JP4664442B2 - つば出し管用管継手 - Google Patents
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Description
しかし、ルーズフランジは金属パイプにドーナツ状のフランジを通す作業が必要になるため、配管前の前段取りが必要になる。
特に大口径配管の場合にドーナツ状のフランジを通すのは大変であり、つば出し管のタイプによっては、つば出し加工の前にルーズフランジをパイプに予め通しておく必要があるものもあり、配管作業性が悪かった。
また、国際公開公報WO2006/045887 A1に開示する分割フランジは、連結孔が長孔になっていないので孔の位置合せが大変で、特に接続する配管同士の中心がズレている場合には接続作業そのものが困難であった。
分割フランジの連結締結部を通常の丸穴にし、ボルト・ナットで締結しても良いが、このように、ボルト締結部のうち、一方が長孔を有し、他方が端部に向けて開口した開口凹部形状になっていると、例えば、図2(b)に示すように、連結締結部のボルト・ナットを長孔から取り外さなくても、緩めて長孔の間を移動させるだけで、分割フランジの開閉ができる。
ここで第1分割フランジと第2分割フランジの一端を相互に回動自在に連結又は連結可能にしてあるとは、この回動連結部で連結した状態のまま、第1分割フランジと第2分割フランジの開放端側となる他端側が左右に開いた状態と、内側に管のつば部を呑み込むように閉じた状態とに開閉可能であることをいう。
従って、回動連結部はボルト・ナットの締結具を用いてボルト等を緩めた状態にしておく場合のみならず、第1分割フランジと第2分割フランジの一方の連結部をフック状の分離可能にした連結部になっていて、第1分割フランジと第2分割フランジを分離した状態からフック部を他方のボルトに引掛けて連結してもよい。
また、ボルトの締結孔が角穴になっていて角根付けボルトの使用によりナットの締め付けに対して伴回り防止になっていると締結作業がさらに容易になる。
なお、本明細書にて第1分割フランジ、第2分割フランジと表現したのは2分割したフランジの一方を第1、他方を第2と表現する趣旨であり、第1と第2とが逆であってもよい。
このように第1プレート及び第2プレートを補強プレートにて補強可能にしたことにより、プレートの板厚の組み合せにより配管径の大きさに応じて耐圧強度(連結強度)の調整が容易になる。
また、第1及び第2プレートの内径と補強プレートの内径に段差を設け、例えば、つば出し管のつば側にプレートが位置する場合にはプレートの内径を補強プレートの内径よりも大きくなるように段違いにすると、この段違いの空間にてつば部の根元のR部を吸収することができ、R部が原因での片締め不良等を防止できる。
この場合に、つば呑み込み部の位置に対応して、ボルトに過締め付け防止カラムからなるスペーサー及びボルト締結する連結締結部付近に過締め付け防止ピンを配設することで任意の位置に存在するボルトから締め付け可能にしてもよく、このようにするとボルト過締め付けによるプレートの変形が防止されるので、管継手の薄肉及び小型化が可能になる。
また、シール部材は汎用されている通常の円盤型ガスケットでよいがシール部材の挿入作業性向上の観点からは、連結される一対の管のつば部の間に挟み込むシール部材に、外周側に突出した支持片を設けるとよい。
また、第1及び第2の分割フランジの回動自在側の一方の連結部をフック状にしておくと、第1及び第2の分割フランジを分離して運搬し、現地で一方のフック部を他方の回動連結部側のボルトに引掛けるだけで、回動自在連結部になる。
このようにすると、大型のフランジの場合に運搬しやすい。
本発明においては、 過締め付け防止スペーサー及び過締め付け防止ピンが、ボルト過締め付けによるプレートの変形が抑えられるのみならず、引抜き阻止力、曲げ荷重の向上にも大きく寄与する。
シール部材として通常のガスケットを用いても良いが専用ゴムパッキンを使用すると、つば部の止水部における必要面圧が小さくてよくなることから、ボルトの本数を少なくすることが出来る。
ボルトの締付トルクを小さくすることができたので、継手本体の必要強度が低くなることから、板厚を薄くすることができる。
さらに、他端側のボルト締結用の長孔のねらいとする締結位置を部分的に角孔にすれば、角根付けボルトがこの角孔に収まるまで分割フランジを閉じるだけで締結の芯出しが可能になる。
さらには、プレートと補強プレートの内径に差を設けることで、この段差空間部につば部根元側のR部を逃がし込むことができる。
管継手10は、概ね半円形状に近い第1分割フランジ20と第2分割フランジ30とを一端側にてボルト60,ナット61で連結し、管を接続する前の状態ではこのボルト・ナットを緩めてあり、第1及び第2分割フランジが相互に回動自在な回動連結部Jとなっている。
第1分割フランジ20と第2分割フランジ30の一方の他端側は開閉方向の長孔(31a,32a)となり、他方は端部が開放方向に開口した開口凹部(21a,22a)となっていて、図2(b)に示すようにボルトを緩め長孔の間を移動させるだけで、分割フランジを開閉できる。
スペーサー50は、金属製のカラムになっていて、つば部を所定量締め込むとそれ以上締まらないようになっている。
1対の第1プレート21,22の外側には回動連結部Jと連結締結部Tを除く位置に第1補強プレート23,24を重ね合せてある。
第2補強プレート33,34の間には金属製カラムからなるスペーサー50をボルト60に通して配置してある。
スペーサー50を金属製のカラムにしたのはボルト60に通すことでフランジに取り付けるのが容易であるとともにスペーサー50の厚み(長さ)を、2枚のつば部の厚みとシール部材の厚みとを合計したものから所定の締め代を差し引いた値に設定すると、フランジのプレート間の隙間がスペーサー50の厚みにより制限されるので、それ以上締め付けることはできないので過締め防止になる。
よって、ボルト数が3以上ある場合に片締めになることを防止するように作用する。
また、第1プレート及び第2プレートは補強プレートをそれぞれ重ね合せるようにしたので、配管径の大きさや要求される接続強度に応じてプレートの厚みを変更、組み合せ可能になり、フランジ仕様のシリーズ化が容易になる。
本実施例では、4つの締結孔を有する管継手の例になっているが、管径のサイズにより6つ,8つあるいは、それ以上有してもよく、回動連結部Jと連結締結部Tとの間に必要に応じて中間締結孔21b,22b,31b,32bを有する。
本発明では、金属製のカラムからなる円筒状のスペーサーをボルトに配設したので、プレートの厚みが薄くても片締めにならず、小型化が可能になった。
ボルトの締付トルクを小さくすることができたので、継手本体の必要強度が低くなることから、さらに板厚を薄くすることができる。
これにより、従来より小型で重量の軽い管継手が実現できた。
シール部材は一般に広く使用されているガスケットでもよいが、本実施例では、中央部に通水孔44を有するドーナツ状のゴムシール材43を金属製の基板45に取り付けた例となっていて、基板45の外周部には外側方向に突出した支持片41を有し、この支持片41に長孔からなるボルト挿通孔42を形成してある。
ゴムシール材に形成したリング状の突部は、つば部に押圧されるので、止水部の必要面圧が従来のガスケットに比較して小さくて良い。
このようにすると図5(b)に示すように、支持片41を第2分割フランジ30の連結締結部Tの間に配置し、ボルト60にて挿通仮保持しておくことができるので配管接続作業時に不本意にシール部材が脱落するのを防止できる。
この場合に図5に示すようにボルト60を長孔31a,32aに挿通し、管1のつば部2の芯を合致させ、ボルト60を中心側に引き寄せボルト・ナットを締め付ける。
なお、実施例1と共通する部分は実施例1に合せて用いてあり、相違する部分を中心に説明する。
第2の実施例は図8の部品構成例を見ると分かりやすいようにボルト60aの根元に角根付け部60bを有し、回動連結部J,連結締結部T及び他の締結孔の一方向にボルトの角根付け部60bが嵌合する角孔32d,32e,32fをそれぞれ形成してある。
これにより、図7(a)に示すように管継手の第1プレート21,22及び第2プレート31,32の間に形成したつば呑み込み部Dに、つば部2,2の間にシール部材40が挟み込まれるようにして、これらを挿入する。
この状態にてボルト60aを長孔31a,32aに挿通し、長孔の間にはスペーサー50,長孔31aの外側にはワッシャー62をナット61を仮止めする。
その後に図7(b)に示すように、矢印の方向にボルト60aを移動する。
すると、角根付け部60bが長孔32aの締結ねらい位置に設けた角孔32dに移動した状態で初めてボルト60aの角根付け部60bがこの角孔32dに嵌合し、ナット61締結が可能になる。
これにより、ボルト60aの正しい位置が確認でき、接続作業が容易になる。
第1プレート21,22の中間締結孔21b,22bと第2プレート31,32の中間締結孔31b,32b付近に互いに対向して外側を向いたフック部22g,32gを形成した例となっている。
このような構造にすると、アジャスター70の引き寄せベルト73の一方のリング74をフック32gに引っ掛け、他方のリング75をフック22gに引っ掛ける。
アジャスターのレバー72を図9では上下に反復操作すると巻き取り部71にベルトが巻き取られることで第1分割フランジ20と第2分割フランジ30とが閉じる方向に引き寄せられる。
従って、接続する管同士に芯ずれが生じていても分割フランジが閉じるにつれて、芯出しが行われるので接続作業が容易になる。
なお、図9は、連結締結部Tの長孔からボルトを外した図になっているが、長孔にボルトを挿通し、ナットを螺着してあっても良いことは、先に説明したとおりである。
本実施例においても実施例1と共通する部分は同じ符号を用い、相違する部分のみ説明する。
第4の実施例は、管径が200mm以上の大きさになりフランジ形状が大きく、重くなる場合に有効である。
運搬時等は第1分割フランジと第2分割フランジを分離しておき、現地で配管作業をする場合にボルトを新たに挿通することなく回動連結部Jを回動自在に連結できるようになっている。
本実施例では、第1分割フランジ20の回動連結部J側をフック状のフック連結部121,122に形成し、図10では下方向で且つ根元側斜め方向に開口した開口凹部121a,122aを第2分割フランジ30の回動連結部J側の連結孔に予め挿通してあったボルト60にそのまま引掛けるように取り付けるだけで回動自在の連結部になる。
この状態にした後に図11に示すように配管材のつば部2周囲に配置し、配管作業を行う。
本実施例では図12に分解図を示すように、第1プレート21と第2プレート22との間であって、連結締結部付近に過締め付け防止ピン150を設けた例になっていて、図14にその拡大図を示すように、ボルト及びナットにて連結締結部を締め付ける際に過締め変形しないようになっている。
このようにスペーサー50の他に連結締結部付近に過締め付け防止ピン150を設けると、従来の一般ルーズフランジでは対角状に順次締め付ける必要があったのに対して、本発明では任意の位置から順次締め付けることができる。
また、図15に示すように管1のつば部2側に位置する、例えば第1プレート21の内径を第1補強プレート23の内径よりも少し大きくし、寸法dだけ段違いにすることにより、つば部2の根元R部にプレートのコーナーが乗り上がるのを防止でき、片締め不良の発生が無くなる。
2 つば部
10 管継手
20 第1分割フランジ
21 第1プレート
22 第1プレート
23 第1補強プレート
24 第1補強プレート
30 第2分割フランジ
31 第2プレート
32 第2プレート
33 第2補強プレート
34 第2補強プレート
40 シール部材
41 支持片
50 スペーサー
60 ボルト
61 ナット
D つば呑み込み部
J 回動連結部
P 挿入孔
T 連結締結部
Claims (2)
- 管の端部がつば出し形状になっているつば出し管の管継手であって、
第1分割フランジと第2分割フランジとを一端にて相互に回動自在に連結又は連結可能にし、他端側にて相互にボルト締結可能であり、
第1分割フランジは一対の2枚の第1プレート、第2分割フランジは一対の2枚の第2プレートをその間に管のつば部を配置するためのつば呑み込み部を有するように対向配置し、
且つ、前記一端と他端との間に複数のボルト締結孔を前記一対の2枚の第1プレートと一対の2枚の第2プレートにそれぞれ対向して有し、
前記第1プレート及び第2プレートは、一端に設けた前記回動自在に連結した部分と他端側のボルト連結可能な部分以外の部分に補強プレートをボルトが挿通するように重ね合せてあり、
第1分割フランジと第2分割フランジとの前記他端側のボルト締結可能なボルト締結部のうち、一方は長孔を有し、他方は端部に向けて開口した開口凹部形状であり、
ボルトの頭側の締結孔が角穴になっていて角根付けボルトの使用によりナットの締め付けに対して伴回り防止になっており、
前記ボルト締結孔に挿入するボルトの一対の2枚の第1プレートの間及び一対の2枚の第2プレート間に位置する部分に過締め付け防止のためのカラムからなるスペーサーを取り付け、
前記他端に設けたボルト締結部付近であって対向する内側のプレートの間に位置する過締め付け防止ピンを一方のプレートから他方側のプレートに向けて配設することで、複数本配設した締結用ボルトのうち、いずれのボルトからでもプレートの変形を防止しつつ締め付け可能にしたことを特徴とするつば出し管用継手。 - 連結される一対の管のつば部の間に挟み込むシール部材を有し、当該シール部材は前記つば部の外周側に突出した支持片を有し、当該支持片を前記ボルト締結部に予め挿入したボルトに仮保持させたことを特徴とする請求項1記載のつば出し管用継手。
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