JP6299112B2 - レーダ装置、レーダ信号処理方法及びプログラム - Google Patents

レーダ装置、レーダ信号処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、レーダ装置、レーダ信号処理方法及びプログラムに関する。特に、複合パルス方式により目標を検出するレーダ装置、レーダ信号処理方法及びプログラムに関する。
パルス信号を送信して目標を探知するレーダにおいて、探知距離を増大するためには送信電力を大きくする必要があるが、一方で、距離分解能を向上させるためには、パルス信号の幅を狭くする必要がある。ここで、距離分解能は、同一の距離にある二つの目標を分離して確認できる最小距離差である。
パルス信号の送信電力は、パルス信号の振幅とパルス幅の乗数で表される。ここで、パルス信号の振幅を増大することは、装置の大きさや重量、価格等の増大につながることから好ましいとは言えない。そのため、パルス信号の送信電力を大きくするには、パルス信号のパルス幅を広くすることが考えられる。しかしながら、前述したように、パルス信号のパルス幅を広くすると、距離分解能が悪くなってしまう。すなわち、パルス信号を送信して目標を探知するレーダでは、探知距離を向上させることと、距離分解能を向上させることとは、互いに相反するものとなる。
これに対して、パルス圧縮技術を用いて、遠距離の目標を探知するレーダがある。パルス圧縮技術は、周波数変調や符号変調を加えたパルス信号を送信し、送信したパルス信号に対する受信信号を圧縮して、パルス幅を圧縮し、同時に振幅を伸長する技術である。パルス圧縮技術を用いたレーダ装置は、受信信号を圧縮し、振幅を伸長したパルス波形を用いて目標を検出するので、距離分解能を向上させることができる。
特許文献1は、変調を施した相対的にパルス幅の長いパルス信号を送信に使用して平均電力を確保し、受信時にこのパルスを圧縮して距離分解能を改善することで、遠距離にある目標を捜索するパルス圧縮技術を用いた遠距離操作レーダを開示する。
しかしながら、特許文献1にも記載のとおり、パルス信号を送信するレーダ装置は、パルス信号の送信が完了するまで、目標からの反射波を受信することができないという特徴がある。パルス信号を送受信するレーダ装置は、アンテナや一部の回路を送信及び受信で共有するため、送信するパルス信号の発生と同時に受信処理系への回路を遮断し、該受信処理系への漏れ電力を減衰させて、該受信処理系を保護する必要があるためである。
そのため、特許文献1に記載のレーダ装置は、パルス波の送信完了までの間に近傍の目標から反射波が戻ってきた場合、その反射波を受信できず、要求される性能を満たすように目標を捜索することができない。すなわち、特許文献1に記載のレーダ装置は、パルス信号の送信開始から送信完了までの間に反射波が戻ってくる距離内については、目標を捜索することができないという課題がある。なお、パルス方式のレーダ装置において、この目標を捜索することができない距離のことを、ここでは送信ブラインド距離と定義する。
上記の課題に対して、特許文献2は、送信ブラインド距離を短くすることが可能な、複合パルス方式のレーダ装置に関する技術を開示する。特許文献2に記載の複合パルス方式のレーダ装置は、相対的にパルス幅の短いパルス信号(以下、「短パルス信号」と記載する。)と相対的にパルス幅の長いパルス信号(以下、「長パルス信号」と記載する。)とを交互に放射し、長パルス信号で得た遠方の受信信号と短パルス信号で得た近傍の受信信号とを合成することで、広範囲に亘る物標の測位を可能にする。
特許文献2に記載のレーダ装置は、遠方の物標の測位を長パルス信号で行い、長パルス出力信号の最小探知距離(すなわち、送信ブラインド距離)よりも短い距離に存在する物標の測位を、短パルス信号で行う。
特開平6−082550号公報 特開2005−277572号公報
前述したように、特許文献2に記載の複合パルス方式のレーダ装置では、短パルス信号によって、長パルス信号の最小探知距離内の探知を行う。そのため、該レーダ装置において、長パルス信号のパルス幅を長くすると、送信ブラインド距離が長くなり、短パルス信号により探知しなければならない距離が長くなる。しかしながら、電波伝送路における電力の減衰があるため、短パルス信号による探知距離には限界が存在し、特許文献2に記載のレーダ装置は、短パルス信号により探知可能な最大の距離を超えて、長パルス信号のパルス幅を設定することはできない。このように、特許文献2に記載のレーダ装置は、短パルス信号による探知能力によって長パルス信号のパルス幅が制限されるため、該レーダ装置の最大探知距離が制限されてしまうという課題がある。
本発明は、短パルス信号により検索可能な探知距離を増大することにより、長パルス信号のパルス幅の制限を緩和し、全体の探知距離を増大することができるレーダ装置等を提供することを目的とする。
本発明のレーダ装置は、相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行う第1の処理部と、前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中に、長パルスの受信系に入力される信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行う第2の処理部と、前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める統合処理部とを有することを特徴とする。
本発明のレーダ信号処理方法は、相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行い、前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中に、長パルスの受信系に入力される信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行い、前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める
ことを特徴とする。
本発明のプログラムは、相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理と、前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中に、長パルスの受信系に入力される信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理と、前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、短パルス信号により検索可能な探知距離を増大することができ、長パルス信号のパルス幅の制限を緩和できるため、該レーダ装置等の探知距離を増大することが可能になるという効果がある。
本発明の一実施形態におけるレーダ装置の構成例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるレーダ装置における、送受信信号の波形の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における短パルス処理部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における信号処理部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるドップラフィルタの周波数応答特性例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における短パルス処理部の他の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における長パルス処理部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における短パルス処理部の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における長パルス処理部の動作例を示す図である。 本発明の第3の実施形態におけるレーダ装置1の構成例を示す図である。
はじめに、図1を用いて、本発明の一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
例えば特許文献2に記載されている一般的な複合パルス方式のレーダ装置は、受信信号に対して、目標を検出し易いようにするために、不要信号除去やパルスヒット積分等の信号処理を実施する。そして、信号処理後の受信信号に対して、その受信レベルが、該レーダ装置に要求される能力(例えば、誤探知確率や探知確率)を満たす所定の閾値以上であるか否かにより、目標の存在を探知する。そのため、該レーダ装置では、目標からの受信信号であっても、その受信レベルが所定の閾値より低い場合は、該目標を探知できない。
一方、本発明の一実施形態のレーダ装置は、一般的なパルスレーダ装置では用いない該所定の閾値より小さい閾値で、目標の検出を行う。これにより、一般的なパルスレーダでは検出できない低レベルの受信信号、すなわち、より遠距離の目標からの受信信号を探知することができる。しかしながら、所定の閾値より小さいレベルで目標の探知をしたのでは、誤って雑音等の不要信号を目標として誤探知する可能性も高まるため、該レーダ装置に要求される能力を満たさないことがある。
また、一般的なパルスレーダ装置では、パルス信号の送信中に目標から反射波が戻ってきても、パルス信号の送信が完了するまでは反射波を受信しないので、その反射波の一部分を受信できない。パルスレーダ装置は、一部分を受信できない反射波(すなわち、一部分が欠落した反射波)をパルス圧縮しても、圧縮後のパルス波形に該欠落した部分の影響が残り、要求される能力を満たすように目標の位置を求められない場合がある。そのため、一般的なパルスレーダ装置は、このような一部分が欠落した反射波を、目標の検出に用いない。
一方、本発明の一実施形態のレーダ装置は、長パルス信号の送信中に目標から反射波が戻ってきた部分を、例えばゼロデータやノイズレベルデータ等で補正(置換)を行い、その補正した部分も含めた長パルス信号に対してパルス圧縮処理を行う。そして、このパルス圧縮結果に対して、一般的なパルスレーダと同様に、不要信号除去や、パルスヒット積分等の信号処理を行ったうえで、該レーダ装置に要求される誤探知確率を満たす閾値によりより目標を検出する。しかしながら、前述したように、補正した部分(すなわち、受信できない部分、欠落部分)も含めた長パルス信号をパルス圧縮して目標の位置を確定したのでは、該レーダ装置に要求される能力を満たさないことがある。
そこで、当該レーダ装置は、短パルスにおいて所定の閾値より小さい閾値で求めた検出結果と、ノイズレベルデータ等で補正した部分を含めた長パルス信号のパルス圧縮結果をもとに、要求される誤探知確率を満たす閾値で求めた検出結果と、を照合する。本発明の一実施形態のレーダ装置は、照合の結果、2つの目標の検出結果が所定の範囲内にある場合に、その目標の検出結果に基づいて目標の位置を求める(確定する)。
本発明の一実施形態のレーダ装置は、一方の信号だけでは該レーダ装置に要求される能力を満たさないが、このような照合を行うことにより、該レーダ装置に要求される能力を満たすように目標の位置を求めることができる。
図1は、本発明の一実施形態におけるレーダ装置の構成例である。図2は、本発明の一実施形態におけるレーダ装置1における、送受信信号の波形の一例を示す図である。
図1に示すとおり、本発明の一実施形態におけるレーダ装置1は、アンテナ10と、送受信部20と、信号処理部30とを有する。
レーダ装置1は、例えば、パルス信号を送信し、送信したパルス信号に対する目標からの反射波を受信して、該目標の位置を求める装置である。本発明の一実施形態のレーダ装置1は、例えば、長パルス信号と短パルス信号とを交互に送信し、目標を探知する(目標の位置を求める)複合パルス式のレーダ装置である。
アンテナ10は、例えば、空間にパルス信号を送信(放射)する手段として機能する。また、アンテナ10は、送信したパルス信号の目標からの反射波(パルス信号)を受信し、送受信部20に出力する手段として機能する。本発明の一実施形態において、アンテナ10は、相対的にパルス幅の長い長パルス信号と、相対的にパルス幅の短い短パルス信号とを空間に放射する。また、アンテナ10は、目標から戻ってきた反射波として、長パルス信号と短パルス信号とを受信する。なお、長パルス信号と短パルス信号は、例えば、所定のパルス幅以上のパルス信号を長パルス信号とし、所定のパルス幅よりも短いパルス幅のパルス信号を短パルス信号としてもよい。
送受信部20は、アンテナ10に対して、空間に放射するパルス信号を出力する手段として機能する。また、送受信部20は、アンテナ10が受信したパルス信号を、信号処理部30に出力する手段として機能する。
送受信部20は、例えば、パルス信号を空間に放射する周波数に周波数変換し、電力増幅を行ってアンテナ10に出力する手段として機能する。送受信部20は、例えば、アンテナ10から出力されたパルス信号を増幅、周波数変換して、信号処理部30に出力する手段として機能する。なお、本発明の一実施形態において、送受信部20は、一つの装置として説明したが、送信部と受信部とに分かれていてもよい。
信号処理部30は、送受信部20から出力されたパルス信号を処理して、目標を検出する手段として機能する。
本発明の一実施形態における信号処理部30は、図1に示すように、短パルス処理部31と、長パルス処理部32と、統合処理部33とを有する。なお、短パルス処理部31は短パルス受信系であり、長パルス処理部32は長パルス受信系である。
短パルス処理部31は、短パルスの受信タイミング(図4のT4)において、受信された短パルスの信号処理手段として機能する。短パルス処理部31は、送受信部20を介して入力された短パルス信号に対して、不要信号除去やパルスヒット積分等により、目標からの受信信号の信号対雑音比を改善した上で、閾値判定による目標検出処理を行う。
ここで、目標検出処理の閾値は、レーダ装置に必要とされる誤探知確率及び探知確率を同時に満たすように設定される。誤探知確率は、例えば、雑音等の受信レベルが閾値を超えることにより、目標の信号(反射波)と誤探知してしまう確率である。また、探知確率は、目標からの反射波の受信レベルが、閾値を超えることにより、目標として探知できる確率である。
短パルス処理部31は、目標の受信信号レベルが十分である近距離域(例えば、図2のT2の期間)では、該レーダ装置に要求される誤探知確率及び探知確率を担保した所定の閾値(図2の「TH1」である。)により、目標検出処理を行う。なお、短パルス処理部31は、短パルスの全処理区間(図2のT4)で、閾値「TH1」による目標検出を行ってもよい。
また、閾値「TH1」は、図2の例では一定のレベルとして記載しているが、該レーダ装置に要求される誤探知確率と探知確率を担保できる条件であれば、例えば近距離ほど高い閾値としたり、背景雑音に合わせて適宜その閾値を変化させたりして設定してもよい。
また、短パルス処理部31は、短パルスの目標探知距離を延伸させたい遠距離域(図2のT4期間内のT3)において、前述した所定の閾値「TH1」よりも低い閾値(図2の「TH2」である)で目標検出処理を行う。
低い閾値「TH2」で目標を検出することから、閾値「TH1」で目標検出を行う場合に比べ、よりレベルの低い遠距離域の目標に対する探知確率を向上できる。すなわち、短パルスの探知距離を延伸できる。
ただし、この遠距離域(図2のT3)の期間は、短パルス単独の処理では、閾値を下げたことにより、誤探知確率が劣化することになる。
なお、閾値「TH2」は、図2の例では一定レベルとして記載しているが、前述の「TH1」と同様に、近距離ほど高い閾値としたり、背景雑音に合わせて適宜その閾値を変化させたりして設定してもよい。
長パルス処理部32は、長パルス信号を処理する手段として機能する。長パルス処理部32は、アンテナ10が受信し、送受信部20を介して入力された長パルス信号に対して、目標を検出する処理を行う。
本発明の一実施形態において、レーダ装置1には、長パルス信号を送信している時間中(図2(a)のT5)については、送信電力の一部が送受信部20及び長パルス処理部32に入力されるため、正常には受信及び信号処理を行わない。(あるいは、入力される受信信号をそのまま信号処理には使用しない。)しかしながら、レーダ装置1では、長パルスに対しては、本来送信ブラインド距離となる、先述の短パルスの探知能力を向上させたい距離域においても、受信信号(データ)に補正を行うことでパルス圧縮を行い、そのパルス圧縮結果を利用して目標検出処理を行う。具体的には、長パルス処理部32は、図2の長パルス送信時間中(T5)と重なる少なくともT3以上の期間(図2(b)の長パルス受信波形の直前のT3の部分)の受信データをゼロデータ又はノイズレベルデータで補正(置換)して、その補正した部分も含めてパルス圧縮処理を実施する。
なお、ゼロデータは、例えば、受信レベルがゼロである信号である。また、ノイズレベルデータは、例えば、受信レベルがノイズレベルである信号である。ノイズレベルデータの受信レベルは、レーダ装置1が実際に受信したノイズ信号から求めてもよいし、予め設定されていてもよい。
長パルス処理部32は、パルス圧縮後の長パルス受信信号に対して、短パルスの場合と同様に、不要信号除去やパルスヒット積分等により、目標からの受信信号の信号対雑音比を改善した上で、所定の閾値(図2の「TH3」である。)により目標検出処理を行う。
ここで、閾値「TH3」は、レーダ装置1に要求される誤探知確率及び探知確率を満たすように設定される。
なお、図2の長パルス送信中のT3の期間に相当する距離範囲内に目標が存在した場合、その目標からの受信パルスは、前縁の一部が欠落し、ゼロデータ又はノイズレベルデータで補正(置換)されることとなる。(図2(b)の例では、長パルス受信波形の前のT9の部分が、ゼロデータ又はノイズレベルデータで補正される。)このため、長パルスがすべて受信できる場合(受信期間T6に包括される受信パルス)に比べて、パルス圧縮による信号レベルの増加の度合いが不足(パルス圧縮後の信号のピークレベルが低下)したり、受信パルスのサイドローブが上昇したりする。このように、欠落部分も含む長パルス信号をパルス圧縮して目標の位置を確定したのでは、該レーダ装置1に要求される能力を満たさないことがある。
統合処理部33は、短パルス処理部31及び長パルス処理部32が行った目標の検出の結果(検出結果)を統合して、短パルス信号により探知可能な距離及び長パルス信号により探知可能な距離の全体にわたる目標の位置に関する情報を出力する。
ここで、短パルス処理部31及び長パルス処理部32による検出結果には、少なくとも目標の位置に関する情報が含まれる。またレーダ装置1が、パルスドップラレーダ装置である場合は、短パルス処理部31および長パルス処理部32で閾値により検出した目標信号のドップラ周波数に関する情報を含めても良い。短パルス及び長パルスの送受信時間が目標の速度変化に対して十分に短い場合、短パルス及び長パルスで観測できる受信信号のドップラ周波数成分がほぼ同一になることを利用し、統合処理部33における、短パルス処理部31及び長パルス処理部32の検出結果の照合の精度を高めるためである。
ドップラ情報を利用することにより、誤って雑音を目標として探知してしまう誤探知確率を改善することが期待できる。
本発明の一実施形態において、統合処理部33は、短パルス処理部31が求めた検出結果と、長パルス処理部32が求めた検出結果とに基づいて、目標の位置に関する情報を出力する。なお、検出結果は、目標の位置やドップラ情報を求めることのできるデータである。検出結果は、例えば、パルス信号を送信してから反射波を受信するまでの時間である。検出結果は、例えば、受信したパルス信号から求めたレーダ装置1から目標までの距離であってもよい。検出結果は、例えば、受信したパルス信号の波形そのものであってもよい。なお、検出結果は、目標の方向(又は仰角)を含んでいてもよい。検出結果は、これらの例に限られず、目標の位置に関する情報であれば、どのようなデータであってもよく、例えば座標やレーダ装置1からの距離及び方位などであってもよい。
またレーダ装置1がパルスドップラレーダ装置である場合は、検出結果には、短パルス処理部31および長パルス処理部が閾値により検出した目標信号のドップラ周波数、またはドップラ周波数に応じたドップラフィルタの番号等のドップラ情報を含めても良い。
統合処理部33は、例えば、両者の検出結果が所定の条件を満たす場合に、目標の位置に関する情報を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果が一致した場合に、その一致した検出結果から、目標の位置に関する情報を求めて、求めた目標の位置に関する情報を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内である場合に、どちらか一方の検出結果から、目標の位置に関する情報求めて、求めた目標の位置に関する情報を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内である場合に、短パルス処理部31が出力した検出結果から目標の位置に関する情報を求めて、求めた目標の位置に関する情報を出力する。
目標の位置に関する情報は、例えばレーダ指示器(図示しない)に、レーダ情報(目標からの距離、方向、仰角等)を表示するために必要な情報である。目標の位置に関する情報は、例えば、横軸を距離、縦軸を受信レベル(受信強度)とした反射波の波形(ただし、反射波そのものである必要はなく、反射波に増幅や変換等を施した波形であってもよい。以下、同じである。)である。目標の位置に関する情報は、例えば、横軸を方位、縦軸を距離とした反射波の波形であってもよい。目標の位置に関する情報は、例えば、横軸を距離、縦軸を仰角とした反射波の波形であってもよい。目標の位置に関する情報は、例えば、横軸を距離、縦軸を高さとした波形であってもよい。なお、目標の位置に関する情報は、目標の位置を把握することができる情報であれば、どのような情報であってもよく、例えば、目標の座標や、レーダ装置1からの距離及び方向であってもよい。
なお、レーダ装置1に接続されるレーダ指示器(図示しない)で、目標のドップラ情報を取り扱うことができる場合は、統合処理部33は目標位置と合わせて、短パルス処理部31または長パルス処理部32で検出した目標のドップラ情報を出力しても良いことは言うまでもない。
上記のとおり、本発明の一実施形態において、レーダ装置1の短パルス処理部31は、低い閾値(TH2)による目標を検出する。また、当該レーダ装置1の長パルス処理部32は、パルス送信時間中(T3)も含めて、当該レーダ装置に必要とされる誤探知確率や探知確率を担保した閾値で目標を検出し、両者が一致又は所定の誤差内の場合に目標の位置に関する情報を出力する。
図2は、本発明の一実施形態におけるレーダ装置1における、送受信信号の波形の一例を示す図である。
図2(a)に示すように、レーダ装置1は、短パルス信号と長パルス信号とを、交互に送信する。レーダ装置1は、図2に示すとおり、時間T1のパルス幅の短パルス信号を送信する。
レーダ装置1は、短パルス信号の送信後、時間T2経過後まで、所定の閾値(TH1)を用いて目標を検出する(短パルス処理時間)。時間T2は、例えば、閾値(TH1)で目標検出を行う際に、目標からの受信信号が、レーダ装置に要求される誤探知確率及び探知確率を同時に満たすことが可能となる受信レベル(又は信号対雑音比)が得られる最大距離に相当する時間に設定する。
レーダ装置1は、少なくとも、短パルスの探知能力(距離)を向上(延伸)させたい時間範囲を含む時間帯(図2の時間T3:短パルス処理時間)において、所定の閾値(TH1)よりも低い閾値(TH2)で目標検出処理を行う。
レーダ装置1は短パルス信号を送信してから短パルスで目標を捜索する距離範囲に相当する受信期間T4経過後に、適宜デッドタイム(受信処理対象外の期間)を設け、その後、時間T5(最大T4まで設定可能)のパルス幅の長パルス信号を送信する。
レーダ装置1は、長パルス信号の送信を開始してから時間(T1+T2)の経過後、長パルス信号の送信が完了するまでの間(時間T5)、反射波を受信しない(あるいは、受信しても、目標の検出には使用しない。)。ただし、短パルス側と同じ時間T3の間(長パルス送信時間T5の後縁のT3の間)は、受信信号をゼロデータ又はノイズレベルデータで補正(置換)して、パルス圧縮処理、および以降の信号処理及び目標検出処理を行う。
レーダ装置1は、長パルス信号の送信完了後から、時間(T1+T2)の間、反射を受信しない。所定の閾値(TH3)以上の長パルス信号を用いて、目標を検出する処理を行う(長パルス処理時間)。
レーダ装置1は、図2(b)に示すとおり、例えば、短パルス信号を送信してから時間T8経過後に、目標からの反射波を受信する。
レーダ装置1は、例えば、長パルス信号を送信してから時間T8経過後に、目標からの反射波が戻ってくる。ここで、レーダ装置1から時間T8に相当する距離に存在する目標からの反射波は、短パルス信号及び長パルス信号のどちらでも、パルス信号を送信してから時間T8経過後に、レーダ装置1に戻ってくる。
図2(b)に示すとおり、レーダ装置1は、長パルス信号に対する目標から、長パルス信号を送信してから時間T8経過後に反射波が戻ってくるが、長パルス信号送信中であるため、その反射波を受信できない(あるいは、受信しても、そのままでは信号処理および目標の検出には使用しない。)。レーダ装置1は、長パルス信号の送信が完了後は、反射波を受信する。
レーダ装置1は、図2(c)に示すとおり、受信した長パルス信号(反射波)に対してパルス圧縮処理を行う。図2(b)及び(c)に示すとおり、目標から戻ってきた長パルス信号に対するパルス圧縮処理は、長パルス信号の送信中に目標から反射波が戻ってきた部分を含む長パルス送信中の後縁のT3の時間に受信される信号を、例えばゼロデータやノイズレベルデータ等で補正して、その補正した部分も含めた長パルス信号にパルス圧縮処理を行う。なお、図2(c)に示すように、長パルスの一部が欠落する状態で受信される長パルス信号は、目標がレーダ装置1に近いためその受信レベルが高く、目標検出処理時に所定の閾値(TH3)以上の場合が多い。
なお、図2(c)の例では、受信した短パルス信号は、そのまま出力しているが、短パルス信号に対しても、パルス圧縮処理を行ってもよい。なお、この場合、短パルス処理部31は、受信した短パルス信号に対して、パルス圧縮処理を行う機能を有する。
すなわち、本発明の一実施形態におけるレーダ装置1では、図2における時間T3の間は、短パルスと長パルスの両方で、目標検出結果が得られることになる。この時間T3を、短長パルス多重処理期間と定義する。
ただし、短パルスにおける短長パルス多重処理期間の目標検出結果は、雑音等の不要信号を誤って検出した結果が含まれている確率が高くなる。また、長パルスにおける短長パルス多重処理期間の目標検出結果は、閾値(TH3)で目標検出することにより、レーダ装置の誤探知確率以下で目標が検出できる。しかしながら、当該長パルスにおける短長パルス多重処理期間において、受信パルスの一部が欠落した状態でパルス圧縮を実施したことにより、圧縮後のパルス幅が広がり、短パルスによる目標検出結果に比べて、位置精度が劣化している可能性がある。
そのため、レーダ装置1は、短長パルス多重処理期間において、短パルス及び長パルス信号の目標の検出結果を照合し、両パルスでの目標検出結果が所定の範囲内にある場合に、該位置を目標検出位置として特定する。
従来の複合パルス方式のレーダ装置(例えば、特許文献2に記載の複合パルス方式のレーダ装置)は、短パルスだけにより、高い閾値TH1で目標検出を行うので、短パルスによる最大検知距離は、閾値TH1による目標検出が可能な最大検知距離に制限される。また、これに伴い、長パルスのパルス幅が、当該短パルスの最大探知距離以下に制限される。
これに対し、本発明の一実施形態のおけるレーダ装置1は、短長パルス多重処理期間において、短パルスでTH1よりも低い閾値TH2で目標検出を行うことから、短パルスによる最大探知距離を当該閾値TH2により目標検出が可能な最大探知距離まで延伸できる。
閾値をTH1より低いTH2に設定したことによる誤探知確率の劣化は、長パルスにおける閾値TH3(レーダ装置1に要求される誤探知確率及び探知確率を満たす閾値)による目標検出結果と照合することで、回避することができる。
また、上記のように、短パルスの最大探知距離を延伸させた分だけ、長パルスのパルス幅を増加でき、長パルス、すなわちレーダ装置1の最大探知距離、も延伸することができる。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に関するレーダ装置は、図1に示す、本発明の一実施形態と同様の構成である。なお、本発明の第1の実施形態において、本発明の一実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図3は、本発明の第1の実施形態における信号処理部30に含まれる短パルス処理部31の構成例を示す。
図3に示すように、短パルス処理部31は、短パルス信号処理部310と、短パルス目標検出部311とを有する。
短パルス信号処理部310は、例えば、送受信部20から入力した短パルス信号に対して、不要な信号を抑圧する処理を行う。また、短パルス信号処理部310は、例えば、短パルス信号に対して、送信した信号内において目標から反射されるパルスの数を加算するパルスヒット積分処理を行う。
また、短パルス信号処理部310は、例えば、地面や雲等からの反射信号であるクラッタ信号の抑制のため、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理を実行する。
ここで、先述のパルスヒット積分は、レーダ装置1が位相検波機能を有するパルスドップラレーダ装置である場合は、少しずつドップラ周波数応答特性を変化させた複数のドップラフィルタ群による、コヒーレント積分としても良い。
この場合、信号処理部30では目標のドップラ情報を抽出することができる。このドップラ情報を抽出可能な信号処理部30の具体例を図4に示す。
図4において、信号処理部30には、レーダ装置1の送受信部20の位相検波出力である受信I(IN−phase)/Q(quadrature)ビデオ信号が入力される。信号処理部310では、例えば、グランドクラッタを除去するためのキャンセラ処理等の不要信号抑圧3101を行う。次に、同一のパルス繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)で連続的にN回受信された短パルスの受信I/Qビデオ信号に対し、N種類のドップラフィルタ3102で、それぞれ並列してN回のコヒーレント積分処理を行う。ここでN個のドップラフィルタの周波数応答特性は、例えば、図5に示すように前記PRFをN分割してドップラ周波数軸上に配列したものとする。各ドップラフィルタの出力値(すわなちコヒーレント積分結果)は、続くI/Q合成3103により振幅情報に変換される。またI/Q合成後の信号に対して、クラッタ等の不要信号を更に抑圧する必要がある場合は、例えば先述のCFAR処理3104を行う。そして、最後の最大値選択3105において、同一距離(時間)で入力される各ドップラフィルタのCFAR後の信号のレベル(振幅)を比較し、その中から最大値の振幅と当該フィルタ番号を後段の目標検出部311に対して出力する。例えば図5に示すように目標のドップラスペクトラムが#2フィルタ内に分布する場合は、#2フィルタの振幅(レベル)情報とフィルタ番号(#2)が後段の目標検出部311に出力される。このようにして、目標のドップラ情報を抽出することが可能となる。
なお、図5のドップラフィルタの数やドップラ周波数軸上の配列は、あくまでも一例であり、当該レーダ装置のPRF等の特性や、検出対象とする目標の速度等に応じて、適宜設定するものとする。
また、短パルス信号処理部310が短パルス信号に対して実行する処理は、これらの処理に限られず、複合パルス式のレーダ装置1が短パルス信号に対して実行する各種の処理を行う手段として機能する。
短パルス目標検出部311は、短パルス信号処理部310が処理した短パルス信号から、目標を検出し、検出結果を後段の統合処理部33に出力する処理を行う手段として機能する。ここで、検出結果には、少なくとも目標の位置情報が含まれるものとし、加えて検出された信号の振幅情報やドップラ情報が含まれているとしても良い。短パルス目標検出部311は、例えば、レーダ装置1に要求される誤探知確率及び探知確率を満たすように設定された閾値(TH1)以上の短パルス信号により、目標の検出を行う。
また、短パルス目標検出部311は、例えば、所定の距離から反射された短パルス信号について、前述した所定の閾値(TH1)よりも低い閾値(TH2)を用いて、目標を検出する処理を行う。短パルス目標検出部311は、例えば、所定の距離内から反射された短パルス信号について、レーダ装置1に要求される誤探知確率又は/及び探知確率を満たさない受信レベルであっても、目標を検出する処理を行う。
図6は、本発明の第1の実施形態における短パルス処理部31の他の構成例を示す。
図6に示すとおり、短パルス処理部31は、第1の目標検出部312と、第2の目標検出部313とを有する。
第1の目標検出部312は、閾値(TH1)により、目標を検出する。第2の目標検出部313は、閾値(TH1)よりも低い閾値(TH2)により、目標を検出する。
図7は、本発明の第1の実施形態における長パルス処理部32の構成例を示す。
図7に示すとおり、本発明の第1の実施形態における長パルス処理部32は、信号補正部320と、パルス圧縮部321と、長パルス信号処理部322と、長パルス目標検出部323とを有する。
信号補正部320は、例えば、長パルス信号の送信時間中(T5)に、時間T3に相当する距離以遠の目標から反射波が戻ってくる可能性がある部分(図2のT3)をゼロデータ又はノイズレベルデータで補正する手段として機能する。長パルス信号送信時(T5)に受信した長パルス信号に対して、受信レベル0のデータ(ゼロデータ)や、受信レベルがノイズレベルであるデータ(ノイズレベルデータ)を置換(上書き補正)する手段として機能する。
信号補正部320は、長パルス信号の送信時間中(T5)に反射波が戻ってきた部分(T3)をゼロデータ又はノイズレベルデータで補正した部分も含めた長パルス信号を、パルス圧縮部321へ出力する。
パルス圧縮部321は、例えば、長パルス信号に対して、パルス圧縮処理を行う手段として機能する。パルス圧縮処理は、例えば、レーダの距離分解能を向上するために、送信するパルス信号を周波数変調あるいは符号変調したパルス信号を用いて目標からの反射波を受信し、受信後データ処理の段階で復調(圧縮)する処理である。長パルス処理部32に含まれるパルス圧縮部321は、パルス圧縮処理のうち、受信した長パルス信号に対して復調を行う。
ここで、例えば図2(b)に示すように、長パルス幅T5よりも短い時間である時間T8に相当する距離に目標が存在する場合、該目標から反射される長パルス受信波形は、その前縁の時間T9の部分が、信号補正部320によりゼロデータ又はノイズレベルデータで補正されることになる。従い、パルス圧縮部321でのパルス圧縮処理は、受信する長パルス信号のデータの一部が欠落した状態で成されることになる。そのため、該補正した部分も含めた長パルス信号に対するパルス圧縮処理は、長パルス受信波形に欠落がない場合に比べ、パルス圧縮利得の低下(ピークレベルの低下)、レンジサイドローブの増加、及び、パルス幅の増大による距離精度の劣化が生じることがある。そのため、信号補正部320が、長パルス信号をゼロデータ又はノイズレベルデータで補正可能な最大の時間(図2のT3)は、これらの劣化を考慮して、最終的には目標検出部323で閾値による目標検出が十分可能な範囲内で設定する必要がある。
この点、本発明の第1の実施形態におけるレーダ装置1において、長パルス幅内に相当する近距離の目標に対しては、通常は、遠距離の目標検出に供される長パルスではシステム利得マージンが十分に確保されており、受信する長パルス信号のデータの一部の欠落によるパルス圧縮後のピークレベル低下は、顕著な問題とならない。逆に、近距離の受信長パルス信号のレベルは強大であることが多く、受信系の飽和防止のために、STC(Sensitivity Time Control)で距離に応じて該受信長パルス信号を減衰させることが一般的である。
また、本発明の第1の実施形態におけるレーダ装置1は、レンジサイドローブのレベルの上昇を、システム利得のマージンを活かして、パルス圧縮処理における低サイドローブウェイトの適用や、適切なSTCレベルの設定、又は、レンジサイドローブを誤検出しないような閾値の採用により回避できる。
また、本発明の第1の実施形態におけるレーダ装置1において、パルス幅の増大による距離精度の劣化については、統合処理部33の処理により、解消することができる。
長パルス信号処理部322は、基本的には短パルスの信号処理部310と同様に構成される。すなわち、例えば、送受信部2から入力した長パルス信号に対して、不要な信号を抑圧する処理を行う。また、長パルス信号処理部322は、例えば、長パルス信号に対して、送信した信号内において目標から反射されるパルスの数を加算するパルスヒット積分処理を行う。また、長パルス信号処理部322は、例えば、地面や雲等からの反射信号であるクラッタ信号の抑制のため、CFAR処理を実行する。ここで、パルスヒット積分は、レーダ装置1が位相検波機能を有するパルスドップラレーダ装置である場合は、少しずつドップラ周波数応答特性を変化させた複数のドップラフィルタ群による、コヒーレント積分としても良い。この場合の長パルス信号処理の例は、図4に示した短パルス信号処理部310の場合と同様のため、ここでは詳しい説明を省略する。
ただし、長パルス信号処理部322のドップラフィルタ群の周波数特性(特にドップラ周波数軸上でのフィルタの配置関係)は、短パルス信号処理部310のドップラフィルタ群と同様とする。また、送受信部20では、短パルスと長パルスを少なくとも連続してN回の間、一定の周期で交互に送受信するものとする。この場合、短パルスと長パルスのパルス繰り返し周波数(PRF)が一定になることから、短パルスと長パルスのそれぞれのドップラフィルタの周波数応答特性を容易に合わせることが可能となる。従い、短パルスおよび長パルスをN回連続して目標に照射する時間が十分に短く、この時間内での目標の移動距離や速度の変化が、無視できるほど小さい場合は、短パルスと長パルスの両方で同一目標から受信される信号のドップラ周波数成分はほぼ一定となる。
なお、長パルス信号処理部322が長パルス信号に対して実行する処理は、これらの処理に限られず、複合パルス式のレーダ装置が長パルス信号に対して実行する各種の処理を行う手段として機能する。
長パルス目標検出部323は、長パルス信号処理部322から出力される受信データを用いて、目標の検出を行う。また、長パルス目標検出部323は、通常の長パルスに対する処理と同様に、長パルス幅相当距離以遠の目標に対して、目標の検出を行う。
統合処理部33は、短パルス処理部31及び長パルス処理部32が行った目標の検出処理の結果を統合して、短パルス信号により探知可能な距離及び長パルス信号により探知可能な距離の全体にわたる目標の検出結果を出力する。
統合処理部33は、短パルス信号の送信後時間T2経過後までの短パルス処理時間において、短パルス処理部31からの処理結果を、目標検出結果として出力する。ここで、目標検出結果には、少なくとも目標位置情報が含まれており、必要に応じて目標の信号レベルやドップラ情報も含まる。以下の説明の目標検出結果についても同様である。
統合処理部33は長パルス信号の送信完了後から長パルス幅相当距離以遠の長パルス処理時間において、長パルス処理部32からの処理結果を、目標検出結果として出力する。
統合処理部33は、短長パルス多重処理期間について、短パルスによる所定より小さい閾値での目標検出結果と、長パルスによるゼロデータやノイズレベルデータ等で補正した部分を含めた長パルス信号のパルス圧縮結果を用いて求めた目標検出結果を照合する。
統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果が所定の条件を満たす場合に、目標検出結果(目標位置を含み、必要に応じて目標の信号レベルやドップラ情報も含む。)を出力する。
統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果のうち目標位置に関する情報が所定の誤差範囲内で一致した場合に、その一致した目標検出結果を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の目標位置の誤差が所定の範囲内である場合に、どちらか一方の目標検出結果を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内である場合に、短パルス処理部31が出力した目標検出結果を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内である場合に、短パルス処理部31が出力した目標検出結果と長パルス処理部32が出力した目標検出結果の目標位置の平均値(必要に応じてドップラ周波数情報の平均値)を算出して、その算出値を出力する。
図8は、本発明の第1の実施形態における短パルス処理部31の動作例を示すフローチャートである。説明を簡単にするため、図7の例では、短パルス処理部31が、複数回のパルスヒット積分を実施せずに、短パルス1回の送受信結果に対して、目標検出を行う場合を記載している。なお、本発明の第1の実施形態において、短パルス処理部31は、複数回のパルスヒット積分を実施してもよい。
短パルス処理部31は、短パルス信号を送信したことに応じて、閾値(TH1)で、目標を検出する(S101)。閾値(TH1)は、前述したとおり、パルス信号の受信レベルに対する閾値であり、レーダ装置1に要求される性能を満たすように設定される。
短パルス処理部31は、短パルス信号の送信後、所定の時間(T2)経過したか否かを判定する(S102)。短パルス処理部31は、所定の時間(T2)経過していない場合、S101に戻る。短パルス処理部31は、所定の時間(T2)経過している場合、S103に進む。所定の時間(T2)は、例えば、閾値(TH1)で目標検出を行う際に、目標からの受信信号が、レーダ装置に要求される誤探知確率及び探知確率を同時に満たすことが可能なる受信レベル(又は信号対雑音比)が得られる最大距離に相当する時間に設定する。
短パルス処理部31は、短パルス信号を送信してから所定の時間(T2)経過後、閾値(TH1)よりも低い閾値(TH2)以上の短パルス信号により目標を検出する(S103)。
図9は、本発明の第1の実施形態における長パルス処理部32の動作例を示すフローチャートである。説明を簡単にするため、図8の例では、短パルス処理部31が、複数回のパルスヒット積分を実施せずに、短パルス1回の送受信結果に対して、目標検出を行う場合を記載している。なお、本発明の第1の実施形態において、短パルス処理部31は、複数回のパルスヒット積分を実施してもよい。
長パルス処理部32は、長パルス送信中は受信処理を実施しないが、予め定めた短長パルス多重処理期間(図2のT3)では、受信データの内容をゼロデータ又はノイズレベルデータで補正(置換)する。そして、短長パルス多重処理期間T3と、長パルス受信期間(図2のT7)の全体期間を通して、パルス圧縮処理を実施する(S201)。
当該パルス圧縮結果に対して、該レーダ装置1に与えられた誤探知確率及び探知確率を満たす閾値(TH3)で目標検出を行う(S202)。
このような構成を有するレーダ装置1は、目標の検出に用いることができる短パルス信号の閾値を下げることで、短パルス信号による検索する距離を延ばすことができる。また、レーダ装置1は、延ばした距離内の目標については、所定の閾値より小さい受信レベルの短パルスから求めた目標の検出結果と、ゼロデータやノイズレベルデータ等で補正した部分を含めた長パルス信号から求めた目標の検出結果とを照合する。そして、該レーダ装置1は、照合の結果が所定の条件を満たす場合にだけ、目標の位置に関する情報を出力するので、検出結果の精度も確保することができる。
すなわち、本発明の第一の実施形態のレーダ装置1は、短パルス信号により検索可能な最大探知距離を長くすることができ、それに伴い長パルス信号のパルス幅を長く設定できるので、レーダ装置1の最大探知距離を長くすることができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、目標が所定の距離(短長パルス多重処理期間:図2のT3)にある場合に、統合処理部33が、短パルス処理部31の目標検出結果と長パルス処理部32の目標検出結果とに基づき、目標の位置に関する情報を出力する方法の細部処理例である。
本発明の第2の実施形態におけるレーダ装置は、図1に示す、本発明の一実施形態と同様の構成である。なお、本発明の第2の実施形態において、本発明の一実施形態及び第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
統合処理部33は、例えば、目標が所定の距離(短長パルス多重処理期間)にある場合に、短パルス処理部31が求めた目標検出結果と、長パルス処理部32が求めた目標検出結果とに基づいて、少なくとも目標の位置に関する情報を含む目標検出結果を出力する。ここで目標検出結果には、目標位置情報の他に、必要に応じて検出した目標信号のレベルやドップラ情報を含めても良い。統合処理部33は、例えば、両者の検出結果が所定の条件を満たす場合に、その検出結果から求まる目標検出結果を出力する。
統合処理部33は、例えば、両者の検出結果、すなわち短パルス処理部31が求めた目標検出結果と、長パルス処理部32が求めた目標検出結果とが一致した場合に、その一致した目標検出を出力する。
また、統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、どちらか一方の目標検出結果を出力する。統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、短パルス処理部31が求めた目標検出結果を優先して出力してもよい。また、統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、長パルス処理部32が求めた目標検出結果を優先して出力してもよい。また、統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、短パルスおよび長パルスの両者の目標検出結果をそのまま出力しても良い。 また、統合処理部33は、例えば、両者の目標検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、両者の目標検出結果の平均値を出力してもよい。この場合において、統合処理部33で平均値を出力するのは、目標位置についてのみとしても良く、更にはドップラ情報の平均値も含むこととしても良い。
また、統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、短パルス処理部31が所定の閾値(TH1)によって検出結果を求めている場合、その目標検出を出力してもよい。
また、統合処理部33は、例えば、両者の検出結果の誤差が所定の範囲内にある場合、短パルス信号と長パルス信号とのうち、設計上の距離精度が高いほうのパルス信号から求められた目標検出結果を出力してもよい。設計上の距離精度は、例えば、信号対雑音比に基づいて求められる。また、設計上の距離精度は、例えば、長パルス信号の場合、長パルス信号の送信時に受信したことに基づく、受信パルスの欠落に基づいて求めてもよい。また、設計上の距離精度は、例えば、長パルス信号の場合、受信後のパルス圧縮後の受信波形のピーク位置におけるドップラ効果によるずれに基づいて求められる。
本発明の第2の実施形態のレーダ装置1は、統合処理装置32が、例えばレーダ装置1の使用方法や使用環境、長パルス信号の受信状況等に応じて、最適な方法を選択・実装することにより、最適な検出結果を出力することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。第3の実施形態において、レーダ装置1に含まれる信号処理部30のコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro−Processing Unit)等は、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を実行する。なお、本発明の第3の実施形態において、該ソフトウェア(プログラム)を実行する装置は、レーダ装置1に限られず、どのような装置であってもよい。
図9に示すように、本発明の第3の実施経緯において、レーダ装置1に含まれる信号処理部30は、例えばCD−R(Compact Disc Recordable)等の各種記憶媒体又はネットワークを介して、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を取得する。レーダ装置1に含まれる信号処理部30が取得するプログラム、又は、該プログラムを記憶した記憶媒体は、本発明を構成することになる。なお、該ソフトウェア(プログラム)は、例えば、レーダ装置1に含まれる信号処理部30に含まれる所定の記憶部(図示しない)に、予め記憶されていてもよい。
レーダ装置1の信号処理部30のコンピュータ、CPU又はMPU等は、取得したソフトウェア(プログラム)のプログラムコードを読み出して実行する。したがって、該レーダ装置1に含まれる信号処理部30、上述した各実施形態における通信装置の処理と同一の処理を実行する。
本発明の第3の実施形態によれば、レーダ装置1に含まれる信号処理部30のコンピュータ、CPU又はMPU等に実現するためのプログラムといった用途に適用できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、
前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行う第1の処理部と、
前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中の受信信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行う第2の処理部と、
前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める統合処理部とを有する
ことを特徴とするレーダ装置。
(付記2)
前記の長パルスに対する第2の処理部は、
長パルス送信中に、前記所定の遠距離域に相当する時間幅について、前記時間幅を包括して、前記受信信号に対して所定の補正を行うことを特徴とする付記1に記載のレーダ装置。
(付記3)
前記の受信信号の補正処理として、受信信号を受信レベルが0である信号又は雑音信号で上書き置換する
ことを特徴とする付記1又は2に記載のレーダ装置。
(付記4)
前記第1の処理部は、
前記所定の遠距離域よりも近距離の距離範囲において、目標検出のための閾値を、前記第1の閾値に設定する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記5)
前記第2の処理部は、
前記レーダ装置に要求される誤探知確率および探知確率を満たすように設定される第3の閾値以上の長パルス信号から、目標の位置を検出する
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記6)
前記第1の処理部は、
前記第2の閾値による目標検出処理の開始時間として、前記短パルス信号を送信してから、前記第1の閾値を用いて目標を検出可能な最大距離からの反射波が前記送受信部に到達するまでの時間に設定する
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記7)
前記統合処理部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との誤差が所定の範囲内であることに応じて、前記目標の位置に関する情報を求める
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記8)
前記統合処理部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との平均から、前記目標の位置に関する情報を求める
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記9)
前記第1の検出結果及び第2の検出結果は、検出した目標のドップラ情報をさらに含み、
前記統合処理部は、前記第1の検出結果及び前記第2の検出結果に含まれる前記目標位置及び前記ドップラ情報がそれぞれ所定の範囲で一致した場合に、前記目標の位置に関する情報及びドップラ情報の少なくとも一方の平均値、又は、第1及び第2の少なくとも一方の検出結果を出力する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載のレーダ装置。
(付記10)
相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、
前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行い、
前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中の受信信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行い、
前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める
ことを特徴とするレーダ信号処理方法。
(付記11)
長パルス送信中に、前記所定の遠距離域に相当する時間幅について、前記時間幅を包括して、前記受信信号に対して所定の補正を行うことを特徴とする付記10に記載のレーダ信号処理方法。
(付記12)
前記の受信信号の補正処理として、受信信号を受信レベルが0である信号又は雑音信号で上書き置換することを特徴とする付記10又は11に記載のレーダ信号処理方法。
(付記13)
前記所定の遠距離域よりも近距離の距離範囲において、目標検出のための閾値を、前記第1の閾値に設定することを特徴とする付記10乃至12のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記14)
前記レーダ装置に要求される誤探知確率および探知確率を満たすように設定される第3の閾値以上の長パルス信号から、目標の位置を検出することを特徴とする付記10乃至13のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記15)
前記第2の閾値による目標検出処理の開始時間として、前記短パルス信号を送信してから、前記第1の閾値を用いて目標を検出可能な最大距離からの反射波が前記送受信部に到達するまでの時間に設定することを特徴とする付記10乃至14のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記16)
前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との誤差が所定の範囲内であることに応じて、前記目標の位置に関する情報を求めることを特徴とする付記10乃至15のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記17)
前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との平均から、前記目標の位置に関する情報を求めることを特徴とする付記10乃至16のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記18)
前記第1の検出結果及び第2の検出結果は、検出した目標のドップラ情報をさらに含み、
前記第1の検出結果及び前記第2の検出結果に含まれる前記目標位置及び前記ドップラ情報がそれぞれ所定の範囲で一致した場合に、前記目標の位置に関する情報及びドップラ情報の少なくとも一方の平均値、又は、第1及び第2の少なくとも一方の検出結果を出力する
ことを特徴とする付記10乃至17のいずれかに記載のレーダ信号処理方法。
(付記19)
相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、
前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標を検出する処理と、
前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中の受信信号に対して、所定の補正を行った上で長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスに対して目標を検出する処理と、
前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記20)
長パルス送信中に、前記所定の遠距離域に相当する時間幅について、前記時間幅を包括して、前記受信信号に対して所定の補正を行う処理を含むことを特徴とする付記19に記載のプログラム。
(付記21)
前記の受信信号の補正処理として、受信信号を受信レベルが0である信号又は雑音信号で上書き置換する処理を含むことを特徴とする付記19又は20に記載のプログラム。
(付記22)
前記所定の遠距離域よりも近距離の距離範囲において、目標検出のための閾値を、前記第1の閾値に設定する処理を含むことを特徴とする付記19乃至21のいずれかに記載のプログラム。
(付記23)
前記レーダ装置に要求される誤探知確率および探知確率を満たすように設定される第3の閾値以上の長パルス信号から、目標の位置を検出する処理を含むことを特徴とする付記19乃至22のいずれかに記載のプログラム。
(付記24)
前記第2の閾値による目標検出処理の開始時間として、前記短パルス信号を送信してから、前記第1の閾値を用いて目標を検出可能な最大距離からの反射波が前記送受信部に到達するまでの時間に設定する処理を含むことを特徴とする付記19乃至23のいずれかに記載のプログラム。
(付記25)
前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との誤差が所定の範囲内であることに応じて、前記目標の位置に関する情報を求める処理を含むことを特徴とする付記19乃至24のいずれかに記載のプログラム。
(付記26)
前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との平均から、前記目標の位置に関する情報を求める処理を含むことを特徴とする付記19乃至25のいずれかに記載のプログラム。
(付記27)
前記第1の検出結果及び第2の検出結果は、検出した目標のドップラ情報をさらに含み、
前記第1の検出結果及び前記第2の検出結果に含まれる前記目標位置及び前記ドップラ情報がそれぞれ所定の範囲で一致した場合に、前記目標の位置に関する情報及びドップラ情報の少なくとも一方の平均値、又は、第1及び第2の少なくとも一方の検出結果を出力する処理
を含むことを特徴とする付記19乃至26のいずれかに記載のプログラム。
1 レーダ装置
10 アンテナ
20 送受信部
30 信号処理部
31 短パルス処理部
32 長パルス処理部
33 統合処理部
310 短パルス信号処理部
311 短パルス目標検出部
312 第1の目標検出部
313 第2の目標検出部
320 信号補正部
321 パルス圧縮部
322 長パルス信号処理部
323 長パルス目標検出部
3101 不要信号抑圧
3102 ドップラフィルタ
3103 I/Q合成
3104 CFAR
3105 最大値選択

Claims (10)

  1. 相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、
    前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行う第1の処理部と、
    前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中の受信信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行う第2の処理部と、
    前記所定の遠距離域について、前記第1の処理部と前記第2の処理部でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める統合処理部とを有する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記の長パルスに対する第2の処理部は、
    長パルス送信中に、前記所定の遠距離域に相当する時間幅について、前記時間幅を包括して、前記受信信号に対して所定の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記の受信信号の補正処理として、受信信号を受信レベルが0である信号又は雑音信号で上書き置換する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダ装置。
  4. 前記第1の処理部は、
    前記所定の遠距離域よりも近距離の距離範囲において、目標検出のための閾値を、前記第1の閾値に設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  5. 前記第2の処理部は、
    前記レーダ装置に要求される誤探知確率および探知確率を満たすように設定される第3の閾値以上の長パルス信号から、目標の位置を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  6. 前記第1の処理部は、
    前記第2の閾値による目標検出処理の開始時間として、前記短パルス信号を送信してから、前記第1の閾値を用いて目標を検出可能な最大距離に相当する時間に設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  7. 前記統合処理部は、前記第1の処理部が求めた検出結果と前記第2の処理部が求めた検出結果との誤差が所定の範囲内であることに応じて、前記目標の位置に関する情報を求める
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  8. 前記統合処理部は、前記第1の処理部が求めた検出結果と前記第2の処理部が求めた検出結果との平均から、前記目標の位置に関する情報を求める
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のレーダ装置。
  9. 前記第1の処理部が求めた検出結果及び前記第2の処理部が求めた検出結果は、検出した目標のドップラ情報をさらに含み、
    前記統合処理部は、前記第1の処理部が求めた検出結果及び前記第2の処理部が求めた検出結果に含まれる前記目標位置及び前記ドップラ情報がそれぞれ所定の範囲で一致した場合に、前記目標の位置に関する情報及びドップラ情報の少なくとも一方の平均値、又は、前記第1の処理部が求めた検出結果及び前記第2の処理部が求めた検出結果の少なくとも一方を出力する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載のレーダ装置。
  10. 相対的にパルス幅が短く近距離の目標を検出するための短パルス信号と、相対的にパルス幅が長く遠距離の目標を検出するための長パルス信号とを送受信する複合パルス方式のレーダ装置において、
    前記短パルスに対して、短パルス処理範囲中の所定の遠距離域において、前記レーダ装置の短パルスに要求される誤探知確率および探知確率を満足する第1の閾値よりも、低い第2の閾値で目標検出処理を行う第1の処理手順と、
    前記第2の閾値による目標検出処理を行う前記所定の遠距離域に相当する長パルス側の送信時間中の受信信号に対して、所定の補正を行った上で、長パルスのパルス圧縮処理を行うことにより、長パルスによる目標検出処理を行う第2の処理手順と、
    前記所定の遠距離域について、前記第1の処理手順と前記第2の処理手順でそれぞれ求められた目標検出結果を照合することにより、前記遠距離域内の目標の位置に関する情報を求める統合処理手順とを有する
    ことを特徴とするレーダ信号処理方法。
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