JP6300930B2 - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、より薄い厚さおよび大面積を有し、欠陥発生が減少したグラフェンを単純化された工程で製造することができるグラフェンの製造方法に関する。
一般にグラフェンは、炭素原子が2次元上でsp2結合による6角形状で連結された配列をなしながら炭素原子層に対応する厚さを有する半金属性物質である。最近、一層の炭素原子層を有するグラフェンシートの特性を評価した結果、電子の移動度が約50,000cm2/Vs以上で、非常に優れた電気伝導度を示すことができることが報告されている。
また、グラフェンは、構造的、化学的安定性および優れた熱伝導度の特徴を有している。しかも、相対的に軽い元素である炭素だけからなり、1次元あるいは2次元ナノパターンを加工することが容易である。何よりも前記グラフェンシートは、安価の材料として従来のナノ材料と比較する場合、優れた価格競争力を有している。
このような電気的、構造的、化学的、経済的特性によりグラフェンは、今後シリコン基盤半導体技術および透明電極を代替できると予測され、特に優秀な機械的物性で柔軟電子素子分野に応用が可能であると期待される。
このようなグラフェンの多くの長所および優れた特性により、グラファイトなど炭素系素材からグラフェンをより効果的に量産できる多様な方法が提案または研究されてきた。特に、グラフェンの優れた特性がより劇的に発現するように、欠陥の発生が小さいながらも、より薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンシートまたはフレークをより単純化された工程で製造できる方法に関する研究が多様に行われてきた。このような従来のグラフェン製造方法には次のようなものがある。
まず、テープを使用するなど物理的な方法でグラファイトからグラフェンシートを剥離する方法が知られている。しかし、このような方法は、量産に不適であり、剥離収率が非常に低い。
また、グラファイトを酸化するなどの化学的な方法で剥離したり、グラファイトの炭素層間に酸、塩基、メタルなどを挿入してインターカレーション化合物(intercalation compound)から剥離させたグラフェンまたはその酸化物を得る方法が知られている。しかし、前者の方法は、グラファイトを酸化して剥離を行い、これから得られたグラフェン酸化物を再び還元してグラフェンを得る過程で、最終製造されたグラフェン上に多数の欠陥が発生することがある。これは最終製造されたグラフェンの特性に悪影響を及ぼすおそれがある。そして、後者の方法も、インターカレーション化合物を使用および処理するなどの工程が追加的に必要であるため、全体的な工程が複雑になり、収率が不充分であり、工程の経済性が落ちるおそれがある。ひいては、このような方法では大面積のグラフェンシートまたはフレークを得るのが容易でない。
このような方法の問題点により、最近はグラファイトなどを液状分散させた状態で、超音波照射またはボールミルなどを使用したミリング方法でグラファイトに含まれている炭素層を剥離してグラフェンを製造する方法が最も多く適用されている。しかし、このような方法も十分に薄い厚さを有するグラフェンを得るのが難しかったり、剥離過程でグラフェン上に多くの欠陥が発生したり、剥離収率が不充分であり、量産性が不充分であるなどの問題点があった。
付加して、高速均質器など均質器を使用して前記グラファイトなどを剥離してグラフェンを製造する方法も提案されたことがある。しかし、このような従来の方法では、主にグラファイトなど原料を酸化したり、高温熱処理および破砕してグラファイトウォームまたは酸化グラファイトなどを形成した後、これを剥離してグラフェンを製造することが一般的であった。しかし、このような高温熱処理および破砕工程中に原料物質に多数の欠陥が発生して最終製造されたグラフェンの熱的、電気的または機械的物性が大きく低下するという短所があった。また、前記高温熱処理および破砕工程などの進行必要性により、全体的な工程が複雑になり、十分に大きい面積を有するグラフェンを製造しにくくなるなどの短所も存在した。
しかも、前記酸化グラファイトを剥離する場合、剥離された結果物が欠陥および酸素を含む酸化グラフェンで得られることによって、一般的なグラフェンに比べて電気伝導度が落ちるようになる。これを解決するために、グラフェンを得るためには追加的に酸化グラフェンの還元工程などが必要となる。その結果、全体的な工程がより複雑になるだけでなく、還元後にも酸化前の物性で完全に復元されない短所があった。
これによって、より薄い厚さおよび大面積を有し、欠陥の発生が減少して優れた特性を維持するグラフェンを単純化された工程で製造できるグラフェンの製造方法が継続して要求されている。
韓国特許出願第10−2013−0091625号(2013年8月1日) 韓国公開特許公報第2013−0004638号
本発明の目的は、より薄い厚さおよび大面積を有し、欠陥発生が減少したグラフェンを単純化された工程で製造することができるグラフェンの製造方法を提供することにある。
本発明は、非酸化グラファイトを含む炭素系素材および分散剤を含む分散液を形成する段階と、前記分散液を連続的に、流入部と、流出部と、流入部と流出部間を連結し、マイクロメータースケールの直径を有する微細流路を含む高圧均質器(High Pressure Homogenizer)に通過させる段階と、を含み、前記炭素系素材は、せん断力の印加下に前記微細流路を通過しながら剥離されてナノスケールの厚さを有するグラフェン(graphene)で形成されるグラフェンの製造方法を提供する。
このようなグラフェンの製造方法で、前記非酸化グラファイトは、燃焼による元素分析法(elemental analysis measurement by combustion)またはXPS分析法(X−ray photoelectron spectrometry analysis)で測定された酸素対炭素の元素比(O/C atomic ratio)が約5%以下、あるいは約0乃至5%、あるいは約0.001乃至3%であるグラファイトになることができる。
そして、前記グラフェンの製造方法で、前記原料として使用される非酸化グラファイトは、板状黒鉛になることが適切である。
また、前記グラフェンの製造方法で、前記分散液は、水溶媒または極性有機溶媒内に前記炭素系素材と分散剤が溶解または分散した分散液になることができる。
そして、前記分散剤は、多様な分散剤になることができるが、より適切には、複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物であって、分子量約300乃至1000のポリ芳香族炭化水素酸化物を約60重量%以上の含有量で含む混合物を含むものになることができる。このような分散剤は、これに含まれている複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物を元素分析した時、酸素含有量が全体元素含有量の約12乃至50重量%であるものになることができる。
また、前記分散剤に含まれているポリ芳香族炭化水素酸化物は、5乃至30個、あるいは7乃至20個のベンゼン環が含まれている芳香族炭化水素に酸素含有作用基が一つ以上結合された構造を有することができる。
一方、前述したグラフェンの製造方法で、前記高圧均質器の微細流路は、約10乃至800μmの直径を有することができる。また、前記分散液は、約100乃至3000barの圧力印加下に前記高圧均質器の流入部に流入して微細流路を通過しながら剥離されてグラフェンで製造され得る。
前述した方法で製造されたグラフェンフレークは、約0.3乃至50nm、あるいは約0.3乃至30nmの厚さを有することができ、約0.1乃至10μm、あるいは約0.1乃至5μmの直径を有することができ、約50乃至6000、あるいは約50乃至1000の直径/厚さ比を有することができる。
前述したグラフェンの製造方法は、前記グラフェンフレークの分散液からグラフェンフレークを回収および乾燥する段階をさらに含むことができる。この時、前記回収段階は、遠心分離、減圧濾過または加圧濾過で行われてもよく、前記乾燥段階は、約30乃至200℃の温度下に真空乾燥して行われてもよい。
本発明によれば、分散剤の使用および高圧均質器の使用により、原料である非酸化グラファイトをより均一に分散させた状態でその剥離方法を最適化してグラフェンを製造することができる。
したがって、本発明によれば、従来適用された剥離工程の前処理工程、例えば、グラファイトウォームの形成のための高温熱処理および破砕工程や、酸化グラファイトの形成のための酸化工程などを省略することができ、これは前記原料として板状黒鉛を使用してより目立つことができる。したがって、前記高温熱処理および破砕工程または酸化工程などの過程で多数の欠陥が発生することを抑制することができ、前記酸化および再還元工程によりグラフェンの製造工程が複雑になることを防止し、グラフェンの製造工程を非常に単純化することができる。また、本発明によれば、より薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンフレークなどが高い収率で容易に製造され得る。
一実施形態のグラフェンの製造方法で使用可能な高圧均質器の原理を示す概略的な模式図である。 製造例の分散剤の製造のために使用されるpitchの分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析して示した図面である(分子量400乃至500領域の拡大図)。 製造例の分散剤の製造のために使用されるpitchの分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析して示した図面である(分子量400乃至500領域の拡大図)。 製造例1で得られた分散剤の分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析して示した図面である(分子量400乃至500領域の拡大図)。 製造例1で得られた分散剤の分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析して示した図面である(分子量400乃至500領域の拡大図)。 pitchおよび製造例1の分散剤をそれぞれ13C CPMAS NMRで分析し、その分析結果を示した図面である。 pitchおよび製造例1の分散剤をそれぞれFT−IRで分析し、その分析結果を示した図面である。 製造例2乃至4でそれぞれ得られた分散剤の分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析し、その分析結果を比較して示した図面である。 実施例のグラフェンフレーク製造のために原料として使用されたグラファイトの電子顕微鏡写真(a)と、実施例1で製造されたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真(b)および(c)を示す。 実施例1のグラフェンフレークの直径および厚さを測定するためのTEM分析結果(a)および(b)と、AFM分析結果(c)および(d)をそれぞれ示す。 実施例3で製造されたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示す。 実施例4で製造されたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示す。 比較例1で製造されたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示す。 実施例1のグラフェンフレークのラマンスペクトルを示す。 比較例2の酸化グラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示す。 比較例2の酸化グラフェンフレークの元素分析した結果を示す。 比較例2の酸化グラフェンフレークのラマンスペクトルを示す。
以下、発明の具体的な実施形態に係るグラフェンの製造方法と、グラフェンの分散組成物などについてより具体的に説明する。
以下の明細書で使用された用語の一部は次のとおり定義され得る。
まず、以下の明細書で、「分散剤」とは、水溶媒、有機溶媒、その他液状の媒質内に他の成分、例えば、板状黒鉛のようなグラファイト、またはグラフェン(フレーク)などの炭素系素材を均一に分散させるための任意の成分を称すことができる。このような「分散剤」および炭素系素材など分散の対象になる他の成分が液状媒質内に分散されている組成物を「分散液」または「分散組成物」と称すことができ、このような「分散液」または「分散組成物」は溶液状、スラリー状またはペースト状などの色々な状態で存在することができる。また、このような「分散液」または「分散組成物」は、以下で説明するグラフェンの製造過程で使用される組成物;二次電池の導電材組成物;各種電池、ディスプレイまたは素子などの製造過程で適用される電極用または伝導性組成物;二次電池などの活物質組成物;各種高分子または樹脂複合体製造用組成物;または色々な電子素材または素子などの製造過程で適用されるインクまたはペースト組成物など多様な用途に使用可能なものであって、その用途が別に制限されず、前記「分散剤」および分散対象成分が液状媒質内に共に含まれてさえいれば、その状態や用途に関係なく前記「分散液」または「分散組成物」の範疇に属すると定義され得る。
また、以下の明細書で、「ポリ芳香族炭化水素」とは、単一化合物構造内に芳香族環、例えば、ベンゼン環が2個以上、あるいは5個以上結合および包含されている芳香族炭化水素化合物を称すことができる。また、「ポリ芳香族炭化水素酸化物」は、前述した「ポリ芳香族炭化水素」が酸化剤と反応を起こしてその化学構造内に酸素含有作用基が一つ以上結合している任意の化合物を称すことができる。この時、前記酸化剤との反応により「ポリ芳香族炭化水素」に導入可能な酸素含有作用基は、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシ基、ニトロ基またはスルホン酸など芳香族環に結合可能であり、作用基中に酸素を一つ以上含む任意の作用基になることができる。
そして、以下の明細書で「炭素系素材」とは、炭素−炭素結合を主に含む任意の素材、例えば、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ、板状黒鉛などのグラファイトまたはその誘導体、カーボンブラック、C60で表されるフラーレン(fullerene)、その他これと類似するフラーレン系素材またはこれらの誘導体などを包括して称すことができる。ただし、このような「炭素系素材」の範疇には、以下で説明する特定の「分散剤」の主成分または主原料になる「ポリ芳香族炭化水素」またはその酸化物は属しないと解釈され得る。
また、以下の明細書で「非酸化グラファイト」とは、別途の酸化処理されていないグラファイトまたは黒鉛、例えば、不定形黒鉛、板状黒鉛または人造黒鉛などを包括して称すことができる。ただし、前記「非酸化グラファイト」は、空気による自然酸化などにより微量の自然発生酸素を含むことができ、このような酸素含有量は、燃焼による元素分析法またはXPS分析法で前記「非酸化グラファイト」を分析した時、酸素対炭素の元素比(O/C atomic ratio)が約5%以下、あるいは約0乃至5%、あるいは約0.001乃至3%であるものになることができる。ただし、このような「非酸化グラファイト」は、別途の酸化処理を経た「酸化グラファイト」(例えば、約20%以上の酸素対炭素の元素比(O/C atomic ratio)を有する)に比べて顕著に低い含有量の酸素を含むことが自明である。
一方、発明の一実施形態によれば、非酸化グラファイトを含む炭素系素材および分散剤を含む分散液を形成する段階と、前記分散液を連続的に、流入部と、流出部と、流入部と流出部の間を連結し、マイクロメータースケールの直径を有する微細流路を含む高圧均質器(High Pressure Homogenizer)に通過させる段階と、を含み、前記炭素系素材は、せん断力の印加下に前記微細流路を通過しながら剥離されてナノスケールの厚さを有するグラフェンで形成されるグラフェンの製造方法が提供される。
一実施形態のグラフェンの製造方法では、剥離前段階での分散剤の使用および剥離段階での高圧均質器の使用により、原料である非酸化グラファイトをより均一に分散させた状態でその剥離方法を最適化してグラフェンを製造することができる。
したがって、一実施形態の製造方法によれば、従来の均質器または超音波照射などを使用した剥離方法で必須的で要求された前処理工程、例えば、グラファイトウォームの形成のためのグラファイトに対する高温熱処理および破砕工程および酸化グラファイトの形成のための別途の酸化工程などを省略することができる。つまり、一実施形態の方法では、前記非酸化グラファイトと分散剤を含む分散液を得た後、連続的にこのような分散液を所定の構造を有する高圧均質器に通過させることによって、別途の前処理工程を経なくても、より薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンを高い収率で製造できることが確認された。
この時、前記分散液を得た後、「連続的に」以降の高圧均質器を利用した剥離工程を行うということは、前記分散液の形成工程と、剥離工程の間に別途の熱処理または破砕工程や酸化工程などが行われないことを称することができ、以下の明細書で特別な他の言及がない限り、同一の意味に解釈され得る。
このように、前記高温熱処理および破砕工程または酸化工程などの前処理工程が省略可能になることによって、このような前処理過程で多数の欠陥が発生するのを抑制することができ、グラフェンの製造工程を非常に単純化することができる。特に、以前に酸化グラファイトを剥離して酸化グラフェンを得た後、これを再還元してグラフェンを得る工程も省略することができるため、優れた電気的特性などを示すグラフェンの製造工程が非常に単純化することができる。
したがって、一実施形態の製造方法によれば、欠陥の発生が最小化され、より薄い厚さおよび大面積を有することによって優れた特性を示すグラフェンを非常に単純化された工程で製造することができる。
付加して、従来の方法では、グラフェンの製造過程中またはその製造後に、剥離されたグラフェンの分散性を追加的に向上させ、多様な用途で適用するための分散液または分散組成物などを形成するための目的で、前記剥離されたグラフェンに分散剤を追加投入し、超音波分散などを追加的に行う必要があった。しかも、このような従来の方法では、前記超音波照射工程などで、前記グラフェンの面方向破砕が起こり得るため、グラフェンの面積がより減少し、その特性も低下するという短所があった。
しかし、一実施形態の方法では、分散剤を含む分散液状態で高圧均質器を使用した剥離工程が行われることによって、剥離工程中にグラフェンの分散が共に行われ得る。したがって、前記分散性向上のための超音波照射などの後工程が不要になり、その過程でグラフェンの面方向破砕も抑制され得るため、より広い面積のグラフェンまたはその分散液を非常に単純化された工程で製造した後、これを多様な用途で好ましく適用することができる。
一方、以下、一実施形態に係るグラフェンの製造方法を各段階別により具体的に説明する。
前述した一実施形態のグラフェンの製造方法では、まず、非酸化グラファイトを含む炭素系素材および分散剤を含む分散液を形成することができる。
この時、前記原料として使用可能な非酸化グラファイトの種類は特に制限されず、別途の工程を通じて酸化または前処理されていないグラファイト、黒鉛またはこれと類似する炭素構造体として、炭素原子層が積層された形態の立体構造を有することによって、高速、高圧、超音波照射またはせん断力などの任意の物理的力により剥離されて一つ以上の炭素原子層を有するグラフェンなどで製造され得る任意の炭素系素材を使用することができる。
したがって、このような非酸化グラファイトのより具体的な例としては、不定形黒鉛、板状黒鉛、または人造黒鉛などが挙げられ、これらの中で選択された2種以上の混合物を前記原料である非酸化グラファイトとして使用することもできる。
より好適には、前記非酸化グラファイトの中でも板状黒鉛を使用することができる。このような板状黒鉛の使用により、その剥離によるグラフェンの形成がより効果的に行われ得る。したがって、グラファイトウォームの形成のための高温熱処理および破砕工程や、酸化グラファイトの形成のための別途の酸化工程などの前処理工程が省略されながらも、高圧均質器により一層効果的に剥離されてより薄い厚さおよび広い面積を有するグラフェンが製造され得る。したがって、これを通じてより優れた特性を有し、欠陥発生が最小化されたグラフェンを良好に製造することができる。
そして、前記分散液は、水溶媒または極性有機溶媒内に、非酸化グラファイトを含む炭素系素材および分散剤が溶解または分散した分散液になることができる。このような分散液では分散剤の作用により、非酸化グラファイトを含む炭素系素材が均一に分散された状態で存在することができるため、このような最適化された分散状態で以降の剥離工程を行ってより薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンフレークが効果的に形成され得る。
そして、前記原料として使用される分散液で、前記水溶媒または極性有機溶媒としては、水、NMP、アセトン、DMF(N,N−dimethylformamide)、DMSO(Dimethyl sulfoxide)、エタノール、イソプロピルアルコール、メタノール、ブタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、THF(tetrahydrofuran)、エチレングリコール、ピリジン、ジメチルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、メチルエチルケトン(ブタノン)、α−テルピネオール、ギ酸、酢酸エチルおよびアクリロニトリルからなる群より選択された1種以上のような任意の水溶媒または極性有機溶媒を使用することができる。
また、前記分散剤としては、タンニン酸(Tanic acid)や、商品名Triton X−100またはPluronics F−127などのように、以前から多様な炭素系素材を極性溶媒に均一に分散させるために使用可能であると知られた任意の物質を使用することができる。ただし、より適合には、複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物として、分子量約300乃至1000のポリ芳香族炭化水素酸化物を約60重量%以上の含有量で含む混合物を含む分散剤を使用することができる。
このような特定の分散剤は、本発明者らが新たに製造して、韓国特許出願第10−2013−0091625号(2013年8月1日)に出願したものであり、次にこれについて具体的に説明する。
石油または石炭など化石燃料の精製過程でクズなどとして排出されるピッチ(pitch)は、アスファルト製造などのために使用される副産物として、多数の芳香族環を有するポリ芳香族炭化水素を複数種含む粘性ある混合物の形態を帯びることができる。しかし、本発明者らの実験結果、このようなピッチなどに対して酸化剤を使用した酸化工程を経るようになると、前記ピッチに含まれているポリ芳香族炭化水素のうち、過度に大きい分子量を有するポリ芳香族炭化水素の少なくとも一部が分解され、比較的に狭い分子量分布を有するポリ芳香族炭化水素の混合物が得られることが確認された。これと共に、各ポリ芳香族炭化水素の芳香族環に一つ以上の酸素含有作用基が導入されながら、ポリ芳香族炭化水素酸化物を複数種含む混合物が得られることが確認された。
具体的に、このような方法で得られるポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物は、MALDI−TOF MSで分析した時、分子量が約300乃至1000、あるいは約300乃至700であるポリ芳香族炭化水素酸化物を約60重量%以上、あるいは約65重量%以上、あるいは約70乃至95重量%で含むことが確認された。このような混合物中に含まれるポリ芳香族炭化水素酸化物の具体的な種類、構造および分布などは、その原料になるピッチの種類やその由来、あるいは酸化剤の種類などにより変わり得る。しかし、少なくとも、前記分散剤に含まれるポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物は、5乃至30個、あるいは7乃至20個のベンゼン環がそれぞれ含まれているポリ芳香族炭化水素に酸素含有作用基が一つ以上導入された構造を有するポリ芳香族炭化水素酸化物を複数種含み、このような混合物中のポリ芳香族炭化水素酸化物は、前述した分子量分布、つまり、分子量約300乃至1000、あるいは約300乃至700の酸化物が全体混合物の約60重量%以上になる分子量分布を有するようになる。
この時、前記酸素含有作用基の種類は、ピッチなどの酸化工程で使用される酸化剤の種類などにより変わり得るが、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシ基、ニトロ基およびスルホン酸からなる群より選択された1種以上になることができる。
前述した構造的特性および分子量分布などを充足するポリ芳香族炭化水素酸化物と、これらの混合物は、芳香族環が集まった疎水性π−ドメインと、前記芳香族環などに結合された酸素含有作用基による親水性領域を同時に有することができる。これらのうち、疎水性π−ドメインは、非酸化グラファイトや、グラフェン(フレーク)など炭素−炭素結合が形成されている炭素系素材の表面とπ−π相互作用することができ、親水性領域は、それぞれの単一の炭素系素材(例えば、それぞれのグラフェンや、グラファイトの各粒子)間の反発力が発現するようにすることができる。その結果、前記ポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物を含む前述した分散剤は、水溶媒や極性有機溶媒など液状媒質内で炭素系素材の分子の間に存在してこのような炭素系素材を均一に分散させることができる。したがって、前記分散剤は、相対的に小さい量が使用されても前記炭素系素材をより高濃度で均一に分散させる優れた分散力を示すことができることが確認された。
しかも、前述した分散剤は、酸素含有作用基などによる親水性領域の存在により、それ自体で水溶性を示すことができるため、環境にやさしい水溶媒内でも前記炭素系素材を均一に分散させることができる。特に、前記分散剤は、環境にやさしい水溶媒だけでなく、多様な極性有機溶媒内で、前記炭素系素材を高濃度で均一に分散させることができる優れた分散力を示すことが確認された。
このような分散剤の優れた分散力により、一実施形態の製造方法で原料である非酸化グラファイトをより均一に高濃度に分散させることができるようになる。したがって、このような最適化された分散状態で原料を剥離することによって、より薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンがより容易に製造され得る。ひいては、前記分散剤は、最終形成されたグラフェン表面に物理的に付着された状態で維持され得るため、一実施形態の方法で製造されたグラフェンがそれ自体で多様な極性溶媒に優れた分散性などを示すようにすることができる。
一方、前述した分散剤は、これに含まれている複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物を元素分析した時、全体混合物に含まれている酸素含有量が全体元素含有量の約12乃至50重量%、あるいは約15乃至45重量%になることができる。このような酸素含有量は、前記ポリ芳香族炭化水素酸化物で酸化工程により酸素含有作用基が導入された程度を反映するものであり、このような酸素含有量の充足により前述した親水性領域が適切な程度に含まれ得る。その結果、前述した一実施形態の方法でこのような分散剤を使用して原料である非酸化グラファイトをより均一に分散させ、これから薄い厚さを有するグラフェンをより効果的に得ることができ、最終製造されたグラフェンの分散性をより向上させることができる。
前記酸素含有量は、前述した混合物に含まれている複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物を元素分析して算出することができる。つまり、前記混合物試料(例えば、約1mg)を、例えば、薄い箔の上で約900℃内外の高温で加熱すれば箔が瞬間的に溶けながらその温度が約1500乃至1800℃まで上昇することができ、このような高温により前記混合物試料から気体が発生してこれを捕集および元素含有量を測定および分析することができる。このような元素分析の結果、前記複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物に含まれている炭素、酸素、水素および窒素の総元素含有量が測定および分析され、このような総元素含有量に対する酸素含有量を求めることができる。
一方、前述した分散剤は、酸化剤の存在下に、分子量約200乃至1500のポリ芳香族炭化水素を含む混合物を酸化する段階を含む方法により製造され得る。
前述したように、石油または石炭など化石燃料の精製過程でクズなどとして排出されるピッチは、ポリ芳香族炭化水素を複数種含み、粘性を帯びたり粉末形態を有する混合物状態になることができる。もちろん、ピッチの原料や由来などにより前記ポリ芳香族炭化水素の具体的種類、構造、組成比または分子量分布などが変わり得るが、前記ピッチは、例えば、5乃至50個の芳香族環、例えば、ベンゼン環が構造中に含まれているポリ芳香族炭化水素を複数種含むことができ、概して分子量約200乃至1500のポリ芳香族炭化水素を含むことができる。例えば、前記分散剤の製造方法で出発物質として使用される分子量約200乃至1500のポリ芳香族炭化水素を含む混合物(例えば、ピッチ)は、このような分子量範囲のポリ芳香族炭化水素を約80重量%以上、あるいは約90重量%以上の含有量で含むことができる。
ところで、このようなピッチなどポリ芳香族炭化水素を含む混合物に対して酸化剤を使用した酸化工程を経るようになると、前記ピッチに含まれているポリ芳香族炭化水素中に過度に大きい分子量を有するポリ芳香族炭化水素が分解され、比較的に狭い分子量分布を有するポリ芳香族炭化水素の混合物が得られる。例えば、約1000、あるいは約700を超える分子量を有するポリ芳香族炭化水素が小さい分子量を有するものに分解され得る。また、これと共に各ポリ芳香族炭化水素の芳香族環に一つ以上の酸素含有作用基が導入されながら、ポリ芳香族炭化水素酸化物を複数種含む混合物、言い換えれば、一実施形態の方法で使用される分散剤が非常に簡単に製造され得る。
このような分散剤の製造方法で、酸化剤は、その種類が特に制限されず、芳香族炭化水素に酸素含有作用基を導入する酸化反応を起こすことができるものであれば特別な制限なしに全て使用することができる。このような酸化剤の具体的な例としては、硝酸(HNO3)、硫酸(H2SO4)、過酸化水素(H22)、硫酸アンモニウムセリウム(IV)(Ammonium cerium(IV) sulfate;(NH44Ce(SO44または硝酸アンモニウムセリウム(IV)(Ammonium cerium(IV) nitrate;(NH42Ce(NO36などが挙げられ、これらの中で選択された2種以上の混合物を使用することもできることはもちろんである。
そして、このような酸化段階は、水溶媒内で、約10乃至110℃の反応温度下に約0.5乃至20時間行われ得る。具体的な例で、硫酸および/または硝酸などの溶液状酸化剤の存在下に、前記ポリ芳香族炭化水素を含む混合物を一定量添加し、常温、例えば、約20℃あるいは80℃で約1乃至12時間前記酸化段階を行うことができる。このような酸化段階の反応温度または時間などを調節することによって、前述した分散剤の特性、例えば、ポリ芳香族炭化水素が酸化される程度などを適切に調節して所望の特性を有する分散剤を製造することができる。
また、前述のように、前記製造方法の出発物質になる分子量約200乃至1500のポリ芳香族炭化水素を含む混合物は、化石燃料またはその産物から得られたピッチ(pitch)に由来することができ、このような原料などの種類により、前記ポリ芳香族炭化水素の種類、構造または分子量分布などは異なるようになり得る。それにもかかわらず、前記ピッチなどに由来する分子量約200乃至1500のポリ芳香族炭化水素を含む混合物に対して酸化工程を行うことによって、炭素系素材に対して優れた分散力を示す前述した分散剤が簡単に製造され得る。
一方、前述した製造方法は、酸化段階後に、その結果物を精製して複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物を得る段階をさらに含むことができ、このような精製段階は、酸化段階の結果物を遠心分離する段階を含んで行われ得る。このような精製段階の進行で、前述した分子量分布などを充足するポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物をより純度高く、かつ適切に得ることができ、これを含む分散剤を使用して一実施形態の方法でグラフェンをより効果的に製造することができる。
一方、一実施形態のグラフェン製造方法で、前記分散液を形成および提供した後には、所定の構造を有する高圧均質器(High Pressure Homogenizer)に前記分散液を連続的に通過させて、分散液に含まれている非酸化グラファイトを剥離することができ、これによってグラフェンを製造することができる。
従来は高速均質器(High Speed Homogenizer)、ボールミル、ビードミルまたは超音波照射器を使用して前記剥離工程を行う方法が知られている。しかし、超音波照射を利用した方法は、均一な厚さおよび大面積を有するグラフェンを得ることが難しかったり、剥離過程でグラフェン上に多くの欠陥が発生したり、剥離収率が不十分になるおそれがある。また、ボールミルやビードミルを使用する方法も、十分に薄い厚さを有するグラフェンを得にくいおそれがあり、剥離収率も充分でないおそれがある。これに加えて、高速均質器など均質器を使用する従来の方法の場合、グラファイトウォームを形成のための高温熱処理および破砕工程や酸化グラファイトの形成のための酸化工程などの進行の必要性があるだけでなく、その過程でグラフェンに多数の欠陥が発生するおそれがあり、量産性も落ちる短所があった。特に、以前には別途の酸化工程、高温熱処理工程または破砕工程などの前処理工程なしに、非酸化グラファイトに対して均質器などで剥離する工程だけを行って、大面積および数個の原子層に準ずる薄い厚さを有するグラフェンが製造され得ることはよく知られていない。
しかし、本発明者らは、前記高圧均質器を使用した一実施形態の方法を適用することによって、非酸化グラファイト状態で連続的に(つまり、別途の前処理工程なしに)剥離を行って、大面積および薄い厚さを有し、欠陥の発生が最小化されたグラフェンを製造できることを最初に確認した。したがって、一実施形態の方法により高圧均質器を使用した剥離工程を行う場合、別途の前処理工程がなくても、より薄くて均一な厚さと、大面積を有し、欠陥が最小化されたグラフェンを容易に量産することができるため、前述した従来の方法の問題点を解決できることが確認された。
図1には、一実施形態のグラフェンの製造方法で使用可能な高圧均質器の原理を示す概略的な模式図が示されている。
図1を参照すると、高圧均質器は、原料の流入部と、グラフェンフレークなど剥離結果物の流出部と、前記流入部と流出部間を連結し、マイクロメータースケールの直径を有する微細流路とを含む構造を有することができる。このような高圧均質器の流入部を通じて、例えば、約100乃至3000barの高圧を印加しながら非酸化グラファイトを含む分散液状態の原料を流入させると、このような原料がミクロン(μm)スケール、例えば、約1mm以下、あるいは10乃至800μmの直径を有する微細流路を通過しながら、このような原料の速度が超音速に加速されながら高いせん断力(shear force)が印加され得る。
このようなせん断力の作用で、共有結合を形成している非酸化グラファイトの基底面(Basal plane)よりはファンデルワールス力により炭素原子が結合している炭素原子層間が容易に剥離されて非常に薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンが効果的に形成され得る。一実施形態の方法では、前述した分散剤との上昇作用で非常に薄い厚さおよび大面積を有するグラフェンを欠陥なしにより単純化された工程で量産することができ
るようになる。
一方、前述した一実施形態のグラフェンの製造方法は、前記グラフェンフレークの分散液からグラフェンフレークを回収および乾燥する段階をさらに含むこともでき、前記回収段階は、遠心分離、減圧濾過または加圧濾過で行われ得る。また、前記乾燥段階は、約30乃至200℃の温度下に真空乾燥して行われ得る。
前述した一実施形態の方法によれば、炭素原子層の厚さに対応する非常に薄い厚さおよび非常に大きい面積(直径)を有するグラフェンが高い収率で容易に量産され得る。
例えば、このようなグラフェンは、一つ以上の炭素原子層が積層されたシート、プレートまたはプレートの多様な形態を有することができ、より具体的には、約0.3乃至50nm、あるいは約0.3乃至30nmの厚さを有するグラフェンフレークの形態として主に製造され得る。ひいては、このようなグラフェンフレークは、約0.1乃至10μm、あるいは約0.1乃至5μmの大きい直径を有することができる。また、前記グラフェンフレークは、厚さに比べて面積(直径)が非常に大きくなり、約50乃至6000、あるいは約50乃至1000の直径/厚さの比を有することができる。この時、前記グラフェンフレークの「直径」とは、「グラフェンフレークの各粒子を最も広い面積を有する平面上でみた時、各粒子の平面上の任意の二点を連結する直線距離中の最長距離」で定義され得る。
このように、一実施形態の方法でより薄い厚さおよび大きい面積を有するグラフェン、例えば、グラフェンフレークなどが製造されることによって、このようなグラフェンは、その優れた電気伝導性、熱伝導性および安定性をより極大化して発現することができる。
このようなグラフェンの優れた特性により、伝導性ペースト組成物、伝導性インク組成物、放熱基板形成用組成物、電気伝導性複合体、EMI遮蔽用複合体または電池用導電材などの多様な分野および用途に使用することができ、その他にもグラフェンの適用が可能か必要であると知られた任意の分野や用途に非常に好ましく使用することができる。
このようなグラフェンは、代表的に極性溶媒に溶解または分散された分散液または分散組成物などの形態で使用することができ、このような分散液または分散組成物を記載に塗布したり、これを印刷した後にパターニングしたり、これを直接フイルムでキャスティングするなどの多様な方法で使用することができる。
また、このような分散液または分散組成物で、前記グラフェンを分散させるための極性溶媒としては、水などの水溶媒や、任意の極性溶媒を特別な制限なしに適用することができる。このような極性溶媒の具体的な例としては、水、NMP、アセトン、DMF(N,N−dimethylformamide)、DMSO(Dimethyl sulfoxide)、エタノール、イソプロピルアルコール、メタノール、ブタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、THF(tetrahydrofuran)、エチレングリコール、ピリジン、ジメチルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、メチルエチルケトン(ブタノン)、α−テルピネオール、ギ酸、酢酸エチルおよびアクリロニトリルからなる群より選択された1種以上を使用することができる。
以下、発明の具体的な実施例を通じて発明の作用および効果をより詳して説明する。ただし、このような実施例は、発明の例示として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるのではない。
製造例1:分散剤の製造
ポスコから入手した石油副産物であるピッチ(pitch)に対して次のような酸化工程および精製工程を行って製造例1の分散剤を製造した。
まず、硫酸/硝酸の混合溶液(体積比3:1)の75mlにピッチ0.5乃至1.5gを添加し、70℃で約3.5時間酸化反応を行った。
以降、前記酸化反応が行われたピッチ反応溶液を常温で冷却させた後、5倍程度蒸溜水で希釈させた後、約3500rpmで30分間遠心分離した。次に、上澄液を除去し、同一量の蒸溜水を入れて再分散した後に、同一の条件で再び遠心分離して最終的に沈殿物を回収し乾燥した。これによって、製造例1の分散剤を製造した。
まず、このような分散剤の製造過程中、原料として使用されたピッチの分子量分布をMALDI−TOF mass spectrumで分析して図2aおよび図2b(分子量400乃至500領域の拡大図)に示し、製造例1の分散剤の分子量分布を同様に分析して図3aおよび図3b(分子量400乃至500領域の拡大図)に示した。このような分析は、MALDI−TOF mass spectrum装備(Ultraflex II、Bruker)を使用し、前記ピッチまたは分散剤をマトリックス(matrix)に入れて混合した後に乾燥して行った。
前記図2aおよび図2b(拡大図)を参照すると、pitchの場合、分子量200乃至1500の分子量を有するポリ芳香族炭化水素を含むことが確認され、特に図2bの拡大図で分子量14Da間隔で大きいピークが検出されることから、互いに異なる個数の芳香族環(ベンゼン環)を有する複数種のポリ芳香族炭化水素が脂肪族炭化水素(aliphatic hydrocarbon)により連結されていることが確認された。これに比べて、図3aおよび図3b(拡大図)を参照すると、製造例1の分散剤は、ポリ芳香族炭化水素にそれぞれ44Daと16Dの間隔で存在する大きいピークが観察されたが、これはこのような芳香族炭化水素に−COOH、−OHまたは−SO3Hなど酸素含有作用基が導入されたポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物の形態で存在することを証明するものであり、約300乃至1000、あるいは約300乃至700の分子量を有する酸化物が60重量%以上で含まれることが確認された。
また、前記原料として使用されたpitch(上段)および製造例1の分散剤(下段)をそれぞれ13C CPMAS NMR(Varian 400MHz Solid−State NMR)で分析して、その分析結果を図4に比較して示した。図4を参照すると、pitchでは芳香族炭化水素の炭素由来ピークと、一部の脂肪族炭化水素の炭素由来ピークが確認されたが、酸素含有作用基の存在は確認されなかった。これに比べて、製造例1の分散剤に対するNMR分析結果、酸素含有作用基のピークが確認された。このような酸素含有作用基の種類は、エポキシ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基などであることが確認された。
付加して、前記原料として使用されたpitchおよび製造例1の分散剤をそれぞれ粉末状態でFT−IR(Agilent 660−IR)で分析してその分析結果を図5に比較して示した。このような図5からも、製造例1の分散剤で酸素含有作用基のピークが生成されることを確認した。
製造例2乃至4:分散剤の製造
ポスコから入手した石油副産物であるピッチ(pitch;ただし、製造例1とは異なるサンプルのピッチを使用)を使用し、酸化反応時間をそれぞれ1時間(製造例2)、3.5時間(製造例3)および7時間(製造例4)で異にしたことを除いては、製造例1と同様な方法で行って製造例2乃至4の分散剤をそれぞれ製造した。
このような分散剤を製造例1と同様な方法でMALDI−TOF mass spectrumで分析して、図6に比較して共に示した。図6を参照すると、酸化時間の増加により、分散剤中の分子量約1000、あるいは約700超過の成分(ポリ芳香族炭化水素酸化物)の含有量が減少し、分子量約300乃至1000、あるいは約300乃至700のポリ芳香族炭化水素酸化物をより高い含有量で含む混合物形態の分散剤が得られることが確認された。
試験例1:分散剤の酸素含有量の測定
製造例3および4で得られた分散剤試料薬1mgを薄い箔の上で約900℃内外の高温で加熱した。この時、箔が瞬間的に溶けながらその温度が約1500乃至1800℃まで上昇し、このような高温により前記試料から気体が発生した。このような気体を捕集および元素分析して炭素、酸素、水素および窒素の各元素含有量を測定および分析した。このような分析結果は、各分散剤の製造のために使用されたピッチに対する分析結果と比較して下記表1に示した。
前記表1を参照すると、製造例3および4の分散剤中には、各元素の含有量を分析した時、酸素の含有量が全体元素含有量の約12乃至50重量%、あるいは約30乃至40重量%になることが確認された。
実施例1:グラフェンフレークの製造
製造例1の分散剤0.1gが分散されている水分散液500mlに板状黒鉛2.5gを添加して分散液を形成した。このような分散液を約1,600barの高圧で高圧均質器の流入部に流入させて微細流路を通過させ、このような過程を10回繰り返した。これによって、前記板状黒鉛を剥離して実施例1のグラフェンフレークを製造した。
図7の(a)には、グラフェンフレーク製造のために原料として使用された板状黒鉛の電子顕微鏡写真を示し、(b)および(c)((b)の拡大図)には、実施例1で製造されたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示した。図7の(b)および(c)を参照すると、非常に薄い厚さおよび大きい面積を有し、欠陥が最小化されたグラフェンフレークが非常に良好に形成されていることが確認された。
このような実施例1のグラフェンフレークをTEM分析してそのイメージを図8の(a)および(b)((a)の拡大図)に示した。前記図8の(a)を参照すると、実施例1で製造されたグラフェンフレークは、約0.5乃至5μmの直径を有する非常に大面積のものであることが確認された。また、前記図8の(b)を参照すると、前記実施例1のグラフェンフレークは、TEM分析のために配置した下部の炭素グリッド(図面の赤色矢印)が前記グラフェンフレークを通じて観察される程度に非常に薄い厚さを有することが確認された。
付加して、実施例1のグラフェンフレークをAFM分析してその結果を図8の(c)および(d)にそれぞれ示した。これを参照すると、実施例1のグラフェンフレークは、約6乃至17nmの非常に薄い厚さを有することが確認された。
実施例2:グラフェンフレークの製造
製造例1の分散剤の代わりに、製造例2の分散剤を使用したことを除いては、実施例1と同様な方法で実施例2のグラフェンフレークを製造した。
実施例2のグラフェンフレークを電子顕微鏡分析で確認した。確認結果、非常に薄い厚さおよび大きい面積を有し、欠陥が最小化されたグラフェンフレークが良好に形成されたことが明らかになった。このような実施例2のグラフェンフレークを実施例1と同様な方法でTEMおよびAFM分析した結果、実施例2のグラフェンフレークは、約0.5乃至10μmの直径を有する非常に大面積のものと確認され、約5乃至20nmの非常に薄い厚さを有することが確認された。
実施例3:グラフェンフレークの製造
製造例1の分散剤の代わりに、商品名Triton X−100分散剤を使用したことを除いては、実施例1と同様な方法で実施例3のグラフェンフレークを製造した。
図9には、実施例3のグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示した。図9を参照すると、5μm2内外の面積を有する薄くて均一なグラフェンフレークが非常に良好に形成されたことを確認した。
実施例4:グラフェンフレークの製造
製造例1の分散剤の代わりに、商品名Pluronics F−127分散剤を使用したことを除いては、実施例1と同様な方法で実施例4のグラフェンフレークを製造した。
図10には、実施例4のグラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示した。図10を参照すると、5μm2内外の面積を有する薄くて均一なグラフェンフレークが非常に良好に形成されたことを確認した。
比較例1:グラフェンフレークの製造
製造例1の分散剤など分散剤を使用せず、韓国公開特許公報第2013−0004638号の実施例に記載された方法で高圧均質器を使用して比較例1のグラフェンフレークを製造した。
図11には、比較例1のグラフェンフレークの電子顕微鏡写真(図11の(a))を示し、これを実施例1で得られたグラフェンフレークの電子顕微鏡写真(図11の(b))と比較して示した。図11の(b)を参照すると、実施例1を通じて製造されたグラフェンフレークは、比較例1のグラフェンフレークよりも相対的に大きい10μm2以上の面積を示すだけでなく、Wrinkleが観測されるが、これはグラフェンフレークが数nm未満の超薄型に近い程度に薄く剥離されていることを証明している。
一方、図12には、実施例1のグラフェンフレークのラマンスペクトルが示されている。このようなラマンスペクトルでD peak(at〜1,350cm-1)intensityは、グラフェン内の欠陥が増加するほどこれに相応して大きくなるため、一般にG peak(at〜1,580cm-1)とのInensity ratio(GI/DI)が大きいほどグラフェンの品質が高いものと評価されている。したがって、実施例1を通じて製造されたグラフェンフレークの大きいGI/DI(〜14.5)は、比較例1のグラフェンフレークのGI/DI(〜5.5)より欠陥が少ない高品質であることを証明している。これは比較例1とは異なり、熱処理、高速粉砕、超音波分散過程を除去することによって得られた結果といえる。
比較例2:酸化グラフェンフレークの製造
まず、非酸化グラファイト2.5gを硫酸:硝酸=3:1(体積比)の混合酸溶液262.5mlに入れて85℃で20時間反応させた後、ice−cooled D.I.water 1Lで希釈し、反応溶液をvacuum filtrationして酸化グラファイトwet−cakeを製造した。
そして、前記酸化グラファイトwet−cakeをD.I.water 500mlに再分散させ、このような再分散液を約1,600barの高圧で高圧均質器の流入部に流入させて微細流路を通過させ、このような過程を10回繰り返した。このように製造された比較例2の酸化グラフェンフレークの形状、酸化度および欠陥をそれぞれ電子顕微鏡写真(Scanning Electron Microscopy;SEM)、元素分析器およびラマンスペクトロスコーピー(Raman Spectroscopy)で分析して、図13乃至15に示した。
図13は、酸化グラファイトを利用して剥離させた酸化グラフェンフレークの電子顕微鏡写真を示している。また、図15のラマンスペクトルをみると、約1350cm-1のD−peakが実施例のグラフェンフレークなどで得られた結果よりも非常に大きいことを確認し、これはグラファイトの酸化過程中に発生した欠陥による結果であることが確認された。
そして、図14の元素分析した結果を参照すると、約9.46%のOxygen contentを示し、これは約1%内外のOxygen contentを示す非酸化グラファイトまたはグラフェンに比べて非常に高い水準で、それ自体では電気的特性が落ちることが確認される。また、これを再びグラフェンで製造するためには、別途の還元工程が必要になり、その過程でグラフェンの欠陥発生がより増加し、その物性が低下すると予測される。

Claims (11)

  1. 非酸化グラファイトを含む炭素系素材および分散剤を含む分散液を形成する段階と、
    前記分散液を連続的に、流入部と、流出部と、流入部と流出部間を連結し、10乃至800μmの直径を有する微細流路を含む高圧均質器(High Pressure Homogenizer)に通過させる段階と、を含み、
    前記炭素系素材は、せん断力の印加下に前記微細流路を通過しながら剥離されてナノスケールの厚さを有するグラフェン(graphene)を生じるグラフェンの製造方法であって、
    前記非酸化グラファイトは、燃焼による元素分析法(elemental analysis measurement by combustion)またはXPS分析法(X−ray photoelectron spectrometry analysis)で測定された酸素対炭素の元素比(O/C atomic ratio)が5%以下であり、
    前記グラフェンは、0.3乃至50nmの厚さを有するグラフェンフレークを含み、
    前記分散剤は、複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物の混合物であって、分子量300乃至1000のポリ芳香族炭化水素酸化物を60重量%以上の含有量で含む混合物を含むグラフェンの製造方法。
  2. 前記非酸化グラファイトは、板状黒鉛を含む、請求項1に記載のグラフェンの製造方法。
  3. 前記分散液は、水溶媒または極性有機溶媒内に前記炭素系素材と分散剤が溶解または分散した分散液である、請求項1または2に記載のグラフェンの製造方法。
  4. 前記分散剤に含まれている複数種のポリ芳香族炭化水素酸化物を元素分析した時、酸素含有量が全体元素含有量の12乃至50重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  5. 前記分散剤に含まれているポリ芳香族炭化水素酸化物は、5乃至30個のベンゼン環が含まれている芳香族炭化水素に酸素含有作用基が一つ以上結合された構造を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  6. 芳香族炭化水素は、7乃至20個のベンゼン環を構造内に有する、請求項5に記載のグラフェンの製造方法。
  7. 前記分散液は、100乃至3000barの圧力印加下に前記高圧均質器の流入部に流入して微細流路を通過する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  8. 前記グラフェンフレークは、0.1乃至10μmの直径を有し、50乃至6000の直径/厚さ比を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  9. 前記グラフェンフレークの分散液からグラフェンフレークを回収および乾燥する段階をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のグラフェンの製造方法。
  10. 前記回収段階は、遠心分離、減圧濾過または加圧濾過で行われる、請求項9に記載のグラフェンの製造方法。
  11. 前記乾燥段階は、30乃至200℃の温度下に真空乾燥して行われる、請求項9または10に記載のグラフェンの製造方法。
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