以下に添付図面を参照して、本発明にかかる凹凸分析プログラム、凹凸分析方法、および凹凸分析装置の実施の形態を詳細に説明する。
・実施の形態1
(凹凸分析方法の一実施例)
図1は、実施の形態1にかかる路面の凹凸分析方法の一実施例を示す説明図である。図1において、凹凸分析装置100は、分析パラメータに基づいて、移動体110の移動データを分析して移動体110が移動した路面の凹凸の分析を行うコンピュータである。
ここで、移動体110とは、内燃機関、バッテリー、および人力などの動力により道路上を移動することが可能なものである。例えば、移動体110は、車輪を使用して道路上を移動する自動車、自動二輪、自転車などの車両や、そりを使用して雪面上を移動するスノーモービルなどである。また、路面とは、道路の表面である。路面には、雪面、氷面を含む。
路面の凹凸とは、路面上の平らでない部分のことである。例えば、路面の凹凸には、車両の荷重、経年で路面が劣化することにより発生するひび割れや路面の陥没が存在する。また、路面の凹凸には、地震などの自然作用によって発生した亀裂、自然作用や人為的作用によって路面上に置かれた石などの障害物、または人為的に作成されたものが存在する。なお、人為的に作成される凹凸としては、例えば、路面上に描かれた横断歩道や下水道などのメンテナンスのために設けられたマンホールの蓋などが存在する。
移動体110の移動データとは、移動体110の移動状況を示すデータである。移動体110の移動状況とは、移動体110の移動状態の変化を表すものである。移動状態としては、例えば、停止状態、加速状態、減速状態、等速状態、右折状態、左折状態、直進状態などがある。停止状態とは、移動体110が停止、すなわち、移動体110の速度が0である状態である。加速状態とは、移動体110の速度が増加する状態である。減速状態とは、移動体110の速度が減少する状態である。等速状態とは、移動体110の速度がほぼ一定の状態である。右折状態とは、移動体110が右折する状態であって、移動体110の右方向の加速度が所定値以上である状態である。左折状態とは、移動体110が左折する状態であって、移動体110の左方向の加速度が所定値以上の状態である。直進状態とは、左折状態および右折状態ではない状態である。
以下の説明では、加速状態かつ直進状態である状態を「加速直進状態」と表記する場合がある。また、減速状態かつ直進状態である状態を「減速直進状態」と表記する場合がある。また、等速状態かつ直進状態である状態を「等速直進状態」と表記する場合がある。
移動体110の移動データには、例えば、移動体110に搭載された加速度センサにより定期的または不定期に測定される加速度の測定値、測定時刻、測定位置などの情報が含まれる。また、移動体110の加速度には、例えば、移動体110の前後方向の加速度、移動体110の左右方向の加速度および移動体110の上下方向の加速度がある。
以下の説明では、移動体110の前後方向の加速度を「前後加速度」と表記する場合がある。また、移動体110の左右方向の加速度を「左右加速度」と表記する場合がある。また、移動体110の上下方向の加速度を「上下加速度」と表記する場合がある。
各方向の加速度は、例えば、各方向の加速度を測定するセンサによって測定される。また、例えば、凹凸分析装置100が、移動体110の斜め方向の加速度を測定するセンサの測定値をベクトル分解することにより、移動体110の前後方向の加速度、左右方向の加速度、上下方向の加速度を測定することにしてもよい。
分析パラメータとは、移動体110の移動データから路面の凹凸を分析するためのパラメータである。分析パラメータは、加速度センサの測定閾値を含む。加速度センサの測定閾値とは、凹凸分析装置100が路面の凹凸を検出するために使用する閾値である。凹凸分析装置100は、例えば、移動体110の上下方向の加速度と、加速度センサの測定閾値とを比較して、上下方向の加速度の絶対値が加速度センサの測定閾値より大きい場合に、路面に凹凸があると判定する。
以下の説明では、移動体110の一例として、自動車、自動二輪、自転車などの車両を例に挙げて説明する。また、以下の説明では、移動体110を「車両110」と表記し、移動体110の移動データを「車両110の走行データ」と表記する場合がある。
車両110が市街地などを走行する場合、他の車両110や信号などにより、車両110の速度を遅くせざるを得ない区間や、車両110を停止せざるを得ない区間が存在する。また、この場合、交差点、丁字路、カーブなどにおいて、車両110が右折や左折をする区間が存在する。このため、走行中の車両110の走行状況は、停止状態、加速状態、減速状態、等速状態、右折状態、左折状態、直進状態などの様々な状態を遷移することになる。
ここで、車両110の走行状況が異なれば、路面の凹凸状況が同じであっても、車両110に搭載された加速度センサによって測定される測定値が異なる場合がある。このため、車両110の走行状況を考慮することなく、同じ測定閾値を用いて路面の凹凸を検出すると、凹凸の検出精度の低下を招いてしまう。
例えば、車両110が加速中や減速中の場合は、サスペンションなどの沈み込みにより余計な上下動が発生するため、車両110が等速で走行中よりも車両110の上下加速度の測定値は大きくなる傾向にある。より具体的には、停止状態から加速状態に遷移した加速中の車両110が、30km/hで道路上を走行する場合の上下加速度は、同じ道路上を車両110が30km/hの等速で走行する場合の上下加速度よりも大きくなる傾向にある。このため、例えば、車両110が30km/hの等速で走行することを想定して、加速度センサの測定閾値を定めると、加速中の車両110が30km/hで平坦な道路上を走行した際に、路面の凹凸を誤検出してしまう場合がある。
そこで、実施の形態1では、凹凸分析装置100は、走行中の車両110が加速中の状態または減速中の状態での路面の凹凸検出の感度を、等速直進状態よりも低くして、凹凸検出を実行する。これにより、凹凸分析装置100は、車両110の走行状況に応じて増加する加速度の影響を考慮して路面の凹凸を高精度に分析することができる。
また、例えば、車両110が右折中や左折中の場合は、サスペンションなどの沈み込みにより余計な上下動が発生するため、車両110が等速で走行中よりも車両110の上下加速度の測定値は大きくなる傾向にある。より具体的には、車両110が、30km/hの等速で右カーブの道路上を右折走行する場合、直線道路上を車両110が30km/hの等速で直進走行する場合の上下加速度より大きくなる傾向にある。このため、例えば、車両110が30km/hの等速で走行することを想定して、加速度センサの測定閾値を定めると、右折中の車両110が30km/hで道路上を走行した際に、路面の凹凸を誤検出してしまう場合がある。
そこで、実施の形態1では、凹凸分析装置100は、走行中の車両110が右折状態または左折状態での路面の凹凸検出の感度を、等速直進状態よりも低くして、凹凸検出を実行する。これにより、凹凸分析装置100は、車両110の走行状況に応じて増加する加速度の影響を考慮して路面の凹凸を高精度に分析することができる。
また、路面の凹凸は、様々な位置に様々な形状で存在する。このため、車両110が市街地などを走行する場合、車両110が路面の凹凸を両輪で踏んだり、片側の車輪だけで踏むことになる。例えば、路面の凹凸がマンホールの蓋である場合、車両110が片側の車輪だけで踏むことになる。
ここで、路面の凹凸の形状や位置が異なれば、車両110に搭載された加速度センサによって測定される測定値が異なる場合がある。例えば、路面の左側にだけ凹凸がある場合は、路面の両側に跨って凹凸がある場合よりも揺れが小さくなるため、車両110の上下加速度の測定値は小さくなる傾向にある。より具体的には、車両110が、30km/hの等速で路面の左側にだけ凹凸がある道路上を走行する場合、30km/hの等速で路面の両側に跨って凹凸がある道路上を走行する場合の上下加速度より小さくなる傾向にある。このため、例えば、車両110が路面の両側に跨って凹凸がある道路上を走行することを想定すると、車両110が路面の左側だけに凹凸がある道路上を走行した際に、路面の凹凸を検出できない場合がある。
そこで、実施の形態1では、凹凸分析装置100は、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を複合した複合加速度が所定値以上の測定点について、路面の凹凸検出の感度を、等速直進状態よりも高くして、凹凸検出を実行する。これにより、凹凸分析装置100は、路面状況を考慮して路面の凹凸を高精度に分析することができる。以下、凹凸分析装置100の凹凸分析処理の一例について説明する。
(1)凹凸分析装置100は、上面図に示すような道路をA点からB点まで走行した車両110の走行データを取得する。車両110の走行データは、例えば、車両110に搭載された加速度センサにより、一定時間または一定距離ごとに測定される車両110の加速度を含む情報である。
図1の例では、凹凸分析装置100は、各測定点P1〜Pnにおいて測定された車両110の加速度を含む走行データを取得する。なお、加速度センサは、凹凸分析装置100に設けられていてもよく、また、車両110に設けられていてもよい。
(2)凹凸分析装置100は、取得した車両110の走行データを、複数の区間における走行データに分割する。次に、凹凸分析装置100は、各々の区間における車両110の走行データが示す車両110の走行状況に基づいて、車両110が停止状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを特定する。換言すれば、凹凸分析装置100は、車両110が加速中の走行データを特定する。
ここで、車両110が停止状態から所定時間内(または、所定距離内)の走行データとは、例えば、車両110の走行状況が、停止状態から加速状態に遷移し、加速状態から等速状態に遷移するまでの時間内(または、距離内)に測定された走行データである。また、車両110が停止状態から所定時間内(または、所定距離内)の走行データは、車両110の走行状況が、停止状態から加速状態に遷移した際の停止状態から所定時間内(または、所定距離内)に測定された走行データであってもよい。この場合の所定時間(または、所定距離)は、任意に設定可能であり、例えば、数秒(または、数メートル)程度の値が設定される。
また、凹凸分析装置100は、各々の区間における車両110の走行データが示す車両110の走行状況に基づいて、車両110が停止状態までの所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを特定する。換言すれば、凹凸分析装置100は、車両110が減速中の走行データを特定する。
ここで、車両110が停止状態までの所定時間内(または、所定距離内)の走行データとは、車両110の走行状況が、等速状態から減速状態に遷移し、減速状態から停止状態に遷移するまでの時間内(距離内)に測定された走行データである。また、車両110が停止状態までの所定時間内(または、所定距離内)の走行データとは、車両110の走行状況が、減速状態から停止状態に遷移した際の停止状態までの所定時間内(または、所定距離内)に測定された走行データであってもよい。この場合の所定時間(または、所定距離)は、任意に設定可能であり、例えば、数秒(または、数メートル)程度の値が設定される。
次に、凹凸分析装置100は、各々の区間における車両110の走行データが示す車両110の走行状況に基づいて、車両110が右折状態または左折状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを特定する。換言すれば、凹凸分析装置100は、車両110が右折中または左折中の走行データを特定する。
ここで、車両110が右折状態から所定時間内(または、所定距離内)の走行データとは、例えば、車両110の走行状況が、直進状態から右折状態に遷移し、右折状態から直進状態に遷移するまでの時間内(または、距離内)に測定された走行データである。また、車両110が左折状態から所定時間内(または、所定距離内)の走行データとは、車両110の走行状況が、直進状態から左折状態に遷移し、左折状態から直進状態に遷移するまでの時間内(距離内)に測定された走行データである。
図1の例では、車両110の走行状況は、停止状態、加速直進状態、左折状態、右折状態、等速直進状態、減速直進状態、停止状態と変化する。具体的には、点P1が停止状態、点P1から点P3までが加速直進状態、点P4から点P6までが左折状態、点P7から点P9までが右折状態、点P10から点P12までが等速直進状態、点P(n−1)から点Pnまでが減速直進状態、点Pnが停止状態である。
この場合、凹凸分析装置100は、点P1から点P3まで、および点P(n−1)から点Pnまでの加速度を含む走行データを、車両110が停止状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データとして特定する。また、凹凸分析装置100は、点P4から点P6まで、および点P7から点P9までの加速度を含む走行データを、車両110が右折状態または左折状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データとして特定する。また、凹凸分析装置100は、点P12の加速度を含む走行データを、凹凸がある路面を走行する走行状況の走行データとして特定する。
(3)凹凸分析装置100は、車両110が停止状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データとして特定した走行データについては、特定した走行データに属さない走行データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。これにより、凹凸分析装置201は、車両110の走行データが同じ速度での移動を示す場合であっても、特定した走行データについては、特定した走行データに属さない走行データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。ここで、路面の凹凸検出とは、車両110の上下方向の加速度と、加速度センサの測定閾値とを比較して、上下方向の加速度の絶対値が加速度センサの測定閾値より大きい場合に、路面に凹凸があると判定する処理である。
また、路面の凹凸検出の感度を低くするとは、凹凸分析装置100が路面に凹凸があると判定するための条件を厳しくすることである。例えば、凹凸分析装置100は、特定した走行データに属する走行データについては、加速度センサの測定閾値を高くして、高くした測定閾値と上下方向の加速度を比較することにより、路面の凹凸検出を実行することにしてもよい。
また、凹凸分析装置100は、特定した走行データに属する走行データについては、路面の凹凸検出する対象外とすることにしてもよい。また、凹凸分析装置100は、特定した走行データの上下方向の加速度の絶対値を小さくして、絶対値を小さくした上下方向の加速度の絶対値と加速度センサの測定閾値とを比較することにより路面の凹凸検出を実行することにしてもよい。
次に、凹凸分析装置100は、車両110が右折状態または左折状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データとして特定した走行データについては、特定した走行データに属さない走行データと比較して感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。これにより、凹凸分析装置201は、車両110の走行データが同じ速度での移動を示す場合であっても、特定した走行データについては、特定した走行データに属さない走行データと比較して感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。
次に、凹凸分析装置100は、車両110の走行データが加速度センサの測定閾値より小さい場合であっても、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を複合した複合加速度が所定値以上の測定点については、感度を高くした路面の凹凸検出を実行する。
以上説明したように、実施の形態1にかかる凹凸分析装置100によれば、車両110が停止状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データに基づく路面の凹凸検出の感度を、他の走行データに比べて低くして、凹凸検出を実行することができる。
例えば、凹凸分析装置100によれば、車両110が、加速中の状態、または、減速中の状態における路面の凹凸検出の感度を他の状態に比べて低くして、凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置100は、車両110の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
また、例えば、実施の形態1にかかる凹凸分析装置100によれば、車両110が、右折状態、または、左折状態における路面の凹凸検出の感度を他の状態に比べて低くして、凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置100は、車両110の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
また、例えば、実施の形態1にかかる凹凸分析装置100によれば、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を複合した複合加速度が所定値以上の測定点について、路面の凹凸検出の感度を、等速直進状態よりも高くして、凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置100は、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
ここでは、凹凸分析装置100が、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度に基づいて、路面の凹凸を分析する場合について説明したが、これに限らない。例えば、凹凸分析装置100は、加速度の代わりに、振動に伴って発生する前後方向、左右方向、および上下方向の振幅に基づいて、路面の凹凸を分析してもよい。凹凸分析装置100は、例えば、前後方向、左右方向、および上下方向の振幅を、振動センサによって検出する。
ここでは、凹凸分析装置100が、車両110が停止状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを、車両110が加速中の走行データとして特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、凹凸分析装置100は、前方向の加速度が連続して所定値以上になる走行データを、車両110が加速中の走行データとして特定してもよい。
同様に、凹凸分析装置100が、車両110が停止状態までの所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを、車両110が減速中の走行データとして特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、凹凸分析装置100は、後ろ方向の加速度が連続して所定値以上になる走行データを、車両110が加速中の走行データとして特定してもよい。
同様に、凹凸分析装置100が、車両110が右折状態または左折状態から所定時間内の走行データまたは所定距離内の走行データを、車両110が右折中または左折中の走行データとして特定したが、これに限らない。例えば、凹凸分析装置100は、右方向または左方向の加速度が連続して所定値以上になる走行データを、車両110が右折中または左折中の走行データとして特定してもよい。
・実施の形態2
(システム200のシステム構成例)
次に、実施の形態2にかかるシステム200のシステム構成例について説明する。なお、実施の形態1で説明した箇所と同一箇所については、説明を省略する。
図2は、システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、システム200は、凹凸分析装置201と、走行データ測定装置202(図2の例では、2台)と、車両203(図2の例では、2台)と、を含む。
システム200において、凹凸分析装置201と、走行データ測定装置202は、有線または無線のネットワーク220を介して接続される。ネットワーク220は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
凹凸分析装置201は、車両203が走行した路面の凹凸の分析を行うコンピュータである。具体的には、凹凸分析装置201は、サーバ、PC(Personal Computer)などである。
走行データ測定装置202は、車両203の走行データを測定するコンピュータである。具体的には、走行データ測定装置202は、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPCなどの可搬型の通信端末装置であってもよく、また、車両203に搭載されるカーナビゲーション装置などの車載器であってもよい。
車両203は、自動車、自動二輪、自転車などである。車両203の走行データについては、図5で詳細を説明する。凹凸分析装置201と走行データ測定装置202は、図1に示した凹凸分析装置100に対応し、車両203は、図1に示した移動体110(車両110)に対応する。
ここでは、凹凸分析装置201と、走行データ測定装置202とが、別々の装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、走行データ測定装置202が、凹凸分析装置201としての機能を有していてもよい。
(凹凸分析装置201のハードウェア構成例)
図3は、凹凸分析装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、凹凸分析装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、凹凸分析装置201の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。
具体的には、フラッシュROMやROMが、ブートプログラムや本実施の形態にかかる凹凸分析プログラムなどの各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。また、例えば、フラッシュROMやROMが、図5に後述する走行データ500、図6に後述する分析パラメータ600、および図7に後述する凹凸分析テーブル700などの各種テーブルを記憶する。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク220に接続され、ネットワーク220を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した走行データ測定装置202)に接続される。そして、I/F303は、ネットワーク220と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリードおよびライトを制御する制御装置である。ディスクドライブ304には、例えば、磁気ディスクドライブなどを採用することができる。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発性メモリである。例えば、ディスクドライブ304が磁気ディスクドライブである場合、ディスク305には、磁気ディスクを採用することができる。
なお、凹凸分析装置201は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、プリンタ、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、凹凸分析装置201は、ディスクドライブ304およびディスク305の代わりに、SSDなどを有していてもよい。
(走行データ測定装置202のハードウェア構成例)
図4は、走行データ測定装置202のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、走行データ測定装置202は、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、を有する。また、走行データ測定装置202は、ディスプレイ405と、入力デバイス406と、I/F407と、タイマ408と、GPS(Global Positioning System)ユニット409と、加速度センサ410と、を有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU401は、走行データ測定装置202の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、フラッシュROMやROMがブートプログラムなどの各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU301の制御に従ってディスク404に対するデータのリードおよびライトを制御する制御装置である。ディスクドライブ403には、例えば、磁気ディスクドライブなどを採用することができる。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発性メモリである。例えば、ディスクドライブ403が磁気ディスクドライブである場合、ディスク404には、磁気ディスクを採用することができる。
ディスプレイ405は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ405としては、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。入力デバイス406は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、入力デバイス406は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
I/F407は、通信回線を通じてネットワーク220に接続され、ネットワーク220を介して他の装置(例えば、図2に示した凹凸分析装置201)に接続される。そして、I/F407は、ネットワーク220と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
GPSユニット409は、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信し、走行データ測定装置202(車両203)の位置を示す位置情報を出力する。走行データ測定装置202(車両203)の位置情報は、例えば、緯度・経度、高度などの地球上の1点を特定する情報である。
加速度センサ410は、走行データ測定装置202の前後方向、左右方向および上下方向の3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ410は、例えば、前後加速度を、移動体に後ろ向きの力がかかると負の値として検出し、移動体に前向きの力がかかると正の値として検出する。また、加速度センサ410は、上下加速度を、移動体が上方向に移動すると正の値として検出し、下方向に移動すると負の値として検出する。また、加速度センサ410は、左右加速度を、移動体が右方向に移動すると正の値として検出し、左方向に移動すると負の値として検出する。加速度センサ410が検出する加速度の方向と正負の値との対応関係は、上述した例とは異なる対応関係であってもよい。
走行データ測定装置202は、上述した構成部のうち、例えば、タイマ408、GPSユニット409および加速度センサ410を有さないことにしてもよい。この場合、走行データ測定装置202は、例えば、車両203に搭載されているセンサから、車両203の加速度、時刻、位置などを取得することにしてもよい。また、走行データ測定装置202は、上述した構成部のほか、SSDなどを有していてもよい。また、走行データ測定装置202は、ディスクドライブ403およびディスク404の代わりに、SSDなどを有していてもよい。
(走行データ500の記憶内容)
図5は、走行データ500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、走行データ500は、日付、時刻、緯度、経度、速度、GPS誤差、前後加速度、左右加速度および上下加速度のフィールドを有する。
走行データ500は、車両203が走行中の各々の時点ごとに、各フィールドに情報を設定することにより、走行データ情報(例えば、走行データ情報500−1〜500−7)をレコードとして記憶する。図5の例では、走行データ情報は0.5秒間隔で測定されるが、走行データ情報は一定の距離間隔で測定されてもよい。
ここで、日付と時刻は、当該レコードの情報を取得した日付と時刻を示す情報である。日付と時刻は、走行データ測定装置202のタイマ408によって測定される。経度と緯度は、車両203の位置を示す情報であり、走行データ測定装置202のGPSユニット409が受信したGPS電波から測定される。
速度は、当該レコードの時刻における車両203の速度を示す情報である。速度の単位はkm/hである。ここで、走行データ測定装置202は、直接速度を測定しなくてもよい。例えば、走行データ測定装置202は、速度を時刻、経度および緯度から算出することができる。走行データ測定装置202は、具体的には、走行データ情報500−1の経度、緯度と走行データ情報500−2の経度、緯度から、車両203が走行した距離を算出する。そして、走行データ測定装置202は、算出した距離を走行データ情報500−2の時刻と走行データ情報500−1の時刻との差で割ることにより、速度を算出することができる。
GPS誤差は、GPS信号による緯度と経度の位置情報がどれだけずれているかを示す誤差である。前後加速度は、当該レコードの時刻における車両203の前後方向の加速度を示す情報である。左右加速度は、当該レコードの時刻における車両203の左右方向の加速度を示す情報である。上下加速度は、当該レコードの時刻における車両203の上下方向の加速度を示す情報である。前後加速度、左右加速度および上下加速度の単位は、例えば、m/s^2である。
なお、前後加速度は、移動体が加速した場合、加速度センサ410に後ろ向きの力がかかるため、負の値を取り、移動体が減速した場合、正の値を取る。また、上下加速度は、移動体が上方向に移動した場合、正の値を取り、下方向に移動した場合、負の値を取る。また、左右加速度は、移動体が右方向に移動した場合、正の値を取り、左方向に移動した場合、負の値を取る。また、移動体に対する走行データ測定装置202の設置形式によって、移動体の加速度の方向とを加速度の正負の値との対応関係が、上述した例とは異なる場合があってもよい。
図5に示す走行データ500は、図1で説明した車両110の走行データに対応する。走行データ500は、例えば、図4に示したディスク404に記憶される。
(分析パラメータ600の記憶内容)
図6は、分析パラメータ600の記憶内容の一例を示す説明図である。分析パラメータ600は、アクセル除外前後加速度Pa−aと、ブレーキ除外前後加速度Pb−aと、右カーブ左右加速度Pr−aと、左カーブ左右加速度Pl−aと、複合加速度積Ph−aとの値を有する。
また、分析パラメータ600は、アクセル除外補正係数Pa−bと、ブレーキ除外補正係数Pb−bと、右カーブ補正係数Pr−bと、左カーブ補正係数Pl−bと、複合補正係数Ph−bとの値を有する。
また、分析パラメータ600は、0〜20km/hの補正係数Ps−aと、21〜40km/hの補正係数Ps−bと、41〜50km/hの補正係数Ps−cと、81〜km/hの補正係数Ps−dと、路面の凹凸検出閾値との値を有する。分析パラメータ600は、例えば、図3に示したメモリ302またはディスク305に記憶される。
ここで、アクセル除外前後加速度Pa−aは、計測区間がアクセル区間であるか否かを判定するために使用される第1の閾値である。なお、計測区間とは、複数の測定点を有する区間であり、凹凸分析装置201は計測区間ごとに車両203の走行状況を特定する。
車両203の走行状況とは、計測区間における車両203の走行状態である。走行状態として、例えば、停止区間、アクセル区間、ブレーキ区間、右カーブ区間、左カーブ区間、等速区間などがある。車両203の走行状況は、実施の形態1の移動体110の移動状況に対応する。
停止区間とは、車両203が停止、つまり速度が0である区間である。アクセル区間とは、車両203がアクセルにより加速状態になる区間である。ブレーキ区間とは、車両203がブレーキにより減速状態になる区間である。右カーブ区間とは、移動体110の右方向の加速度が所定値以上である区間である。左カーブ区間とは、移動体110の左方向の加速度が所定値以上の区間である。等速区間とは、車両203の速度がほぼ一定で直進する区間である。
ブレーキ除外前後加速度Pb−aは、計測区間がブレーキ区間であるか否かを判定するために使用される第2の閾値である。右カーブ左右加速度Pr−aは、計測区間が右カーブ区間であるか否かを判定するために使用される第3の閾値である。左カーブ左右加速度Pl−aは、計測区間が左カーブ区間であるか否かを判定するために使用される第4の閾値である。
アクセル除外補正係数Pa−bは、アクセル区間での上下の加速度に対する補正係数である。ブレーキ除外補正係数Pb−bは、ブレーキ区間での上下の加速度に対する補正係数である。右カーブ補正係数Pr−bは、右カーブ区間での上下の加速度に対する補正係数である。左カーブ補正係数Pl−bは、左カーブ区間での上下の加速度に対する補正係数である。
0〜20km/hの補正係数Ps−aは、車両203が0〜20km/hの等速状態である計測区間での上下の加速度に対する補正係数である。21〜40km/hの補正係数Ps−b、41〜50km/hの補正係数Ps−c、81〜km/hの補正係数Ps−dも、同様の補正係数である。なお、61〜80km/hは、補正を行わないため、補正係数は存在しない。
路面の凹凸検出閾値は、路面の凹凸を判定するための閾値である。凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出閾値と上下方向の加速度を比較することにより、路面の凹凸を検出する。例えば、凹凸分析装置201は、上下方向の加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、路面に凹凸があると判定する。路面の凹凸検出閾値は、実施の形態1の加速度センサの測定閾値に対応する。
(凹凸分析テーブル700の記憶内容)
図7は、凹凸分析テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7に示すように、凹凸分析テーブル700は、感知箇所、凹凸の種類、前後加速度、左右加速度、および上下加速度のフィールドを有する。凹凸分析テーブル700は、路面状況ごとに、各フィールドに情報を設定することにより、凹凸分析情報(例えば、凹凸分析情報700−1〜700−4)をレコードとして記憶する。凹凸分析テーブル700は、例えば、図3に示したメモリ302またはディスク305に記憶される。
ここで、感知箇所は、当該路面状況において、車両203の左右のどちら側が路面の凹凸上を通過するかを示す情報である。凹凸の種類は、当該路面状況において、路面の凹凸が凹部であるか凸部であるかを示す情報である。
前後加速度は、当該路面状況において車両203が凹凸上を通過した際の車両203の前後方向の加速度の符号を示す情報である。左右加速度は、当該路面状況において車両203が凹凸上を通過した際の車両203の左右方向の加速度の符号を示す情報である。上下加速度は、当該路面状況において車両203が凹凸上を通過した際の車両203の上下方向の加速度の符号を示す情報である。
図7に示すように、前後加速度は、移動体が加速した場合、加速度センサ410に後ろ向きの力がかかるため、負の値を取り、移動体が減速した場合、正の値を取る。また、上下加速度は、移動体が上方向に移動した場合、正の値を取り、下方向に移動した場合、負の値を取る。また、左右加速度は、移動体が右方向に移動した場合、正の値を取り、左方向に移動した場合、負の値を取る。
具体的には、凹凸分析情報700−1は、車両203の左側の前車輪が凹部を通過した場合、車両203の左側の前車輪が沈み込むため、前後加速度が正の値になり、左右加速度が負の値になり、上下加速度が負の値になることを示す情報である。
以下の説明では、凹凸分析情報700−1が示す、前後加速度の正負の符号、左右加速度の正負の符号、上下加速度の正負の符号を組み合わせたパターンを「左側凹部パターン」と表記する場合がある。また、凹凸分析情報700−2が示す、前後加速度の正負の符号、左右加速度の正負の符号、上下加速度の正負の符号を組み合わせたパターンを「右側凹部パターン」と表記する場合がある。
また、凹凸分析情報700−3が示す、前後加速度の正負の符号、左右加速度の正負の符号、上下加速度の正負の符号を組み合わせたパターンを「左側凸部パターン」と表記する場合がある。凹凸分析情報700−4が示す、前後加速度の正負の符号、左右加速度の正負の符号、上下加速度の正負の符号を組み合わせたパターンを「右側凸部パターン」と表記する場合がある。
(凹凸分析装置201の機能的構成例)
次に、図8を用いて、凹凸分析装置201の機能的構成例について説明する。
図8は、凹凸分析装置201の機能的構成例を示すブロック図である。凹凸分析装置201は、制御部800として、受信部801と、特定部802と、実行部803と、出力部804とを含む。各機能部は、具体的には、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
ここで、凹凸分析装置201は、例えば、計測区間がアクセル区間である場合には、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を行う。以下の説明では、計測区間がアクセル区間である場合に当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を「アクセル区間に対応する動作」と表記する場合がある。
また、凹凸分析装置201は、例えば、計測区間がブレーキ区間である場合には、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を行う。以下の説明では、計測区間がブレーキ区間である場合に当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を「ブレーキ区間に対応する動作」と表記する場合がある。
また、凹凸分析装置201は、例えば、計測区間が右カーブ区間である場合には、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を行う。以下の説明では、計測区間が右カーブ区間である場合に当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を「右カーブ区間に対応する動作」と表記する場合がある。
また、凹凸分析装置201は、例えば、計測区間が左カーブ区間である場合には、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を行う。以下の説明では、計測区間が左カーブ区間である場合に当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を「左カーブ区間に対応する動作」と表記する場合がある。
また、凹凸分析装置201は、上述したように、走行データ500の計測区間ごとに、当該計測区間の種類に対応する動作を行うことができる。凹凸分析装置201は、例えば、計測区間が等速区間である場合には、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を行う。以下の説明では、計測区間が等速区間である場合に当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作を「等速区間に対応する動作」と表記する場合がある。
また、凹凸分析装置201は、上述したように、走行データ500の計測区間ごとに、前後加速度、左右加速度、上下加速度を複合した複合加速度に基づいて、路面の凹凸を判定する動作を行うことができる。以下の説明では、複合加速度に基づいて、路面の凹凸を判定する動作を「複合加速度に対応する動作」と表記する場合がある。
以下の説明では、上述した、アクセル区間に対応する動作、ブレーキ区間に対応する動作、右カーブ区間に対応する動作、左カーブ区間に対応する動作、等速区間に対応する動作、および複合加速度に対応する動作の各々の動作について説明する。
〈アクセル区間に対応する動作〉
まず、アクセル区間に対応する動作について説明する。アクセル区間に対応する動作は、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作である。
受信部801は、少なくとも移動体の前後方向の加速度を含む移動体の移動データを受信する。ここで、移動体110とは、上述したように、内燃機関、バッテリー、および人力などの動力により道路上を移動することが可能なものである。移動体110とは、例えば、図2に示した車両203である。また、移動体の移動データとは、上述したように、移動体110の移動状況を示すデータである。移動体の移動データとは、例えば、図5に示した走行データ500である。
受信部801は、例えば、走行データ測定装置202から走行データ500を受信する。受信部801は、具体的には、走行データ測定装置202が路面の走行データ500の取得を終了した後、凹凸分析装置201が路面の凹凸の検出を実行する際に走行データ500を受信する。
また、凹凸分析装置201と走行データ測定装置202とが無線のネットワーク220を介して接続された場合、受信部801は、リアルタイムに走行データ500を走行データ測定装置202から受信してもよい。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、少なくとも移動体の前後方向の加速度を含む移動体の移動データが示す移動体の移動状況に基づいて、移動体の加速状態を示す移動データを特定する。特定部802は、例えば、車両203の走行データ500が示す車両203の走行状況に基づいて、車両203の加速状態を示す移動データを特定する。
特定部802は、具体的には、受信部801が受信した走行データ500を複数の計測区間に分割し、分割した計測区間ごとにアクセル区間であるか否かを判定することにより、車両203の走行状況を特定する。そして、特定部802は、走行データ500のうちの車両203の加速状態を示す走行データを特定する。
特定部802は、より具体的には、走行データ500のうちの第1の計測区間内の走行データの前後方向の加速度の時系列変化に基づいて、第1の計測区間がアクセル区間であるか否かを判定する。ここで、特定部802は、第1の計測区間内の走行データ500の前後加速度のすべてがアクセル除外前後加速度Pa−a以下の場合、アクセル区間と判定する。そして、特定部802は、アクセル区間と判定した場合、走行データ500のうちの第1の計測区間の走行データを、車両203の加速状態を示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行うことができる。以下の説明では、走行データ500のうちの車両203の加速状態を示す走行データを「走行データ500a」と表記する場合がある。
実行部803は、特定した移動体の加速状態を示す移動データについては、特定した移動体の加速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。移動体の加速状態を示さない移動データとは、例えば、移動体の等速状態を示す移動データである。
実行部803は、例えば、特定部802が特定した走行データ500のうちの車両203の加速状態を示す走行データ500aについて、加速状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行う。実行部803は、具体的には、加速状態を示す走行データ500aが特定された場合、走行データ500aの上下加速度に、アクセル除外補正係数Pa−bを乗算して、走行データ500aの上下加速度の絶対値を小さくする。
この後、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500aの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500aの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、具体的には、路面の凹凸検出閾値を高くして、高くした路面の凹凸検出閾値と走行データ500aの上下加速度の絶対値とを比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500aの上下加速度の絶対値が、高くした路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。また、実行部803は、加速状態を示す走行データ500aが特定された場合、当該走行データ500aを路面凹凸検出の対象外にしてもよい。
これにより、実行部803は、車両203の速度に応じた感度で車両203が走行した路面での凹凸検出を実行し、車両203の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を正確に分析することができる。
出力部804は、実行部803によって検出された路面の凹凸箇所を出力する。出力部804は、具体的には、ディスプレイへの表示、警告音の出力、プリンタへの印刷出力、外部端末への送信を実行する。これにより、出力部804は、凹凸分析装置201の利用者に、路面の凹凸箇所を通知することができる。このため、凹凸分析装置201の利用者は、通知された路面の凹凸箇所を参照して、路面の劣化状況を分析したり、路面の修理予定を決定することができる。
〈ブレーキ区間に対応する動作〉
次に、ブレーキ区間に対応する動作について説明する。ブレーキ区間に対応する動作は、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作である。
受信部801は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、少なくとも移動体の前後方向の加速度を含む移動体の移動データが示す移動体の移動状況に基づいて、移動体の減速状態を示す移動データを特定する。特定部802は、例えば、車両203の走行データ500が示す車両203の走行状況に基づいて、車両203の減速状態を示す移動データを特定する。
特定部802は、具体的には、受信部801が受信した走行データ500を複数の計測区間に分割し、分割した計測区間ごとにブレーキ区間であるか否かを判定することにより、車両203の走行状況を特定する。そして、特定部802は、走行データ500のうちの車両203の減速状態を示す走行データを特定する。
特定部802は、より具体的には、走行データ500のうちの第1の計測区間内の走行データの前後方向の加速度の時系列変化に基づいて、第1の計測区間がブレーキ区間であるか否かを判定する。ここで、特定部802は、第1の計測区間内の走行データ500の前後加速度のすべてがブレーキ除外前後加速度Pb−a以上の場合、ブレーキ区間と判定する。そして、特定部802は、ブレーキ区間と判定した場合、走行データ500のうちの第1の計測区間の走行データを、車両203の減速状態を示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行うことができる。以下の説明では、走行データ500のうちの車両203の減速状態を示す走行データを「走行データ500b」と表記する場合がある。
実行部803は、特定した移動体の減速状態を示す移動データについては、特定した移動体の減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。移動体の減速状態を示さない移動データとは、例えば、移動体の等速状態を示す移動データである。
実行部803は、例えば、特定部802が特定した走行データ500のうちの車両203の減速状態を示す走行データ500bについて、減速状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行う。実行部803は、具体的には、減速状態を示す走行データ500bが特定された場合、走行データ500bの上下加速度に、ブレーキ除外補正係数Pb−bを乗算して、走行データ500bの上下加速度の絶対値を小さくする。
この後、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500bの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500bの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、具体的には、路面の凹凸検出閾値を高くして、高くした路面の凹凸検出閾値と走行データ500bの上下加速度の絶対値とを比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500bの上下加速度の絶対値が、高くした路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。また、実行部803は、減速状態を示す走行データ500bが特定された場合、当該走行データ500bを路面凹凸検出の対象外にしてもよい。
これにより、実行部803は、車両203の速度に応じた感度で車両203が走行した路面での凹凸検出を実行し、車両203の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を正確に分析することができる。
出力部804は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、出力部804は、凹凸分析装置201の利用者に、路面の凹凸箇所を通知することができる。このため、凹凸分析装置201の利用者は、通知された路面の凹凸箇所を参照して、路面の劣化状況を分析したり、路面の修理予定を決定することができる。
〈右カーブ区間に対応する動作〉
次に、右カーブ区間に対応する動作について説明する。右カーブ区間に対応する動作は、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作である。
受信部801は、少なくとも移動体の左右方向の加速度を含む移動体の移動データを受信する。受信部801は、例えば、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様に、走行データ測定装置202から走行データ500を受信する。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、少なくとも移動体の左右方向の加速度を含む移動体の移動データが示す移動体の移動状況に基づいて、移動体がカーブを走行中であることを示す移動データを特定する。特定部802は、例えば、車両203の走行データ500が示す車両203の走行状況に基づいて、車両203が右カーブを走行中であることを示す移動データを特定する。
特定部802は、具体的には、受信部801が受信した走行データ500を複数の計測区間に分割し、分割した計測区間ごとに右カーブ区間であるか否かを判定することにより、車両203の走行状況を特定する。そして、特定部802は、走行データ500のうちの車両203が右カーブを走行中であることを示す走行データを特定する。
特定部802は、より具体的には、走行データ500のうちの第1の計測区間内の走行データの左右方向の加速度の時系列変化に基づいて、第1の計測区間が右カーブ区間であるか否かを判定する。ここで、特定部802は、第1の計測区間内の走行データ500の左右加速度のすべてが右カーブ左右加速度Pr−a以上の場合、右カーブ区間と判定する。
そして、特定部802は、右カーブ区間と判定した場合、走行データ500のうちの第1の計測区間の走行データを、車両203が右カーブを走行中であることを示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行うことができる。以下の説明では、走行データ500のうちの車両203が右カーブを走行中であることを示す走行データを「走行データ500r」と表記する場合がある。
実行部803は、特定した移動体がカーブを走行中であることを示す移動データについては、特定した移動体がカーブを走行中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。移動体がカーブを走行中であることを示さない移動データとは、例えば、移動体の等速状態を示す移動データである。
実行部803は、例えば、特定部802が特定した走行データ500のうちの車両203が右カーブを走行中であることを示す走行データ500rについて、右折状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行う。実行部803は、具体的には、車両203が右カーブを走行中であることを示す走行データ500rが特定された場合、走行データ500rの上下加速度に、右カーブ補正係数Pr−bを乗算して、走行データ500rの上下加速度の絶対値を小さくする。
この後、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500rの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500rの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、具体的には、路面の凹凸検出閾値を高くして、高くした路面の凹凸検出閾値と走行データ500rの上下加速度の絶対値とを比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500rの上下加速度の絶対値が、高くした路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。また、実行部803は、加速状態を示す走行データ500rが特定された場合、当該走行データ500rを路面凹凸検出の対象外にしてもよい。
これにより、実行部803は、車両203の速度に応じた感度で車両203が走行した路面での凹凸検出を実行し、車両203の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を正確に分析することができる。
出力部804は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、出力部804は、凹凸分析装置201の利用者に、路面の凹凸箇所を通知することができる。このため、凹凸分析装置201の利用者は、通知された路面の凹凸箇所を参照して、路面の劣化状況を分析したり、路面の修理予定を決定することができる。
〈左カーブ区間に対応する動作〉
次に、左カーブ区間に対応する動作について説明する。左カーブ区間に対応する動作は、凹凸検出の感度を等速区間に対応する動作の場合よりも低くして、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作である。
受信部801は、右カーブ区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、少なくとも移動体の左右方向の加速度を含む移動体の移動データが示す移動体の移動状況に基づいて、移動体がカーブを走行中であることを示す移動データを特定する。特定部802は、例えば、車両203の走行データ500が示す車両203の走行状況に基づいて、車両203が左カーブを走行中であることを示す移動データを特定する。
特定部802は、具体的には、受信部801が受信した走行データ500を複数の計測区間に分割し、分割した計測区間ごとに左カーブ区間であるか否かを判定することにより、車両203の走行状況を特定する。そして、特定部802は、走行データ500のうちの車両203が左カーブを走行中であることを示す走行データを特定する。
特定部802は、より具体的には、走行データ500のうちの第1の計測区間内の走行データの左右方向の加速度の時系列変化に基づいて、第1の計測区間が左カーブ区間であるか否かを判定する。ここで、特定部802は、第1の計測区間内の走行データ500の左右加速度のすべてが左カーブ左右加速度Pl−a以上の場合、左カーブ区間と判定する。
そして、特定部802は、左カーブ区間と判定した場合、走行データ500のうちの第1の計測区間の走行データを、車両203が左カーブを走行中であることを示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行うことができる。以下の説明では、走行データ500のうちの車両203が左カーブを走行中であることを示す走行データを「走行データ500l」と表記する場合がある。
実行部803は、特定した移動体がカーブを走行中であることを示す移動データについては、特定した移動体がカーブを走行中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する。
実行部803は、例えば、特定部802が特定した走行データ500のうちの車両203が左カーブを走行中であることを示す走行データ500lについて、左折状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行う。実行部803は、具体的には、車両203が左カーブを走行中であることを示す走行データ500lが特定された場合、走行データ500lの上下加速度に、左カーブ補正係数Pl−bを乗算して、走行データ500lの上下加速度の絶対値を小さくする。
この後、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500lの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を小さくした走行データ500lの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、具体的には、路面の凹凸検出閾値を高くして、高くした路面の凹凸検出閾値と走行データ500lの上下加速度の絶対値とを比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500lの上下加速度の絶対値が、高くした路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。また、実行部803は、加速状態を示す走行データ500lが特定された場合、当該走行データ500lを路面凹凸検出の対象外にしてもよい。
これにより、実行部803は、車両203の速度に応じた感度で車両203が走行した路面での凹凸検出を実行し、車両203の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を正確に分析することができる。
出力部804は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、出力部804は、凹凸分析装置201の利用者に、路面の凹凸箇所を通知することができる。このため、凹凸分析装置201の利用者は、通知された路面の凹凸箇所を参照して、路面の劣化状況を分析したり、路面の修理予定を決定することができる。
〈等速区間に対応する動作〉
次に、等速区間に対応する動作について説明する。等速区間に対応する動作は、走行データ500から当該計測区間の路面の凹凸を検出する動作である。
受信部801は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、第1の計測区間が、ブレーキ区間、アクセル区間、右カーブ区間、左カーブ区間であると判定しない場合、第1の計測区間を等速区間であると特定する。そして、特定部802は、等速区間と判定した場合、走行データ500のうちの第1の計測区間の走行データを、車両203の等速状態を示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行状態に応じた感度で路面の凹凸検出を行うことができる。以下の説明では、走行データ500のうちの車両203の減速状態を示す走行データを「走行データ500s」と表記する場合がある。
実行部803は、特定した移動体の等速状態を示す移動データについては、車両203の速度に応じて感度を低くまたは高くした路面の凹凸検出を実行する。実行部803は、例えば、等速状態を示す走行データ500sが特定された場合、走行データ500sの上下加速度に、車両203の速度に応じた補正係数(Ps−a〜Ps−d)を乗算して、走行データ500sの上下加速度の絶対値を小さくまたは大きくする。
実行部803は、具体的には、車両203の速度が50km/h以下である場合、走行データ500の上下加速度の絶対値を大きくし、車両203の速度が81km/h以上である場合、走行データ500の上下加速度の絶対値を小さくする。
この後、実行部803は、絶対値を小さくまたは大きくした走行データ500sの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を小さくまたは大きくした走行データ500sの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、例えば、車両203の速度に応じて路面の凹凸検出閾値を補正し、補正した路面の凹凸検出閾値と走行データ500の上下加速度の絶対値を比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500sの上下加速度の絶対値が、補正した路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
これにより、実行部803は、車両203の速度に応じた感度で車両203が走行した路面での凹凸検出を実行し、車両203の走行状況が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を正確に分析することができる。
出力部804は、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様の処理を行うため、説明を省略する。これにより、出力部804は、凹凸分析装置201の利用者に、路面の凹凸箇所を通知することができる。このため、凹凸分析装置201の利用者は、通知された路面の凹凸箇所を参照して、路面の劣化状況を分析したり、路面の修理予定を決定することができる。
〈複合加速度に対応する動作〉
次に、複合加速度に対応する動作について説明する。複合加速度に対応する動作は、走行データ500の計測区間ごとに、前後加速度、左右加速度、上下加速度を複合した複合加速度に基づいて、路面の凹凸を判定する動作である。
受信部801は、少なくとも移動体の前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を含む移動体の移動データを受信する。受信部801は、例えば、アクセル区間に対応する動作における受信部801の処理と同様に、走行データ測定装置202から走行データ500を受信する。これにより、受信部801は、路面の凹凸を検出するための走行データ500を取得することができる。
特定部802は、少なくとも移動体の前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を含む移動体の移動データが示す移動体の移動状況に基づいて、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出する。特定部802は、例えば、第1の計測区間内の走行データ500の上下加速度に閾値以下のものが含まれる場合、第1の計測区間の走行データを、所定のゆれを示す走行データとして特定する。
これにより、実行部803は、特定部802によって特定された走行データについて、前後方向の加速度、左右方向の加速度、上下方向の加速度を複合した複合加速度に基づいて、路面の凹凸があるか否かを判定することができる。以下の説明では、走行データ500のうちの所定のゆれを示す走行データを「走行データ500h」と表記する場合がある。
実行部803は、抽出した移動データにおいて上下方向と左右方向と前後方向との加速度の合計値が所定値以上となる移動データについて路面が凹凸していると判定する。実行部803は、例えば、抽出した移動データにおいて、後ろ方向の加速度と左方向の加速度と下方向の加速度とを含み、合計値が所定値以上となる移動データについて路面の左側に凹部があると判定する。
また、実行部803は、例えば、抽出した移動データにおいて、後ろ方向の加速度と右方向の加速度と下方向の加速度とを含み、合計値が所定値以上となる移動データについて路面の右側に凹部があると判定する。
また、実行部803は、例えば、抽出した移動データにおいて、前方向の加速度と右方向の加速度と上方向の加速度とを含み、合計値が所定値以上となる移動データについて路面の左側に凸部があると判定する。
また、実行部803は、例えば、抽出した移動データにおいて、前方向の加速度と左方向の加速度と上方向の加速度とを含み、合計値が所定値以上となる移動データについて路面の右側に凸部があると判定する。
実行部803は、具体的には、各々の区間における車両203の走行データの各々の測定点における、前後加速度の正負の符号、左右加速度の正負の符号、上下加速度の正負の符号の組み合わせのパターンを特定する。パターンは、例えば、図7に示した、左側凹部パターン、右側凹部パターン、左側凸部パターン、右側凸部パターンである。そして、実行部803は、いずれかのパターンであると特定した場合、上下方向と左右方向と前後方向との各々の方向の加速度の絶対値の合計値が、複合加速度積Ph−a以上であるか否かを判定する。
そして、実行部803は、複合加速度積Ph−a以上であると判定した場合、抽出した走行データ500hについて、特定したパターンに対応する位置と形状との路面の凹凸があると判定する。
また、実行部803は、複合加速度積Ph−a以上であると判定した場合、走行データ500hの上下加速度に、左カーブ補正係数Pl−bを乗算して、走行データ500hの上下加速度の絶対値を大きくしてもよい。
この後、実行部803は、絶対値を大きくした走行データ500hの上下加速度の絶対値と路面の凹凸検出閾値とを比較することにより路面の凹凸を検出する。このとき、実行部803は、絶対値を大きくした走行データ500hの上下加速度の絶対値が路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
また、実行部803は、具体的には、路面の凹凸検出閾値を高くして、高くした路面の凹凸検出閾値と走行データ500hの上下加速度の絶対値とを比較し、路面の凹凸を検出してもよい。このとき、実行部803は、走行データ500hの上下加速度の絶対値が、高くした路面の凹凸検出閾値より大きい場合、経度、緯度が示す地点で路面の凹凸が発生したと判断する。
(凹凸分析方法の一実施例)
次に、図9を用いて、実施の形態2にかかる凹凸分析方法の一実施例について説明する。
図9は、実施の形態2にかかる路面の凹凸分析方法の一実施例を示す説明図である。図9の例では、車両203が、計測区間S1まで等速で走行し、k1−4のところで左側前車輪が路面の左側にある凸部を踏んだとする。次に、車両203が、計測区間S2でブレーキをかけ、計測区間S3で低速の等速で右カーブを右折したとする。そして、車両203が、計測区間S4で曲がり終わったk4−1のところで加速し、計測区間S5で等速で走行し、k5−3のところで右側前車輪で路面の右側の凹部を踏んだとする。ここで、凹凸分析装置201は、上述したように走行した車両203の走行データ500を受信して、路面の凹凸検出を行う。
まず、凹凸分析装置201は、分析パラメータ600に基づいて、計測区間内の測定点の数「4」とアクセル除外前後加速度Pa−a「−0.8」とを乗算して、アクセル加速度判定用積Pa−c「−3.2」を算出する。また、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数「4」とブレーキ除外前後加速度Pb−a「1.1」とを乗算して、ブレーキ加速度判定用積Pb−c「4.4」を算出する。
また、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数「4」と右カーブ左右加速度Pr−a「0.3」とを乗算して、右カーブ加速度判定用積Pr−c「1.2」を算出する。また、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数「4」と左カーブ左右加速度Pl−a「−0.4」とを乗算して、左カーブ加速度判定用積Pl−c「−1.6」を算出する。
〈計測区間S1の走行データの処理〉
凹凸分析装置201は、走行データ500のうちの計測区間S1の走行データを取得し、凹凸分析装置201は、計測区間S1の前後加速度の合計値「Σa=0.2+0.1−0.1+1=1.2」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、Σa>Pb−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σa=1.2<Pb−c=4.4であって、Σa>Pb−cではないため、計測区間S1はブレーキ区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、Σa<Pa−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σa=1.2>Pa−c=−3.2であって、Σa<Pa−cではないため、計測区間S1はアクセル区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、計測区間S1の左右加速度の合計値「Σr=0.1−0.1+0.4+0.3=0.7」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、Σr>Pr−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σn−1=0.7<Pr−c=1.2であって、Σr>Pr−cではないため、計測区間S1は右カーブ区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、Σr<Pl−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σr=0.7>Pl−c=−1.6であって、Σr<Pl−cではないため、計測区間S1は左カーブ区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、k1−1の測定点において、前後方向、左右方向、上下方向の加速度の符号がそれぞれ「+、+、+」であるため、左側前車輪が凸部を踏んだ左側凸部パターンであると判定する。ここで、凹凸分析装置201は、k1−1の加速度の絶対値を合計した合計値「Σp=0.2+0.1+0.1=0.4」を算出し、Σpが複合加速度積Ph−aを超えていないため、測定点の上下加速度を補正しない。
これにより、凹凸分析装置201は、車両203が左側凸部パターンの凸部がある路面を走行した場合であっても、複合加速度が小さければ上下加速度を補正せず、形状が小さい凸部などのような検出すべきではない凸部を検出しないようにすることができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
また、凹凸分析装置201は、k1−2の測定点において、符号がそれぞれ「+、−、−」であるため、該当するパターンがないと判定し、測定点の上下加速度を補正しない。また、凹凸分析装置201は、k1−3の測定点において、符号がそれぞれ「−、+、+」であるため、該当するパターンがないと判定し、測定点の上下加速度を補正しない。
また、凹凸分析装置201は、k1−4の測定点において、符号がそれぞれ「+、+、+」であるため、左側前車輪が凸部を踏んだ左側凸部パターンであると判定する。ここで、凹凸分析装置201は、k1−4の測定点の加速度の絶対値を合計した合計値「Σp=1.0+0.3+0.3=1.6」を算出し、Σpが複合加速度積Ph−aを超えていると判定する。このため、凹凸分析装置201は、測定点の上下加速度にPh−b「1.2」を乗算して「0.36」に増幅する。
これにより、凹凸分析装置201は、左側前車輪だけで凸部を踏んだために、車両203の左前側が高くなり、後ろ向きの力と右側への力とがかかったことに基づいて、凹凸の位置と形状を特定することができる。そして、凹凸分析装置201は、前両輪ではなく、左側前車輪だけで凸部を踏んだために、上下加速度が前両輪で踏んだときよりも小さくなった場合であっても、路面の凹凸検出において凹凸として検出されるように上下加速度を増幅することができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
〈計測区間S2の走行データの処理〉
凹凸分析装置201は、走行データ500のうちの計測区間S2の走行データを取得する。次に、凹凸分析装置201は、計測区間S2の前後加速度の合計値「Σa=1.3+1.2+1.1+1.3=4.9」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、Σa>Pb−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σa=4.9>Pb−c=4.4であるため、計測区間S2はブレーキ区間候補であると判定する。
次に、凹凸分析装置201は、計測区間S2の全測定点の前後加速度がPb−a「1.1」以上であるため、計測区間S2をブレーキ区間として確定する。凹凸分析装置201は、ブレーキ区間と確定したため、アクセル区間、右カーブ区間、左カーブ区間についての判定を省略する。そして、凹凸分析装置201は、k2−1〜k2−4までの4測定点の各々の測定点の上下加速度にPb−b「0.8」を乗算する。
これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間S2でブレーキをかけ続けたため、車両203が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、ブレーキの影響が考慮されるように上下加速度を減少させることができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
〈計測区間S3の走行データの処理〉
凹凸分析装置201は、走行データ500のうちの計測区間S3の走行データを取得する。次に、凹凸分析装置201は、計測区間S3の前後加速度の合計値「Σa=0+0+0−0.3=−0.3」を算出する。
そして、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σa=−0.3<Pb−c=4.4であって、Σa>Pb−cではないため、計測区間S3はブレーキ区間ではないと判定する。また、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σa=−0.3>Pa−c=−3.2であって、Σa<Pa−cではないため、計測区間S3はアクセル区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、計測区間S3の左右加速度の合計値「Σr=0.3+0.7+0.5+0.3=1.8」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、Σr>Pr−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σr=1.8>Pr−c=1.2であるため、計測区間S3は右カーブ区間候補であると判定する。
次に、凹凸分析装置201は、計測区間S3の全測定点の左右加速度がPr−a「0.3」以上であるため、計測区間S3を右カーブ区間として確定する。凹凸分析装置201は、右カーブ区間と確定したため、左カーブ区間についての判定を省略する。そして、凹凸分析装置201は、k3−1〜k3−4までの4測定点の各々の測定点の上下加速度にPr−b「0.6」を乗算する。
これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間S3で右カーブを右折したため、車両203の右側が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、右折の影響が考慮されるように上下加速度を減少させることができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
〈計測区間S4の走行データの処理〉
凹凸分析装置201は、走行データ500のうちの計測区間S4の走行データを取得する。次に、凹凸分析装置201は、計測区間S4の前後加速度の合計値「Σa=−0.8−1.2−0.9−0.9=−3.8」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σa=−3.8<Pb−c=4.4であって、Σa>Pb−cではないため、計測区間S3はブレーキ区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、Σa<Pa−cであるか否かを判定する。ここで、凹凸分析装置201は、Σa=−3.8<Pa−c=−3.2であるため、計測区間S4はアクセル区間候補であると判定する。
次に、凹凸分析装置201は、計測区間S4の全測定点の前後加速度がPa−a「−0.8」以下であるため、計測区間S4をアクセル区間として確定する。凹凸分析装置201は、アクセル区間と確定したため、右カーブ区間、左カーブ区間についての判定を省略する。そして、凹凸分析装置201は、k4−1〜k4−4までの4測定点の各々の測定点の上下加速度にPa−b「0.7」を乗算する。
これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間S4でアクセルをかけ続けたため、車両203が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、アクセルの影響が考慮されるように上下加速度を減少させることができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
〈計測区間S5の走行データの処理〉
凹凸分析装置201は、走行データ500のうちの計測区間S5の走行データを取得する。次に、凹凸分析装置201は、計測区間S5の前後加速度の合計値「Σa=−0.1+0.1−0.2−0.1=−0.3」を算出する。
そして、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σa=−0.3<Pb−c=4.4であって、Σa>Pb−cではないため、計測区間S5はブレーキ区間ではないと判定する。また、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σa=−0.3>Pa−c=−3.2であって、Σa<Pa−cではないため、計測区間S5はアクセル区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、計測区間S5の左右加速度の合計値「Σr=−0.2+0.1+0.3+0.1=0.3」を算出する。そして、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σr=0.3<Pr−c=1.2であって、Σr>Pr−cではないため、計測区間S5は右カーブ区間ではないと判定する。また、凹凸分析装置201は、計測区間S1の場合と同様に、Σr=0.3>Pl−c=−1.6であって、Σr<Pl−cではないため、計測区間S5は左カーブ区間ではないと判定する。
また、凹凸分析装置201は、k5−1の測定点において、符号がそれぞれ「−、−、+」であるため、該当するパターンがないと判定し、測定点の上下加速度を補正しない。また、凹凸分析装置201は、k5−2の測定点において、符号がそれぞれ「+、+、−」であるため、該当するパターンがないと判定し、測定点の上下加速度を補正しない。
また、凹凸分析装置201は、k5−3の測定点において、符号がそれぞれ「−、+、−」であるため、右側前車輪が凹部を踏んだ右側凹部パターンであると判定する。ここで、凹凸分析装置201は、k5−3の測定点の加速度の絶対値を合計した合計値「Σp=0.2+0.3+0.2=0.7」を算出し、Σpが複合加速度積Ph−aを超えていると判定する。このため、凹凸分析装置201は、測定点の上下加速度にPh−b「1.2」を乗算して「−0.24」に増幅する。
これにより、凹凸分析装置201は、右側前車輪だけで凹部を踏んだために、車両203の右前側が低くなり、前向きの力と右側への力とがかかったことに基づいて、凹凸の位置と形状を特定することができる。そして、凹凸分析装置201は、前両輪ではなく、右側前車輪だけで凹部を踏んだために、上下加速度が前両輪で踏んだときよりも小さくなった場合であっても、路面の凹凸検出において凹凸として検出されるように上下加速度を増幅することができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上させることができる。
また、凹凸分析装置201は、k5−4の測定点において、符号がそれぞれ「−、+、−」であるため、右側前車輪が凹部を踏んだパターンであると判定する。ここで、凹凸分析装置201は、k5−4の測定点の加速度の絶対値を合計した合計値「Σp=0.1+0.1+0.1=0.3」を算出し、Σpが複合加速度積Ph−aを超えていないため、測定点の上下加速度を補正しない。
これにより、凹凸分析装置201は、車両203が右側凹部パターンの凹部がある路面を走行した場合であっても、複合加速度が小さければ上下加速度を補正せず、形状が小さい凹部などのような検出すべきではない凹部を検出しないようにすることができる。このため、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上させることができる。
凹凸分析装置201は、上述したように、走行データ500のうちの各々の区間の走行データについて上下加速度を補正した後に、路面の凹凸検出閾値と比較して路面の凹凸検出を行うことにより、路面の凹凸を高精度に分析することができる。そして、凹凸分析装置201は、走行データ500と対応付けて路面の凹凸検出の結果を出力することにより、凹凸分析装置201の利用者に路面の凹凸の位置などを通知することができる。
(路面凹凸分析処理手順の一例)
次に、図10〜図14を用いて、凹凸分析装置201の路面凹凸分析処理手順の一例について説明する。
図10〜図14は、路面凹凸分析処理手順の一例を示すフローチャートである。図10において、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数とアクセル除外前後加速度Pa−aとを乗算して、アクセル加速度判定用積Pa−cを算出する(ステップS1001)。次に、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数とブレーキ除外前後加速度Pb−aとを乗算して、ブレーキ加速度判定用積Pb−cを算出する(ステップS1002)。
そして、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数と右カーブ左右加速度Pr−aとを乗算して、右カーブ加速度判定用積Pr−cを算出する(ステップS1003)。次に、凹凸分析装置201は、計測区間内の測定点の数と左カーブ左右加速度Pl−aとを乗算して、左カーブ加速度判定用積Pl−cを算出する(ステップS1004)。そして、凹凸分析装置201は、最初の区間を計測区間として取得して(ステップS1005)、図11のステップS1101の処理に移行する。
図11において、凹凸分析装置201は、取得した計測区間内の前後加速度を加算した加算値Σaを算出する(ステップS1101)。次に、凹凸分析装置201は、Σaがアクセル加速度判定用積Pa−cより小さいか否かを判定する(ステップS1102)。ここで、小さくない場合(ステップS1102:No)、凹凸分析装置201は、図12のステップS1201の処理に移行する。
一方で、小さい場合(ステップS1102:Yes)、凹凸分析装置201は、計測区間内のすべての前後加速度がアクセル除外前後加速度Pa−a以下であるか否かを判定する(ステップS1103)。ここで、アクセル除外前後加速度Pa−a以下ではない場合(ステップS1103:No)、凹凸分析装置201は、図13のステップS1301の処理に移行する。
一方で、アクセル除外前後加速度Pa−a以下である場合(ステップS1103:Yes)、凹凸分析装置201は、当該区間のすべての測定点の上下加速度にアクセル除外補正係数Pa−bを乗算する(ステップS1104)。そして、凹凸分析装置201は、図14のステップS1409の処理に移行する。
図12において、凹凸分析装置201は、Σaがブレーキ加速度判定用積Pb−cより大きいか否かを判定する(ステップS1201)。ここで、大きくない場合(ステップS1201:No)、凹凸分析装置201は、図13のステップS1301の処理に移行する。
一方で、大きい場合(ステップS1201:Yes)、凹凸分析装置201は、計測区間内のすべての前後加速度がブレーキ除外前後加速度Pb−a以上であるか否かを判定する(ステップS1202)。ここで、ブレーキ除外前後加速度Pb−a以上ではない場合(ステップS1202:No)、凹凸分析装置201は、図13のステップS1301の処理に移行する。
一方で、ブレーキ除外前後加速度Pb−a以上である場合(ステップS1202:Yes)、凹凸分析装置201は、当該区間のすべての測定点の上下加速度にブレーキ除外補正係数Pb−bを乗算する(ステップS1203)。そして、凹凸分析装置201は、図14のステップS1409の処理に移行する。
図13において、凹凸分析装置201は、取得した計測区間内の左右加速度を加算した加算値Σrを算出する(ステップS1301)。次に、凹凸分析装置201は、Σrが右カーブ加速度判定用積Pr−cより大きいか否かを判定する(ステップS1302)。
ここで、大きい場合(ステップS1302:Yes)、凹凸分析装置201は、計測区間内のすべての左右加速度が右カーブ左右加速度Pr−a以上であるか否かを判定する(ステップS1303)。ここで、右カーブ左右加速度Pr−a以上ではない場合(ステップS1303:No)、凹凸分析装置201は、図14のステップS1401の処理に移行する。
一方で、右カーブ左右加速度Pr−a以上である場合(ステップS1303:Yes)、凹凸分析装置201は、当該区間のすべての測定点の上下加速度に右カーブ補正係数Pr−bを乗算する(ステップS1304)。そして、凹凸分析装置201は、図14のステップS1409の処理に移行する。
一方で、ステップS1302において、大きくない場合(ステップS1302:No)、凹凸分析装置201は、Σrが左カーブ加速度判定用積Pl−cより小さいか否かを判定する(ステップS1305)。ここで、小さくない場合(ステップS1305:No)、凹凸分析装置201は、図14のステップS1401の処理に移行する。
一方で、小さい場合(ステップS1305:Yes)、凹凸分析装置201は、計測区間内のすべての左右加速度が左カーブ左右加速度Pl−a以下であるか否かを判定する(ステップS1306)。ここで、左カーブ左右加速度Pl−a以下ではない場合(ステップS1306:No)、凹凸分析装置201は、図14のステップS1401の処理に移行する。
一方で、左カーブ左右加速度Pl−a以下である場合(ステップS1306:Yes)、凹凸分析装置201は、当該区間のすべての測定点の上下加速度に左カーブ補正係数Pl−bを乗算する(ステップS1307)。そして、凹凸分析装置201は、図14のステップS1409の処理に移行する。
図14において、凹凸分析装置201は、取得した計測区間の最初の測定点を取得する(ステップS1401)。次に、凹凸分析装置201は、取得した測定点の前後方向、左右方向、上下方向の各々の方向の加速度の正負の符号のパターンを特定する(ステップS1402)。
そして、凹凸分析装置201は、図7に示したパターンのいずれかのパターンが特定されたか否かを判定する(ステップS1403)。ここで、特定されない場合(ステップS1403:No)、凹凸分析装置201は、ステップS1407の処理に移行する。
一方で、特定された場合(ステップS1403:Yes)、凹凸分析装置201は、各々の方向の加速度の絶対値を加算した加算値Σpを算出する(ステップS1404)。次に、凹凸分析装置201は、Σpが複合加速度積Ph−aより大きいか否かを判定する(ステップS1405)。ここで、大きくない場合(ステップS1405:No)、凹凸分析装置201は、ステップS1407の処理に移行する。
一方で、大きい場合(ステップS1405:Yes)、凹凸分析装置201は、当該測定点の上下加速度に複合補正係数Ph−bを乗算する(ステップS1406)。次に、凹凸分析装置201は、すべての測定点について処理が終了したか否かを判定する(ステップS1407)。ここで、終了していない場合(ステップS1407:No)、凹凸分析装置201は、次の測定点を取得して(ステップS1408)、ステップS1402の処理に戻る。
一方で、終了した場合(ステップS1407:Yes)、凹凸分析装置201は、すべての計測区間について処理が終了したか否かを判定する(ステップS1409)。ここで、終了していない場合(ステップS1409:No)、凹凸分析装置201は、次の区間を計測区間として取得して(ステップS1410)、図11のステップS1101の処理に戻る。
一方で、終了した場合(ステップS1409:Yes)、凹凸分析装置201は、路面凹凸分析処理を終了する。これにより、凹凸分析装置201は、走行データ500を補正することができる。そして、凹凸分析装置201は、補正した走行データ500に基づいて、路面の凹凸検出を行うことができる。
ここで、上述したフローチャートのうち、図11に示した各々の処理は、上述したアクセル区間に対応する動作についての処理である。また、上述したフローチャートのうち、図12に示した各々の処理は、上述したブレーキ区間に対応する動作についての処理である。また、上述したフローチャートのうち、図13に示した各々の処理は、上述した右カーブ区間に対応する動作、および左カーブ区間に対応する動作についての処理である。また、上述したフローチャートのうち、図14に示した各々の処理は、上述した複合加速度に対応する動作についての処理である。
以上説明したように、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、走行データ500が示す車両203の走行状態に基づいて、走行データ500のうちの加速状態を示す走行データを特定して、感度を低くした路面の凹凸検出を行うことができる。これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間でアクセルをかけたため、車両203が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、アクセルの影響が考慮されるように上下加速度を減少させ、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
また、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、走行データ500が示す車両203の走行状態に基づいて、走行データ500のうちの減速状態を示す走行データを特定して、感度を低くした路面の凹凸検出を行うことができる。これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間でブレーキをかけたため、車両203が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、ブレーキの影響が考慮されるように上下加速度を減少させ、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
また、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、走行データ500が示す車両203の走行状態に基づいて、走行データ500のうちの右折状態を示す走行データを特定して、感度を低くした路面の凹凸検出を行うことができる。これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間で右カーブを右折したため、車両203の右側が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、右折の影響が考慮されるように上下加速度を減少させ路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
また、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、走行データ500が示す車両203の走行状態に基づいて、走行データ500のうちの左折状態を示す走行データを特定して、感度を低くした路面の凹凸検出を行うことができる。これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間で左カーブを左折したため、車両203の左側が沈み込んで上下加速度が大きくなった場合であっても、左折の影響が考慮されるように上下加速度を減少させ路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
例えば、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、左右方向の一方が所定値以上の加速度を示す場合に、車両203がカーブを移動している状態であることを特定することができる。これにより、凹凸分析装置201は、車両203が計測区間で右カーブ、または左カーブを曲がった状態であることを特定することができる。
また、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を複合した複合加速度が所定値以上の測定点について、路面の凹凸検出の感度を、等速直進状態よりも高くして、凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置201は、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
また、実施の形態2にかかる凹凸分析装置201によれば、前後方向、左右方向、および上下方向の加速度の正負の符号のパターンがどのようなパターンであるかに基づいて、路面の凹凸の位置や形状を特定することができる。そして、凹凸分析装置201は、凹凸の位置や形状を特定した上で、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
例えば、凹凸分析装置201は、左側前車輪だけで凹部を踏んだ場合には車両203の左前側が低くなり、前向きの力と左側への力とがかかるため、左側凹部パターンであるときは路面の左側に凹部があると判定することができる。そして、凹凸分析装置201は、凹凸の位置や形状を特定した上で、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
例えば、凹凸分析装置201は、右側前車輪だけで凹部を踏んだ場合には車両203の右前側が低くなり、前向きの力と右側への力とがかかるため、右側凹部パターンであるときは路面の右側に凹部があると判定することができる。そして、凹凸分析装置201は、凹凸の位置や形状を特定した上で、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
例えば、凹凸分析装置201は、左側前車輪だけで凸部を踏んだ場合には車両203の左前側が高くなり、後ろ向きの力と右側への力とがかかるため、左側凸部パターンであるときは路面の左側に凸部があると判定することができる。そして、凹凸分析装置201は、凹凸の位置や形状を特定した上で、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
例えば、凹凸分析装置201は、右側前車輪だけで凸部を踏んだ場合には車両203の右前側が高くなり、後ろ向きの力と左側への力とがかかるため、右側凸部パターンであるときは路面の右側に凸部があると判定することができる。そして、凹凸分析装置201は、凹凸の位置や形状を特定した上で、路面の凹凸の位置や形状が路面の凹凸検出に与える影響を考慮して、路面の凹凸を高精度に分析することができる。
ここで、従来の凹凸分析装置が、上下加速度のみを取得して、路面の凹凸を検出する場合が考えられる。しかしながら、この場合、従来の凹凸分析装置は、車両203が加速状態、減速状態、右折状態、左折状態になったために上下加速度が大きくなったのか、車両203が凹凸を踏んだために上下加速度が大きくなったのか判別することができないことがある。このため、従来の凹凸分析装置は、実際には車両203が各々の状態で走行した区間の路面に凹凸がないにもかかわらず、誤って路面の凹凸を検出してしまうことがある。一方で、本実施の形態にかかる凹凸分析装置201によれば、前後加速度や左右加速度に基づいて、各々の走行状態を特定し、車両203が各々の走行状態で走行した区間の走行データについては、感度を低くして凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置201は、実際に路面に凹凸がないときは、路面の凹凸を検出しないようにすることができる。
ここで、従来の凹凸分析装置が、上下加速度のみを取得して、路面の凹凸を検出する場合が考えられる。しかしながら、この場合、従来の凹凸分析装置は、車両203が両輪で路面の凹凸を踏んだときの上下加速度を想定して路面の凹凸を検出すると、路面の凹凸を検出することができないことがある。例えば、従来の凹凸分析装置は、車両203が左側前車輪だけで凹凸を踏んだときには上下加速度が小さくなるため、路面の凹凸を検出することができないことがある。また、従来の凹凸分析装置は、車両203が左側前車輪だけで凹凸を踏んだときの上下加速度を想定して路面の凹凸を検出すると、検出すべきではない形状が小さい路面の凹凸も検出してしまうことがある。例えば、従来の凹凸分析装置は、車両203が両輪で路面の凹凸を踏んだときには上下加速度が大きくなるため、検出すべきではない形状が小さい路面の凹凸も検出してしまうことがある。一方で、本実施の形態にかかる凹凸分析装置201によれば、複合加速度に基づいて、車両203が凹凸を踏んだにもかかわらず上下加速度が小さくなる場合には、感度を高くして凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出の精度を向上することができる。
ここで、従来、人間が、車載カメラなどの録画画像を観察して、各々の走行状態を特定し、車両203が各々の走行状態で走行した区間の走行データを特定し、当該走行データについては感度を低くして凹凸検出を実行することが考えられる。また、人間が、車載カメラなどの録画画像を観察して、車両203が両輪で凹凸を踏んだか、片側前車輪だけで凹凸を踏んだかを判断して、片側前車輪だけで凹凸を踏んだ地点の走行データについては感度を高くして凹凸検出を実行することが考えられる。しかしながら、この場合、人間が録画画像を観察する作業に時間がかかり、路面の凹凸検出にかかる時間が増大してしまう。また、この場合、人間が、走行状態を誤って特定してしまったり、片側前車輪だけで凹凸を踏んだと誤って判断してしまい、路面の凹凸検出の精度が悪化することがある。一方で、本実施の形態にかかる凹凸分析装置201によれば、自動で、車両203の走行状態などを特定して、感度を変化させて凹凸検出を実行することができる。これにより、凹凸分析装置201は、路面の凹凸検出にかかる時間の増加を抑制することができる。
なお、本実施の形態で説明した凹凸分析方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本凹凸分析プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本凹凸分析プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析プログラムであって、
コンピュータに、
少なくとも前記移動体の前後方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データを特定し、
特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データについては、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行させることを特徴とする路面の凹凸分析プログラム。
(付記2)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析プログラムであって、
コンピュータに、
少なくとも前記移動体の左右方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データを特定し、
特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データについては、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行させることを特徴とする路面の凹凸分析プログラム。
(付記3)前記コンピュータに、
所定値以上の速度で、左右方向の一方が所定値以上の加速度を示す場合にカーブを移動している状態であると判定する処理を実行させ、
前記特定する処理は、判定した結果に基づいて、前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データを特定することを特徴とする付記2に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記4)前記移動データは、さらに、前記移動体の前後方向の加速度を含み、
前記特定する処理は、前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データを特定し、
前記実行する処理は、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データについては、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行することを特徴とする付記2または3に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記5)前記移動データは、さらに、前記移動体の上下方向の加速度を含み、
前記感度を低くした路面の凹凸検出は、特定した前記移動データが示す上下方向の加速度の絶対値が小さくなるように補正して、補正した前記上下方向の加速度を所定の閾値と比較することにより、路面の凹凸を検出することであることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記6)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析プログラムであって、
コンピュータに、
少なくとも前記移動体の前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出し、
抽出した移動データにおいて上下方向と左右方向と前後方向との加速度の合計値が所定値以上となる移動データについて路面の凹凸があると判定する、
処理を実行させることを特徴とする路面の凹凸分析プログラム。
(付記7)前記判定する処理は、抽出した移動データにおいて、後ろ方向の加速度と左方向の加速度と下方向の加速度とを含み、前記合計値が所定値以上となる移動データについて路面の左側に凹部があると判定することを特徴とする付記6に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記8)前記判定する処理は、抽出した移動データにおいて、後ろ方向の加速度と右方向の加速度と下方向の加速度とを含み、前記合計値が所定値以上となる移動データについて路面の右側に凹部があると判定することを特徴とする付記6または7に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記9)前記判定する処理は、抽出した移動データにおいて、前方向の加速度と右方向の加速度と上方向の加速度とを含み、前記合計値が所定値以上となる移動データについて路面の左側に凸部があると判定することを特徴とする付記6〜8のいずれか一つに記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記10)前記判定する処理は、抽出した移動データにおいて、前方向の加速度と左方向の加速度と上方向の加速度とを含み、前記合計値が所定値以上となる移動データについて路面の右側に凸部があると判定することを特徴とする付記6〜9のいずれか一つに記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記11)前記コンピュータに、
前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データを特定し、
特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データについては、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行させることを特徴とする付記6〜10のいずれか一つに記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記12)前記抽出する処理は、前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データであって、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出することを特徴とする付記11に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記13)前記コンピュータに、
前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データを特定し、
特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データについては、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行させることを特徴とする付記6〜12のいずれか一つに記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記14)前記抽出する処理は、前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示さない移動データであって、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出することを特徴とする付記13に記載の路面の凹凸分析プログラム。
(付記15)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析方法であって、
コンピュータが、
少なくとも前記移動体の前後方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データを特定し、
特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データについては、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行することを特徴とする路面の凹凸分析方法。
(付記16)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析方法であって、
コンピュータが、
少なくとも前記移動体の左右方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データを特定し、
特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データについては、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する、
処理を実行することを特徴とする路面の凹凸分析方法。
(付記17)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析方法であって、
コンピュータが、
少なくとも前記移動体の前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出し、
抽出した移動データにおいて上下方向と左右方向と前後方向との加速度の合計値が所定値以上となる移動データについて路面の凹凸があると判定する、
処理を実行することを特徴とする路面の凹凸分析方法。
(付記18)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析装置であって、
少なくとも前記移動体の前後方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データを特定し、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示す移動データについては、特定した前記移動体の加速状態または減速状態を示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する制御部、
を有することを特徴とする路面の凹凸分析装置。
(付記19)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析装置であって、
少なくとも前記移動体の左右方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データを特定し、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示す移動データについては、特定した前記移動体がカーブを移動中であることを示さない移動データと比較して、感度を低くした路面の凹凸検出を実行する制御部、
を有することを特徴とする路面の凹凸分析装置。
(付記20)分析パラメータに基づいて、移動体の移動データを分析して該移動体が移動した路面の凹凸の分析を行う路面の凹凸分析装置であって、
少なくとも前記移動体の前後方向、左右方向、および上下方向の加速度を含む前記移動体の移動データが示す前記移動体の移動状況に基づいて、上下方向の加速度値が所定のゆれを示している移動データを抽出し、抽出した移動データにおいて上下方向と左右方向と前後方向との加速度の合計値が所定値以上となる移動データについて路面の凹凸があると判定する制御部、
を有することを特徴とする路面の凹凸分析装置。