JP5157779B2 - 緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラム - Google Patents

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Description

この発明は、緊急地震速報データを配信する気象業務サーバーとアクセス可能な緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムに関する。
緊急地震速報システムとは、震源近くの地震計で縦揺れ(P波)を感知した段階で、地震の規模や震源位置などを予測後、利用者に通知され、大きな横揺れ(S波)到達前に、通信回線を介して地震が来ることを危険告知するシステムである。P波を感知してからS波が利用者に到達するまでの余裕時間は数秒から数十秒程度の幅があるが、この余裕時間の長さに応じて緊急におこなう措置が異なる。
たとえば、病院の手術室では、余裕時間が0〜10秒であれば手術の一時中断などの措置、10〜20秒であれば点滴中止などの措置、20〜30秒であれば麻酔ガス切替、30秒以上であれば落下物退避など、緊急におこなう措置の優先順位が異なる。したがって、この余裕時間となるS波到達時間を正確に予測することは利用者がその間に取り得る措置の優先順位を決める上で重要である。なお、リアルタイム地震情報を利用した地震動強さの予測方法および防災システムが開示されている(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
特開2007−71707号公報
しかしながら、上述した従来技術では、S波到達予測時間に関しては考慮されていない。したがって、S波到達予測時間の誤差が大きいと利用者が最優先すべき措置を取り違えてしまうこととなり、防災上問題が生じることとなる。
また、気象庁指定の走時表では、震源位置と利用者との間の震央距離によりS波の走時(S波到達予測時間)を規定しているため汎用性は高い。しかしながら、S波の伝播速度は常に一定ではなく、地形や地質などにより大きく変動する。したがって、気象庁指定の走時表から得られるS波の走時を適用する場合は、利用者は余裕を持って行動する必要がある。
一方、S波到達予測時間の精度向上のため地震発生時の計算処理を複雑化すると、却って計算処理に時間がかかることとなる。したがって、計算処理に要した時間分、S波到達予測時間が短くなってしまい、利用者が緊急時に取り得る措置を制限してしまうという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、簡単かつ高精度にS波到達時間を予測することができる緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムは、地震が発生する都度、データ配信サーバーから緊急地震速報データを受信し、土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定し、前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記震源ブロックのS波到達予測時間を取得し、前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行することを要件とする。
この緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムによれば、震源ごとに妥当なS波到達予測時間を速報することができる。
この緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムによれば、簡単かつ高精度にS波到達時間を予測することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この緊急地震速報装置、緊急地震速報方法、および緊急地震速報プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(緊急地震速報の概要)
図1は、本実施の形態にかかる緊急地震速報の概要を示す説明図である。(A)地震が発生すると震源近くで観測されたP波により、気象庁又は気象業務支援センターから、震源を特定する地震発生位置情報と地震発生時刻に地震IDを関連付けた緊急地震速報データ101を受信する。
(B)配信先となる利用者の端末では、ブロックDB(データベース)102と呼ばれる土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化したブロック集合データから、緊急地震速報データ101に含まれている地震発生位置情報に該当する震源ブロックを特定する。
(C)つぎに、ブロックデータ走時表DB103と呼ばれる、ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶するDBの中から、震源ブロックのS波到達予測時間を読み出す。これにより、S波到達予測時間が得られる。
このあと、S波到達予測時間を基にして、制御対象機器(たとえば、警報音、エレベータの停止制御など)が作動することとなる。このように、震源ブロックに応じたS波到達予測時間を簡単に求めることができる。
(緊急地震速報システムの概要)
図2は、本実施の形態にかかる緊急地震速報システムのシステム構成図である。図2において、緊急地震速報システム200は、データ配信サーバー201とクライアント202とがインターネットなどのネットワーク210を介して通信可能に接続されている。データ配信サーバー201は、気象業務を支援するコンピュータであり、地震発生により観測されたP波の情報を、緊急地震速報データ101としてクライアント202に配信する。
クライアント202は、ネットワーク210を介して緊急地震速報データ101を受信する。クライアント202は、本実施の形態にかかる緊急地震速報装置に相当するコンピュータである。クライアント202には、地震計203が接続されており、S波を検出する。また、クライアント202は制御対象機器204にも接続されており、クライアント202からの出力情報により制御対象機器204を制御する。
制御対象機器204とは、S波到達予測時間を基にして作動したり作動内容が変動する機器であり、たとえば、警報音出力装置であれば、S波到達予測時間に応じた警報音を出力する。また、警告灯であれば、S波到達予測時間に応じた点灯をおこなう。
(緊急地震速報装置のハードウェア構成)
図3は、実施の形態にかかる緊急地震速報装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、緊急地震速報装置は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、ディスプレイ308と、I/F(Interface)309と、キーボード310と、マウス311と、スキャナ312と、プリンタ313と、を備えている。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU301は、緊急地震速報装置の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ308は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ308は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)309は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク210に接続され、このネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F309は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F309には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ312は、画像を光学的に読み取り、緊急地震速報装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ312は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ313は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ313には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(各種データベースの内容)
つぎに、本実施の形態で用いる各種データベースについて説明する。以下に説明するデータベースは、ROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置によりその機能を実現する。また、これらデータベースは、緊急地震速報装置からアクセス可能であれば緊急地震速報装置内に備えられていてもよく、緊急地震速報装置外に備えられていてもよい。
図4は、標準走時表DBの記憶内容を示す説明図である。標準走時表DB400とは、P波の走時とS波の走時と深さと震央距離といったフィールド項目を有し、震央距離の所定間隔ごとに各フィールド項目に値が設定されたレコードを記憶する。P波の走時とは、震源から対象地点(本実施の形態ではクライアント202の設置位置)までのP波到達予測時間であり、S波の走時とは、震源から対象地点までのS波到達予測時間である。震央距離とは、震源から対象地点までの距離である。
また、この標準走時表DB400では、震央距離が0[km]から2[km]きざみでレコードが設定されている。図4では、震源の深さ10[km]についてレコードが設定されているが、震央距離のようにたとえば1[km]きざみでレコードが設定されている(不図示)。この標準走時表DB400は、気象庁指定の走時表をベースにして作成されたデータベースである。なお、標準走時表DB400は、請求項の「第3のデータベース」に相当する。
図5は、土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化したブロック集合データの一部を示す説明図である。図5において、(A)は代表ブロックを示しており、(B)は代表ブロックとその隣接26ブロックの集合を示すエリアと呼ばれるブロック集合体を示している。代表ブロックも隣接ブロックも同一寸法の立方体である。本例では、一辺の長さが500[m]の立方体としている。一辺の長さを震央距離よりも短く設定することで、標準走時表DB400よりも粒度が細かくなる。したがって、高精度なS波到達予測時間を得ることができる。なお、以下において、単に、「ブロック」と称すときは代表ブロックであるか隣接ブロックであるかを問わない。
図6は、ブロックDB102の記憶内容を示す説明図である。図6において、ブロックDB102は、ブロックNo.(番号)とブロック位置情報といったフィールド項目を有し、ブロックごとに各フィールド項目に値が設定されたレコードを記憶する。
ブロックNo.とは、ブロックを一意に特定する識別情報である。ブロック位置情報とは、ブロックの地表下の位置を特定する情報であり、そのブロックの緯度、経度および深さにより特定する。たとえば、ブロックNo.14のブロックは、緯度35.5度、経度139.6度、深さ10[km]を中心位置とする3次元領域である。ブロックDB102は、請求項の「第1のデータベース」に相当する。
図7は、地震データ走時表DBの記憶内容を示す説明図である。地震データ走時表DB700は、地震ID、地震発生位置情報、地震発生時刻、S波到達実時刻、S波到達実時間、およびブロックNo.といったフィールド項目を有し、地震ごとに各フィールド項目に値が設定されたレコードを記憶する。
地震IDは、地震を一意に特定する識別情報である。地震発生位置情報は、震源である地震発生位置を特定する情報であり、震源の緯度、経度、および深さを有する。地震発生時刻は地震が発生した時刻である。ここでは、観測地点の地震計203がP波を検出した時刻である。この地震ID、地震発生位置情報および地震発生時刻は、データ配信サーバー201から配信されてくる緊急地震速報データ101から取得する情報である。
S波到達実時刻は、クライアント202である緊急地震速報装置に接続されている地震計203によりS波を検出した時刻である。S波到達実時間とは、S波到達実時刻から地震発生時刻を引いた値である。ブロックNo.には、地震発生位置情報に該当するブロック番号が記憶される。地震データ走時表DB700は、付記の「第4のデータベース」に相当する。
図8は、ブロックデータ走時表DB103の記憶内容を示す説明図である。ブロックデータ走時表DB103は、代表ブロックNo.、隣接ブロックNo.、ブロック内地震情報、およびエリア内地震情報といったフィールド項目を有し、代表ブロックごとに各フィールド項目に値が設定されたレコードを記憶する。
ブロック内地震情報は、ブロックNo.で特定されたブロックについてのブロック内地震発生回数、対応地震ID、ブロック内S波到達実時間、ブロック内S波到達平均予測時間を小フィールド項目として有する。ブロック内地震発生回数とは、そのブロック内で発生した地震回数である。すなわち、図7のブロックNo.のフィールド項目に登録される都度カウントされる。
対応地震IDとは、図7のブロックNo.のフィールド項目に登録される都度ブロック番号がカウントされたときの地震IDであり、ブロック内S波到達実時間とはその地震IDのレコード内におけるS波到達実時間である。ブロック内S波到達平均予測時間とは、そのブロックのブロック内S波到達平均予測時間の平均値である。
エリア内地震情報は、ブロックNo.で特定されたブロックを代表ブロックとするエリアについてのエリア内地震発生回数、対応地震ID、エリア内S波到達実時間、エリア内S波到達平均予測時間を小フィールド項目として有する。エリア内地震発生回数とは、そのエリア内で発生した地震回数である。すなわち、図7のブロックNo.のフィールド項目に登録される都度カウントされる。
対応地震IDとは、図7のブロックNo.のフィールド項目に登録される都度ブロック番号がカウントされたときの地震IDであり、ブロック内S波到達実時間とはその地震IDのレコード内におけるS波到達実時間である。エリア内S波到達平均予測時間とは、そのエリアのエリア内S波到達平均予測時間の平均値である。ブロックデータ走時表DB103は、請求項の「第2のデータベース」に相当する。
(緊急地震速報装置の機能的構成)
図9は、緊急地震速報装置の機能的構成を示すブロック図である。緊急地震速報装置900は、受信部901と、決定部902と、取得部903と、制御部904と、算出部906と、検出部907と、登録部908と、更新部909と、を含む構成である。これら機能は、具体的には、たとえば、図3に示したROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301が実行することによりその機能を実現する。
受信部901は、地震が発生する都度、データ配信サーバー201から緊急地震速報データ101を受信する機能を有する。具体的には、たとえば、I/F309を介して緊急地震速報データ101をCPU301が記憶装置内に保持する。
図10は、緊急地震速報データ101の一例を示す説明図である。緊急地震速報データ101には、地震ごとに地震ID、地震発生位置情報および地震発生時刻が埋め込まれている。この緊急地震速報データ101は、受信部901により取り込まれると、後述する登録部908により地震データ走時表DB700に登録される。
図9において、決定部902は、ブロックデータベースの中から、受信部901によって受信された緊急地震速報データ101に含まれている地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する機能を有する。具体的には、CPU301が、記憶装置内に保持された緊急地震速報データ101内の地震発生位置情報に該当するブロックをブロックデータベースの中から検索する。たとえば、地震発生位置情報の緯度、経度、および深さが完全一致した場合、そのブロックが震源ブロックとなる。
また、完全一致ではなくても所定の許容範囲内であれば、そのブロックを震源ブロックとしてもよい。この許容範囲は、たとえば、ブロックのサイズ(1辺の長さ)に基づいて設定される。ブロックを特定する位置情報がブロックの中心である場合、ブロックの1辺の長さの半分が許容範囲となる。図10に示した緊急地震速報データ101では、ブロック番号14のブロックのブロック位置情報の緯度および経度が完全一致しており、深さが許容範囲であるため、ブロック番号14のブロックが震源ブロックに決定される。震源ブロックのブロック番号は記憶装置に保持される。
また、決定部902では、ブロック単位ではなく図5(B)に示したようなエリアを特定する場合には、上述したように、震源ブロックをまず決定し、その震源ブロックを代表ブロックまたはその隣接ブロックとするエリアを震源ブロックのブロック番号から特定する。これにより、震源エリアが決定される。
なお、決定部902では、ブロック単位とエリア単位のいずれを選択するかは設定事項である。ブロックの粒度を高めて精度を上げたい場合は、ブロック単位で決定部902の決定処理を実行するように設定し、震源特定を簡略化したい場合や震源特定範囲を広げたい場合は、エリア単位で決定部902の決定処理を実行するように設定すればよい。
また、代表ブロックのみブロック単位で震源ブロックを決定し、隣接ブロックについては一律に震源エリアに決定することとしてもよい。これにより、ブロック粒度による精度向上を図りつつ、震源特定の簡略化や震源特定範囲の拡大化を図ることができる。
取得部903は、ブロックデータ走時表DB103の中から、決定部902によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する機能を有する。具体的には、ブロック単位の場合、CPU301が、ブロックデータ走時表DB103の震源ブロックのブロック内地震発生回数が0回であるか否かを判断する。0回でなければ、震源ブロックのS波到達予測時間を取得する。
ここで、震源ブロックのS波到達予測時間の求め方は各種設定することができる。たとえば、震源ブロックのレコードからすべてのブロック内S波到達実時間をブロック内地震発生回数で割ったブロック内S波到達平均予測時間を、震源ブロックのS波到達予測時間として取得する。また、震源ブロックのブロック内S波到達実時間の中央値を、震源ブロックのS波到達予測時間として取得することとしてもよい。さらに、直前に発生した地震のブロック内S波到達実時間を、震源ブロックのS波到達予測時間として取得することとしてもよい。いずれを選択するかは設定事項である。
同様に、エリア単位とする場合、震源エリアのS波到達予測時間の求め方も各種設定することができる。たとえば、震源エリア(震源ブロックまたは隣接ブロック)のレコードからすべてのエリア内S波到達実時間をエリア内地震発生回数で割ったエリア内S波到達平均予測時間を、震源ブロックのS波到達予測時間として取得する。また、震源エリアのエリア内S波到達実時間の中央値を、震源エリアのS波到達予測時間として取得することとしてもよい。さらに、直前に発生した地震のエリア内S波到達実時間を、震源エリアのS波到達予測時間として取得することとしてもよい。いずれを選択するかは設定事項である。
制御部904は、S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器204に対する制御を実行する機能を有する。具体的には、たとえば、制御部904は、画面表示プログラム、音声出力プログラム、システム連携プログラムなどを実行する機能であり、S波到達予測時間に応じた制御を実行する。
図11〜図13は、制御対象機器204に対する制御例を示す説明図である。図11は、制御対象機器204がブザーおよび警告灯の例である。図11では、制御部904は、S波到達予測時間が15秒以上の場合、警告灯を赤色に点灯させ、ブザーから『ブ、ブ、ブ』といった警報音を出力させる。また、S波到達予測時間が10秒以上15秒未満の場合、警告灯を赤色および黄色に点灯させ、ブザーから『ブブブ、ブブブ』といった『ブ、ブ、ブ』よりもやや強調気味の警報音を出力させる。
さらに、S波到達予測時間が0秒以上10秒未満の場合、警告灯を赤色、黄色、および緑色に点灯させ、ブザーから『ブーーーーーーーー』といった最も強調された警報音を出力させる。また、各段階において、行動パターンを示した文字列を表示画面にテロップ表示することとしてもよい。これにより、S波到達予測時間に応じて警告灯の色やブザーの鳴り方をかえ、利用者に気づかせることでS波到達予測時間に応じた行動を取るように誘導することができる。
図12は、制御対象機器204が車両向けラジオ放送設備の例である。図12では、制御部904は、S波到達予測時間が10秒以上の場合、放送パターンの音声『地震です。車を左側に止めてください。』という音声を放送させる。10秒未満の場合、放送パターンの音声『地震です。ハザードランプをつけ、スピードを落としてください。』という音声を放送させる。これにより、S波到達予測時間に応じて放送パターンを変更することができ、運転手に適切な行動を促すことができる。
図13は、制御対象機器204がエレベータ制御装置の例である。図13では、制御部904は、S波到達予測時間が15秒以上の場合、エレベータを地上階まで移動させ、ドアを開放させる。また、15秒未満の場合、エレベータを最寄の階まで移動させ、ドアを開放させる。これにより、S波到達予測時間に応じて制御パターンを変更することができ、エレベータの利用者に適切な行動を促すことができる。
また、制御部904は、取得部903によって取得されたS波到達予測時間を表示画面に表示させる。また、地震発生時刻にS波到達予測時間を加算することでS波到達予測時刻を算出して表示画面に表示することとしてもよい。図14は、表示画面の一例を示す説明図である。S波到達予測時間は表示後にカウントダウンされる。
算出部906は、取得部903によってS波到達予測時間が取得されなかった場合、緊急地震速報データ101に含まれている地震発生位置情報と観測位置情報との距離を算出する機能を有する。具体的には、震源ブロックのブロック内地震発生回数(エリア単位の場合は震源エリアのエリア内地震発生回数)が0回である場合、S波到達予測時間を抽出できない。したがって、標準走時表DB400を用いることとなる。
その前提として、CPU301は、緊急地震速報データ101に含まれている地震発生位置情報と観測位置情報との距離を算出する。観測位置情報とは、クライアント202である緊急地震速報装置900の設置位置(緯度、経度)である。観測位置情報は、あらかじめ記憶装置に記憶させておいてもよく、また、GPS(Global Positioning System)により随時更新して記憶装置に記憶しておくこととしてもよい。算出距離は震源から設置位置までの震央距離となるため、標準走時表DB400の該当する震央距離のレコードを引く。
標準走時表DB400の震央距離では、たとえば、±1[km]を許容範囲とすると、算出距離が3.4[km]である場合、震央距離4[km]のレコードを引く。引いたレコードのS波の走時が、S波到達予測時間となる。これにより、ブロックデータ走時表DB103の蓄積不足の場合は、標準走時表DB400で補完することができ、S波到達予測時間の取得網羅性の向上を図ることができる。また、ブロックデータ走時表DB103を優先することとなるため、可能な限り妥当なS波到達予測時間を速報することができる。
検出部907は、地震が発生する都度、当該地震によるS波到達実時刻を検出する機能を有する。具体的には、たとえば、緊急地震速報装置900に接続された地震計203で取得されたS波をCPU301が取り込んだ時刻を、S波到達実時刻として検出する。S波到達実時刻は記憶装置に保持される。
登録部908は、地震実績情報を地震ごとに地震データ走時表DB700に登録する機能を有する。ここで、地震実績情報とは、緊急地震速報データ101、震源ブロック(のブロック番号)、検出部907によって検出されるS波到達実時刻、および当該S波到達実時刻と緊急地震速報データ101に含まれている地震発生時刻との差分となるS波到達実時間を含む。具体的には、CPU301は、地震データ走時表DB700に新規レコードとして地震実績情報を登録する。
図15は、登録部908による地震実績情報の登録例を示す説明図である。(A)は、地震ID=99の地震の発生後、地震ID=100の発生前の間震期の記憶内容を示している。(B)は、地震ID=100の地震が発生した場合、その地震実績情報のレコードが登録された状態を示している。新規レコードの登録は、地震計203がS波を検出したあとの間震期に実行されるため、今回の地震における緊急地震速報処理の処理負荷に影響を与えることはない。したがって、S波到達予測時間を、処理負荷によるロスがほとんどない状態で速報することができる。
図9において、更新部909は、登録部908によって地震データ走時表DB700に新規登録された地震実績情報に含まれている震源ブロックおよびそのS波到達実時間に基づいて、ブロックデータ走時表DB103に登録されている震源ブロックのS波到達予測時間を更新する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU301が、ブロック内地震情報のフィールド項目において、ブロック内地震発生回数を1ポイント加算し、対応地震IDとそのブロック内S波到達実時間を追加登録する。そして、ブロック内S波到達平均予測時間を再計算する。
同様に、CPU301は、エリア内地震情報のフィールド項目において、エリア内地震発生回数を1ポイント加算し、対応地震IDとそのエリア内S波到達実時間を追加登録する。そして、エリア内S波到達平均予測時間を再計算する。この更新処理もS波の検出後に実行されるため、次回の地震発生時には、更新結果を地震データ走時表DB700から読み出すだけで、S波到達予測時間を取得することができる。
このように、間震期に更新を実行するため、次回の地震における緊急地震速報処理の処理負荷に影響を与えることはない。これにより、地震が発生する都度、S波到達予測時間を、処理負荷によるロスがほとんどない状態で速報することができる。
図16は、ブロックデータ走時表DB103の更新例を示す説明図である。図16は、図8の状態から地震ID=100の地震が発生したことにより、ブロック内地震発生回数およびエリア内地震発生回数が1ポイント加算されている。また、対応地震IDとそのブロック内S波到達実時間が追加登録され、ブロック内S波到達平均予測時間が再計算されている。同様に、対応地震IDとそのエリア内S波到達実時間が追加登録され、エリア内S波到達平均予測時間が再計算されている。
(緊急地震速報処理手順)
つぎに、本実施の形態にかかる緊急地震速報装置900による緊急地震速報処理手順について説明する。ここでは、ブロック単位での処理手順について説明するが、エリア単位でおこなってもよく、代表ブロックのみブロック単位で、隣接ブロックはエリア単位でおこなってもよい。
図17は、緊急地震速報装置900による緊急地震速報処理手順を示すフローチャートである。まず、受信部901により、緊急地震速報データ101が受信されるのを待ち受け(ステップS1701:No)、緊急地震速報データ101が受信された場合(ステップS1701:Yes)、決定部902により震源ブロックを決定する(ステップS1702)。
そして、震源ブロックのブロック番号を手がかりとしてブロックデータ走時表DB103にアクセスして、震源ブロックにおいて過去に地震が発生したか否か、すなわち、地震発生回数が0か否かを判断する(ステップS1703)。過去に地震発生あり(地震発生回数が1以上)である場合(ステップS1703:Yes)、取得部903により、震源ブロックのレコードからS波到達予測時間を取得し(ステップS1704)、ステップS1707に移行する。
一方、過去に地震発生なし(地震発生回数0回)である場合(ステップS1703:No)、算出部906により、緊急地震速報データ101内の地震発生位置情報と観測位置情報により、震源とクライアント202間の距離を算出する(ステップS1705)。そして、算出距離に該当する標準走時表DB400のレコードに登録されているS波の走時をS波到達予測時間として取得し(ステップS1706)、ステップS1707に移行する。
そして、制御部904により、取得されたS波到達予測時間を用いて制御対象機器204を制御する(ステップS1707)。このあと、検出部907によりS波到達実時刻を検出するのを待ち受け(ステップS1708:No)、検出された場合(ステップS1708:Yes)、地震実測情報を地震データ走時表DB700に新規登録する(ステップS1709)。さらに、登録部908によりブロックデータ走時表DB103を更新する(ステップS1710)。これにより、一連の処理を終了する。
このように、本実施の形態では、緊急地震速報データ101を受信する都度、震源ブロックを特定して、その震源ブロックにおける過去の統計(S波到達実時間)に基づく今回のS波到達予測時間を取得する。したがって、震源ブロックに固有の妥当なS波到達予測時間を速報することができる。
また、ブロック単位ではなくエリア単位で震源を特定することにより、震源特定の簡略化を図ることができ、速報性の向上を図ることができる。さらに、代表ブロックのみブロック単位で震源を特定し、隣接ブロックについてはエリア単位で震源を特定することにより、震源ごとに妥当なS波到達予測時間を速報するとともに、震源特定の簡略化による速報性の向上を同時に実現することができる。
また、S波到達予測時間が取得されなかった場合、標準走時表DB400を用いてS波到達予測時間を取得することにより、震源ブロック(震源エリア)でははじめての地震であってもS波到達予測時間を速報することができる。また、1回でも震源ブロック(震源エリア)となれば、次回以降は、過去の統計データとして利用することができるため、震源ブロックの網羅性の向上を図ることができる。また、震源ブロックを優先してS波到達予測時間を取得するため、可能な限り震源に固有の妥当なS波到達予測時間を速報することができる。
また、ブロックのサイズ(1辺の長さ)を、標準走時表DB400における震央距離の間隔よりも短く設定することにより、標準走時表DB400よりもブロックデータ走時表DB103のブロック粒度が細かくなる。したがって、震源ブロックを優先することにより、標準走時表DB400を用いた場合よりも高精度なS波到達予測時間を速報することができる。
また、S波到達実時刻を検出して、間震期に地震実績情報を新規登録することにより、今回のS波到達予測処理に影響を与えることなく、S波到達予測時間を取得することができる。したがって、高精度なS波到達予測時間を速報することができる。また、震源ブロックのS波到達予測時間の更新も間震期に実行するため、次回のS波到達予測処理に影響を与えることなく、S波到達予測時間を取得することができる。したがって、次回以降も高精度なS波到達予測時間を速報することができる。
また、取得されたS波到達予測時間を用いて制御対象機器204を制御することにより、利用者は、精度のよい妥当なS波到達予測時間に応じた対応策を講じることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、簡単かつ高精度にS波到達時間を予測することができるという効果を奏する。したがって、利用者はS波到達予測時間に応じた適切な行動や措置を採ることができ、安全性の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した緊急地震速報方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能である。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)地震が発生する都度、データ配信サーバーから緊急地震速報データを受信する受信手段と、
土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信手段によって受信された緊急地震速報データに含まれている地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定手段と、
前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定手段によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得手段と、
前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御手段と、
を備えることを特徴とする緊急地震速報装置。
(付記2)前記第2のデータベースは、前記ブロック群の中の特定のブロックをその隣接ブロック群により包含するエリアごとに当該エリアを構成する各ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られた前記エリア内のS波到達予測時間を記憶しており、
前記決定手段は、
前記震源ブロックを包含する震源エリアを、前記エリア群の中から決定し、
前記取得手段は、
前記第2のデータベースの中から、前記震源エリアのS波到達予測時間を取得することを特徴とする付記1に記載の緊急地震速報装置。
(付記3)前記第2のデータベースは、前記ブロック群のうち特定のブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶するとともに、前記特定のブロックをその隣接ブロック群により包含するエリアごとに当該エリアを構成する各ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られた前記エリア内のS波到達予測時間を記憶しており、
前記決定手段は、
前記震源ブロックを包含する震源エリアを、前記エリア群の中から決定し、
前記取得手段は、
前記震源ブロックが前記震源エリア内の前記特定のブロックである場合、前記第2のデータベースの中から、前記震源ブロックのS波到達予測時間を取得し、前記震源ブロックが前記震源エリア内の前記隣接ブロックである場合、前記第2のデータベースの中から、前記震源エリアのS波到達予測時間を取得することを特徴とする付記1または2に記載の緊急地震速報装置。
(付記4)前記取得手段によって前記S波到達予測時間が取得されなかった場合、前記緊急地震速報データに含まれている地震発生位置情報と装置本体の観測位置情報との距離を算出する算出手段を備え、
前記取得手段は、
震央距離とS波の走時とを関連付けた第3のデータベースの中から、前記算出手段によって算出された距離に該当する震央距離に関連付けられているS波の走時を前記S波到達予測時間として取得することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の緊急地震速報装置。
(付記5)前記ブロックのサイズは、前記第3のデータベースにおける前記震央距離の間隔よりも短く設定されていることを特徴とする付記4に記載の緊急地震速報装置。
(付記6)地震が発生する都度、当該地震によるS波到達実時刻を検出する検出手段と、
前記緊急地震速報データ、前記震源ブロック、前記検出手段によって検出されるS波到達実時刻、および当該S波到達実時刻と前記緊急地震速報データに含まれている地震発生時刻との差分となるS波到達実時間を含む地震実績情報を前記地震ごとに第4のデータベースに登録する登録手段と、
前記登録手段によって前記第4のデータベースに新規登録された地震実績情報に含まれている震源ブロックおよびそのS波到達実時間に基づいて、前記第2のデータベースに登録されている前記震源ブロックのS波到達予測時間を更新する更新手段を備え、
前記受信手段は、
前記更新手段による更新後に発生した地震について、前記気象業務サーバーから緊急地震速報データを受信し、
前記決定手段は、
前記第1のデータベースの中から、前記受信手段によって更新後に受信された緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを更新後の震源ブロックに決定し、
前記取得手段は、
前記更新手段によって更新された第2のデータベースの中から、前記決定手段によって決定された更新後の震源ブロックのS波到達予測時間を取得することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の緊急地震速報装置。
(付記7)データ配信サーバーとアクセス可能なコンピュータが、
地震が発生する都度、前記データ配信サーバーから緊急地震速報データを受信する受信工程と、
土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信工程によって受信された緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定工程と、
前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定工程によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得工程と、
前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御工程と、
を実行することを特徴とする緊急地震速報方法。
(付記8)気象業務サーバーとアクセス可能なコンピュータを、
地震が発生する都度、前記気象業務サーバーから緊急地震速報データを受信する受信手段、
土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信手段によって受信された緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定手段、
前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定手段によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得手段、
前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御手段、
として機能させることを特徴とする緊急地震速報プログラム。
本実施の形態にかかる緊急地震速報の概要を示す説明図である。 本実施の形態にかかる緊急地震速報システムのシステム構成図である。 実施の形態にかかる緊急地震速報装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 標準走時表DBの記憶内容を示す説明図である。 土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化したブロック集合データの一部を示す説明図である。 ブロックDBの記憶内容を示す説明図である。 地震データ走時表DBの記憶内容を示す説明図である。 ブロックデータ走時表DBの記憶内容を示す説明図である。 緊急地震速報装置の機能的構成を示すブロック図である。 緊急地震速報データの一例を示す説明図である。 制御対象機器に対する制御例(その1)を示す説明図である。 制御対象機器に対する制御例(その2)を示す説明図である。 制御対象機器に対する制御例(その3)を示す説明図である。 表示画面の一例を示す説明図である。 登録部による地震実績情報の登録例を示す説明図である。 ブロックデータ走時表DBの更新例を示す説明図である。 緊急地震速報装置による緊急地震速報処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
101 緊急地震速報データ
102 ブロックDB
103 ブロックデータ走時表DB
200 緊急地震速報システム
201 データ配信サーバー
202 クライアント
400 標準走時表DB
700 地震データ走時表DB
900 緊急地震速報装置
901 受信部
902 決定部
903 取得部
904 制御部
906 算出部
907 検出部
908 登録部
909 更新部

Claims (7)

  1. 地震が発生する都度、データ配信サーバーから緊急地震速報データを受信する受信手段と、
    土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信手段によって受信された緊急地震速報データに含まれている地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定手段と、
    前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定手段によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得手段と、
    前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御手段と、 を備えることを特徴とする緊急地震速報装置。
  2. 前記第2のデータベースは、前記ブロック群の中の特定のブロックをその隣接ブロック群により包含するエリアごとに当該エリアを構成する各ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られた前記エリア内のS波到達予測時間を記憶しており、
    前記決定手段は、
    前記震源ブロックを包含する震源エリアを、前記エリア群の中から決定し、
    前記取得手段は、
    前記第2のデータベースの中から、前記震源エリアのS波到達予測時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の緊急地震速報装置。
  3. 前記第2のデータベースは、前記ブロック群のうち特定のブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶するとともに、前記特定のブロックをその隣接ブロック群により包含するエリアごとに当該エリアを構成する各ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られた前記エリア内のS波到達予測時間を記憶しており、
    前記決定手段は、
    前記震源ブロックを包含する震源エリアを、前記エリア群の中から決定し、
    前記取得手段は、
    前記震源ブロックが前記震源エリア内の前記特定のブロックである場合、前記第2のデータベースの中から、前記震源ブロックのS波到達予測時間を取得し、前記震源ブロックが前記震源エリア内の前記隣接ブロックである場合、前記第2のデータベースの中から、前記震源エリアのS波到達予測時間を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の緊急地震速報装置。
  4. 前記取得手段によって前記S波到達予測時間が取得されなかった場合、前記緊急地震速報データに含まれている地震発生位置情報と装置本体の観測位置情報との距離を算出する算出手段を備え、
    前記取得手段は、
    震央距離とS波の走時とを関連付けた第3のデータベースの中から、前記算出手段によって算出された距離に該当する震央距離に関連付けられているS波の走時を前記S波到達予測時間として取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の緊急地震速報装置。
  5. 前記ブロックのサイズは、前記第3のデータベースにおける前記震央距離の間隔よりも短く設定されていることを特徴とする請求項4に記載の緊急地震速報装置。
  6. データ配信サーバーとアクセス可能なコンピュータが、
    地震が発生する都度、前記データ配信サーバーから緊急地震速報データを受信する受信工程と、
    土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信工程によって受信された緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定工程と、
    前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定工程によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得工程と、
    前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御工程と、 を実行することを特徴とする緊急地震速報方法。
  7. 気象業務サーバーとアクセス可能なコンピュータを、
    地震が発生する都度、前記気象業務サーバーから緊急地震速報データを受信する受信手段、
    土地の地下構造をブロック単位で3次元モデル化した第1のデータベースの中から、前記受信手段によって受信された緊急地震速報データに含まれている前記地震発生位置情報に該当するブロックを震源ブロックに決定する決定手段、
    前記ブロックごとに当該ブロック内で過去に発生した地震に関するS波到達実時間から得られたS波到達予測時間を記憶する第2のデータベースの中から、前記決定手段によって決定された震源ブロックのS波到達予測時間を取得する取得手段、
    前記S波到達予測時間に基づいて、制御対象機器に対する制御を実行する制御手段、
    として機能させることを特徴とする緊急地震速報プログラム。
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