樹脂ペレットを採用する場合は20mm以上とし、成形材料に短繊維強化樹脂ペレットを採用する場合は3mm以上とし、成形材料に長繊維と短繊維の中間長さの中間繊維を含有する樹脂ペレットを採用する場合は10mm以上とすればよい。
また、上記カーボン繊維樹脂ペレット及びガラス繊維樹脂ペレットのマトリックス樹脂はいずれも、MFR(温度230℃,荷重2.16kg)が9g/10分以上45g/10分未満であるPPであることが好ましい。これにより、カーボン繊維及びガラス繊維の折損抑制に有利になる。
また、上記スクリューの長さLと径Dの比L/Dを22以上とすること、すなわち、供給部を長くすることが好ましい。これにより、カーボン繊維及びガラス繊維の折損を抑制しながら、樹脂ペレットの可塑化及び解繊性を向上させることができる。
また、上記射出成形機の逆流防止リングは上記スクリューと共に回転する共回り型であることが好ましい。これにより、スクリューヘッドと逆流防止リングとの間で成形材料に強いせん断力が加わることが防止され、カーボン繊維及びガラス繊維の折損防止に有利になる。
以上のように、本発明によれば、カーボン繊維樹脂ペレットとガラス繊維樹脂ペレットとを含む成形材料を用い、射出成形によって繊維強化樹脂成形品を得る方法において、カーボン繊維の配合量を1質量%以上4質量%以下とし、ガラス繊維の配合量を30質量%以上50質量%以下とし、上記射出成形に、圧縮比が1.6以上1.8以下であり、供給部の溝深さが上記樹脂ペレットのいずれのペレット長さよりも大きいシングルフライトの低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用いるようにしたから、繊維強化樹脂成形品の製造過程におけるカーボン繊維の折損が抑制され、該繊維強化樹脂成形品の物性の向上に有利になる。
本発明の実施形態に係る射出成形機を示す断面図である。 同射出成形機のスクリューの供給部を拡大して示す側面図である。 同射出成形機の逆流防止リング部分を拡大して示す断面図である。 カーボン繊維含有率4%でのガラス繊維の有無及びスクリューのタイプがカーボン繊維の折損に及ぼす影響を示すグラフ図である。 カーボン繊維含有率9%でのガラス繊維の有無及びスクリューのタイプがカーボン繊維の折損に及ぼす影響を示すグラフ図である。 ガラス繊維含有率を40%に固定しカーボン繊維含有率を変化させてときのカーボン繊維の折損に及ぼす影響を示すグラフ図である。 カーボン繊維含有率を4%に固定しガラス繊維含有率を変化させてときのカーボン繊維の折損に及ぼす影響を示すグラフ図である。 カーボン繊維が多数のガラス繊維で囲まれている状態(A)及び少数のガラス繊維で囲まれている状態(B)を示す模式図である。 カーボン繊維が多数のガラス繊維で囲まれている構造の低せん断成形時の状態(A)と高せん断成形時の状態(B)を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<射出成形機>
図1に示す射出成形機において、1は加熱シリンダ、2は加熱シリンダ1内に回転可能にかつ進退自在に配置された低せん断型スクリューである。射出成形機は、図示は省略しているが、スクリュー2を回転駆動する油圧モータ及びスクリュー2を進退駆動する射出シリンダを備えている。
加熱シリンダ1の基端側には成形材料を投入するホッパ3が設けられ、加熱シリンダ1の先端には射出ノズル4が設けられている。加熱シリンダ1の外周には外部ヒータ5としてのバンドヒータが巻かれている。射出ノズル4は繊維強化樹脂成形品を成形する金型6のランナー7に接続されている。金型6はランナー7を有する固定型6aと可動型6bとによって構成されている。固定型6aと可動型6bによってキャビティ8が形成されている。
スクリュー2は、スクリュー本体11と、スクリュー本体11の先端に結合されたスクリューヘッド12とを備えている。スクリュー本体11は、フライト13が1条で形成されているシングルフライト型である。スクリュー本体11の長さ(材料供給口13からスクリュー先端までの長さ)Lとスクリュー本体11の直径Dの比L/Dは22以上である。L/D比の上限は例えば30程度とすればよい。
スクリュー本体11は、基端側(上流側)から先端側(下流側)に向かって順に供給部14、圧縮部15及び計量部16を備えている。供給部14は、直径Dの10倍以上15倍以下の長さを有する。図2に示すように、供給部14のスクリュー溝深さ(フライト13の高さ)dは供給部14の全長にわたって一定であり、その溝深さdは成形材料17のいずれのペレット長さよりも大きい。ホッパ3から供給部14に供給された成形材料17は、外部ヒータ5の熱を受けて軟化しながら、スクリュー2の回転によって、フライト13で区切られた空間内を圧縮部15に向かって送られる。
圧縮部15はスクリュー溝深さが漸減する区間である。成形材料17は、圧縮部15において、スクリュー2の回転によって圧縮されて大きなせん断力と熱を受けて可塑化して溶融し、溶融樹脂として計量部16に送られる。計量部16は、溶融樹脂をスクリュー2の前方の樹脂溜め部に貯えられるように、スクリュー溝深さが小さく形成されている。
スクリュー2の圧縮比(供給部14と計量部16の溝部の1ピッチ当たりの体積の比)は1.6以上1.8以下である。
図3に示すように、スクリューヘッド12の背部には共回り構造の逆流防止リング18が設けられている。逆流防止リング18は、スクリュー本体11とスクリューヘッド12とを結合する結合軸19に隙間を存して進退自在に嵌められている。スクリューヘッド12の基端部外周には、当該ヘッド12の基端面に開口した溝21が周方向に間隔をおいて形成されており、この溝21に逆流防止リング18より前方に突出した突起22が係合している。この係合により、逆流防止リング18は、スクリュー2と共に回転するようになっている。
<繊維強化樹脂成形品の成形>
−成形材料について−
繊維強化樹脂成形品の成形においては、成形材料17として、ペレット長さ方向に延びるカーボン繊維束に樹脂を含浸してなるカーボン繊維樹脂ペレット、ペレット長さ方向に延びるガラス繊維束に樹脂を含浸してなるガラス繊維樹脂ペレット、強化用繊維を含有しない希釈用樹脂ペレットを用いる。
上記カーボン繊維樹脂ペレット及びガラス繊維樹脂ペレット各々のマトリックス樹脂、並びに希釈用樹脂ペレットには、MFR(温度230℃,荷重2.16kg)が9g/10分以上45g/10分未満であるPP(ポリプロピレン)を採用することが好ましい。
上記カーボン繊維樹脂ペレット、ガラス繊維樹脂ペレット及び希釈用樹脂ペレットは、当該成形材料17の全量におけるカーボン繊維の含有率が1質量%以上7質量%以下となり、同じくガラス繊維の含有率が30質量%以上50質量%以下となるように混合してホッパ3に投入する。
−ガラス繊維の有無及び射出成形機のスクリューのタイプがカーボン繊維の折損に及ぼす影響−
上記カーボン繊維樹脂ペレット、ガラス繊維樹脂ペレット及び希釈用樹脂ペレットによって、カーボン繊維含有率及びガラス繊維含有率が異なる4種類の成形材料を調製した。つまり、カーボン繊維含有率4%×ガラス繊維含有率40%、カーボン繊維含有率4%×ガラス繊維含有率0%、カーボン繊維含有率9%×ガラス繊維含有率40%、カーボン繊維含有率9%×ガラス繊維含有率0%の4種類である。
カーボン繊維樹脂ペレットとしては、カーボン長繊維/PP=30/70質量比の東レ社製TLP8169を用い、ガラス繊維樹脂ペレットとしては、ガラス長繊維/PP=57/43質量比の日本ポリプロ社製LR26Yを用い、希釈用樹脂ペレットとしては、日本ポリプロ社製BC06Cを採用した。それら樹脂ペレットの物性を表1に示す。
Figure 0006301666
上記4種類の成形材料について、低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用いたとき、並びに、通常スクリューを備えた射出成形機を用いたときの、得られた繊維強化樹脂成形品のカーボン繊維の長さを測定した。使用した低せん断型スクリュー及び通常スクリューの諸元は表2に示すとおりである。なお、表2の逆流防止リングの流路とは、図3の例でいえば、逆流防止リング18とスクリューヘッド12との間に形成された流路20の断面積を意味する。
Figure 0006301666
低せん断型スクリュー及び通常スクリューのいずれを採用した射出成形においても、加熱シリンダ温度は280℃、金型温度は40℃、射出圧は140MPa、射出速度は80mm/s、背圧は6MPa、保圧は50MPa、計量ストロークは95mm、回転速度は50rpmとした。カーボン繊維長さの測定結果を表3、図4及び図5に示す。図4はカーボン繊維含有率を4%とした例1〜例4の結果を示し、図5はカーボン繊維含有率を9%とした例5〜例8の結果を示す。図4及び図5において、「GF40%」及び「GF0%」はそれぞれガラス繊維含有率を表す。
Figure 0006301666
図4(カーボン繊維含有率4%)によれば、通常スクリューを用いたときの繊維強化樹脂成形品のカーボン繊維長さはガラス繊維(GF)の有無で大差ない。一方、低せん断型スクリューを用いたときは、ガラス繊維(GF)の有無によって得られる繊維強化樹脂成形品のカーボン繊維長さが大きく異なる。ガラス繊維含有率40%のときのカーボン繊維長さは、ガラス繊維含有率0%のときのカーボン繊維長さよりも長く、且つ通常スクリューを用いたときのカーボン繊維長さよりも長い。つまり、低せん断型スクリューを用いた場合は、ガラス繊維含有率を40%にすると、カーボン繊維の折損が抑制されるという結果になっている。
図5(カーボン繊維含有率9%)によれば、低せん断型スクリューを用いた方が通常スクリューを用いた場合よりもカーボン繊維長さが長くなっているが、ガラス繊維含有率を40%としても、カーボン繊維含有率4%のケース(図4)のようなカーボン繊維の折損抑制効果は認められない。
以上から、低せん断型スクリューを用いると、カーボン繊維の折損が抑制されること、そして、カーボン繊維含有率とガラス繊維含有率がカーボン繊維の折損抑制に関わっていることがわかる。
−カーボン繊維含有率及びガラス繊維含有率がカーボン繊維の折損に及ぼす影響−
表2に示す低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用い、成形材料のガラス繊維含有率を40%に固定してカーボン繊維含有率を変化させたときの、繊維強化樹脂成形品のカーボン繊維長さ及びガラス繊維長さを調べた。但し、ガラス繊維樹脂ペレットには日本ポリプロ社製BC06Cを採用し、カーボン繊維樹脂ペレットとしては、ダイセル社製プラストロンPP−CF40を採用した。
結果を図6に示す。同図によれば、カーボン繊維含有率が変わっても、ガラス繊維長さはあまり変わらない。一方、カーボン繊維長さをみると、カーボン繊維含有率が8%になるまでは該含有率が高くなるほどカーボン繊維長さが短くなる傾向が見られる。
表2に示す低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用い、成形材料のカーボン繊維含有率を4%に固定してガラス繊維含有率を変化させたときのカーボン繊維長さを調べた。但し、ガラス繊維樹脂ペレットには日本ポリプロ社製BC06Cを採用し、カーボン繊維樹脂ペレットとしては、ダイセル社製プラストロンPP−CF40を採用した。結果を図7に示す。同図によれば、ガラス繊維含有率が40%になるまでは該含有率が高くなるほどカーボン繊維長さが長くなる傾向が見られる。
−考察−
図4乃至図7の結果は次のことを意味していると考えられる。まず、成形材料がスクリューによる供給、圧縮及び計量の各過程でせん断力を受けることに伴ってカーボン繊維にも力が加わる。図8(A)に示すように、カーボン繊維23の周りにガラス繊維24が多数存在するときは(図4,図6、図7のカーボン繊維含有率4%×ガラス繊維含有率40%のケース)、ガラス繊維24によってカーボン繊維23をせん断から守る空間ができる。つまり、ガラス繊維24によってカーボン繊維23の折損が抑制される。
しかし、図8(B)に示すように、カーボン繊維23の周りのガラス繊維24の本数が少ないとき(図7のカーボン繊維含有率4%×ガラス繊維含有率20%のケース)は、カーボン繊維23をせん断から守る空間がガラス繊維24によって十分に形成されない。そのため、カーボン繊維23が折損し易い。
図9(A)に示すように、射出成形機が成形材料に与えるせん断力が小さいとき(低せん断型スクリューを採用したとき)は、ガラス繊維24がカーボン繊維23をせん断から守る構造が大きく崩れないため、カーボン繊維23の折損が少なくなる。しかし、図9(B)に示すように、上記せん断力が大きいとき(通常スクリューを採用したとき)は、ガラス繊維24がカーボン繊維24をせん断から守る構造が崩れ易く、そのため、カーボン繊維23が折損し易くなる。
ここに、低せん断型スクリュー採用の効果は次のとおりである。シングルフライト13の採用により、カーボン繊維及びガラス繊維に大きな力が加わる成形材料のフライト乗越えが少なくなる。また、狭いフライト間でカーボン繊維及びガラス繊維に大きな力が加わることが防止される。圧縮比を小さくしたことにより、圧縮部で成形材料に加わるせん断力が小さくなり、カーボン繊維及びガラス繊維が受けるダメージが少なくなる。供給部14の溝深さdを大きくしたことにより、樹脂ペレットがスクリューに食い込む際のカーボン繊維及びガラス繊維の折損が抑制される。解繊を促進するミキシングヘッドがないため、カーボン繊維及びガラス繊維に強いダメージを与えることがない。L/D比が大きいため(供給部14が長いため)、カーボン繊維及びガラス繊維に強いダメージを与えることなく解繊が進む。逆流防止リング18がスクリューに共回りするため、カーボン繊維及びガラス繊維がスクリューヘッド12と逆流防止リング18の間の流路を通過するときに受けるダメージが小さくなる。スクリューヘッド12と逆流防止リング18の間の流路を拡大したため、該流路を成形材料が通過し易くなり、カーボン繊維及びガラス繊維が受けるダメージが小さくなる。
また、図6から、カーボン繊維の折損を抑制するためには、カーボン繊維含有率を1質量%以上4質量%以下にすることが好ましいことがわかる。図7から、カーボン繊維の折損を抑制するためには、ガラス繊維含有率を30質量%以上50質量%以下とすること、さらには40質量%以上50質量%以下にすることが好ましいことがわかる。
1 加熱シリンダ
2 スクリュー
11 スクリュー本体
12 スクリューヘッド
14 供給部
15 圧縮部
16 計量部
17 成形材料
18 逆流防止リング
23 カーボン繊維
24 ガラス繊維

Claims (5)

  1. カーボン繊維を含有するカーボン繊維樹脂ペレットと、ガラス繊維を含有するガラス繊維樹脂ペレットとを含む成形材料を用いた射出成形による繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、
    上記成形材料における上記カーボン繊維の含有率を1質量%以上4質量%以下とし、
    上記成形材料における上記ガラス繊維の含有率を30質量%以上50質量%以下とし、
    上記射出成形に、圧縮比が1.6以上1.8以下であり、供給部の溝深さが上記樹脂ペレットのいずれのペレット長さよりも大きいシングルフライトの低せん断型スクリューを備えた射出成形機を用いることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  2. 請求項1において、
    上記ガラス繊維の含有率を40質量%以上50質量%以下とすることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記カーボン繊維樹脂ペレット及びガラス繊維樹脂ペレットのマトリックス樹脂はいずれも、温度230℃及び荷重2.16kgの条件で測定したMFRが9g/10分以上45g/10分未満であるPPであることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    上記スクリューの長さLと径Dの比L/Dが22以上であることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    上記射出成形機の逆流防止リングが上記スクリューと共に回転する共回り型であることを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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