JP6300622B2 - アンカーユニット、アンカー構造および水平復旧方法 - Google Patents

アンカーユニット、アンカー構造および水平復旧方法 Download PDF

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Description

本発明は、アンカーユニット、アンカー構造および水平復旧方法に関する。
近年、地震時における液状化現象による住宅の被害に対応するための液状化対策のニーズが高まっている。住宅レベルにおいては、液状化を完全に防止できる対策工法は現時点ではないため、液状化により建物が傾いた場合に、基礎をジャッキアップして建物の傾きを復元する対策工法(アンダーピニング工法、ラップル工法、薬液注入工法など)が採用される。液状化被害の特徴として、建物が傾くが、構造躯体にはほとんど損傷を生じないことが挙げられる。したがって、建物の傾きさえ修正すれば通常通りの生活を送ることに問題はない。
しかしながら、建物の傾きを修正するに際して基礎のジャッキアップ工事は、高額な工費を要するため、負担が大きかった。そこで、建物のジャッキアップを考えた場合、基礎からではなく、土台からジャッキアップすれば、はるかに簡便に建物を復元することができるが、以下のような問題が残されていた。
図13の(a)に示すように、通常、建物81は、基礎82の上に土台83を固定して構築されている。土台83は、基礎82に埋設されたアンカーボルト84を介して接続されている。図13の(b)に示すように、地震などにより地盤が液状化して、不同沈下が発生すると、建物81が、基礎82および土台83ごと傾く(図中では左側が下側になるように傾斜している)。このような状態になった場合には、図中左側に位置するアンカーボルト84を切断した後、左側の基礎82と土台83の間にジャッキ(図示せず)を装着して、図13の(c)に示すように、土台83が水平状態になるまでジャッキを伸長する。その後、切断されたアンカーボルト84に鉄筋を継ぎ足して溶接した後に、基礎82と土台83の間にコンクリート85を増打ちして、ジャッキを取り外す。このような工法では、アンカーボルト84の切断に多くの手間を要する上に、復元後の構造体力を大幅に損なってしまう問題があった。
そこで、土台のジャッキアップ時に切断を必要としないアンカーとして特許文献1に示すようなアンカーユニットが提案されていた。このアンカーユニットは、内周面に第1のねじ部を有するアンカーパイプと、外周に第1のねじ部に噛合する第2のねじ部を有するとともに、内周に第3のねじ部を有する環状の締結部材と、外周に第3のねじ部と噛合する第4のねじ部を有し前記アンカーパイプの内部空間に挿入されるアンカーボルトとを備えている。
このようなアンカーユニットによれば、締結部材を回転させることでアンカーパイプから取り外すことができるので、アンカーボルトを切断することなく土台のジャッキアップを行うことができる。
特許第5123441号公報
しかしながら、締結部材をアンカーパイプから取り外すのに所定回転数以上を回転させなければならないのである程度の時間を要するところ、アンカーユニットは多数設けられているので、全ての締結部材を取り外すには多くの手間を要する問題が未だ残存しており、改善の余地が残されていた。
そこで本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、建物を水平復旧させる場合においてジャッキアップ時の作業手間を低減できるアンカーユニット、アンカー構造および水平復旧方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するための請求項1に係る発明は、上端部の外周に係止部を備えた筒状のアンカーパイプと、外周に雄ねじ部が形成されるとともに下部が前記アンカーパイプ内に挿入されたアンカーボルトと、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトを外側から囲って連結するカプラと、を備えており、前記アンカーボルトは、前記アンカーパイプの内周面と非係合の状態であり、前記カプラによって上下方向の移動が規制されており、前記カプラは、環状を呈しその内周に前記アンカーボルトの前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されているとともに、互いに開閉可能な2つのカプラ構成部材を組み合わせてなり、前記2つのカプラ構成部材が水平方向に移動して開いたときに、前記雌ねじ部が、前記雄ねじ部から離反することで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結が解除される構成となっていることを特徴とするアンカーユニットである。
このような構成のアンカーユニットによれば、アンカーパイプと、アンカーパイプの内周面と非係合のアンカーボルトとを備えているので、カプラによる連結を解除すれば、アンカーボルトをアンカーパイプに対して容易に上昇させることができる。また、カプラによる連結は、カプラを水平方向に移動することで解除できるので、アンカーボルトとアンカーパイプとの分離にかかる作業手間は少なくて済む。したがって、ジャッキアップ時の作業手間を低減することができる。さらに、2つのカプラ構成部材を閉じるだけで、雄ねじ部と雌ねじ部が螺合して、アンカーボルトがカプラに確実に係止される。また、2つのカプラ構成部材を開くだけで、アンカーボルトとカプラとの係止を容易に解除することができる。
さらに、本発明に係るアンカーユニットにおいて、前記2つのカプラ構成部材は、ピンを介して回動可能に結合されており、環状状態から前記ピンを中心として回動することで、前記2つのカプラ構成部材が開くものが好ましい。
このような構成のアンカーユニットによれば、2つのカプラ構成部材の開閉を容易に行うことができる。
また、本発明に係るアンカーユニットにおいて、前記係止部は、前記アンカーパイプの上端部から水平方向外方に突出した鍔部からなり、前記カプラの内周面には、前記鍔部が係止される溝部が形成されているものが好ましい。
このような構成のアンカーユニットによれば、アンカーパイプとカプラとの係止を容易且つ確実に行うことができる。
請求項4に係る発明は、上端部の外周に係止部を備えた筒状のアンカーパイプと、外周に雄ねじ部が形成されるとともに下部が前記アンカーパイプ内に挿入されたアンカーボルトと、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトを外側から囲って連結するカプラと、を備えており、前記アンカーボルトは、前記アンカーパイプの内周面と非係合の状態であり、前記カプラによって上下方向の移動が規制されており、前記係止部は、前記アンカーパイプの上端部から水平方向外方に突出した鍔部からなり、前記アンカーボルトには、前記アンカーボルトの前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が内周に形成された鍔部材が装着されており、前記カプラは、平面視U字状を呈しその内周に前記鍔部と前記鍔部材が係止される溝部が形成されており、前記カプラのU字先端の開口部には、前記鍔部の外周面と前記鍔部材の外周面の少なくともいずれか一方に当接する抜止部材が着脱可能に装着されており、前記カプラは、前記抜止部材の前記鍔部および前記鍔部材との当接を解除して、前記カプラを水平方向に移動したときに、前記溝部が前記鍔部と前記鍔部材から離反することで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結が解除される構成となっていることを特徴とするアンカーユニットである。
このような構成のアンカーユニットによれば、鍔部と鍔部材がカプラの溝部に係止されるので、アンカーパイプとアンカーボルトとの係止を容易且つ確実に行うことができる。また、カプラが平面視U字状を呈しているので、水平方向にずらすだけで、アンカーパイプとアンカーボルトとの連結を容易に解除できる。また、抜止部材を設けたことでアンカーパイプとアンカーボルトとの連結が勝手に解除されるのを防止できる。
また、本発明に係るアンカーユニットにおいて、前記鍔部材の上端部には、前記カプラの上端よりも上方に突出するナット部が形成されているものが好ましい。
このような構成のアンカーユニットによれば、ナット部を利用して鍔部材を回転させることで、アンカーパイプとアンカーボルトとを連結した状態で、アンカーボルトの高さ調整を行うことができる。
請求項に係る発明は、請求項1または請求項4に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造であって、前記アンカーパイプは、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記基礎に埋設されており、前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置されていることを特徴とするアンカー構造である。
このような構成のアンカー構造によれば、カプラによるアンカーパイプとアンカーボルトとの連結は、カプラを水平方向に移動することで解除できるところ、基礎と土台の間でカプラの移動を容易に行うことができる。したがって、アンカーボルトとアンカーパイプとの分離にかかる作業手間は少なくて済むので、ジャッキアップ時の作業手間を低減することができる。
請求項に係る発明は、請求項1に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造を備えた建築物を水平状態に戻す水平復旧方法であって、前記アンカー構造は、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記アンカーパイプは前記基礎に埋設されており、前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置された構成となっており、前記スペーサ間の隙間で前記2つのカプラ構成部材を水平方向に移動させて開いて、前記雌ねじ部を前記雄ねじ部から離反させることで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結を解除する連結解除工程と、前記土台を前記アンカーボルトとともにジャッキアップして水平状態に戻すジャッキアップ工程と、水平状態になった前記土台を支持する土台支持工程と、前記カプラを元位置に戻して前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとを再度連結する連結工程と、を備えたことを特徴とする水平復旧方法である。
また、請求項8に係る発明は、請求項4に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造を備えた建築物を水平状態に戻す水平復旧方法であって、前記アンカー構造は、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記アンカーパイプは前記基礎に埋設されており、前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置された構成となっており、前記スペーサ間の隙間で前記カプラの抜止部材を前記鍔部材に干渉しない位置に移動した後に、前記カプラを水平方向に移動して前記鍔部と前記鍔部材から前記溝部を外すことで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結を解除する連結解除工程と、前記土台を前記アンカーボルトとともにジャッキアップして水平状態に戻すジャッキアップ工程と、水平状態になった前記土台を支持する土台支持工程と、前記カプラを元位置に戻して前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとを再度連結する連結工程と、を備えたことを特徴とする水平復旧方法である。
このような水平復旧方法によれば、カプラによるアンカーパイプとアンカーボルトとの連結は、カプラを水平方向に移動することで解除できるところ、基礎と土台の間でカプラの移動を容易に行うことができる。さらに、アンカーボルトと土台をまとめて持ち上げることができるので、ジャッキアップ時の作業手間を低減させつつ、建物を水平復旧させることができる。
本発明によれば、建物を水平復旧させる場合においてジャッキアップ時の作業手間を低減することができる。
本発明の第一実施形態に係るアンカー構造を示した断面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットを示した平面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットを示した要部断面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットを示した要部側面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットのカプラを開く際の工具装着前の状態を示した図であって、(a)は平面図、(b)は要部正面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットのカプラを開く際の工具装着後の状態を示した図であって、(a)は平面図、(b)は要部正面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカーユニットのカプラを開いた状態を示した平面図である。 本発明の第一実施形態に係るアンカー構造を示した図であって、土台をジャッキアップした状態を示した断面図である。 本発明の第二実施形態に係るアンカーユニットを示した平面図である。 (a)はカプラの第一変形例を示した平面図、(b)はカプラの第二変形例を示した平面図である。 本発明の第三実施形態に係るアンカーユニットを示した平面図である。 本発明の第三実施形態に係るアンカーユニットを示した要部断面図である。 (a)、(b)、(c)は建物の水平復旧工程を説明するための概略断面図である。
本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、第一実施形態に係るアンカー構造1は、アンカーパイプ10とアンカーボルト20とカプラ30とを備えたアンカーユニット2を基礎3と土台4間に設置してなる。
アンカーパイプ10は、アンカーユニット2の下部に設けられる部材であって、下端部が拡径した有底筒状のパイプからなる。アンカーパイプ10の下端部は、二股に分岐した逆Y字状を呈している。アンカーパイプ10の上端部の外周には、係止部が形成されている。図3に示すように、本実施形態の係止部は、アンカーパイプ10の上端部から水平方向外方に突出した鍔部11からなる。鍔部11は、円環状を呈しており、カプラ30の内周面に係止される。アンカーパイプ10の内周面は、凹凸のない曲面状に形成されている。アンカーパイプ10は、下部が基礎3に埋設されており、鍔部11(係止部)が基礎3の上面から突出している。鍔部11の下面は、基礎3の上面と一定長さ離れて上方に位置している。
アンカーボルト20は、アンカーユニット2の上部に設けられる部材である。アンカーボルト20は、外周に雄ねじ部21が形成された長尺ボルトにてなる。アンカーボルト20の下部は、アンカーパイプ10内に挿入されており、アンカーボルト20の上部は、アンカーパイプ10の上端から上方に突出している。アンカーボルト20の外周面は、アンカーパイプ10の内周面と非係合の状態である。
カプラ30は、アンカーパイプ10とアンカーボルト20を外側から囲って連結するものである。カプラ30は、環状(本実施形態では円環状)を呈している。カプラ30の内周の上部(略上側半分)には、アンカーボルト20の雄ねじ部21に螺合する雌ねじ部31が形成されている。雌ねじ部31の内径は、雄ねじ部21の内径よりも若干大きく形成されている。これによって、基礎3が傾斜した状態で土台4を水平にしたときに、アンカーボルト20に対してカプラ30が傾倒することになるが、僅かな傾倒角度であれば、アンカーボルト20の雄ねじ部21が雌ねじ部31に傾斜した状態で係止される。カプラ30の内周の下部には、鍔部11が係止される溝部32が形成されている。溝部32は、鍔部11に沿ってカプラ30の内周面全周に亘って形成されている。カプラ30は、後記するスペーサ5よりも背が低い。
カプラ30は、水平方向に移動することでアンカーパイプ10とアンカーボルト20との連結を解除する。具体的には、図2に示すように、カプラ30は、互いに開閉可能な2つのカプラ構成部材33a,33bを組み合わせてなる。2つのカプラ構成部材33a,33bは、中心角がそれぞれ180度であって、連結される基端側には、外側に延在したブラケット34,34がそれぞれ設けられている。ブラケット34,34同士は上下に重合しており、両ブラケットを貫通してピン35が設けられ、2つのカプラ構成部材33a,33bがピン結合されている。ピン35は垂直方向に延在しており、2つのカプラ構成部材33a,33bは、ピン35を中心として回転することで水平方向に回動移動する。これによって、2つのカプラ構成部材33a,33bの先端側が開閉する。2つのカプラ構成部材33a,33bが開くと、内周の雌ねじ部31が開いて、雄ねじ部21から離反するので、アンカーボルト20が開放される。
カプラ30の開放側端部(カプラ構成部材33a,33bの先端部)には、カプラ構成部材33a,33bの先端部同士を固定する鍵部材36が設けられている。鍵部材36の一端部は、L字状に屈曲して鉤部36aが形成されており、一方のカプラ構成部材33aの係止段部37に係止される。鍵部材36の他端部は、他方のカプラ構成部材33bの先端部にピン結合されている。鍵部材36はピン39を中心に回動することで、鉤部36aの係止段部37への係止と分離を切り替える。鍵部材36には、コイルバネ40(図4参照)が接続されており、鉤部36aが係止段部37に付勢されている。
鍵部材36の他端部は、ピン結合部分よりもさらに突出しており、角度確認用目視部分36bが形成されている。角度確認用目視部分36bは、カプラ30を正面側(ブラケット34が位置する基端側)から見たときに、カプラ30の側面から出没する部分である。具体的には、鉤部36aが係止段部37に係止している場合は、図5に示すように、他方のカプラ構成部材33bの側面に形成された凹部38の後方に、角度確認用目視部分36bが目視できる(図5の(b)参照)。鉤部36aが係止段部37から離反している場合は、図6に示すように、他方のカプラ構成部材33bの凹部38から見えなくなる(図6の(b)参照)。これは、鍵部材36がピン39を中心に回動することで、角度確認用目視部分36bが正面側に回転してカプラ30の後方に隠れるからである。
2つのカプラ構成部材33a,33bには、これらを開閉させる開閉治具50のアーム部51が挿入される係合孔41a,41bがそれぞれ形成されている。係合孔41a,41bは、軸心とピン35の中心とを結んだ直線に沿って水平方向に延在している。カプラ構成部材33aの係合孔41aと,カプラ構成部材33bの係合孔41bは互いに平行になっている。係合孔41a,41bは、手前側端部と奥側端部の両端が開口して貫通している。一方のカプラ構成部材33aの係合孔41aの奥側開口部は、鍵部材36の鉤部36aによって塞がれている。係合孔41a,41bは、ピン35の上端よりも上方に形成されている。
以下に、アンカーユニット2を用いたアンカー構造1を説明する。図1に示すように、アンカーパイプ10は、基礎3に埋設されており、上端の一部と鍔部11(係止部)が基礎3の上面から突出している。アンカーパイプ10には、アンカーボルト20が挿入されている。アンカーボルト20の上部は土台4内を貫通しており、アンカーボルト20の上端にはワッシャナット22が取り付けられている。このワッシャナット22によって、アンカーボルト20と土台4が連結されている。
基礎3と土台4の間には、スペーサ5が設けられている。スペーサ5は、アンカーパイプ10とアンカーボルト20との連結位置、およびカプラ30を挟む両側位置に設置されている。スペーサ5は、カプラ30よりも背が高く、基礎3と土台4と隣り合うスペーサ5,5にて囲まれた収容空間にカプラ30が設置されている。カプラ30とスペーサ5との間には、所定長さの隙間が形成されており、前記収容空間内で、カプラ30の開閉を行うことができる。
次に、前記構成のアンカーユニット2を設置したアンカー構造1を備えた建築物を水平状態に戻す水平復旧方法を説明する。かかる水平復旧方法は、地震時における液状化などが発生し、建築物が傾いた場合に適用される。
(連結解除工程)
まず、基礎3、土台4およびスペーサ5,5間の隙間でカプラ30を開いて(水平方向に移動して)、アンカーパイプ10とアンカーボルト20との連結を解除する。具体的には、図5および図6に示すように、開閉治具50を用いて、カプラ30を開くことで、アンカーパイプ10とアンカーボルト20との連結を解除する。
開閉治具50は、カプラ30の係合孔41a,41bに挿入されるアーム部51を備えたはさみ状の部材である。開閉治具50は、一対の構成部材53,53からなる。構成部材53,53は、ピン54を介して回動可能に連結されている。構成部材53の一端(先端側)には、アーム部51が形成され、構成部材53の他端(手前側)には、ハンドル部55が形成されている。
アーム部51は、カプラ30の係合孔41a,41bに挿入される。係止段部37が位置する側の係合孔41aに挿入される一方のアーム部51は、開閉治具50をカプラ30にセット(一対の構成部材53,53の付け根部分を、カプラ30の外周面に当接させる)した際にアーム部51の先端部が係合孔41aの奥側端より突出する。鍵部材36の角度確認用目視部分36bが位置する側の係合孔41bに挿入される他方のアーム部51は、開閉治具50をカプラ30にセットした際にアーム部51の先端面が、係合孔41bの奥側の開口端と略面一となる。
ハンドル部55は、作業者が把持する部位である。ハンドル部55,55が互いに近付くようにハンドル部55,55を閉じると、構成部材53,53がピン54を中心に回動して、アーム部51,51が開く。
作業者は、このような開閉治具50を用いて、建築物の外側から作業を行う。図5に示すように、アーム部51,51を係合孔41a,41bに挿入する前では、鍵部材36の鉤部36aが係止段部37に係止されて、カプラ30が開くのを防止している。このとき、角度確認用目視部分36bは、カプラ構成部材33bの凹部38の後方に目視できる位置にある(図5の(b)参照)。
その後、図6に示すように、作業者は、一対のアーム部51,51を各係合孔41a,41bに挿入する。アーム部51,51は、一対の構成部材53,53の付け根部分が、カプラ30の外周面に当接するところまで押し込む。すると、カプラ30のピン35の上方に開閉治具50のピン54が配置され、ピン35とピン54とは同軸上に位置するとともに、カプラ構成部材33a側のアーム部51は係合孔41aの奥側に突出して、鍵部材36の鉤部36aを押す。これによって、鉤部36aが係止段部37から離れて、鉤部36aと係止段部37との係止が解除される。このとき、角度確認用目視部分36bは、凹部38から見えなくなり(図6の(b)参照)、鍵部材36が解錠状態になっているのが確認できる。
次に、図7に示すように、作業者は、ハンドル部55,55が互いに近付くようにハンドル部55,55を閉じると、構成部材53,53がピン54を中心に回動して、アーム部51,51が開く。この動作と同期して、カプラ30のカプラ構成部材33a,33bがピン35を中心に回動する。このように2つのカプラ構成部材33a,33bが開くと、内周の雌ねじ部31が開いて、雄ねじ部21から離反するので、アンカーボルト20が開放されて、上下移動が可能となる。カプラ30は、開いた状態で基礎3と土台4との間から一旦取り出して保管しておく。カプラ30は開閉治具50ごと取り出す。その後に、ハンドル部55,55を開いて、アーム部51,51をカプラ30から引き抜く。
このような連結解除工程を、ジャッキアップされる土台4に接続された全てのアンカーユニット2について施工する。このとき、作業者は、開閉治具50のアーム部51,51をカプラ30の係合孔41a,41bに挿入して、ハンドル部55,55を閉じるだけで済むので、施工手間が大幅に低減される。
(ジャッキアップ工程)
アンカーパイプ10とアンカーボルト20との連結を解除した後に、土台4をアンカーボルト20とともにジャッキアップする。具体的には、複数のジャッキ装置(図示せず)を、傾斜して下がっている側の基礎3と土台4との間に適宜設置する。そして、各ジャッキ装置を同期させながら伸長させ、土台4が変形しないように、ジャッキアップを行う。ジャッキアップは、土台4が水平状態になったところで止める。
このとき、土台4の上昇に伴って、アンカーボルト20もワッシャナット22を介して引き上げられるが、アンカーボルト20は、アンカーパイプ10の内周面と非係合の状態であるので、上昇が規制されることはない。また、ジャッキアップされる土台4に係止された全てのアンカーボルト20が土台4とともに持ち上げられる。つまり、本実施形態によれば、締結部材(ナット)を回してアンカーボルトとアンカーパイプとの連結を解除していた従来工法と比較して、大幅に作業手間を低減できる。
また、従来においては、アンカーボルトを回転させてアンカーボルトを先に上昇させた状態でジャッキアップすることもあるが、この場合と比較しても、本実施形態では回転作業を省略できるため作業手間を低減できる。さらに、ジャッキアップ前にアンカーボルトを上昇させる工法では、アンカーボルトの上端部が土台4の上端より上方に突出することになるため、土台上に壁パネルの下枠が位置するツーバイフォーの建築物に適用することはできなかった。アンカーボルトが下枠に干渉するためである。本実施形態の支持構造では、アンカーボルト20と土台4は一緒に持ち上げられるので、ツーバイフォーの建築物に適用してもアンカーボルト20が下枠に干渉することはない。土台4とスペーサ5との間には隙間が形成される。
(土台支持工程)
ジャッキアップが完了したならば、水平状態になった土台4を支持する。図8に示すように、本実施形態では、ジャッキ装置を設置した状態のままで、スペーサ5と土台4との隙間にグラウト6を充填して、土台4を支持する。グラウト6は、型枠(図示せず)を適宜設置して充填する。養生を一定期間行って、グラウトに所定の強度が発現したら、型枠とジャッキ装置を撤去する。なお、土台4の支持方法はグラウトの充填に限定されるものではなく、スペーサ5と土台4との隙間に別途の新たなスペーサを設置してもよいし、既設のスペーサ5を取り除いて新たな背の高いスペーサを設置してもよい。
(連結工程)
グラウトの充填が完了したならば、カプラ30を元位置(閉じた状態)に戻してアンカーパイプ10とアンカーボルト20とを再度連結する。具体的には、保管していたカプラ30に、開閉治具50のアーム部51,51を挿入した後に、ハンドル部55,55を閉じて、カプラ30を開いた状態にする(図6参照)。開いた状態のカプラ30を基礎3と土台4との間に挿入し、アンカーパイプ10とアンカーボルト20とを正面側から囲う。その後、ハンドル部55,55を開いて、カプラ30を閉じて、アーム部51,51をカプラ30から引き抜く(図5参照)。すると、鍵部材36の鉤部36aが係止段部37に係止され、カプラ30が閉状態で維持される。
図3に示すように、カプラ30が閉じると、カプラ30の雌ねじ部31が、アンカーボルト20の雄ねじ部21に係合するので、カプラ30とアンカーボルト20とが固定される。一方、カプラ30が閉じると、アンカーパイプ10の鍔部11が、カプラ30の溝部32に入り込んで係止されるので、カプラ30とアンカーパイプ10とが固定される。これによって、アンカーパイプ10とアンカーボルト20がカプラ30を介して連結されることとなる。そして、開閉治具50を取り外した後、角度確認用目視部分36bがカプラ構成部材33bの凹部38の後方にあることを目視することで、カプラ30が確実に閉じられていることを確認する(図5の(b)参照)。
このような連結工程を、ジャッキアップされた土台4に接続された全てのアンカーユニット2について施工する。このとき、作業者は、開閉治具50のハンドル部55,55を閉じて、アーム部51,51を係合孔41a,41bから引き抜くだけで済むので、締結部材(ナット)を回してアンカーボルトとアンカーパイプとの連結を解除していた従来工法と比較して、施工手間が大幅に低減される。
以上説明したように、本実施形態に係るアンカーユニット2によれば、アンカーボルト20は、アンカーパイプ10の内周面と非係合であるので、カプラ30による連結を解除すれば、アンカーボルト20をアンカーパイプ10に対して容易に上昇させることができる。また、カプラ30による連結は、カプラ30を開いて水平方向に移動することで解除できるので、連結解除にかかる作業手間は少なくて済む。特にアンカーユニット2は多数設けられているので、多くのアンカーユニット2の連結解除を行うジャッキアップ時の作業手間を大幅に低減することができる。
さらに、アンカーユニット2においては、2つのカプラ構成部材33a,33bを閉じるだけで、雌ねじ部31がアンカーボルト20の雄ねじ部21に螺合するので、アンカーボルト20がカプラ30に確実に係止される。また、2つのカプラ構成部材33a,33bを開くだけで、アンカーボルト20とカプラ30との係止を容易に解除することができる。2つのカプラ構成部材33a,33bは、ピンを介して回動可能に結合されているので、開閉を容易に行うことができる。
また、アンカーユニット2は、アンカーパイプ10の係止部が、上端部から水平方向外方に突出した鍔部11からなり、カプラ30の内周面に溝部32が形成されているので、アンカーパイプ10とカプラ30との係止を容易且つ確実に行うことができる。
さらに、本実施形態に係るアンカー構造1および水平復旧方法によれば、基礎3と土台4間の隙間でカプラ30の開閉を容易に行うことができる。特に、建築物の外側から開閉治具50を用いて行うことによって、作業は非常に容易になる。したがって、アンカーボルト20とアンカーパイプ10との連結解除にかかる作業手間は少なくて済むので、ジャッキアップ時の作業手間を低減することができる。そして、地震や不同沈下によって傾いた建築物を水平復旧させることができる。
また、かかる水平復旧方法では、復旧した後のアンカーユニット2の耐力を損なうことがなく、構造安全性を確保することができる。また、一連の工事の中で、構造躯体の解体や土木工事の必要がなく、大幅な工費削減と工期の短縮を図ることができる。
復旧に係る工費は、従来行われていたジャッキアップ工事の8分の1〜3分の1程度で済む(一般的な住宅で150〜200万円程度)。かかる水平復旧方法では、特に、比較的被害の少ない15/1000程度の傾きであって、保険金の支払い額が少ない場合であっても、保険金の範囲内で復旧することができる。
以下に、第二実施形態について、図面を参照しながら説明する。図9に示すように、第二実施形態に係るアンカーユニット2aは、アンカーパイプ10aとカプラ30aを係止する構成が第一実施形態と異なる。第一実施形態では、アンカーパイプ10の係止部が鍔部11であって、この鍔部11が、カプラ30の溝部32に係止されるようになっていたのに対して、第二実施形態では、アンカーパイプ10aの係止部は、アンカーパイプ10aの上端部に形成された雄ねじ部12からなる。そして、カプラ30aの内周の下部(略下側半分)には、アンカーパイプ10aの雄ねじ部12に螺合する雌ねじ部44が形成されている。なお、カプラ30の内周の上部(略上側半分)には、第一実施形態と同様に、アンカーボルト20の雄ねじ部21に螺合する雌ねじ部31が形成されている。なお、その他の構成については、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
以上のような構成のアンカーユニット2aにおいても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図10を参照しながら、カプラの変形例の構成を説明する。
図10の(a)に示すカプラ30bは、第一実施形態に係るカプラ30が開閉治具50を介して開閉作業を行っていたのに対し、開閉治具50を用いないで開閉する点で異なる。
カプラ30bは、開閉時に作業員が把持する一対のハンドル部45,45が一体化されている。ハンドル部45,45は、2つのカプラ構成部材33a,33bの一端にそれぞれ繋がっている。ハンドル部45は、ピン35とは逆側に設けられており、外側に向かって延在している。平常時においては、ハンドル部45,45同士は、ボルト・ナットなどの締結部材45aにて固定されている。
以上のような構成のカプラ30bによれば、開閉治具50を用いることなく、容易に開閉作業を行うことができる。また、かかるカプラ30bでは、開閉治具50のアーム部51が挿入される係合孔41a,41b(図2参照)と、鍵部材36(図2参照)は不要である。
図10の(b)に示すカプラ30cは、第一実施形態に係るカプラ30では2つのカプラ構成部材33a,33bがピン結合されて互いに開閉可能となっていたのに対して、2つのカプラ構成部材46a,46bの固定構造が異なる。
カプラ構成部材46a,46bは互いに分離しており、ボルト47にて固定されている。ボルト47は、正面から見て左右一対に設けられている。ボルト47は、一方(手前側)のカプラ構成部材46a側から、他方(奥側)のカプラ構成部材46bに向かって挿通される。手前のカプラ構成部材46aには、ボルト貫通孔48aが形成されている。ボルト貫通孔48aの入口開口部周囲には、ボルト47の頭部を収容する凹部49が形成されている。奥のカプラ構成部材46bには、内周面に雌ねじを備えるボルト孔48bが形成されている。ボルト孔48bには、ボルト47の先端部が螺合する。
以上のような構成のカプラ30cによれば、カプラ30cの構成を簡素化でき、製造費用を低減することができる。
以下に、第三実施形態について、図面を参照しながら説明する。図11および図12に示すように、第三実施形態に係るアンカーユニット102は、アンカーボルト20とカプラ130を係止する構成が第一実施形態と異なる。第一実施形態では、アンカーボルト20の雄ねじ部21と、カプラ30の雌ねじ部31が螺合して、アンカーボルト20とカプラ30が係止されていたのに対して、第三実施形態では、アンカーボルト20に装着された鍔部材122を介して、アンカーボルト20がカプラ130に係止されている。また、カプラ130の形状も第一実施形態と異なる。
鍔部材122は、下端部が鍔状に広がった円筒状を呈しており、内周にはアンカーボルト20の雄ねじ部21に螺合する雌ねじ部123が形成されている。鍔部材122の鍔状部分122aよりも上方の胴部122bは、外形が正六角形のナット状を呈している。
カプラ130は、平面視U字状を呈しており、その内周にアンカーパイプ10の鍔部11と、鍔部材122の鍔状部分122aが係止される溝部131が形成されている。溝部131は、カプラ130の内周の全長に亘って平面視U字状に延在している。溝部131の高さ寸法は、鍔部11の厚さ寸法と鍔状部分122aの厚さ寸法とを合わせた寸法である。
カプラ130のU字先端の開口部には、抜止部材132が着脱可能に装着されている。抜止部材132は、カプラ130の一端部に螺合したボルトにて構成されており、ボルト軸部が鍔部11および鍔部材122の鍔状部分122aの側方まで延在している。抜止部材132は、鍔部11の外周面と鍔部材122の鍔状部分122aの外周面の少なくともいずれか一方(本実施形態では両方に)に当接することで、カプラ130が抜けるのを防止している。カプラ130は、抜止部材132のボルト頭部132aが正面側(建築物外周側)を向くように配置されている。なお、前記抜止部材132は、ボルトが片持ち状態であるが、軸部132bの先端をカプラ130の他端部に螺合させて二点支持としてもよい。
カプラ130の溝部131よりも上部の高さ寸法は、鍔部材122の胴部122bの高さ寸法よりも小さい。これによって、鍔部材122の胴部122bは、カプラ130の上端面よりも上方に突出している。
以上のような構成のアンカーユニット102を用いたアンカー構造において、水平復旧を行うに際しては、まず、正面側から抜止部材132を回転させて抜き取る。なお、抜止部材132は、抜き取らずに鍔部材122に干渉しない位置で残しておいてもよい。その後、カプラ130を、U字先端が奥側に向くように90度回転させ、正面側から引き抜く。すると、鍔部11と鍔部材122の鍔状部分122aから、溝部131が外れて、アンカーパイプ10とアンカーボルト20の連結が解除される(連結解除工程))。その後は、前記したジャッキアップ工程と同等の手順を行う。
ジャッキアップが完了したならば、ジャッキ装置を設置した状態のままで、スペーサ5と土台4との隙間にグラウト6を充填する。グラウト6は、型枠(図示せず)を適宜設置して充填する。養生を一定期間行って、グラウトに所定の強度が発現したら、型枠とジャッキ装置を撤去する。
ジャッキアップが終わったときに、アンカーボルト20は上方に引き上げられて、鍔部材122も上昇しているので、鍔部材122を回転させて下降させる。鍔部材122は、アンカーパイプ10の鍔部11の上面に当接するまで下降させる。その後、カプラ130を、U字先端が奥側に向く状態で押し込み、鍔部11と鍔部材122の鍔状部分122aを溝部131で係止する。その後、カプラ130を90度回転させて、カプラ130の先端部に抜止部材132を装着する。これによって、抜止部材132が、鍔部11の外周面と鍔部材122の鍔状部分122aに当接することで、カプラ130が抜けるのが防止される。
本実施形態では、その後、カプラ130の上端から突出している鍔部材122の胴部122bに、スパナを正面側から挿入してセットする。そしてアンカーボルト20が降下するように鍔部材122の増し締めを行う。これによって、土台(図示せず)がアンカーボルト20によって引き寄せられ固定強度が増す。
以上のように、本実施形態によるアンカーユニット102では、第一実施形態で得られる作用効果のほかに、土台(図示せず)とアンカーボルト20の固定強度が増すといった作用効果が得られる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。特にカプラの形状は適宜変更可能である。例えば、前記第三実施形態では、カプラ130はU字形状を呈しているが、これに限定されるものではない。カプラのU字の外周形状をナットのように六角形形状としてもよい。このようにすれば、カプラの回転が行い易くなる。
1 アンカー構造
2 アンカーユニット
3 基礎
4 土台
5 スペーサ
6 グラウト
10 アンカーパイプ
11 鍔部(係止部)
20 アンカーボルト
21 雄ねじ部
30 カプラ
31 雌ねじ部
32 溝部
33a カプラ構成部材
33b カプラ構成部材
35 ピン
102 アンカーユニット
122 鍔部材(係止部)
130 カプラ
131 溝部
132 抜止部材

Claims (8)

  1. 上端部の外周に係止部を備えた筒状のアンカーパイプと、
    外周に雄ねじ部が形成されるとともに下部が前記アンカーパイプ内に挿入されたアンカーボルトと、
    前記アンカーパイプと前記アンカーボルトを外側から囲って連結するカプラと、を備えており、
    前記アンカーボルトは、前記アンカーパイプの内周面と非係合の状態であり、前記カプラによって上下方向の移動が規制されており、
    前記カプラは、環状を呈しその内周に前記アンカーボルトの前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されているとともに、互いに開閉可能な2つのカプラ構成部材を組み合わせてなり、前記2つのカプラ構成部材が水平方向に移動して開いたときに、前記雌ねじ部が、前記雄ねじ部から離反することで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結が解除される構成となっている
    ことを特徴とするアンカーユニット。
  2. 前記2つのカプラ構成部材は、ピンを介して回動可能に結合されており、環状状態から前記ピンを中心として回動することで、前記2つのカプラ構成部材が開く
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンカーユニット。
  3. 前記係止部は、前記アンカーパイプの上端部から水平方向外方に突出した鍔部からなり、
    前記カプラの内周面には、前記鍔部が係止される溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンカーユニット。
  4. 上端部の外周に係止部を備えた筒状のアンカーパイプと、
    外周に雄ねじ部が形成されるとともに下部が前記アンカーパイプ内に挿入されたアンカーボルトと、
    前記アンカーパイプと前記アンカーボルトを外側から囲って連結するカプラと、を備えており、
    前記アンカーボルトは、前記アンカーパイプの内周面と非係合の状態であり、前記カプラによって上下方向の移動が規制されており、
    前記係止部は、前記アンカーパイプの上端部から水平方向外方に突出した鍔部からなり、
    前記アンカーボルトには、前記アンカーボルトの前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が内周に形成された鍔部材が装着されており、
    前記カプラは、平面視U字状を呈しその内周に前記鍔部と前記鍔部材が係止される溝部が形成されており、
    前記カプラのU字先端の開口部には、前記鍔部の外周面と前記鍔部材の外周面の少なくともいずれか一方に当接する抜止部材が着脱可能に装着されている
    前記カプラは、前記抜止部材を前記鍔部および前記鍔部材との当接を解除して、前記カプラを水平方向に移動したときに、前記溝部が前記鍔部と前記鍔部材から離反することで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結が解除される構成となっている
    ことを特徴とするアンカーユニット。
  5. 前記鍔部材の上端部には、前記カプラの上端よりも上方に突出するナット部が形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のアンカーユニット。
  6. 請求項1または請求項4に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造であって、
    前記アンカーパイプは、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記基礎に埋設されており、
    前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、
    前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置されている
    ことを特徴とするアンカー構造。
  7. 請求項1に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造を備えた建築物を水平状態に戻す水平復旧方法であって、
    前記アンカー構造は、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記アンカーパイプは前記基礎に埋設されており、前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置された構成となっており、
    前記スペーサ間の隙間で前記2つのカプラ構成部材を水平方向に移動させて開いて、前記雌ねじ部を前記雄ねじ部から離反させることで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結を解除する連結解除工程と、
    前記土台を前記アンカーボルトとともにジャッキアップして水平状態に戻すジャッキアップ工程と、
    水平状態になった前記土台を支持する土台支持工程と、
    前記カプラを元位置に戻して前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとを再度連結する連結工程と、を備えた
    ことを特徴とする水平復旧方法。
  8. 請求項4に記載したアンカーユニットを設置したアンカー構造を備えた建築物を水平状態に戻す水平復旧方法であって、
    前記アンカー構造は、前記係止部が基礎の上面から突出した状態で前記アンカーパイプは前記基礎に埋設されており、前記基礎の上方であって、前記アンカーパイプと前記カプラと前記アンカーボルトとを挟む両側位置には、前記カプラより背が高いスペーサが設置されており、前記スペーサ上には、前記アンカーボルトの上端部が連結された土台が設置された構成となっており、
    前記スペーサ間の隙間で前記カプラの抜止部材を前記鍔部材に干渉しない位置に移動した後に、前記カプラを水平方向に移動して前記鍔部と前記鍔部材から前記溝部を外すことで、前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとの連結を解除する連結解除工程と、
    前記土台を前記アンカーボルトとともにジャッキアップして水平状態に戻すジャッキアップ工程と、
    水平状態になった前記土台を支持する土台支持工程と、
    前記カプラを元位置に戻して前記アンカーパイプと前記アンカーボルトとを再度連結する連結工程と、を備えた
    ことを特徴とする水平復旧方法。
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