JP6299577B2 - グロメット及びグロメット付電線 - Google Patents

グロメット及びグロメット付電線 Download PDF

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Description

この発明は、車両のパネル等に形成された貫通孔に装着されるグロメットに関する。
車両のパネル等には、パネルに対して一方側から他方側に電線を引きこむための貫通孔が形成され、当該貫通孔の内周縁部から電線を保護するため及び貫通孔を通して水等が浸入することを抑制するため、グロメットが装着されることがある。このようなグロメットが、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載のグロメットは、グロメットインナーとグロメットアウターとを備え、グロメットインナーに、グロメットを取付部材に設けられた貫通孔に固定するための爪(ロック部)が4つ設けられるとされている。
特開2003−111247号公報
しかしながら、ロック部が4つ設けられると、すべてのロック部が嵌合したかどうかを判別しにくいため、一部のロック部が嵌合できていない恐れが生じる。また、ロック部を3つ以下にすると、すべてのロック部が嵌合したかどうかの判別は容易になるが、グロメットの周方向においてロック部とロック部との間の部分で良好な水密性が得られない恐れが生じる。
そこで、本発明は、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るグロメットは、取付対象板に形成された貫通孔に嵌まるグロメットであって、電線を挿通可能な筒状に形成された枠体部と、前記枠体部の軸方向一端側から前記枠体部の外側に向かって延びる鍔部と、前記貫通孔に係止するように前記枠体部にその周方向に間隔をあけて複数形成されたロック部と、を含み、樹脂を材料として形成され、前記貫通孔に嵌まるインナー部材と、前記インナー部材の前記鍔部が嵌る部分を含む筒状本体部と、前記インナー部材が前記貫通孔に嵌まった状態で前記取付対象板のうち前記貫通孔の周囲の一方主面に当接するように前記筒状本体部に環状に突設されたリップ部とを含み、弾性材料により形成されたアウター部材と、を備え、前記リップ部のうち前記ロック部の外側に位置する部分を第1リップ部とし、前記リップ部のうち周方向に沿って前記第1リップ部同士の間に位置する部分を第2リップ部とする場合に、前記インナー部材に前記アウター部材が取り付けられた状態で、前記第2リップ部の少なくとも一部が前記第1リップ部よりも前記取付対象板側に盛り上がっている。
第2の態様に係るグロメットは、第1の態様に係るグロメットであって、前記リップ部の盛り上がっている部分は、前記取付対象板側に向かって徐々に盛り上がっている。
第3の態様に係るグロメットは、第1又は第2の態様に係るグロメットであって、前記鍔部のうち前記枠体部の周方向に沿って前記ロック部と同じ位置にある部分を第1鍔部とし、前記鍔部のうち周方向に沿って前記第1鍔部同士の間に位置する部分を第2鍔部とする場合に、前記第2鍔部のうち前記取付対象板側を向く面の少なくとも一部が前記第1鍔部のうち前記取付対象板側を向く面よりも前記取付対象板側に出っ張っている。
第4の態様に係るグロメットは、第3の態様に係るグロメットであって、前記鍔部が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されている。
第5の態様に係るグロメットは、第3の態様に係るグロメットであって、前記第1鍔部及び前記第2鍔部のうち前記取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している。
第6の態様に係るグロメットは、第1〜第5のいずれか1つの態様に係るグロメットであって、前記筒状本体部のうち前記第1リップ部の基端部に位置する部分を第1筒状本体部とし、前記筒状本体部のうち前記第2リップ部の基端部に位置する部分を第2筒状本体部とする場合に、前記アウター部材が単独で存在している状態で、前記第2筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面の少なくとも一部が前記第1筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面よりも前記取付対象板側に出っ張っている。
第7の態様に係るグロメットは、第6の態様に係るグロメットであって、前記アウター部材が単独で存在している状態で、前記第1筒状本体部及び前記第2筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している。
第8の態様に係るグロメットは、第1〜第7のいずれか1つの態様に係るグロメットであって、前記第2リップ部の少なくとも一部の突出寸法が前記第1リップ部の突出寸法よりも大きく設定されている。
第9の態様に係るグロメットは、第1〜第8のいずれか1つの態様に係るグロメットであって、前記貫通孔が長円形又は楕円形に形成され、前記インナー部材及び前記アウター部材の外形が前記貫通孔に沿うように長円形又は楕円形に形成され、前記ロック部が前記インナー部材の長軸方向両端に1つずつ設けられている。
第10の態様に係るグロメット付電線は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係るグロメットと、前記グロメットに挿通された少なくとも1本の電線と、を備える。
第1〜第9の態様に係るグロメットによると、リップ部のうちロック部の外側に位置する部分を第1リップ部とし、リップ部のうち周方向に沿って第1リップ部同士の間に位置する部分を第2リップ部とする場合に、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板側に盛り上がっているため、第2リップ部のうち当該盛り上がっている部分の水密性を向上させることができる。これにより、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
特に、第2の態様に係るグロメットによると、リップ部の盛り上がっている部分は、取付対象板側に向かって徐々に盛り上がっているため、盛り上がっている部分の中、及び、盛り上がり始める部分に、段差が生じにくい。これにより、盛り上がっている部分を含みその周辺部分の水密性を向上させることができる。
特に、第3の態様に係るグロメットによると、鍔部のうち枠体部の周方向に沿ってロック部と同じ位置にある部分を第1鍔部とし、鍔部のうち周方向に沿って第1鍔部同士の間に位置する部分を第2鍔部とする場合に、第2鍔部のうち取付対象板側を向く面の少なくとも一部が第1鍔部のうち取付対象板側を向く面よりも取付対象板側に出っ張っているため、当該インナー部材にアウター部材を取り付けた状態で、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板側に盛り上がることができる。これにより、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
特に、第4の態様に係るグロメットによると、鍔部が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されているため、アウター部材は、従来の物を用いることができる。
特に、第5の態様に係るグロメットによると、第1鍔部及び第2鍔部のうち取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置しているため、金型を用いてこのようなインナー部材を形成する際に、金型を形成しやすい。
特に、第6の態様に係るグロメットによると、アウター部材が単独で存在している状態で、第2筒状本体部のうち取付対象板側を向く面の少なくとも一部が第1筒状本体部のうち取付対象板側を向く面よりも取付対象板側に出っ張っているため、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板側に盛り上がることができる。これにより、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
特に、第7の態様に係るグロメットによると、アウター部材が単独で存在している状態で、第1筒状本体部及び第2筒状本体部のうち取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置しているため、金型を用いてこのようなアウター部材を形成する際に、金型を形成しやすい。
特に、第8の態様に係るグロメットによると、第2リップ部の少なくとも一部の突出寸法が第1リップ部の突出寸法よりも大きく設定されているため、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板側に盛り上がることができる。また、第2リップ部と取付対象板との接触面積を大きくすることができる。これらにより、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
特に、第9の態様に係るグロメットによると、貫通孔が長円形又は楕円形に形成され、インナー部材及びアウター部材の外形が貫通孔に沿うように長円形又は楕円形に形成され、ロック部がインナー部材の長軸方向両端に1つずつ設けられているため、当該グロメットのうち水密性が弱くなる恐れのある長軸方向中間部分に位置する第2リップ部を盛り上げることで水密性を向上させることができる。
第10の態様に係るグロメット付電線によると、グロメットのリップ部のうちロック部の外側に位置する部分を第1リップ部とし、リップ部のうち周方向に沿って第1リップ部同士の間に位置する部分を第2リップ部とした場合に、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板側に盛り上がっているため、第2リップ部のうち当該盛り上がっている部分の水密性を向上させることができる。これにより、グロメットのロック部が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
第1実施形態に係るグロメットを示す斜視図である。 第1実施形態に係るグロメットを示す正面図である。 第1実施形態に係るグロメットのインナー部材を示す斜視図である。 第1実施形態に係るグロメットのインナー部材を示す正面図である。 第1実施形態に係るグロメットを示す平面図である。 図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。 第2実施形態に係るグロメットのインナー部材を示す正面図である。 第2実施形態に係るグロメットの図6と同位置における断面図である。 第3実施形態に係るグロメットを示す正面図である。 第3実施形態に係るグロメットの図6と同位置における断面図である。 第4実施形態に係るグロメットを示す正面図である。 第4実施形態に係るグロメットの図6と同位置における断面図である。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るグロメット10について説明する。図1は、第1実施形態に係るグロメット10を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るグロメット10を示す正面図である。図3は、第1実施形態に係るグロメット10のインナー部材20を示す斜視図である。図4は、第1実施形態に係るグロメット10のインナー部材20を示す正面図である。図5は、第1実施形態に係るグロメット10を示す平面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿って切断した断面図である。
第1実施形態に係るグロメット10は、取付対象板80に形成された貫通孔に嵌まるグロメット10である。取付対象板80は、例えば、車両のパネル等が想定される。取付対象板80は、空間を仕切る部材であり、当該取付対象板80に仕切られた空間に電線70等を渡すために取付対象板80には貫通孔が形成されている。
貫通孔は、ここでは、長円形、より詳細には、1対の半円の間に直線部分が設けられている、いわゆる陸上競技のトラックのような形状(以降、トラック形状と称する)に形成されるものとして説明する。もっとも、貫通孔が長円形に形成されることは必須ではなく、円形、楕円形、又は、角形等に形成されていてもよい。ここで、楕円とは数学的な楕円を指し、長円とは数学的な楕円以外の、上記トラック形状のような、一方が他方より長い円状を指すものとする。
グロメット10は、上記貫通孔を通って仕切られた一方の空間から他方の空間へ水が浸入すること、及び、貫通孔に挿通される電線70等を貫通孔の内周縁部から保護することなどを目的として貫通孔に嵌められる。
具体的には、グロメット10は、インナー部材20とアウター部材30とを備える。インナー部材20は、貫通孔に嵌って係止する部材である。アウター部材30は、インナー部材20に取り付けられ、貫通孔からの水の浸入を抑制する部材である。
インナー部材20は、枠体部22と、鍔部24と、ロック部28とを含む。インナー部材20は、樹脂を材料として形成されている。
枠体部22は、電線70を挿通可能な筒状に形成されている。枠体部22は、貫通孔に挿通される部分である。より具体的には、枠体部22の外形は貫通孔よりも小さく形成されている。これにより、枠体部22は、貫通孔に挿通可能となる。また、ここでは、インナー部材20が貫通孔に嵌まった状態で、枠体部22の中心軸方向と貫通孔の中心軸方向とは平行となるように(ここでは、一致するように)設定されている。枠体部22は、貫通孔の内周面に沿う外形に形成されている。ここでは、貫通孔がトラック形状に形成されているため、枠体部22の外形も平面視トラック形状に形成されている。なお、ここでは、枠体部22の内面は、角が丸められた長方形状に形成されているが、このことは必須ではない。例えば、枠体部22の内面は、トラック形状に形成されていてもよいし、円形に形成されていてもよい。
鍔部24は、枠体部22の軸方向一端側から枠体部22の外側に向かって延びるように形成されている。ここでは、鍔部24は、枠体部22の中心軸方向に直交する方向に延びるように形成されている。なお、ここでは、鍔部24は、全周がつながった環状に形成されているが、鍔部24はその周方向に途切れる部分があってもよい。また、ここでは、鍔部24のうち、枠体部22の中心軸方向に沿ってロック部28の下方に位置する部分に孔27が設けられている。鍔部24に当該孔27が設けられていることにより、金型を用いてインナー部材20を形成する際に、金型のうちロック部28を含む部分を上下抜きすることができる。ここでは、鍔部24の外形は、貫通孔より外側に広がるように設定されている。
ロック部28は、貫通孔に係止するように形成されている。ロック部28は、枠体部22に複数(ここでは、2つ)形成されている。複数のロック部28は、枠体部22の周方向に間隔をあけて形成されている。なお、ロック部28の数は、3つ以上であってもよい。
具体的には、ここでは、ロック部28は、枠体部22の長軸方向両端に1つずつ形成されている。つまり、2つのロック部28が、長円形に形成された枠体部22のうち一対の半円状部分の真ん中にそれぞれ位置するように形成されている。また、ロック部28は、枠体部22のうち軸方向他端側(鍔部24が設けられていない側)から鍔部24のある側に向かって延びるように形成されている。
また、ロック部28は、縮径するように弾性変形可能に形成されている。ここでは、ロック部28は、その先端が枠体部22の中心に向かって弾性変形可能に形成されている。ロック部28の先端には、貫通孔よりも外側に広がる最外形部28aがあり、ロック部28のうち最外形部28aより先端に段差部28bが設けられている。
インナー部材20を貫通孔に嵌める際に、ロック部28の基端側からインナー部材20を貫通孔に挿入していくと、ロック部28が弾性変形しつつインナー部材20が進んでいく。そして、段差部28bが取付対象板80の一方主面側から他方主面側に抜けると、ロック部28の弾性変形が緩和され、段差部28bに取付対象板80の他方主面が位置し、インナー部材20が貫通孔に係止する。
アウター部材30は、筒状本体部32と、リップ部40とを含む。アウター部材30は、ゴム等の弾性材料により形成されている。
筒状本体部32は、インナー部材20の鍔部24が嵌る部分を含む。ここでは、筒状本体部32は、小径筒部35と大径筒部36と連結筒部37とを含む。
小径筒部35は、グロメット10と、グロメット10に挿通される電線70とを固定する部分である。ここでは、小径筒部35は、円筒状に形成されている。小径筒部35と電線70とは、例えば、小径筒部35と電線70との周囲にテープ巻が施されることなどによって固定される。
また、小径筒部35は、グロメット10内を通して、水が浸入することを抑制する機能を有することもある。例えば、固定用のテープを隙が生じないように幅方向端部を重ねるように巻くことで、グロメット10と電線70との隙間からの水の浸入を抑制することができる。また、例えば、小径筒部35の内周面にその周方向に沿って環状突部が形成され、当該環状突部が電線70に密着することでも、グロメット10と電線70との隙間からの水の浸入を抑制することができる。また、例えば、小径筒部35と電線70との間にシリコーン等の止水剤を満たすことでも、グロメット10と電線70との隙間からの水の浸入を抑制することができる。小径筒部35と電線70との間にシリコーン等を満たした場合、電線70を固定する効果も期待できる。
ここで、グロメット10に挿通される電線70は、少なくとも1本含まれていればよい。電線70は、芯線の外周に樹脂が押出被覆等されることで被覆部が形成された構成とされている。ここでは、複数の電線70が束ねられた電線束の例で説明する。なお、電線束には、光ファイバ等が電線70に沿って配設されていてもよい。電線70は、車両等の配設対象箇所に配設された状態で、車両等に搭載された各種電気機器同士を電気的に接続するものとして用いられる。なお、図2、図6、図8、図10及び図12では、電線束の概形が描かれている。
大径筒部36は、小径筒部35よりも大径に形成されている。大径筒部36の外周面は貫通孔の内周面に沿った形状に形成されるとともに、貫通孔よりも大きく形成されている。大径筒部36の内周面は、枠体部22の外周面に沿った形状に形成されている。大径筒部36の内周面には、鍔部24を嵌めるための環状の凹部36hが形成されている。
凹部36hは、大径筒部36の内周面の一部が、外周面に向かって凹む態様で形成されている。凹部36hの幅寸法は、鍔部24の厚み寸法と同程度に設定され、凹部36hの深さ寸法は、鍔部24の突出寸法と同程度に設定されている。凹部36hに鍔部24が嵌ることで、鍔部24と取付対象板80との間に大径筒部36の一部が位置する。大径筒部36のうち鍔部24よりも取付対象板80側に位置する部分の取付対象板80側を向く面に環状突起38とリップ部40とが突設されている。
環状突起38は、軸方向に沿って突出しており、取付対象板80側を向く面は湾曲面状に形成されている。当該環状突起38は、グロメット10が貫通孔に装着された際に、取付対象板80に押し当てられること、取付対象板80に密着する。
リップ部40は、筒状本体部32に環状に突設されている。リップ部40は、インナー部材20が貫通孔に嵌まった状態で取付対象板80のうち貫通孔の周囲の一方主面に当接するように形成されている。
具体的には、リップ部40は、大径筒部36のうち鍔部24よりも取付対象板80側に位置する部分の取付対象板80側を向く面に、環状突起38よりも外周側から突出するように設けられている。また、リップ部40は、取付対象板80側に向かうと共に外側に向かって延びるように形成されている。このため、リップ部40は、大径筒部36の取付対象板80側を向く面から外側に傾斜するように延びている。また、リップ部40は、環状突起38よりも突出量が大きくなるように形成されている。
連結筒部37は、小径筒部35と大径筒部36とをつなぐ部分である。ここでは、小径筒部35の軸方向端部と大径筒部36の軸方向端部とが軸方向に沿って同じ位置にあるため、連結筒部37は、小径筒部35と大径筒部36とを軸方向に沿った同一部分でつないでいる。しかしながら、連結筒部37は、小径筒部35から大径筒部36に向かって軸方向に沿って徐々に拡径するように形成されていてもよい。
ここで、リップ部40、鍔部24及び筒状本体部32のうち、ロック部28のある部分の外側に位置する部分とロック部28のない部分の外側に位置する部分とを、以下のように区別する。
即ち、リップ部40のうちロック部28の外側に位置する部分を第1リップ部41とし、リップ部40のうち周方向に沿って第1リップ部41同士の間に位置する部分を第2リップ部42と定義する。
また、鍔部24のうち枠体部22の周方向に沿ってロック部28と同じ位置にある部分を第1鍔部25とし、鍔部24のうち周方向に沿って第1鍔部25同士の間に位置する部分を第2鍔部26と定義する。
また、筒状本体部32のうち第1リップ部41の基端部に位置する部分を第1筒状本体部33とし、筒状本体部32のうち第2リップ部42の基端部に位置する部分を第2筒状本体部34と定義する。
これらは、グロメット10の中心から見た際に、ロック部28のある方向に見える部分が第1リップ部41、第1鍔部25及び第1筒状本体部33であり、ロック部28のない方向(ロック部28同士の間の方向)に見える部分が第2リップ部42、第2鍔部26及び第2筒状本体部34であるととらえることもできる。
ここで、本実施形態に係るグロメット10を例にとり、グロメットにおけるロック部と水密性との関係について考察する。
ロック部28のある部分では、図6に示されるように、ロック部28と大径筒部36とで取付対象板80を挟持することができる。このため、この部分の大径筒部36に取付対象板80から離れる方向への力がかかった場合でも、大径筒部36と共に、取付対象板80を挟持しているロック部28が取付対象板80を押すことの反力により、大径筒部36が取付対象板80から離れにくい。
一方、ロック部28のない部分では、図6に示されるように、取付対象板80に対して、一方から大径筒部36が押し当てられるのみとなっている。このため、この部分の大径筒部36に取付対象板80から離れる方向への力がかかった場合、ロック部28が遠い分反力がかかりにくくなり、大径筒部36が取付対象板80から離れやすい。この際、ロック部28から離れるほど、反力がかかりにくくなり、大径筒部36が取付対象板80から離れやすくなると考えられる。
以上により、ロック部28のある部分に比べてロック部28のない部分の方が弱い力で離れやすいと考えられる。このため、リップ部がロック部のある部分とない部分とで取付対象板80に同じ当接の仕方をしていると、反力の違いから、ロック部28のない部分の水密性が弱くなると考えられる。そこで、ここでは、リップ部40の先端の軸方向に沿った位置に違いを設けている。
即ち、インナー部材20にアウター部材30が取り付けられた状態で、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっている。ここでは、第2鍔部26のうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1鍔部25のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っていることで、インナー部材20にアウター部材30が取り付けられた状態で、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっている。
具体的には、ここでは、第2鍔部26のうちの長円形の半円状部分と直線状部分とをつなぐ部分から盛り上がり始めるように形成されている。このため、インナー部材20にアウター部材30を取り付けると、第2リップ部42のうちの長円形の半円状部分と直線状部分とをつなぐ部分から盛り上がり始める。もっとも、第2鍔部26のうちの長円形の半円状部分と直線状部分とをつなぐ部分から盛り上がり始めるように形成されていること及び第2リップ部42のうちの長円形の半円状部分と直線状部分とをつなぐ部分から盛り上がり始めることは必須ではない。第1リップ部41から盛り上がり始めていてもよいし、第1リップ部41と第2リップ部42とのつなぎ目から盛り上がり始めていてもよい。
また、ここでは、第2鍔部26のうちの上記直線状部分の真ん中、即ち、ロック部28同士の真ん中で一番盛り上がるように形成されている。このため、インナー部材20にアウター部材30を取り付けると、第2リップ部42のうちの上記直線状部分の真ん中、即ち、ロック部28同士の真ん中で一番盛り上がる。通常、ロック部28同士の真ん中の部分の水密性が一番弱くなると考えられるため、第2リップ部42のうちのロック部28同士の真ん中で一番盛り上がることで、一番弱い部分の水密性を向上させることができる。なお、第2鍔部26のうちのロック部28同士の真ん中で一番盛り上がるように形成されていること、及び、第2リップ部42のうちのロック部28同士の真ん中で一番盛り上がることは必須ではない。しかしながら、リップ部40のうち水密性が一番弱くなると思われる箇所が一番盛り上がるように設定されていることが好ましい。
第2鍔部26のうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1鍔部25のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っている構成を採用する際に、ここでは、鍔部24が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されている。
ここで、アウター部材30として、従来のインナー部材に取り付けられるアウター部材を採用している。ここでいう従来のインナー部材とは、鍔部24が、その軸方向に出っ張る部分がなく、又、厚みが均一に形成されているものを指す。このため、従来のインナー部材に取り付けられる従来のアウター部材の凹部は、その幅が均一に形成され、軸方向に傾斜する部分がないように形成されている。
従って、当該アウター部材30を今回のインナー部材20に取り付けると、凹部36hの内周面が鍔部24の形状に応じて変形し、図6のように、第2鍔部26の盛り上がっている部分を覆う第2筒状本体部34の取付対象板80側を向く面が第1筒状本体部33の取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に寄せられる。この結果、インナー部材20にアウター部材30が取り付けられた状態で、第2リップ部42の直線状部分が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がる。さらに、第2筒状本体部34の取付対象板80側を向く面と、取付対象板80との距離が近くなるため、リップ部40及び環状突起38がより強く取付対象板80に押し当てられる。
以上のように、鍔部24が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されていると、取付対象板80側を向く面のうち第2鍔部26の少なくとも一部の面が第1鍔部25の面よりも取付対象板80側に出っ張っていても、従来のアウター部材を採用することができる。これにより、アウター部材を新規に設計及び製造する必要がなくなるため、コストを抑えることができる。もっとも、アウター部材30として従来のアウター部材を採用することは必須ではなく、新規に設計及び製造したアウター部材を採用してもよい。
なお、第2鍔部26の盛り上がっている部分を覆う第2筒状本体部34の取付対象板80側を向く面が取付対象板80側に寄せられることで、その反対側を向く面も取付対象板80側に寄せられる。これにより、第2鍔部26の盛り上がっている部分を覆う第2筒状本体部34に連なる連結筒部37は、若干傾斜する。また、鍔部24の厚みが均一であるため、第2鍔部26のうち取付対象板80側に出っ張っている部分の反対側に位置する面が取付対象板80側に凹んでいる。
ここでは、リップ部40の盛り上がっている部分は、取付対象板80側に向かって徐々に盛り上がっている。別の見方をすると、リップ部40は、その全周で滑らかに連続するように形成されているととらえることもできる。このため、リップ部40は、盛り上がっている部分の中、及び、盛り上がり始める部分に段差が生じにくくなっている。これにより、リップ部40が取付対象板80に当接している状態で、リップ部40と取付対象板80との間に隙間が生じる恐れを抑制することができる。
なお、第2リップ部42の盛り上がる量は、グロメットの形状及び大きさ等によって適宜決定される値であるが、例えば、第2リップ部42の盛り上がる量としては、0.3mm〜0.5mm程度が想定される。
また、ここでは、アウター部材30として従来のアウター部材を採用しているため、アウター部材30がインナー部材20に取り付けられておらず、単独で存在する場合に、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっていない。しかしながら、アウター部材として、インナー部材20の鍔部24の形状に沿った凹部が形成されたものを採用するなどすることで、アウター部材が単独で存在する場合に、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっていてもよい。アウター部材単独での状態にかかわらず、アウター部材がインナー部材に取り付けられた状態で、第2リップ部の少なくとも一部が第1リップ部よりも取付対象板80側に盛り上がっていればよい。
第1実施形態に係るグロメット10によると、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっているため、第2リップ部42のうち当該盛り上がっている部分の水密性を向上させることができる。これにより、グロメット10のロック部28が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
また、リップ部40の盛り上がっている部分は、取付対象板80側に向かって徐々に盛り上がっているため、盛り上がっている部分の中、及び、盛り上がり始める部分に、段差が生じにくい。これにより、盛り上がっている部分を含みその周辺部分の水密性を向上させることができる。
また、第2鍔部26のうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1鍔部25のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っているため、当該インナー部材20にアウター部材30を取り付けた状態で、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がることができる。これにより、グロメット10のロック部28が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
この際に、第2筒状本体部34の取付対象板80側を向く面が第1筒状本体部33の取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に寄せられることで、第2筒状本体部34の取付対象板80側を向く面と取付対象板80との距離が近くなるため、リップ部40及び環状突起38がより強く取付対象板80に押し当てられる。これにより、より良好な水密性を得ることができる。
また、鍔部24が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されているため、アウター部材30は、従来の物を用いることができる。これにより、コストを抑制することができる。
また、貫通孔が長円形に形成され、インナー部材20及びアウター部材30の外形が貫通孔に沿うように長円形に形成され、ロック部28がインナー部材20の長軸方向両端に1つずつ設けられているため、当該グロメット10のうち水密性が弱くなる恐れのある長軸方向中間部分に位置する第2リップ部42(長円の直線状部分に相当する部分)を盛り上げることで水密性を向上させることができる。
{第2実施形態}
次に、第2実施形態に係るグロメット10Aについて説明する。図7は、第2実施形態に係るグロメット10Aのインナー部材20Aを示す正面図である。図8は、第2実施形態に係るグロメット10Aの図6と同位置における断面図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する(以下の各実施形態でも同様)。
第2実施形態に係るグロメット10Aは、第1実施形態に係るグロメット10と同様に、インナー部材20Aにアウター部材30Aが取り付けられた状態で、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっている構成を実現可能にする構成として、第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1鍔部25のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っている構成を採用している。この際、第2実施形態に係るグロメット10Aは、第1実施形態に係るグロメット10とは異なり、第1鍔部25及び第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している。この結果、第2実施形態に係るグロメット10Aの鍔部24Aは、厚みが均一に形成されていない。
より詳細には、第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面は、第1鍔部25との連結部分から徐々に取付対象板80側に向かって出っ張っている。これに対し、第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面とは反対側の面は、第1鍔部25のうち取付対象板80側を向く面と同一平面内に位置している。当該平面は軸方向に直交する平面である。これらの結果、第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面が取付対象板80側に向かって出っ張っている部分は第1鍔部25に比べて厚肉になっている。
この鍔部24Aを嵌めるため、アウター部材30Aに形成された凹部36hのうち第2筒状本体部34Aに形成された部分の幅が、第1筒状本体部33に形成された部分の幅よりも大きくなっている。この際、筒状本体部32Aの大径筒部36Aのうち鍔部24Aよりも取付対象板80側にある部分の肉厚が一定で形成されていることにより、インナー部材20Aにアウター部材30Aを取り付けた状態で、筒状本体部32Aの取付対象板80側を向く面のうち第2筒状本体部34Aの面が第1筒状本体部33の面より取付対象板80側に寄せられている。
第2実施形態に係るグロメット10Aによっても、鍔部24Aの厚みが均一であること以外の効果については、第1実施形態に係るグロメット10と同様の効果を得ることができる。
また、第2実施形態に係るグロメット10Aによると、第1鍔部25及び第2鍔部26Aのうち取付対象板80側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置しているため、金型を用いてこのようなインナー部材20Aを形成する際に、金型を形成しやすい。
また、第2実施形態に係るグロメット10Aによると、第2筒状本体部34Aの大径筒部36Aの軸方向の寸法が第1筒状本体部33の大径筒部36Aの軸方向の寸法よりも大きく設定されているため、第2筒状本体部34Aに取付対象板80から離そうとする力がかかっても離れにくい。
なお、第2実施形態に係るグロメット10Aにおいても、厚肉に形成された第2鍔部26Aが嵌まる凹部36hの幅を大きくする際に、後述する第3実施形態に係るアウター部材30Bのように、アウター部材30Aが単独で存在している状態で、アウター部材30Aの第2筒状本体部34Aのうち取付対象板80側を向く面を取付対象板80側に出っ張らせてもよい。
{第3実施形態}
第3実施形態に係るグロメット10Bについて説明する。図9は、第3実施形態に係るグロメット10Bを示す正面図である。図10は、第3実施形態に係るグロメット10Bの図6と同位置における断面図である。
第3実施形態に係るグロメット10Bは、第1実施形態に係るグロメット10とは異なり、インナー部材20Bにアウター部材30Bが取り付けられた状態で、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっている構成を実現可能にする構成として、アウター部材30Bが単独で存在している状態で、第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1筒状本体部33のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っている構成を採用している。この際に、ここでは、アウター部材30Bが単独で存在している状態で、第1筒状本体部33及び第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している。
より詳細には、ここでは、インナー部材20Bとして鍔部24Bの厚みが一定で、軸方向に沿って出っ張っていないものを用いている。つまり、第1鍔部25と第2鍔部26Bとのうち、取付対象板80側を向く面及びその反対側の面がそれぞれ同一平面内に位置する。
そして、ここでは、筒状本体部32Bの肉厚を一部で異ならせている。即ち、第2筒状本体部34Bの大径筒部36Bのうち第2鍔部26Bよりも取付対象板80側に位置する部分を、第1筒状本体部33の大径筒部36のうち鍔部24Bよりも取付対象板80側に位置する部分よりも厚肉にすることで、第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1筒状本体部33のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っている。
また、ここでは、第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面が第1筒状本体部33とのつなぎ目から徐々に出っ張っていき、第2筒状本体部34Bの真ん中で一番出っ張るように設定されている。
第3実施形態に係るグロメット10Bによると、アウター部材30Bが単独で存在している状態で、第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面の少なくとも一部が第1筒状本体部33のうち取付対象板80側を向く面よりも取付対象板80側に出っ張っているため、第2リップ部42の少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がることができる。これにより、グロメット10Bのロック部28が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
また、アウター部材30Bが単独で存在している状態で、第1筒状本体部33及び第2筒状本体部34Bのうち取付対象板80側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置しているため、金型を用いてこのようなアウター部材30Bを形成する際に、金型を形成しやすい。
また、ここでは、第2筒状本体部34Bの大径筒部36Bのうち鍔部24Bよりも取付対象板80側に位置する部分が、第1筒状本体部33の大径筒部36Bのうち鍔部24Bよりも取付対象板80側に位置する部分よりも厚肉になっているため、第2筒状本体部34Bに取付対象板80から離そうとする力がかかっても離れにくい。
{第4実施形態}
第4実施形態に係るグロメット10Cについて説明する。図11は、第4実施形態に係るグロメット10Cを示す正面図である。図12は、第4実施形態に係るグロメット10Cの図6と同位置における断面図である。
第4実施形態に係るグロメット10Cは、第1実施形態に係るグロメット10とは異なり、インナー部材20Cにアウター部材30Cが取り付けられた状態で、第2リップ部42Cの少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がっている構成を実現可能にする構成として、第2リップ部42Cの少なくとも一部の突出寸法が第1リップ部41の突出寸法よりも大きく設定されている構成を採用している。
より詳細には、ここでは、インナー部材20C及びアウター部材30Cに出っ張る部分はなく、リップ部40Cのみを出っ張らせている。つまり鍔部24C(第2鍔部26C)は、第3実施形態に係るグロメット10Bの鍔部24B(第2鍔部26B)と同様に厚みが均一で出っ張りのないように設定されている。また、第2筒状本体部34Cの大径筒部36Cは、第1筒状本体部33の大径筒部と同様に厚みが均一で出っ張りのないように形成されている。
第2リップ部42Cは第1リップ部41とのつなぎ目から徐々に取付対象板80側に出っ張っていき、第2リップ部42Cの真ん中で一番出っ張るように設定されている。また、第2リップ部42Cの突出量(第2リップ部42Cの延在方向の寸法)が第1リップ部41の突出量(第1リップ部41の延在方向の寸法)よりも大きくなるように設定されている。
なお、第2リップ部42Cの延在方向と筒状本体部32Cの軸方向とのなす角は、第1リップ部41の延在方向と筒状本体部32Cの軸方向とのなす角と同じであってもよいし、違っていてもよい。
第4実施形態に係るグロメット10Cによると、第2リップ部42Cの少なくとも一部の突出寸法が第1リップ部41の突出寸法よりも大きく設定されているため、第2リップ部42Cの少なくとも一部が第1リップ部41よりも取付対象板80側に盛り上がることができる。また、第2リップ部42Cと取付対象板80との接触面積を大きくすることができる。これらにより、グロメット10Cのロック部28が少ない場合でも、良好な水密性を得ることができる。
なお、上記各実施形態で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。例えば、インナー部材の第2鍔部の出っ張りの構成、アウター部材単独での第2筒状本体部の出っ張りの構成、及び、第2リップ部の突出の構成のうち複数を組み合わせてもよい。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 グロメット
20 インナー部材
22 枠体部
24 鍔部
25 第1鍔部
26 第2鍔部
28 ロック部
30 アウター部材
32 筒状本体部
33 第1筒状本体部
34 第2筒状本体部
38 環状突起
40 リップ部
41 第1リップ部
42 第2リップ部
70 電線
80 取付対象板

Claims (10)

  1. 取付対象板に形成された貫通孔に嵌まるグロメットであって、
    電線を挿通可能な筒状に形成された枠体部と、前記枠体部の軸方向一端側から前記枠体部の外側に向かって延びる鍔部と、前記貫通孔に係止するように前記枠体部にその周方向に間隔をあけて複数形成されたロック部と、を含み、樹脂を材料として形成され、前記貫通孔に嵌まるインナー部材と、
    前記インナー部材の前記鍔部が嵌る部分を含む筒状本体部と、前記インナー部材が前記貫通孔に嵌まった状態で前記取付対象板のうち前記貫通孔の周囲の一方主面に当接するように前記筒状本体部に環状に突設されたリップ部とを含み、弾性材料により形成されたアウター部材と、
    を備え、
    前記リップ部のうち前記ロック部の外側に位置する部分を第1リップ部とし、前記リップ部のうち周方向に沿って前記第1リップ部同士の間に位置する部分を第2リップ部とする場合に、前記インナー部材に前記アウター部材が取り付けられた状態で、前記第2リップ部の少なくとも一部が前記第1リップ部よりも前記取付対象板側に盛り上がっている、グロメット。
  2. 請求項1に記載のグロメットであって、
    前記リップ部の盛り上がっている部分は、前記取付対象板側に向かって徐々に盛り上がっている、グロメット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のグロメットであって、
    前記鍔部のうち前記枠体部の周方向に沿って前記ロック部と同じ位置にある部分を第1鍔部とし、前記鍔部のうち周方向に沿って前記第1鍔部同士の間に位置する部分を第2鍔部とする場合に、
    前記第2鍔部のうち前記取付対象板側を向く面の少なくとも一部が前記第1鍔部のうち前記取付対象板側を向く面よりも前記取付対象板側に出っ張っている、グロメット。
  4. 請求項3に記載のグロメットであって、
    前記鍔部が、その周方向に沿って厚みが均一になるように形成されている、グロメット。
  5. 請求項3に記載のグロメットであって、
    前記第1鍔部及び前記第2鍔部のうち前記取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している、グロメット。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のグロメットであって、
    前記筒状本体部のうち前記第1リップ部の基端部に位置する部分を第1筒状本体部とし、前記筒状本体部のうち前記第2リップ部の基端部に位置する部分を第2筒状本体部とする場合に、
    前記アウター部材が単独で存在している状態で、
    前記第2筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面の少なくとも一部が前記第1筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面よりも前記取付対象板側に出っ張っている、グロメット。
  7. 請求項6に記載のグロメットであって、
    前記アウター部材が単独で存在している状態で、
    前記第1筒状本体部及び前記第2筒状本体部のうち前記取付対象板側を向く面とは反対側の面が同一平面内に位置している、グロメット。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のグロメットであって、
    前記第2リップ部の少なくとも一部の突出寸法が前記第1リップ部の突出寸法よりも大きく設定されている、グロメット。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のグロメットであって、
    前記貫通孔が長円形又は楕円形に形成され、
    前記インナー部材及び前記アウター部材の外形が前記貫通孔に沿うように長円形又は楕円形に形成され、前記ロック部が前記インナー部材の長軸方向両端に1つずつ設けられている、グロメット。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のグロメットと、
    前記グロメットに挿通された少なくとも1本の電線と、
    を備える、グロメット付電線。
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