ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)運転支援システムの構成:
(1−1)ナビゲーション端末の構成:
(1−2)運転支援システムの構成:
(2)運転支援処理:
(3)他の実施形態:
(1)運転支援システムの構成:
図1は、本実施形態にかかる運転支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態における運転支援システム10は、無線通信によって車両Cに搭載されたナビゲーション端末100が備える案内部(後述するユーザI/F部450)に案内対象地点に関する案内を行わせる。
(1−1)ナビゲーション端末の構成:
ナビゲーション端末100は道路を走行する複数の車両Cに搭載されており、当該ナビゲーション端末100はCPU,RAM,ROM等を備える制御部200と記録媒体300とを備え、当該記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを制御部200で実行することができる。本実施形態において制御部200は、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラム210を実行可能である。
さらに、車両Cは、通信部220とGPS受信部410と車速センサ420とジャイロセンサ430とブレーキセンサ440とユーザI/F部450とを備えている。通信部220は、無線通信を行うための回路にて構成され、制御部200は通信部220を制御して運転支援システム10と通信を行うことができる。GPS受信部410は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両Cの現在地を算出するための信号を示す信号を出力する。制御部200は、この信号を取得して車両Cの現在地を取得する。車速センサ420は、車両Cが備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部200は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ430は、車両Cの水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両Cの向きに対応した信号を出力する。制御部200は、この信号を取得して車両Cの進行方向を取得する。車速センサ420およびジャイロセンサ430等は、車両Cの走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両Cの出発地と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発地と走行軌跡とに基づいて特定された車両Cの現在地がGPS受信部410の出力信号に基づいて補正される。
記録媒体300には、地図情報300aが記録されている。当該地図情報300aには車両Cが走行する道路上に設定されたノードの位置および標高等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置および標高等を示す形状補間データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、走行予定経路の目的地となり得る施設の属性や位置等を示す施設データ等が含まれている。本実施形態において、リンクデータには、リンクデータが示す道路区間における制限車速を示す情報が対応づけられている。
ブレーキセンサ440は、車両Cにおいてブレーキペダルが操作された量を検出するセンサであり、制御部200は検出された量を示す情報を取得し、単位時間あたりのブレーキペダルの操作量を特定し、ブレーキ操作が急減速に該当する操作であるか否かを判定することができる。
ユーザI/F部450は、利用者の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる入力部を兼ねた表示部やスピーカー等の出力音の出力部を備えている。制御部200は、ナビゲーションプログラム210の機能により、ユーザI/F部450に対して車両Cの現在地および現在地周辺の地図を表示させることができる。すなわち、制御部200は、車両Cの現在地を取得し、地図情報300aに基づいて現在地周辺の地図を示す画像を生成してユーザI/F部450に対して出力する。この結果、ユーザI/F部450の表示部は、現在地を含む地図を表示する。
さらに、本実施形態におけるナビゲーションプログラム210は、車両Cの走行過程における当該車両Cの動作の履歴である走行履歴を取得する機能を制御部200に実現させることができる。また、ナビゲーションプログラム210は、案内対象事象である急減速の発生を防止するために案内対象地点に関する案内を実行する機能を制御部200に実現させることができる。このため、制御部200は、ナビゲーションプログラム210の処理により、ブレーキセンサ440の出力情報に基づいて、急減速が発生したか否かを判定する。急減速が発生したと判定された場合、制御部200は、ナビゲーションプログラム210の処理により、GPS受信部410,車速センサ420、ジャイロセンサ430の出力信号に基づいて車両Cの現在地を特定する。そして、制御部200は、当該現在地を案内対象事象である急減速が発生した案内対象地点とし、当該案内対象地点を示す情報を走行履歴情報300bとして記録媒体300に記録する。さらに、制御部200は、案内対象地点における車速センサ420の出力信号に基づいて案内対象地点および案内対象地点以前の所定期間(所定距離であってもよい)における車両Cの車速を特定し、当該案内対象地点に対応づけて走行履歴情報300bとして記録媒体300に記録する。
本実施形態において、制御部200は、ナビゲーションプログラム210の処理により、通信部220を介して走行履歴情報300bを運転支援システム10に対して送信することができる。運転支援システム10においては、複数の車両Cから送信される走行履歴情報300bを取得して解析し、案内対象地点を特定する。
(1−2)運転支援システムの構成:
運転支援システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20は当該記録媒体30やROMに記録されたプログラムを実行することができる。さらに、運転支援システム10は通信部22を備えている。通信部22は、無線通信および有線通信を行うための回路にて構成され、制御部20は通信部22を制御して車両Cと無線通信を行うことができる。また、制御部20は通信部22を制御して渋滞情報管理システム50と有線通信または無線通信によって通信を行うことができる。本実施形態において、渋滞情報管理システム50は、地図情報300aと同様に定義された道路区間毎の渋滞度(渋滞量(空き、渋滞等)および道路区間における平均車速)を示す渋滞情報を生成しており、制御部20は、通信部22を介して任意のタイミングで任意の道路区間に関する渋滞情報を取得することができる。さらに、記録媒体30には、車両Cから取得された走行履歴情報300bが走行履歴情報30bとして記録され、地図情報300aと同様に定義された地図情報30aが記録されている。
本実施形態において制御部20は、記録媒体30に記録された運転支援プログラム21を実行可能であり、制御部20は、当該運転支援プログラム21の処理により、走行履歴情報30bを解析し、案内対象地点を記録媒体30に記録し、案内すべき案内対象地点を判定し、案内すべき案内対象地点を車両Cに対して配信する。このために、制御部20は、走行履歴取得部21aと案内対象地点取得部21bと誘発度取得部21cと案内部21dとを備えている。
走行履歴取得部21aは、車両Cの走行履歴を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、走行履歴取得部21aの処理により、車両Cから任意のタイミングで送信される走行履歴情報300bを通信部22によって取得し、記録媒体30に走行履歴情報30bとして記録する。この結果、記録媒体30に、案内対象地点および案内対象地点以前の車速の履歴を示す走行履歴情報30bが記録された状態になる。
案内対象地点取得部21bは、走行履歴情報30bに基づいて案内対象事象が発生した案内対象地点を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、記録媒体30に記録された走行履歴情報30bを参照し、案内対象地点を取得する。
誘発度取得部21cは、走行履歴情報30bに基づいて案内対象地点に到達する以前の車両Cの運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いである誘発度を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、案内対象事象が発生した場合、その原因が1種類の場合や、2種類の場合など、種々の場合がある。さらに、特定の原因が案内対象事象を発生させた主原因であるが他の原因は主原因ではない場合が想定される。このように種々の場合があり得るため、案内対象事象が複数回発生した場合において、その発生に車両Cの運転者の運転操作が関与していた度合いは場合によって異なる。
そして、運転者の運転操作が案内対象事象を誘発していた場合、同様の運転操作で案内対象事象を誘発する可能性が低い運転者に対して、案内対象地点が案内されたとしても有用な案内にならない。本実施形態において制御部20は、車両Cの運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いが高い場合に、案内対象地点を案内すべきと判定されにくくするため、案内対象地点に到達する以前の車両Cの運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いである誘発度を取得する。
具体的には、運転操作を間接的に示す車速に基づいて誘発度が定義される。すなわち、制御部20は、案内対象地点に到達する以前の車両Cの運転者の運転操作に、車両Cが走行している道路で期待される車速よりも車両Cの車速を大きくする操作が含まれる場合、期待される車速よりも車両Cの車速を大きくする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くする。
本実施形態において、期待される車速(以下、期待車速と呼ぶ)は、道路区間の制限車速または渋滞時の平均車速である。すなわち、道路区間が渋滞している場合、当該渋滞の発生下における平均車速が期待車速であり、道路区間が渋滞していない場合、制限車速が期待車速である。そこで、制御部20は、地図情報30aを参照して案内対象地点が存在する道路区間の制限車速を取得し、通信部22を介して渋滞情報管理システム50から案内対象地点が存在する道路区間の渋滞情報を取得し、当該道路区間の渋滞度を取得する。そして、制御部20は、渋滞度に基づいて道路区間の渋滞の有無を判定するとともに、渋滞の有無に基づいて制限車速または渋滞下における平均車速を期待車速として取得する。
さらに、車両Cが走行している道路で期待車速よりも車両Cの車速を大きくする操作が行われたか否かを評価するため、制御部20は、走行履歴情報30bに基づいて、案内対象地点における車両Cの車速と、案内対象地点に到達する前の所定期間における車両Cの平均車速を取得する。さらに、制御部20は、案内対象地点における車両Cの車速および案内対象地点に到達する前の所定期間における車両Cの平均車速のそれぞれが期待車速より大きく、その乖離が大きいほど、誘発度が高くなるように誘発度を特定する。なお、誘発度の詳細は後述する。
案内部21dは、誘発度に基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定し、案内すべき案内対象地点に関する案内を行う機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、本実施形態において制御部20は、誘発度が、案内対象地点を案内することの有用性に対応していると見なし、有用である場合に案内すべきと判定するように構成されている。
具体的には、制御部20は、複数の車両Cの走行履歴情報30bが示す複数の案内対象地点が狭い範囲に案内対象地点が集中している場合に、これらの案内対象地点を判定対象とし、案内すべきか否かを判定する。すなわち、制御部20は、これらの案内対象地点のそれぞれについての誘発度の総和を取得し、総和をサンプル数で除した値である誘発度の平均値を取得する。そして、制御部20は、当該誘発度の平均値が閾値よりも小さい場合に案内対象地点を案内すべきと判定し、当該案内対象地点を車両Cへの配信対象として設定する。誘発度の平均値が閾値以上である場合、制御部20は、案内対象地点を案内すべきと判定しない。
この結果、狭い範囲に集中している複数の案内対象地点について案内することが有用であるか否かを総合的に判定することができる。さらに、本実施形態によれば、誘発度が高いほど案内対象地点を案内すべきと判定される確率を低くしながら、案内対象地点を案内すべきか否か判定することが可能である。すなわち、急減速が発生する可能性は、車両Cが走行している道路で期待車速よりも車両Cの車速が大きいほど高い。このように車両Cの車速が過大であることが一因となって案内対象事象が誘発されたのであれば、過大な車速を発生させない通常の運転者にとって、同一の案内対象事象の発生を抑制させるための案内が有用であるとは限らない。
従って、本実施形態のように、車両Cが走行している道路で期待車速よりも車両Cの車速を大きくする操作が含まれる場合、期待車速よりも車両Cの車速を大きくする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くすることにより、多くの運転者にとって有用な情報を案内し、多くの運転者にとって有用でない情報を案内しないように構成することが可能である。
案内部21dによって案内対象地点が配信対象として設定されている場合、制御部20は、車両Cからの送信要求に応じて案内対象地点を示す情報を車両Cに配信することによって、車両Cの制御部200に案内対象地点に関する案内を行わせる。当該案内を行うため、制御部200は、任意のタイミング(例えば、一定期間毎や、運転者の指示タイミング)で、案内対象地点の送信要求を行うことが可能であり、送信要求が行われると、制御部20は、案内部21dの処理によって案内対象地点を示す情報を車両Cに配信する。
案内対象地点を示す情報が配信されると、車両Cにおいては、制御部200が当該情報を取得して記録媒体300等に記録する。この状態において制御部200は、ナビゲーションプログラム210の処理により、GPS受信部410,車速センサ420,ジャイロセンサ430の出力信号に基づいて車両Cの現在地を特定する。当該現在地が案内対象地点に接近すると、制御部200は、案内対象地点における急減速の発生を抑制するための案内を行う。すなわち、制御部200は、案内対象地点が急減速の多発地点であることを示す案内を行うための制御信号をユーザI/F部450に対して出力する。この結果、ユーザI/F部450の表示部に急減速の多発地点であることを示す画像が表示され、ユーザI/F部450の出力部から急減速の多発地点であることを示す音声が出力される。以上の処理により、車両Cの運転者に対して、案内対象地点到達前における過大な車速等に注意すべきと言う案内を行うことができる。
以上のように、本実施形態においては、案内対象地点に到達する以前の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いである誘発度に基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定している。従って、運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いに対応した案内の有用性に応じて案内すべき情報を選択することが可能になる。
(2)運転支援処理:
次に、運転支援プログラム21によって制御部20が実行する運転支援処理を詳細に説明する。図2および図3は、運転支援処理を示すフローチャートであり、当該運転支援処理は、車両Cから走行履歴情報300bが送信されるたびに実行される。すなわち、車両Cに搭載されたナビゲーション端末100は、車両Cの利用者の指示に応じてまたは定期的に車両Cの走行履歴情報300bを運転支援システム10に対して送信する。
走行履歴情報300bが送信されると、制御部20は、走行履歴取得部21aの処理により、通信部22を介して走行履歴情報300bを取得し、記録媒体30に対して走行履歴情報30bとして記録する(ステップS100)。この結果、記録媒体30には、車両Cが急減速された案内対象地点と、当該案内対象地点以前の所定期間における車両Cの車速の履歴を含む情報が走行履歴情報30bとして記録された状態となる。
次に、制御部20は、案内対象地点取得部21bの処理により、案内対象事象が発生した案内対象地点を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ステップS100で取得した走行履歴情報30bを参照し、案内対象地点を取得する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点以前の運転操作に対応した車速を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、ステップS100で取得した走行履歴情報30bを参照し、案内対象地点における車両Cの車速と、案内対象地点に到達する前の所定期間における車両Cの平均車速を取得する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点が存在する道路区間の制限車速を取得する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、地図情報30aを参照し、ステップS105で取得した案内対象地点が存在する道路区間を特定し、当該道路区間に対応づけられた制限車速を取得する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点が存在する道路区間の渋滞度を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、通信部22を介して渋滞情報管理システム50と通信を行い、ステップS105で取得した案内対象地点が存在する道路区間の渋滞度を示す渋滞情報を取得する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点が存在する道路区間の期待車速を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、ステップS120で取得した渋滞度が渋滞中であることを示している場合、当該渋滞度が示す平均車速を期待車速として取得する。ステップS120で取得した渋滞度が渋滞中であることを示していない場合、制御部20は、ステップS115で取得した制限車速を期待車速として取得する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点の車速が期待車速より著しく大きいか否かを判定する(ステップS130)。本実施形態においては、車速が期待車速より著しく大きいことを判定するための超過車速が予め特定されており、制御部20は、ステップS110で取得した案内対象地点の車速が、(期待車速+超過車速)以上であるか否かを判定する。そして、案内対象地点の車速が、(期待車速+超過車速)以上である場合、制御部20は、案内対象地点の車速が期待車速より著しく大きいと判定する。
ステップS130において、案内対象地点の車速が期待車速より著しく大きいと判定された場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、発生時車速を誘発車速に設定する(ステップS135)。なお、発生時車速は、後述する到達前車速とともに、誘発度を決定するために使用されるパラメータの項目であり、パラメータとして、誘発車速または非誘発車速またはこれら以外の中間車速が設定され得る。
図4Aは、車両Cの位置毎の車速の例を示す図であり、横軸を位置、縦軸を車速としたグラフにおいて実線によって車速を示している。同図4Aにおいて、Vrは制限車速、Vjは渋滞時の平均車速である。従って、非渋滞時にはVrが期待車速となり、渋滞時にはVjが期待車速となる。V1は非渋滞時の車速の例、V2は渋滞時の車速の例であり、これらの例においては、ともに位置Psで急減速が行われている。従って、当該位置Psが案内対象地点である。
車速V1において案内対象地点Psの車速は期待車速Vr+超過車速Veよりも大きい。従って、この例において、案内対象地点Psにおける急減速は運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって誘発された度合いが高い。同様に、車速V2においても案内対象地点Psの車速は期待車速Vj+超過車速Veよりも大きい。従って、この例において、案内対象地点Psにおける急減速は運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって誘発された度合いが高い。そこで、これらのような場合に制御部20は、発生時車速を、急減速を誘発した度合いが高いことを意味する誘発車速に設定する。
一方、ステップS130において、案内対象地点の車速が期待車速より著しく大きいと判定されない場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点の車速が期待車速より小さいか否かを判定する(ステップS140)。ステップS140において、案内対象地点の車速が期待車速より小さいと判定された場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、発生時車速を非誘発車速に設定する(ステップS145)。
図4Bは、図4Aと同様のグラフにおいて、非渋滞時の車速V3,V5、渋滞時の車速V4を例示した図である。これらの例においても位置Psが案内対象地点である。車速V3において案内対象地点Psの車速は非渋滞時の期待車速Vrより小さい。従って、この例において、案内対象地点Psにおける急減速は運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって誘発された度合いは低い。同様に、車速V4においても案内対象地点Psの車速は渋滞時の期待車速Vjより小さい。従って、この例において、運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって案内対象地点Psにおける急減速が誘発された度合いは低い。そこで、本実施形態において制御部20は、これらのような場合、発生時車速を、急減速を誘発した度合いが低いことを意味する非誘発車速に設定する。
一方、ステップS140において、案内対象地点の車速が期待車速より小さいと判定されない場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、発生時車速を中間車速に設定する(ステップS150)。図4Bに示す例では、車速V5における案内対象地点Psの車速は非渋滞時の期待車速Vrより大きく、かつ、期待車速Vj+超過車速Veよりは小さい。従って、この例において、運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって急減速が誘発された度合いを中間的な度合いとするため、制御部20は、発生時車速を中間車速に設定する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より著しく大きいか否かを判定する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、ステップS110で取得した案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が、(期待車速+超過車速)以上であるか否かを判定する。そして、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が、(期待車速+超過車速)以上である場合、制御部20は、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より著しく大きいと判定する。
ステップS155において、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より著しく大きいと判定された場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、到達前車速を誘発車速に設定する(ステップS160)。図4Aに示す例においては所定期間をTとして例示しており、当該図4Aに示す車速V1においては所定期間Tの全期間に渡って車速V1が期待車速Vr+超過車速Veよりも大きい。従って、この例において、所定期間Tの平均車速は期待車速より著しく大きく、案内対象地点Psにおける急減速は運転者が車両Cにおいて所定期間以前に過度に加速操作を行ったことが原因となって誘発された度合いが高い。同様に、車速V2においても所定期間Tの全期間に渡って車速V2が期待車速Vr+超過車速Veよりも大きい。従って、この例において、所定期間Tの平均車速は期待車速より著しく大きく、案内対象地点Psにおける急減速は運転者が車両Cにおいて所定期間以前に過度に加速操作を行ったことが原因となって誘発された度合いが高い。そこで、本実施形態において制御部20は、これらのような場合に、到達前車速を、急減速を誘発した度合いが高いことを意味する誘発車速に設定する。
一方、ステップS155において、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より著しく大きいと判定されない場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より小さいか否かを判定する(ステップS165)。ステップS165において、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より小さいと判定された場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、到達前車速を非誘発車速に設定する(ステップS170)。
図4Bのグラフにおいて、非渋滞時の車速V3における所定期間Tの平均車速は非渋滞時の期待車速Vrより小さい。従って、この例において、運転者が車両Cにおいて所定期間以前に過度に加速操作を行ったことが原因となって案内対象地点Psにおける急減速が誘発された度合いは低い。同様に、渋滞時の車速V4における所定期間Tの平均車速は渋滞時の期待車速Vjより小さい。従って、この例において、運転者が車両Cにおいて所定期間以前に過度に加速操作を行ったことが原因となって案内対象地点Psにおける急減速が誘発された度合いは低い。そこで、本実施形態において制御部20は、これらのような場合に、到達前車速を、急減速を誘発した度合いが低いことを意味する非誘発車速に設定する。
一方、ステップS165において、案内対象地点到達前の所定期間の平均車速が期待車速より小さいと判定されない場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、到達前車速を中間車速に設定する(ステップS175)。図4Bに示す例では、車速V5における所定期間Tの平均車速は非渋滞時の期待車速Vrより大きく、かつ、期待車速Vj+超過車速Veよりは小さい。従って、この例において、運転者が車両Cにおいて過度に加速操作を行ったことが原因となって急減速が誘発された度合いを中間的な度合いとするため、制御部20は、到達前車速を中間車速に設定する。
次に、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、発生時車速または到達前車速が誘発車速であるか否かを判定する(ステップS200)。そして、ステップS200において発生時車速または到達前車速が誘発車速であると判定された場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、ステップS105で取得した案内対象地点に誘発度高を対応づける(ステップS205)。
一方、ステップS200において発生時車速または到達前車速が誘発車速であると判定されない場合、制御部20は、誘発度取得部21cの処理により、発生時車速および到達前車速が非誘発車速であるか否かを判定する(ステップS210)。そして、ステップS210において発生時車速および到達前車速が非誘発車速であると判定された場合、ステップS105で取得した案内対象地点に誘発度低を対応づける(ステップS215)。ステップS210において発生時車速および到達前車速が非誘発車速であると判定されない場合、ステップS105で取得した案内対象地点に誘発度中を対応づける(ステップS220)。なお、誘発度高、中、低は誘発度の相対的な差異を示していればよく、例えば、誘発度が高いほど大きい数値となるような構成(誘発度高,中,低に対して3,2,1を対応づける構成等)を採用可能である。
本実施形態にかかる運転支援処理は車両Cから走行履歴情報300bが送信されるたびに実行されるため、ステップS205,S215,S220によって案内対象地点に誘発度を対応づける処理が行われると、制御部20は、走行履歴情報30bが示す案内対象地点に対して誘発度を示す情報を対応づけて記録媒体30に記録する。この結果、複数の走行履歴情報300bが示す複数の案内対象地点のそれぞれについて誘発度が取得された状態となる。
次に、制御部20は、案内部21dの処理により、案内対象地点が狭い範囲に集中しているか否かを判定する(ステップS225)。すなわち、所定の距離の範囲内に所定数以上の案内対象地点が集中している場合、これらの案内対象地点は、同一の急減速原因に関して急減速が行われた地点であると推定される。そこで、制御部20は、記録媒体30の走行履歴情報30bを参照し、所定の距離の範囲内に所定数以上の案内対象地点が含まれる領域が存在するか否かを判定し、存在する場合に、案内対象地点が狭い範囲に集中していると見なす。
ステップS225において、案内対象地点が狭い範囲に集中していると判定されない場合、制御部20は、運転支援処理を終了する。一方、ステップS225において、案内対象地点が狭い範囲に集中していると判定された場合、制御部20は、案内対象地点を案内すべき否かを判定する。このために、制御部20は、案内部21dの処理により、各案内対象地点の誘発度を取得する(ステップS230)。
すなわち、所定の距離の範囲内に複数の案内対象地点が存在する場合、当該案内対象地点を案内することが有用である可能性が高く、案内対象地点の数が増えるほど、通常は、有用性は高くなると推定される。しかし、案内対象地点に到達する以前の車両Cの運転者の運転操作によっては、案内対象地点を案内する必要性が低い場合もあり、所定の距離の範囲内に存在する複数の案内対象地点の多くが案内の必要性が低い地点であることも想定される。そこで、制御部20は、走行履歴情報30bを参照し、ステップS225において、狭い範囲に集中して存在すると判定された各案内対象地点についての誘発度を取得する。
次に、制御部20は、案内部21dの処理により、誘発度の平均値が閾値より小さいか否かを判定する(ステップS235)。すなわち、制御部20は、ステップS230において取得した誘発度の総和を案内対象地点の総数で除することによって誘発度の平均値を取得する。さらに、制御部20は、誘発度の平均値が、案内対象地点を案内することが有用であるか否かを判定するための閾値より小さい場合に、誘発度の平均値が閾値より小さいと判定する。
ステップS235において誘発度の平均値が閾値より小さいと判定された場合、制御部20は、運転者の運転操作によって案内対象事象が誘発された度合いが小さく、案内対象地点を案内することが有用であると見なし、案内対象地点を配信対象として設定する(ステップS240)。すなわち、制御部20は、ステップS225において、狭い範囲に集中していると判定された複数の案内対象地点に基づいて統計処理によって配信対象の案内対象地点を特定する。なお、統計処理としては、例えば、複数の案内対象地点の重心を配信対象の案内対象地点とする処理等が挙げられる。この状態において、制御部20は、車両Cからの配信要求に応じて当該配信対象の案内対象地点を車両Cに配信する。
一方、ステップS235において誘発度の平均値が閾値より小さいと判定されない場合、制御部20は、ステップS240をスキップする。以上の処理によれば、誘発度の総和に基づいて所定の距離の範囲内に存在する複数の案内対象地点について案内することが有用であるか否かを総合的に判定することができ、案内対象地点についての案内が有用である場合に案内される確率を高め、有用でない場合に案内されない確率を高めることができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いに基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ナビゲーション端末100は、車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能なナビゲーション端末100が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。また、走行履歴取得部21a、案内対象地点取得部21b、誘発度取得部21c、案内部21dの少なくとも一部が上述の実施形態と異なる制御主体で実現されても良い。例えば、各部がナビゲーション端末100に備えられていても良い。
さらに、急減速の発生を検出するための構成はブレーキセンサ440に限定されず、例えば、車速センサ420の出力信号やABS制御の作動状態に基づいて検出しても良い。さらに、案内対象地点の車速や案内対象地点到達前の車速を期待車速と比較する際に、上述の実施形態では期待車速より著しく大きい場合と期待車速より大きい場合との2個の場合について定義したが、場合分けはより少なくても良いし多くても良い。少ない場合、例えば、期待車速より著しく大きい場合に発生時車速や到達前車速を誘発車速に設定する構成や、期待車速より大きい場合に発生時車速や到達前車速を誘発車速に設定する構成等を採用可能である。むろん、案内対象地点の車速と案内対象地点到達前の車速とのいずれか一方のみに基づいて誘発度を特定する構成であっても良い。
走行履歴取得手段は、車両の走行履歴を取得することができればよく、走行履歴は、車両の運転者に対して案内すべき案内対象事象が発生した案内対象地点と、案内対象地点に到達する以前の運転操作とを特定できるように定義されていれば良い。従って、案内対象事象に応じた走行履歴が取得されれば良く、車両の動作に関する事象を案内対象事象とする場合、車両の位置毎の動作(車速、加速度等やABS、TRCによる制御動作の発生等)を走行履歴とする構成を採用可能であるし、車両の運転者の運転操作に関する事象を案内対象事象とする場合、車両の位置毎の運転操作(急ブレーキや急ハンドル等の操作)を走行履歴とする構成を採用可能である。なお、案内対象地点に到達する以前の運転操作を特定するための走行履歴は、運転操作自体を示す履歴であっても良いし、運転操作を間接的に示す事象の履歴であっても良い。後者としては、例えば、運転操作を推定可能な車両の動作履歴等が挙げられる。例えば、車両の車速が過度の車速である場合や過度の加速度が発生している場合、過度の車速にするための運転操作が行われたと推定することが可能である。
案内対象地点取得手段は、走行履歴に基づいて案内対象事象が発生した案内対象地点を取得することができればよい。すなわち、予め決められた案内対象事象が発生していたことが走行履歴に基づいて特定され、走行履歴に基づいてその位置が案内対象地点として特定されれば良い。案内対象事象は、車両の動作に関する事象や車両の運転者の運転操作に関する事象等が想定され、前者としては、例えば、車両における急減速や加速度の急激な変化、進路の急激な変化等が想定され、後者としては、例えば、運転者による急ブレーキ操作や急ハンドル操作等が想定される。なお、これらの事象の発生地点は、例えば、案内対象地点取得手段が、走行履歴に基づいて、基準単位(単位距離や単位時間等)あたりの車速変化や加速度変化が所定の変化量以上であることや、基準単位当たりの操作量が閾値以上である運転操作等を特定するとともに、その地点を特定することで、特定可能である。
誘発度取得手段は、走行履歴に基づいて案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いである誘発度を取得することができればよい。すなわち、案内対象事象が発生した場合、その原因が1種類の場合や、2種類の場合など、種々の場合がある。さらに、特定の原因が案内対象事象を発生させた主原因であるが他の原因は主原因ではない場合が想定される。このように種々の場合があり得るため、案内対象事象が複数回発生した場合において、その発生に車両の運転者の運転操作が関与していた度合いは場合によって異なる。
そして、運転者の運転操作が案内対象事象を誘発していた場合、同様の運転操作で案内対象事象を誘発する可能性が低い運転者に対して、案内対象地点が案内されたとしても有用な案内にならない。従って、運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いが高い場合に、案内対象地点を案内すべきと判定されにくくすれば、多くの運転者にとって有用でない案内が行われることを抑制し、多くの運転者にとって有用な案内が行われる可能性を増加させることができる。
なお、誘発度は、運転操作自体や運転操作を間接的に示す事象の変化に応じて変化するように定義されていれば良く、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いが高いほど、高くなるように設定されていれば良い。また、誘発度は、複数の段階(レベル等)で定義されても良いし、数値で定義されても良く、種々の定義が可能である。
案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作は、案内対象事象の発生原因となり得る操作であれば良く、ある瞬間の運転操作や運転操作を間接的に示すある瞬間の事象であっても良いし、所定期間での運転操作や運転操作を間接的に示す所定期間での事象のであってもよい。所定期間について運転操作や事象を特定する際には、これらの統計値であってもよい。例えば、運転操作を間接的に示す事象が車両の車速である場合、所定期間での車速の平均値や中央値等が統計値となり得る。
案内手段は、誘発度に基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定し、案内すべき案内対象地点に関する案内を行うことができればよい。すなわち、案内手段は、誘発度が、案内対象地点を案内することの有用性に対応していると見なし、有用である場合に案内すべきと判定し、案内すべき案内対象地点に関する案内を行うことができればよい。案内は、案内対象地点の周囲に存在する車両において行われれば良く、案内手段が当該車両の案内部に案内を行わせるための制御信号や情報等を提供する構成であれば良い。従って、案内手段は車両内に存在しても良いし、車両外に存在しても良い(この場合通信等によって車両内の案内部を制御する)。
なお、案内すべき案内対象地点に関する案内を行うためには、複数の案内対象地点から案内すべき案内対象地点が特定されて当該案内対象地点に関する案内が行われる構成を採用しても良いし、案内すべき案内対象地点のみを記録媒体に保持し、記録媒体に保持された案内対象地点に関する案内が行われる構成を採用しても良い。
さらに、複数の車両の走行履歴に基づいて、狭い範囲に案内対象地点が集中している場合に、当該案内対象地点を案内すべきか否かを判定する構成としても良い。このような構成としては、例えば、案内対象地点取得手段が、所定領域内に存在する複数の案内対象地点を取得し、誘発度取得手段が、複数の案内対象地点のそれぞれについて誘発度を取得し、案内手段が、複数の案内対象地点のそれぞれについての誘発度の総和に基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定する構成としても良い。
すなわち、所定の距離の範囲内に複数の案内対象地点が存在する場合、当該案内対象地点を案内することが有用である可能性が高く、案内対象地点の数が増えるほど、通常は、有用性は高くなると推定される。しかし、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作によっては、案内対象地点を案内する必要性が低い場合もあり、所定の距離の範囲内に存在する複数の案内対象地点の多くが案内の必要性が低い点であることも想定される。そこで、各案内対象地点について案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いである誘発度を取得し、誘発度の総和を取得すれば、当該総和に基づいて所定の距離の範囲内に存在する複数の案内対象地点について案内することが有用であるか否かを総合的に判定することができる。この結果、案内対象地点についての案内が有用である場合に案内される確率を高め、有用でない場合に案内されない確率を高めることができる。なお、総和に基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定するための構成としては、例えば、総和と閾値とを比較する構成や、総和をサンプル数で除した値(誘発度の平均値)と閾値とを比較する構成等を採用可能である。
さらに、案内対象地点取得手段が、車両において急減速が発生した地点を案内対象地点として取得し、誘発度取得手段が、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作に、車両が走行している道路で期待される車速よりも車両の車速を大きくする操作が含まれる場合、期待される車速よりも車両の車速を大きくする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くし、案内手段が、誘発度が高いほど案内対象地点を案内すべきと判定される確率を低くする構成としても良い。
すなわち、急減速や急ハンドル操作などといった案内対象事象を発生させる可能性は、車両が走行している道路で期待される車速よりも車両の車速が大きいほど高い。このように車両の車速が過大であることが一因となって案内対象事象が誘発されたのであれば、過大な車速を発生させない通常の運転者にとって、同一の案内対象事象の発生を抑制させるための案内が有用であるとは限らない。従って、車両が走行している道路で期待される車速よりも車両の車速を大きくする操作が含まれる場合、期待される車速よりも車両の車速を大きくする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くすることにより、多くの運転者にとって有用な情報を案内し、多くの運転者にとって有用でない情報を案内しないように構成することが可能である。
なお、車両が走行している道路で期待される車速は、当該道路での車両の流れに合わせた走行を可能にする車速等であれば良く、例えば、制限車速や平均車速等が挙げられる。むろん、制限車速や平均車速は動的に変化しても良く、天候による規制の強化等に応じて制限車速を小さくしたり、渋滞度等に応じて平均車速を小さくしたりする構成等を採用しても良い。
さらに、案内対象地点取得手段が、車両において急減速が発生した地点を案内対象地点として取得し、誘発度取得手段が、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作に、期待される加速度の大きさよりも大きい加速度にする操作が含まれる場合、期待される加速度の大きさよりも大きい加速度にする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くし、案内手段が、誘発度が高いほど案内対象地点を案内すべきと判定される確率を低くする構成としても良い。
図4Cは、図4Aと同様のグラフにおいて車両Cの位置毎の車速の例を示す図であり、実線によって車速を示している。同図4Cにおいては、案内対象地点Ps以前の期間Tgにおいて急加速操作が行われている。このような急加速操作によって車両Cに作用する加速度が期待される加速度の大きさよりも大きいと、急減速や急ハンドル操作などといった案内対象事象を発生させる可能性が高くなる。なお、図4Cにおいては、案内対象地点Psにおいて、急減速が発生している。
このように期待される加速度の大きさよりも大きい加速度で走行されたことが一因となって案内対象事象が誘発されたのであれば、過度に加速を行わない通常の運転者にとって、同一の案内対象事象の発生を抑制させるための案内が有用であるとは限らない。従って、期待される加速度の大きさよりも大きい加速度にする操作が含まれる場合、期待される加速度の大きさよりも大きい加速度にする操作が含まれない場合よりも、誘発度を高くすることにより、多くの運転者にとって有用な情報を案内し、多くの運転者にとって有用でない情報を案内しないように構成することが可能である。なお、期待される加速度の大きさよりも大きい加速度は、車両における通常の加速度を超える加速度(急加速や急減速に相当する加速度)として定義されていれば良い。
なお、以上のような構成は、例えば、図1と同様の構成において、図2,図3に示す運転支援処理の一部を変更または追加して実行することによって実現可能である。この場合、案内対象地点または案内対象地点到達前に車両に作用して加速度が期待される加速よりも著しく大きい場合や期待される加速よりも大きい場合に誘発度を高くする構成等を採用可能である。
さらに、本発明のように、案内対象地点に到達する以前の車両の運転者の運転操作が案内対象事象を誘発した度合いに基づいて案内対象地点を案内すべきか否か判定する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムを備えた情報管理システムやナビゲーションシステム、方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。