JP6299539B2 - ラッピング方法 - Google Patents

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Description

本発明はシリコン、ガラス、セラミック、金属一般等のワークに対するラッピング方法に関する。
一般に、ウェーハなどをラッピングする場合、ラッピング装置に例えばスラリー状のラッピング剤を供給し、このラッピング剤中の砥粒によってウェーハのラッピングを行う。通常、このようなスラリーを用いたラッピングを行うと、ウェーハ表面にダメージ層が形成される。このダメージ層の表面からの深さを浅くすることは、製品の品質向上や次工程の取代削減のための重要な課題となっている。
この課題の解決策として、仕上げ用としてより小さな粒子径の砥粒を使用することで、ダメージ層の深さを浅くする方法が考案されており、粗仕上げ用、仕上げ用に分けられたラッピング剤をそれぞれ購入し、それらを仕上げ加工順に応じてラッピング装置に供給してラッピングを行うことで、ウェーハへのダメージを小さくすることが行われている。しかしながら、仕上げ用に用いられるような小さな粒子径の砥粒は高価であり、コストが増加するという問題があった。
コストの問題を解決する手段として、比較的大きな粒子径の砥粒も含む安価なラッピング剤を分級し、仕上げ用のラッピング剤を得る方法が提案されている。例えば、特許文献1には、サイクロンによる分流分級原理を用いて、ラッピング剤中の砥粒を分級し、仕上げ加工状態に適した平均粒径を有する砥粒を得る方法が開示されている。
特開平7−186041号公報
しかしながら、上述した従来技術では、平均粒径で砥粒の分級をしているため、粗仕上げ用に使用される比較的大きい粒子径の砥粒が仕上げ用のラッピング剤に紛れていても平均化されて見えなくなってしまい、仕上げ加工の際にウェーハにダメージが深く入る可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを防止し、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くするラッピング方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、砥粒を含むラッピング剤を用いてラッピングを行う方法であって、
(1)前記砥粒の粒度分布の体積累積頻度が98%となるときの粒子径をD98としたときに、目開きがD98以下のフィルターを備えた多重波振動篩により、前記ラッピング剤を、前記フィルターを通過したD98以下の粒子径の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたラッピング剤(A)と前記フィルターを通過しなかったD98より大きい粒子径の砥粒を含むラッピング剤(B)に分級する工程、
(2)前記ラッピング剤(B)を用いて粗仕上げのラッピングを行う工程、及び
(3)前記ラッピング剤(A)を用いて仕上げのラッピングを行う工程、
を含むラッピング方法を提供する。
このようなラッピング方法であれば、仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを確実に防止でき、このように分級した仕上げ用のラッピング剤で仕上げのラッピングを行うことで、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くすることができる。
またこのとき、前記フィルターの目開きを、D98未満とすることが好ましい。
このような目開きのフィルターを用いることで、仕上げ用のラッピング剤に含まれる砥粒の粒子径を更に小さくすることができるため、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを更に浅くすることができる。
以上のように、本発明のラッピング方法であれば、D98を基準に分級することで仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを防止でき、このように分級した仕上げ用のラッピング剤で仕上げのラッピングを行うことで、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くすることができる。従って、本発明のラッピング方法は、特にシリコン、ガラス、セラミック、金属一般等のワークなどのラッピングに好適である。
本発明のラッピング方法の一例を示すフロー図である。 本発明のラッピング方法に用いられるラッピング装置の一例を示す概略図であり、(A)は装置の断面図であり、(B)は装置上方から見た図である。 本発明のラッピング方法に用いられる設備の一例を示す概略図である。 実施例及び比較例において、ラッピング後、5.7°のアングルポリッシュを行ったウェーハのポリッシュ面の観察結果である。
上述のように、仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを防止し、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くするラッピング方法の開発が求められていた。
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、多重波振動篩を用いて、ラッピング剤に含まれる砥粒の粒度分布の体積累積頻度が特定の値となるときの粒子径を基準にして、ラッピング剤を粗仕上げ用と仕上げ用に分級し、それらを粗仕上げ、仕上げの順に使用することでワークへのダメージを小さくできることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、砥粒を含むラッピング剤を用いてラッピングを行う方法であって、
(1)前記砥粒の粒度分布の体積累積頻度が98%となるときの粒子径をD98としたときに、目開きがD98以下のフィルターを備えた多重波振動篩により、前記ラッピング剤を、前記フィルターを通過したD98以下の粒子径の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたラッピング剤(A)と前記フィルターを通過しなかったD98より大きい粒子径の砥粒を含むラッピング剤(B)に分級する工程、
(2)前記ラッピング剤(B)を用いて粗仕上げのラッピングを行う工程、及び
(3)前記ラッピング剤(A)を用いて仕上げのラッピングを行う工程、
を含むラッピング方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、ワーク(被加工体)としてウェーハ(例えば、半導体ウェーハ)を例に挙げて説明するが、本発明のラッピング方法におけるワークはこれに限定されるものではない。
図1は、本発明のラッピング方法の一例を示すフロー図である。
本発明のラッピング方法では、まず(1)目開きがD98以下のフィルターを備えた多重波振動篩により、ラッピング剤をラッピング剤(A)とラッピング剤(B)に分級する(図1(1))。次に、(2)分級したラッピング剤(B)を用いて粗仕上げのラッピングを行う(図1(2))。次に、(3)分級したラッピング剤(A)を用いて仕上げのラッピングを行う(図1(3))。
以下、本発明のラッピング方法の各工程について、更に詳しく説明する。
[(1)分級]
本発明のラッピング方法では、(1)工程として、目開きがD98以下のフィルターを備えた多重波振動篩により、ラッピング剤を分級する。
この分級工程によって、ラッピング剤を(A)フィルターを通過したD98以下の粒子径の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたラッピング剤(ラッピング剤(A))と、(B)フィルターを通過しなかったD98より大きい粒子径の砥粒を含むラッピング剤(ラッピング剤(B))に分ける。
ここで、本発明における「D98」とは、分級前のラッピング剤(以下、原剤ともいう)中の砥粒の粒度分布の体積累積頻度が98%となるときの粒子径である。D98の測定方法は、特に限定されず、例えば動的光散乱法やレーザー回折散乱法によって測定すればよい。また、測定に用いることができる装置としては、例えば、島津製作所製のナノ粒子径分布測定装置SALD−7100等が挙げられる。
原剤としては、一般にラッピング用砥粒として用いられる砥粒を含むものを用いることができる。より具体的には、炭化珪素、ダイヤモンド、又はアルミナ系等を主成分とするスラリー状のラッピング剤を挙げることができる。また、使用する原剤に含まれる砥粒の粒子径は、所望の取代などに応じて適宜選択すればよい。
本発明では、ラッピング剤の分級に多重波振動篩を使用する。多重波振動篩は、篩網面に多数の周波数振動を同時に発生させることにより、従来の単振動篩では篩分けが困難であった湿粉や超微粉なども、高効率、高い処理能力で目詰まり無く篩分けすることが可能である。本発明では、このような多重波振動篩を使用することで、単振動篩では目詰まりしてしまうラッピング剤(ラップスラリー)を目詰まりせず連続分級することができる。
多重波振動篩としては、特に限定されないが、例えば角型ULスクリーン(株式会社マツボー製 ULS−150−1)等が使用可能である。上述のように、本発明では多重波振動篩を用いてD98を基準としてラッピング剤を分級するため、多重波振動篩には目開きがD98以下のフィルターを設置する。
目開きがD98以下のフィルターを用いることで、仕上げ用のラッピング剤にD98より大きい粒子径の砥粒が混入するのを防ぐことができ、仕上げのラッピングにおいてワークに深いダメージが入るのを防ぐことができる。また、フィルターとして、目開きがD98未満のものを用いると、仕上げ用のラッピング剤に含まれる砥粒の粒子径を更に小さくすることができるため、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを更に浅くすることができ、好ましい。
一方、目開きがD98より大きい(例えば、目開きがD99の)フィルターを用いると、ラッピング剤の分級が効果的に行われず、ワークのダメージの低減が不十分となる。
本発明に用いられる多重波振動篩用のフィルターとしては、シート状のものが好ましく、このタイプのフィルターとしては、特に限定されないが、例えばナイロンメッシュ(スイスSEFAR社製 NY10−HC)等が使用可能である。
フィルターの種類や目開きは、使用するラッピング剤の種類や含まれる砥粒のD98の値などに応じて適宜選択すればよい。
[(2)粗仕上げのラッピング]
次に、(2)工程として、上記のようにして分級したラッピング剤(B)を用いて粗仕上げのラッピングを行う。このときのラッピング剤(B)の供給量(使用量)や処理時間は、使用するラッピング剤(B)に含まれる砥粒の粒子径、所望の取代などに応じて適宜調整すればよい。
ラッピングに用いる装置については後述する。
[(3)仕上げのラッピング]
次に、(3)工程として、上記のようにして分級したラッピング剤(A)を用いて仕上げのラッピングを行う。このときのラッピング剤(A)の供給量(使用量)や処理時間は、使用するラッピング剤(A)に含まれる砥粒の粒子径、所望の取代などに応じて適宜調整すればよい。また、上記の粗仕上げのラッピングで形成されたダメージ層の下端(最深部)と仕上げのラッピングにより狙いの厚さまでラッピングした際に形成されるダメージ層の下端(最深部)が等しくなるように仕上げのラッピングの取代を設定すると、ダメージ層の深さを浅くすることができ、また取代を最小限に抑えられるため、好ましい。
ラッピングに用いる装置については、以下で説明する。
上記の(2)粗仕上げのラッピング及び(3)仕上げのラッピングは、例えば図2で示されるラッピング装置を用いて行うことができる。
以下、図2で示されるラッピング装置について説明する。図2(A)はラッピング装置の断面図であり、図2(B)は装置上方から見た図である。
図2のラッピング装置は、複数のウェーハ1をラッピングすることが可能な装置である。このラッピング装置は、図2(A)に示されるように、上定盤2と下定盤3が対面配置され、ウェーハキャリア6を介して下定盤3上に載置されたウェーハ1の表面に所定荷重で接触するまで上定盤2を降下させる昇降手段8を備えている。上定盤2と下定盤3は互いに逆回転もしくは所定の周速差で回転するように構成されており、下定盤3の中心回転軸には中心ギア(サンギア)4が設けられている。また、下定盤3の外周側にはインターナルギア5が設けられており、下定盤3上には複数のウェーハ1をウェーハ受け穴6aに嵌合させて配置した歯車付きのウェーハキャリア6が複数配置される。また、図1(B)に示されるように、ウェーハキャリア6は中心ギア4とインターナルギア5とに噛み合って、任意の方向に自転と公転を行い、上定盤2による適当な加圧下のもとで、複数個のウェーハ1の同時ラッピングを可能にしている。ラッピングを行う際には、ラッピング剤供給部7からスラリー状のラッピング剤が供給される。
このような本発明のラッピング方法に使用可能なラッピング装置として、具体的には、ラップ盤(浜井産業株式会社製 32BF4)等が挙げられる。
上述のような、本発明のラッピング方法は、より具体的には、例えば図3で示される設備を用いて実施することができる。以下、図3で示される設備について説明する。
図3の設備は、原剤10が蓄えられる原剤器9、原剤器9から供給される原剤10を分級する多重波振動篩11、多重波振動篩11で分級されたラッピング剤が蓄えられる容器16、17、及び容器16、17から供給されるラッピング剤によってラッピングを行うラッピング装置20を有する。多重波振動篩11には、目開きがD98以下のフィルター12、原剤10が供給される入口13、フィルター12を通過したラッピング剤21(即ち、ラッピング剤(A))を容器16に供給する出口14、フィルター12を通過せずフィルター12の上から排出されたラッピング剤22(即ち、ラッピング剤(B))を容器17に供給する出口15が設けられている。また、容器16、17とラッピング装置20の間には、それぞれラッピング剤の供給量を制御するロータリーバルブ18、19が設けられている。
原剤器9からポンプにより供給された原剤10は、多重波振動篩11で分級され、フィルター12を通過したラッピング剤21はポンプによって容器16に送られて蓄えられ、フィルター12を通過せずフィルター12の上から排出されたラッピング剤22はポンプによって容器17に送られて蓄えられる。その後、ロータリーバルブ19で供給量を制御しながらラッピング装置20にラッピング剤22を供給して、粗仕上げのラッピングを行い、更に、ロータリーバルブ18で供給量を制御しながらラッピング装置20にラッピング剤21を供給して、仕上げのラッピングを行う。
このように、本発明のラッピング方法は、例えば上述のようなラッピング装置及び設備を用いて実施することができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
以上説明したような本発明のラッピング方法であれば、D98を基準に分級することで仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを防止でき、このように分級した仕上げ用のラッピング剤で仕上げのラッピングを行うことで、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くすることができる。従って、本発明のラッピング方法は、特にシリコン、ガラス、セラミック、金属一般等のワークなどのラッピングに好適である。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(分級)
まず、0.1μm以上17μm以下の粒子径の砥粒を含む原剤を準備した。なお、この原剤に含まれる砥粒のD98は13μmであった。この原剤を、目開き10μmのナイロンメッシュ(スイスSEFAR社製 NY10−HC)をフィルターとして備えた多重波振動篩 角型ULスクリーン(株式会社マツボー製 ULS−150−1)を用いてスラリー(A1)とスラリー(B1)に分級した。
得られたスラリー(A1)は、フィルターを通過したものであり、粒子径0.1〜10μm(即ち、D98以下の粒子径)の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたものであった。一方、スラリー(B1)はフィルターを通過しなかったものであり、粒子径1〜17μm(即ち、D98より大きい粒子径)の砥粒を含むものであった。
(ラッピング)
次に、チョクラルスキー法で製造したシリコン単結晶をワイヤーソーにより切断し、直径12インチ(300mm)のシリコンウェーハを準備した。次に、上記のようにして得られたスラリー(B1)をラッピング剤として用いて、上記のシリコンウェーハに対して粗仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(B1)の供給量は1.0L/minとし、粗仕上げ時のウェーハの取代は30μmとした。次に、上記のようにして得られたスラリー(A1)をラッピング剤として用いて、仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(A1)の供給量は1.0L/minとし、仕上げ時のウェーハの取代は10μmとした。
なお、上記の粗仕上げ、仕上げのラッピングにはラップ盤(浜井産業株式会社製 32BF4)を使用した。
(加工ダメージ層の観察)
仕上げのラッピング後のウェーハの加工ダメージ層の深さを調べるため、ラッピング後のウェーハを5.7°アングルポリッシュし、顕微鏡でポリッシュ面を観察した。結果を図4に示す。
[実施例2]
多重波振動篩に設置するフィルターを、D98と同じ目開き13μmのナイロンメッシュフィルターに変更する以外は実施例1と同様の処理を行い、スラリー(A2)及びスラリー(B2)を得た。得られたスラリー(A2)は、フィルターを通過したものであり、粒子径0.1〜13μm(即ち、D98以下の粒子径)の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたものであった。一方、スラリー(B2)はフィルターを通過しなかったものであり、粒子径1〜17μm(即ち、D98より大きい粒子径)の砥粒を含むものであった。
次に、上記のようにして得られたスラリー(B2)をラッピング剤として用いて、実施例1と同様にして準備したシリコンウェーハに対して粗仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(B2)の供給量は1.0L/minとし、ウェーハの取代は30μmとした。次に、上記のようにして得られたスラリー(A2)をラッピング剤として用いて、仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(A2)の供給量は1.0L/minとし、仕上げ時のウェーハの取代は10μmとした。
次に、実施例1と同様に仕上げのラッピング後のウェーハを5.7°アングルポリッシュし、顕微鏡でポリッシュ面を観察した。結果を図4に示す。
[比較例1]
多重波振動篩にフィルターを設置しない以外は実施例1と同様の処理を行い、スラリー(X)を得た。得られたスラリー(X)は分級を行っていないものであり、粒子径0.1〜17μm(即ち、D98より大きい粒子径)の砥粒を含むものである。なお、分級を行っていないためスラリーは一種である。
次に、上記のようにして得られたスラリー(X)をラッピング剤として用いて、実施例1と同様にして準備したシリコンウェーハに対してラッピングを行った。このとき、スラリー(X)の供給量は1.0L/minとし、ウェーハの取代は40μmとした。
次に、実施例1と同様にラッピング後のウェーハを5.7°アングルポリッシュし、顕微鏡でポリッシュ面を観察した。結果を図4に示す。
[比較例2]
多重波振動篩に設置するフィルターを、D98より大きい目開き15μmのナイロンメッシュフィルターに変更する以外は実施例1と同様の処理を行い、スラリー(A3)及びスラリー(B3)を得た。得られたスラリー(A3)は、フィルターを通過したものであるが、粒子径0.1〜15μm(即ち、D98より大きい粒子径)の砥粒を含むものであった。一方、スラリー(B3)はフィルターを通過しなかったものであり、粒子径0.1〜17μm(即ち、D98より大きい粒子径)の砥粒を含むものであった。
次に、上記のようにして得られたスラリー(B3)をラッピング剤として用いて、実施例1と同様にして準備したシリコンウェーハに対して粗仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(B3)の供給量は1.0L/minとし、ウェーハの取代は30μmとした。次に、上記のようにして得られたスラリー(A3)をラッピング剤として用いて、仕上げのラッピングを行った。このとき、スラリー(A3)の供給量は1.0L/minとし、仕上げ時のウェーハの取代は10μmとした。
次に、実施例1と同様に仕上げのラッピング後のウェーハを5.7°アングルポリッシュし、顕微鏡でポリッシュ面を観察した。結果を図4に示す。
図4の図中に引かれた短線は、ポリッシュ面で観察された加工ダメージ層の下端の位置を示す。図4に示されるように、実施例1では、ポリッシュ面のダメージ深さは約4μmであることから、加工ダメージ層の垂直方向の深さは(4×sin5.7°=4×0.10=)0.4μmであった。また、実施例2では、ポリッシュ面のダメージ深さは約5μmであることから、加工ダメージ層の垂直方向の深さは(5×sin5.7°=5×0.10=)0.5μmであった。一方、比較例1では、ポリッシュ面のダメージ深さは約11μmであることから、加工ダメージ層の垂直方向の深さは(11×sin5.7°=11×0.10=)1.1μmであった。また、比較例2では、ポリッシュ面のダメージ深さは約10μmであるから、加工ダメージ層の垂直方向の深さは(10×sin5.7°=10×0.10=)1.0μmであった。
以上のように、目開きがD98以下のフィルターを備える多重波振動篩を用いてラッピング剤の分級を行った実施例1、2では、ラッピング剤の分級を行っていない比較例1、及び目開きがD98より大きいフィルターを備える多重波振動篩を用いてラッピング剤の分級を行った比較例2と比較して、仕上げのラッピング後におけるウェーハの加工ダメージ層の深さが明らかに浅くなっていた。
このことから、本発明のラッピング方法であれば、仕上げ用のラッピング剤に粒子径の大きい砥粒が混入することを防止し、仕上げのラッピング後におけるワークの加工ダメージ層の深さを浅くすることができることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ウェーハ、 2…上定盤、 3…下定盤、 4…中心ギア(サンギア)、
5…インターナルギア、 6…ウェーハキャリア、 6a…ウェーハ受け穴、
7…ラッピング剤供給部、 8…昇降手段、 9…原剤器、 10…原剤、
11…多重波振動篩、 12…フィルター、 13…入口、 14、15…出口、
16、17…容器、 18、19…ロータリーバルブ、 20…ラッピング装置、
21、22…ラッピング剤、P…ポンプ。

Claims (2)

  1. 砥粒を含むラッピング剤を用いてラッピングを行う方法であって、
    (1)前記砥粒の粒度分布の体積累積頻度が98%となるときの粒子径をD98としたときに、目開きが前記D98以下でかつ13μm以下のフィルターを備えた多重波振動篩により、前記ラッピング剤を、前記フィルターを通過したD98以下の粒子径の砥粒を含み、D98より大きい粒子径の砥粒が除かれたラッピング剤(A)と前記フィルターを通過しなかったD98より大きい粒子径の砥粒を含むラッピング剤(B)に分級する工程、
    (2)前記ラッピング剤(B)を用いて粗仕上げのラッピングを行う工程、及び
    (3)前記ラッピング剤(A)を用いて仕上げのラッピングを行う工程、
    を含むことを特徴とするラッピング方法。
  2. 前記フィルターの目開きを、D98未満とすることを特徴とする請求項1に記載のラッピング方法。
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